JPH07109238B2 - スピン防止差動装置 - Google Patents

スピン防止差動装置

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JPH07109238B2
JPH07109238B2 JP61033832A JP3383286A JPH07109238B2 JP H07109238 B2 JPH07109238 B2 JP H07109238B2 JP 61033832 A JP61033832 A JP 61033832A JP 3383286 A JP3383286 A JP 3383286A JP H07109238 B2 JPH07109238 B2 JP H07109238B2
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clutch
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cage
wear
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瑞夫 石田
清 福島
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Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
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Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はスピン防止差動装置に関する。
[従来の技術] 一般にノースピンディファレンシャル装置は実公昭48−
44346号公報に紹介されており、例えばエンジン等によ
り伝達される回転駆動力を、左右の主力軸に振り分けて
それらに連結されるホィール等に伝達する。また、それ
らホィールの旋回時には左右の出力軸の負荷に応じて回
転数差を保持させながら回転トルク伝達を行なわせるも
ので、具体的には、エンジン等の駆動力を、これに連結
されたプロペラシャフト及びユニバーサルジョイント等
を介してその回転方向を90゜変えるためのドライブピニ
オンに伝達する。このドライブピニオンは、上記ディフ
ァレンシャル装置のデフケージに一体化されたリングギ
ャと噛合されてデフケージを回転させ、そのケージ内の
第1,第2の出力軸に駆動力を伝達するものである。
このようなディファレンシャル装置は、デフケージと一
体に回転するスパイダ部と、そのスパイダ部の両側部に
その左右方向から係脱自在に嵌合するそれぞれのドリブ
ンクラッチと、それらドリブンクラッチがその軸方向に
移動自在に且つ、ドリブンクラッチと一体的に回転駆動
すべくスプライン嵌合されてそのドリブンクラッチに対
して軸方向に移動自在な第1,第2の出力軸とから主に構
成される。
以下、第3図ないし第5図に基づいてこれを説明する。
第5図に示される如く、デフケージ1内には、これに一
体的にフランジ状に形成されたスパイダ3が設けられ、
その両側部は、デフケージの軸方向に対して垂直面を成
して設けられている。スパイダ3の軸芯部は開口されて
係合穴6が設けられ、これにスナップリング7を介し
て、センタカム4が回転自在に設けられている。ここ
で、スパイダ3,スナップリング7及びセンタカム4でス
パイダ部19が構成される。
一方、スパイダ3及びセンタカム4の両側部には、それ
ぞれの軸芯部を開口して形成された係合穴6及び開口部
に沿って周方向に所定間隔に、且つ軸芯部より径方向外
方に放射状に配設されたそれぞれ第1,第2のクラッチ歯
10a,10bが形成されており、他方デフケージ1内には左
右方向からそれぞれ移動されてそれら第1,第2のクラッ
チ歯10a,10bに係脱自在に噛合される第1,第2のドリブ
ンクラッチ2a,2bが回転自在に設けられている。
各ドリブンクラッチ2a,2b内には、夫々第1,第2の出力
軸8a,8bがスプライン嵌合されており、また、第1,第2
