JPH07111361A - 埋込型半導体レーザ素子及びその製造方法 - Google Patents

埋込型半導体レーザ素子及びその製造方法

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JPH07111361A
JPH07111361A JP25392393A JP25392393A JPH07111361A JP H07111361 A JPH07111361 A JP H07111361A JP 25392393 A JP25392393 A JP 25392393A JP 25392393 A JP25392393 A JP 25392393A JP H07111361 A JPH07111361 A JP H07111361A
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JP
Japan
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type
layer
homojunction
island region
semiconductor substrate
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Application number
JP25392393A
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English (en)
Inventor
Shigeo Yamashita
茂雄 山下
Yoshiaki Kato
佳秋 加藤
Shinji Sasaki
真二 佐々木
Ryokichi Yoda
亮吉 依田
Hidetaka Karita
秀孝 苅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リーク電流に起因するしきい電流値の変動を
低減し、埋込型半導体レーザ素子の信頼性を高める。 【構成】 n型半導体基板1の主面上に、n型クラッド
層2A、半導体活性層3A、p型クラッド層4Aの夫々
を順次積層した積層構造からなるストライプ状の突出状
島領域6が形成され、前記突出状島領域6の長手方向の
両側壁面に凸状若しくは凹状の段差部7が形成され、前
記突出状島領域6の長手方向の両側壁面側であって前記
n型半導体基板1の主面上に、n型再成長界面ホモ接合
化層8、p型電流ブロック層9、n型電流ブロック層1
0の夫々が順次埋め込まれ、前記突出状島領域6の段差
部7に、前記n型再成長界面ホモ接合化層8とp型電流
ブロック層9との間の再成長界面が固定され、かつ前記
n型電流ブロック層10上及びp型クラッド層4A上に
p型平坦化層12が形成された埋込型半導体レーザ素
子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、埋込型半導体レーザ素
子に関し、特に、短距離、中距離等の信号伝送に使用さ
れる埋込型半導体レーザ素子に適用して有効な技術に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】InP(インジウム・リン)からなるn型
半導体基板を主体にして構成されるInGaAsP(イ
ンジウム・ガリウム・ヒ素・リン)系埋込型半導体レー
ザ素子については、例えば、Applied Phisics Lette
rs,Vol.51,No.12,p.874〜876(19
87)に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】並列光伝送等では、し
きい電流値が低く、消費電力が小さく、高温での特性が
良好で、かつ高い信頼性を有する半導体レーザ素子が要
求される。
【0004】しかしながら、本発明者は前述のn型半導
体基板を主体にして構成されるInGaAsP系埋込型
半導体レーザ素子について以下の問題点を見出した。
【0005】前記埋込型半導体レーザ素子は、不連続成
長となるn型半導体基板及びn型クラッド層とp型電流
ブロック層との間の再成長界面がpn接合で形成されて
いる。不連続成長となる再成長界面には結晶欠陥が生じ
易く、しかも再成長界面がpn接合になっているとその
結晶欠陥を通してリーク電流が流れたり、結晶欠陥の増
