JPH0768504A - 溝付き化粧板及びその製造方法 - Google Patents

溝付き化粧板及びその製造方法

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JPH0768504A
JPH0768504A JP24216393A JP24216393A JPH0768504A JP H0768504 A JPH0768504 A JP H0768504A JP 24216393 A JP24216393 A JP 24216393A JP 24216393 A JP24216393 A JP 24216393A JP H0768504 A JPH0768504 A JP H0768504A
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JP
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wood
board
embossing
pattern
plywood
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JP24216393A
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Osamu Maruyama
修 丸山
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Nankai Plywood Co Ltd
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Nankai Plywood Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価な下級木材のムク板、集成材、合板、木
質系ボードなどを基材として簡単な製造工程によって製
造することができ、しかも天然木の突板を用いたものと
同等の優れた質感や美観を有する安価な溝付き化粧板を
提供する。 【構成】 ムク板、集成材、合板及び木質系ボードから
選ばれる木質系基材4の表面6にエンボスe1による模
様8、エンボスe2による溝10及びエンボスe3による
溝12をエンボス加工によって同時に形成する。そし
て、基材4の表面6に表面塗装層16を形成して溝付き
化粧板2を得る。必要に応じ、表面塗装層16の形成前
に基材4の表面に着色塗装を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床板用の板材等として
好適に使用することができる溝付き化粧板及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、洋室の床板用板材として、表層材
に天然木の突板を用いた溝付き化粧板が使用されてい
る。
【0003】上記溝付き化粧板は、例えば図3に示すも
のである。図3の溝付き化粧板52は、下級木材である
ラワン等の単板54を複数枚(本例では5枚)貼り合わ
せた長さ約1800mm(6尺)、幅約300mm(1
尺)、厚さ約12mmの普通合板56の表面に天然木の
突板58を接着した後、溝加工により溝60、60を形
成し、最後に表面塗装62を施したものである。
【0004】上記突板58は、優良天然木の板材を厚さ
0.2mm〜0.3mm程度に薄くスライスしたもの
で、木材特有の質感や美観をもたらす柾目、板目などの
木目模様64が良好に表れており、またその色相も全面
にわたってほぼ同系で整っている。したがって、この天
然木の突板58を用いた溝付き化粧板52は見栄えがよ
く、商品価値の高いものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、優良天然木の不
足が進んできている。また、世界的にも天然木の有効利
用や節約を図る傾向にある。そして、このような状況を
背景として、優良天然木の突板の安定供給、適正価格維
持が難しくなっていているのが現状である。このため、
図3に示したような天然木の突板を用いた溝付き化粧板
は、非常に高価格になってきている。
【0006】また、図3に示した天然木の突板を用いた
溝付き化粧板は、普通合板と突板との接着を行った後、
さらに溝加工を行わなければならず、製造工程が煩雑で
あるという問題があり、しかも図3(A)に示すように
表面に突板の接合部66がある場合、長期間が経過する
とこの接合部66が劣化し、隣接する突板間に隙間が生
じるという欠点がある。
【0007】一方、これまで木材特有の質感や美観を表
す突板の材料として使用されていなかったラミン、ゴム
といった下級木材や、集成材、合板、木質系ボードなど
では、その供給は優良天然木のように厳しい状況にはな
っていない。したがって、下級木材のムク板、集成材、
合板、木質系ボード等を用いて外観の優れた溝付き化粧