の出力軸8a,8b内には、夫々にスプライン嵌合されてデ
フケージ1内よりデフケージ1階に突出されるアクスル
シャフト9a,9bが設けられている。
さて、スパイダ部19に上記ドリブンクラッチ2a,2bを係
脱自在に噛合させるために、夫々のドリブンクラッチ2
a,2bの軸方向の後方側は段状に縮径されてフランジ部2
0,ガイド部20aが形成される一方、第1,第2の出力軸8a,
8bの後方側には径方向外方に拡径されて、上記デフケー
ジ1の内面のボス部に面接触するフランジ部11が一体的
に形成されている。他方そのフランジ部11にはスプリン
グシートが一体的に嵌合されており、そのスプリングシ
ート11aとフランジ20の背面との間には、その間で所定
の弾発力が付勢する圧縮コイルばね等の弾発手段5が介
設されている。
次に、第3図および第4図に基づいてノースピンディフ
ァレンシャル装置のアクスルシャフト9a,9bに連結され
たホィールが、路上旋回時に、その旋回のために要求さ
れる回転数差が生じさせつつその回転数差を維持させる
関係について説明する。
第3図に示されるようにスパイダ部19の第1のクラッチ
歯10aとセンタカム4のクラッチ歯10bとは、共に断面が
台形状に形成されており、旋回時のホイールよりの回転
力を一方の、例えば第1の出力軸8aが受けたときに、セ
ンタカム4の第2のクラッチ歯10bとドリブンクラッチ2
aの第3のクラッチ歯12bとの噛合がくさび作用によって
生じる分力により解かれる。このとき他方の出力軸8bと
スパイダ部19との噛み合いは保持される。同時に第4図
に示すようにスパイダ3の第1のクラッチ歯10aと、こ
れに噛合するドリブンクラッチ2aの第4のクラッチ歯12
aとの噛合が解かれる。ゆえに、第1,第2の出力軸8a,8b
との間に生じる回転数差によって作動することができる
ものである。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記従来のディファレンシャル装置は、
エンジン等の駆動力をクラッチによって切られてアイド
リング回転のまま惰性で旋回する際に、例えばスパイダ
部19の回転が第1の出力軸8aと第2の出力軸8bとのそれ
ぞれの回転に合せて変動されることによって、スパイダ
3の第1のクラッチ歯10aとドリブンクラッチ2bの第3
のクラッチ歯12a及びセンタカム1の第2のクラッチ歯1
0bとドリブンクラッチ2bの第4のクラッチ歯12bとの間
でバックラッシ方向の歯間干渉が発生され、これが振動
と騒音(異音)発生の大きな要因となっていた。
[発明の目的] 本発明は上記問題点を解決すべく創案されたもので、本
考案の目的はドリブンクラッチに噛合するセンタカム及
びスパイダとを衝撃なく噛み合わせて振動及び騒音(異
音)を消去するスピン防止差動装置を提供するものであ
る。
[発明の概要] 本発明は上記目的を達成すべく、クラッチを介して駆動
装置により回転駆動されるデフケージ内ほぼ中央部に、
両側面にクラッチ歯を有するスパイダ部を、デフケージ
と一体的に回転し得るように設け、デフケージのスパイ
ダ部の両側面と向き合わせの部位に、スパイダ部軸芯部
の貫通孔と同芯に軸支孔を設け、デフケージ内に、その
スパイダ部の前後に、各軸支孔に一端部を嵌合させて出
力軸たる中空軸をそれぞれ設け、各中空軸の他端部外周
に、上記クラッチ歯と係脱自在に噛合するクラッチ歯を
有したドリブンクラッチをスプライン嵌合したノースピ
ンディファレンシャル装置において、上記各中空軸の一
端部側外周部に設けられた鍔と、耐摩耗性材料により形
成され各鍔とデフケージの各軸支孔周りの縁との間に介
設されたスラストワッシャと、軸方向に重ね合わされか
つ上記貫通孔に挿入されて中空軸の他端部端面間に一対
設けられた鍔状の耐摩耗部材と、これら耐摩耗部材の重
ね面と反対側の背面軸芯部に設けられ、それぞれ中空軸
の内周面に嵌合された軸と、これら耐摩耗部材の軸に嵌
合され、耐摩耗部材の背面と各中空軸の他端部端面とに
所定の弾発力を付勢するさらばねとを備え、長期に亙っ
てアイドリング時のクラッチ歯の歯打ち現象を防ぎ、騒
音(ギヤノイズ)、振動を防止するものである。
