JPH07108990B2 - 潤滑グリーズ用の予備活性化親有機性クレーゲル化剤、予備活性化親有機性クレーゲル化剤で増稠された潤滑グリースおよび予備活性化親有機性クレーゲル化剤の製造方法 - Google Patents

潤滑グリーズ用の予備活性化親有機性クレーゲル化剤、予備活性化親有機性クレーゲル化剤で増稠された潤滑グリースおよび予備活性化親有機性クレーゲル化剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は潤滑グリース用の予備活性化された親有機性ク
レー(粘度)ゲル化剤およびそのゲル化剤によって増粘
された潤滑グリースに関する。また、本発明は予備活性
化された親有機性クレーゲル化剤の調製方法に関する。
発明の背景 親有機性クレーを用いて種々の有機組成物の稠度を増す
ことは、当技術分野においてよ知られている。親有機性
クレーゲル化剤を使用する際にしばしば遭遇する問題
は、所望レベルの稠度を得るために、ゲル化剤を組成物
中に十分に分散させる必要があるということである。も
しそうでないとしたら、一層多量の親有機性クレーゲル
化剤が必要となり、かつ/また組成物中に存在する他の
粒子(例えば顔料よりも親有機性クレー粒子が大きいこ
とが原因で悪い結果(例えばざらざらしたコーティング
や粒子の沈降)をもたらし、かつ/またその組成物を剪
断に付す際に粘度の変化が生ずる。
親有機性クレーゲル化剤の良好な分散を達成しようとし
て、当技術分野においていろいろな手段が講じられた。
例えば、米国特許第2531440号に示されるような親有機
性クレーゲル化剤は増粘すべき有機組成物と混合され、
その混合物は高剪断条件に付された。また、極性活性
剤、分散剤、分散助剤、溶媒和剤などとして知られる低
分子量極性有機物質(例えばアセトン、メタノール/
水、エタノール/水、プロピレンカーボネート、アセト
ニルアセトン、ジアセトンアルコール、ジメチルホルム
アミドおよびガンマ−ブチロラクトン)が、有機組成物
中への分散を達成するために親有機性クレーゲル化剤と
併用された。これらの物質に関する特許の例は米国特許
第2677661号、同第2704276号、同第2833720号、同第287
9229号、同第2966506号および同第3294683号である。
一般に極性活性剤の存在を必要とする有機組成物の1つ
の型は潤滑グリースである。大部分の親有機性クレーゲ
ル化剤は、極性活性剤(一般にゲル化剤の50重量%以下
の量で存在する)の存在なしでは良好な分散性を達成せ
ず、かつ/また有効なゲル化も達成しない。
増粘された有機組成物の製法において、一般に高揮発
性、引火性の極性活性剤を貯蔵および使用する危険性は
避けるために、当技術分野ではいくつかの代替物を開発
した。例えば米国特許第4435218号は第四アンモニウム
化合物とアルコール(室温で固体)により改質されたモ
ンモリロナイトクレーから成る自己活性化流動学的添加
剤を開示している。固体アルコールの好適な型は次式: (式中nは1〜5である)で表わされ、好適なアルコー
ルはネオペンチルグリコールである。その他の指名され
たアルコール類は2−メチル−2−プロパノール;エリ
トリトール;ネオペンチルアルコール;2,3,3−トリメチ
ル−2−ブタノール;モノパルミテートグリコール;1,3
−ジパルミテートグリコール;α,β−ジヒドロキシス
テアリン酸;および9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸
である。
欧州特許第133071号は、極性活性剤を使用せずに低い剪
断速度で有機液体中でゲル化特性を発現する親有機性ク
レー流動学的添加剤の製法を開示している。この親有機
性クレーは長い炭化水素鎖を有するアルコキシル化第四
アンモニウム塩またはアルコキシル化アルキルアミンの
ようなモノ−またはポリ−ヒドロキシル化窒素含有界面
活性剤で改質されている。
米国特許第2767177号は、ベントナイト、ポリアミンお
よびモノ第四アンモニウム化合物(2個の長鎖アルキル
基を含む)の反応生成物から成り且つ極性活性剤なしで
明らかにゲル化グリースをもたらしうるベントナイト−
ポリアミン複合体の製法を開示している。ベントナイ
ト、ポリアミンおよび第四アンモニウム化合物の複合体
は液状石油炭化水素、鉱油、潤滑油、液状芳香族炭化水
素およびハロゲン化炭化水素のような炭化水素の性質を
有する有機物質をゲル化するために使用される。そのゲ
ルを調製する際に、複合体はコロイドミルのような高剪
断混合装置を使って流動媒体中に混和される。
米国特許第3977894号は、非水性流動体用の自己活性化
オルガノクレー流動学的添加剤の製法を開示している。
この自己活性化オルガノクレーは有機的に(第四アンモ
ニウム化合物で)改質されたモンモリロナイトクレーと
2種類の固体ワックスとの均質混合物から成る。ワック
スは親有機性クレーの活性剤であり、(1)グリセリル
トリ−12−ヒドロキシステアレートおよび(2)次式: (式中nは2〜18であり、HSA12−ヒドロキシステアリ
ン酸のアシル基であり、Rは水素または12−ヒドロキシ
ステアリン酸のアシル基である)で表わされるアミドで
ある。
米国特許第4382868号はスメクタイトクレー、第四カチ
オン性有機化合物、水および炭素原子数1〜5のアルコ
ールの混合物を押出すことによって調製した親有機性ク
レーを開示しており、これは低剪断のもとで油性液体中
に容易に分岐する。第6欄34〜42行に記載の定義によれ
ば、押出しとはクレーと有機カチオン化合物との間で反
応を起こさせるための均質混合を意味する。この親有機
性クレーは乾燥させずに水やアルコールを除去すること
が重要である。代表的なアルコールはメタノール、エタ
ノールおよびイソプロパノールである。さらに、ケト
ン、アミド、ニトリル、ニトロ化合物、エステルおよび
カーボネート(例えばアセトン、ジメチルホルムアミ
ド、アセトニトリル、ニトロメタン、メチルホルメート
およびプロピレンカーボネート)のような他の低分子量
極性有機液体もアルコールの代わりに使用することがで
きる。
米国特許第4464274号は同第4382868号と類似しており、
アタパルジャイトクレーまたはセピオライトクレーから
調製された親有機性クレーゲル化剤を開示している。
発明の目的および概要 従って、本発明の一般的な目的は、潤滑グリース用の予
備活性化された親有機性クレーゲル化剤、および該クレ
ーゲル化剤を含有する潤滑グリースを提供することであ
る。
本発明の他の目的は、長期間にわたって貯蔵し得る安定
な予備活性化された親有機性クレーゲル化剤を提供する
ことである。
本発明のさらに他の目的は、乾燥状態の予備活性化され
た親有機性クレーゲル化剤を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、引火性物質を使用すること
なく有機組成物を効果的に増稠し得る予備活性化された
親有機性クレーゲル化剤を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、追加の活性化成分を計量し
て混合することを必要とせずに、有機組成物を速やかに
増稠し得る予備活性化された親有機性クレーゲル化剤を
提供することである。
本発明のさらに他の目的は、極性活性剤の不在下で有機
組成物中に添加しうる予備活性化された親有機性クレー
ゲル化剤の調製方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、限定された方法で作られた
予備活性化された親有機性クレーゲル化剤を提供するこ
とである。
本発明は、1つの面において、潤滑グリース用の乾燥し
た予備活性化親有機性クレーゲル化剤を提供する。その
予備活性化ゲル化剤は次のa)およびb)から成る: a)i)クレー100g当たり少なくとも約75ミリ当量のカ
チオン交換容量をもつスメクタイト型クレー;およびi
i)スメクタイト型クレーのカチオン交換容量の約90〜
約150%の量の有機カチオン;の反応生成物である親有
機性クレーゲル化剤、および b)親有機性クレーゲル化剤と反応した、フタリド、3
−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド、4−ベ
ンジルオキシプロピオフェノン、クエン酸トリエチル、
2−フェノキシエタノール、1−フェニル−1,2−エタ
ンジオール、o−、m−およびp−ニトロベンジルアル
コール、1,6−ヘキサンジオール、ヒマシ油、o−、m
−およびp−ニトロフェネチルアルコールおよびこれら
の混合物より成る群から選ばれる予備活性化剤。
本発明は、他の面において、予備活性化親有機性クレー
ゲル化剤で増稠された潤滑グリース、予備活性化親有機
性クレーゲル化剤の製造方法提供する。
好適な実施態様の説明 上述のように、本発明の1つの面は予備活性化された親
有機性クレーゲル化剤に関する。その予備活性化された
親有機性クレーゲル化剤は、予備活性化剤と親有機性ク
レー(ある型のクレーと有機カチオンを反応させること
により製造される)との反応生成物である。
本発明において使用されるクレーは、よく知られた酢酸
アンモニウム方で測定したとき、クレー100g当たり少な
くとも約75ミリ当量のカチオン交換容量をもつスメクタ
イト型クレーである。このスメクタイト型クレーは当技
術分野において公知であり、いろいろな源から入手しう
る。もしもクレーがナトリウム型でない場合は、それら
をナトリウム型に変換することが好ましい。これはクレ
ーの水性スラリーを調製し、そのスラリーをナトリウム
型のカチオン交換樹脂の床に通すことにより都合よく実
施できる。これとは別に、クレーを水および可溶性ナト
リウム化合物(例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウ
ムなど)と混合して、その混合物を例えばパッグミル
(pugmill)や押出機で剪断することもできる。クレー
のナトリウム型への変換は、有機カチオンとの反応前の
どんな時点に行ってもよい。
気成(pneumatolytic)合成法または、好ましくは熱水
(hydro−thermal)合成法により製造されたスメクタイ
ト型クレーもまたこれらの新規有機クレー複合体を調製
する際に使用できる。
本発明において有用な代表的スメクタイト型クレーは次
のものである: モンモリロナイト 〔(Al4-xMgx)Si8O20(OH)4-fFf〕xR+ (式中0.55≦x≦1.10、f≦4およびRはNa、Li、NH4
およびこれらの混合物より成る群から選択される); ベントナイト 〔(Al4-xMgx)(Si8-yAly)O20(OH)4-f Ff〕(x+y)R+ (式中0<x<1.10、0<y<1.10、0.55≦(x+y)
≦1.10、f≦4およびRはNa、Li、NH4およびこれらの
混合物より成る群から選択される); バイデライト 〔(Al4+y)(Si8-x-yAlx+y)O20(OH)4-f F〕fxR+ (式中0.55≦x≦1.10、0≦y≦0.44、f≦4およびR
はNa、Li、NH4およびこれらの混合物より成る群から選
択される); ヘクトライト 〔(Mg6-xLix)Si8O20(OH)4-fFf〕xR+ (式中0.57≦x≦1.15、f≦4およびRはNa、Li、NH4
およびこれらの混合物より成る群から選択される); サポナイト 〔(Mg6-yAly)(Si8-x-yAlx+y)O20(OH)4-f Ff〕xR+ (式中0.58≦x≦1.18、0≦y≦0.66、f≦4およびR
はNa、Li、NH4およびこれらの混合物より成る群から選
択される); スチーブンサイト 〔(Mg6-x)Si8O20(OH)4-fFf〕2xR+ (式中0.28≦x≦0.57、f=4およびRはNa、Li、NH4
およびこれらの混合物より成る群から選択される)。
本発明で使用される好適なクレーはベントナイトとヘク
トライトであり、ベントナイトが最も好ましい。
クレーは意図する特定の合成スメクタイトのための上記
式およびx、y、fの所定の値により定められる割合で
