JPH0768709A - 溝付き化粧板及びその製造方法 - Google Patents
溝付き化粧板及びその製造方法Info
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- JPH0768709A JPH0768709A JP24216693A JP24216693A JPH0768709A JP H0768709 A JPH0768709 A JP H0768709A JP 24216693 A JP24216693 A JP 24216693A JP 24216693 A JP24216693 A JP 24216693A JP H0768709 A JPH0768709 A JP H0768709A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 安価な下地材及び下級木材の突板を用いて簡
単な製造工程によって製造することができ、しかも優良
天然木の突板を用いたものと同等の優れた質感や美観を
有する溝付き化粧板を提供する。 【構成】 下地材6の表面に下級木材の突板8を接着剤
10によって接着することにより基体4を製造する。基
体4のシート材接着面18に、エンボスe1による模様
20及びエンボスe2による溝22をエンボス加工によ
って同時に形成する。そして、基体4の突板接着面18
に着色を行い、さらに表面塗装層26を形成して溝付き
化粧板2を得る。
単な製造工程によって製造することができ、しかも優良
天然木の突板を用いたものと同等の優れた質感や美観を
有する溝付き化粧板を提供する。 【構成】 下地材6の表面に下級木材の突板8を接着剤
10によって接着することにより基体4を製造する。基
体4のシート材接着面18に、エンボスe1による模様
20及びエンボスe2による溝22をエンボス加工によ
って同時に形成する。そして、基体4の突板接着面18
に着色を行い、さらに表面塗装層26を形成して溝付き
化粧板2を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、床板用の板材等として
好適に使用することができる溝付き化粧板及びその製造
方法に関する。
好適に使用することができる溝付き化粧板及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、洋室の床板用板材として、表層材
に優良天然木の突板を用いた溝付き化粧板が使用されて
いる。
に優良天然木の突板を用いた溝付き化粧板が使用されて
いる。
【0003】上記溝付き化粧板は、例えば図3に示すも
のである。図3の溝付き化粧板52は、下級木材である
ラワン等の単板54を複数枚(本例では5枚)貼り合わ
せた長さ約1800mm(6尺)、幅約300mm(1
尺)、厚さ約12mmの普通合板56の表面に優良天然
木の突板58を接着した後、溝加工により溝60、60
を形成し、最後に表面塗装62を施したものである。
のである。図3の溝付き化粧板52は、下級木材である
ラワン等の単板54を複数枚(本例では5枚)貼り合わ
せた長さ約1800mm(6尺)、幅約300mm(1
尺)、厚さ約12mmの普通合板56の表面に優良天然
木の突板58を接着した後、溝加工により溝60、60
を形成し、最後に表面塗装62を施したものである。
【0004】上記突板58は、優良天然木の板材を厚さ
0.2mm〜0.3mm程度に薄くスライスしたもの
で、木材特有の質感や美観をもたらす柾目、板目などの
木目模様64が良好に表れており、またその色相も全面
にわたってほぼ同系で整っている。したがって、この優
良天然木の突板58を用いた溝付き化粧板52は見栄え
がよく、商品価値の高いものとなっている。
0.2mm〜0.3mm程度に薄くスライスしたもの
で、木材特有の質感や美観をもたらす柾目、板目などの
木目模様64が良好に表れており、またその色相も全面
にわたってほぼ同系で整っている。したがって、この優
良天然木の突板58を用いた溝付き化粧板52は見栄え
がよく、商品価値の高いものとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、優良天然木の不
足が進んできている。また、世界的にも天然木の有効利
