JPH07109746B2 - 回路遮断器の開閉機構 - Google Patents

回路遮断器の開閉機構

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JPH07109746B2
JPH07109746B2 JP64000966A JP96689A JPH07109746B2 JP H07109746 B2 JPH07109746 B2 JP H07109746B2 JP 64000966 A JP64000966 A JP 64000966A JP 96689 A JP96689 A JP 96689A JP H07109746 B2 JPH07109746 B2 JP H07109746B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、配線用遮断器などの小型の回路遮断器の開
閉機構に関する。
【従来の技術】
回路遮断器の開閉機構として、引外し機構で係止された
ラッチと可動接触子を保持したホルダとの間に設けたト
グルリンクに対して、投入時に蓄勢させた開閉スプリン
グのばね力を作用させておき、トリップ時に引外し機構
による係止を解いてラッチを回動させることにより前記
ばね力のトグルリンクに対する死点越えを生じさせ、可
動接触子を急速に開離させるものが知られている(例え
ば、特開昭57−98945号公報参照)。
【発明が解決しようとする課題】
この種の開閉機構においては、トグルリンクに対する開
閉スプリングのばね力の死点越えを境にして可動接触子
の開離が始まるため、トリップ時間を短縮して遮断性能
を向上させるためには、引外し機構の動作後、速やかに
前記死点越えを発生させることが肝要である。 この発明は、上記死点越えが発生するタイミングを早め
てトリップ時間を短縮し、遮断性能の向上を図った回路
遮断器の開閉機構を提供することを目的とするものであ
る。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、常時は引外し
機構に係止されて回動を阻止されたラッチと、可動接触
子を保持する回動可能なホルダと、前記ラッチに連結さ
れた上部リンクと前記ホルダに連結された下部リンクと
からなるトグルリンクと、操作ハンドルを備えた揺動可
能なハンドルレバーと、前記上部リンクと前記下部リン
クとを連結するトグル軸と前記ハンドルレバーの頭部と
の間に取り付けられた開閉スプリングとからなり、トリ
ップ時に前記ラッチが係止を解かれて回動すると、この
ラッチの回動に伴って前記上部リンクが前記開閉スプリ
ングに向かって移動することにより前記トグルリンクに
対する前記開閉スプリングのばね力の死点越えが生じ、
前記可動接触子が開離する回路遮断器の開閉機構におい
て、トリップ時に開閉スプリングに向かって移動する上
部リンクの前方にストッパを設けるとともに、前記上部
リンクにこのストッパに衝突させるための突当部を設
け、トリップ時における前記上部リンクの移動の途中に
おいて、トグルリンクに対する前記開閉スプリングのば
ね力の死点越えの手前で、前記突当部を前記ストッパに
一点で衝突させるものである。
【作 用】
トリップ時のラッチの回動に伴って移動する上部リンク
の突当部をその移動の途中において、トグルリンクに対
する開閉スプリングのばね力の死点越えの手前でストッ
パに一点で衝突させることにより、上部リンクに衝突点
を支点とする回転運動が生じ、その結果として開閉スプ
リングのばね力の作用線がトグルリンクに対する死点を
通過するタイミングが早まり、トリップ時間が短縮され
る。
【実施例】
以下、図に基づいてこの発明の実施例を説明する。 第1図はこの発明の実施例の開閉機構を備えた回路遮断
器(3極配線用遮断器)の投入状態の縦断面図で、通電
部分の構成部品は中央極部分のものが示されている。第
1図において、1はモールド樹脂からなるケース、2は
同じくカバーで、ケース1には、電源側端子と一体の固
定接触子3、これと接離する可動接触子4、一端が可動
接触子4に接続されたリード線5、リード線5の他端に
引外しコイル6aの一端が接続された過電流引外し装置
