JP7162197B2 - 化粧面材及びその製造方法 - Google Patents

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    • B27M3/00Manufacture or reconditioning of specific semi-finished or finished articles

Description

本発明は、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため製造コストが低く、かつ立体感の優れた意匠性を有する化粧面材及びその製造方法に関する。
パーケットフロアは、寄木細工で作製した床である。パーケットフロアは、例えば、無垢材の個片を組み合わせたり、パーケット柄の突板を下地材に貼り付けた木質建築板を用いたりすることにより作製される。
無垢材の個片を組み合わせたパーケットフロアは、無垢材の個片又はフリッチをパーケット柄になるように組み込み床の下地材に貼り付けて作製される。
また、パーケット柄の突板を下地材に貼り付けた木質建築板(以下、「パーケット柄木質建築板」という)も、上記と同様に無垢材の個片又はフリッチをパーケット柄になるように組み込んで作製される。例えば、特許文献1の図8には、突板である薄単板が貼着されたクロス合板を切断して分割し、この分割された複数個のピースを、下地材である合板にパーケット柄になるように貼り付けて、パーケット柄木質建築板を製造する方法が開示されている。
このように、従来、パーケットフロアを作製するためには、無垢材の個片又はフリッチをパーケット柄になるように組み込み下地材に貼り付ける作業が必要である。このため、従来のパーケットフロアには、作製の際に、作業工程が複雑で作業が難しく手間がかかることから、製造コストが高いという課題があった。
これに対し、特許文献2には、平滑な表面を有する木質基材と、前記木質基材の表面に設けられ着色透明で且つ凹凸を有する下地膜と、前記下地膜上にインクジェット印刷された印刷模様と、前記印刷模様を覆う仕上げ塗装膜とを備える化粧板、が開示されている。この化粧版によれば、深み感、立体感、模様の自然さ等の外観に優れ、意匠性の高い化粧板が得られる。また、化粧版によれば、1枚の木質基材を用い、その表面の下地膜に印刷模様や塗装膜を形成することから、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため、製造コストが低くなる。
特開平11-320506号公報 特開2014-193574号公報
しかしながら、特許文献2の化粧板は、木質基材の表面に設けられた薄い下地膜上にインクジェット印刷するため、インクジェット印刷して得られる印刷模様及びこの印刷模様を覆う仕上げ塗装膜は、厚みが小さい。このため、特許文献2の化粧板は、木目や導管等の表現はある程度可能なものの、深い目地や石目調模様等の立体的な表現が平面的になり、本物の素材に近い表現が困難である。
このように、従来、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため製造コストが低く、かつ立体感の優れた意匠性を有する化粧面材は存在しなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。本発明は、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため製造コストが低く、かつ立体感の優れた意匠性を有する化粧面材及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の態様に係る化粧面材は、加飾側表面を有する基材と、この基材の加飾側表面を凹設して得られる、溝部又は段差部からなる区画部と、を備える。また、前記化粧面材は、前記基材の加飾側表面に区画部を凹設した後に得られかつ前記区画部を介して複数個に区画された区画領域部、の表面に加飾層が形成されてなる複数個の領域加飾部を備える。さらに、前記化粧面材において、隣接する前記領域加飾部の加飾層は、インクジェットを用いて異なる形態に加飾されている。
また、本発明の態様に係る化粧面材の製造方法は、基材の加飾側表面を凹設することにより、前記加飾側表面に溝部又は段差部からなる区画部を形成する区画工程を備える。前記化粧面材の製造方法は、前記基材の加飾側表面に区画部を凹設した後に得られかつ前記区画部を介して複数個に区画された区画領域部のうち、隣接する区画領域部を、インクジェットを用いて異なる形態に加飾する加飾工程、を備える。
第1の実施形態に係る化粧面材を示す図である。図1(A)は、化粧面材の平面図であり、図1(B)は、図1(A)のA-A線に沿った模式的な断面図である。 図1(B)の部分Pを拡大して示す模式的な断面図である。 第2の実施形態に係る化粧面材を示す図である。図3(A)は、化粧面材の平面図であり、図3(B)は、図3(A)のB-B線に沿った模式的な断面図である。 図3(B)の部分Qを拡大して示す模式的な断面図である。 第3の実施形態に係る化粧面材を示す図である。図5(A)は、化粧面材の平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC-C線に沿った模式的な断面図である。 図5(B)の部分Rを拡大して示す模式的な断面図である。 化粧面材の製造方法の区画工程を示す図である。 化粧面材の製造方法の目止め処理工程を示す図である。 化粧面材の製造方法の加飾工程を示す図である。 区画部としての溝部がV字状の横断面形状を有するV溝である場合のV溝の一例を示す図である。 区画部としての溝部が2個の曲線がγ(ガンマ)字状に組み合わされた横断面形状を有するR溝である場合のR溝の一例を示す図である。 V溝を形成する区画工程の一例を示す図である。図12(A)は、区画工程前の様子を示す図であり、図12(B)は、区画工程後の様子を模式的に示す図である。 V溝を形成する区画工程におけるレーザ光の照射方法の一例を示す図である。STEP1は、V溝を形成する第1部分工程を示す図である。STEP2は、V溝を形成する第2部分工程を示す図である。STEP3は、V溝を形成する第3部分工程を示す図である。STEP4は、V溝を形成する第4部分工程を示す図である。STEP5は、V溝を形成する第5部分工程を示す図である。