板を製造することができれば、産業上、資源保護上きわ
めて有効である。
【0008】しかし、下級木材のムク板、集成材、合
板、木質系ボードの場合、優良天然木とは異なり、その
板材の表面には柾目、板目等の良好な木目模様を有する
ものではない。しかも、その表面には様々な大きさや色
の濃さを持った導管の断面や導管口が存在していたり、
色相も部分部分で異なっていることが多い。したがっ
て、下級木材のムク板、集成材、合板、木質系ボードを
基材として溝付き化粧板を製造した場合、見栄えの良い
ものを得ることができず、高級感のある溝付き化粧板を
得ることは困難である。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、下級木材のムク板、集成材、合板、木質系ボードと
いった木質系基材を用いて安価かつ簡便に製造すること
ができ、しかも天然木の突板を用いたものと同等の優れ
た質感や美観を有する溝付き化粧板を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため、下級木材のムク板、集成材、合
板、木質系ボードを基材として優良天然木の突板を用い
たものと同様の優れた外観を有する溝付き化粧板を製造
することについて鋭意研究を行った結果、下記(1)〜
(2)の知見を得た。
【0011】(1)下級木材のムク板、集成材、合板、
木質系ボードといった木質系基材の表面にエンボス加工
によってエンボスからなる模様を設けることにより、こ
れら木質系基材が有する色や模様等の外観的要素とエン
ボスによる模様とが複合し、優良天然木の突板を用いた
ものと同等の外観を有する化粧板が得られること。
【0012】(2)エンボス加工工程において、エンボ
スによる模様の形成と同時にエンボスによる溝を形成す
ることにより、溝加工工程を要することなく溝を形成す
ることができ、製造工程を簡略化できること。
【0013】そして、上述した木質系基材へのエンボス
加工による模様及び溝の形成という手段を採用すること
により、天然木の突板を用いることなく、しかも木質系
基材が本来持っている木の質感を利用しながら、優れた
質感及び美観を備えた溝付き化粧板を簡便かつ安価に製
造できることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0014】したがって、本発明は、ムク板、集成材、
合板及び木質系ボードから選ばれる木質系基材の表面に
エンボスからなる模様及び溝が形成され、かつ前記木質
系基材のエンボス形成面に表面塗装が施されていること
を特徴とする溝付き化粧板を提供する。
【0015】さらに、本発明は、ムク板、集成材、合板
及び木質系ボードから選ばれる木質系基材の表面にエン
ボス加工によってエンボスによる模様及び溝を同時に形
成した後、前記木質系基材のエンボス形成面に表面塗装
を施すことを特徴とする溝付き化粧板の製造方法を提供
する。
【0016】以下、本発明につきさらに詳しく説明す
る。本発明において、木材のムク板としては、例えばラ
ミン、ゴム、ラワン、カポールといった下級木材のムク
板を挙げることができる。
【0017】集成材としては、例えばラミン、ゴム、ラ
ワン、カポールといった下級木材のひき板あるいは小角
材等を繊維方向を互いにほぼ平行にして集成接着したも
のなどを挙げることができる。
【0018】合板としては、公知の普通合板、例えばラ
ワン、カポール等の下級木材からなる複数枚の単板を接
着剤によって繊維方向が互いに直交するように貼り合わ
せたものなどを使用することができる。
【0019】木質系ボードとしては、木材小片に接着剤
を加えて高温・高圧でプレスしたパーティクルボード、
木材繊維を成形して造ったファイバーボードなどを用い
ることができる。これらの内、ファイバーボードとして
は、ハードボード(硬質繊維板)、MDF(中質繊維
板)、インシュレーションボード(軟質繊維板)等を挙
げることができる。
【0020】本発明の溝付き化粧板を床板用の板材とす
る場合、木質系基材の厚さは10〜18mm程度とする
ことが好ましい。
【0021】本発明の溝付き化粧板は、上記木質系基材
の表面にエンボスからなる模様及び溝が形成されてい
る。エンボスとは、エンボス加工によって形成した凹部
をいう。エンボス加工は、エンボスに対応する凸部が形
成された成形ロールを備えたエンボス加工機を用いて行
われる。
【0022】この場合、エンボスによる模様は、基材の
表面に小型の任意数の互いに密集したエンボス群を目的
とする模様状に配列することにより形成することができ
る。エンボスによる模様としては、例えば柾目模様、板
目模様などの木目模様、あるいは唐草模様、市松模様、
網代模様等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0023】また、エンボスによる溝は、基材の表面に
溝状のエンボスを設けることにより形成することができ
る。
