JPH0710853A - 3−アシル−1,3−チアゾリジン−2−チオン類の製造法 - Google Patents

3−アシル−1,3−チアゾリジン−2−チオン類の製造法

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JPH0710853A
JPH0710853A JP15556693A JP15556693A JPH0710853A JP H0710853 A JPH0710853 A JP H0710853A JP 15556693 A JP15556693 A JP 15556693A JP 15556693 A JP15556693 A JP 15556693A JP H0710853 A JPH0710853 A JP H0710853A
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JP
Japan
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thiazolidine
acyl
compound
mmol
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JP15556693A
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English (en)
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Toshio Isobe
敏男 磯部
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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  • Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 カルボン酸類と2−メルカプト−2−チアゾ
リン類を、一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってそれぞれ低級
アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を、nは2又は3
の整数を示す〕で表わされるハロイミニウム塩を脱水剤
として使用して、反応させる3−アシル−1,3−チア
ゾリジン−2−チオン類の製造法。 【効果】 容易に、かつほぼ中性の穏やかな条件で、工
業的に有利に3−アシル−1,3−チアゾリジン−2−
チオン類を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業試薬又は合成中間
体として有用な3−アシル−1,3−チアゾリジン−2
−チオン類を工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−アシル−1,3−チアゾリジン−2
−チオン類は水素化ホウ素ナトリウムによりアルコール
に変換され、またジイソブチルアルミニウムヒドリドに
よりアルデヒドに変換されることから、カルボン酸類の
アルコール又はアルデヒドへの変換の重要な中間体であ
り〔J.Chem.Soc.,Chem.Commu
n.,1978,330:Chemistry Let
t.,1977,1443〕、また高度な化学選択性を
有していることから、アミノ酸の化学選択的アシル化や
ペプチド合成に用いられ〔Chemistry Let
t.,1981,463:Tetrahedron L
ett.,36,3467(1981)〕、更に大環状
ジアミド合成〔Chemistry Lett.,19
80,159〕や不斉アルドール縮合〔有合化,44
71(1986)〕に用いられるなど、工業上重要な化
合物である。
【0003】従来、この3−アシル−1,3−チアゾリ
ジン−2−チオン類を製造する方法としては、カルボン
酸類を塩化チオニル等のハロゲン化試薬を用いて酸ハロ
ゲン化物とした後、これに2−メルカプト−2−チアゾ
リン類若しくはそのタリウム塩を反応させる方法、ある
いはカルボン酸類と2−メルカプト−2−チアゾリン類
をジシクロヘキシルカルボジイミドを用いて縮合させる
方法等が知られている。
【0004】しかしながら、酸ハロゲン化物を用いる方
法は、カルボン酸類から酸ハロゲン化物を製造するため
の余分な工程を必要とすると共に、これに用いるハロゲ
ン化試薬が、腐食性の強いハロゲン化水素を発生するこ
とから、工業的規模での実施においては特殊な反応容器
を必要とし、かつアルカリ洗浄塔等の設備を備えなけれ
ばならない。更に、この反応系は強酸性となるため、酸
に弱い官能基を有するカルボン酸類には適用できない
か、又は収率が低いという欠点があった。また、酸ハロ
ゲン化物と2−メルカプト−2−チアゾリン類のタリウ
ム塩とを反応させる方法は、高価で毒性の強いタリウム
を用いなければならないという欠点がある。
【0005】また、ジシクロヘキシルカルボジイミドを
用いる方法は、ジシクロヘキシル尿素が大量に副生する
ためその分離精製が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、原料カルボン
酸をそのまま用いることができ、カルボン酸の性質に影
響されず、工業的に有利に3−アシル−1,3−チアゾ
リジン−2−チオン類を製造する方法の開発が望まれて