[化粧面材]
以下、化粧面材1について、図面を参照して説明する。第1の実施形態に係る化粧面材1を1A、第2の実施形態に係る化粧面材1を1B、第3の実施形態に係る化粧面材1を1C、として示す。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る化粧面材1Aを示す図である。図1(A)は、化粧面材1Aの平面図であり、図1(B)は、図1(A)のA-A線に沿った模式的な断面図である。図2は、図1(B)の部分Pを拡大して示す模式的な断面図である。
図1及び2に示すように、化粧面材1Aは、基材10と、基材10の加飾側表面11を凹設して得られる区画部20としての溝部30Aと、溝部30Aを介して複数個に区画された区画領域部53の表面に加飾層51が形成されてなる領域加飾部50と、を備える。
<基材>
基材10は、その加飾側表面11に、区画部20と複数個の区画領域部53と、が形成される部材であり、1個の化粧面材1Aに1個設けられる。なお、区画領域部53は、その表面に加飾層51が形成されると領域加飾部50となる。基材10の材質としては、特に限定されず、例えば、木質基材、樹脂基材、金属基材、セラミック基材、石基材等が用いられる。ここで、木質基材としては、例えば、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード等が用いられる。また、セラミック基材としては、例えば、石膏基材等が用いられる。上記基材のうち、木質基材は、安価で加工が容易であるため好ましい。基材10の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.5~20cmである。ここで、基材10の厚みとは、基材10の平均厚さを意味する。
基材10の加飾側表面11とは、基材10を構成する表面のうち、複数個の区画領域部53が形成される側に存在する表面を意味する。例えば、基材10が板状等の六面体形状であれば基材10を構成する表面が6個あるが、この6個の表面のうち、複数個の区画領域部53が形成される側に存在する1個の表面を、加飾側表面という。
加飾側表面11としては、通常、基材10を構成する表面のうち、表面積が大きい表面が選ばれる。例えば、化粧面材1Aでは、基材10を構成する表面のうち表面積が最も大きい表面である、図2中上側の表面が加飾側表面11Aになっている。なお、加飾側表面11は、化粧面材1Aの加飾側表面11Aと異なり、基材10を構成する表面のうち、表面積が最も大きい表面以外の表面に設定することもできる。
加飾側表面11は、通常、平面又は平面状になっている。ここで、平面状とは、凹凸面を含むが全体的に平面とみなせる形状とを含む。ここで、全体的に平面とみなせる形状とは、加飾側表面11の面積に比較して、凹凸の度合が小さいものを意味する。
なお、基材10の加飾側表面11は、凹設により、溝部30Aからなる区画部20A(20)が形成されると、溝部30A(区画部20A)と、溝部30Aを介して複数個に区画された区画領域部53(53e及び53aA)と、からなるものになる。
例えば、基材10の加飾側表面11に溝部30Aを凹設する加工処理を行う場合、溝部30Aを形成していない基材10の加飾側表面11がそのまま区画領域部53となる。
基材10上の区画領域部53及び区画部20には、例えば、目止め材からなる目止め層が設けられる。図2に示すように、化粧面材1Aの区画領域部53e、53aA及び区画部20Aとしての溝部30Aの表面には、目止め層60が設けられる。目止め層60が存在すると、区画領域部53及び区画部20の表面を平滑にするとともにインク等の染み込みを抑制することができる。目止め層60の材質としては、例えばUV効果樹脂が用いられる。目止め層60の色は特に限定されない。しかし、目止め層60が白色等の淡色であると、目止め層60上への加飾が容易であるため好ましい。また、目止め層60が黒色等の濃色であると、溝部30の存在を強調することができる。
<区画部>
区画部20A(20)は、基材10の加飾側表面11を凹設して得られる、溝部30からなる部分である。溝部30Aは、区画部20のうち、隣接する2つの区画領域部53(53e及び53aA)間において、これら2つの区画領域部53よりも、高さが低くなる底部を有し、この底部を介して2つ以上の壁面部31を有するように形成されたものである。
区画部20の深さ、すなわち、溝部30の深さは、特に限定されないが、例えば、1mm~10mmとする。溝部30の深さが、上記数値範囲内にあると、加飾層51を有する領域加飾部50の立体感が優れる。
化粧面材1Aの区画部20Aは、図1(B)及び図2に示すように、2つの壁面部31a及び31bを有する溝部30Aになっている。溝部30Aに隣接する2つの区画領域部53aA及び53eは、溝部30Aを形成する前の基材10の加飾側表面11Aから溝部30Aを除いた部分に相当する。
区画部20の表面には、例えば、目止め材からなる目止め層が設けられる。化粧面材1Aの区画部20Aとしての溝部30Aの表面には、図2に示すように、目止め層60が設けられる。溝部30Aの表面に目止め層60が設けられると、溝部30Aの目止めをすることができるとともに溝部30Aによる区画が確実になる。
