JP2520298B2 - チオフェンジカルボン酸ジエステルの製造方法 - Google Patents
チオフェンジカルボン酸ジエステルの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、チオフェンジカルボン酸ジエステルの製造
方法に関する。チオフェンジカルボン酸ジエステルは、
機能性材料、医薬、農薬等を製造する際の重要な中間体
として広く知られている。例えば、チオフェンジカルボ
ン酸ジエステルとアミノフェノール誘導体とを反応させ
て得られるジベンズオキサゾリル化合物は、プラスチツ
ク用蛍光増白剤として、従来からよく使用されている。
また、チオフェンジカルボン酸ジエステルは、加水分解
によって容易に公知の有用物質であるチオフェンジカル
ボン酸に導くことができる。
方法に関する。チオフェンジカルボン酸ジエステルは、
機能性材料、医薬、農薬等を製造する際の重要な中間体
として広く知られている。例えば、チオフェンジカルボ
ン酸ジエステルとアミノフェノール誘導体とを反応させ
て得られるジベンズオキサゾリル化合物は、プラスチツ
ク用蛍光増白剤として、従来からよく使用されている。
また、チオフェンジカルボン酸ジエステルは、加水分解
によって容易に公知の有用物質であるチオフェンジカル
ボン酸に導くことができる。
(従来の技術) 従来、チオフェンジカルボン酸誘導体を製造する方法
は幾つか知られている。例えば、東独特許第129488号に
は、アジピン酸と塩化チオニルをピリジン触媒の存在下
に反応せしめ、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジクロ
ライドとし、これを加水分解してチオフェン−2,5−ジ
カルボン酸とする方法が記載されている。
は幾つか知られている。例えば、東独特許第129488号に
は、アジピン酸と塩化チオニルをピリジン触媒の存在下
に反応せしめ、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジクロ
ライドとし、これを加水分解してチオフェン−2,5−ジ
カルボン酸とする方法が記載されている。
特公昭39−3434号公報には、α,α′−ジクロロアジ
ピン酸から得られるテトラヒドロチオフェン−2,5−ジ
カルボン酸にオキシ塩化リンと三塩化リンを反応させ、
引続いて、塩素を作用させて、ジクロロテトラヒドロチ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジクロライドとし、これ
よりチオフェン−2,5−ジカルボン酸を得る方法が記載
されている。
ピン酸から得られるテトラヒドロチオフェン−2,5−ジ
カルボン酸にオキシ塩化リンと三塩化リンを反応させ、
引続いて、塩素を作用させて、ジクロロテトラヒドロチ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジクロライドとし、これ
よりチオフェン−2,5−ジカルボン酸を得る方法が記載
されている。
特公昭39−3842号公報には、α,α′−ジクロロアジ
ピン酸ナトリウム塩と硫化ナトリウムとを水中で反応さ
せ、そのまま系内に塩素を吹き込んで、チオフェン−2,
5−ジカルボン酸を得る方法が記載されている。
ピン酸ナトリウム塩と硫化ナトリウムとを水中で反応さ
せ、そのまま系内に塩素を吹き込んで、チオフェン−2,
5−ジカルボン酸を得る方法が記載されている。
チェコスロバキア特許140878号には、テトラヒドロチ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステルとイオ
ウ原子とを反応させて、チオフェン−2,5−ジカルボン
酸ジメチルエステルを得ることが記載されている。
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステルとイオ
ウ原子とを反応させて、チオフェン−2,5−ジカルボン
酸ジメチルエステルを得ることが記載されている。
また、チェコスロバキア特許第137032号には、テトラ
ヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステ
ルを塩素化し、3,4−ジクロロテトラヒドロチオフェン
−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステルとし、更に加熱
することによって、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ
メチルエステルを得る方法が記載されている。
ヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステ
ルを塩素化し、3,4−ジクロロテトラヒドロチオフェン
−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステルとし、更に加熱
することによって、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ
メチルエステルを得る方法が記載されている。
しかしながら、いずれの方法も、反応時間が長く、ま
た、収率が悪い等、コスト的に満足できるものではな
く、なかには、塩化水素や二酸化イオウが廃ガスとして
副生するものもあり、工業的に実施するには、有利な方
法とはいえない。
た、収率が悪い等、コスト的に満足できるものではな
く、なかには、塩化水素や二酸化イオウが廃ガスとして
副生するものもあり、工業的に実施するには、有利な方
法とはいえない。
(発明が解決しようとする問題点) 上述したような状況に鑑みて、本発明者らは、チオフ
ェンジカルボン酸ジエステルの工業的に有利な製造方法
について鋭意研究した結果、原料としてテトラヒドロチ
オフェンジカルボン酸ジエステルを用い、これをハロゲ
ン化した後に、脱ハロゲン化水素反応を行なえば、チオ
フェンジカルボン酸ジエステルを容易に得ることができ
ることを見出した。
ェンジカルボン酸ジエステルの工業的に有利な製造方法
について鋭意研究した結果、原料としてテトラヒドロチ
オフェンジカルボン酸ジエステルを用い、これをハロゲ
ン化した後に、脱ハロゲン化水素反応を行なえば、チオ
フェンジカルボン酸ジエステルを容易に得ることができ
ることを見出した。
即ち、本発明は、チオフェンジカルボン酸ジエステル
の工業的に有利な製造方法を提供することを目的とす
る。
の工業的に有利な製造方法を提供することを目的とす
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明によるチオフェンジカルボン酸ジエステルの製