用や節約を図る傾向にある。そして、このような状況を
背景として、優良天然木の突板の安定供給、適正価格維
持が難しくなっていているのが現状である。このため、
図3に示したような優良天然木の突板を用いた溝付き化
粧板は、非常に高価格になってきている。
足が進んできている。また、世界的にも天然木の有効利
用や節約を図る傾向にある。そして、このような状況を
背景として、優良天然木の突板の安定供給、適正価格維
持が難しくなっていているのが現状である。このため、
図3に示したような優良天然木の突板を用いた溝付き化
粧板は、非常に高価格になってきている。
【0006】また、図3に示した優良天然木の突板を用
いた溝付き化粧板は、普通合板と突板との接着を行った
後、さらに溝加工を行わなければならず、製造工程が煩
雑であるという問題がある。
いた溝付き化粧板は、普通合板と突板との接着を行った
後、さらに溝加工を行わなければならず、製造工程が煩
雑であるという問題がある。
【0007】一方、これまで木材特有の質感や美観を表
す突板の材料として使用されていなかったラミン、ゴム
といった下級木材や、合板、集成材、木質系ボード、樹
脂系ボードなどでは、その供給は優良天然木のように厳
しい状況にはなっていない。したがって、下級木材、合
板、集成材、木質系ボード、樹脂系ボード等を用いて外
観の優れた溝付き化粧板を製造することができれば、産
業上、資源保護上きわめて有効である。
す突板の材料として使用されていなかったラミン、ゴム
といった下級木材や、合板、集成材、木質系ボード、樹
脂系ボードなどでは、その供給は優良天然木のように厳
しい状況にはなっていない。したがって、下級木材、合
板、集成材、木質系ボード、樹脂系ボード等を用いて外
観の優れた溝付き化粧板を製造することができれば、産
業上、資源保護上きわめて有効である。
【0008】しかし、下級木材のムク板、合板、集成
材、木質系ボード、樹脂系ボードは、優良天然木とは異
なり、その板材の表面に柾目、板目等の良好な木目模様
を有するものではない。しかも、下級木材のムク板、合
板、集成材、木質系ボードの場合、その表面には様々な
大きさや色の濃さを持った導管の断面や導管口が存在し
ていたり、色相も部分部分で異なっていることが多い。
したがって、下級木材のムク板、合板、集成材、木質系
ボード、樹脂系ボードを基材として溝付き化粧板を製造
した場合、見栄えの良いものを得ることができず、高級
感のある溝付き化粧板を得ることは困難である。
材、木質系ボード、樹脂系ボードは、優良天然木とは異
なり、その板材の表面に柾目、板目等の良好な木目模様
を有するものではない。しかも、下級木材のムク板、合
板、集成材、木質系ボードの場合、その表面には様々な
大きさや色の濃さを持った導管の断面や導管口が存在し
ていたり、色相も部分部分で異なっていることが多い。
したがって、下級木材のムク板、合板、集成材、木質系
ボード、樹脂系ボードを基材として溝付き化粧板を製造
した場合、見栄えの良いものを得ることができず、高級
感のある溝付き化粧板を得ることは困難である。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、下級木材のムク板、合板、集成材、木質系ボード、
樹脂系ボードといった下地材と下級木材の突板とを用い
て安価かつ簡便に製造することができ、しかも優良天然
木の突板を用いたものと同等の優れた質感や美観を有す
る溝付き化粧板を提供することを目的とする。
で、下級木材のムク板、合板、集成材、木質系ボード、
樹脂系ボードといった下地材と下級木材の突板とを用い
て安価かつ簡便に製造することができ、しかも優良天然
木の突板を用いたものと同等の優れた質感や美観を有す
る溝付き化粧板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため、下級木材のムク板、合板、集成
材、木質系ボード、樹脂系ボードを基材として優良天然
木の突板を用いたものと同様の優れた外観を有する溝付
き化粧板を製造することについて鋭意研究を行った結
果、下記(1)〜(2)の知見を得た。
記目的を達成するため、下級木材のムク板、合板、集成
材、木質系ボード、樹脂系ボードを基材として優良天然
木の突板を用いたものと同様の優れた外観を有する溝付