<領域加飾部>
領域加飾部50は、区画部20を介して複数個に区画された区画領域部53、の表面に加飾層51が形成されてなるものである。領域加飾部50は、区画領域部53の形状と、区画領域部53の表面に形成された加飾層51の模様もしくは色彩と、の組み合わせにより、特定の形態を生ずる。ここで、形態とは、形状、模様もしくは色彩、又はこれらの結合を意味する。
領域加飾部50は、化粧面材1Aの表面に複数個形成される。図1(A)、(B)及び図2に示すように、化粧面材1Aでは、1枚の基材10の表面に、溝部30Aからなる区画部20A(20)で区画された、5個の領域加飾部50(50aA、50b、50c、50d、50e)が形成されている。
[区画領域部]
区画領域部53は、基材10の加飾側表面11に区画部20を凹設した後に得られかつ区画部20を介して区画される領域であり、基材10の表面を分割した領域である。また、区画領域部53は、1個の化粧面材1に複数個形成される。区画部20が溝部30である場合は、区画領域部53は、基材10の加飾側表面11のうち、溝部30を除いた部分となる。区画部20が段差部40である場合は、区画領域部53は、基材10の加飾側表面11そのままの部分と、加飾側表面11を凹設した後に得られる底面と、から構成される。
区画領域部53の表面形状は、区画部20を凹設する際の処理により種々選択することができる。例えば、基材10の加飾側表面11に区画部20を凹設する際に、区画部20以外の部分を任意の形状で凹設することにより、区画領域部53の表面形状を変えることができる。例えば、区画領域部53の表面形状を平面状としたり、後述の第3の実施形態のように、凹凸状としたりすることができる。
第1の実施形態に係る化粧面材1Aでは、基材10の加飾側表面11を凹設しないことにより区画領域部53aAが平面状になっている。なお、後述の第2の実施形態に係る化粧面材1Bでは、基材10の加飾側表面11を凹設することにより区画領域部53aBが平面状になっている。また、後述の第3の実施形態に係る化粧面材1Cでは、基材10の加飾側表面11を凹設することにより区画領域部53aBが凹凸状になっている。
[加飾層]
領域加飾部50は、区画領域部53の表面に加飾層51が形成されたものであり、区画領域部53と加飾層51とを含む。加飾層51は、区画領域部53の表面を直接的又は間接的に加飾する層である。図2に示すように、化粧面材1Aの加飾層51aA及び51eは、目止め層60を介して間接的に区画領域部53aA及び53eを加飾している。
加飾層51は、インクジェットを用いて加飾される。インクジェットを用いる加飾方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。加飾層51の柄としては特に限定されないが、例えば、木目模様、石目模様、布模様、革模様、金属模様、ガラス模様、水模様等が用いられる。
隣接する領域加飾部50の加飾層51は、インクジェットを用いて異なる形態に加飾される。ここで、形態とは、形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものを意味する。例えば、隣接する領域加飾部50の加飾層51は、柄の種類、向き、及び色から選ばれる1種以上が異なるように加飾される。ここで、柄の種類とは、木目模様、石目模様等のおおまかな材質の違いによる柄の種類の他、同じ木目模様でも木目模様自体の柄の違いによる柄の種類も含む概念である。
例えば、化粧面材1Aでは、5個の領域加飾部50aA、50b、50c、50d、50eの5個の加飾層51aA、51b、51c、51d、51eが、それぞれ、異なる形態に加飾されている。具体的には、加飾層51aAは石目模様、加飾層51bは濃色と淡色の中間色の柾目の木目模様(以下、「木目模様b」という)に加飾されている。また、加飾層51cは淡色のパーティクルボード状の木目模様(以下、「木目模様c」という)、加飾層51dは濃色の柾目の木目模様(以下、「木目模様d」という)、加飾層51eは淡色の柾目の木目模様(以下、「木目模様e」という)に加飾されている。
なお、化粧面材1Aでは、5個の領域加飾部50aA、50b、50c、50d、50eの5個の加飾層51が全て異なる形態に加飾されている。しかし、他の実施形態として、少なくとも隣接する領域加飾部50同士の加飾層51が異なる形態に加飾されるようにすることができる。
加飾層51の厚さは、例えば、1mm~10mmとする。加飾層51の厚さが、上記数値範囲内にあると、加飾層51が立体感に優れる。
<効果>
化粧面材1Aは、後述の化粧面材の製造方法で説明するように、基材10に区画部20を形成する区画工程と、隣接する区画領域部53を異なる形態に加飾する加飾工程と、を行うだけで、化粧面材を製造することができる。すなわち、従来技術のような、無垢材の個片又はフリッチをパーケット柄になるように組み込み下地材に貼り付ける作業が不要である。このため、化粧面材1Aは、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため、製造コストが低くなる。
また、化粧面材1Aは、特許文献2のように基材10上の下地層に区画部を浅く凹設するのでなく、基材10自体に区画部20を深く凹設する。このため、区画部20に接続される領域加飾部50が立体的に形成される。このため、化粧面材1Aは、立体感の優れた意匠性を有する。
また、化粧面材1Aは、実質的に、1個の基材10上に加飾層51が形成されたものであり、主な材質が基材10の材質と加飾層51のインクとの2種類のみである。これに対し、従来の寄木構造の木質建築板は、基材や突板の形成のために複数個の個片が組み合わされる。このように、化粧面材1Aは、従来の寄木構造の木質建築板に比較して、組み合わされる材料の材質及び方向の違いによる熱膨張率差が生じない。このため、化粧面材1Aは、耐熱膨張性に優れる。