所望金属の混合水和酸化物または水酸化物と、場合によ
りフッ化ナトリウム(または別の交換可能なカチオンも
しくはこれらの混合物)とを含有するスラリー形態の水
性反応混合物を調製することにより熱水的に合成しう
る。このスラリーはその後オートクレーブの中に入れ、
そして目的生成物を製造するのに十分な時間約100〜325
℃(好ましくは275〜300℃)の温度で自発的圧力下に加
熱する。製造時間は一般に合成しようとする特定のスメ
クタイト型クレーに依り300℃で3〜48時間であり、最
適時間はパイロット試験により簡単に定めることができ
る。
合成スメクタイト型クレーを製造するための代表的な熱
水法は米国特許第3252757号、同第3586478号、同第3666
407号、同第3671190号、同第3844978号、同第3844979
号、同第3852405号および同第3855147号に開示されてお
り、これらの特許は全て参考としてここに引用される。
スメクタイト型クレーと反応する有機カチオンは、単一
原子上に、またはその化合物中の小さな原子群上に局在
化した陽電荷を持たねばならない。有機カチオンは好ま
しくは12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖
状の飽和または不飽和アルキル基少なくとも1個を含む
アンモニウムカチオンである。カチオンの残りの基は
(a)1〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖
状のアルキル基;(b)その構造のアルキル部分に直鎖
状または分岐鎖状の1〜22個の炭素原子を有するベンジ
ル基および置換ベンジル基(融合環基を含む)であるア
ラルキル基;(c)フェニル基および置換フェニル基
(融合環芳香族置換基を含む)のようなアリール基;
(d)6個以下の炭素原子を有するβ,γ−不飽和アル
キル基または2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシア
ルキル基;および(e)水素原子;から選択される。
長鎖アルキル基は各種の植物油(例えばコーン油、ヤシ
油、大豆油、綿実油、ヒマシ油)および各種の獣油また
は獣脂(例えばタロウ油)を含めた天然に存在する油脂
から誘導される。同様に、アルキル基はα−オレフィン
からのように石油化学的にも誘導される。
有用な分岐鎖状飽和基の代表例には12−メチルステアリ
ル基と12−エチルステアリル基が含まれる。有用な分岐
鎖状不飽和基の代表例には12−メチルオレイル基と12−
エチルオレイル基が含まれる。非分岐鎖状飽和基の代表
例はラウリル基、ステアリル基、トリデシル基、ミリス
チル(テトラデシル)基、ペンタデシル基、ヘキサデシ
ル基、水素化タロウ基(hydrogenated tallow)、ドコ
サニル基である。非分岐鎖状不飽和未置換基の代表例は
オレイル基、リノレイル基、リノレニル基、ソヤ(soy
a)基およびタロウ基である。
アラルキル基(すなわちベンジル基および置換ベンジル
基)の追加の例には、例えばハロゲン化ベンジル、ハロ
ゲン化ベンズヒドリル、ハロゲン化トリチル、アルキル
鎖が1〜22個の炭素原子を有するα−ハロ−α−フェニ
ルアルカン(例えば1−ハロ−1−フェニルエタン、1
−ハロ−1−フェニルプロパンおよび1−ハロ−1−フ
ェニルオクタデカン)から誘導されるものが含まれ;置
換ベンジル基は例えばハロゲン化o−、m−、p−クロ
ルベンジル、ハロゲン化p−メトキシベンジル、ハロゲ
ン化o−、m−、p−ニトリロベンジル、およびハロゲ
ン化o−、m−、p−アルキルベンジル(アルキル鎖は
1〜22個の炭素原子を有する)から誘導され;そして融
合環ベンジル型基は例えば2−ハロメチルナフタレン、
9−ハロメチルアントラセンおよび9−ハロメチルフェ
ナントレンから誘導され、この場合のハロ基はクロル、
ブロム、ヨードまたは求核試薬がベンジル型基上の離脱
基と置き換わるようにベンジル型基の求核攻撃において
離脱基として約立つその他の基として定義される。
アリール基の例には例えばN−アルキルおよびN,Nジア
ルキルアニリン(アルキル基は1〜22個の炭素原子を含
む);o−、m−およびp−ニトロフェニル;o−、m−お
よびp−アルキルフェニル(アルキル基は1〜22個の炭
素原子を含む);2−、3−および4−ハロフェニル(ハ
ロ基はクロル、ブロムまたはヨードである);2−、3−
および4−カルボキシフェニルおよびそのエステル(エ
ステルのアルコールはアルキル基が1〜22個の炭素原子
を有するアルキルアルコール、フェノールまたはベンジ
ルアルコールから誘導される)のようなフェニル基;ナ
フタレン、アントラセンおよびフェナントレンのような
融合環アリール基が含まれるだろう。
β,γ−不飽和アルキル基は広範囲の物質から選択しう
る。これらの化合物は環式また非環式であり得、また未
置換もしくはβ,γ−不飽和基の脂肪族炭素原子の合計
数が6以下であるように3個までの炭素原子を含む脂肪
族基で置換され得る。β,γ−不飽和アルキル基はその
基の不飽和結合と共役する芳香族環で置換されてもよ
く、またβ,γ−不飽和アルキル基は脂肪族基と芳香族
環の両方で置換されてもよい。
環式β,γ−不飽和アルキル基の代表例は2−シクロヘ
キセニル基と2−シクロペンテニル基である。6個以下
の炭素原子を含む非環式β,γ−不飽和アルキル基の代
表例はプロパルギル基、アリル(2−プロペニル)基、
クロチル(2−ブテニル)基、2−ペンテニル基、2−
ヘキセニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3−メチ
ル−2−ペンテニル基、2,3−ジメチル−2−ブテニル
基、1,1−ジメチル−2−プロペニル基、1,2−ジメチル
プロペニル基、2,4−ペンタジエニル基および2,4−ヘキ
サジエニル基である。非環式−芳香族置換化合物の代表
例はシンナミル(3−フェニル−2−プロペニル)基、
2−フェニル−2−プロペニル基および3−(4−メト
キシフェニル)−2−ペロペニル基である。芳香族およ
び脂肪族置換化合物の代表例は3−フェニル−2−シク
ロヘキセニル、3−フェニル−2−シクロペンテニル、
1,1−ジメチル−3−フェニル−2−プロペニル、1,1,2
−トリメチル−3−フェニル−2−プロペニル、2,3−
ジメチル−3−フェニル−2−プロペニル、3,3−ジメ
チル−2−フェニル2−プロペニル、および3−フェニ
ル−2−ブテニルである。
ヒドロキシアルキル基は陽電荷原子に隣接する炭素原子
がヒドロキシル基で置換されていないヒドロキシル置換
脂肪族基から選択され、その基は2〜6個の脂肪族炭素
原子を有する。このアルキル基は2〜6個の脂肪族炭素
原子から独立して芳香族環で置換されていてもよい。代
表例な例は2−ヒドロキシエチル(エタノール)基、3
−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシペンチル基、
6−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒドロキシプロピル
(イソプロパノール)基、2−ヒドロキシブチル基、2
−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシヘキシル基、
2−ヒドロキシシクロヘキシル基、3−ヒドロキシシク
ロヘキシル基、4−ヒドロキシシクロヘキシル基、2−
ヒドロキシシクロペンチル基、3−ヒドロキシシクロペ
ンチル基、2−メチル−3−ヒドロキシプロピル基、1,
1,2−トリメチル−2−ヒドロキシプロピル基、2−フ
ェニル−2−ヒドロキシエチル基、3−メチル−2−ヒ
ドロキシブチル基および5−ヒドロキシ−2−ペンテニ
ル基である。
従って、有機カチオンは次式の少なくとも1つを有する
と考えられる: (上記各式中、Xは窒素またはリンであり、Yは硫黄で
あり、R1は長鎖アルキル基であり、そしてR2、R3および
R4は先に述べたその他の可能な基である) 好適な有機カチオンは12〜22個の炭素原子を有する直鎖
状または分岐鎖状の飽和または不飽和アルキル基少なく
とも1個と、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または
分岐鎖状の飽和または不飽和アルキル基少なくとも1個
を含む。好適な有機カチオンはアルキル部分に1〜12個
の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和または
不飽和アルキル基を有するアラルキル基少なくとも1個
をさらに含む。これらのカチオンの混合物も使用しう
る。
特に好ましい有機カチオンはR1とR2が水素化タロウであ
り、R3とR4がメチル基であるアンモニウムカチオン、ま
たはR1が水素化タロウであり、R2がベンジル基であり、
R3とR4がメチル基であるアンモニウムカチオン、あるい
は前者が90%(当量)と後者が10%(当量)のような混
合物である。
スメクタイト型クレーと反応する有機カチオンの量は特
定のクレーおよび意図する疎水性の度合に依って変化す
る。一般には、カチオンの量はクレーのカチオン交換容
量の約90〜約150%、好ましくは約100〜約130%、最も
好ましくは約100〜約116%の範囲である。従って、例え
ばベントナイトを使用する場合、クレーと反応するカチ
オンの量は、100%活性基準で、クレー100g当たり約85
〜約143ミリ当量、好ましくは約95〜約124ミリ当量、最
も好ましくは約95〜約110ミリ当量の範囲であるだろ
う。当分野で通常の知識を有する者には明らかなよう
に、クレーのカチオン交換比はもとのクレーを基準とし
ており、酢酸アンモニウム法で測定できる。
通常有機カチオンに随伴するアニオンは反応生成物また
はその回収に悪影響を及ぼさないものである。この種の
アニオンには例えば有機カチオンを中和するのに十分な
量の塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、水酸イオ
ン、亜硝酸イオンおよび酢酸イオンなどが挙げられる。
有機カチオン塩(すなわち、アニオンと対合した有機カ
チオン)の製法は当分野でよく知られた技法により達成
できる。例えば、第四アンモニウム塩を製造する場合、
当業者は例えばニトリルの水素添加によりジアルキル第
二アミンを製造し(米国特許第2355356号参照)、次に
メチル基源としてホルムアルデヒドを使用する還元的ア
ルキル化によりメチルジアルキル第三アミンを形成する
だろう。その後、米国特許第3136819号および同第27756
17号に記載の方法に従って、その第三アミンに塩化ベン
ジルまたは臭化ベンジルを付加するとハロゲン化第四ア
ミンが生成する。これらの3つの特許の技術内容は参照
によりここに引用される。
当分野でよく知られるように、塩化ベンジルまたは臭化
ベンジルとの反応は、主としてベンジル置換された生成
物のブレンドが得られるように反応混合物に少量の塩化
メチレンを添加することによって達成される。このブレ
ンドはさらに各成分の分離を行うことなく親有機性クレ
ーの製造に使用される。
有機カチオン塩、それらの製法および親有機性クレーの
製法におけるそれらの使用に関する多数の特許として
は、例えば一般に譲渡された米国特許第2966506号、同
第4081496号、同第4105578号、同第4116866号、同第420
8218号、同第4391637号、同第4410364号、同第4412018
号、同第4434075号、同第4434076号、同第4450095号お
よび同第4517112号が挙げられ、これらの特許はここに
参考として引用される。
予備活性化剤は親有機性クレーゲル化剤と反応して、非
加熱試料のX線回折で測定したとき、クレー粒子間のd
−間隔を少なくとも1オングストローム、好ましくは少
なくとも2オングストローム、最も好ましくは少なくと
も3オングストローム増加しうる少なくとも1種の化合
物である。d−間隔の増加を達成するために、予備活性