殖が生じる。このため、しきい電流値が変動し、埋込型
半導体レーザ素子の信頼性が低下するという問題があっ
た。
【0006】本発明の目的は、リーク電流に起因するし
きい電流値の変動を低減し、埋込型半導体レーザ素子の
信頼性を高めることが可能な技術を提供することにあ
る。
【0007】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0009】(1)n型半導体基板の主面上に、このn
型半導体基板の主面側からn型クラッド層、半導体活性
層、p型クラッド層の夫々を順次積層した積層構造から
なるストライプ状の突出状島領域が形成され、前記突出
状島領域の長手方向の両側壁面に、前記半導体活性層の
側壁面とp型クラッド層の側壁面若しくはn型クラッド
層の側壁面とで形成される凸状若しくは凹状の段差部が
形成され、前記突出状島領域の長手方向の両側壁面側で
あって前記n型半導体基板の主面上に、このn型半導体
基板の主面側からn型再成長界面ホモ接合化層、p型電
流ブロック層、n型電流ブロック層の夫々が順次埋め込
まれ、前記突出状島領域の両側壁面に形成された凸状若
しくは凹状の段差部に、前記n型再成長界面ホモ接合化
層とp型電流ブロック層との間の再成長界面が固定さ
れ、かつ前記n型電流ブロック層上及びp型クラッド層
上にp型平坦化層が形成された埋込型半導体レーザ素
子。
【0010】(2)前記突出状島領域の長手方向の側壁
面側であって前記n型電流ブロック層とp型平坦化層と
の間にp型再成長界面ホモ接合化層が形成された埋込型
半導体レーザ素子。
【0011】(3)埋込型半導体レーザ素子の製造方法
において、(イ)n型半導体基板の主面上に、このp型半
導体基板の主面側からn型クラッド層、半導体活性層、
p型クラッド層の夫々を有機金属熱分解反応気相成長法
で順次積層する工程と、(ロ)前記p型クラッド層上にス
トライプ状のマスクを形成する工程と、(ハ)前記マスク
をエッチングマスクとして使用し、前記n型クラッド
層、半導体活性層、p型クラッド層の夫々に順次パター
ンニングを施してストライプ状の突出状島領域を形成す
る工程と、(ニ)前記マスクをエッチングマスクとして使
用し、前記突出状島領域のp型クラッド層、n型クラッ
ド層の夫々の側壁面若しくは半導体活性層の側壁面を選
択的に除去して、前記突出状島領域の長手方向の両側壁
面に凸状若しくは凹状の段差部を形成する工程と、(ホ)
前記マスクを選択成長用マスクとして使用し、前記突出
状島領域の長手方向の両側壁面側であって前記n型半導
体基板の主面上に、このn型半導体基板の主面側からn
型再成長界面ホモ接合化層、p型電流ブロック層、n型
電流ブロック層、p型再成長界面ホモ接合化層の夫々を
有機金属熱分解反応気相成長法で選択的に順次形成する
工程と、(ヘ)前記マスクを除去し、この後、前記p型再
成長界面ホモ接合化層上及びp型クラッド層上にp型ク
ラッド層を有機金属熱分解反応気相成長法で形成する工
程とを備える。
【0012】
【作用】上述した手段(1)によれば、n型半導体基板
及びn型クラッド層とn型再成長界面ホモ接合化層との
間の再成長界面がホモ接合(n−n接合)になるので、不
連続成長により生じる再成長界面での結晶欠陥を介して
流れるリーク電流を低減できると共に、再成長界面での
結晶欠陥の増殖を低減できる。この結果、リーク電流に
起因するしきい電流値の変動を低減できるので、埋込型
半導体装置の信頼性を高めることができる。
【0013】また、n型再成長界面ホモ接合化層とp型
電流ブロック層との間に生じる電子側障壁によって、n
型半導体基板からp型電流ブロック層に流れる電子電流
を阻止できるので、この電子電流に起因するしきい電流
値の変動を低減でき、埋込型半導体レーザ素子の信頼性
を高めることができる。
【0014】また、突出状島領域のn型クラッド層から
n型電流ブロック層を離隔できるので、n型クラッド層
からn型電流ブロック層を通って流れるリーク電流を低
減できる。この結果、リーク電流に起因するしきい電流
値の変動を低減できるので、埋込型半導体装置の信頼性
を高めることができる。
【0015】上述した手段(2)によれば、p型再成長
界面ホモ接合化層とp型平坦化層との間の再成長界面が
ホモ接合(p−p接合)になるので、不連続成長により生