また、化粧面材1Aは、1個の基材10上にインクジェットで加飾層51が形成され、構成要素が少ない。このため、化粧面材1Aは、機械的強度が高い。
上記のように、化粧面材1Aは、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため製造コストが低く、かつ立体感の優れた意匠性を有する。また、化粧面材1Aは、耐熱膨張性に優れ、機械的強度が高い。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る化粧面材1Bを示す図である。図3(A)は、化粧面材1Bの平面図であり、図3(B)は、図3(A)のB-B線に沿った模式的な断面図である。図4は、図3(B)の部分Qを拡大して示す模式的な断面図である。
図3及び4に示すように、化粧面材1Bは、基材10と、基材10の加飾側表面11を凹設して得られる区画部20としての段差部40Bと、段差部40Bを介して複数個に区画された区画領域部53の表面に加飾層51が形成されてなる領域加飾部50とを備える。
第2の実施形態に係る化粧面材1Bは、図1及び2に示す第1の実施形態に係る化粧面材1Aに比較して、区画部20が溝部30Aから段差部40Bに変更されるとともに、領域加飾部50aAが領域加飾部50aBに変更された以外は、同じである。このため、化粧面材1Bと第1の実施形態に係る化粧面材1Aとで同じ構成に同じ符号を付し、構成及び作用の説明を省略又は簡略化する。
<基材>
化粧面材1Bの基材10は、化粧面材1Aの基材10と同じであるため詳しい説明を省略する。なお、化粧面材1Bの基材10の加飾側表面11Bの一部は、区画部20としての段差部40Bを形成する際に凹設されることにより、図4に示すように、区画領域部53eよりも高さが低くなった区画領域部53aBになっている。段差部40Bは、区画部20のうち、隣接する2つの区画領域部53の表面の高さが異なり、一方の区画領域部53の表面と他方の区画領域部53の表面との間を接続する1つ以上の壁面部41を有するように形成されたものである。区画領域部53e及び53aBには、それぞれ、加飾層51e及び51aBが形成されることにより、領域加飾部50e及び50aBが形成される。このため、図3及び4に示すように、領域加飾部50eや50cに隣接して、領域加飾部50eや50cよりも高さが低くなった領域加飾部50aBが形成されている。
基材10の加飾側表面11Bの一部は、凹設により、段差部40Bからなる区画部20B(20)が形成されると、段差部40B(区画部20B)と、段差部40Bを介して複数個に区画された区画領域部53(53e及び53aB)と、からなるものになる。
基材10の加飾側表面11に段差部40を凹設する場合、基材10の加飾側表面11の一部分を凹状に掘り下げて、段差部40と、段差部40の底部に接続する底面である区画領域部53とを形成する。このため、通常、段差部40の頂部に接続する区画領域部53と基材10の加飾側表面11とは高さが同じであるが、段差部40の底部に接続する区画領域部53と基材10の加飾側表面11とは高さが異なるようになる。
<区画部>
化粧面材1Bの区画部20Bは、図3(B)及び図4に示すように、1つの壁面部41を有する段差部40Bになっている。段差部40Bの壁面部41の頂部に隣接する区画領域部53eは、段差部40Bを形成する前の基材10の加飾側表面11Bの一部に相当する。段差部40Bの壁面部41の底部に隣接する区画領域部53aBは、段差部40Bを形成する前の基材10の加飾側表面11Bの一部を凹設して得られる底面に相当する。
区画部20B(20)は、基材10の加飾側表面11を凹設して得られる、段差部40Bからなる部分である。段差部40Bは、区画部20のうち、隣接する2つの区画領域部53(53e及び53aB)の表面の高さが異なり、一方の区画領域部53の表面と他方の区画領域部53の表面との間を接続する1つ以上の壁面部41を有するように形成されたものである。
区画部20Bの深さ、すなわち、段差部40Bの高低差は、特に限定されないが、例えば、1mm~10mmとする。段差部40Bの高低差が、上記数値範囲内にあると、加飾層51を有する領域加飾部50の立体感が優れる。
化粧面材1Bの区画部20B(20)としての段差部40Bの表面には、図4に示すように、目止め層60が設けられる。段差部40Bの表面に目止め層60が設けられると、段差部40Bの目止めをすることができるとともに段差部40Bによる区画が確実になる。
<領域加飾部>
領域加飾部50は、化粧面材1Bの表面に複数個形成される。図3(A)、(B)及び図4に示すように、化粧面材1Bでは、1枚の基材10の表面に、段差部40Bからなる区画部20B(20)で区画された、5個の領域加飾部50(50aB、50b、50c、50d、50e)が形成されている。
[区画領域部]
第2の実施形態に係る化粧面材1Bでは、基材10の加飾側表面11Bの一部を底部が平面になるように凹設することにより区画領域部53aBが平面状になっている。
[加飾層]
図4に示すように、化粧面材1Bの加飾層51aB及び51eは、目止め層60を介して間接的に区画領域部53aB及び53eを加飾している。
隣接する領域加飾部50の加飾層51は、インクジェットを用いて異なる形態に加飾される。例えば、化粧面材1Bでは、5個の領域加飾部50aB、50b、50c、50d、50eの5個の加飾層51aB、51b、51c、51d、51eが、それぞれ、異なる形態に加飾されている。このうち、加飾層51aBは、第1の実施形態に係る化粧面材1Aの加飾層51aAと同様の石目模様に加飾されている。しかし、化粧面材1Bにおける加飾層51aBを有する領域加飾部50aBは、段差部40Bに接続される区画領域部53Bの高さが、第1の実施形態に係る化粧面材1Aにおける区画領域部53Aより低くなっている。このため、領域加飾部50aBは、第1の実施形態に係る化粧面材1Aにおける領域加飾部50aAと形態が異なる。