き化粧板を製造することについて鋭意研究を行った結
果、下記(1)〜(2)の知見を得た。
【0011】(1)下級木材のムク板、合板、集成材、
木質系ボード、樹脂系ボードといった下地材の表面に下
級木材の突板を接着し、さらにこの突板の表面にエンボ
ス加工によってエンボスからなる模様を設けることによ
り、前記突板が有する色や模様等の外観的要素とエンボ
スによる模様とが複合し、優良天然木の突板を用いたも
のと同等の外観を有する化粧板が得られること。
木質系ボード、樹脂系ボードといった下地材の表面に下
級木材の突板を接着し、さらにこの突板の表面にエンボ
ス加工によってエンボスからなる模様を設けることによ
り、前記突板が有する色や模様等の外観的要素とエンボ
スによる模様とが複合し、優良天然木の突板を用いたも
のと同等の外観を有する化粧板が得られること。
【0012】(2)エンボス加工工程において、エンボ
スによる模様の形成と同時にエンボスによる溝を形成す
ることにより、溝加工工程を要することなく溝を形成す
ることができ、製造工程を簡略化できること。
スによる模様の形成と同時にエンボスによる溝を形成す
ることにより、溝加工工程を要することなく溝を形成す
ることができ、製造工程を簡略化できること。
【0013】そして、上述した下地材への突板の接着、
エンボス加工による模様及び溝の形成という手段を採用
することにより、優良天然木の突板を用いることなく、
しかも接着した突板が本来持っている木の質感を利用し
ながら、優れた質感及び美観を備えた溝付き化粧板を簡
便かつ安価に製造できることを知見し、本発明を完成す
るに至った。
エンボス加工による模様及び溝の形成という手段を採用
することにより、優良天然木の突板を用いることなく、
しかも接着した突板が本来持っている木の質感を利用し
ながら、優れた質感及び美観を備えた溝付き化粧板を簡
便かつ安価に製造できることを知見し、本発明を完成す
るに至った。
【0014】したがって、本発明は、下地材の表面に突
板が接着されてなる基体の突板接着面にエンボスからな
る模様及び溝が形成され、かつ前記基体の突板接着面に
表面塗装が施されていることを特徴とする溝付き化粧板
を提供する。
板が接着されてなる基体の突板接着面にエンボスからな
る模様及び溝が形成され、かつ前記基体の突板接着面に
表面塗装が施されていることを特徴とする溝付き化粧板
を提供する。
【0015】また、本発明は、下地材の表面に突板を接
着することにより基体を製造し、次いで前記基体の突板
接着面にエンボス加工によってエンボスによる模様及び
溝を同時に形成した後、前記基体の突板接着面に表面塗
装を施すことを特徴とする溝付き化粧板の製造方法を提
供する。
着することにより基体を製造し、次いで前記基体の突板
接着面にエンボス加工によってエンボスによる模様及び
溝を同時に形成した後、前記基体の突板接着面に表面塗
装を施すことを特徴とする溝付き化粧板の製造方法を提
供する。
【0016】以下、本発明につきさらに詳しく説明す
る。本発明の溝付き化粧板は、下地材の表面に天然木の
突板を接着した基体を用いる。下地材としては、特に限
定されないが、例えば、合板、ムク板、集成材、木質系
ボード、樹脂系ボードからなるもの等を用いることがで
きる。
る。本発明の溝付き化粧板は、下地材の表面に天然木の
突板を接着した基体を用いる。下地材としては、特に限
定されないが、例えば、合板、ムク板、集成材、木質系
ボード、樹脂系ボードからなるもの等を用いることがで
きる。
【0017】ここで、合板としては、公知の普通合板、
例えばラワン、カポール等の下級木材からなる複数枚の
単板を接着剤によって繊維方向が互いに直交するように
貼り合わせたものなどを使用することができる。
例えばラワン、カポール等の下級木材からなる複数枚の
単板を接着剤によって繊維方向が互いに直交するように
貼り合わせたものなどを使用することができる。
【0018】ムク板としては、例えばラミン、ゴム、ラ
ワン、カポールといった下級木材のムク板等を挙げるこ
とができる。
ワン、カポールといった下級木材のムク板等を挙げるこ
とができる。
【0019】集成材としては、例えばラミン、ゴム、ラ
ワン、カポールといった下級木材のひき板あるいは小角
材等を繊維方向を互いにほぼ平行にして集成接着したも
のなどを挙げることができる。
