JPH08318506A - エンボス化粧板とその製造方法 - Google Patents
エンボス化粧板とその製造方法Info
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- JPH08318506A JPH08318506A JP8007560A JP756096A JPH08318506A JP H08318506 A JPH08318506 A JP H08318506A JP 8007560 A JP8007560 A JP 8007560A JP 756096 A JP756096 A JP 756096A JP H08318506 A JPH08318506 A JP H08318506A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は木質系繊維板、特に、ＭＤＦを基材と
した化粧板に、全面にわたって均一に木目柄、抽象柄等
のエンボス模様の形成を可能とし、シャープで繊細な木
目柄、抽象柄を再現したエンボス化粧板とその製造方法
を提供する。 【解決手段】中密度繊維板等の木質系繊維板からなる基
材表面に、木目柄、抽象柄等を印刷、転写或いは化粧紙
による模様層を設け、さらに合成樹脂によるエンボス形
成層を設け、この表面に木目柄、抽象柄等のエンボス模
様を設けた後、合成樹脂によるエンボス保護層を設ける
ことで、表面物性の向上を図る。
した化粧板に、全面にわたって均一に木目柄、抽象柄等
のエンボス模様の形成を可能とし、シャープで繊細な木
目柄、抽象柄を再現したエンボス化粧板とその製造方法
を提供する。 【解決手段】中密度繊維板等の木質系繊維板からなる基
材表面に、木目柄、抽象柄等を印刷、転写或いは化粧紙
による模様層を設け、さらに合成樹脂によるエンボス形
成層を設け、この表面に木目柄、抽象柄等のエンボス模
様を設けた後、合成樹脂によるエンボス保護層を設ける
ことで、表面物性の向上を図る。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、建装材分野のドア
ー材、家具等の表面材として用いる化粧板に関し、特に
中密度繊維板等の木質系繊維板の基材表面に、エンボス
を形成するエンボス化粧板とその製造方法に関する。
ー材、家具等の表面材として用いる化粧板に関し、特に
中密度繊維板等の木質系繊維板の基材表面に、エンボス
を形成するエンボス化粧板とその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、合板等の板基材に、化粧シートを
貼着した化粧板や、転写シートにより絵柄模様を転写し
た化粧板、或いはダイレクト印刷により絵柄模様を設け
た化粧板が一般的に知られている。また、これらの化粧
板にエンボス、特にロールエンボス版によるエンボス模
様を施した化粧板、さらに、このエンボス表面にワイピ
ング着色を施した化粧板も公知である。また、基材上の
模様層にエンボスを形成し、ウレタン樹脂やポリエステ
ル樹脂による保護層を設けたもの、或いは、ウレタン樹
脂やポリエステル樹脂によるエンボス形成層を設け、こ
の表面にエンボス模様を形成して、エンボスの入りや、
表面物性、意匠性を向上させた化粧板や、このエンボス
表面にワイピングを入れる等して一層の意匠性を向上さ
せた化粧板が知られている。
貼着した化粧板や、転写シートにより絵柄模様を転写し
た化粧板、或いはダイレクト印刷により絵柄模様を設け
た化粧板が一般的に知られている。また、これらの化粧
板にエンボス、特にロールエンボス版によるエンボス模
様を施した化粧板、さらに、このエンボス表面にワイピ
ング着色を施した化粧板も公知である。また、基材上の
模様層にエンボスを形成し、ウレタン樹脂やポリエステ
ル樹脂による保護層を設けたもの、或いは、ウレタン樹