<効果>
化粧面材1Bによれば、第1の実施形態に係る化粧面材1Aと同様の効果を奏する。
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係る化粧面材1Cを示す図である。図5(A)は、化粧面材1Cの平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC-C線に沿った模式的な断面図である。図6は、図5(B)の部分Rを拡大して示す模式的な断面図である。
図5及び6に示すように、化粧面材1Cは、基材10と、基材10の加飾側表面11を凹設して得られる区画部20としての溝部30Cと、溝部30Cを介して複数個に区画された区画領域部53の表面に加飾層51が形成されてなる領域加飾部50と、を備える。
第3の実施形態に係る化粧面材1Cは、図1及び2に示す第1の実施形態に係る化粧面材1Aに比較して、区画部20が溝部30Aから溝部30Cに変更されるとともに、領域加飾部50aAが領域加飾部50aCに変更された以外は、同じである。このため、化粧面材1Cと第1の実施形態に係る化粧面材1Aとで同じ構成に同じ符号を付し、構成及び作用の説明を省略又は簡略化する。
<基材>
化粧面材1Cの基材10は、化粧面材1Aの基材10と同じであるため詳しい説明を省略する。なお、化粧面材1Cの基材10の加飾側表面11Cの一部は、区画部20としての溝部30Cを形成する際に凹設されることにより、図6に示すように、区画領域部53eよりも高さが低く且つ凹凸を有する区画領域部53aCになっている。区画領域部53e及び53aCには、それぞれ、加飾層51e及び51aCが形成されることにより、領域加飾部50e及び50aCが形成される。このため、図5及び6に示すように、領域加飾部50eや50cに隣接して、領域加飾部50eや50cよりも高さが低く且つ凹凸を有する領域加飾部50aCが形成されている。
<区画部>
化粧面材1Cの区画部20Cは、図5(B)及び図6に示すように、第1の実施形態に係る化粧面材1Aの溝部30Aと同様に、2つの壁面部31c及び31dを有する溝部30Cになっている。図6中、溝部30Cの左側に隣接する区画領域部53eは、溝部30Cを形成する前の基材10の加飾側表面11Cの一部に相当する。図6中、溝部30Cの右側に隣接する区画領域部53aBは、溝部30Cを形成する前の基材10の加飾側表面11Bの一部を底部が凹凸状になるように凹設して得られる底面に相当する。
化粧面材1Bの区画部20C(20)としての溝部30Cの表面には、図6に示すように、目止め層60が設けられる。溝部30Cの表面に目止め層60が設けられると、溝部30Cの目止めをすることができるとともに溝部30Cによる区画が確実になる。
<領域加飾部>
領域加飾部50は、化粧面材1Cの表面に複数個形成される。図5(A)、(B)及び図6に示すように、化粧面材1Cでは、1枚の基材10の表面に、溝部30Cからなる区画部20C(20)で区画された、5個の領域加飾部50(50aC、50b、50c、50d、50e)が形成されている。
[区画領域部]
第3の実施形態に係る化粧面材1Cでは、基材10の加飾側表面11Cの一部を底部が凹凸状になるように凹設することにより区画領域部53aCが凹凸状になっている。
化粧面材1Cの区画領域部53aCの表面形状の凹凸は、石の凹凸に対応する凹凸になっている。なお、化粧面材1Cの変形例として、区画領域部53aCやその他の区画領域部53の表面形状の凹凸を、石の凹凸以外の凹凸に対応する凹凸とすることができる。この変形例の区画領域部53の表面形状の凹凸は、例えば、石の凹凸、木の導管、布の折り目、金属ヘヤライン等に対応する凹凸とすることができる。区画領域部53の表面形状が、この上に形成する加飾層51で表現した材質の表面形状に対応する凹凸状になっていると、加飾層51で表現した材質の本物らしさと立体感とを向上させることができる。例えば、加飾層51が石目模様である場合、区画領域部53の表面形状が、前記石目模様を構成する石の実際の凹凸形状に近い凹凸形状を有すると、加飾層51で表現した石目模様の本物らしさと立体感とを向上させることができる。
[加飾層]
図6に示すように、化粧面材1Cの加飾層51aC及び51eは、目止め層60を介して間接的に区画領域部53aC及び53eを加飾している。
隣接する領域加飾部50の加飾層51は、インクジェットを用いて異なる形態に加飾される。例えば、化粧面材1Cでは、5個の領域加飾部50aC、50b、50c、50d、50eの5個の加飾層51aC、51b、51c、51d、51eが、それぞれ、異なる形態に加飾されている。このうち、加飾層51aCは、第1の実施形態に係る化粧面材1Aの加飾層51aAと同様の石目模様に加飾されている。しかし、化粧面材1Cにおける加飾層51aCを有する領域加飾部50aCは、区画領域部53Cの形状が凹凸状になっており、第1の実施形態に係る化粧面材1Aにおける区画領域部53Aと形状が異なる。このため、領域加飾部50aCは、第1の実施形態に係る化粧面材1Aにおける領域加飾部50aAと形態が異なる。
<効果>
化粧面材1Cによれば、第1の実施形態に係る化粧面材1Aと同様の効果を奏する。また、化粧面材1Cは、区画領域部53C及び領域加飾部50aCの形状が凹凸状になっているため、化粧面材1Aや1Bに比較して領域加飾部50aCの立体感がより優れる。
(第1~3の実施形態の変形例)
<変形例1>