【0024】なお、模様及び溝を形成するエンボスの断
面形状、平面形状等に特に限定はなく、目的に応じた任
意の形状とすることができる。
【0025】また、エンボス加工機の成型ロールの模様
形成用凸部を任意の高さ範囲(例えば100〜400
μ)で様々な高さを有するものに形成したり、成型ロー
ル表面の任意の箇所、例えば凸部の上面あるいは凸部間
に形成される凹部の底面に細かい凹凸模様(例えば梨地
模様)を付けることにより、さらに変化のある外観を有
する溝付き化粧板を得ることができる。
【0026】本発明の溝付き化粧板は、基材のエンボス
形成面に表面塗装が施されている。塗装剤としては、無
色透明あるいは有色透明のラッカー、ウレタン塗料等を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0027】また、表面塗装を行う前に、基材のエンボ
ス形成面に染料や顔料によって任意の色の着色塗装を施
すことができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0029】実施例 図1及び図2は本発明の一実施例に係る溝付き化粧板を
示す。この化粧板2は床板用の板材として使用されるも
のである。
【0030】図中4は木質系基材を示す。この基材4
は、ラミン、ゴム等のムク板からなる。基材4の表面6
には、互いに密集した任意の数の小型エンボスe1から
なるエンボス群E1が木目模様状に配列され、このエン
ボス群E1によって木目模様8が形成されている。小型
エンボスe1は、縦断面形状が四角形のものであり、平
面形状は雲型、楕円形、紡錘形などである。小型エンボ
スe1の寸法は、深さが約0.1〜0.2mm、幅が約
0.3〜1.8mm、長さが約1.3〜8.0mm程度
である。
【0031】基材4の表面6には、長さ方向に沿って連
続した2本の長尺溝状エンボスe2が等間隔毎に平行配
置され、この長尺溝状エンボスe2によって溝10が形
成されている。長尺溝状エンボスe2は、縦断面形状が
四角形のものである。長尺溝状エンボスe2の寸法は、
深さが約0.5〜2mm、幅が約0.5〜2mmで、長
さは基材4の長さと同じである。
【0032】また、基材4の表面6には、基材4一側部
と一方の溝10との間、一方の溝10と他方の溝10と
の間及び他方の溝10と基材4他側部との間に、それぞ
れ幅方向に沿って浅溝状エンボスe3が形成され、この
浅溝状エンボスe3によって突板の継ぎ目を表現する溝
12が形成されている。浅溝状エンボスe3は、縦断面
形状が四角形のものである。溝状エンボスe3の寸法
は、深さが約0.1〜1mm、幅が約0.3〜1.8m
m程度である。
【0033】さらに、基材4の表面6は、図示していな
いが、エンボス加工機の成型ロールとしてその凸部間に
形成される凹部の底面に細かい凹凸模様を付けたものを
用いたことにより、素地の部分(エンボスe1、e2、e
3による模様や溝が形成されていない部分であって、図
1において符号14で示したような部分)が梨地状にな
っている。
【0034】基材4の表面6全面には、化粧仕上げのた
めの表面塗装層16が形成されている。この表面塗装層
16は、透明塗料であるクリアラッカーからなる。
【0035】本実施例の溝付き化粧板2の製造は、以下
のように行う。まず、必要により、木質系基材4の表面
をスクレーバー、ベルトサンダー等の研磨機によって研
磨する。
【0036】次に、エンボス加工機を用いて、基材4の
表面6にエンボスe1、e2及びe3を同時に形成する。
【0037】この場合、エンボス加工機の成形ロールと
しては、模様8を構成するエンボスe1、溝10を構成
するエンボスe2、溝12を構成するエンボスe3に対応
する凸部を有するものを用いる。この凸部は、成形ロー
ルの表面にエッチング等によって設ける。また、成形ロ
ールには、エンボスe1、e2、e3に対応する凸部の間
に形成される凹部の全部又は一部に梨地形成用の小さな
凹凸をエッチング等によって設ける。そして、エンボス
加工機の成形ロールと搬送台との間に基材4を置き、成
形ロールを基材4の表面6に押しつけながら成形ロール
を回転させることにより、エンボスe1、e2、e3と梨
地を形成する。なお、エンボスe2による溝10やエン
ボスe3による溝12をさらに深くする場合は、後加工
でエンボスe2やe3に沿って通常の溝加工を行ってもよ
い。
【0038】次に、必要により、表面塗装層16の形成
前に基材4の表面を染料によって着色する。染料はエン
ボスe1、e2及びe3の内周壁部及び底部を染色する。
このとき、木質系基材4の繊維方向が水平方向に沿って
いると、エンボスe1、e2及びe3の底部よりも内周壁
部に染料がより多く浸透して強い着色を果たし、エンボ
スe1、e2及びe3内において色調の変化が生じるよう
になる。なお、この着色には顔料を用いてもよい。
【0039】最後に、基材4の表面6全面に表面保護、