脂やポリエステル樹脂によるエンボス形成層を設け、こ
の表面にエンボス模様を形成して、エンボスの入りや、
表面物性、意匠性を向上させた化粧板や、このエンボス
表面にワイピングを入れる等して一層の意匠性を向上さ
せた化粧板が知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、合板を
基材とした化粧板に使用される合板は、天然木材をスラ
イスした板を貼り合わせたものであり、原木の個体差、
節、割れ目、春材部と秋材部の差等の関係でエンボス品
質が安定せず、近年においては原料供給不安も問題であ
った。一方、中密度繊維板（ＭＤＦ）等をはじめとする
木質系繊維板を基材とした場合には、合板に見られるよ
うな各種欠陥、品質のバラツキなどがなく安定したエン
ボス品質を得ることができ、基材の供給不安もない。し
かしながら繊維密度、表面強度が高いために、全面にわ
たり均一なエンボスを施すことができなかった。
基材とした化粧板に使用される合板は、天然木材をスラ
イスした板を貼り合わせたものであり、原木の個体差、
節、割れ目、春材部と秋材部の差等の関係でエンボス品
質が安定せず、近年においては原料供給不安も問題であ
った。一方、中密度繊維板（ＭＤＦ）等をはじめとする
木質系繊維板を基材とした場合には、合板に見られるよ
うな各種欠陥、品質のバラツキなどがなく安定したエン
ボス品質を得ることができ、基材の供給不安もない。し
かしながら繊維密度、表面強度が高いために、全面にわ
たり均一なエンボスを施すことができなかった。
【０００４】そこで、本発明は木質系繊維板、特に、Ｍ
ＤＦを基材とした化粧板に、ロールエンボス機により、
全面にわたって均一に木目柄、抽象柄等のエンボス模様
を形成することができるようにして、シャープで繊細な
木目柄、抽象柄を再現すると共に、合成樹脂によるエン
ボス形成層を設けて、この上にエンボス模様を形成する
ことでエンボス模様の再現性、奥行き感等の高い意匠性
を発現するエンボス化粧板とその製造方法を提供するこ
とにある。
ＤＦを基材とした化粧板に、ロールエンボス機により、
全面にわたって均一に木目柄、抽象柄等のエンボス模様
を形成することができるようにして、シャープで繊細な
木目柄、抽象柄を再現すると共に、合成樹脂によるエン
ボス形成層を設けて、この上にエンボス模様を形成する
ことでエンボス模様の再現性、奥行き感等の高い意匠性
を発現するエンボス化粧板とその製造方法を提供するこ
とにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項１によれば、中密度繊維板等の木質系
繊維板からなる基材（１２）表面に直接、木目柄、抽象
柄等のエンボス模様（１１）を設けたことを特徴とする
エンボス化粧板である。
に本発明の請求項１によれば、中密度繊維板等の木質系
繊維板からなる基材（１２）表面に直接、木目柄、抽象
柄等のエンボス模様（１１）を設けたことを特徴とする
エンボス化粧板である。
【０００６】また、請求項２によれば、中密度繊維板等
の木質系繊維板からなる基材（１２）表面に、木目柄、
抽象柄等の模様層（１３）を設け、この上にエンボス模
様を設けたことを特徴とする。
の木質系繊維板からなる基材（１２）表面に、木目柄、
抽象柄等の模様層（１３）を設け、この上にエンボス模
様を設けたことを特徴とする。
【０００７】また、請求項３によれば、エンボス化粧板
は、中密度繊維板等の木質系繊維板からなる基材（１
２）表面に、木目柄、抽象柄等の模様層（１３）を設
け、この表面に木目柄、抽象柄等のエンボス模様（１
１）を設けて、この全面に合成樹脂層による保護層（１
６）を設けたことを特徴とする。
は、中密度繊維板等の木質系繊維板からなる基材（１
２）表面に、木目柄、抽象柄等の模様層（１３）を設