じる再成長界面での結晶欠陥を介して流れるリーク電流
を低減できると共に、再成長界面での結晶欠陥の増殖を
低減できる。この結果、リーク電流に起因するしきい電
流値の変動を低減できるので、埋込型半導体装置の信頼
性を高めることができる。
【0016】また、n型電流ブロック層とp型再成長界
面ホモ接合化層との間に生じるホール障壁によって、p
型平坦化層からn型電流ブロック層に流れる正孔電流を
阻止できるので、この正孔電流に起因するしきい電流値
の変動を低減でき、埋込型半導体レーザ素子の信頼性を
高めることができる。
【0017】上述した手段(3)によれば、n型再成長
界面ホモ接合化層が突出状島領域に形成された段差部に
ピンニングされるので、n型再成長界面ホモ接合化層と
p型電流ブロック層との間の成長界面を突出状島領域の
段差部に固定できる。
【0018】また、p型電流ブロック層が突出状島領域
に形成された段差部にピンニングされるので、p型電流
ブロック層とn型電流ブロック層との間の成長界面を突
出状島領域の段差部に固定できる。
【0019】また、液相成長法に比べて大面積での製造
が容易で、かつ量生性に優れた有機金属熱分解反応気相
成長法で前記n型クラッド層、半導体活性層、p型クラ
ッド層、n型再成長界面ホモ接合化層、p型電流ブロッ
ク層、n型電流ブロック層、p型再成長界面ホモ接合化
層及びp型平坦化層等を形成したので、埋込型半導体レ
ーザ素子の歩留まりを高めることができると共に、製造
コストを低減できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の構成について、埋込型半導体
レーザ素子に本発明を適用した一実施例とともに説明す
る。
【0021】なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。
【0022】(実施例1)本発明の実施例1である埋込
型半導体レーザ素子の概略構成を図1(要部断面図)に
示す。
【0023】図1に示すように、埋込型半導体レーザ素
子は、例えばInP(インジウム・リン)からなるn型
半導体基板1を主体にして構成される。このn型半導体
基板1の主面上には、その主面から上方に向って突出し
た突出状島領域6が形成される。
【0024】前記突出状島領域6は、n型半導体基板1
の主面側からn型クラッド層(兼バッファ層)2A、半
導体活性層3A、p型クラッド層4Aの夫々を順次積層
した積層構造で構成される。この突出状島領域6は、n
型半導体基板1の主面上に形成された半導体層(n型ク
ラッド層2、半導体活性層3、p型クラッド層4)の非
活性領域をメサエッチング法で除去することにより形成
され、その平面形状がストライプ状に形成される。突出
状領域6は、この突出状島領域6の長手方向と直行する
端面からレーザ光を発振する。
【0025】前記n型クラッド層2Aは、例えば膜厚が
1.0〔μm〕程度に設定され、かつ不純物濃度が1×
1018〔atoms/cm3〕程度に設定されたInP膜で形成
される。前記半導体活性層3Aは、例えば膜厚が0.1
5〔μm〕程度に設定され、かつ組成波長が1.31
〔μm〕程度に設定されたInGaAsP(インジウム・
ガリウム・ヒ素・リン)膜で形成される。前記p型クラ
ッド層4Aは、例えば膜厚が0.4〜1.5〔μm〕程
度に設定され、かつ不純物濃度が8×1017〔atoms/c
m3〕程度に設定されたInP膜で形成される。
【0026】前記突出状島領域6の長手方向の両側壁面
には、p型クラッド層4Aの側壁面と半導体活性層3A
の側壁面とで形成される凸状の断差部7が形成される。
この凸状の断差部7は、製造工程において、p型クラッ
ド層4Aの側壁面及びn型クラッド層2Aの側壁面を選
択的に除去することにより形成される。
【0027】前記突出状島領域6の長手方向の両側壁面
側であってn型半導体基板1の主面上には、このn型半
導体基板1とホモ接合化されるn型再成長界面ホモ接合
化層8が埋め込まれている。このn型再成長界面ホモ接
合化層8は、n型半導体基板1の主面及びn型クラッド
層2Aの側壁面に沿って形成され、突出状島領域6の両
側壁面に形成された断差部7でピンニングされる。つま
り、n型再成長界面ホモ接合化層8はp型クラッド層4
Aの側壁面上には形成されない。n型再成長界面ホモ接
