JPH0859604A - スルフィド類の製造法 - Google Patents

スルフィド類の製造法

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JPH0859604A
JPH0859604A JP19138694A JP19138694A JPH0859604A JP H0859604 A JPH0859604 A JP H0859604A JP 19138694 A JP19138694 A JP 19138694A JP 19138694 A JP19138694 A JP 19138694A JP H0859604 A JPH0859604 A JP H0859604A
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JP
Japan
Prior art keywords
sulfide
formula
sulfoxide
reaction
haloiminium salt
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JP19138694A
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English (en)
Inventor
Toshio Isobe
敏男 磯部
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スルホキシド類に、次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってそれぞれ低級
アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは2又
は3の整数を示す〕で表わされるハロイミニウム塩を反
応させるスルフィド類の製造法。 【効果】 容易に、かつほぼ中性の穏やかな条件で、工
業上有利に有機合成や有機合成の中間体等に有用なスル
フィド類を短時間に効率よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スルフィド類の製造法
に関し、更に詳細には特殊なハロイミニウム塩を用いて
スルホキシド類からスルフィド類を工業上有利に製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スルフィド類は、C−S結合に特有な反
応性を示し、単純なスルフィドから多様の有用な官能基
を有するスルフィドに変換でき、更に反応後に硫黄を除
去すれば炭素骨格を変換した化合物が得られることから
有機合成において有用なものである。また、スルホンや
スルホニウム塩、イリド等の多くの有機硫黄化合物の合
成原料として用いられるなど、有機合成における中間体
としても有用である(第4版 実験化学講座 24巻
336ページ 日本化学会編)。
【0003】従来、スルフィド類の製造法としてはいく
つかの方法が報告されているが、その中の一つとしてス
ルホキシド類の脱酸素還元反応による方法が知られてい
る。そして、このスルホキシド類の脱酸素還元反応によ
るスルフィド類の製造方法としては、1)塩酸、ヨウ化
水素酸等のハロゲン化水素酸を用いる方法、2)トリフ
ェニルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリス
(トリメチルシリル)ホスファイト等の三配位リン化合
物を用いる方法、3)オキザリルクロライド/ヨウ化ナ
トリウム、三塩化リン等のハロゲン化剤を用いる方法、
4)水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニ
ウム等の金属水素化物を用いる方法、5)硫化水素を用
いる方法等が知られている。
【0004】しかしながら、1)及び3)のハロゲン化
水素酸やハロゲン化剤を用いる方法は反応系が強酸性と
なるため、酸に弱い官能基を有するスルホキシド類には
適用できないか、又は収率が低下する。更には腐食性の
強いハロゲン化水素が発生するため、工業的規模での実
施に際しては特殊な反応容器を必要とし、アルカリ洗浄
塔等の設備を備えなければならないという問題もある。
また、2)のトリフェニルホスフィン等の三配位リン化
合物を用いる方法は、毒性の強いリン化合物を用いなけ
ればならないと共に、反応終了後にホスフィンオキシド
を大量に副生することから分離精製が困難であった。
4)の金属水素化物を用いる方法は、金属水素化物によ
り還元される官能基を有しているスルホキシド類では、
スルホキシドのみを選択的に還元することが困難であ
り、5)の硫化水素を用いる方法においては、硫化水素
の毒性が極めて強いことから、その取り扱いには細心の
注意が必要であるという欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は原料の性質に影響されず、穏和な条件下で、工業的に
有利にスルホキシド類からスルフィド類を製造する方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者は、スルフィド類の新たな製造法を見出すべく鋭
意研究を行った結果、下記一般式(1)で表わされるハ
ロイミニウム塩を脱酸素還元剤として用いれば、ほぼ中
性の穏やかな条件下で、スルホキシド類からスルフィド
類を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】本発明方法は次の反応式によって示され
る。
【0008】
【化2】
【0009】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
それぞれ低級アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示
し、nは2又は3の整数を示す。R3 及びR4 は同一又
は異なってそれぞれ有機基を示す〕
【0010】すなわち本発明は、スルホキシド類(2)
にハロイミニウム塩(1)を反応せしめてスルフィド類
(3)を製造する方法である。
【0011】本発明に用いるハロイミニウム塩は一般式
(1)で表わされるものであり、式中、R1 及びR2
示される低級アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基等が挙げられる。また、Xで示されるハロ
ゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子が挙げられるが、就中、塩素原子、臭素原子
が特に好ましい。ハロイミニウム塩(1)の好ましい具
体例としては、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾ
リニウムクロライド、2−クロロ−1,3−ジメチル−
3,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムクロライ
ド、2−ブモロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムブ
ロマイド、2−ブロモ−1,3−ジメチル−3,4,
5,6−テトラヒドロピリミジニウムブロマイド等を挙
げることができる。
【0012】このハロイミニウム塩(1)は、例えば入
手容易な溶剤として知られている前記一般式(4)で表
わされる化合物に、オキザリルハロゲニド、三ハロゲン