化剤はカルボキシル基、ヒドロキシル基、第一アミン
基、第二アミン基、アミド基、アルデヒド基、ケトン
基、エーテル基、エステル基、ニトロ基およびスルホ基
より成る群から選択される活性基少なくとも1個を有す
る。
予備活性化剤の例はデカノール、ドデカノール、ベンジ
ルアルコール、オイゲノール、2−n−プロピルフェノ
ール、トリフェニルメタノール、2−ニトロエタノー
ル、ステアリルアルコール、テトラエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、グ愛リセロール,1,4−ブ
タンジオール、プロピレングリコール、ペンタエリトリ
トール、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、
フェニルエーテル、ステアリン酸エチル、安息香酸ブチ
ル、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、無水フタル酸、ト
リエタノールアミン、ジメチルスルホキシド、プロピオ
フェノン、6−ウンデカノン、p−アニスアルデヒド、
ジフェニルメタン、エイコサンおよびこれらの混合物で
ある。
潤滑グリース用の親有機性クレーゲル化剤を予備活性化
するのに特に有用な予備活性化剤の例はフタリド、3−
ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド、4−ベン
ジルオキシプロピオフェノン、クエン酸トリエチル、2
−フエノキシエタノール、1−フェニル−1,2−エタン
ジオール、o−、m−およびp−ニトロベンジルアルコ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ヒマシ油、o−、m−
およびp−ニトロフェネチルアルコールおよびこれらの
混合物である。
前記の予備活性化剤が一般に代表的な極性活性剤でない
ということに留意するとおもしろい。こうして、例えば
1,6−ヘキサンジオールを慣用の極性活性剤として使用
する(すなわち、基油および親有機性クレーゲル化剤と
混合する)場合は、その化合物を本発明に従って予備活
性化剤として使用する場合に得られる結果よりも有意に
劣った結果がもたらされるであろう。
親有機性クレーゲル化剤と反応する予備活性化剤の量は
個々の予備活性化剤、親有機性クレーゲル化剤および増
粘しようとする有機組成物に依り変化するが、その親有
機性クレーと反応する予備活性化剤の量は一般に親有機
性クレーの約1〜約25重量%、好ましくは約3〜約17重
量%である。1,6−ヘキサンジオールにより予備活性化
された潤滑グリース用親有機性クレーゲル化剤におい
て、1,6−ヘキサンジオールの量は親有機性クレーと予
備活性化剤の合計量の約1〜約18%、好ましくは約3〜
約14%、最も好ましくは約4〜約12%である。
本発明の予備活性化された親有機性クレーゲル化剤の効
率と有効性を改良するために、ある種の工程パラメータ
ーが使用される。より詳細には、スメクタイト型クレー
が有機カチオンとの反応に先立って相当な程度にまで剪
断される。さらに改良された結果を得るために、その剪
断工程は有機カチオンとスメクタイト型クレーとを反応
させるとき希釈された反応条件を使用すること、および
/または親有機性クレーまたは予備活性化された親有機
性クレーゲル化剤を穏やかに乾燥すること(親有機性ク
レーと予備活性化剤との反応方法に依存する)と組み合
わされる。最も好ましくは、工程パラメーターの全てが
予備活性化親有機性クレーゲル化剤の調整方法に組み込
まれる。
工程パラメーターの詳しい議論は1985年8月20日付の係
属中の米国特許出願第767599号に開示されており、その
内容を参考としてここに引用する。
スメクタイト型クレーを剪断するために、クレーを約0.
5〜約80重量%の濃度で水に分散する。このスラリーは
場合により出発クレー組成物の約10〜約50%を占める非
クレー不純物を除くために最初に遠心する。もちろん、
クレーが前もってクレーベンダー(clay vendor)など
によって処理されて不純物を除かれている場合には、そ
の処理済みクレーを約0.5〜約80重量%、好ましくは約
0.5〜約2.5重量%の濃度のスラリーとなし、直接剪断に
付してクレー凝集塊を分散させることができる。剪断条
件はクレー凝集塊の十分な分散が生ずるように選ばれ、
分散の程度はメチレンベルー斑点試験または流度分析に
より測定できる。
メチレンブルー斑点試験は、クレーとメチレンブルー溶
液とを反応させることによりクレーのカチオン交換/吸
着容量を測定するものである。一般的な方法は次の通り
である: 1. 250mlのエーレンマイヤーフラスコの中に既知固体
含量(通常約3重量%)のクレースラリー10g(±1mg)
を計量する。
2. 蒸留水50mlを加え、電磁攪拌機で攪拌する。
3. 5N硫酸2mlを加えて攪拌する。
4. 使用したクレー100g当り110ミリ当量のメチレンブ
ルーが添加されるまで、メチレンブルー溶液(1ml=0.0
1ミリ当量)を1〜2滴/秒の速度でフラスコに加え
る。
5. 蒸留水でフラスコを洗い落し、約10〜15分攪拌を続
ける。
6. 固体が懸濁しているうちに、攪拌棒で液体1滴を取
り出して瀘紙(ワットマンNo.1)にのせ、その1滴を0.
1mlごとのビュレットの読みにより表示する。
7. 染色された固体のまわりには緑青色のハロが存在し
ないべきである。
8. メチレンブルー溶液0.2〜0.5mlの増分を加え、添加
ごとに少なくとも5分攪拌しかつ蒸留水で洗い落す。5
分攪拌後、滴下試験を行い、各試験の斑点についてビュ
レットの読みを記録する。
9. かすかな緑青色のハロが斑点試験の懸濁固体を包囲
する場合、さらに10分攪拌して斑点試験を繰り返す。も
しもハロが持続するならば、終点を超えたことを意味す
る。
10.メチレンブルー吸着はクレー100g当たりのメチレン
ブルーのミリ当量として表わされ、次のようにして求め
ることができる。
終点決定の際の人為的誤差を最小限に抑えるために、ク
レースラリーの若干を目の荒い濾紙(例えばワットマン
5H)に通して濾過し、濾液の強度を比色計を使って1668
mmまたは609mmで測定してメチレンブルーブランク溶液
と比較し、終点のオーバーランまたはアンダーランの程
度を補正する。
メチレンブルー斑点試験を使用することにより、クレー
スラリーに十分な剪断が付与されると非剪断クレーと比
較してクレー容量が約10〜約50%、好ましくは約15〜約
40%、最も好ましくは約20〜約35%増加するだろう。従
って、例えば3%ベントナイトスラリーに十分な剪断が
付与されると、メチレンブルー斑点試験で測定したと
き、クレー容量がクレー100g当たり約115ミリ当量から
クレー100g当たり約135ミリ当量へ増加しうる。
クレースラリーに十分な剪断が付与されたことを調べる
別の技法は、粒度分析を行うことである。すなわち、非
剪断クレー粒子を例えばパシフィック・サイエンティフ
ィック・カンパニー(Pacific Scientific Company)か
ら入手しうるレーザー光線の散乱原理で作動するニコン
270型サブミクロン粒度計(Nicomp Model 270 Submicro
n Particle Sizer)により分析し、その後クレーを剪断
する。剪断クレーは非剪断クレー粒子と比較して約10〜
約80%、好ましくは約20〜約60%の中位粒径の減少を示
す。従って、例えば非剪断3.0%ベントナイトクレース
ラリーは平均中央値(中位)粒径が0.64ミクロンであり
うる。この同じスラリーを種々の圧力でマントン−ゴー
リン(Menton−Gaulin)ホモジナイザーに通すことによ
り達成しうる次第に増加する剪断量に付す場合、次の次
第に減少する中位粒径が観察される:0.5ミクロン(1000
psi);0.43ミクロン(2000psi);0.42ミクロン(3000ps
i);0.37ミクロン(4000psi);および0.37ミクロン(5
000psi)。3.0%ベントナイトクレースラリーをいろい
ろな時間の間高速で作動するワーリングブレンダー(Wa
ring Blender)で次第に増加する剪断時間に付す場合に
も、次第に増加する剪断と共にクレー固体の中央値粒径
が減少するというこの同じ傾向が観察される:0.66ミク
ロン(0分);0.58ミクロン(2分);0.54ミクロン(4
分);0.52ミクロン(6分);0.53ミクロン(8分);お
よび0.52ミクロン(10分)。
剪断はスメクタイト型クレースラリーに高剪断を付与す
ることが知られている市販の装置を用いることにより付
与される。このような装置の例はマントン−ゴーリン・
カンパニーから市販されるマントン−ゴーリン・ホモジ
ナイザー(現在はAPVゴーリン社から入手しうるAVPゴー
リン・ホモジナイザーとして知られている)、テクマー
・カンパニー(Tekmar Company)から市販されるテクマ
ーSD−45ホモジナイザー、ペンワルト・コーポレーショ
ン(Pennwalt Corporation)のシャープレス部門から市
販されるシャープレス超遠心分離機(Sharples Super C
entrifuge)、オークス・マシーンリー(Oakes machine
ry)から市販されるオークスミル、ワーリング・プロダ
クツから市販されるワーリングブレンダー、バイオテク
ノロジー・コーポレーションのディビジョンであるマイ
クロフルー・ディックス・コーポレーション(Microflu
idics Corporation)から市販されるマイクロフルーダ
イザー(Micorfludizer)、およびクレースラリーに層
流および乱流の高剪断を付与しうる類似の装置である。
マントン−ゴーリンホモジナイザーを使用する場合の条
件は例えば約500〜約8000psiの圧力でクレースラリーを
ホモジナイザーに1回以上通すことである。
本発明方法において使用される第二番目の工程パラメー
ターは、スメクタイト型クレーと有機カチオンを反応さ
せる際の希釈された反応媒体である。希釈はクレー剪断
の前または間に行うことができるが、より好ましくは剪
断を実施した後に行われる。もちろん、希釈は所望によ
り剪断の前、間および後のいずれの時点で行ってもよ
い。クレースラリーはクルー含有量がスラリーの重量基
準で約0.5〜約2.5%、好ましくは約0.5〜約2.0%最も好
ましくは約0.5〜約1.5%となるように希釈される。希釈
が剪断後に行われる場合、それは有機カチオンの添加前
または添加中に必要量の水をクレースラリーに加える
か、あるいはクレースラリーと有機カチオンに必要量の
水を加えるか、あるいは有機カチオンにのみ水を加えて
その後これらをクレースラリーに加えるかのいずれかの
方法によって達成できる。すなわち、クレーは有機カチ
オンと反応する場合前記の範囲内である(有機カチオン
の量はスラリーのクレー含有量の計算に算入されな
い)。これらの希釈された反応条件は、このような希釈
条件を使用しない標準的な親有機性クレー調製方法によ
り作られた類似のゲル化剤よりも親有機性クレーゲル化
剤の粘度上昇能力を高めるのに役立つ。
スメクタイト型クレースラリーと有機カチオンとの反応
に先立って、そのスラリーを攪拌して20〜100℃、好ま
しくは45〜75℃の温度に加熱する。通常の攪拌速度はど
れもこの反応スラリーに適用できる。有機カチオンはそ
のままで、あるいは水にまたはイソプロピルアルコール
のような混和性有機溶剤と混合した水に分散させて添加
される。先に示したように、これらの後の方の2つの場
合は希釈された反応条件を達成するために行われる。有
機溶剤は有機物質を可溶化するために水と共に使用され
るが、比較的低い濃度であって最終の親有機性クレーの
性能に影響を及ぼさない。
有機カチオンの添加後、反応混合物は攪拌下に20〜100
℃、好ましくは45〜75℃の温度で、クレーへの有機カチ
オンの交換を可能にするのに十分な時間混合する。20℃
以下または100℃以上の反応温度も使用できるが、別の
装置(すなわち冷却装置や圧力反応がま)を必要とする
ので適当でない。