合化層8は、例えば平坦領域での膜厚が0.3〔μm〕
程度に設定され、かつ不純物濃度が1×1018〔atoms
/cm3〕程度に設定されたInP膜で形成される。この
ように、n型再成長界面ホモ接合化層8をn型半導体基
板1の主面及びn型クラッド層2Aの側壁面に沿って形
成することにより、n型半導体基板1及びn型クラッド
層2Aとn型再成長界面ホモ接合化層8との間の再成長
界面がホモ接合(n−n接合)になるので、不連続成長に
より生じる再成長界面での結晶欠陥を介して流れるリー
ク電流を低減できると共に、再成長界面での結晶欠陥の
増殖を低減できる。
【0028】前記突出状島領域6の長手方向の両側壁面
側であってn型再成長界面ホモ接合化層8の表面上には
p型電流ブロック層9が埋め込まれている。このp型電
流ブロック層9は、n型再成長界面ホモ接合化層8の表
面に沿って形成され、突出状島領域6の段差部7でピン
ニングされる。つまり、p型電流ブロック層9は、p型
クラッド層4Aの側壁面上には形成されない。p型電流
ブロック層9は、例えば平坦領域での膜厚が1.5〔μ
m〕程度に設定され、かつ不純物濃度が8×1017〔at
oms/cm3〕程度に設定されたInP膜で形成される。な
お、p型電流ブロック層9は、少数キャリアの拡散長よ
りも厚く形成するのが望ましい。
【0029】前記n型再成長界面ホモ接合化層8は、突
出状島領域6の両側壁面側であって、p型電流ブロック
層9とn型半導体基板1との間に埋め込まれている。こ
のように、突出状島領域6の両側壁面側であって、p型
電流ブロック層9とn型半導体基板1との間に、このn
型半導体基板1とホモ接合化されるn型再成長界面ホモ
接合化層8を埋め込むことにより、n型再成長界面ホモ
接合化層8とp型電流ブロック層9との間に生じる電子
側障壁によって、n型半導体基板1からp型電流ブロッ
ク層9に流れる電子電流を阻止できる。
【0030】前記n型再成長界面ホモ接合化層8とn型
電流ブロック層9との間の成長界面は、n型再成長界面
ホモ接合化層8が突出状島領域6の段差部7にピンニン
グされているので、この突出状島領域6のp型クラッド
層4Aの側壁面と半導体活性層3Aの側壁面とで形成さ
れる段差部7に固定される。
【0031】前記突出状島領域6の長手方向の両側壁面
であってp型電流ブロック層9の表面上にはn型電流ブ
ロック層10が埋め込まれている。n型電流ブロック層
10は、例えば平坦領域での膜厚が0.6〔μm〕程度
に設定され、かつ不純物濃度が1×1018〔atoms/c
m3〕程度に設定されたInP膜で形成される。なお、n
型電流ブロック層10は、少数キャリアの拡散長よりも
厚く形成するのが望ましい。
【0032】前記p型電流ブロック層9とn型電流ブロ
ック層10との間の成長界面は、n型電流ブロック層9
が突出状島領域6の段差部7にピンニングされているの
で、この突出状島領域6のp型クラッド層4Aの側壁面
と半導体活性層3Aの側壁面とで形成される段差部7に
固定される。このように、p型クラッド層4Aの側壁面
と半導体活性層3Aの側壁面とで形成される凸状の断差
部7に、p型電流ブロック層9とn型電流ブロック層1
0との間の成長界面を固定することにより、突出状島領
域6のn型クラッド層2Aからn型電流ブロック層10
を離隔できるので、n型クラッド層2Aからn型電流ブ
ロック層10を通って流れるリーク電流を低減できる。
また、突出状島領域6のp型電流ブロック層4Aからp
型電流ブロック層を離隔できるので、p型電流ブロック
層4Aからp型電流ブロック層9を通って流れるリーク
電流を低減できる。
【0033】前記突出状島領域6の長手方向の両側壁面
であってn型電流ブロック層10の表面上にはp型再成
長界面ホモ接合化層11が形成される。このp型再成長
界面ホモ接合化層11は、例えば膜厚が0.2〔μm〕
程度に設定され、かつ不純物濃度が2×1018〔atoms
/cm3〕程度に設定されたInP膜で形成される。
【0034】前記p型再成長界面ホモ接合化層11の表
面上及びp型クラッド層4Aの表面上にはp型平坦化層
12が形成される。このp型平坦化層12は、例えば膜
厚が1.5〔μm〕程度に設定され、かつ不純物濃度が
1×1018〔atoms/cm3〕程度に設定されたInP膜で
形成される。
【0035】前記p型再成長界面ホモ接合化層11は、