[実施例] 以下、本発明の好適一実施例を添付図面に基づいて具体
的に説明する。
第1図及び第2図に示される如く、デフケージ1内に
は、その回転方向に対してフランジ状に形成されたスパ
イダ3の両側部がデフケージ1の軸方向に対して垂直面
をなして一体的に収容されている。スパイダ3の両側部
には、その係合部6に沿って所定間隔毎に且つその軸芯
より径方向に向って放射状に断面矩形状の第1のクラッ
チ歯10aが一体に形成されている。また、第1のクラッ
チ歯10aがいずれが1枚は、スパイダ3の上記係合穴6
の内周面より、さらに径方向に突出されてストッパ部13
として形成されており、そのストッパ部13は、スパイダ
3の両側部に、相対向して夫々形成されている。さら
に、スパイダ3の係合穴6の内周面には、これに沿って
C字形のスナップリング7を嵌合するための第1の円周
溝部14が形成されている。
一方、上記スパイダ3の係合穴6には、これに上記スナ
ップリング7を介した円盤状のセンタカム4が収容され
ている。センタカム4には、その外周部に沿って上記ス
ナップリング7を嵌合する第2の円周溝部15が形される
と共に、軸芯部に貫通孔31が設けられており、その外周
部には、外周部より径方向内方に向って、且つその周方
向に沿って適宜間隔毎に矩形状に切り欠かれた適宜数の
第1の係合部17が形成されている。また、センタカム4
の第1の係合部17間の1つには、上記ストッパ部13を係
合させるべく外周部より径方向に向って適宜切り欠かれ
た第2の係止部18が設けられている。さらに、センタカ
ム4にはその両側部に、上記第1,第2の係止部17,18の
底部が成す基礎円より内方に、且つその基礎円の周方向
に沿って適宜間隔をおいて第2のクラッチ歯10bが配設
されている。第2のクラッチ歯10bのそれぞれはその断
面が台形状に形成されておりこれがセンタカム4の軸芯
に対して放射状に配設されている。
このようにスパイダ3,スナップリング7及びセンタカム
4からスパイダ部19が形成される。一方、スパイダ部19
の第1,第2のクラッチ歯10a,10bに係脱自在に噛合され
るドリブンクラッチ2a,2bの夫々は、図示されるように
円筒状に形成されており、その噛合側となる一端にフラ
ンジ部20として一体に形成されている。
フランジ部20の噛合側の端面には、上記第1,第2のクラ
ッチ歯10a,10bに対してそれらに同時に噛合される第3,
第4のクラッチ歯12a,12bが一体に形成される一方、そ
の第3,第4のクラッチ歯12a,12bとの間のフランジ部20
の端面には、周方向に沿って後述するホールドアウトリ
ング21a,21bを回転自在に嵌合する第3の円周溝部16が
形成されている。この円周溝部16は上記端面より軸方向
に所定の深さを有し円周溝部16の底部はドリブンクラッ
チ2a,2bの軸中心方向に屈曲されて形成され、軸方向の
垂直断面が断面L字状の溝として形成され。即ち、この
第3の円周溝部16に嵌合されるホールドアウトリング21
a,21bが嵌合後において軸方向に外れることのないよう
に形成される。他方、円筒状のドリブンクラッチ2a,2b
内には、その軸方向に沿ってスプライン嵌合部22が形成
されており、このスプライン嵌合部22には、それぞれ第
1の出力軸たる中空軸(以下、出力軸という。)8a、第
2の出力軸たる中空軸(以下、出力軸という。)8bのス
プライン部23が嵌合されている。
第1,第2の出力軸8a,8bにはそのスプライン部23より所
定間隔をおいて軸方向の後方側に、径方向外方に拡径さ
れて第2のフランジ部11が一体的に形成されており、そ
のフランジ部11より軸方向後方側の端部は、そのフラン
ジ部11より縮径されて上記デフケージの軸支孔52に回転
自在に収容されている。
他方、ホールドアウトリング21a,21bの夫々は、上記第
3の円周溝部16に嵌合されるために、軸方向の断面がL
字形に形成されている。ホールドアウトリング21a,21b
には、上記ドリブンクラッチ2a,2bがスパイダ部19に噛
合された際に、スパイダ3のストッパ部13を収容する切
り欠き部24が形されておりまた、ホールドアウトリング