その後、反応生成物を濾過し、追加の水で再びスラリー
化して洗浄し、再度濾過する。親有機性クレーの形成後
に濾過生成物を洗浄することはハロゲン化ナトリウムの
ような塩類を除くために非常に望ましいが、生成物が希
釈反応条件下に製造される場合は、残存する塩の量が粘
度性能に対してほんのわずかに有害であるにすぎないの
で洗浄の必要がない。
親有機性クレーゲル化剤は反応混合物から分離した後に
乾燥させる。過去において、市販の親有機性クレーは一
般に約120〜約250℃の範囲の高温の空気流中で乾燥させ
ていた。本発明によれば、より穏やかな乾燥条件が改良
されたゲル化剤性能へと導き得ることが見出された。穏
やかな乾燥条件は剪断および/または希釈により得られ
た利点を保護しかつ増強するために重要である。
本発明のこの面による親有機クレーの穏和な乾燥は、湿
った親有機性クレーが乾燥中に約80℃を超えないように
実施される。この目的を達成する1つの方法は、親有機
性クレーゲル化剤を約0〜約80℃、好ましくは約0〜約
50℃の空気流中で、含水量が約5%未満好ましくは2%
未満となるまで乾燥することである。これとは別の、親
有機性クレーゲル化剤は約25〜約125℃好ましくは約25
〜約100℃の温度に保持された流動床中で乾燥させるこ
とができる。もちろん、流動床を使用する場合、その温
度および空気量は速やかな水の蒸発が流動床中の親有機
性クレーゲル化剤をそれが乾燥するまで約80℃以下に保
つように選択される。さらに別の方法として、親有機性
クレーゲル化剤は約0℃以下の温度で凍結乾燥させるこ
ともできる。
親有機性クレーゼル化剤は、乾燥後に、一般的にはハン
マーミルや類似の粉砕機を使って凝集塊を粉砕される。
粉砕された親有機性クレーゲル化剤は一般に約0.1〜約5
00ミクロン、好ましくは約1〜約150ミクロンの粒径を
有する。当然、親有機性クレーゲル化剤の意図する粒径
は使用情況により指定される。
予備活性化剤は種々の方法を用いて親有機性クレーと反
応させることができる。より詳細には、乾燥した親有機
性クレー粒子を周囲条件下で例えばP−Kブレンダーを
使用することにより粉末状の予備活性化剤(一般にその
粒径は約0.55mm以下である)と反応が起こるのに十分な
時間(一般に約1分〜約4時間、好ましくは約30〜約60
分、d−間隔の増加により測定可能)乾式ブレンドす
る。また、別法として、予備活性化剤を溶融するか、あ
るいは水、メタノール、エタノールまたはこれらの混合
物のような液体媒体中に分散させて、乾燥した親有機性
クレー粒子上へ、好ましくは接触と分布を改善するため
にかき混ぜながら、噴霧することもできる。
親有機性クレーが苛酷な乾燥条件(すなわち約80℃以
上)に付された場合には、予備活性化剤と親有機性クレ
ーをハンマーミル、リングローラーミル、ブリンクマン
ミル(Brinkman mill)または諸成分に剪断を付与し得
るその他の装置を使って、先に示したd−間隔の増加を
得るのに十分な時間乾式ミリングしうる。予備活性化剤
(先に述べた形体のいずれか)と親有機性クレーは乾式
ミリング装置に直接に導入されるか、または最初に別の
ミキサーで混合してから乾式ミリング工程にかけられ
る。
予備活性化剤はまた親有機性クレーを乾燥する前にその
クレーと反応させることができる。例えば、予備活性化
剤を形成された親有機性クレーゲル化剤を含むスラリー
に加えるか、あるいは予備活性化剤の分散液を作ってそ
れを親有機性クレーの濾過ケークに通す。もちろんこれ
らの場合に、スラリーや分散液中の予備活性化剤の濃度
は、適量の予備活性化剤が親有機性クレーと反応するよ
うに選択される。その後、予備活性化された親有機性ク
レーゲル化剤は好ましくは上記の緩和な条件下で乾燥さ
せ、上記のような適当な粒径に粉砕してすぐに使用に供
するかまたは包装される。
本発明の予備活性化された親有機性クレーゲル化剤は多
くの有利な性質を示す。とりわけ、予備活性化ゲル化剤
は取扱や搬送が簡単な乾燥形態(すなわち水分が約5%
未満、好ましくは2%未満)をしており、劣化すること
なく長期にわたって貯蔵することができる。
本発明の予備活性化された親有機性クレーゲル化剤は、
種々の有機組成物の粘度を効率よくかつ効果的に増すた
めに使用される。組成物に大いに依存するが、親有機性
クレーゲル化剤は例えば潤滑グリース、オイルベース粘
土、オイルベース、パッカー液、ペイント−ワニス−ラ
ッカー剥離剤、ペイント、化粧用ファンデーション、鋳
型造形、鋳物砂用粘結剤、接着剤、シーラント、イン
ク、ポリエステル積層用樹脂、ポリエステルゲルコート
のような有機組成物を増粘する際に慣用方法で使用でき
る。例えば、ベントナイトクレーまたはヘクトライトク
レーをジメチルジ水素化タロウアンモニウムカチオンと
反応させると、潤滑グリースを増粘するのによく適合し
たゲル化剤が形成される。その他の特定のゲル化剤は上
記の一般に譲渡された米国特許および後述する実施例か
ら確かめることができる。
本発明の予備活性化された親有機性クレーゲル化剤は、
往々にして非常に引火性である既知の極性活性剤を必要
とせずに、有機組成物を効果的にかつ効率よく増稠する
ことができる。極性活性剤を予備活性化された親有機性
クレーゲル化剤と共に使用することもできるが、この種
の極性活性剤は目的とする増稠された有機組成物を得る
のに必要でないと理解すべきである。
有機組成物中で使用される予備活性化親有機性クレーゲ
ル化剤の量は個々のゲル化剤、有機組成物および希望す
る増稠レベルに依存するが、一般に約1〜約12重量%、
好ましくは約4〜約8重量%の範囲である。組成物のゲ
ル化改良するためには、少量の水が存在すべきである。
水の量も変化しうるが、一般に有機組成物中に存在する
予備活性化親有機性クレーゲル化剤の約0.1〜約10重量
%、好ましくは約0.5〜約6.0重量%、最も好ましくは約
2.0〜約4.0重量%の範囲である。
本発明の予備活性化親有機性クレーゲル化剤を使用する
ことによって調製される潤滑グリースはよく知られた基
油を含有する。これらの基油は下記の1〜6でありう
る: 1. パラフィン系油、ナフテン系油またはこれらの混合
物である低粘度指数油および高粘度指数油:パラフィン
系油は通常C12−C24炭素鎖の直鎖状または分枝鎖状のパ
ラフィン系炭化水素から成る。ナフテン系油は環式飽和
炭化水素から成り、一般に芳香族炭化水素を含む。パラ
フィン系油は排他的にパラフィン系ではなく、ナフテン
系炭化水素をかなりの部分含有する。代表的な種類には
次のものが含まれる: 2. ポリグリコール類(合成油):ポリグリコール基油
はポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレ
ングリコールから成る。
3. 有機エステル類(合成油):有機エステルは二塩基
酸とモノヒドロキシアルコールの反応、または一塩基酸
とポリヒドロキシアルコールの反応から作られる。例え
ばジエステルはアゼライン酸と2−エチルヘキシルアル
コールから作られ、ジ(2−エチルヘキシル)アゼレー
トを生成する。モノエステルはペラルゴン酸とペンタエ
リトリトールから製造される。モノエステルの他の例は
ジプロピレングリコールジペラルゴネートであるだろ
う。
4. 合成炭化水素類:合成炭化水素は2つの種類:すな
わちポリアルファオレフィンおよびアルキル化芳香族炭
化水素から成る。ポリアルファオレフィンはアルファオ
レフインの制限された重合反応により製造される。例え
ば、四量体化1−オクテンは炭素原子数32の炭化水素を
層じ、三量体化1−デセンは炭素原子数30の炭化水素を
生じるであろう。ジアルキルベンゼンはアルキル化芳香
族炭化水素である。
5. シリコーン油:シリコーン油の代表的な組成はアル
キルメチルポリシロキサンである。シリコーン油の第二
のタイプはフェニルメチルシリコーンである。
6. 植物油およびその他のトリグリセリド類:ヒマシ
油、ホホバ油、アマニ油、綿実油など。
潤滑グリースに関するさらに詳しい情報および親有機性
クレーゲル化剤を用いてそれらがいかにして作られるか
は、ボナー(C.J.Boner)による“最新潤滑グリース(M
odern Lubricating Greases)”(サイエンティフィッ
ク・パブリケーションズ、英国シュラプシャー、ブロー
ズレー、1976)および“潤滑グリースガイド(Lubricat
ing Grease Guide)”(ナショナル・ルブリケーティン
グ・グリース・インスティチュート,64112ミズーリ州カ
ンサスシティー,ワイアンドットストリート4635,第1
版,1984)に示されている。
潤滑グリース用の特に有用な基油は非常に粘性の用材の
精製パラフィン系石油−潤滑油であるコノコ(Conoco)
5735オイル(コンチネンタル・オイル・カンパニーから
市販されている商品)である。一般的な組成は重量基準
でパラフィン系成分約68%、ナフテン系成分約28%およ
び芳香族成分約4%である。
潤滑グリースの製造に適する予備活性化親有機性クレー
ゲル化剤の有効性を立証するために、11/2インチ隔てた
勾配が10゜の2枚の羽根(直径41/2インチ)を備えたド
リルプレス攪拌機を使って、予備活性化親有機性クレー
ゲル化剤を8重量%の濃度でコノコ5735オイルと混合す
る。次に、このグリースプレゲルをソニック・コーポレ
ーション(Sonic Corporation)から入手しうるロータ
ー−ステーター型トリ−ホモ(Tri−Homo)ミル(ロー
ターとステーターの間隔は0.003インチであり、ポンプ
速度は230g/分である)に通す。このグリースを室温(2
5℃)まで冷却し、GCA/プレシッション・サイエンティ
フィック・カンパニー(GCA/Precision Scientific Com
pany)から市販されるグリース針入度計を使ってASTM法
D217−82により針入度を測定する。315以下の針入度は
親有機性クレーが効果的に予備活性化されたことを示
す。好ましくは、針入度は300以下であり、最も好まし
くは290以下である。
本発明の予備活性化親有機性クレーゲル化剤により増粘
された潤滑グリースが作業の際に安定であることを立証
するために、潤滑グリースをコーラー・インスツルメン
ト・カンパニー(Koehler Instrument Company)から市
販されるグリースワーカー(grease worker)に配置
し、60ストロークと10,000ストロークの後に針入度を測
定する。針入度の差は約50より小さく、好ましくは約25
より小さく、最も好ましくは約10より小さいであろう。
当技術分野においてはよく知られるように、潤滑グリー
スは適量の酸化防止剤、顔料、可溶性染料、さび止め
剤、耐摩耗および耐超圧力添加剤、粘着付与剤、金属粉
末、充填剤およびこれらの混合物をさらに含んでいても
よい。
以下の実施例および比較例は本発明を例示しかつ対比す
るために示される。しかし、実施例は本発明を限定する
ものと解釈されるべきでない。他に指定しない限り、す
べての百分率は全組成物の重量パーセントで表わされ
る。
実施例1 あらかじめ遠心して非クレー不純物をすべて除去し且つ
イオン交換してナトリウム型のクレーとしたワイオミン
グベントナイトの3.03%固形分の水性スラリー約40ガロ
ンを、5000psiの圧力でマントン−ゴーリンホモジナイ
ザーに通した。このスラリー5610.6gを適当な大きさ
(8リットル)の反応容器に入れ、水1133mlで希釈し
た。スラリーを攪拌しながら65℃に加熱した。このクレ
ースラリーに溶融した90%活性の塩化ジメチルビス(水
素化タロウ)アンモニウム110.30g(クレー100g当たり1
01ミリ当量)を注入した。温水56mlを用いて有機カチオ
ンを洗い落した。(反応スラリーに添加する水の量は、
クレースラリーに添加する場合、固体含量が2.5%とな
る量に等しい。)この混合物を65℃で30分攪拌し、固体
を減圧濾過器上に集めた。この濾過ケークを温水(60
℃)で洗い、40℃で16時間強制通風乾燥させて親有機性
クレーから残留水を除いた。乾いた親有機性クレーは0.