ワン、カポールといった下級木材のひき板あるいは小角
材等を繊維方向を互いにほぼ平行にして集成接着したも
のなどを挙げることができる。
【0020】木質系ボードとしては、木材小片に接着剤
を加えて高温・高圧でプレスしたパーティクルボード、
木材繊維を成形して造ったファイバーボードなどを好適
に用いることができる。これらの内、ファイバーボード
としては、ハードボード(硬質繊維板)、MDF(中質
繊維板)、インシュレーションボード(軟質繊維板)等
を挙げることができる。
を加えて高温・高圧でプレスしたパーティクルボード、
木材繊維を成形して造ったファイバーボードなどを好適
に用いることができる。これらの内、ファイバーボード
としては、ハードボード(硬質繊維板)、MDF(中質
繊維板)、インシュレーションボード(軟質繊維板)等
を挙げることができる。
【0021】樹脂系ボードとしては、各種合成樹脂から
なる硬質樹脂ボード、軟質樹脂ボード、発泡樹脂ボード
などが挙げられる。また、不燃性、難燃性、断熱性、吸
音性、遮音性、クッション性といった特殊な性能を有す
る樹脂ボードを用いた場合には、それぞれの特性を生か
した溝付き化粧板を得ることができる。
なる硬質樹脂ボード、軟質樹脂ボード、発泡樹脂ボード
などが挙げられる。また、不燃性、難燃性、断熱性、吸
音性、遮音性、クッション性といった特殊な性能を有す
る樹脂ボードを用いた場合には、それぞれの特性を生か
した溝付き化粧板を得ることができる。
【0022】本発明の溝付き化粧板を床板用の板材とす
る場合、下地材の厚さは10〜18mm程度とすること
が好ましい。
る場合、下地材の厚さは10〜18mm程度とすること
が好ましい。
【0023】突板としては、必ずしも限定されないが、
ラミン、ゴム、ラワン、カポールといった下級木材の板
材を厚さ0.2mm〜0.3mm程度に薄くスライスし
たものが挙げられる。本発明では、下地材に接着する突
板として木目模様が良好に表れていないものであっても
好適に使用することができる。
ラミン、ゴム、ラワン、カポールといった下級木材の板
材を厚さ0.2mm〜0.3mm程度に薄くスライスし
たものが挙げられる。本発明では、下地材に接着する突
板として木目模様が良好に表れていないものであっても
好適に使用することができる。
【0024】下地材に突板を接着する接着剤としては、
酢酸ビニル系等の任意の接着剤を用いることができる。
酢酸ビニル系等の任意の接着剤を用いることができる。
【0025】本発明の溝付き化粧板は、上記基体の突板
接着面にエンボスからなる模様及び溝が形成されてい
る。エンボスとは、エンボス加工によって形成した凹部
をいう。エンボス加工は、エンボスに対応する凸部が形
成された成形ロールを備えたエンボス加工機を用いて行
われる。
接着面にエンボスからなる模様及び溝が形成されてい
る。エンボスとは、エンボス加工によって形成した凹部
をいう。エンボス加工は、エンボスに対応する凸部が形
成された成形ロールを備えたエンボス加工機を用いて行
われる。
【0026】エンボスによる模様は、基体の突板接着面
に小型の任意数の互いに密集したエンボス群を目的とす
る模様状に配列することにより形成することができる。
エンボスによる模様としては、例えば柾目模様、板目模
様などの木目模様、あるいは唐草模様、市松模様、網代
模様等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
に小型の任意数の互いに密集したエンボス群を目的とす
る模様状に配列することにより形成することができる。
エンボスによる模様としては、例えば柾目模様、板目模
様などの木目模様、あるいは唐草模様、市松模様、網代
模様等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0027】エンボスによる溝は、基体の突板接着面に
溝状のエンボスを設けることにより形成することができ
る。
溝状のエンボスを設けることにより形成することができ
る。
【0028】なお、模様及び溝を形成するエンボスの断
面形状、平面形状等に特に限定はなく、目的に応じた任
意の形状とすることができる。
面形状、平面形状等に特に限定はなく、目的に応じた任
意の形状とすることができる。
【0029】また、エンボス加工機の成型ロールの模様