第1~3の実施形態に係る化粧面材1A~1Cでは、区画部20の加飾について特に限定していない。これに対し、第1~3の実施形態の変形例として、区画部20は、隣接する領域加飾部50の加飾と異なる形態に加飾されていてもよい。区画部20が、隣接する領域加飾部50の加飾と異なる形態に加飾されていると、隣接する領域加飾部50の区画が明瞭になる。
また、第1~3の実施形態の変形例として、区画部20の、溝部30又は段差部40の壁面部31又は壁面部41の少なくとも一部が、この壁面部31又は壁面部41に接続する1種以上の領域加飾部50の加飾と形態が一体化するように加飾されていてもよい。
はじめに、区画部20が溝部30である、第1及び第3の実施形態に係る化粧面材1A及び1Cの変形例について説明する。化粧面材1A及び1Cの変形例としては、溝部30の壁面部31の少なくとも一部が、この壁面部31に接続する1種以上の領域加飾部50の加飾と形態が一体化するように加飾されているものが挙げられる。
ここで、溝部30の壁面部31と領域加飾部50の加飾との形態が一体化するとは、両者が同一平面上にあると仮定した場合において、両者の形態が連続する状態にあることを意味する。例えば、溝部30の壁面部31と領域加飾部50の加飾との間には稜線、谷筋等の接続部が存在する。しかし、本実施形態及び以下の実施形態では、この接続部が存在せず溝部30の壁面部31と領域加飾部50の加飾とが同一平面上にあると仮定した場合において、両者の形態が連続しているときは、両者の形態が一体化するものとみなす。
化粧面材1A及び1Cの変形例としては、例えば、図2に示す化粧面材1A又は図6に示す化粧面材1Cにおいて、加飾層51eの形態と一体化する加飾が、溝部30Aの壁面部31aの表面を被覆するように形成されているものが挙げられる。また、他の変形例としては、図2に示す化粧面材1Aにおいて、加飾層51aAの形態と一体化する加飾が、溝部30Aの壁面部31bの表面を被覆するように形成されているものが挙げられる。さらに、他の変形例としては、図6に示す化粧面材1Cにおいて、加飾層51aCの形態と一体化する加飾が、溝部30Cの壁面部31dの表面を被覆するように形成されているものが挙げられる。
次に、区画部20が段差部40である、第2の実施形態に係る化粧面材1Bの変形例について説明する。化粧面材1Bの変形例としては、段差部40の壁面部41の少なくとも一部が、この壁面部41に接続する1種以上の領域加飾部50の加飾と形態が一体化するように加飾されているものが挙げられる。
例えば、図4に示す化粧面材1Bにおいて、加飾層51eの形態と一体化する加飾が、段差部40Bの壁面部41の表面を被覆するように形成されているものが挙げられる。また、図4に示す化粧面材1Bにおいて、加飾層51aBの形態と一体化する加飾が、段差部40Bの壁面部41の表面を被覆するように形成されているものが挙げられる。
上記の第1~3の実施形態の変形例のように、区画部20の、溝部30又は段差部40の壁面部31又は壁面部41が加飾されていると、領域加飾部50の加飾層51の加飾の立体感が増加する。上記の区画部20の、溝部30又は段差部40の壁面部31又は壁面部41への加飾は、例えば、区画領域部53の表面に加飾層51を形成して領域加飾部を得る際に、区画部20の壁面部31又は壁面部41も同時に加飾することにより、実施される。
<変形例2>
第1~3の実施形態に係る化粧面材1A~1Cでは、基材10の表面に、目止め層60と加飾層51とを形成する例を示した。これに対し、第1~3の実施形態の変形例として、基材10の表面に、目止め層60を形成せずに、加飾層51のみを形成してもよい。例えば、基材10の材質が、加飾層51を形成するインクを吸収しない材質であれば、目止め層60を形成しないようにすることができる。インクを吸収しない材質としては、例えば、樹脂基材、金属基材、セラミック基材、石基材等が挙げられる。
<変形例3>
第1~3の実施形態に係る化粧面材1A~1Cでは、基材10の表面に、目止め層60と加飾層51とを形成する例を示した。これに対し、第1~3の実施形態の変形例として、基材10の表面に、目止め層60及び加飾層51以外の層を形成してもよい。例えば、基材10と目止め層60との間に無職透明のクリア層を形成することができる。無職透明のクリア層は、例えば、UV硬化樹脂からなる層である。
上記第1~3の実施形態に係る化粧面材1A~1Cは、例えば、以下に示す製造方法で製造することができる。
[化粧面材の製造方法]
次に、化粧面材の製造方法について、図面を参照して説明する。化粧面材の製造方法は、基材10の加飾側表面11に区画部20を形成する区画工程と、基材10の加飾側表面11に区画部20を凹設した後に得られた区画領域部53をインクジェットを用いて加飾する加飾工程と、を備える。
(区画工程)
区画工程は、基材10の加飾側表面11を凹設することにより、加飾側表面11に溝部30又は段差部40からなる区画部20を形成する工程である。図7は、化粧面材の製造方法の区画工程を示す図である。図7に示すように、区画工程では、基材10の加飾側表面11を凹設して区画部20を形成する。区画部20を形成する際に形成される区画部20以外の部分は、例えば、領域加飾部を構成する区画領域部53となる。
基材10の加飾側表面11を凹設する方法は特に限定されず、例えば、レーザ加工、切削加工、成形加工、プレス加工、板金加工等を用いることができる。このうち、レーザ加工を用いて基材10の加飾側表面11に溝部30又は段差部40からなる区画部20を形成すると、刃物の消耗がなく、長期間安定した加工形状に仕上げることができ、切りくず等の発生量を低減でき、加工形状の自由度が高いため好ましい。レーザ加工は、加工形状の自由度が高いため、刃物、工具の交換をせずに、曲線を形成したり、断面形状をV形状やR形状にしたりすることが容易である。図7には、レーザ加工装置25を用いて、基材10の加飾側表面11に、溝部30からなる区画部20を凹設する一例を示した。図7では溝部30以外の部分が凹設されていないため、図7が第1の実施形態に係る化粧面材1Aの製造方法における区画工程であることが分かる。区画工程における区画部20の凹設形状、及びレーザ加工については、後に詳述する。