け、この表面に木目柄、抽象柄等のエンボス模様（１
１）を設けて、この全面に合成樹脂層による保護層（１
６）を設けたことを特徴とする。
【０００８】また、請求項４によれば、前記模様層（１
３）上に、合成樹脂によるエンボス形成層（１４）を設
け、この表面に木目柄、抽象柄等のエンボス模様を設け
たことを特徴とする。
３）上に、合成樹脂によるエンボス形成層（１４）を設
け、この表面に木目柄、抽象柄等のエンボス模様を設け
たことを特徴とする。
【０００９】また、請求項５によれば、模様層（１３）
がダイレクト印刷、転写による模様層又は木目柄、抽象
柄等の印刷柄を有する化粧紙からなることを特徴とす
る。
がダイレクト印刷、転写による模様層又は木目柄、抽象
柄等の印刷柄を有する化粧紙からなることを特徴とす
る。
【００１０】また、請求項６によれば、エンボス模様
（１１）面に、ワイピング（１５）を施したことを特徴
とする。
（１１）面に、ワイピング（１５）を施したことを特徴
とする。
【００１１】また、請求項７によれば、ワイピング着色
（１５）を施したエンボス模様上に、合成樹脂による保
護層（１６）を設けたことを特徴とする。
（１５）を施したエンボス模様上に、合成樹脂による保
護層（１６）を設けたことを特徴とする。
【００１２】さらに、このエンボス化粧板の製造方法
は、中密度繊維板等の木質系繊維板からなる基材（１
２）表面に、ダイレクト印刷又は転写による模様層又は
木目柄、抽象柄等の印刷絵柄を有する化粧紙からなる模
様層（１３）を設け、この表面にロールエンボス機（２
０）により木目柄、抽象柄等のエンボス模様（１１）を
形成し、このエンボス模様上にワイピング着色（１５）
を施し、さらにサンディング処理した後に、この上に合
成樹脂による保護層（１６）を設けたことを特徴とす
る。
は、中密度繊維板等の木質系繊維板からなる基材（１
２）表面に、ダイレクト印刷又は転写による模様層又は
木目柄、抽象柄等の印刷絵柄を有する化粧紙からなる模
様層（１３）を設け、この表面にロールエンボス機（２
０）により木目柄、抽象柄等のエンボス模様（１１）を
形成し、このエンボス模様上にワイピング着色（１５）
を施し、さらにサンディング処理した後に、この上に合
成樹脂による保護層（１６）を設けたことを特徴とす
る。
【００１３】
【発明の実施の形態】図に基づき本発明を詳細に説明す
る。図１に示すように、ＭＤＦ等の木質系繊維板の基材
（１２）表面に、ロールエンボス機（２０）により直接
エンボス模様（１１）を形成したもので、基材面には化
粧紙、或いは絵柄等の印刷による装飾をせずにエンボス
を行って、基材の色とエンボスの木目柄、抽象柄により
意匠性を表現したものである。
る。図１に示すように、ＭＤＦ等の木質系繊維板の基材
（１２）表面に、ロールエンボス機（２０）により直接
エンボス模様（１１）を形成したもので、基材面には化
粧紙、或いは絵柄等の印刷による装飾をせずにエンボス
を行って、基材の色とエンボスの木目柄、抽象柄により
意匠性を表現したものである。
【００１４】また、図２は、ＭＤＦ等の木質系繊維板の
基材（１２）表面に、木目柄、抽象柄等の模様層（１
３）を設けた後に、エンボス模様（１１）を形成したも
のである。この模様層（１３）は、限定はしないが、基
材表面に直接グラビア印刷、オフセット印刷、或いは転
写方式のいずれかの方式により形成してもよく、また、
基材面に木目柄、抽象柄等の絵柄層を印刷した化粧紙に
より装飾して模様層としてもよく、この模様層（１３）
の上からエンボス模様（１１）を形成した化粧板であ
る。この模様層（１３）により意匠性は向上するが、エ
ンボスの凹凸により印刷、転写、或いは化粧紙による模
様層の破断（破れ、貫き）が起こり易く、その場合は表
面物性（耐摩耗性、耐汚染性、耐薬品性、耐擦過傷性
等）、意匠性が劣るが、エンボス後に、図示はしないが