形成用凸部を任意の高さ範囲(例えば100〜400
μ)で様々な高さを有するものに形成したり、成型ロー
ル表面の任意の箇所、例えば凸部の上面あるいは凸部間
に形成される凹部の底面に細かい凹凸模様(例えば梨地
模様)を付けることにより、さらに変化のある外観を有
する溝付き化粧板を得ることができる。
形成用凸部を任意の高さ範囲(例えば100〜400
μ)で様々な高さを有するものに形成したり、成型ロー
ル表面の任意の箇所、例えば凸部の上面あるいは凸部間
に形成される凹部の底面に細かい凹凸模様(例えば梨地
模様)を付けることにより、さらに変化のある外観を有
する溝付き化粧板を得ることができる。
【0030】本発明の溝付き化粧板は、基材の突板接着
面に表面塗装が施されている。表面塗装剤としては、無
色透明あるいは有色透明のラッカー、ウレタン塗料等を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
面に表面塗装が施されている。表面塗装剤としては、無
色透明あるいは有色透明のラッカー、ウレタン塗料等を
挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0031】また、表面塗装を行う前に、基材の突板接
着面に染料や顔料によって任意の色の着色塗装を施すこ
とができる。
着面に染料や顔料によって任意の色の着色塗装を施すこ
とができる。
【0032】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0033】実施例 図1及び図2は本発明の一実施例に係る溝付き化粧板を
示す。この溝付き化粧板2は床板用の板材として使用さ
れるものである。
示す。この溝付き化粧板2は床板用の板材として使用さ
れるものである。
【0034】図中4は基体を示す。この基体4は、下地
材6の表面に突板8を接着剤10によって接着したもの
である。
材6の表面に突板8を接着剤10によって接着したもの
である。
【0035】下地材6は、表単板12、中単板14及び
裏単板16を接着剤(カゼイングルー)によって貼り合
わせた厚さ約12mmの普通合板である。これらの単板
12、14、16は、いずれも下級木材であるラワン系
木材から切り出したもので、それぞれの繊維方向が互い
に直交するように積層されている。
裏単板16を接着剤(カゼイングルー)によって貼り合
わせた厚さ約12mmの普通合板である。これらの単板
12、14、16は、いずれも下級木材であるラワン系
木材から切り出したもので、それぞれの繊維方向が互い
に直交するように積層されている。
【0036】突板8は、ラミン、ゴム、ラワン、カポー
ルといった下級木材の板材を厚さ0.2mm〜0.3m
m程度に薄くスライスしたものである。
ルといった下級木材の板材を厚さ0.2mm〜0.3m
m程度に薄くスライスしたものである。
【0037】接着剤10は酢酸ビニル系のものであり、
下地材6の表面全面にわたって塗布されている。
下地材6の表面全面にわたって塗布されている。
【0038】基体4の突板接着面18には、互いに密集
した任意の数の小型エンボスe1からなるエンボス群E1
が木目模様状に配列され、このエンボス群E1によって
木目模様20が形成されている。小型エンボスe1は、
縦断面形状が四角形のものであり、平面形状は雲型、楕
円形、紡錘形などである。小型エンボスe1の寸法は、
深さが約0.1〜0.2mm、幅が約0.3〜1.8m
m、長さが約1.3〜8.0mm程度である。
した任意の数の小型エンボスe1からなるエンボス群E1
が木目模様状に配列され、このエンボス群E1によって
木目模様20が形成されている。小型エンボスe1は、
縦断面形状が四角形のものであり、平面形状は雲型、楕
円形、紡錘形などである。小型エンボスe1の寸法は、
深さが約0.1〜0.2mm、幅が約0.3〜1.8m
m、長さが約1.3〜8.0mm程度である。
【0039】また、基体4の突板接着面18には、長さ
方向に沿って連続した2本の長尺溝状エンボスe2が等
間隔毎に平行配置され、この長尺溝状エンボスe2によ
って溝22が形成されている。長尺溝状エンボスe2
は、縦断面形状が四角形のものである。長尺溝状エンボ
スe2の寸法は、深さが約0.5〜2mm、幅が約0.