突出状島領域6の両側壁面側であって、n型電流ブロッ
ク層10とp型平坦化層12との間に埋め込まれてい
る。このように、n型電流ブロック層10とp型平坦化
層12との間に、このp型平坦化層12とホモ接合化さ
れるp型再成長界面ホモ接合化層11を埋め込むことに
より、p型再成長界面ホモ接合化層11とp型平坦化層
12との間の再成長界面がホモ接合(p−p接合)になる
ので、不連続成長により生じる再成長界面での結晶欠陥
を介して流れるリーク電流を低減できると共に、再成長
界面での結晶欠陥の増殖を低減できる。また、n型電流
ブロック層11とp型再成長界面ホモ接合化層11との
間に生じるホール障壁によって、p型平坦化層12から
n型電流ブロック層10に流れるホール電流を阻止でき
る。
【0036】前記p型平坦化層12の表面上にはp型コ
ンタクト層13が形成される。このn型コンタクト層1
3は、例えば膜厚が0.3〔μm〕程度に設定され、組
成波長が1.31〔μm〕程度に設定され、かつ不純物
濃度が8×1018〔atoms/cm3〕程度に設定されたIn
GaAsP膜で形成される。
【0037】前記n型コンタクト層12の表面上にはp
側電極14が形成され、前記p型半導体基板1の主面と
対向するその裏面上にはn側電極15が形成される。
【0038】このように構成される埋込型半導体レーザ
素子は、波長1.3〔μm〕、閾電流値10〔mA〕以
下でレーザ光を発振し、120〔℃〕の温度において光
出力10〔mW〕を得ることができる。
【0039】次に、前記埋込型半導体レーザ素子の製造
方法について、図2乃至図6(各製造工程毎に示す要部
断面図)を用いて簡単に説明する。
【0040】まず、InPからなるn型半導体基板1を
用意する。
【0041】次に、前記n型半導体基板1の主面上にn
型クラッド層2、半導体活性層3、p型クラッド層4の
夫々を有機金属熱分解反応気相成長法(MOCVD法:
etal-rganic hemical apor eposition)で順
次積層する。
【0042】次に、図2に示すように、前記p型クラッ
ド層4の突出状島領域の形成領域上にマスク5を形成す
る。このマスク5は、例えば酸化珪素膜又は窒化珪素膜
で形成され、その平面形状がストライプ形状で形成され
る。
【0043】次に、前記マスク5をエッチングマスクと
して使用し、前記p型クラッド層4、半導体活性層3、
n型クラッド層2の夫々に順次パターンニングを施し
て、図3に示すように、n型半導体基板1の主面から上
方に向って突出し、その平面形状がストライプ状に形成
された突出状島領域6を形成する。このパターンニング
においては、例えば結晶面依存性をもたない非選択性エ
ッチングで行う。この工程により、n型半導体基板1の
主面上に、このn型半導体基板1の主面側からn型クラ
ッド層2A、半導体活性層3A、p型クラッド層4Aの
夫々を順次積層した積層構造からなるストライプ状の突
出状島領域6が形成される。
【0044】次に、前記マスク5をエッチングマスクと
して使用し、前記突出状島領域6のp型クラッド層4A
の側壁面及びn型クラッド層2Aの側壁面を選択的に除
去して、図4に示すように、突出状島領域6の長手方向
の両側壁面に凸状の段差部7を形成する。この凸状の段
差部7の形成においては、例えば塩素系の選択性エッチ
ングで行う。
【0045】次に、前記マスク5を選択成長用マスクと
して使用し、前記突出状島領域6の長手方向の両側壁面
側であって前記n型半導体基板1の主面上に、このn型
半導体基板1とホモ接合化されるn型再成長界面ホモ接
合化層8をMOCVD法で選択的に形成する。このn型
再成長ホモ接合化層8は、n型半導体基板1の主面及び
n型クラッド層2Aの側壁面に沿って形成され、突出状
島領域6に形成された凸状の段差部7でピンニングされ
る。つまり、p型クラッド層4Aの側壁面上にはn型再
成長ホモ接合化層8が成長しない。
【0046】次に、前記マスク5を選択成長用マスクと
して使用し、図5に示すように、前記突出状島領域6の
長手方向の両側壁面側であって前記n型再成長ホモ接合
化層8の表面上にp型電流ブロック層9をMOCVD法
で選択的に形成する。このp型電流ブロック層9はn型
再成長ホモ接合化層8の表面に沿って形成され、突出状
島領域6に形成された凸状の段差部7でピンニングされ