21a,21bにはその周方向に沿って適宜間隔をおいて、セ
ンタカム4の第1の係止部17に係合される突起部25が一
体に形成されている。即ち、一方のドリブンクラッチ2a
がスパイダ部19より離れて、その噛み合いを解かれた際
に、ホールドアウトリング21a,21bの切り欠き部24は、
スパイダ3のストッパ部13を当り、さらに他方のドリブ
ンクラッチ2bがスパイダ部19と噛合して回転すると上記
ドリブンクラッチ2aのホールドアウトリング21aの突起
部25がセンタカム4の係止部17より外れ、ホールドアウ
トリング21とドリブンクラッチ2aとは相対的回転差を生
じたまま、回転されることになる。
また、上記ドリブンクラッチ2a,2bのフランジ部20の背
面と上記第1,第2の出力軸8a,8bのフランジ部11との間
には、常時ドリブンクラッチ2a,2bをスパイダ部19に噛
合させるための弾発力を付勢する圧縮コイルばね等の弾
発手段5が設けられている。
さらに、第1の出力軸8aと第2の出力軸8bの一端部寄り
外周部に円周方向に沿わせて鍔11が設けられ、第1の出
力軸8aと第2の出力軸8bの他端部端面間に、軸方向に互
いに重ね合わせて鍔状の耐摩耗部材28a,28bが一対に設
けられている。これら耐摩耗部材28a,28bは、その重ね
面が上記貫通孔31内に位置するようにして貫通孔31に挿
入されており、その重ね合わせ面(トルク伝達面)と反
対側の背面軸芯部には、それぞれ第1の出力軸8aの内周
面50、第2の出力軸8bの内周面51にそれぞれ嵌合し得る
ように軸27が設けられている。そしてこれら耐摩耗部材
28a,28bの軸27には、それぞれさらばね29が介設され、
耐摩耗部材28aの背面部と第1の出力軸8aとの間、およ
び耐摩耗部材8bの背面部と第2の出力軸8bの他端部端面
との間に、所定の弾発力を付勢し得るようになってい
る。また、第1の出力軸28a外周面の鍔11とデフケージ
1の軸支孔52の孔周りの縁との間、および第2の出力軸
28b外周面の鍔11とデフケージ1の軸支孔52の孔周りの
縁との間には、それぞれ耐摩耗材料により形成されたス
ラストワッシャ30が介設されている。
以下、本発明の実施例の使用について具体的に説明す
る。
エンジン等の駆動装置よりクラッチを介してデフケージ
1を回転駆動させると、このデフケージ1内に一体的に
設けられたスパイダ3が回転駆動される。これと同時に
スパイダ3にスナップリング7を介して取り付けられた
センタカム4は、その外周部に設けられた第2の係止部
18と上記スパイダ3の両側部に対向して形成されたスト
ッパ部13とに夫々ホールドアウトリング21a,21bの突起
部25,切り欠き部24が係合されることによってスパイダ
3と一体的に回転される。
このようなスパイダ部19のスパイダ3には第1のクラッ
チ歯10aが、センタカム4には第2のクラッチ歯10bがそ
の両側部に設けらており、これらに第1,第2のドリブン
クラッチ2a,2bが係脱自在に噛合されるようになってい
る。
第1,第2のドリブンクラッチ2a,2b内にそれぞれ軸方向
に移動自在に、且つそれらと一体的に回転駆動すべくス
プライン嵌合された第1,第2の出力軸8a,8bは、その両
出力軸の回転数が一定である場合には、それぞれドリブ
ンクラッチ2a,2bのフランジ部20の背面部とそれぞれの
出力軸8a,8bのフランジ部11との間に設けられた弾発手
段5によってドリブンクラッチ2a,2bが常時スパイダ部1
9に噛合させる方向に付勢されており、この結果上記第
1のクラッチ歯10aとドリブンクラッチ2a,2bの第3のク
ラッチ歯12aとが、上記第2のクラッチ歯10bと、ドリブ
ンクラッチ2a,2bのクラッチ歯12bとが噛合される。した
がってデフケージ1の回転駆動力が、それぞれ第1,第2
の出力軸8a,8bに伝達される。
一方、上記第1,第2の出力軸8a,8bの出力軸の回転数差
を必要とする場合、即ち、旋回時などには、第3図に示
す如く、例えば第1の出力軸8aが8bより早く回るものと
して第1のドリブンクラッチ2aの断面台形状の第4のク
ラッチ歯12bとセンタカム4の断面台形状の第2のクラ