いた。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者は、3−アシル−1,3−チアゾリジン−2−チ
オン類の新たな製造法を見出すべく鋭意研究を行った結
果、下記一般式(1)で表わされるハロイミニウム塩を
脱水剤として用いれば、ほぼ中性の穏やかな条件下で、
カルボン酸類と2−メルカプト−2−チアゾリン類を直
接反応させ、高収率で3−アシル−1,3−チアゾリジ
ン−2−チオン類を製造できることを見出し、本発明を
完成させた。
【0008】本発明方法は次の反応式によって示され
る。
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
それぞれ低級アルキル基を、Xはハロゲン原子を、nは
2又は3の整数を、R3 は有機基を、Bは塩基を示す〕
【0011】すなわち本発明は、カルボン酸類(2)と
2−メルカプト−2−チアゾリン類(3)を、ハロイミ
ニウム塩(1)を脱水剤として使用し、反応させて3−
アシル−1,3−チアゾリジン−2−チオン類(5)を
製造する方法である。
【0012】本発明に用いるハロイミニウム塩は一般式
(1)で表わされるものであり、式中、R1 及びR2
示される低級アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアル
キル基が挙げられる。また、Xで示されるハロゲン原子
としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子が挙げられるが、就中、塩素原子が特に好ましい。ハ
ロイミニウム塩(1)の好ましい具体例としては、2−
クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライ
ド、2−クロロ−1,3−ジメチル−3,4,5,6−
テトラヒドロピリミジニウムクロライド等を挙げること
ができる。
【0013】このハロイミニウム塩(1)は、例えば入
手容易な溶剤として知られている前記一般式(6)で表
わされる化合物に、オキザリルハロゲニド、三ハロゲン
化リン、五ハロゲン化リン、オキシハロゲン化リン、ホ
スゲン、トリクロロメチルクロロホルメート等の自体公
知のハロゲン化剤を反応せしめることにより容易に得ら
れる。この反応は、化合物(6)又はハロゲン化剤の何
れか一方を四塩化炭素等の適当な溶媒に溶かしておき、
これに他方を少量ずつ添加し、更に室温〜70℃で数時
間〜十数時間反応させることによって行われる。斯くし
て得られたハロイミニウム塩(1)は単離することもで
きるが、単離することなく、その反応液を本発明の反応
に使用することもできる。
【0014】本発明方法に用いる原料化合物であるカル
ボン酸類は特に制限されないが、例えば式(2)で表わ
されるものが挙げられる。式中、R3 で示される基とし
ては、置換基を有していてもよいアルキル基、アルケニ
ル基、芳香族基若しくは複素環式基等が挙げられる。当
該置換基にはエーテル結合やオレフィン結合等を含む置
換基を有していてもよい。
【0015】Bで示される塩基としては、2,6−ルチ
ジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン
等が挙げられる。
【0016】本発明方法を実施するには、カルボン酸類
(2)1モルに対し、2−メルカプト−2−チアゾリン
類(3)1モル、ハロイミニウム塩(1)を約1モル及
び塩基(4)を約2モル加え、室温付近で反応させれば
よい。反応溶媒は、用いなくともよいが、ジクロルメタ
ン、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素、炭化水
素、エーテル類、芳香族炭化水素等の反応に関与しない
溶媒を用いることもできる。更に反応装置は工業的規模
で行う場合であっても、グラスライニング等の特殊な反
応釜でなく、通常のステンレス反応釜を用いることがで
きる。本発明方法では、ハロイミニウム塩(1)が水溶
性化合物(6)に変化するために分離精製も容易であ
る。従って、反応混合物からの目的とする3−アシル−
1,3−チアゾリジン−2−チオン類の単離は、蒸留、
再結晶等の常法により簡便に行うことができる。
【0017】
【発明の効果】本発明方法によれば、ほぼ中性の穏やか
な条件で、カルボン酸類から3−アシル−1,3−チア
ゾリジン−2−チオン類を効率よく製造することができ
る。
【0018】実施例1 3−ピバロイル−1,3−チアゾリジン−2−チオンの
製造:塩化メチレン100ml中に、ピバリン酸2.6g
(25mmol)、2−メルカプト−2−チアゾリン3.0
g(25mmol)及び2−クロロ−1,3−ジメチルイミ
ダゾリニウムクロライド5.1g(30mmol)を溶解さ
せ、この中に2,6−ルチジン6.5g(60mmol)を
ゆっくりと滴下した。この後、室温で71.5時間放置
し、次いで反応液に水を加えクロロホルムで抽出した。
この抽出液を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下溶媒を留去して黄褐色結晶性残渣を6.8g得
た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:n−
ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物を5.