る。つまり、p型クラッド層4Aの側壁面上にはn型電
流ブロック層9が成長しない。この工程において、n型
再成長ホモ接合化層8が既に突出状島領域6の段差部7
にピンニングされているので、n型再成長ホモ接合化層
8とp型電流ブロック層9との間の再成長界面は突出状
島領域6の段差部7に固定される。
【0047】次に、前記マスク5を選択成長用マスクと
して使用し、前記突出状島領域6の両側壁面側であって
前記p型電流ブロック層9の表面上にn型電流ブロック
層10をMOCVD法で選択的に形成する。この工程に
おいて、p型電流ブロック層9が既に突出状島領域6の
段差部7にピンニングされているので、p型電流ブロッ
ク層9とn型電流ブロック層10との間の成長界面は突
出状島領域6の段差部7に固定される。
【0048】次に、前記マスク5を選択成長用マスクと
して使用し、図6に示すように、前記突出状島領域6の
両側壁面側であって前記n型電流ブロック層10の表面
上にp型再成長界面ホモ接合化層11をMOCVD法で
選択的に形成する。
【0049】次に、前記マスク5を除去する。
【0050】次に、前記p型再成長界面ホモ接合化層1
1の表面上及びp型クラッド層4Aの表面上にp型平坦
化層12をMOCVD法で形成する。この工程により、
p型再成長界面ホモ接合化層11はp型平坦化層12と
ホモ接合化される。
【0051】次に、前記p型平坦化層12の表面上にp
型コンタクト層13をMOCVD法で形成する。この
後、前記p型コンタクト層13の表面上にp側電極1
4、前記n型半導体基板1の主面と対向するその裏面上
にn側電極15の夫々を形成することにより、図1に示
す埋込型半導体レーザ素子がほぼ完成する。
【0052】このように、本実施例の埋込型半導体レー
ザ素子によれば、以下の作用効果が得られる。
【0053】n型半導体基板1及びn型クラッド層2A
とn型再成長界面ホモ接合化層8との間の再成長界面が
ホモ接合(n−n接合)になるので、不連続成長により生
じる再成長界面での結晶欠陥を介して流れるリーク電流
を低減できると共に、再成長界面での結晶欠陥の増殖を
低減できる。この結果、リーク電流に起因するしきい電
流値の変動を低減できるので、埋込型半導体装置の信頼
性を高めることができる。
【0054】また、n型再成長界面ホモ接合化層8とp
型電流ブロック層9との間に生じる電子側障壁によっ
て、n型半導体基板からp型電流ブロック層に流れる電
子電流を阻止できるので、この電子電流に起因するしき
い電流値の変動を低減でき、埋込型半導体レーザ素子の
信頼性を高めることができる。
【0055】また、突出状島領域6のn型クラッド層2
Aからn型電流ブロック層10を離隔できるので、n型
クラッド層2Aからn型電流ブロック層10を通って流
れるリーク電流を低減できる。この結果、リーク電流に
起因するしきい電流値の変動を低減できるので、埋込型
半導体装置の信頼性を高めることができる。
【0056】また、突出状島領域6のp型クラッド層4
Aからp型電流ブロック層10を離隔できるので、p型
クラッド層4Aからp型電流ブロック層10を通って流
れるリーク電流を低減できる。この結果、リーク電流に
起因するしきい電流値の変動を低減できるので、埋込型
半導体装置の信頼性を高めることができる。
【0057】また、p型再成長界面ホモ接合化層11と
p型平坦化層12との間の再成長界面がホモ接合(p−
p接合)になるので、不連続成長により生じる再成長界
面での結晶欠陥を介して流れるリーク電流を低減できる
と共に、再成長界面での結晶欠陥の増殖を低減できる。
この結果、リーク電流に起因するしきい電流値の変動を
低減できるので、埋込型半導体装置の信頼性を高めるこ
とができる。
【0058】また、n型電流ブロック層10とp型再成
長界面ホモ接合化層11との間に生じるホール障壁によ
って、p型平坦化層12からn型電流ブロック層10に
流れるホール電流を阻止できるので、このホール電流に
起因するしきい電流値の変動を低減でき、埋込型半導体
レーザ素子の信頼性を高めることができる。
【0059】また、n型再成長界面ホモ接合化層8が突
出状島領域6に形成された段差部7にピンニングされる
ので、n型再成長界面ホモ接合化層8とp型電流ブロッ
ク層9との間の成長界面を突出状島領域6の段差部7に