造方法は、一般式(I′) (式中、R′はC1〜C8のアルキル基、フェニル基、核置
換フェニル基又はベンジル基を示す。) で表わされるチオフェンジカルボン酸ジエステルを製造
するに際し、一般式(II′) (式中、R′は前記と同じである。) で表わされるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエ
ステルをハロゲン化して、一般式(III) (式中、XはCl又はBrを示し、R′は前記と同じであ
る。) で表わされるジハロテトラヒドロチオフェンジカルボン
酸ジエステルとなし、引き続き、前記一般式(II′)に
おけるアルキル基R′と同じアルキル基を有するアルキ
ルアルコール又は塩基の存在下に脱ハロゲン化水素反応
させることを特徴とする。
造方法は、一般式(I′) (式中、R′はC1〜C8のアルキル基、フェニル基、核置
換フェニル基又はベンジル基を示す。) で表わされるチオフェンジカルボン酸ジエステルを製造
するに際し、一般式(II′) (式中、R′は前記と同じである。) で表わされるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエ
ステルをハロゲン化して、一般式(III) (式中、XはCl又はBrを示し、R′は前記と同じであ
る。) で表わされるジハロテトラヒドロチオフェンジカルボン
酸ジエステルとなし、引き続き、前記一般式(II′)に
おけるアルキル基R′と同じアルキル基を有するアルキ
ルアルコール又は塩基の存在下に脱ハロゲン化水素反応
させることを特徴とする。
前述したように、下記式 の反応によるチオフェンジカルボン酸ジエステルの製造
は、チェコスロバキア特許第137032号に記載されている
ように、R′がメチル基の場合にのみ、既に、知られて
いるが、収率、品質面等で満足すべき結果は得られてい
ない。
は、チェコスロバキア特許第137032号に記載されている
ように、R′がメチル基の場合にのみ、既に、知られて
いるが、収率、品質面等で満足すべき結果は得られてい
ない。
その原因は、ハロゲン化反応において、一部のハロゲ
ン原子がエステル基を攻撃して、エステル開裂等の副反
応が起きたり、脱ハロゲン化水素反応において、加熱に
よる熱履歴のためにタール化反応が起きたりするためで
ある。
ン原子がエステル基を攻撃して、エステル開裂等の副反
応が起きたり、脱ハロゲン化水素反応において、加熱に
よる熱履歴のためにタール化反応が起きたりするためで
ある。
そこで、本発明者らは、このような従来の方法におけ
る欠点を排除するために鋭意検討を加えた結果、脱ハロ
ゲン化水素反応の際に、添加剤として、一般式(III)
におけるアルキル基R′と同じアルキル基を有するアル
キルアルコール又は塩基を用いることによって、より温
和な条件下に上記反応が進行し、かくして、収率よくチ
オフェンジカルボン酸ジエステルを得ることができるこ
とを見出して、本発明の方法を完成したものである。
る欠点を排除するために鋭意検討を加えた結果、脱ハロ
ゲン化水素反応の際に、添加剤として、一般式(III)
におけるアルキル基R′と同じアルキル基を有するアル
キルアルコール又は塩基を用いることによって、より温
和な条件下に上記反応が進行し、かくして、収率よくチ
オフェンジカルボン酸ジエステルを得ることができるこ
とを見出して、本発明の方法を完成したものである。
本発明の方法によれば、先ず、前記一般式(II′)で
表わされるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエス
テルをハロゲン化して、前記一般式(III)で表わされ
るジハロテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエステ
ルを得る。
表わされるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエス
テルをハロゲン化して、前記一般式(III)で表わされ
るジハロテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエステ
ルを得る。
このハロゲン化反応は、R′がメチル基又はエチル基
の場合、前記副反応を抑制するためには、反応温度、ハ
ロゲン化剤の添加速度等、反応条件に注意する必要があ
るが、R′がC3〜C8のアルキル基、フェニル基、核置換
フェニル基、ベンジル基については、エステル開裂等に
よる副反応が少ないため、高収率でジハロテトラヒドロ
チオフェンジカルボン酸ジエステルを得ることができ
る。
の場合、前記副反応を抑制するためには、反応温度、ハ
ロゲン化剤の添加速度等、反応条件に注意する必要があ
るが、R′がC3〜C8のアルキル基、フェニル基、核置換
フェニル基、ベンジル基については、エステル開裂等に
よる副反応が少ないため、高収率でジハロテトラヒドロ
チオフェンジカルボン酸ジエステルを得ることができ
る。
上記ハロゲン化反応に用いるハロゲン化剤としては、
塩素、臭素、塩化スルフリル、臭化スルフリル等を用い
ることができ、その使用量は、テトラヒドロチオフェン
ジカルボン酸ジエステルに対して、2.0〜4.0倍モル、好
ましくは、2.0〜3.0倍モルの範囲である。ハロゲン化剤
の使用量が少なすぎるときは、目的物の収率が低く、逆
に多すぎるときは、副反応が起こりやすい。
塩素、臭素、塩化スルフリル、臭化スルフリル等を用い
ることができ、その使用量は、テトラヒドロチオフェン
ジカルボン酸ジエステルに対して、2.0〜4.0倍モル、好
ましくは、2.0〜3.0倍モルの範囲である。ハロゲン化剤
の使用量が少なすぎるときは、目的物の収率が低く、逆
に多すぎるときは、副反応が起こりやすい。
前記ハロゲン化反応は、無溶媒下でも、溶媒の存在下
でも行なうことができる。溶媒を用いる場合、特に限定
されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合
物、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハ
ロゲン化炭化水素等を用いることができる。反応温度
は、通常、−20℃から40℃の範囲であり、好ましくは、
−15℃から30℃の範囲である。反応温度が40℃を越える
ときは、副反応のために目的物の収率が低下し、一方、
反応温度が−20℃より低いときも、特に有利な効果を得
ることはできない。
でも行なうことができる。溶媒を用いる場合、特に限定
されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合
物、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハ
ロゲン化炭化水素等を用いることができる。反応温度
は、通常、−20℃から40℃の範囲であり、好ましくは、
−15℃から30℃の範囲である。反応温度が40℃を越える
ときは、副反応のために目的物の収率が低下し、一方、
反応温度が−20℃より低いときも、特に有利な効果を得
ることはできない。
次に、本発明の方法によれば、上述したようにして得
られた前記一般式(III)で表わされるジハロテトラヒ
ドロチオフェンジカルボン酸ジエステルを脱ハロゲン化
水素する。
られた前記一般式(III)で表わされるジハロテトラヒ
ドロチオフェンジカルボン酸ジエステルを脱ハロゲン化
水素する。
この脱ハロゲン化水素反応は、ジハロテトラヒドロチ
オフェンジカルボン酸ジエステルを単に加熱するだけで
も進行する場合があるが、本発明によれば、前述したよ
うに、前記一般式(II′)におけるアルキル基R′と同
じアルキル基を有するアルキルアルコール又は塩基の存
在下に脱ハロゲン化反応を行うことによって、より温和
な条件下に、収率よく、目的物を得ることができる。
オフェンジカルボン酸ジエステルを単に加熱するだけで
も進行する場合があるが、本発明によれば、前述したよ
うに、前記一般式(II′)におけるアルキル基R′と同
じアルキル基を有するアルキルアルコール又は塩基の存
在下に脱ハロゲン化反応を行うことによって、より温和
な条件下に、収率よく、目的物を得ることができる。
添加剤として、このように、アルキルアルコールを用
いる場合は、脱ハロゲン化水素反応が、一旦、下式で示
されるジアルコキシテトラヒドロチオフェンジカルボン
酸ジエステル を経由して進行するため、より温和な条件で目的とする
チオフェンジカルボン酸ジエステルを得ることができ
る。
いる場合は、脱ハロゲン化水素反応が、一旦、下式で示
されるジアルコキシテトラヒドロチオフェンジカルボン
酸ジエステル を経由して進行するため、より温和な条件で目的とする
チオフェンジカルボン酸ジエステルを得ることができ
る。
本発明によれば、用いるアルキルアルコールのアルキ
ル基R′と目的物のアルキルエステル基におけるアルキ
ル基R′が同一であるので、エステル交換反応による異
なるアルキル基を有するチオフェンジカルボン酸ジエス
テルの生成がなく、純度の低下なく、目的とするチオフ
ェンジカルボン酸ジエステルを収率よく得ることができ
る。例えば、チオフェンジカルボン酸ジイソプロピルエ
ステルを得るときには、イソプロピルアルコールを添加
剤として用いればよい。
ル基R′と目的物のアルキルエステル基におけるアルキ
ル基R′が同一であるので、エステル交換反応による異
なるアルキル基を有するチオフェンジカルボン酸ジエス
テルの生成がなく、純度の低下なく、目的とするチオフ
ェンジカルボン酸ジエステルを収率よく得ることができ
る。例えば、チオフェンジカルボン酸ジイソプロピルエ
ステルを得るときには、イソプロピルアルコールを添加
剤として用いればよい。
アルキルアルコールの添加量は、ジハロテトラヒドロ
チオフェンジカルボン酸ジエステルに対して、0.2〜20.
0倍モルの範囲、好ましくは、2.0〜6.0倍モルの範囲で
ある。使用量が少なすぎるときは、添加の効果が認めら
れず、多すぎても、それに見合う効果がなく、有利な結
果を得ることができない。
チオフェンジカルボン酸ジエステルに対して、0.2〜20.
0倍モルの範囲、好ましくは、2.0〜6.0倍モルの範囲で
ある。使用量が少なすぎるときは、添加の効果が認めら
れず、多すぎても、それに見合う効果がなく、有利な結
果を得ることができない。
反応温度は、通常、50〜150℃の範囲であり、好まし
くは、60〜100℃の範囲である。反応温度が150℃を越え
るときは、副反応のために収率が低下し、他方、反応温
度が50℃よりも低いときは、反応速度が実用上、遅すぎ
るので好ましくない。
くは、60〜100℃の範囲である。反応温度が150℃を越え
るときは、副反応のために収率が低下し、他方、反応温
度が50℃よりも低いときは、反応速度が実用上、遅すぎ
るので好ましくない。
添加剤として、塩基を用いて、脱ハロゲン化水素反応
を行なうときは、塩基としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、トリエ
チルアミン、ピリジン等のアミン類、メトキシナトリウ
ム、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム等
のアルカリ金属アルコラート等が用いられる。塩基の添
加量は、用いる塩基の種類により異なるので、一概には
いえないが、通常、ジハロテトラヒドロチオフェンジカ
ルボン酸ジエステルに対して、2〜15倍モルの範囲であ
り、好ましくは、2〜8倍モルの範囲である。添加量が
少なすぎるときは、目的物の収率が低下し、逆に多すぎ
ても、特に有利な結果を得ることができない。
を行なうときは、塩基としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、トリエ
チルアミン、ピリジン等のアミン類、メトキシナトリウ
ム、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム等
のアルカリ金属アルコラート等が用いられる。塩基の添
加量は、用いる塩基の種類により異なるので、一概には
いえないが、通常、ジハロテトラヒドロチオフェンジカ
ルボン酸ジエステルに対して、2〜15倍モルの範囲であ
り、好ましくは、2〜8倍モルの範囲である。添加量が
少なすぎるときは、目的物の収率が低下し、逆に多すぎ
ても、特に有利な結果を得ることができない。
反応温度は、通常、30〜100℃の範囲であり、好まし
くは、50〜90℃の範囲である。反応温度が100℃を越え
るときは、副反応のために目的物の収率が低下し、他
方、反応温度が30℃よりも低いときは、反応速度が遅す
ぎて、実用的でない。また、反応後、そのまま系内に水
を入れて処理すれば、チオフェンジカルボン酸ジエステ
ルが加水分解されて、チオフェンジカルボン酸を得るこ
とができる。
くは、50〜90℃の範囲である。反応温度が100℃を越え
るときは、副反応のために目的物の収率が低下し、他
方、反応温度が30℃よりも低いときは、反応速度が遅す
ぎて、実用的でない。また、反応後、そのまま系内に水
を入れて処理すれば、チオフェンジカルボン酸ジエステ
ルが加水分解されて、チオフェンジカルボン酸を得るこ
とができる。
上記脱ハロゲン化水素反応も、無溶媒下でも、溶媒の
存在下でも行なうことができる。溶媒は、特に限定され
るものではないが、前段のハロゲン化の反応溶媒と同じ
ものを用いると、工業的に有利である。
存在下でも行なうことができる。溶媒は、特に限定され
るものではないが、前段のハロゲン化の反応溶媒と同じ