化リン、五ハロゲン化リン、オキシハロゲン化リン、ホ
スゲン、トリクロロメチルクロロホルメート等の自体公
知のハロゲン化剤を反応せしめることにより容易に得ら
れる。この反応は、化合物(4)又はハロゲン化剤の何
れか一方を四塩化炭素等の適当な溶媒に溶かしておき、
これに他方を少量ずつ添加し、更に室温〜70℃で数時
間〜十数時間反応させることによって行われる。斯くし
て得られたハロイミニウム塩(1)は単離することもで
きるが、単離することなく、その反応液を本発明の反応
に使用することもできる。
【0013】本発明方法に用いる原料化合物であるスル
ホキシド類(2)において、R3 及びR4 で示される有
機基としては、置換基を有していてもよいアルキル基、
アルケニル基、芳香族基若しくは複素環式基等が挙げら
れる。更にスルホキシド類がエーテル結合、オレフィン
結合、カルボニル基等を含む置換基を有していてもよ
い。
【0014】本発明方法を実施するには、スルホキシド
類(2)1モルに対し、ハロイミニウム塩(1)を約1
モル加え、室温付近で反応させればよい。反応溶媒は用
いなくともよいが、ジクロルメタン、ジクロルエタン等
のハロゲン化炭化水素、エーテル類、芳香族炭化水素等
の反応に関与しない溶媒を用いることもできる。更に反
応装置は工業的規模で行う場合であっても、グラスライ
ニング等の特殊な反応釜でなく、通常のステンレス反応
釜を用いることができる。本発明方法では、ハロイミニ
ウム塩(1)が水溶性化合物(4)に変化するため分離
精製も容易である。従って、反応混合物から目的とする
スルフィド類の単離は、蒸留や再結晶等の常法により簡
便に行うことができる。
【0015】
【発明の効果】本発明方法によれば、ほとんど中性の穏
やかな条件で、スルホキシド類より有機合成や有機合成
の中間体等に有用なスルフィド類を短時間に効率よく製
造することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。
【0017】実施例1 ジベンジルスルフィドの製造:ジクロロメタン50ml中
にジベンジルスルホキシド3.0g(13mmol)及び2
−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライ
ド2.6g(15mmol)を加え、室温で24時間攪拌し
た。次いで、反応液に水を加えてジクロロメタンで抽出
し、この抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下溶媒を留去して3.3gの淡黄色油状物を得た。この
油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:n−ヘ
キサン/酢酸エチル)で精製し、標記化合物を2.0g
(収率71%)得た。 IR;νmax neat(cm-1) 1455,765,695.
【0018】実施例2 ジ−n−ヘキシルスルフィドの製造:ジクロロメタン1
00ml中にジ−n−ヘキシルスルホキシド2.9g(1
3mmol)及び2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリ
ニウムクロライド2.8g(16mmol)を加え、室温で
19時間攪拌した。以下、実施例1と同様の操作を行
い、標記化合物を1.7g(収率63%)得た。 IR;νmax neat(cm-1) 725.
【0019】実施例3 ジ(4−クロロフェニル)スルフィドの製造:ジクロロ
メタン8ml中にジ(4−クロロフェニル)スルホキシド
350mg(1.3mmol)を溶解し、2−ブロモ−1,3
−ジメチルイミダゾリニウムブロマイド380mg(1.
5mmol)を加え、室温で3.5時間攪拌した。以下、実
施例1と同様の操作を行い、標記化合物を220mg(収
率67%)得た。 IR;νmax KBr(cm-1) 1470,1425,72
0.
【0020】実施例4 ジ(4−クロロフェニル)スルフィドの製造:ジクロロ
メタン6ml中に2−ブロモ−1,3−ジメチル−3,
4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムブロマイド4
80mg(1.8mmol)及びジ(4−クロロフェニル)ス
ルホキシド399mg(1.5mmol)を加え、室温で4時
間攪拌した。以下、実施例1と同様の操作を行い、標記
化合物を187mg(収率50%)得た。
【0021】実施例5 ベンジル−3−メチルフェニルスルフィドの製造:ジク
ロロメタン8ml中に2−ブロモ−1,3−ジメチルイミ
ダゾリニウムブロマイド300mg(1.2mmol)及びベ
ンジル3−メチルフェニルスルホキシド223mg(0.
97mmol)を加え、室温で3.5時間攪拌した。以下、
実施例1と同様の操作を行い、標記化合物を125mg
(収率60%)得た。 IR;νmax neat(cm-1) 1440,755,695,
675.

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホキシド類に、次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってそれぞれ低級
    アルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは2又
    は3の整数を示す〕で表わされるハロイミニウム塩を反
    応させることを特徴とするスルフィド類の製造法。
JP19138694A 1994-08-15 1994-08-15 スルフィド類の製造法 Pending JPH0859604A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0895991A2 (en) * 1997-08-06 1999-02-10 Mitsui Chemicals, Inc. Halogenating agent

Cited By (5)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0895991A2 (en) * 1997-08-06 1999-02-10 Mitsui Chemicals, Inc. Halogenating agent
EP0895991A3 (en) * 1997-08-06 2001-09-05 Mitsui Chemicals, Inc. Halogenating agent
US6329529B1 (en) 1997-08-06 2001-12-11 Mitsui Chemicals, Inc. Nitrogen-based halogenating agents and process for preparing halogen-containing compounds
US6458990B1 (en) 1997-08-06 2002-10-01 Mitsui Chemicals, Inc. Nitrogen-based halogenating agents and process for preparing halogen-containing compounds
US6632949B2 (en) 1997-08-06 2003-10-14 Mitsui Chemicals, Inc. Halogenating agents

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