JPH0525155A - カルボン酸無水物の製造法 - Google Patents

カルボン酸無水物の製造法

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JPH0525155A
JPH0525155A JP18237191A JP18237191A JPH0525155A JP H0525155 A JPH0525155 A JP H0525155A JP 18237191 A JP18237191 A JP 18237191A JP 18237191 A JP18237191 A JP 18237191A JP H0525155 A JPH0525155 A JP H0525155A
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JP
Japan
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carboxylic acid
reacting
acid anhydride
haloiminium salt
chloride
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JP18237191A
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English (en)
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Toshio Isobe
敏男 磯部
Masaaki Saito
正昭 斉藤
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カルボン酸類に次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってそれぞれ低級
アルキル基を、Xはハロゲン原子を、nは2又は3を示
す〕で表わされるハロイミニウム塩を縮合剤として反応
させることを特徴とするカルボン酸無水物の製造法。 【効果】 本発明方法によれば、ほとんど中性、かつ穏
やかな条件で、カルボン酸類よりカルボン酸無水物を効
率よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な縮合剤を用いた、
医薬品や農薬の合成中間体として有用なカルボン酸無水
物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】医薬品や農薬に用いられる化合物には分
子内にエステルやアミド結合を有する化合物が多く、こ
れらの化合物は一般にカルボン酸無水物とアルコールあ
るいはアミンとを反応させることにより製造せられてい
る。従って、カルボン酸無水物は医薬品や農薬の合成中
間体として有用な化合物である。
【0003】従来、カルボン酸無水物はカルボン酸類か
ら製造されているが、この方法としては、例えば(1)
モノカルボン酸類を加熱脱水する方法、(2)低級脂肪
酸の酸無水物と目的カルボン酸とを反応させて交換反応
を行う方法、(3)カルボン酸塩化物とカルボン酸の塩
とを反応させる方法、(4)塩化チオニル、スルホン酸
クロリド、塩化ホスホリルなどのハロゲン化合物を脱水
縮合剤としてモノカルボン酸類に反応させる方法等が知
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
の方法は反応進行が極めて遅く、実用的でないことが知
られている〔J.Am.Chem.Soc.,74,1
515,(1952)〕。また、(2)及び(3)の方
法は不均化に高温への加熱を必要とし、例えば(2)の
方法において低級脂肪酸無水物として無水酢酸を用いた
場合は無水酢酸の還流温度を必要とする〔J.Am.C
hem.Soc.,63,699(1941)〕。更
に、(4)の方法は、腐食性の強いハロゲン水素を発生
するため、工業的規模での実施に際しては特殊な反応容
器を必要とし、アルカリ洗浄塔等の設備を備えなければ
ならなかった。また反応系が強酸性となるため、酸に弱
い官能基を有するカルボン酸類には適用できないか、又
は収率が低下するという欠点があった。
【0005】従って、原料カルボン酸類の性質に影響さ
れず、高温に加熱する必要がなく工業的に有利にカルボ
ン酸無水物を製造する方法の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、カ
ルボン酸無水物の製造法について鋭意研究を行っていた
ところ、下記一般式(1)で表わされるハロイミニウム
塩を縮合剤として用いれば、ほとんど中性で、かつ穏や
かな条件で反応を行うことができ、しかも高収率でカル
ボン酸無水物が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明はカルボン酸類にハロイ
ミニウム塩(1)を縮合剤として反応させることを特徴
とするカルボン酸無水物の製造法であり、次の反応式で
示すことができる。
【0008】
【化2】
【0009】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
それぞれ低級アルキル基を、Xはハロゲン原子を、nは
2又は3を、R3COOHはカルボン酸を、Bは塩基を
示す〕
【0010】本発明で使用されるハロイミニウム塩
(1)は、一般式(1)で表わされるものであり、式
(1)中R1 及びR2 で示される低級アルキル基として
はメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。ま
た、Xで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素
原子が特に好ましい。また、ハロイミニウム塩(1)の
うち、好ましい具体例として2−クロロ−1,3−ジメ
チルイミダゾリニウムクロライド、2−クロロ−1,3
−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジニ
ウムクロライド等を挙げることができる。
【0011】このハロイミニウム塩(1)は、例えば入
手容易な溶剤として知られている前記一般式(5)で表
わされる化合物に、オキザリルハロゲニド、三ハロゲン
化リン、五ハロゲン化リン、オキシハロゲン化リン、ホ
スゲン、トリクロロメチルクロロホルメート等の自体公
知のハロゲン化剤を反応せしめることにより容易に得ら
れる。この反応は、化合物(5)又はハロゲン化剤の何
れか一方を四塩化炭素等の適当な溶媒に溶かしておき、
これに他方を少量ずつ添加し、更に室温〜70℃で数時
間〜十数時間反応させることによって行われる。斯くし
て得られたハロイミニウム塩(1)は単離することもで
きるが、単離することなく、その反応液を本発明の反応
に使用することもできる。
【0012】原料化合物であるカルボン酸類は特に制限
されず、式(2)中のR3 で示される基としては、置換