ッチ歯10bとに競り合うことによって生じるくさび力が
作用する。ドリブンクラッチ2aの第4のクラッチ歯12a
に作用するくさび力が上記弾発手段5の付勢力に打ち勝
ったときに噛合が解かれる。これと同時に、第4図に示
す如くスパイダ3の第1のクラッチ歯10aと、ドリブン
クラッチ2aの第3のクラッチ歯12aとの噛合が解かれ、
これによってドリブンクラッチ2aは第1の出力軸8aと共
にスパイダ部19よりも早く回ることができる。
他方、ドリブンクラッチ2aの離脱後、ドリブンクラッチ
2aに回転自在に設けられたホールドアウトリング21a
は、切り欠き部24のセンタカム4のストッパ部13との係
合及び突出部25とセンタカム4の第1の係止部17との係
合が解除されるからドリブンクラッチ2aに対して自由回
転を許される。ところが、他方のドリブンクラッチ2bの
スパイダ部19との噛合は保持されているため依然回転駆
動される。このためドリブンクラッチ2aのホールドアウ
トリング21aの突出部25が、回転するスパイダ3上の上
記ストッパ部13に当るまで回転されてその突出部25がセ
ンタカム4上に載置状態となる。この結果ドリブンクラ
ッチ2aはホールドアウトリング21aを介してスパイダ部1
9に対して離脱を維持することができる。
このようなホールドアウトリング21aのホールド作用の
解除は、スパイダ部19より遅く回転するドリブンクラッ
チ2aの回転がスパイダ19より早くなるとドリブンクラッ
チ2aの第3の円周溝部16に対してホールドアウトリング
21aは所定の把持力で嵌合されているために、センタカ
ム4の第1の係止部17及びストッパ部13に対してホール
ドアウトリング21aの突起部25及び切り欠き部24が係合
する位置に回転されて上記弾発手段5の付勢力を受ける
ことによって噛み合されホールドが回復される。また第
1の出力軸8aの回転がスパイダ部19より早く回ろうとし
ドリブンクラッチ2bが第3のクラッチ歯12aとスパイダ
3のクラッチ歯10aとのバックラッシュにより、上記同
様にホールド解除がなされることになる。また、これと
は別に入力側であるデフケージ1を逆回転することによ
ってホールド解除することも可能である。
さて、本発明の実施例にあっては、エンジン側がクラッ
チでその回転駆動力の伝達を切られる、つまりアイドリ
ング運転で、上記第1,第2の出力軸8a,8bのいずれかに
ホィール等の旋回運転における回転差が生じた場合、ド
リブンクラッチ2a,2bの第3,第4のクラッチ歯12a,12b
と、スパイダ部19の第1,第2のクラッチ歯10a,10b間に
発生するバックラッシ成分の歯間衝撃による振動及び異
音を防止するための構造について説明する。
第1図,第2図に示される如く、互いに向い合せて設け
られた第1,第2の出力軸8a,8bとのスプライン部23側に
端部に、さらばね29の付勢力によって耐摩耗性部材28a,
28b相互間にその付勢力に応じた摩耗力が発生する。同
時にその押圧力により出力軸8a,8bのフランジ部11とデ
フケージ1との間に設けられたスラストワッシャ30がそ
の間で所定の摩耗力を発揮する。この結果、一方の例え
ばエンジン側がクラッチでその回転駆動力の伝達が切ら
れる状態において、第1の出力軸8aよりも第2の出力軸
8bが早く回転する際に生じるバックラッシに相当する慣
性回転及びチャタリング等が抑制される。これは、第1,
第2の出力軸8a,8bが、予め上記摩耗性部材28a,28bとさ
らばね29によって、第1,第2の出力軸8a,8bのフランジ
部11とデフケージ1との間に設けられたスラストワッシ
ャ30によって所定の回転トルクを発生させるためであ
り、減速されようとするスパイダ部19に対して第2の出
力軸8bがスパイダ部19に噛み合ったまま、あるいはその
慣性回転を緩衝されながら回転するために、そこで発生
する歯間衝撃力が抑制、あるいは緩められ、振動及び騒
音(異音)を抑制することができる。
[発明の効果] 以上、本発明によれば次の如く優れた効果を発揮する。
(1)スピン防止差動装置の機能を損ねることなく、鍔
状の耐摩耗部材相互間、スラストワッシャと鍔との間、