ものを用いると、工業的に有利である。
以上のようにして得られる一般式(I′)で表わされ
るチオフェンジカルボン酸ジエステルは、R′がメチル
基又はエチル基である場合には、常温で固体であるが、
R′がC3〜C8のアルキルである場合には、殆ど常温で液
体であり、大きく異なる。単離、精製は、晶析、減圧蒸
留等により適宜に行なえばよい。
るチオフェンジカルボン酸ジエステルは、R′がメチル
基又はエチル基である場合には、常温で固体であるが、
R′がC3〜C8のアルキルである場合には、殆ど常温で液
体であり、大きく異なる。単離、精製は、晶析、減圧蒸
留等により適宜に行なえばよい。
以上に詳述したように、本発明によれば、一般式
(I′)で表わされる公知の化合物を含むチオフェンジ
カルボン酸ジエステルの改良された製造方法が提供さ
れ、このような本発明の方法を実施することにより、チ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル、チオ
フェン−2,5−ジカルボン酸ジエチルエステル、チオフ
ェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−プロピルエステル、
チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステ
ル、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−オクチル
エステル、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジフェニル
エステル等の公知の化合物を従来よりも簡単な工程で収
率よく得ることができる。
(I′)で表わされる公知の化合物を含むチオフェンジ
カルボン酸ジエステルの改良された製造方法が提供さ
れ、このような本発明の方法を実施することにより、チ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル、チオ
フェン−2,5−ジカルボン酸ジエチルエステル、チオフ
ェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−プロピルエステル、
チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステ
ル、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−オクチル
エステル、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジフェニル
エステル等の公知の化合物を従来よりも簡単な工程で収
率よく得ることができる。
本発明の方法によれば、原料を選ぶことによって、多
くの新規なチオフェンジカルボン酸ジエステルを製造す
ることができる。そのような新規のチオフェンジカルボ
ン酸ジエステルは、一般式(I) (式中、RはC3〜C8の非直鎖アルキル基、核置換フェニ
ル基又はベンジル基を示す。) で表わされる。
くの新規なチオフェンジカルボン酸ジエステルを製造す
ることができる。そのような新規のチオフェンジカルボ
ン酸ジエステルは、一般式(I) (式中、RはC3〜C8の非直鎖アルキル基、核置換フェニ
ル基又はベンジル基を示す。) で表わされる。
これら新規なチオフェンジカルボン酸ジエステルの具
体例としては、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−イ
ソプロピルエステル、チオフェン−2,5−ジカルボン酸
ジイソブチルエステル、チオフェン−2,5−ジカルボン
酸ジ−sec.−ブチルエステル、チオフェン−2,5−ジカ
ルボン酸ジ−tert.−ブチルエステル、チオフェン−2,5
−ジカルボン酸ジ−sec.−ヘキシルエステル、チオフェ
ン−2,5−ジカルボン酸ジ−tert.−アミルエステル、チ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−m−クレジルエステ
ル,チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−p−クロロフ
ェニルエステル,チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジベ
ンジルエステル等を挙げることができる。
体例としては、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−イ
ソプロピルエステル、チオフェン−2,5−ジカルボン酸
ジイソブチルエステル、チオフェン−2,5−ジカルボン
酸ジ−sec.−ブチルエステル、チオフェン−2,5−ジカ
ルボン酸ジ−tert.−ブチルエステル、チオフェン−2,5
−ジカルボン酸ジ−sec.−ヘキシルエステル、チオフェ
ン−2,5−ジカルボン酸ジ−tert.−アミルエステル、チ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−m−クレジルエステ
ル,チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−p−クロロフ
ェニルエステル,チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジベ
ンジルエステル等を挙げることができる。
前掲チェコスロバキア特許第137032号には、一般式
(I)において、RがC1〜C8の直鎖又は分岐したアルキ
ル基を有するチオフェンジカルボン酸ジエステルの製法
が開示されているが、実施例にはRがメチル基の場合の
み、記載されており、他のアルキル基の場合についての
記載は一切ない。前述したように、Rがメチル基の場
合、即ち、チオフェンジカルボン酸ジメチルエステルは
常温で固体であり、その融点は149〜150℃であり、チオ
フェンジカルボン酸ジエチルエステルでは、その融点は
51〜52℃である。
(I)において、RがC1〜C8の直鎖又は分岐したアルキ
ル基を有するチオフェンジカルボン酸ジエステルの製法
が開示されているが、実施例にはRがメチル基の場合の
み、記載されており、他のアルキル基の場合についての
記載は一切ない。前述したように、Rがメチル基の場
合、即ち、チオフェンジカルボン酸ジメチルエステルは
常温で固体であり、その融点は149〜150℃であり、チオ
フェンジカルボン酸ジエチルエステルでは、その融点は
51〜52℃である。
一方、前記一般式(I)で表わされるチオフェン−2,
5−ジカルボン酸の物性については、従来、知られてい
ない。因みに、本発明者らは、C3〜C8の非直鎖のアルキ