合成樹脂による保護層を設けることにより、模様層の破
断が起こった場合でも表面物性の低下を防ぐことができ
るので、実用性を向上させる。
基材（１２）表面に、木目柄、抽象柄等の模様層（１
３）を設けた後に、エンボス模様（１１）を形成したも
のである。この模様層（１３）は、限定はしないが、基
材表面に直接グラビア印刷、オフセット印刷、或いは転
写方式のいずれかの方式により形成してもよく、また、
基材面に木目柄、抽象柄等の絵柄層を印刷した化粧紙に
より装飾して模様層としてもよく、この模様層（１３）
の上からエンボス模様（１１）を形成した化粧板であ
る。この模様層（１３）により意匠性は向上するが、エ
ンボスの凹凸により印刷、転写、或いは化粧紙による模
様層の破断（破れ、貫き）が起こり易く、その場合は表
面物性（耐摩耗性、耐汚染性、耐薬品性、耐擦過傷性
等）、意匠性が劣るが、エンボス後に、図示はしないが
合成樹脂による保護層を設けることにより、模様層の破
断が起こった場合でも表面物性の低下を防ぐことができ
るので、実用性を向上させる。
【００１５】そこで、図３に示すように、このダイレク
ト印刷、転写、或いは化粧紙の貼着による模様層（１
３）上に、合成樹脂によるエンボス形成層（１４）を設
けたもので、このエンボス形成層により、エンボス模様
（１１）の再現性が向上するとともに、模様層の破断が
起こりにくくなる。また、エンボス形成層の合成樹脂と
しては、透明又は着色されたウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、或いは紫外線硬化型樹脂等を用いることがで
き、また、エンボス模様の形成に必要な膜厚（塗布量）
を得るために、ロールコーター方式でもよいが、この方
式は塗布量を多くするため数回繰り返し塗布を行う必要
があるため、好ましくは塗布量が多く得られるフローコ
ーター方式を用いる。また、限定はしないが、エンボス
形成層（１４）上に設けたエンボス模様の凹溝に、ワイ
ピング（１５）を施すことにより意匠性が一層向上する
とともに、このワイピングの上に、保護層（１６）とし
て合成樹脂層を設けることで、弱いワイピングインキを
強く固着させる保護層となり、これにより高い表面物性
と意匠性とが得られる。なお、保護層（１６）の塗布
は、塗布量は少なくなるがロールコーターによる塗布も
可能で、化粧板の要求物性に合わせて他の塗布方法との
組み合わせることも可能である。また、これらの樹脂に
着色剤を混ぜて色付けすることで意匠性の高い化粧板に
することもできる。
ト印刷、転写、或いは化粧紙の貼着による模様層（１
３）上に、合成樹脂によるエンボス形成層（１４）を設
けたもので、このエンボス形成層により、エンボス模様
（１１）の再現性が向上するとともに、模様層の破断が
起こりにくくなる。また、エンボス形成層の合成樹脂と
しては、透明又は着色されたウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、或いは紫外線硬化型樹脂等を用いることがで
き、また、エンボス模様の形成に必要な膜厚（塗布量）
を得るために、ロールコーター方式でもよいが、この方
式は塗布量を多くするため数回繰り返し塗布を行う必要
があるため、好ましくは塗布量が多く得られるフローコ
ーター方式を用いる。また、限定はしないが、エンボス
形成層（１４）上に設けたエンボス模様の凹溝に、ワイ
ピング（１５）を施すことにより意匠性が一層向上する
とともに、このワイピングの上に、保護層（１６）とし
て合成樹脂層を設けることで、弱いワイピングインキを
強く固着させる保護層となり、これにより高い表面物性
と意匠性とが得られる。なお、保護層（１６）の塗布
は、塗布量は少なくなるがロールコーターによる塗布も
可能で、化粧板の要求物性に合わせて他の塗布方法との