6、引外しコイル6aの他端に接続された負荷側端子7が
納められ、これらによって通電経路が構成されている。
8はグリッド8aを有する消弧室である。 可動接触子4はホルダ9に図示しない軸を介して保持さ
れ、図示しない接触スプリングにより固定接触子3に対
して付勢されている。ホルダ9はモールド樹脂成形品
で、図示中央極部分とその両側に位置する左右極部分と
を連結する開閉軸10と共に一体に形成され、開閉軸10を
介してケース1に回動可能に支持されている。 11は鉄板からなるフレームで、可動接触子4を挟んで直
立する2枚の側板11aを有し、その下部で図示しないね
じによりケース1に固定されている。このフレーム11に
は、以下に述べる通り開閉機構及び引外し機構の構成部
品が取り付けられている。 まず、12はラッチで、ラッチ軸13で側板11aに回動可能
に支持されている。ラッチ12は左右に腕12a及び12bを有
する二股状(図の上で腕12aは腕12bの手前にあり、本来
は図示断面図では現れないので2点鎖線で示してあ
る。)で、常時は腕12aの先端でラッチ受け14に係止さ
れるようになっている。 ラッチ受け14は軸15で側板11aに回動可能に支持され、
図示しないがその先端に図の紙面に垂直に形成されたL
形部でラッチ12の腕12aの先端を係止している。後述す
るように、ラッチ受け14はラッチ12から図の時計方向の
回転力を受けるが、これによるラッチ受け14の回動は、
ラッチ受け14と共に引外し機構を構成する爪16により阻
止されている。すなわち、爪16は軸17で側板11aに回動
可能に支持され、受部16aがラッチ受け14の先端14aを背
後から受け止めている。なお、ラッチ受け14から爪16に
作用する力は、軸17の中心を通るように設定されている
ため、爪16に装着された図示しない捩じりばねによる図
の反時計方向の僅かな力により、爪16は図示位置に保持
されている。また、爪16は図の下方に伸びる腕16bに左
右極に延びるクロスバー18を保持している。このクロス
バー18は過電流引外し装置6のアーマチュア6bの操作端
と対向している。 ラッチ12とホルダ9との間にはトグルリンク19が設けら
れている。このトグルリング19は、ラッチ12に一体形成
された半円上の軸片20でラッチ12に連結された上部リン
ク21と、軸22でホルダ9に連結された下部リンク23とか
らなり、上部リンク21と下部リンク23とは軸24で互いに
連結されている。 上部リンク21は、第2図に示すようにU曲部21aで互い
に連結された左右の腕を持つ二股状で、その前面に後述
する役割をする山形の突当部21bが一体に形成されてい
る。この上部リンク21は、二股状のラッチ12の内側に納
められ、やはり二股状の下部リンク23は上部リンク21の
外側に被さっている。なお、第1図の投入状態におい
て、上部リンク21のU曲部21aはその背面がラッチ12を
支持する軸13の両端に当接し、トグルリンク19の左方向
への屈曲が押さえられている。 25は頭部がU曲部25aとなった二股状のハンドルレバー
で、両腕先端の半円状の凹部が側板に外側に向けて一体
形成された半円状の軸片26に嵌め込まれて図の左右方向
に揺動できるように支持されている。ハンドルレバー25
の頭部には操作ハンドル27が装着されている。操作ハン
ドル27は、つまみ27aが突出する窓2aの範囲内でカバー
2に案内されて図の左右方向に移動し、回路遮断器を投
入、遮断動作させる。28はハンドルレバー25の頭部とト
グル軸24との間に取り付けられた開閉スプリングであ
る。すなわち、開閉スプリング28は上部リンク21の両腕
の間に納められ、引き伸ばした状態で両端がそれぞれハ
ンドルレバー25のU曲部25a及びトグル軸24にそれぞれ
引掛けられている。 このような構成において、図示投入状態ではトグル軸24
に働く開閉スプリング28のばね力Fは、上部リンク21を
軸片20の回りに図の時計方向に回転させるように作用
し、下部リンク23を介して可動接触子4を固定接触子3
に押圧している。一方、ラッチ12はばね力Fにより、軸
片20を介して、軸13の回りに図の反時計方向の回転力を