ル基をもつチオフェンジカルボン酸ジエステルの殆ど
が、常温で液体であることを見出した。
5−ジカルボン酸の物性については、従来、知られてい
ない。因みに、本発明者らは、C3〜C8の非直鎖のアルキ
ル基をもつチオフェンジカルボン酸ジエステルの殆ど
が、常温で液体であることを見出した。
更に、反応面においては、前記一般式(I)で表わさ
れるチオフェンジカルボン酸ジエステルは、チオフェン
ジカルボン酸ジメチルエステル又はジエチルエステルを
用いる場合に比べて、例えば、アミン類と反応させて酸
アミドを合成する場合、より温和な条件で収率よく目的
物を得ることができる。
れるチオフェンジカルボン酸ジエステルは、チオフェン
ジカルボン酸ジメチルエステル又はジエチルエステルを
用いる場合に比べて、例えば、アミン類と反応させて酸
アミドを合成する場合、より温和な条件で収率よく目的
物を得ることができる。
上述したような本発明の方法に従ってチオフェンジカ
ルボン酸ジエステルを製造する際に、その原料として用
いるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエステル
は、好ましくは、次のような方法によって得ることがで
きる。
ルボン酸ジエステルを製造する際に、その原料として用
いるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエステル
は、好ましくは、次のような方法によって得ることがで
きる。
即ち、一般式(IV) (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示し、R′は前記
と同じである。) で表わされるα,α′−ジハロアジピン酸ジエステルと
無機硫化塩とを水不溶性溶媒と水とからなる2相系溶媒
中で反応させることによって、一般式(II′) (式中、R′はC1〜C8のアルキル基、フェニル基、核置
換フェニル基又はベンジル基を示す。) で表わされるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエ
ステルを得ることができる。上記の反応は、次式で示す
ことができる。
と同じである。) で表わされるα,α′−ジハロアジピン酸ジエステルと
無機硫化塩とを水不溶性溶媒と水とからなる2相系溶媒
中で反応させることによって、一般式(II′) (式中、R′はC1〜C8のアルキル基、フェニル基、核置
換フェニル基又はベンジル基を示す。) で表わされるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエ
ステルを得ることができる。上記の反応は、次式で示す
ことができる。
上記の反応は、前記の如く、従来より公知であり、エ
タノール、アセトン等の溶媒中で行なわれているが、副
反応のため、目的物を収率よく得ることが困難である。
例えば、Polymer.J.vol.7,No.1,72〜78(1975)には
α,α′−ジブロモアジピン酸ジエチルエステルと硫化
ナトリウムをエタノール溶媒中で反応させ、テトラヒド
ロチオフェンジカルボン酸ジエチルエステルを得る方法
が記載されているが、その収率は33%にすぎない。
タノール、アセトン等の溶媒中で行なわれているが、副
反応のため、目的物を収率よく得ることが困難である。
例えば、Polymer.J.vol.7,No.1,72〜78(1975)には
α,α′−ジブロモアジピン酸ジエチルエステルと硫化
ナトリウムをエタノール溶媒中で反応させ、テトラヒド
ロチオフェンジカルボン酸ジエチルエステルを得る方法
が記載されているが、その収率は33%にすぎない。
その原因は、無機硫化塩がテトラヒドロチオフェン環
の形成反応以外に、置換アルキルエステル基と反応し、
加水分解反応を起こすためである。特に、この傾向は、
R′がメチル基やエチル基のような低級アルキルエステ
ル基の場合に顕著である。そこで、本発明者らは、上記
副反応を抑えるべく、種々検討した結果、上記エタノー
ル或いはアセトンのような水溶性均一溶媒に代えて、水
不溶性溶媒と水とからなる2相系溶媒を用いたところ、
以外にも、副反応が抑制され、目的物を収率よく得るこ
とができることを見出した。
の形成反応以外に、置換アルキルエステル基と反応し、
加水分解反応を起こすためである。特に、この傾向は、
R′がメチル基やエチル基のような低級アルキルエステ
ル基の場合に顕著である。そこで、本発明者らは、上記
副反応を抑えるべく、種々検討した結果、上記エタノー
ル或いはアセトンのような水溶性均一溶媒に代えて、水
不溶性溶媒と水とからなる2相系溶媒を用いたところ、
以外にも、副反応が抑制され、目的物を収率よく得るこ
とができることを見出した。
このように望ましい結果を得ることができたことの原
因は詳らかではないが、テトラヒドロチオフェン環の形
成反応が起こるオイル相で副生した無機塩が逐次水相に
移行するため、上記環化反応が円滑に推進するものと考
えられる。更に、R′がC3以上のアルキル基、フェニル
基、核置換フェニル基又はベンジル基では、驚くべきこ
とに、副反応は殆ど起こらず、目的物のみをほぼ定量的
に得ることができる。
因は詳らかではないが、テトラヒドロチオフェン環の形
成反応が起こるオイル相で副生した無機塩が逐次水相に
移行するため、上記環化反応が円滑に推進するものと考
えられる。更に、R′がC3以上のアルキル基、フェニル
基、核置換フェニル基又はベンジル基では、驚くべきこ
とに、副反応は殆ど起こらず、目的物のみをほぼ定量的
に得ることができる。
水相に移行した無機塩は、単に分液するだけで除くこ
とが可能であり、従来法において行なわれていた濃縮、
濾過等の煩雑な操作が不要となるため、反応後の後処理
工程においても、大幅な簡略化が可能となる。
とが可能であり、従来法において行なわれていた濃縮、
濾過等の煩雑な操作が不要となるため、反応後の後処理
工程においても、大幅な簡略化が可能となる。
上記反応で用いる一般式(IV)で表わされるα,α′
−ジハロアジピン酸ジエステルは、例えば、Org.Syn.co
ll.vol.III,p.623に記載されているように、アジピン酸
を酸化チオニル等でアジピン酸ジクロライドとなし、引
続き、ハロゲン化し、更に、エステル化することによっ
て容易に得ることができる。
−ジハロアジピン酸ジエステルは、例えば、Org.Syn.co
ll.vol.III,p.623に記載されているように、アジピン酸
を酸化チオニル等でアジピン酸ジクロライドとなし、引
続き、ハロゲン化し、更に、エステル化することによっ
て容易に得ることができる。
このようなα,α′−ジハロアジピン酸ジエステルの
具体例としては、例えば、α,α′−ジクロロアジピン