5〜2mmで、長さは基体4の長さと同じである。
方向に沿って連続した2本の長尺溝状エンボスe2が等
間隔毎に平行配置され、この長尺溝状エンボスe2によ
って溝22が形成されている。長尺溝状エンボスe2
は、縦断面形状が四角形のものである。長尺溝状エンボ
スe2の寸法は、深さが約0.5〜2mm、幅が約0.
5〜2mmで、長さは基体4の長さと同じである。
【0040】さらに、基体4のシート材接着面18は、
図示していないが、エンボス加工機の成型ロールとして
その凸部間に形成される凹部の底面に細かい凹凸模様を
付けたものを用いたことにより、素地の部分(エンボス
e1、e2による模様や溝が形成されていない部分であっ
て、図1において符号24で示したような部分)が梨地
状になっている。
図示していないが、エンボス加工機の成型ロールとして
その凸部間に形成される凹部の底面に細かい凹凸模様を
付けたものを用いたことにより、素地の部分(エンボス
e1、e2による模様や溝が形成されていない部分であっ
て、図1において符号24で示したような部分)が梨地
状になっている。
【0041】基体4の突板接着面18は着色剤によって
着色塗装がなされている。また、突板接着面18全面に
は化粧仕上げのための表面塗装層26が形成されてい
る。この表面塗装層26は、透明塗料であるクリアラッ
カーからなる。
着色塗装がなされている。また、突板接着面18全面に
は化粧仕上げのための表面塗装層26が形成されてい
る。この表面塗装層26は、透明塗料であるクリアラッ
カーからなる。
【0042】本例の溝付き化粧板2の製造は、以下のよ
うに行う。まず、必要により、下地材6の表単板12の
表面をスクレーバー、ベルトサンダー等の研磨機によっ
て研磨する。
うに行う。まず、必要により、下地材6の表単板12の
表面をスクレーバー、ベルトサンダー等の研磨機によっ
て研磨する。
【0043】次に、接着剤10を表単板12の表面全面
にわたって塗布し、この接着剤10によって突板8を表
単板12の表面に接着することにより、基体4を製造す
る。
にわたって塗布し、この接着剤10によって突板8を表
単板12の表面に接着することにより、基体4を製造す
る。
【0044】基体4を乾燥させた後、エンボス加工機を
用いて、その突板接着面18に突板8の上からエンボス
e1及びe2を同時に形成する。
用いて、その突板接着面18に突板8の上からエンボス
e1及びe2を同時に形成する。
【0045】この場合、エンボス加工機の成形ロールと
しては、模様20を構成するエンボスe1及び溝22を
構成するエンボスe2に対応する凸部を有するものを用
いる。この凸部は、成形ロールの表面にエッチング等に
よって設ける。また、成形ロールには、エンボスe1、
e2に対応する凸部の間に形成される凹部の全部又は一
部に梨地形成用の小さな凹凸をエッチング等によって設
ける。そして、エンボス加工機の成形ロールと搬送台と
の間に基体4を置き、成形ロールを基体4の突板接着面
18に押しつけながら成形ロールを回転させることによ
り、エンボスe1、e2と梨地を形成する。なお、エンボ
スe2による溝22をさらに深くする場合は、後加工で
エンボスe2に沿って通常の溝加工を行ってもよい。
しては、模様20を構成するエンボスe1及び溝22を
構成するエンボスe2に対応する凸部を有するものを用
いる。この凸部は、成形ロールの表面にエッチング等に
よって設ける。また、成形ロールには、エンボスe1、
e2に対応する凸部の間に形成される凹部の全部又は一
部に梨地形成用の小さな凹凸をエッチング等によって設
ける。そして、エンボス加工機の成形ロールと搬送台と
の間に基体4を置き、成形ロールを基体4の突板接着面
18に押しつけながら成形ロールを回転させることによ
り、エンボスe1、e2と梨地を形成する。なお、エンボ
スe2による溝22をさらに深くする場合は、後加工で
エンボスe2に沿って通常の溝加工を行ってもよい。
【0046】次に、表面塗装層26の形成前に、基体4
の突板接着面18に染料を用いて着色塗装を施す。染料
はエンボスe1及びe2の内周壁部及び底部を染色する。
このとき、突板8の繊維方向が水平方向に沿っている
と、エンボスe1及びe2の底部よりも内周壁部に染料が
より多く浸透して強い着色を果たし、エンボスe1及び
e2内において色調の変化が生じるようになる。なお、
この着色には顔料を用いてもよい。
の突板接着面18に染料を用いて着色塗装を施す。染料
はエンボスe1及びe2の内周壁部及び底部を染色する。
このとき、突板8の繊維方向が水平方向に沿っている
と、エンボスe1及びe2の底部よりも内周壁部に染料が
より多く浸透して強い着色を果たし、エンボスe1及び
e2内において色調の変化が生じるようになる。なお、
この着色には顔料を用いてもよい。
【0047】最後に、基体4の突板接着面18全面に表