受けている。このラッチ12はラッチ受け14に軸15の回り
に図の時計方向の回転力を与えるが、ラッチ受け14の回
動は爪16で阻止されている。 さて、このような状態で、操作ハンドル27を図示投入位
置から窓2aの右端に向かって遮断操作し、ハンドルレバ
ー25を図の時計方向に旋回させると、開閉スプリング28
のばね力Fの作用線Aが軸片20とトグル軸24の各中心を
結ぶ直線Bと重なった点(死点)を通過した瞬間にばね
力Fの上部リンク21に対する回転力の向きが反時計方向
に反転し、可動接触子4は下部リンク23を介して引き上
げられて急速に固定接触子3から開離する。 ばね力Fの死点越えによる可動接触子4の開離は、回路
遮断器に短絡電流などの過電流が流れ、過電流引外し装
置6が動作した場合(トリップ時)にも生じる。すなわ
ち、過電流引外し装置6が動作するとアーマチュア6bが
吸引され、このアーマチュア6bはクロスバー18を叩いて
爪16を時計方向に回動させる。その結果、爪16とラッチ
受け14の係合が外れてラッチ受け14が時計方向に回動
し、ラッチ12の係止が解かれる。係止を解かれたラッチ
12は、上部リンク21を介して働くばね力Fの作用により
反時計方向に回動し、上記直線Bが作用線Aを図の右か
ら左に通過して上記死点越えが生じる。それでは、その
ときの動作について、第3図〜第5図に基づいて説明す
る。 第3図〜第4図は第1図における開閉機構及び引外し機
構部分を取り出して示した拡大図で、第3図はトリップ
の瞬間、第4図はトリップの途中(死点越えの瞬間)、
また第5図はトリップが完了した瞬間をそれぞれ示して
いる。 第3図はクロスバー18がアーマチュア6bで叩かれ、爪16
が時計方向に回動した瞬間を示している。この瞬間にラ
ッチ12は軸13を中心として反時計方向に回動を開始し、
軸片20の中心は矢印Pで示す円弧上を移動する。また、
上部リンク21と下部リンク23とを連結するトグル軸24は
矢印Qで示す曲線上を移動する(2点鎖線で示したトグ
ル軸24は第4図及び第5図の状態における位置を示
す。)。これに伴い、両端が軸片20及びトグル軸24にそ
れぞれ結合された上部リンク21もその両端が矢印P,Qを
辿るように開閉スプリングに向かって移動を開始する。
ところで、移動する上部リンク21の前方には、ストッパ
29が設けられている。このストッパ29は、フレーム11の
側板11aの上部を内側に折り曲げて形成し、その前縁
(上部リンク21側)を円弧状に丸めたもので、上部リン
ク21の突当部21bが移動の途中で一点で衝突するような
っている。なお、ストッパ29は、トリップ完了時点でラ
ッチ12の回動を止めるストッパを兼ねている。 第4図は上部リンク21が突当部21bでストッパ29に衝突
した後、ばね力Fがトグルリンク19に対する死点を越え
る瞬間(軸片20とトグル軸24のそれぞれ中心を結ぶ直線
Bとばね力Fの作用線Aとが重なった瞬間)を示してい
る。この死点越えのタイミングは、次に述べる理由によ
りストッパ29と上部リンク21との衝突がない従来の開閉
機構に比べて早くなっている。 第3図で述べた通り、上部リンク21はトリップ時に、両
端が矢印P,Qを辿るように移動するが、その結果として
上部リンク21、換言すれば軸片20とトグル軸24とを結ぶ
直線Bは全体として反時計方向の旋回運動を行う。一
方、ばね力Fの作用線Aは、上端が固定で下端が矢印Q
上を辿る反時計方向の緩やかな旋回運動を行う。上部リ
ンク21がストッパ29に衝突しない従来構成の場合でも、
2つの上記旋回の過程でいずれ直線Bが作用線Aに追い
ついて死点を迎えるのであるが、第4図に示すように、
その手前で上部リンク21がストッパ29に衝突すると、そ
の瞬間に上部リンク21は衝突点Cを支点として反時計方
向に回動させられる。この回動の腕の長さはlで、上部
リンク21の腕の長さに比べて小さいため、矢印P(第3
図)上における軸片20の変位に対する上部リンク21の回
動角の割合が大きくなり、従来構成であれば未だ死点に
達する前に、直線Bは作用線Aに一気に追いついて死点
を迎えることになる。また、上部リンク21の急激な回動