5mmの篩を備えた遠心ミルにより凝集塊を粉砕した。
乾燥および粉砕した親有機性クレー55gは、0.5mmの篩を
備えた遠心ミルであらかじめ粉砕しておいた1,6−ヘキ
サンジオール粉末7%(4.14g)および9%(5.44g)と
P−Kブレンダー内で1時間乾式ブレンドした。
予備活性化親有機性クレーゲル化剤の乾燥粉末試料およ
び非予備活性化対照を、前面にテープを張り付けた顕微
鏡用スライドガラスを有する標準粉末X線回折のサンプ
ルホルダーの中に、適度の手動圧力を使って詰めた。こ
のスライドガラスは詰めた粉末の表面がサンプルホルダ
ーと平らになるように、注意しながらサンプルホルダー
から取り除いた。次に、ホルダーをフィリップス3600X
線回折装置に入れ、CuKα線および標準走査条件を使用
して2θで表わして1.5−32゜から走査した。得られた
回折パターンは最も強いピークが2θで表わして2゜と
4゜の間にある一連のピークであった。このピークの正
確な角度を測定し、ブラッグの法則(Bragg′s Law):
すなわちλ=2d sinθ(ここでCu Kα線のλは1.54056
Åである)によりその間隔を計算した。その結果はオン
グストロームで表わされる試料のd(001)間隔であ
る。結果は次の通りである。
親有機性クレーの別の試料を、ベントナイトと塩化ジメ
チルビス(水素化タロウ)アンモニウムから上記の方法
に従って製造した。乾燥した親有機性クレーは、予備活
性化剤をエタノール/水混合溶剤中に分散させ、その分
散駅を親有機性クレーの攪拌部分に噴霧することによっ
て、いろいろな量の種々の予備活性化剤と反応させた。
その後、上記のようにd−間隔を測定し、その結果は次
の通りである。
実施例2 実施例1に従って親有機性クレー〔塩化ジメチルビス
(水素化タロウ)アンモニウムとベントナイトから製
造〕と7%(合計重量基準)の1,6−ヘキサンジオール
とを乾式ブレンドすることにより調製した予備活性化親
有機性クレーゲル化剤を7%の濃度でコノコ5735オイル
に加えた。グリースプレゲルは予備活性化ゲル剤とコノ
コオイルを450rpmで作動するドリルプレス攪拌機で5分
間混合することにより調製した。グリースの重量に対し
て0.1%の水を加え、そのプレゲルを450rpmでさらに25
分間混合した。プレゲルの粘度はブルックフィールドRV
T粘度計で測定した。グリースプレゲルはローターとス
テーターの間隙が0.003インチおよびポンプ速度が230g/
分のTri−Homoミルに通した。このグリースを室温まで
冷却し、GCA/Precision Scientific Companyから市販さ
れるグリース針入度計を使ってASTM法D217−82により針
入度を測定した。その後グリースをKoehler Instrument
Companyから市販されるグリースワーカーに配置して60
ストロークと104ストロークの後に針入度を測定した。
結果を表Iに示す。
比較例A 比較のために、実施例2の予備活性化親有機性クレーを
ベントン34〔BENTONE;NL Industriesの商標付き商品で
あって、慣用の処理条件下で作られる95m.e.r.ジメチル
ビス(水素化タロウ)アンモニウムベントナイトであ
る〕と置き換えた。0.1%の水の代わりに、親有機性ク
レーはグリースの重量に対して2%のアセトン(すなわ
ち、親有機性クレーとアセトンの合計重量に対して22
%)で活性化した。粘度のデータを表Iに示す。
比較例B 比較のために、実施例2の予備活性化親有機性クレーゲ
ル化剤を、0.5mmの篩を備えた遠心ミルであらかじめ粉
砕しておいた7%1,6−ヘキサンジオール粉末と乾式ブ
レンドしたベントン34と置き換えた。粘度のデータを表
Iに示す。
比較例C 比較のために、実施例2の親有機性クレーをバラゲル40
〔BARAGEL;NL Industriesの商標付き商品であって、慣
用の処理条件下で作られる100m.e.r.ジメチルビス(水
素換タロウ)アンモニウムベントナイトである〕で置き
換え、0.5mmの篩を備えた遠心ミルであらかじめ粉砕し
ておいた7%1,6−ヘキサンジオール粉末と乾式ブレン
ドした。粘度のデータを表Iに示す。
実施例3 あらかじめ遠心して非クレー不純物をすべて除去し且つ
イオン交換してナトリウム型クレーとしたワイオミング
ベントナイトの3.04%固形分の水性スラリー約40ガロン
を、5000psiの圧力でマントン−ゴーリンホモジナイザ
ーに通した。このスラリー8717.1gを適当な大きさ(40
リットル)の反応容器に入れ、水1325mlで希釈した。こ
のスラリーを攪拌しながら60℃に加熱した。イソプロパ
ノール310mlと水560mlに溶解した90%活性の塩化ジメチ
ルビス(水素化タロウ)アンモニウム171.9g(クレー10
0g当たり101m.e.)をこのスラリーに注入した。(反応
スラリーに加える水の量は、クレースラリーに加える場
合、固体含量が2.5%となる量に等しい。)この混合物
を60℃で30分攪拌し、固体を減圧濾過器上に集めた。濾
過ケークを温水(60℃)で洗った。この濾過ケークは水
中で再度スラリー化し、6.2%の1,6−ヘキサンジオール
を加え、40℃で24時間強制通気乾燥して残留水を除い
た。乾燥した予備活性過親有機性クレーゲル化剤は0.5m
mの篩を備えた遠心ミルでその凝集塊を粉砕した。
実施例4 実施例2の予備活性化親有機性クレーゲル化剤を、実施
例3の予備活性化親有機性クレーゲル化剤と置き換え
た。実施例3の予備活性化親有機性クレーゲル化剤はコ
ノコ5735オイル中7.5%の濃度で評価した。粘度のデー
タを表IIに示す。
比較例D 本発明組成物を用いて調製したグリースに0.1%の水を
添加しない場合の影響を調べるために、実施例2の予備
活性化親有機性クレーゲル化剤を実施例3のそれと置き
換えた。実施例3の予備活性化クレーゲル化剤はコノコ
5735オイル中7.5%の濃度で評価した。グリース配合物
には0.1%の水を加えなかった。粘度のデータを表IIに
示す。
実施例5 あらかじめ遠心して非クレー不純物をすべて除き且つイ
オン交換してナトリウム型クレーとしたワイオミングベ
トナイトの3.03%固形分の水性スラリー約40ガロンを、
5000psiの圧力でマントン−ゴーリンホモジナイザーに
通した。このスラリー21947gを適当な大きさ(40リット
ル)の反応容器に入れて水3253mlで希釈した。このスラ
リーを攪拌しながら60℃に加熱した。イソプロパノール
760mlと水1400mlに溶解した。90%活性の塩化ジメチル
ビス(水素化タロウ)アンモニウム431.5g(クレー100g
当たり101m.e.)をこのクレースラリー中に注入した。
(反応スラリーに加える水の量は、クレースラリーに加
える場合、固体含量が2.5%となる量に等しい。)この
混合物を60℃で30分攪拌し、固体を減圧濾過器上に集め
た。この濾過ケークは温水(60℃)で洗った。
実施例6 実施例5の洗浄濾過ケークの一部を水中で再びスラリー
化し、7.3%の1,6−ヘキサンジオールを加え、このスラ
リーを40℃で24時間強制通気乾燥させて残存する水を除
いた。乾燥した予備活性化親有機性クレーゲル化剤は0.