面保護、つや出し等のためにクリアラッカーを塗装して
表面塗装層26を形成する。これにより本実施例の溝付
き化粧板2が完成する。なお、表面塗装層は、1回目の
塗装を行った後にこの塗装層を研磨し、次いで2回目の
塗装を行うような複数回の塗装によって形成してもよ
い。
面保護、つや出し等のためにクリアラッカーを塗装して
表面塗装層26を形成する。これにより本実施例の溝付
き化粧板2が完成する。なお、表面塗装層は、1回目の
塗装を行った後にこの塗装層を研磨し、次いで2回目の
塗装を行うような複数回の塗装によって形成してもよ
い。
【0048】本実施例の作用効果は次に述べる通りであ
る。 (1)エンボス群E1による木目模様20を設けてあるの
で、突板8表面の外観的要素とエンボス群E1による木
目模様20とが複合化する。したがって、下級木材の突
板8を用いたにもかかわらず、優良天然木の突板を用い
たものと同等の質感や美観を備え、意匠的に優れた外観
の溝付き化粧板2を得ることができる。
る。 (1)エンボス群E1による木目模様20を設けてあるの
で、突板8表面の外観的要素とエンボス群E1による木
目模様20とが複合化する。したがって、下級木材の突
板8を用いたにもかかわらず、優良天然木の突板を用い
たものと同等の質感や美観を備え、意匠的に優れた外観
の溝付き化粧板2を得ることができる。
【0049】(2)エンボス加工工程でエンボスe1、e2
からなる模様20、溝22を同時に形成するようにした
ので、製造工程を簡略化して製造コストを引き下げるこ
とができる。
からなる模様20、溝22を同時に形成するようにした
ので、製造工程を簡略化して製造コストを引き下げるこ
とができる。
【0050】なお、上記実施例においてはエンボスe1
及びe2の縦断面形状を四角形としたが、例えば縦断面
形状をV字形とすることによりエンボスe1及びe2の内
周壁部の面積を大きくし、内周壁部からの反射光を乱反
射させて、エンボスe1及びe2の見た目に変化が出るよ
うにしてもよい。また、上記実施例では下地材として合
板を用いたが、ムク板、集成材、木質系ボード、樹脂系
ボード等を用いてもよい。さらに、その他の構成につい
ても本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して差し
支えない。
及びe2の縦断面形状を四角形としたが、例えば縦断面
形状をV字形とすることによりエンボスe1及びe2の内
周壁部の面積を大きくし、内周壁部からの反射光を乱反
射させて、エンボスe1及びe2の見た目に変化が出るよ
うにしてもよい。また、上記実施例では下地材として合
板を用いたが、ムク板、集成材、木質系ボード、樹脂系
ボード等を用いてもよい。さらに、その他の構成につい
ても本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して差し
支えない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は下記、
の効果を奏する。 下地材の表面に突板を接着し、さらにこの突板接着面
にエンボスによる模様を設けたので、突板の表面の外観
的要素とエンボスによる模様とが複合化する。このた
め、下級木材の突板を用いた場合であっても優良天然木
の突板を用いたものと同等の優れた外観を有する溝付き
化粧板を得ることができる。
の効果を奏する。 下地材の表面に突板を接着し、さらにこの突板接着面
にエンボスによる模様を設けたので、突板の表面の外観
的要素とエンボスによる模様とが複合化する。このた
め、下級木材の突板を用いた場合であっても優良天然木
の突板を用いたものと同等の優れた外観を有する溝付き
化粧板を得ることができる。
【0052】本発明の製造方法によれば、エンボス加
工工程で模様及び溝の両者を同時に形成するようにした
ので、従来のような下地材と突板との接着後における溝
加工工程が必要なく、このため製造工程を簡便にして本
発明溝付き化粧板を効率良く製造することができる。
工工程で模様及び溝の両者を同時に形成するようにした
ので、従来のような下地材と突板との接着後における溝
加工工程が必要なく、このため製造工程を簡便にして本
発明溝付き化粧板を効率良く製造することができる。
【0053】したがって、本発明によれば、高価な優良
天然木の突板を用いることなく安価な下地材と突板とを
用い、かつ簡便な製造工程によって、突板が持っている
質感を尊重しながら優れた外観を備えた安価な溝付き化
粧板を提供することができる。
天然木の突板を用いることなく安価な下地材と突板とを
用い、かつ簡便な製造工程によって、突板が持っている
質感を尊重しながら優れた外観を備えた安価な溝付き化
粧板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る溝付き化粧板を示す一