つや出し等のためにクリアラッカーを塗装して表面塗装
層16を形成する。これにより本実施例の溝付き化粧板
2が完成する。なお、表面塗装層は、一回目の塗装を行
った後にこの塗装層を研磨し、次いで2回目の塗装を行
うような複数回の塗装によって形成してもよい。
【0040】本実施例の作用効果は次に述べる通りであ
る。 (1)エンボス群E1による木目模様8を設けてあるので、
木質系基材6表面の外観的要素とエンボス群E1による
木目模様8とが複合化し、天然木の突板を用いたものと
同等の質感や美観を備え、意匠的に優れた外観の溝付き
化粧板2を得ることができる。
【0041】(2)エンボス加工工程でエンボスe1、e
2、e3からなる模様8、溝10、溝12を同時に形成す
るようにしたので、製造工程を簡略化して製造コストを
引き下げることができる。
【0042】なお、上記実施例においてはエンボスe
1、e2及びe3の縦断面形状を四角形としたが、例えば
縦断面形状をV字形とすることによりエンボスe1、e2
及びe3の内周壁部の面積を大きくし、内周壁部からの
反射光を乱反射させて、エンボスe1、e2及びe3の見
た目に変化が出るようにしてもよい。また、上記実施例
では木質系基材としてムク板を用いたが、集成材、合板
又は木質系ボードを用いてもよい。さらに、その他の構
成についても本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更
して差し支えない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は下記〜
の効果を奏する。 木質系基材の表面にエンボスによる模様を設けたの
で、木質系基材の外観的要素とエンボスによる模様とが
複合化し、優良天然木の突板を用いたものと同等の優れ
た外観を有する溝付き化粧板を得ることができる。
【0044】天然木突板を用いた溝付き化粧板のよう
に突板の接合部の経時的劣化によって隙間ができるとい
う問題が生じない。
【0045】本発明の製造方法によれば、エンボス加
工工程で模様及び溝の両者を同時に形成するようにした
ので、従来のような基材と突板との接着工程及びその後
の溝加工工程が必要なく、このため製造工程を簡便にし
て本発明溝付き化粧板を効率良く製造することができ
る。
【0046】したがって、本発明によれば、高価な突板
を用いることなく安価なムク板、集成材、合板、木質系
ボードといった木質系基材を用い、かつ簡便な製造工程
によって、上記木質系基材が持っている木の質感を尊重
しながら優れた外観を備えた安価な溝付き化粧板を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る溝付き化粧板を示す一
部省略平面図である。
【図2】同例の溝付き化粧板を示す模式的拡大断面図で
ある。
【図3】天然木の突板を用いた従来の溝付き化粧板を示
すもので、(A)は一部省略平面図、(B)は断面図で
ある。
【符号の説明】
2 溝付き化粧板 4 木質系基材 8 模様 10 溝 12 溝 16 表面塗装層 e1 小型エンボス e2 長尺溝状エンボス e3 浅溝状エンボス
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 33/00 7148−4F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムク板、集成材、合板及び木質系ボード
    から選ばれる木質系基材の表面にエンボスからなる模様
    及び溝が形成され、かつ前記木質系基材のエンボス形成
    面に表面塗装が施されていることを特徴とする溝付き化
    粧板。
  2. 【請求項2】 ムク板、集成材、合板及び木質系ボード
    から選ばれる木質系基材の表面にエンボスからなる模様
    及び溝が形成され、かつ前記木質系基材のエンボス形成
    面に着色塗装及び表面塗装が順次施されていることを特
    徴とする溝付き化粧板。
  3. 【請求項3】 ムク板、集成材、合板及び木質系ボード
    から選ばれる木質系基材の表面にエンボス加工によって
    エンボスによる模様及び溝を同時に形成した後、前記木
    質系基材のエンボス形成面に表面塗装を施すことを特徴
    とする溝付き化粧板の製造方法。
  4. 【請求項4】 ムク板、集成材、合板及び木質系ボード
    から選ばれる木質系基材の表面にエンボス加工によって
    エンボスによる模様及び溝を同時に形成した後、前記木
    質系基材のエンボス形成面に着色塗装及び表面塗装を順
    次施すことを特徴とする溝付き化粧板の製造方法。
JP24216393A 1993-09-03 1993-09-03 溝付き化粧板及びその製造方法 Pending JPH0768504A (ja)

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