固定できる。
【0060】また、p型電流ブロック層9が突出状島領
域6に形成された段差部7にピンニングされるので、p
型電流ブロック層9とn型電流ブロック層10との間の
成長界面を突出状島領域6の段差部7に固定できる。
【0061】また、液相成長法に比べて大面積での製造
が容易で、かつ量生性に優れた有機金属熱分解反応気相
成長法で前記n型クラッド層2A、半導体活性層3A、
p型クラッド層4A、n型再成長界面ホモ接合化層8、
p型電流ブロック層9、n型電流ブロック層10、p型
再成長界面ホモ接合化層11及びp型平坦化層12等を
形成したので、埋込型半導体レーザ素子の歩留まりを高
めることができると共に、製造コストを低減できる。
【0062】(実施例2)本発明の実施例2である埋込
型半導体レーザ素子の概略構成を図7(要部断面図)に
示す。
【0063】図7に示すように、本実施例の埋込型半導
体レーザ素子は、前述の実施例1と同様に、n型半導体
基板1の主面上にストライプ状の突出状島領域6が形成
され、この突出状島領域6の長手方向の両側壁面側であ
って前記n型半導体基板1の主面上にn型再成長界面ホ
モ接合化層8、p型電流ブロック層9、n型電流ブロッ
ク層10の夫々が順次埋め込まれた構造で構成される。
【0064】前記n型再成長界面ホモ接合化層8とp型
電流ブロック層9との間の成長界面は、突出状島領域6
の長手方向の両側壁面に形成された凸状の段差部7に固
定される。また、p型電流ブロック層9とn型電流ブロ
ック層10との間の成長界面はp型クラッド層4Aの上
面に固定される。つまり、本実施例の埋込型半導体レー
ザ素子は、p型クラッド層4Aとp型電流ブロック層9
とが接続された構造で構成されているが、正孔の移動度
は電子の移動度に比べて1/20倍程度なので、リーク
電流の発生は小さい。
【0065】このように構成される埋込型半導体レーザ
素子は、前述の実施例1と同様の効果が得られる。
【0066】(実施例3)本発明の実施例3である埋込
型半導体レーザ素子の概略構成を図8(要部断面図)に
示す。
【0067】図8に示すように、本実施例の埋込型半導
体レーザ素子は、前述の実施例2と同様に、n型半導体
基板1の主面上にストライプ状の突出状島領域6が形成
され、この突出状島領域6の長手方向の両側壁面側であ
って前記n型半導体基板1の主面上にn型再成長界面ホ
モ接合化層8、p型電流ブロック層9、n型電流ブロッ
ク層10の夫々が順次埋め込まれた構造で構成される。
【0068】前記突出状島領域6の長手方向の両側壁面
には、n型クラッド層2Aの側壁面と半導体活性層3A
の側壁面とで形成される凹状の断差部7が形成される。
この凹状の断差部7は、製造工程において、活性層3A
の側壁面を選択的に除去することにより形成される。
【0069】前記n型再成長界面ホモ接合化層8とp型
電流ブロック層9との間の成長界面は、突出状島領域6
の長手方向の両側壁面に形成された凹状の段差部7に固
定される。また、p型クラッド層9とn型クラッド層1
0との間の成長界面はp型クラッド層4Aの上面に固定
される。
【0070】このように構成される埋込型半導体レーザ
素子は、前述の実施例2と同様の作用効果が得られる。
【0071】なお、前記突出状島領域6の両側壁面に変
曲部を設け、この突出状島領域6の両側壁面に、n型再
成長界面ホモ接合化層8とp型電流ブロック層9との間
の成長界面及びp型電流ブロック層9とn型電流ブロッ
ク層10との間の成長界面を固定してもよい。
【0072】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0073】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0074】リーク電流に起因するしきい値電流の変動
を低減でき、埋込型半導体レーザ素子の信頼性を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1である埋込型半導体レーザ
素子の概略構成を示す要部断面図。
【図2】 前記埋込型半導体レーザ素子の製造方法を説
明する第1工程での要部断面図。
【図3】 第2工程での要部断面図。
【図4】 第3工程での要部断面図。
【図5】 第4工程での要部断面図。
【図6】 第5工程での要部断面図。