基を有していてもよいアルキル基、アルケニル基、芳香
族基、複素環式基等が挙げられる。また、カルボン酸類
がピバリン酸などのような立体障害の大きなカルボン酸
や長鎖脂肪酸であっても、あるいは反応性の低いα,β
−不飽和カルボン酸であっても何らさしつかえない。
【0013】本発明を実施するには、カルボン酸類
(2)2モルに対し、ハロイミニウム塩(1)約1モル
及び塩基(3)を約2モル加え、室温付近で反応させれ
ばよい。塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、
トリブチルアミン等を使用することができる。また、反
応溶媒は、用いなくともよいが、ジクロルメタン、ジク
ロルエタン等のハロゲン化炭化水素、炭化水素、エーテ
ル類、芳香族炭化水素等の反応に関与しない溶媒を用い
ることもできる。更に反応装置は、工業的規模で行う場
合であっても、グラスライニング等の特殊な反応釜でな
く、通常のステンレス反応釜を用いることができる。反
応混合物より、目的とするカルボン酸無水物を単離する
には、蒸留、再結晶等の常法を使用できる。
【0014】
【発明の効果】本発明方法によれば、ほとんど中性で、
かつ穏やかな条件で、カルボン酸類よりカルボン酸無水
物を効率よく製造することができる。
【0015】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】実施例1 塩化メチレン70ml中に、ピバリン酸 5.1g及び2−ク
ロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド
5.1gを溶解し、水冷した。この中にトリエチルアミン
6.1gを滴下し、更に 3.5時間攪拌した。析出したトリ
エチルアミン・塩酸塩を濾去し、塩化メチレンで洗浄し
た。濾洗液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィー(溶媒n−ヘキサン/酢酸エチル)に
て精製し、ピバリン酸無水物 3.8g(収率81.7%)を得
た。
【0017】実施例2 塩化メチレン100ml中に、2−フランカルボン酸 5.6
g及び2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム
クロライド 5.1gを溶解し、水冷した。この中にトリエ
チルアミン 6.1gを滴下し、更に20時間攪拌した。次
いで反応液を実施例1と同様に処理し、2−フランカル
ボン酸無水物 4.6g(収率90.0%)を得た。
【0018】実施例3 塩化メチレン70ml中に、2−チオフェンアクリル酸
5.0g及び2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニ
ウムクロライド 3.3gを溶解し、水冷した。この中にト
リエチルアミン 4.1gを滴下し、更に20時間攪拌し
た。次いで反応液を実施例1と同様に処理し、2−チオ
フェンアクリル酸無水物 4.2g(収率90.0%)を得た。
【0019】実施例4 塩化メチレン100ml中に、クロトン酸 5.0g及び2−
クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド
5.9gを溶解し、水冷した。この中にトリエチルアミン
7.0gを滴下し、更に18時間攪拌した。次いで反応液
を実施例1と同様に処理しクロトン酸無水物 4.3g(収
率95.5%)を得た。
【0020】実施例5 塩化メチレン100ml中に、カルボベンゾキシ−L−フ
ェニルアラニン7.0g及び2−クロロ−1,3−ジメチ
ルイミダゾリニウムクロライド 2.4gを溶解し、水冷し
た。この中にトリエチルアミン 2.8gを滴下し、更に2
4時間攪拌した。次いで反応液を減圧濃縮し、得られた
残渣をクロロホルムに溶解し、すばやく水洗した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液から溶媒を留
去して得た残渣にn−ヘキサンを加え析出した結晶を濾
取、乾燥してカルボベンゾキシ−L−フェニルアラニン
無水物を 6.4g(収率94.0%)得た。
【0021】実施例6 塩化メチレン100ml中に、ジフェニル酢酸 7.0g及び
2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド 3.3gを溶解し、水冷した。この中にトリエチルア
ミン 4.0gを滴下し、更に25時間攪拌した。次いで反
応液を実施例5と同様に処理しジフェニル酢酸無水物を
5.9g(収率88.1%)得た。
【0022】実施例7 塩化メチレン100ml中に、ケイ皮酸 7.0g及び2−ク
ロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド
4.8gを溶解し、水冷した。この中にトリエチルアミン
5.7gを滴下し、更に23時間攪拌した。次いで反応液
を実施例5と同様に処理し、ケイ皮酸無水物を 5.7g
(収率87.1%)得た。
【0023】実施例8 塩化メチレン50ml中に、オレイン酸 5.0g及び2−ク
ロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド
1.8gを溶解し、水冷した。この中に、トリエチルアミ
ン 2.1gを滴下し、更に43時間攪拌した。次いで反応
液を実施例1と同様に処理し、オレイン酸無水物を 2.8
g(収率57.0%)得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 57/30 6742−4H 229/36 8930−4H C07D 233/28 7252−4C // C07D 239/08 7038−4C

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 カルボン酸類に次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってそれぞれ低級
    アルキル基を、Xはハロゲン原子を、nは2又は3を示
    す〕で表わされるハロイミニウム塩を縮合剤として反応
    させることを特徴とするカルボン酸無水物の製造法。
JP18237191A 1991-07-23 1991-07-23 カルボン酸無水物の製造法 Pending JPH0525155A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10158531A (ja) * 1996-12-04 1998-06-16 Mitsui Chem Inc 黄色建染染料の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10158531A (ja) * 1996-12-04 1998-06-16 Mitsui Chem Inc 黄色建染染料の製造方法

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