組み合わせることも可能である。また、これらの樹脂に
着色剤を混ぜて色付けすることで意匠性の高い化粧板に
することもできる。
【００１６】また、ワイピング着色後に、この表面をサ
ンディング処理することでワイピングのかき取りむらを
防ぎ、表面平滑性を増すだけでなく、保護層（１６）樹
脂の塗布において密着性が向上する。なお、樹脂の再塗
布の際には、下塗りした樹脂（エンボス形成層、或いは
エンボス保護層の合成樹脂）と上塗りした樹脂（保護層
とした樹脂）との相性が問題となる。すなわち、下塗り
樹脂はリコート性のある樹脂を用いることが好ましい。
ンディング処理することでワイピングのかき取りむらを
防ぎ、表面平滑性を増すだけでなく、保護層（１６）樹
脂の塗布において密着性が向上する。なお、樹脂の再塗
布の際には、下塗りした樹脂（エンボス形成層、或いは
エンボス保護層の合成樹脂）と上塗りした樹脂（保護層
とした樹脂）との相性が問題となる。すなわち、下塗り
樹脂はリコート性のある樹脂を用いることが好ましい。
【００１７】本発明におけるエンボス模様（１１）の形
成は、図４に示すように、ロールエンボス機（２０）に
より行ったもので、合板、ＭＤＦをはじめとする木質系
繊維板に均一にエンボス形成ができるようにしたもので
ある。すなわち、極力反りが発生しないようなエンボス
ロール（２１）とバックロール（２２）を用いて、ま
た、反りが発生しないように、軸の長さが短いエンボス
ロールとバックロールとして、さらに、様々な力に影響
されない剛性を持つ強いフレーム構造とすることによ
り、表面強度の高い木質系繊維板にエンボス模様（１
１）の形成を可能としたものである。
成は、図４に示すように、ロールエンボス機（２０）に
より行ったもので、合板、ＭＤＦをはじめとする木質系
繊維板に均一にエンボス形成ができるようにしたもので
ある。すなわち、極力反りが発生しないようなエンボス
ロール（２１）とバックロール（２２）を用いて、ま
た、反りが発生しないように、軸の長さが短いエンボス
ロールとバックロールとして、さらに、様々な力に影響
されない剛性を持つ強いフレーム構造とすることによ
り、表面強度の高い木質系繊維板にエンボス模様（１
１）の形成を可能としたものである。
【００１８】
【作用】本発明のエンボス化粧板（１０）は、ワイピン
グ（１５）を施したエンボス模様（１１）の表面に、保
護層（１６）として合成樹脂を塗布することにより、仮
にエンボスの凹凸がエンボス形成層（１４）である合成
樹脂層、或いは模様層（１３）の化粧紙を貫いた（破
断）場合でも、この保護層（１６）がその部分を覆うこ
とにより、高い表面物性とより高い意匠性が得られる。
また、ワイピング（１５）を施した化粧板（１０）表面
をサンディング処理した後に、合成樹脂による保護層
（１６）を設けることで、最も弱いワイピングインキを
保護すると共に、保護層の密着性が向上し、かつ、ワイ
ピングが施されたエンボス化粧板は、強い表面物性とよ
り高い意匠を得ることが可能となる。
グ（１５）を施したエンボス模様（１１）の表面に、保
護層（１６）として合成樹脂を塗布することにより、仮
にエンボスの凹凸がエンボス形成層（１４）である合成
樹脂層、或いは模様層（１３）の化粧紙を貫いた（破
断）場合でも、この保護層（１６）がその部分を覆うこ
とにより、高い表面物性とより高い意匠性が得られる。
また、ワイピング（１５）を施した化粧板（１０）表面
をサンディング処理した後に、合成樹脂による保護層
（１６）を設けることで、最も弱いワイピングインキを
保護すると共に、保護層の密着性が向上し、かつ、ワイ
ピングが施されたエンボス化粧板は、強い表面物性とよ
り高い意匠を得ることが可能となる。
【００１９】
【実施例】以下、具体的実施例を詳細に説明する。
【００２０】＜実施例１＞図１に基づき実施例１を説明