により、死点通過時の可動接触子4の開離のための回動
角も大きくなる。 第6図は、上部リンク40に突当部を設けず、ストッパ41
は単にラッチ12を止めるものとして、上部リンク40をス
トッパ41に衝突させない従来構成について、トリップ時
に死点を迎えた状態を示すものである。第6図と第4図
とを比較すると、第4図における方がトリップ動作開始
後にラッチ12の小さい回動角で死点を迎えており、また
その時点での可動接触子4の回動角が大きいことがわか
る。 第5図は、第4図に示す死点通過を迎えた後、トグルリ
ンク19の反転により可動接触子4が急速に開離し、トリ
ップを完了した瞬間を示している。この段階では、突当
部21bはストッパ28から離れ、ラッチ11がストッパ29に
接している。 以上の通り、図示実施例の構成によれば、トリップ時の
トグルリンク19に対するばね力Fの死点越えのタイミン
グが早まり、その分、トグルリンク19の反転開始が早ま
って可動接触子4の開離時間が短縮される。また、ラッ
チ12の従来より小さい回動角でトリップが実行されるた
め、ラッチ12の回動角範囲、及びこれをリセットさせる
ためのハンドルレバー25の回動角範囲も小さくなり、そ
の分、周辺の部品をラッチ12やハンドルレバー25に近づ
けて配置できるので、回路遮断器をコンパクトに構成す
ることができる。
【発明の効果】
この発明によれば、トリップ時にトグルリンクに対する
開閉スプリングのばね力の死点越えの手前で上部リンク
の突当部をストッパに一点で衝突させることにより、ラ
ッチの小さい回動角でトグルリンクを反転させることが
できる。その結果、可動接触子の開離時間が短縮されて
回路遮断器の遮断性能が向上し、また回路遮断器のコン
パクトな構成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例の開閉機構を備えた回路遮断
器の縦断面図、第2図(A)は第1図における上部リン
クの拡大正面図、第2図(B)は同じく拡大側面図、第
2図(C)は同じく拡大平面図、第3図は第1図の開閉
機構部分のトリップ開始の瞬間の拡大図、第4図は同じ
く死点越えの瞬間の拡大図、第5図は同じくトリップ完
了の瞬間の拡大図、第6図は従来例における第4図に相
当する図である。 4……可動接触子、9……ホルダ、12……ラッチ、19…
…トグルリンク、21……上部リンク、21b……突当部、2
3……下部リンク、24……トグル軸、25……ハンドルレ
バー、27……操作ハンドル、28……開閉スプリング、29
……ストッパ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常時は引外し機構に係止されて回動を阻止
    されたラッチと、可動接触子を保持する回動可能なホル
    ダと、前記ラッチに連結された上部リンクと前記ホルダ
    に連結された下部リンクとからなるトグルリンクと、操
    作ハンドルを備えた揺動可能なハンドルレバーと、前記
    上部リンクと前記下部リンクとを連結するトグル軸と前
    記ハンドルレバーの頭部との間に取り付けられた開閉ス
    プリングとからなり、トリップ時に前記ラッチが係止を
    解かれて回動すると、このラッチの回動に伴って前記上
    部リンクが前記開閉スプリングに向かって移動すること
    により前記トグルリンクに対する前記開閉スプリングの
    ばね力の死点越えが生じ、前記可動接触子が開離する回
    路遮断器の開閉機構において、トリップ時に開閉スプリ
    ングに向かって移動する上部リンクの前方にストッパを
    設けるとともに、前記上部リンクにこのストッパに衝突
    させるための突当部を設け、トリップ時における前記上
    部リンクの移動の途中において、トグルリンクに対する
    前記開閉スプリングのばね力の死点越えの手前で、前記
    突当部を前記ストッパに一点で衝突させるようにしたこ
    とを特徴とする回路遮断器の開閉機構。
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