酸ジメチルエステル、α,α′−ジブロモアジピン酸ジ
エチルエステル、α,α′−ジクロロアジピン酸ジイソ
プロピルエステル、α,α′−ジクロロアジピン酸ジ−
sec.−ブチルエステル、α,α′−ジブロモアジピン酸
ジ−tert.−ブチルエステル、α,α′−ジクロロアジ
ピン酸ジ−n−オクチルエステル、α,α′−ジクロロ
アジピン酸ジ−m−クレジルエステル、α,α′−ジク
ロロアジピン酸ジベンジルエステル等を挙げることがで
きる。
具体例としては、例えば、α,α′−ジクロロアジピン
酸ジメチルエステル、α,α′−ジブロモアジピン酸ジ
エチルエステル、α,α′−ジクロロアジピン酸ジイソ
プロピルエステル、α,α′−ジクロロアジピン酸ジ−
sec.−ブチルエステル、α,α′−ジブロモアジピン酸
ジ−tert.−ブチルエステル、α,α′−ジクロロアジ
ピン酸ジ−n−オクチルエステル、α,α′−ジクロロ
アジピン酸ジ−m−クレジルエステル、α,α′−ジク
ロロアジピン酸ジベンジルエステル等を挙げることがで
きる。
無機硫化塩としては、硫化ナトリウム、硫化カリウ
ム、硫化アンモニウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリ
ウム等が用いられるが、特に、硫化アルカリ金属塩、な
かでも、硫化ナトリウムを用いるとき、好ましい結果を
得ることができる。
ム、硫化アンモニウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリ
ウム等が用いられるが、特に、硫化アルカリ金属塩、な
かでも、硫化ナトリウムを用いるとき、好ましい結果を
得ることができる。
また、前記2相系溶媒のうち、水不溶性溶媒として
は、通常、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベン
ゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の芳香
族炭化水素溶媒、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩
化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒が用いられる。これ
らのなかでも、トルエン、キシレン、クロロベンゼン又
はクロロホルムを用いるとき、好ましい結果を得ること
ができる。
は、通常、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベン
ゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の芳香
族炭化水素溶媒、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩
化炭素等のハロゲン化炭化水素溶媒が用いられる。これ
らのなかでも、トルエン、キシレン、クロロベンゼン又
はクロロホルムを用いるとき、好ましい結果を得ること
ができる。
無機硫化塩の使用量は、α,α′−ジハロアジピン酸
ジエステルに対して、通常、1.0〜4.0倍モルの範囲であ
り、好ましくは、1.0〜3.0倍モルの範囲である。無機硫
化塩の使用量が少なすぎるときは、目的物の収率が低
く、逆に多すぎるときは、副反応が起こりやすい。
ジエステルに対して、通常、1.0〜4.0倍モルの範囲であ
り、好ましくは、1.0〜3.0倍モルの範囲である。無機硫
化塩の使用量が少なすぎるときは、目的物の収率が低
く、逆に多すぎるときは、副反応が起こりやすい。
また、前記2相系溶媒における水の量は、副生する無
機塩を溶解するに足りる量が必要であり、原料である
α,α′−ジハロアジピン酸ジエステル1モルに対し
て、10〜100倍モルの範囲で用いられる。
機塩を溶解するに足りる量が必要であり、原料である
α,α′−ジハロアジピン酸ジエステル1モルに対し
て、10〜100倍モルの範囲で用いられる。
水不溶性溶媒の使用量は、原料であるα,α′−ジハ
ロアジピン酸ジエステルを溶解するに足りる量が必要で
あり、その量は、好ましくは、水1容に対して、0.1〜1
0容の範囲で用いられる。水不溶性溶媒の使用量が水1
容に対して、0.1容よりも少ないときは、塩の析出のた
めに反応が円滑に進まず、逆に、水1容に対して、10容
より多すぎるときは、容積効率が悪くなるので、好まし
くない。
ロアジピン酸ジエステルを溶解するに足りる量が必要で
あり、その量は、好ましくは、水1容に対して、0.1〜1
0容の範囲で用いられる。水不溶性溶媒の使用量が水1
容に対して、0.1容よりも少ないときは、塩の析出のた
めに反応が円滑に進まず、逆に、水1容に対して、10容
より多すぎるときは、容積効率が悪くなるので、好まし
くない。
このような水不溶性溶媒と水の2相系溶媒に相間移動
触媒を添加すると、更に良好な結果が得られる場合が多
い。相間移動触媒としては、特に、限定されるものでは
ないが、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、アルキル
ジメチルベンジルアンモニウム塩(ベンザルコニウム
塩)等に代表される第4級アンモニウム塩、ヘキサデシ
ルトリブチルホスホニウム塩等に代表されるリン系化合
物等を用いることができる。特に、第4級アンモニウム
塩、なかでも、アルキル基がC12〜C18であるベンザルコ
ニウム塩を用いるとき、短時間で反応を完結することが
できる。相間移動触媒の添加量は、特に限定されるもの
ではないが、通常、ジハロアジピン酸ジエステルに対し
て、5重量%で十分である。
触媒を添加すると、更に良好な結果が得られる場合が多
い。相間移動触媒としては、特に、限定されるものでは
ないが、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、アルキル
ジメチルベンジルアンモニウム塩(ベンザルコニウム
塩)等に代表される第4級アンモニウム塩、ヘキサデシ
ルトリブチルホスホニウム塩等に代表されるリン系化合
物等を用いることができる。特に、第4級アンモニウム
塩、なかでも、アルキル基がC12〜C18であるベンザルコ
ニウム塩を用いるとき、短時間で反応を完結することが
できる。相間移動触媒の添加量は、特に限定されるもの
ではないが、通常、ジハロアジピン酸ジエステルに対し
て、5重量%で十分である。
反応温度は、通常、10〜100℃の範囲であり、好まし
くは、20〜60℃の範囲である。反応温度が100℃を越え
るときは、副反応のために目的物の収率が低下し、10℃
よりも低いときは、実用上、反応速度が遅すぎる。
くは、20〜60℃の範囲である。反応温度が100℃を越え
るときは、副反応のために目的物の収率が低下し、10℃