する。基材としてＭＤＦ（ホクシン（株）製，ホクシン
ＴＬタイプ、厚さ２．７ｍｍ／３×６尺）を用いて、表
面に木目柄、抽象柄等のエンボス模様を形成した。エン
ボス機は、図４に示すように、面長１４００ｍｍ、径４
００ｍｍのロールエンボス版とバックロールを備えて、
エンボス圧力は線圧１５０〜２５０ｋｇ／ｃｍ、エンボ
ススピードは３０ｍ／ｍｉｎで行ってエンボス化粧板を
得た。
する。基材としてＭＤＦ（ホクシン（株）製，ホクシン
ＴＬタイプ、厚さ２．７ｍｍ／３×６尺）を用いて、表
面に木目柄、抽象柄等のエンボス模様を形成した。エン
ボス機は、図４に示すように、面長１４００ｍｍ、径４
００ｍｍのロールエンボス版とバックロールを備えて、
エンボス圧力は線圧１５０〜２５０ｋｇ／ｃｍ、エンボ
ススピードは３０ｍ／ｍｉｎで行ってエンボス化粧板を
得た。
【００２１】＜実施例２＞図２に基づき実施例２を説明
する。基材としてＭＤＦ（ホクシン（株）製，ホクシン
ＴＬタイプ、厚さ２．７ｍｍ／３×６尺）を用いて、こ
の表面に木目柄の絵柄層を設けた化粧紙を貼着し模様層
を設け、この上から実施例１と同様にエンボス模様を形
成してエンボス化粧板を得た。このエンボス模様は実施
例１で用いたロールエンボス機で、エンボス加工条件も
同様にした。この化粧紙の絵柄層は、坪量３０ｇ／ｍ2
の薄葉紙に木目柄を硝化綿系インキでグラビア印刷方式
により印刷したもので、基材には接着剤として、尿素・
酢ビ混合接着剤を５ｇ／尺2 に塗布して、ラミネートス
ピード３０ｍ／ｍｉｎにて貼着した。なお、基材に直接
転写により模様層を設ける場合には、ポリエチレンテレ
フタレート（ＰＥＴ）フィルム（厚さ２５μｍ）にウレ
タン系インキを用いて、グラビア印刷で模様層を形成し
た転写シートを用いて、ラインスピード３０ｍ／ｍｉｎ
で基材に転写し、１日養生後、このＰＥＴフィルムを剥
離することで模様層を設けた。また、基材にダイレクト
印刷により模様層を設ける場合には、硝化綿系インキを
用いてオフセットグラビア印刷法により３０ｍ／ｍｉｎ
の印刷スピードで模様層を印刷した。
する。基材としてＭＤＦ（ホクシン（株）製，ホクシン
ＴＬタイプ、厚さ２．７ｍｍ／３×６尺）を用いて、こ
の表面に木目柄の絵柄層を設けた化粧紙を貼着し模様層
を設け、この上から実施例１と同様にエンボス模様を形
成してエンボス化粧板を得た。このエンボス模様は実施
例１で用いたロールエンボス機で、エンボス加工条件も
同様にした。この化粧紙の絵柄層は、坪量３０ｇ／ｍ2
の薄葉紙に木目柄を硝化綿系インキでグラビア印刷方式
により印刷したもので、基材には接着剤として、尿素・
酢ビ混合接着剤を５ｇ／尺2 に塗布して、ラミネートス
ピード３０ｍ／ｍｉｎにて貼着した。なお、基材に直接
転写により模様層を設ける場合には、ポリエチレンテレ
フタレート（ＰＥＴ）フィルム（厚さ２５μｍ）にウレ
タン系インキを用いて、グラビア印刷で模様層を形成し
た転写シートを用いて、ラインスピード３０ｍ／ｍｉｎ
で基材に転写し、１日養生後、このＰＥＴフィルムを剥
離することで模様層を設けた。また、基材にダイレクト
印刷により模様層を設ける場合には、硝化綿系インキを
用いてオフセットグラビア印刷法により３０ｍ／ｍｉｎ
の印刷スピードで模様層を印刷した。
【００２２】＜実施例３＞図３に基づき実施例３を説明
する。ＭＤＦの基材表面に、前記実施例２に基づき設け
た木目柄の模様層上に、フローコーターにてウレタン系
樹脂（浜二ペイント製、Ｕコートサンジング、ＵＳＥ−
５０５，下塗り）を塗布（塗布量１０〜３０ｇ／尺2 ）
してエンボス形成層とした。塗布スピードは、４０ｍ／
ｍｉｎで行い、ロールエンボス機によりエンボス模様を
形成しエンボス化粧板を得た。また、このエンボス表面
にワイング機にてウレタン系インキでワイピング着色を
施した後サンディング処理を行い、この上にフローコー