1g(収率100%)得た。更に、これをn−ヘキサン
中で懸濁した後濾過し、純品を3.7g(収率73%)
得た。mp.58.2〜58.7℃。
【0019】実施例2 3−ベンゾイル−1,3−チアゾリジン−2−チオンの
製造:塩化メチレン100ml中に、安息香酸3.1g
(25mmol)、2−メルカプト−2−チアゾリン3.0
g(25mmol)及び2−クロロ−1,3−ジメチルイミ
ダゾリニウムクロライド5.1g(30mmol)を溶解さ
せ、この中にトリエチルアミン6.1g(60mmol)を
ゆっくりと滴下した。この後、室温で2日間放置し、次
いで反応液に水を加え塩化メチレンで抽出した。この抽
出液を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶
媒を留去して黄色油状物を7.1g得た。これをシリカ
ゲルクロマトグラフィー(溶媒:n−ヘキサン/酢酸エ
チル)にて精製し、黄色結晶の標記化合物を3.7g
(収率66%)得た。更に、これをエタノールで再結晶
させて純品を得た。mp.108.3〜108.9℃。
【0020】実施例3 3−シンナモイル−1,3−チアゾリジン−2−チオン
の製造:塩化メチレン100ml中に、桂皮酸3.7g
(25mmol)、2−メルカプト−2−チアゾリン3.0
g(25mmol)及び2−クロロ−1,3−ジメチルイミ
ダゾリニウムクロライド5.1g(30mmol)を溶解さ
せ、この中に2,6−ルチジン6.5g(60mmol)を
ゆっくりと滴下した。この後、室温で2日間放置し、次
いで反応液に水を加え塩化メチレンで抽出した。この抽
出液を水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶
媒を留去して褐色粘稠油状物を8.5g得た。これをシ
リカゲルクロマトグラフィー(溶媒:n−ヘキサン/酢
酸エチル)にて精製し、黄色結晶の標記化合物を4.7
g(収率75%)得た。mp.81.6〜82.5℃。
【0021】実施例4 3−(2−フロイル)−1,3−チアゾリジン−2−チ
オンの製造:塩化メチレン100ml中に、2−フランカ
ルボン酸2.8g(25mmol)、2−メルカプト−2−
チアゾリン3.0g(25mmol)及び2−クロロ−1,
3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド5.1g(3
0mmol)を溶解させ、この中に2,6−ルチジン6.5
g(60mmol)をゆっくりと滴下した。この後、室温で
2日間放置し、次いで反応液に水を加え塩化メチレンで
抽出した。この抽出液を水洗後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、減圧下溶媒を留去して結晶性残渣を6.5g得
た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:n−
ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、黄色結晶の標記化
合物を4.3g(収率80%)得た。mp.135〜1
35.5℃。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸類と2−メルカプト−2−チ
    アゾリン類を、一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってそれぞれ低級
    アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を、nは2又は3
    の整数を示す〕で表わされるハロイミニウム塩を脱水剤
    として使用して、反応させることを特徴とする3−アシ
    ル−1,3−チアゾリジン−2−チオン類の製造法。
JP15556693A 1993-06-25 1993-06-25 3−アシル−1,3−チアゾリジン−2−チオン類の製造法 Pending JPH0710853A (ja)

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