5mmの篩を備えた遠心ミルで凝集塊を粉砕した。
実施例7 実施例5の洗浄濾過ケークの一部を40℃で16時間強制通
気乾燥させて、親有機性クレーから残留水を除いた。乾
燥した親有機性クレーは、0.5mmの篩を備えた遠心ミル
で凝集塊を粉砕した。
実施例8 実施例2の予備活性化親有機性クレーゲル化剤を実施例
6のそれと置き換えた。実施例6の予備活性化親有機性
クレーゲル化剤はコノコ5735オイル中6.5%の濃度で評
価した。粘度のデータを表IIIに示す。
比較例E 予備活性化剤と親有機性クレーとを反応させる場合と対
照的に、予備活性化剤をグリース配合物に後添加する場
合の影響を調べるために、実施例2の予備活性化親有機
性クレーゲル化剤を実施例7の親有機性クレーと置き換
えた。実施例7の親有機性クレーはコノコ5735オイル中
6.0%の濃度で評価した。親有機性クレー/コノコオイ
ル混合物に0.1%の水を加え、さらに0.5mm篩を備えた遠
心ミルで前もって粉砕しておいた7.3%1,6−ヘキサンジ
オール(親有機性クレーと1,6−ヘキサンジオールの合
計重量に基づいた%)をそのグリース配合物に添加し
た。粘度のデータを表IIIに示す。
表IIIの粘度データは、親有機性クレー/オイル混合物
に後添加することにより予備活性化剤を使用する場合と
比較して、本発明の予備活性化親有機性クレーゲル化剤
がグリース系をゲル化するのに明らかに有利であること
を示している。本発明の予備活性化親有機性クレーゲル
化剤(実施例8)により示されたプレゲルの粘度上昇お
よびミルドグリースの粘度性能の改良は、本発明が親有
機性クレー(この場合は分散剤が別に後添加される)
(比較例E)よりもオイル系を一層容易に具体化してい
ることを示唆している。この粘度の改良は恐らく本発明
において観察されたd001基礎面間隔が親有機性クレーの
それよりも増大したことが原因しているであろう。d間
隔の増加は、親有機性クレーと分散剤がオイルへの導入
に先立って予備混合される場合に、これらの成分の間で
明らかな相互作用が生じることを示している。この例は
さらに、グリース成分の添加順序が重要であり且つ本発
明の予備活性化親有機性クレーゲル化剤を使用するグリ
ースの調製が非常に好ましいことを立証している。
実施例9 あらかじめ遠心処理して非クレー不純物をすべて除き且
つイオン交換してナトリウム型クレーとしたワイオミン
グベントナイトの3.04%固形分の水性スラリー約40ガロ
ンを、5000psiの圧力でマントン−ゴーリンホモジナイ
ザーに通した。このスラリー21875gを適当な大きさ(40
リットル)の反応容器に入れ、水3325mlで希釈した。こ
のスラリーを攪拌しながら60℃に加熱した。このクレー
スラリーに、イソプロパノール760mlと水1400ml中に溶
解した90%活性の塩化ジメチルビス(水素化タロウ)ア
ンモニウム431.5g(クレー100g当たり101m.e.)を注入
した。(反応スラリーに加える水の量は、クレースラリ
ーに加える場合、固体含量が2.5%となる量に等し
い。)この混合物を60℃で30分攪拌して減圧濾過器上に
固形分を集めた。この濾過ケークを温水(60℃)で洗っ
た。
実施例10 実施例9の洗浄濾過ケークの一部を水中で再びスラリー
化し、合計重量に基づいて9.6%の、イソプロパノール
に溶解したp−ニトロベンジルアルコールを加え、この
スラリーを40℃で24時間強制通気乾燥させて残存する水
を除いた。乾燥した予備活性化親有機性クレーゲル化剤
は、0.5mm篩を有する遠心ミルで凝集塊を粉砕した。
実施例11 実施例9の洗浄濾過ケークの一部を水中で再びスラリー
化し、合計重量に基づいて9.5%の、イソプロパノール
に溶解したフタリドを加え、このスラリーを40℃で24時
間強制通気乾燥させて残存する水を除いた。乾燥した予
備活性化親有機性クレーゲル化剤は0.5mm篩を備えた遠
心ミルで凝集塊も粉砕した。
実施例12 本発明の親有機性クレー用の予備活性化剤としてのニト
ロ化アルコールの機能を調べるために、実施例2の予備
活性化親有機性クレーゲル化剤を実施例10のそれと置き
換えた。粘度のデータを表IVに示す。
実施例13 本発明の親有機性クレー用の予備活性換剤としての芳香
族ケトンの機能を調べるために、実施例2の予備活性化
親有機性クレーゲル化剤を実施例11のそれと置き換え
た。粘度データを表IVに示す。
実施例14 あらかじめ遠心処理して非クレー不純物をすべて除き且
つイオン交換してナトリウム型クレーとしたワイオミン
グベントナイトの1.78%固形分の水性スラリー約40ガロ
ンを、5000psiの圧力でマントン−ゴーリンホモジナイ
ザーに通した。このスラリー10393gを適当な大きさ(40
リットル)の反応容器に入れ、65℃で攪拌下に加熱し
た。このクレースラリーに、91.7%活性のジメチルビス
(水素化タロウ)アンモニウム109.1g(クレー100g当た
り93.6m.e.)と89.8%活性の塩化ジメチルベンジル水素
化タロウアンモニウム9.24g(クレー100g当たり10.4m.
e.)、すなわち2M2Ht/2MBHtの90%/10%混合物の溶融し
て加えた。温水175mlを用いて有機カチオンが入ってい
た容器を洗い落した。(反応スラリーに加える水の量
は、クレースラリーに加える場合、固体含量が1.75%と
なる量に等しい。)この混合物を65℃で30分攪拌し、固
形分を減圧濾過器上に集めた。この濾過ケークを温水
(60℃)で洗い、40℃で16時間強制通気乾燥させて親有
機性クレーから残留水を除いた。乾燥した親有機性クレ
ーは0.5mm篩を備えた遠心ミルで凝集塊を粉砕した。
乾燥して粉砕した親有機性クレーは、あらかじめ0.5mm
篩を備えた遠心ミルで粉砕した7%(総重量基準)の1,
6−ヘキサンジオール粉末とP−Kブレンダー内で1時
間乾式ブレンドした。
実施例15 104m.e.(90%/10%2M2Ht/2MBHt)/ベントナイトから
成る親有機性クレーが、本発明の予備活性化親有機性ク
レーゲル化剤の親有機性クレー基剤として機能しうるこ
とを確かめるために、実施例2の予備活性化親有機性ク
レーゲル化剤を実施例14のそれと置き換えた。粘度デー
タは表Vに示す。
比較例F 比較のために、実施例2の予備活性化親有機性クレーゲ
ル化剤を、バラゲル(NL Industriesの商標付き商品で
あって、99me.r.〔90%ジメチルビス(水素化タロウ)
アンモニウム/10%ジメチルベンジル水素化タロウアン
モニウム〕ベントナイトである)と置き換えた。0.1%
の水の代わりに、この親有機性クレーはグリースの重量
に対して2%のアセトン(すなわち、親有機性クレーと
アセトンの合計重量の22%)で活性化した。粘度データ
は表Vに示す。
比較例G 比較のために、実施例2の予備活性化親有機性クレーゲ
ル化剤を、7%の1,6−ヘキサンジオール粉末(0.5mm篩
を備えた遠心ミルであらかじめ粉砕した)と乾式ブレン
ドしたバラゲルと置き換えた。粘度データを表Vに示
す。
比較例H 比較のために、実施例2の予備活性化親有機性クレーゲ
ル化剤を、第四アンモニウム化合物で改質したベントナ
イトクレー90%と2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオー
ル10%から成る自己活性化親有機性クレーのクレーアミ
ン(Clayamine)EPA(United Catalysts,Inc.からの商
品)と置き換えた。粘度データを表VIに示す。
上記データは、自己活性化クレーアミンEPAが本発明の
予備活性化親有機性クレーゲル化剤ほど有効なグリース
用ゲル化剤でないことを明確に示している。
実施例16 あらかじめ遠心処理して非クレー不純物をすべて除去し
且つイオン交換してナトリウム型クレーとしたワイオミ
ングベントナイトの3.03%固形分の水性スラリー約40ガ
ロンを、5000psiの圧力でマントン−ゴーリンホモジナ
イザーに通した。このスラリー21947gを適当な大きさ
(40リットル)の反応容器に入れ、水3253mlで希釈し
た。このスラリーを攪拌下60℃に加熱した。このクレー
スラリーに、イソプロパノール760mlと水1400mlに溶解
した90%活性の塩化ジメチルビス(水素化タロウ)アン
モニウム431.5g(クレー100g当たり、101m.e.)を注入
した。(反応スラリーに加える水の量は、クレースラリ
ーに加える場合、固体含量が2.5%となる量に等し
い。)この混合物を60℃で30分攪拌し、固形分を減圧濾
過器上に集めた。濾過ケークを温水(60℃)で洗い、40
℃16時間強制通気乾燥させて親有機性クレーから残留水
を除いた。乾燥した親有機性クレーは0.5mm篩を備えた
遠心ミルで粉砕して凝集塊を無くした。
比較例I 次の比較例は、米国特許第4435218号に記載の最も好ま
しい活性化剤(2,2ジメチル−1,3−プロパンジオール)
が、グリース系に使用される本発明の予備活性化親有機
性クレーゲル化剤用の有効な予備活性化剤でないことを
証明している。比較のために、実施例2の予備活性化親
有機性クレーゲル化剤を、4%(総重量基準)の2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジオール(0.5mm篩を備えた遠
心ミルであらかじめ粉砕した)と乾式ブレンドした実施
例16の親有機性クレーと、6.25%のゲル化剤濃度で置き
換えた。粘度データを表VIIに示す。
比較例J 比較のために、実施例2の予備活性換親有機性クレーゲ
ル化剤を、6%(総重量基準)の2,2−ジメチル−1,3−
プロパンジオールと乾式ブレンドし且つ0.5mm篩を備え
た遠心ミルで粉砕した実施例16の親有機性クレーと、6.
4%のゲル化剤濃度で置き換えた。粘度データを表VIIに
示す。
比較例K 比較のために、実施例2の予備活性化親有機性クレーゲ
ル化剤を、8%(総重量基準)の2,2−ジメチル−1,3−
プロパンジオールと乾式ブレンドし且つ0.5mm篩を備え
た遠心ミルで粉砕した実施例16の親有機性クレーと、6.