なお、加飾側表面11に段差部40からなる区画部20を形成する場合は、加飾側表面11の一部を全体的に凹設する。加飾側表面11の一部を全体的に凹設する場合、凹設された底面を平面状又は凹凸状にすることができる。加飾側表面11に段差部40を形成する場合に凹設された底面を平面状にすると、第2の実施形態に係る化粧面材1Bの製造方法における区画工程となる。
また、図7に示すように、加飾側表面11に溝部30を形成する場合に、加飾側表面11のうち溝部30で区画された部分を凹凸状に凹設することにより、凹凸状の底面を有する区画領域部53を形成することもできる。このように、溝部30と、凹凸状の底面を有する区画領域部53とを有する区画工程は、第3の実施形態に係る化粧面材1Cの製造方法における区画工程となる。
(目止め処理工程)
化粧面材の製造方法は、上記のように区画工程と加飾工程とを有する。しかし、必要により、区画工程と加飾工程との間に、目止め処理工程を有していてもよい。目止め処理工程は、区画領域部53と区画部20とを目止め処理する工程である。図8は、化粧面材の製造方法の目止め処理工程を示す図である。図8に示すように、目止め処理工程では、基材10の加飾側表面11に区画部20を凹設した後に得られかつ区画部20を介して複数個に区画された区画領域部53と、区画部20とを目止め処理する。
区画領域部53と区画部20とを目止め処理する方法は特に限定されず、例えば、公知の目止め処理方法を用いることができる。図8には、区画領域部53と区画部20とを含む基材10の表面に、ローラ65を用いて目止め材を塗布し、基材10の表面全体に目止め層60を形成する例を示した。上記目止め処理工程を行うと、図2に示すような目止め層60が形成される。
(加飾工程)
加飾工程は、基材10の加飾側表面11に区画部20を凹設した後に得られかつ区画部20を介して複数個に区画された区画領域部53のうち、隣接する区画領域部53を、インクジェットを用いて異なる形態に加飾する工程である。図9は、化粧面材の製造方法の加飾工程を示す図である。図9に示すように、加飾工程では、複数個の区画領域部53のうち、隣接する区画領域部53を、インクジェット装置55を用いたインクジェット57により、異なる形態に加飾する。加飾工程を行うと、図9に示すように、基材10の表面に、加飾層51を有する領域加飾部50と区画部20とが形成された化粧面材1が作製される。
<区画工程における区画部の凹設形状>
区画工程における区画部20の凹設形状について説明する。上記のように区画部20は、溝部30又は段差部40からなる。区画部20としての溝部30としては、V字状の横断面形状を有するV溝や、2個の曲線がγ(ガンマ)字状に組み合わされた横断面形状を有するR溝とすることができる。
図10は、区画部20としての溝部30がV字状の横断面形状を有するV溝である場合のV溝の一例30Dを示す図である。図10に示すように、基材10に凹設されるV溝30Dは、横断面形状がV字状になるように2個の平坦な壁面部が組み合わされたものになっている。図11は、区画部20としての溝部30が2個の曲線がγ(ガンマ)字状に組み合わされた横断面形状を有するR溝である場合のR溝の一例30Eを示す図である。図11に示すように、基材10に凹設されるR溝30Eは、横断面形状がγ(ガンマ)字状になるように2個の曲面状の壁面部が組み合わされたものになっている。
<区画工程におけるレーザ加工>
区画工程において、レーザ加工で区画部20としての溝部30を凹設する場合の手順の一例を説明する。図12は、V溝を形成する区画工程の一例を示す図である。図12(A)は、区画工程前の様子を示す図であり、図12(B)は、区画工程後の様子を模式的に示す図である。
図13は、V溝を形成する区画工程におけるレーザ光の照射方法の一例を示す図である。図13のSTEP1は、V溝を形成する第1部分工程を示す図である。図13のSTEP2は、V溝を形成する第2部分工程を示す図である。図13のSTEP3は、V溝を形成する第3部分工程を示す図である。図13のSTEP4は、V溝を形成する第4部分工程を示す図である。図13のSTEP5は、V溝を形成する第5部分工程を示す図である。
図12(A)に示す基材10に、図12(B)に示すようなV溝からなる溝部30を凹設する場合、例えば、図13に示すように、STEPを経るにつれて、レーザ光27の照射本数が減少するように基材10にレーザ光27を照射する。具体的には、STEP1(第1部分工程)ではレーザ光27を平行に5本照射して非常に浅くかつ非常に幅広く凹設する。STEP2(第2部分工程)ではレーザ光27を平行に4本照射してやや浅くかつやや幅広く凹設する。STEP3(第3部分工程)ではレーザ光27を平行に3本照射して中程度の深さでかつ中程度の幅で凹設する。STEP4(第4部分工程)ではレーザ光27を平行に2本照射してやや深くかつやや狭く凹設する。STEP5(第5部分工程)ではレーザ光27を1本照射して深くかつ狭く凹設する。上記STEP1~5をこの順番で行うことにより、基材10に、図12(B)に示すようなV溝からなる溝部30を凹設することができる。なお、図12及び13は説明の都合上模式的に示したものであり、レーザ光27の太さや照射強度、照射時間等を調整することにより、壁面部に図12(B)に示すような段差のない、平坦な又は滑らかな形状の壁面部を有する溝部30を凹設することが可能である。
<効果>