ターにて、塗布スピード４０ｍ／ｍｉｎでウレタン系樹
脂（浜二ペイント製、Ｕコートマット、ＵＭＥ−５０
０，上塗り）を塗布（塗布量１０〜３０ｇ／尺2 ）し
て、ワイピングインキの保護層とした。
する。ＭＤＦの基材表面に、前記実施例２に基づき設け
た木目柄の模様層上に、フローコーターにてウレタン系
樹脂（浜二ペイント製、Ｕコートサンジング、ＵＳＥ−
５０５，下塗り）を塗布（塗布量１０〜３０ｇ／尺2 ）
してエンボス形成層とした。塗布スピードは、４０ｍ／
ｍｉｎで行い、ロールエンボス機によりエンボス模様を
形成しエンボス化粧板を得た。また、このエンボス表面
にワイング機にてウレタン系インキでワイピング着色を
施した後サンディング処理を行い、この上にフローコー
ターにて、塗布スピード４０ｍ／ｍｉｎでウレタン系樹
脂（浜二ペイント製、Ｕコートマット、ＵＭＥ−５０
０，上塗り）を塗布（塗布量１０〜３０ｇ／尺2 ）し
て、ワイピングインキの保護層とした。
【００２３】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。すなわち、従来、合板を基材とし
たエンボス化粧板はあったが、ＭＤＦ等の木質系繊維板
においても、全面に均一にエンボスを形成することが可
能となり、基材及び表面が強化されたエンボス化粧板が
得られた。また、ＭＤＦ等の木質系繊維板の表面に模様
層を設け、この上にエンボス形成層としての合成樹脂層
を設けてエンボス模様を形成することで、高い表面物
性、意匠性を有するエンボス化粧板となる。さらに、こ
のエンボス表面に、ワイピングを施し、合成樹脂による
保護層を設けることで、一層の表面物性、意匠性を有す
るエンボス化粧板が得られる。
示す如き効果がある。すなわち、従来、合板を基材とし
たエンボス化粧板はあったが、ＭＤＦ等の木質系繊維板
においても、全面に均一にエンボスを形成することが可
能となり、基材及び表面が強化されたエンボス化粧板が
得られた。また、ＭＤＦ等の木質系繊維板の表面に模様
層を設け、この上にエンボス形成層としての合成樹脂層
を設けてエンボス模様を形成することで、高い表面物
性、意匠性を有するエンボス化粧板となる。さらに、こ
のエンボス表面に、ワイピングを施し、合成樹脂による
保護層を設けることで、一層の表面物性、意匠性を有す
るエンボス化粧板が得られる。
【００２４】そして、木質系繊維板は多くの品種の素材
を利用することができ、加工適性に優れ、様々な厚みと
形状を再現することができる利用価値の高い材料であ
る。この利用価値の高い木質系繊維板に安定してエンボ
ス加工を施すことが可能となったことは、今後の商品展
開を大きくし、商品価値を高め、さらなる用途の展開を
図ることが可能となる。
を利用することができ、加工適性に優れ、様々な厚みと
形状を再現することができる利用価値の高い材料であ
る。この利用価値の高い木質系繊維板に安定してエンボ
ス加工を施すことが可能となったことは、今後の商品展
開を大きくし、商品価値を高め、さらなる用途の展開を
図ることが可能となる。
【図１】本発明のエンボス化粧板の一実施例を示す説明
図である。
図である。
【図２】本発明のエンボス化粧板の他の実施例を示す説
明図である。
明図である。
【図３】本発明のエンボス化粧板の他の実施例を示す説
明図である。
明図である。
【図４】本発明に係わるロールエンボス機の側面からの
概略図である。
概略図である。
１０…エンボス化粧板 １１…エンボス模様 １２…基材 １３…模様層（化粧紙、印刷柄、転写柄） １４…エンボス形成層 １５…ワイピングインキ １６…保護層 ２０…ロールエンボス機 ２１…エンボスロール ２２…バックロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ３２Ｂ 21/08 Ｂ３２Ｂ 21/08 31/20 7148−4Ｆ 31/20 31/22 7148−4Ｆ 31/22 33/00 33/00 (72)発明者 林 大輔 東京都台東区台東１丁目５番１号 凸版印 刷株式会社内