5%のゲル化剤濃度で置き換えた。粘度データを表VIIに
示す。
表VIIに示したデータは、種々の濃度の2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオールを本発明の予備活性化親有機性
クレーゲル化剤用の予備活性化剤として使用するとき、
高グリース粘度および良好な機械的安定性が達成されな
いことを示している。
実施例17 あらかじめ遠心処理して非クレー不純物をすべて除き且
つイオン交換してナトリウム型クレーとしたワイオミン
グベントナイトの3.17%固形分の水性スラリー約40ガロ
ンを、5000psiの圧力でマントン−ゴーリンホモジナイ
ザーに通した。このスラリー2839.1gを適当な大きさ
(8リットル)の反応容器に入れ、水561mlで希釈し
た。このスラリーを攪拌下65℃に加熱した。このクレー
スラリーに溶融した89.3%活性の塩化ベンジルメチルジ
水素勝タロウアンモニウム63.27g(クレー100g当たり10
4m.e.)を注入した。温水200mlで有機カチオンが入って
いた容器をすすいだ。(反応スラリーに加える水の量
は、クレースラリーに加える場合、固体含量が2.5%と
なる量に等しい。)この混合物を65℃で30分撹拌し、固
形分を減圧濾過器上に集めた。濾過ケークを温水(60
℃)で洗い、40℃で16時間強制通気乾燥させて親有機性
クレーから残留水を除いた。乾燥した親有機性クレーは
0.5mm篩を備えた遠心ミルで粉砕して凝集塊を無くし
た。
実施例18 実施例17の乾燥および粉砕した親有機性クレー55gを、
0.5mm篩を備えた遠心ミルであらかじめ粉砕しておいた
1,6−ヘキサンジオール粉末4.14g(予備活性化親有機性
クレーの総重量の7%を占める)とP−Kブレンダー内
で1時間乾式ブレンドした。
実施例19 本実施例は1,6−ヘキサンジオールと反応した親有機性
クレーを赤インク配合物中で使用するときの優れた分散
性について示す。基剤としての赤インクは処方例1に従
って調製した。
赤インクは処方例2に従って調製した。赤インク基剤10
0gを1パイント(0.473)入り容器に計量して加え、
ディスパーマットCV(カウレス・ディスパーセーター)
上3000rpmで1分混合した。1分後、実施例18で製造し
た予備活性化親有機性クレーゲル化剤をインクの渦中に
徐々に加えた。インク基剤へのゲル化剤の添加後、イン
クを3000rpmで15分間高速分散させた。5分、10分およ
び15分にNPIRI(National Printing Ink Research Inst
itute)練磨値を測定して分散性を評価した。5分で0.7
部の95%メタノール/5%水をインクに加えた。10分で、
Magiesol 47溶剤を加えてインクの粘着性を調整した。
分散性の評価は表VIIIに示す。インクは全体的な引っ掻
き傷およびバックグラウンドの曇りについて評価した。
中程度の重度の分散性評価は貧弱な分散性を示し、多く
の引っ掻き傷と中程度から重度のバックグラウンド曇り
をもたらす。軽度の評価は若干のバックグラウンド曇り
が明らかであるが比較的良好な分散性を示す。鮮明の評
価は大きな凝集塊や集合体が存在しない良好な分散性を
示す。
粘度は“落下棒粘度計(Falling Rod Viscometer)によ
る印刷インクおよびビヒクルの粘度″と題するASTM法D4
040−81に従って25℃でスイング・アルバート(Thwing
Albert)落下棒粘度計により測定した。分散性の測定、
粘度および降伏価を表VIIIに示す。降伏価とは流れを開
始させるのに必要な力である。
比較例L 実施例18の親有機性クレーゲル化剤は、実施例19に記載
のヒートセット赤インク配合物中の配合量と等しい量の
実施例17で製造した親有機性クレーゲル化剤と置き換え
た。
インク配合物についての分散性および粘度のデータを表
VIIIに示す。
表VIIIは、本発明に従って製造した組成物が比較例より
も優れた分散性を付与することを示している。
こうして本発明を説明してきたが、本発明は多くの方法
により変更し得ることが明らかであるだろう。しかしな
がら、この種の変更は本発明の精神および範囲から逸脱
するものと見なすべきでなく、この種の改変は全て特許
請求の範囲に含まれると解釈すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 115:10) C10N 30:00 A 50:10 70:00 (72)発明者 ウイリアム・ダブリュー・レイカート アメリカ合衆国,ニュー・ジャージー州, フリーホールド,ウィロウ・ブルック・ロ ード 17 (72)発明者 モーリエロー・デイ・キィーケ アメリカ合衆国,ニュー・ジャージー州, イングリッシュタウン,ジェーリッド・レ イン 3 (72)発明者 スティーヴン・ジェイ・ケムネッツ アメリカ合衆国,ニュー・ジャージー州, トレントン,テラス・ブールヴァード 1058 (72)発明者 アレックス・チャヴォニ アメリカ合衆国,ニュー・ジャージー州, ハミルトン,シャープス・レイン 334

Claims (70)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)i)クレー100g当たり少なくとも75ミ
    リ当量のカチオン交換容量を有するスメクタイト型クレ
    ーと、ii)該スメクタイト型クレーのカチオン交換容量
    の90〜150%の量の有機カチオンとの反応生成物である
    親有機性クレーゲル化剤、と b)親有機性ゲル化剤と反応した、フタリド、3−ヒド
    ロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド、4−ベンジル
    オキシプロピオフェノン、クエン酸トリエチル、2−フ
    ェノキシエタノール、1−フェニル−1、2−エタンジ
    オール、o−、m−およびp−ニトロベンジルアルコー
    ル、1,6−ヘキサンジオール、ヒマシ油、o−,m−およ
    びp−ニトロフェネチルアルコール、およびこれらの混
    合物からなる群から選択される予備活性化剤; から成る潤滑グリース用の乾燥した予備活性化親有機性
    クレーゲル。
  2. 【請求項2】スメクタイト型クレーがベントナイト、ヘ
    クトライトおよびこれらの混合物からなる群から選択さ
    れる特許請求の範囲第1項に記載の乾燥した予備活性化
    親有機クレーゲル化剤。
  3. 【請求項3】スメクタイト型クレーがベントナイトであ
    る特許請求の範囲第2項に記載の乾燥した予備活性化親
    有機性クレーゲル化剤。
  4. 【請求項4】有機カチオンの量がスメクタイト型クレー
    のカチオン交換容量の約100〜約130%である特許請求の
    範囲第1項に記載の乾燥した予備活性化親有機性クレー
    ゲル化剤。
  5. 【請求項5】有機カチオンの量がスメクタイト型クレー
    のカチオン交換容量の約100〜約116%である特許請求の
    範囲第4項に記載の乾燥した活性化親有機性ゲル化剤。
  6. 【請求項6】有機カチオンが12〜22個の炭素原子を有す
    る直鎖状または分岐鎖状の飽和また不飽和アルキル基少
    なくとも1個を含む特許請求の範囲第1項に記載の乾燥
    した予備活性化親有機性クレーゲル化剤。
  7. 【請求項7】有機カチオンが次式: [上記各式中、Xは窒素または燐であり、Yは硫黄であ
    り、R1は12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐
    鎖状の飽和または不飽和アルキル基であり、そしてR2
    R3およびR4は独立して(a)1〜22個の炭素原子を有す
    る直鎖状または分岐鎖状アルキル基;(b)構造のアル
    キル部分に直鎖状または分岐鎖状の1〜22個の炭素原子
    を有するベンジル基および置換ベンジル基(融合環基を
    含む)であるアラルキル基;(c)フェニル基および置
    換フェニル基(融合環芳香族基を含む)のようなアリー
    ル基;(d)6個以下の炭素原子を有するβ,γ−不飽
    和基または2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアル
    キル基;および(e)水素原子;から選択される]で表
    わされる有機カチオンの少なくとも1種である特許請求
    の範囲第6項に乾燥した予備活性化親有機性クレーゲル
    化剤。
  8. 【請求項8】有機カチオンがアンモニウムであり、R1
    よびR2が12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐
    鎖状の飽和または不飽和アルキル基であり、そしてR3
    よびR4が1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分岐
    鎖状の飽和または不飽和アルキル基である特許請求の範
    囲第7項に記載の乾燥した予備活性化親有機性クレーゲ
    ル化剤。
  9. 【請求項9】有機カチオンがジメチルビス(水素化タロ
    ウ)アンモニウムである特許請求の範囲第8項に記載の
    乾燥した予備活性化親有機性クレーゲル化剤。
  10. 【請求項10】有機カチオンがアンモニウムであり、R2
    がアルキル部分に1ないし12個の炭素原子を有する直鎖
    状または分岐鎖状の飽和または不飽和アルキル基を有す
    るアラルキル基であり、そしてR3およびR4が1〜12個の
    炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和または不
    飽和アルキル基である特許請求の範囲第7項に記載の乾
    燥した予備活性化有機性クレーゲル化剤。
  11. 【請求項11】有機カチオンがジメチルベンジル水素化
    タロウアンモニウムである特許請求の範囲第10項に記載
    の乾燥した予備活性化親有機性クレーゲル化剤。
  12. 【請求項12】有機カチオンがジメチルベンジルビス
    (水素化タロウ)アンモニウムとジメチルベンジル水素
    化タロウアンモニウムの混合物である特許請求の範囲第
    10項に記載の乾燥した予備活性化親有機性クレーゲル化
    剤。
  13. 【請求項13】予備活性化剤がフタリド、o−、m−お
    よびp−ニトロベンジルアルコール、o−、m−および
    p−ニトロフェネチルアルコール、1−フェニル−1,2
    −エタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれ
    らの混合物より成る群から選択される特許請求の範囲第
    1項に記載の乾燥した予備活性化親有機性クレーゲル化
    剤。
  14. 【請求項14】予備活性化剤が1,6−ヘキサンジオール
    である特許請求の範囲第13項に記載の乾燥した活性化親
    有機性クレーゲル化剤。
  15. 【請求項15】含水量が約5重量%以下である特許請求
    の範囲第1項に記載の乾燥した予備活性化クレーゲル化
    剤。
  16. 【請求項16】含水量が約2重量%以下である特許請求
    の範囲第15項に記載の乾燥した予備活性化親有機性クレ
    ーゲル化剤。
  17. 【請求項17】a)潤滑グリース用基油; b)親有機性クレーゲル化剤と予備活性化剤との反応生
    成物である予備活性化親有機性クレーゲル化剤であっ
    て、上記の親有機性クレーゲル化剤がクレー100g当たり
    少なくとも75ミリ当量のカチオン交換容量を有するスメ
    クタイト型クレーと、該スメクタイト型クレーのカチオ
    ン交換容量の90〜150%の量の有機カチオンとの反応生
    成物であり、上記の予備活性化剤がフタリド、3−ヒド
    ロキシ4−メトキシベンズアルデヒド、4−ベンジルオ
    キシプロピオフェノン、クエン酸トリエチル、2−フェ
    ノキシエタノール、1−フェニル1,2−エタンジオー
    ル、o−、m−およびp−ニトロベンジルアルコール、
    1,6−ヘキサンジオール、ヒマシ油、o−、m−および
    p−ヒトロフェネチルアルコールおよびこれらの混合物
    からなる群から選択されるもの;および c)該親有機性クレーゲル化剤の0.1〜10重量%の量の
    水; から成る予備活性化親有機性クレーゲル化剤で増稠され
    た潤滑グリース。
  18. 【請求項18】潤滑グリース基油が低粘度指数の油また
    は高粘度指数の油である特許請求の範囲第17項に記載の
    潤滑グリース。
  19. 【請求項19】潤滑グリース基油が高粘度指数の油であ
    る特許請求の範囲第18項に記載の潤滑グリース。
  20. 【請求項20】高粘度指数油が約68重量%のパラフィン
    系成分、約28重量%のナフテン系成分、および約4重量