部省略平面図である。
部省略平面図である。
【図2】同例の溝付き化粧板を示す模式的拡大断面図で
ある。
ある。
【図3】優良天然木の突板を用いた従来の溝付き化粧板
を示すもので、(A)は一部省略平面図、(B)は断面
図である。
を示すもので、(A)は一部省略平面図、(B)は断面
図である。
2 溝付き化粧板 4 基体 6 下地材 8 突板 10 接着剤 18 突板接着面 20 模様 22 溝 26 表面塗装層 e1 小型エンボス e2 長尺溝状エンボス
Claims (4)
- 【請求項1】 下地材の表面に突板が接着されてなる基
体の突板接着面にエンボスからなる模様及び溝が形成さ
れ、かつ前記基体の突板接着面に表面塗装が施されてい
ることを特徴とする溝付き化粧板。 - 【請求項2】 下地材の表面に突板が接着されてなる基
体の突板接着面にエンボスからなる模様及び溝が形成さ
れ、かつ前記基体の突板接着面に着色塗装及び表面塗装
が順次施されていることを特徴とする溝付き化粧板。 - 【請求項3】 下地材の表面に突板を接着することによ
り基体を製造し、次いで前記基体の突板接着面にエンボ
ス加工によってエンボスによる模様及び溝を同時に形成
した後、前記基体の突板接着面に表面塗装を施すことを
特徴とする溝付き化粧板の製造方法。 - 【請求項4】 下地材の表面に突板を接着することによ
り基体を製造し、次いで前記基体の突板接着面にエンボ
ス加工によってエンボスによる模様及び溝を同時に形成
した後、前記基体の突板接着面に着色塗装及び表面塗装
を順次施すことを特徴とする溝付き化粧板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24216693A JPH0768709A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 溝付き化粧板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24216693A JPH0768709A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 溝付き化粧板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0768709A true JPH0768709A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=17085318
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24216693A Pending JPH0768709A (ja) | 1993-09-03 | 1993-09-03 | 溝付き化粧板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0768709A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100850302B1 (ko) * | 2006-08-07 | 2008-08-04 | 박성봉 | 장식패널 제작방법 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56136366A (en) * | 1980-03-29 | 1981-10-24 | Noda Plywood Mfg Co Ltd | Decorative board and its manufacture |
JPS6067155A (ja) * | 1983-09-21 | 1985-04-17 | 段谷産業株式会社 | 化粧板の製造方法 |
JPS63132046A (ja) * | 1986-11-25 | 1988-06-04 | 大日本印刷株式会社 | 熱硬化型樹脂化粧板の製造方法 |
-
1993
- 1993-09-03 JP JP24216693A patent/JPH0768709A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56136366A (en) * | 1980-03-29 | 1981-10-24 | Noda Plywood Mfg Co Ltd | Decorative board and its manufacture |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100850302B1 (ko) * | 2006-08-07 | 2008-08-04 | 박성봉 | 장식패널 제작방법 |
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