Claims (8)
- 【請求項１】中密度繊維板等の木質系繊維板からなる基
材表面に、木目柄、抽象柄等のエンボス模様を設けたこ
とを特徴とするエンボス化粧板。 - 【請求項２】前記中密度繊維板等の木質系繊維板からな
る基材表面に、木目柄、抽象柄等の模様層を設け、この
表面に木目柄、抽象柄等のエンボス模様を設けたことを
特徴とするエンボス化粧板。 - 【請求項３】中密度繊維板等の木質系繊維板からなる基
材表面に、木目柄、抽象柄等の模様層を設け、この全面
に木目柄、抽象柄等のエンボス模様を設け、さらに合成
樹脂層による保護層を設けたことを特徴とするエンボス
化粧板。 - 【請求項４】前記模様層上に、合成樹脂によるエンボス
形成層を設け、この表面に木目柄、抽象柄等のエンボス
模様を設けた事を特徴とする請求項２及び請求項３に記
載のエンボス化粧板。 - 【請求項５】前記木目柄、抽象柄等の模様層が、ダイレ
クト印刷、転写による模様層又は印刷絵柄を有する化粧
紙からなることを特徴とする請求項２乃至請求項４に記
載のエンボス化粧板。 - 【請求項６】前記エンボス模様上に、ワイピング着色を
施したことを特徴とする請求項３及び請求項４に記載の
エンボス化粧板。 - 【請求項７】前記ワイピング着色されたエンボス模様上
に、合成樹脂による保護層を設けたことを特徴とする請
求項６に記載のエンボス化粧板。 - 【請求項８】中密度繊維板等の木質系繊維板からなる基
材表面に、ダイレクト印刷又は転写による模様層又は木
目柄、抽象柄等の印刷絵柄を有する化粧紙を貼着して模
様層を設け、この上にロールエンボス機により木目柄、
抽象柄等のエンボス模様を形成し、このエンボス模様上
にワイピング着色を施し、この表面をサンディング処理
した後に、合成樹脂による保護層を設けたことを特徴と
するエンボス化粧板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8007560A JPH08318506A (ja) | 1995-03-23 | 1996-01-19 | エンボス化粧板とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6399095 | 1995-03-23 | ||
| JP7-63990 | 1995-03-23 | ||
| JP8007560A JPH08318506A (ja) | 1995-03-23 | 1996-01-19 | エンボス化粧板とその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08318506A true JPH08318506A (ja) | 1996-12-03 |
Family
ID=26341880
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8007560A Pending JPH08318506A (ja) | 1995-03-23 | 1996-01-19 | エンボス化粧板とその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08318506A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1996
- 1996-01-19 JP JP8007560A patent/JPH08318506A/ja active Pending
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