    %の芳香族成分から成る特許請求の範囲第19項に記載の
    潤滑グリース。
  21. 【請求項21】スメクタイト型クレーがベントナイト、
    ヘクトライトおよびこれらの混合物からなる群から選択
    される特許請求の範囲第17項に記載の潤滑グリース。
  22. 【請求項22】スメクタイト型クレーがベントナイトで
    ある特許請求の範囲第21項に記載の潤滑グリース。
  23. 【請求項23】有機カチオンの量がスメクタイト型クレ
    ーのカチオン交換容量の約100〜約130%である特許請求
    の範囲第17項に記載の潤滑グリース。
  24. 【請求項24】有機カチオンの量がスメクタイト型クレ
    ーのカチオン交換容量の約100〜約116%である特許請求
    の範囲第23項に記載の潤滑グリース。
  25. 【請求項25】有機カチオンが12ないし22個の炭素原子
    を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和または不飽和アル
    キル基を少なくとも1個含む特許請求の範囲第17項に記
    載の潤滑グリース。
  26. 【請求項26】有機カチオンが次式: [上記式中、Xは窒素または燐であり、Yは硫黄であ
    り、R1は12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐
    鎖状の飽和または不飽和アルキル基であり、そしてR2
    R3およびR4は独立して(a)1〜22個の炭素原子を有す
    る直鎖状または分岐鎖状アルキル基;(b)構造のアル
    キル部分に直鎖状または分岐鎖状の1〜22個の炭素原子
    を有するベンジル基および置換ベンジル基(融合環基を
    含む)であるアラルキル基;(c)フェニル基および置
    換フェニル基(融合環芳香族置換基を含む)のようなア
    リール基;(d)6個以下の炭素原子を有するβ,γ−
    不飽和基または2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシ
    アルキル基;および(e)水素原子;から選択される]
    で表わされる有機カチオンの少なくとも1種である特許
    請求の範囲第25項に記載の潤滑グリース。
  27. 【請求項27】有機カチオンがアンモニウムであり、R1
    およびR2が12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分
    岐鎖状の飽和または不飽和アルキル基であり、そしてR3
    およびR4が1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分
    岐鎖状の飽和または不飽和のアルキル基である特許請求
    の範囲第26項に記載の潤滑グリース。
  28. 【請求項28】有機カチオンがジメチルビス(水素化タ
    ロウ)アンモニウムである特許請求の範囲第27項に記載
    の潤滑グリース。
  29. 【請求項29】有機カチオンがアンモニウムであり、R2
    がアルキル部分に1〜12個の炭素原子を有する直鎖状ま
    たは分岐鎖状の飽和または不飽和アルキル基を有するア
    ラルキル基であり、そしてR3およびR4が1〜12個の炭素
    原子を有する直鎖状または分岐鎖状の飽和または不飽和
    アルキル基である特許請求の範囲第26項に記載の潤滑グ
    リース。
  30. 【請求項30】有機カチオンがジメチルベンジル水素化
    タロウアンモニウムである特許請求の範囲第29項に記載
    の潤滑グリース。
  31. 【請求項31】有機カチオンがジメチルビス(水素化タ
    ロウ)アンモニウムとジメチルベンジル水素化タロウア
    ンモニウムの混合物である特許請求の範囲第17項に記載
    の潤滑グリース。
  32. 【請求項32】予備活性化剤がフタリド、o−、m−お
    よびp−ニトロベンジルアルコール、o−、m−および
    p−ニトロフェネチルアルコール、1−フェニル−1,2
    −エタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれ
    らの混合物から成る群から選択される特許請求の範囲第
    17項に記載の潤滑グリース。
  33. 【請求項33】予備活性化剤が1,6−ヘキサンジオール
    である特許請求の範囲第32項に記載の潤滑グリース。
  34. 【請求項34】予備活性化親有機性クレーゲル化剤の量
    が潤滑グリースの約1〜約12重量%である特許請求の範
    囲第17項に記載の潤滑グリース。
  35. 【請求項35】予備活性化親有機性クレーゲル化剤の量
    が潤滑グリースの約4〜約8重量%である特許請求の範
    囲第34項に記載の潤滑グリース。
  36. 【請求項36】水の量が予備活性化親有機性クレーゲル
    化剤の約0.5ないし約6.0重量%である特許請求の範囲第
    17項に記載の潤滑グリース。
  37. 【請求項37】水の量が予備活性化親有機性クレーゲル
    化剤の約2.0ないし約4.0重量%である特許請求の範囲第
    36項に記載の潤滑グリース。
  38. 【請求項38】未使用潤滑グリースが315以下の針入度
    (稠度)を有する特許請求の範囲第17項に記載の潤滑グ
    リース。
  39. 【請求項39】未使用潤滑グリーズが300以下の針入度
    を有する特許請求の範囲第17項に記載の潤滑グリース。
  40. 【請求項40】未使用潤滑グリースが290以下の針入度
    を有する特許請求の範囲第17項に記載の潤滑グリース。
  41. 【請求項41】60ストロークと10,000ストローク後の針
    入度の差が約50以下である特許請求の範囲第17項に記載
    の潤滑グリース。
  42. 【請求項42】60ストロークと10,000ストローク後の針
    入度の差が約25以下である特許請求の範囲第17項に記載
    の潤滑グリース。
  43. 【請求項43】60ストロークと10,000ストローク後の針
    入度の差が約10以下である特許請求の範囲第17項に記載
    の潤滑グリース。
  44. 【請求項44】a)クレー100g当たり少なくとも75ミリ
    当量のカチオン交換容量を有するスメクタイト型クレー
    のスラリーを調製し、 b)該スラリーを高剪断条件に付してクレーの凝集塊を
    分散させ、 c)該スメクタイト型クレーのカチオン交換容量の90〜
    150%の量の有機カチオンとを反応させて、それにより
    スメクタイト型クレーの少なくとも若干のカチオン交換
    部分を有機カチオンで置換して親有機性クレーゲル化剤
    を製造し; d)該親有機性クレーゲル化剤をカルボキシル基、ヒド
    ロキシル基、第一アミン基、第二アミン基、アミド基、
    アルデヒド基、ケトン基、エーテル基、エステル基、ニ
    トロ基およびスルホ基から成る群から選択される少なく
    とも1個の活性基を有する予備活性化剤と反応させ、そ
    れにより得られる予備活性化親有機性クレーゲル化剤が
    少なくとも1オングストロームのd−間隔の増加を示
    す;ことからなる予備活性化親有機性クレーゲル化剤の
    製造方法。
  45. 【請求項45】剪断クレーが、非剪断クレーと比較し
    て、メチレンブレー班点試験で測定して約10〜約50%の
    カチオン交換容量の増加を示す特許請求の範囲第44項に
    記載の方法。
  46. 【請求項46】剪断クレーが、非剪断クレーと比較し
    て、メチレンブルー班点試験で測定して約15〜約40%の
    カチオン交換容量の増加を示す特許請求の範囲第44項に
    記載の方法。
  47. 【請求項47】剪断クレーが、非剪断クレーと比較し
    て、約10〜約80%の中央値粒径の減少を示す特許請求の
    範囲第44項に記載の方法。
  48. 【請求項48】剪断クレーが、非剪断クレーと比較し
    て、約20〜約60%の中央値粒径の減少を示す特許請求の
    範囲第47項に記載の方法。
  49. 【請求項49】高剪断条件が約500〜約8000psiの圧力で
    マントン−ゴーリン−ホモジナイザー(Manton−Gaulin
    homogenizer)にスラリーを少なくとも1回通すことに
    より得られる特許請求の範囲第44項に記載の方法。
  50. 【請求項50】スメクタイト型クレーおよび有機カチオ
    ンを約0.5〜約2.5重量%のスメクタイト型クレーを含む
    スラリー中で反応させる特許請求の範囲第44項に記載の
    方法。
  51. 【請求項51】スラリーが約0.5〜約2重量%のスメク
    タイト型クレーを含む特許請求の範囲第50項に記載の方
    法。
  52. 【請求項52】親有機性クレーゲル化剤を予備活性化剤
    との反応に先立って乾燥する特許請求の範囲第44項に記
    載の方法。
  53. 【請求項53】親有機性クレーゲル化剤を該クレーゲル
    化剤の温度が80℃を超えないように乾燥する特許請求の
    範囲第52項に記載の方法。
  54. 【請求項54】親有機性クレーゲル化剤を0〜約80℃の
    空気流中で乾燥する特許請求範第53項に記載の方法。
  55. 【請求項55】親有機性クレーゲル化剤を0〜約50℃の
    空気流中で乾燥する特許請求の範囲第54項に記載の方
    法。
  56. 【請求項56】親有機性クレーゲル化剤を流動床中で乾
    燥する特許請求の範囲第53項に記載の方法。
  57. 【請求項57】親有機性クレーゲル化剤を凍結乾燥する
    特許請求の範囲第53項に記載の方法。
  58. 【請求項58】予備活性化剤と親有機性クレーゲル化剤
    とを乾式ブレンドすることにより反応させる特許請求の
    範囲第52項に記載の方法。
  59. 【請求項59】溶融した予備活性化剤または予備活性化
    剤の分散液と親有機性クレーゲル化剤とを接触させるこ
    とによって反応させる特許請求の範囲第52項に記載の方
    法。
  60. 【請求項60】親有機性クレーゲル化剤が予備活性化剤
    と反応させるときに湿っている特許請求の範囲第44項に
    記載の方法。
  61. 【請求項61】予備活性化剤の分散液を作り、それと湿
    った親有機性クレーゲル化剤とを接触させる特許請求の
    範囲第60項に記載の方法。
  62. 【請求項62】予備活性化された親有機性クレーゲル化
    剤をその温度が80℃を超えないように乾燥する特許請求
    の範囲第60項に記載の方法。
  63. 【請求項63】予備活性化された親有機性クレーゲル化
    剤を0〜約80℃の空気流中で乾燥する特許請求の範囲第
    62項に記載の方法。
  64. 【請求項64】予備活性化された親有機性クレーゲル化
    剤を0〜約50℃の空気流中で乾燥する特許請求の範囲第
    63項に記載の方法。
  65. 【請求項65】予備活性化親有機性クレーゲル化剤を流
    動床中で乾燥する特許請求の範囲第62項に記載の方法。
  66. 【請求項66】予備活性化親有機性クレーゲル化剤を凍
    結乾燥する特許請求の範囲第62項に記載の方法。
  67. 【請求項67】親有機性クレーゲル化剤を約80℃以上の
    温度で乾燥し、その後予備活性化剤とともに乾式ミリン
    グする特許請求の範囲第44項に記載の方法。
  68. 【請求項68】予備活性化剤がフタリド、3−ヒドロキ
    シ−4−メトキシベンズアルデヒド、4−ベンジルオキ
    シプロピオフェノン、クエン酸トリエチル、2−フェノ
    キシエタノール、1−フェニル−1,2−エタンジオー
    ル、o−、m−およびp−ニトロベンジルアルコール、
    1,6−ヘキサンジオール、ヒマシ油、o−、m−および
    p−ニトロフェネチルアルコールおよびこれらの混合物
    から成る群から選択される特許請求の範囲第44項に記載
    の方法。
  69. 【請求項69】予備活性化剤がフタリド、o−、m−お
    よびp−ニトロベンジルアルコール、o−、m−および
    p−ニトロフェネチルアルコール、1−フェニル−1,2
    −エタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびこれ
    らの混合物から選択される特許請求の範囲第68項に記載
    の方法。
  70. 【請求項70】予備活性化剤が1,6−ヘキサンジオール
    である特許請求の範囲第69項に記載の方法。
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