【図7】 本発明の実施例2である埋込型半導体レーザ
素子の概略構成を示す要部断面図。
【図8】 本発明の実施例3である埋込型半導体レーザ
素子の概略構成を示す要部断面図。
【符号の説明】
1…n型半導体基板、2A…n型クラッド層、3A…半
導体活性層、4A…p型クラッド層、5…マスク、6…
突出状島領域、7…段差部、8…n型再成長界面ホモ接
合化層、9…p型電流ブロック層、10…n型電流ブロ
ック層、11…p型再成長界面ホモ接合化層、12…p
型平坦化層、13…p型コンタクト層、14…p側電
極、15…n側電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 依田 亮吉 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 苅田 秀孝 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型半導体基板の主面上に、このn型半
    導体基板の主面側からn型クラッド層、半導体活性層、
    p型クラッド層の夫々を順次積層した積層構造からなる
    ストライプ状の突出状島領域が形成され、前記突出状島
    領域の長手方向の両側壁面に、前記半導体活性層の側壁
    面とp型クラッド層の側壁面若しくはn型クラッド層の
    側壁面とで形成される凸状若しくは凹状の段差部が形成
    され、前記突出状島領域の長手方向の両側壁面側であっ
    て前記n型半導体基板の主面上に、このn型半導体基板
    の主面側からn型再成長界面ホモ接合化層、p型電流ブ
    ロック層、n型電流ブロック層の夫々が順次埋め込ま
    れ、前記突出状島領域の両側壁面に形成された凸状若し
    くは凹状の段差部に、前記n型再成長界面ホモ接合化層
    とp型電流ブロック層との間の再成長界面が固定され、
    かつ前記n型電流ブロック層上及びp型クラッド層上に
    p型平坦化層が形成されていることを特徴とする埋込型
    半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記突出状島領域の長手方向の側壁面側
    であって前記n型電流ブロック層とp型平坦化層との間
    にp型再成長界面ホモ接合化層が形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の埋込型半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 下記の工程(イ)乃至(ヘ)を備えたこ
    とを特徴とする埋込型半導体レーザ素子の製造方法。
    (イ)n型半導体基板の主面上に、このp型半導体基板
    の主面側からn型クラッド層、半導体活性層、p型クラ
    ッド層の夫々を有機金属熱分解反応気相成長法で順次積
    層する工程、(ロ)前記p型クラッド層上にストライプ
    状のマスクを形成する工程、(ハ)前記マスクをエッチ
    ングマスクとして使用し、前記n型クラッド層、半導体
    活性層、p型クラッド層の夫々に順次パターンニングを
    施してストライプ状の突出状島領域を形成する工程、
    (ニ)前記マスクをエッチングマスクとして使用し、前
    記突出状島領域のp型クラッド層、n型クラッド層の夫
    々の側壁面若しくは半導体活性層の側壁面を選択的に除
    去して、前記突出状島領域の長手方向の両側壁面に凸状
    若しくは凹状の段差部を形成する工程、(ホ)前記マス
    クを選択成長用マスクとして使用し、前記突出状島領域
    の長手方向の両側壁面側であって前記n型半導体基板の
    主面上に、このn型半導体基板の主面側からn型再成長
    界面ホモ接合化層、p型電流ブロック層、n型電流ブロ
    ック層、p型再成長界面ホモ接合化層の夫々を有機金属
    熱分解反応気相成長法で選択的に順次形成する工程、
    (ヘ)前記マスクを除去し、この後、前記p型再成長界
    面ホモ接合化層上及びp型クラッド層上にp型クラッド
    層を有機金属熱分解反応気相成長法で形成する工程。
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