上記化粧面材の製造方法によれば、基材10に区画部20を形成する区画工程と、隣接する区画領域部53を異なる形態に加飾する加飾工程と、を行うだけで、化粧面材を製造することができる。すなわち、従来技術のような、無垢材の個片又はフリッチをパーケット柄になるように組み込み下地材に貼り付ける作業が不要である。このため、化粧面材の製造方法によれば、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため、製造コストが低くなる。
また、上記化粧面材の製造方法は、下地材でなく基材10自体に区画部20を深く凹設するため、区画部20に接続される領域加飾部50が立体的に形成される。このため、上記化粧面材の製造方法で得られる化粧面材は、立体感の優れた意匠性を有する。
また、上記化粧面材の製造方法で得られる化粧面材は、実質的に、1個の基材10上に加飾層51が形成されたものであり、主な材質が基材10の材質と加飾層51のインクとの2種類のみである。これに対し、従来の寄木構造の木質建築板は、基材や突板の形成のために複数個の個片が組み合わされる。このように、上記化粧面材の製造方法で得られる化粧面材は、従来の寄木構造の木質建築板に比較して、組み合わされる材料の材質及び方向の違いによる熱膨張率差が生じない。このため、上記化粧面材の製造方法で得られる化粧面材は、耐熱膨張性に優れる。
また、上記化粧面材の製造方法で得られる化粧面材は、1個の基材10上にインクジェットで加飾層51が形成され、構成要素が少ない。このため、上記化粧面材の製造方法で得られる化粧面材は、機械的強度が高い。
上記のように、上記化粧面材の製造方法は、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため製造コストが低く、かつ立体感の優れた意匠性を有する化粧面材を容易に製造することができる。また、上記化粧面材の製造方法によれば、耐熱膨張性に優れ、機械的強度が高い化粧面材を容易に製造することができる。
以上、実施例に沿って本実施形態の内容を説明したが、本実施形態はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
本実施形態の化粧面材は、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため製造コストが低く、かつ立体感の優れた意匠性を有する。本実施形態の化粧面材の製造方法は、作業工程が少なくかつ作業が容易であるため、化粧面材の製造コストが低く、かつ立体感の優れた意匠性を有する化粧面材を容易に製造することができる。
本実施形態の化粧面材及びその製造方法は、床、扉、壁等の建材、収納棚等の家具、家電製品、シ-リングライトカバーを有する照明製品に使用することができる。例えば、本実施形態の化粧面材をシ-リングライトカバーを有する照明製品に適用する場合、シ-リングライトカバーと照明の枠とを一体成形した後に、枠にインクジェット加飾することにより適用することができる。
1、1A、1B、1C 化粧面材
10 基材
11、11A、11B、11C 加飾側表面
20、20A、20B、20C 区画部
25 レーザ加工装置
27 レーザ光
30、30A、30C 溝部
31、31a、31b、31c、31d 溝部の壁面部
40、40B 段差部
41 段差部の壁面部
50、50aA、50aB、50aC、50b、50c、50d、50e 領域加飾部
51、51aA、51aB、51aC、51e 加飾層
53、53aA、53aB、53aC 区画領域部
55 インクジェット装置
57 インクジェット
60 目止め層
65 ローラ

Claims (6)

  1. 加飾側表面を有する基材と、
    この基材の加飾側表面を凹設して得られる、段差部からなる区画部と、
    前記基材の加飾側表面に区画部を凹設した後に得られかつ前記区画部を介して複数個に区画された区画領域部、の表面に加飾層が形成されてなる複数個の領域加飾部と、
    を備え、
    前記区画部の底部に接続する前記区画領域部の高さは、前記区画部の頂部に接続する前記区画領域部よりも低く、
    前記基材は、単一の木質基材であり、
    隣接する前記領域加飾部の加飾層は、インクジェットを用いて異なる形態に加飾されていることを特徴とする化粧面材。
  2. 前記区画部は、隣接する前記領域加飾部の加飾と異なる形態に加飾されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧面材。
  3. 前記区画部は、前記段差部の壁面部の少なくとも一部が、この壁面部に接続する1種以上の前記領域加飾部の加飾と形態が一体化するように加飾されていることを特徴とする請求項1に記載の化粧面材。
  4. 隣接する前記領域加飾部の加飾層は、柄の種類、向き、及び色から選ばれる1種以上が異なるように加飾されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧面材。
  5. 基材の加飾側表面を凹設することにより、前記加飾側表面に段差部からなる区画部を形成する区画工程と、
    前記基材の加飾側表面に区画部を凹設した後に得られかつ前記区画部を介して複数個に区画された区画領域部のうち、隣接する区画領域部を、インクジェットを用いて異なる形態に加飾する加飾工程と、
    を備え、
    前記基材は、単一の木質基材であり、
    前記区画部の底部に接続する前記区画領域部の高さは、前記区画部の頂部に接続する前記区画領域部よりも低いことを特徴とする化粧面材の製造方法。
  6. 前記区画工程は、レーザ加工を用いて前記基材の加飾側表面に段差部からなる区画部を形成することを特徴とする請求項5に記載の化粧面材の製造方法。
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