スラストワッシャとデフケージ内面との間に一定に伝達
トルクを発生させ、スピン防止差動装置特有の問題であ
ったアイドリング運転時の歯間干渉をなくし、振動、騒
音を低減することができる。
(2)耐摩耗性材料からなるスラストワッシャと、耐摩
耗部材とにより、その早期摩耗を防ぎ、歯間干渉、振
動、騒音を長期に亙って抑制することができる。
(3)メンテナンスフリーを達成することができる。
(4)耐摩耗部材の背面軸芯部に中空軸に嵌合する軸を
設けたので、耐摩耗部材の片当たりを防ぐことができ、
歯間干渉、振動、騒音を確実に低減することができる。
(5)デフケージの限られた容積を全て活用することが
でき、そのスペースセービングを達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の好適な一実施例を示す概略断面図、第
2図は第1図の概略斜視図、第3図、第4図はドリブン
クラッチとスパイダ部の噛み合い状態を説明するための
図、第5図は従来のノースピンディファレンシャル装置
を示す図である。 図中、1はデフケージ、2はドリブンクラッチ、8は出
力軸、19はスパイダ部、28は耐摩耗性部材、29はさらば
ねである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラッチを介して駆動装置により回転駆動
    されるデフケージ内ほぼ中央部に、両側面にクラッチ歯
    を有するスパイダ部を、デフケージと一体的に回転し得
    るように設け、デフケージのスパイダ部の両側面と向き
    合わせの部位に、スパイダ部軸芯部の貫通孔と同芯に軸
    支孔を設け、デフケージ内に、そのスパイダ部の前後
    に、各軸支孔に一端部を嵌合させて出力軸たる中空軸を
    それぞれ設け、各中空軸の他端部外周に、上記クラッチ
    歯と係脱自在に噛合するクラッチ歯を有したドリブンク
    ラッチをスプライン嵌合したノースピンディファレンシ
    ャル装置において、上記各中空軸の一端部側外周部に設
    けられた鍔と、耐摩耗性材料により形成され各鍔とデフ
    ケージの各軸支孔周りの縁との間に介設されたスラスト
    ワッシャと、軸方向に重ね合わされかつ上記貫通孔に挿
    入されて中空軸の他端部端面間に一対設けられた鍔状の
    耐摩耗部材と、これら耐摩耗部材の重ね面と反対側の背
    面軸芯部に設けられ、それぞれ中空軸の内周面に嵌合さ
    れた軸と、これら耐摩耗部材の軸に嵌合され、耐摩耗部
    材の背面と各中空軸の他端部端面とに所定の弾発力を付
    勢するさらばねとを備えたことを特徴とするスピン防止
    差動装置。
JP61033832A 1986-02-20 1986-02-20 スピン防止差動装置 Expired - Lifetime JPH07109238B2 (ja)

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JP61033832A JPH07109238B2 (ja) 1986-02-20 1986-02-20 スピン防止差動装置

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JP61033832A JPH07109238B2 (ja) 1986-02-20 1986-02-20 スピン防止差動装置

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Publication Number Publication Date
JPS62194065A JPS62194065A (ja) 1987-08-26
JPH07109238B2 true JPH07109238B2 (ja) 1995-11-22

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ID=12397462

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