よりも低いときは、実用上、反応速度が遅すぎる。
以上のようにして得られるテトラヒドロチオフェンジ
カルボン酸ジエステルは、減圧蒸留等によって単離精製
することが可能であるが、目的によっては単離すること
なく、次の反応に用いることも可能である。
カルボン酸ジエステルは、減圧蒸留等によって単離精製
することが可能であるが、目的によっては単離すること
なく、次の反応に用いることも可能である。
以上に述べた反応を利用することにより、多くの新規
なテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエステルを合
成することができる。そのような新規なテトラヒドロチ
オフェンジカルボン酸ジエステルは、一般式(II) (式中、R″はC3〜C8のアルキル基、フェニル基、核置
換フェニル基又はベンジル基を示す。) で表わされる。
なテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエステルを合
成することができる。そのような新規なテトラヒドロチ
オフェンジカルボン酸ジエステルは、一般式(II) (式中、R″はC3〜C8のアルキル基、フェニル基、核置
換フェニル基又はベンジル基を示す。) で表わされる。
そのようなテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエ
ステルの具体例として、例えば、テトラヒドロチオフェ
ン−2,5−ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、テト
ラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−プロ
ピルエステル、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカル
ボン酸ジ−n−ブチルエステル、テトラヒドロチオフェ
ン−2,5−ジカルボン酸ジイソブチルエステル、テトラ
ヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−sec.−ブチ
ルエステル、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボ
ン酸ジ−tert.−ブチルエステル、テトラヒドロチオフ
ェン−2,5−ジカルボン酸ジイソアミルエステル、テト
ラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−オク
チルエステル、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカル
ボン酸ジ−フェニルエステル、テトラヒドロチオフェン
−2,5−ジカルボン酸ジ−m−クレジルエステル、テト
ラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジベンジルエ
ステル等を挙げることができる。
ステルの具体例として、例えば、テトラヒドロチオフェ
ン−2,5−ジカルボン酸ジイソプロピルエステル、テト
ラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−プロ
ピルエステル、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカル
ボン酸ジ−n−ブチルエステル、テトラヒドロチオフェ
ン−2,5−ジカルボン酸ジイソブチルエステル、テトラ
ヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−sec.−ブチ
ルエステル、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボ
ン酸ジ−tert.−ブチルエステル、テトラヒドロチオフ
ェン−2,5−ジカルボン酸ジイソアミルエステル、テト
ラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−オク
チルエステル、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカル
ボン酸ジ−フェニルエステル、テトラヒドロチオフェン
−2,5−ジカルボン酸ジ−m−クレジルエステル、テト
ラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジベンジルエ
ステル等を挙げることができる。
以上に述べた方法を利用して、化学合成用中間体とし
て有用なチオフェンジカルボン酸を次のような方法で有
利に製造することができる。
て有用なチオフェンジカルボン酸を次のような方法で有
利に製造することができる。
一般式(I′)で表わされるチオフェンジカルボン酸
ジエステルの加水分解の方法は、特に限定されるもので
はなく、通常のアルカリ又は酸触媒下における加水分解
によって、容易にチオフェンジカルボン酸を得ることが
できる。
ジエステルの加水分解の方法は、特に限定されるもので
はなく、通常のアルカリ又は酸触媒下における加水分解
によって、容易にチオフェンジカルボン酸を得ることが
できる。
尚、以上に説明した一般式(II)、(II′)、(II
I′)及び(IV)の化合物には、異性体としてdl体とmes
o体が存在し、これらの化合物は、これらdl体とmeso体
の混合物を意味するものである。
I′)及び(IV)の化合物には、異性体としてdl体とmes
o体が存在し、これらの化合物は、これらdl体とmeso体
の混合物を意味するものである。
(実施例) 以下に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 (チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエス
テルの合成) テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n
−ブチルエステルを塩素化し、引続き、添加剤として、
上記エステルと同じブチル基を有するブチルアルコール
の存在下で、脱塩化水素反応させることにより、チオフ
ェンジカルボン酸ジ−n−ブチルエステルを得た。
テルの合成) テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n
−ブチルエステルを塩素化し、引続き、添加剤として、
上記エステルと同じブチル基を有するブチルアルコール
の存在下で、脱塩化水素反応させることにより、チオフ
ェンジカルボン酸ジ−n−ブチルエステルを得た。
即ち、撹拌機、温度計、ガス吸込管及び冷却機を備え
た300ml四つ口フラスコに、後述の参考例6で得られた
テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−
ブチルエステル28.8g(0.10モル)及びクロロベンゼン1
00mlを仕込み、撹拌下、−10℃乃至−5℃にて塩素14.9
g(0.21モル)を1時間で導入した。その後、同じ温度
で1時間熟成して、塩素化反応を行なった。添加剤とし
て、n−ブタノール80g(1.08モル)を加え、80℃にて
6時間撹拌し、脱塩化水素反応を行なった。
た300ml四つ口フラスコに、後述の参考例6で得られた
テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−
ブチルエステル28.8g(0.10モル)及びクロロベンゼン1
00mlを仕込み、撹拌下、−10℃乃至−5℃にて塩素14.9
g(0.21モル)を1時間で導入した。その後、同じ温度
で1時間熟成して、塩素化反応を行なった。添加剤とし
て、n−ブタノール80g(1.08モル)を加え、80℃にて
6時間撹拌し、脱塩化水素反応を行なった。
反応終了後、減圧下にn−ブタノール及びクロロベン
ゼンを留去し、残留物を減圧蒸留することによって、チ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル2
6.5gを無色の液体として得た。テトラヒドロチオフェン
−2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステルに対する
収率は93.3%であった。
ゼンを留去し、残留物を減圧蒸留することによって、チ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステル2
6.5gを無色の液体として得た。テトラヒドロチオフェン
−2,5−ジカルボン酸ジ−n−ブチルエステルに対する
収率は93.3%であった。
実施例2〜12 第1表に示すテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジ
エステル(0.10モル)、反応溶媒(100ml)、ハロゲン
化剤(0.21モル)を用い、添加剤としてのアルコールの
種類と使用量を変えた以外は、実施例1と同様な操作を
行ない、目的物が液体のものは減圧蒸留により単離し、
固体のものは、反応終了後、濾過、精製することによ
り、チオフェンジカルボン酸ジエステルを得た。結果を
第1表に示す。
エステル(0.10モル)、反応溶媒(100ml)、ハロゲン
化剤(0.21モル)を用い、添加剤としてのアルコールの
種類と使用量を変えた以外は、実施例1と同様な操作を
行ない、目的物が液体のものは減圧蒸留により単離し、
固体のものは、反応終了後、濾過、精製することによ
り、チオフェンジカルボン酸ジエステルを得た。結果を
第1表に示す。
また、アルコールを添加しない場合の結果を比較例1
〜2に示す。
〜2に示す。
実施例1〜11において得られたチオフェンジカルボン
酸ジエステルの物性値を第2表に示す。
酸ジエステルの物性値を第2表に示す。
実施例13 (チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジエチルエステルの
合成) テトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエチルエステ
ルを塩素化し、引続き、添加剤として、トリエチルアミ
ンの存在下で、脱塩化水素反応させることにより、チオ
フェンジカルボン酸ジエチルエステルを得た。
合成) テトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエチルエステ
ルを塩素化し、引続き、添加剤として、トリエチルアミ
ンの存在下で、脱塩化水素反応させることにより、チオ
フェンジカルボン酸ジエチルエステルを得た。
即ち、撹拌機、温度計、ガス吹込管及び冷却器を備え
た300ml四つ口フラスコに、後述の参考例14で得られた
テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジエチル
エステル23.2g(0.10モル)及びクロロベンゼン100mlを
仕込み、撹拌下、−10℃から−5℃の範囲の温度にて塩
素14.9g(0.21モル)を1時間で導入した。その後、同
じ温度で1時間熟成して、塩素化反応を行なった。
た300ml四つ口フラスコに、後述の参考例14で得られた
テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジエチル
エステル23.2g(0.10モル)及びクロロベンゼン100mlを
仕込み、撹拌下、−10℃から−5℃の範囲の温度にて塩
素14.9g(0.21モル)を1時間で導入した。その後、同
じ温度で1時間熟成して、塩素化反応を行なった。
添加剤として、トリエチルアミン40.4g(0.40モル)
を滴下し、50〜60℃で2時間撹拌し、脱塩化水素反応を
行なった。副生したトリエチルアミン塩酸塩を水洗によ
り除去し、過剰のトリエチルアミン及び溶媒を留去し、
残留物にエタノールを加えた。析出した白色結晶を濾取
することにより、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジエ
チルエステル18.4gを得た。
を滴下し、50〜60℃で2時間撹拌し、脱塩化水素反応を
行なった。副生したトリエチルアミン塩酸塩を水洗によ
り除去し、過剰のトリエチルアミン及び溶媒を留去し、
残留物にエタノールを加えた。析出した白色結晶を濾取
することにより、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジエ
チルエステル18.4gを得た。
テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジエチ
ルエステルに対する収率は80.7%であった。
ルエステルに対する収率は80.7%であった。
実施例14 (チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイソプロピルエス
テルの合成) テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイソ
プロピルエステルを塩素化し、引続き、添加剤として、
水酸化ナトリウムの存在下で、脱塩化水素反応させるこ
とによって、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイソプ
ロピルエステルを得た。
テルの合成) テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイソ
プロピルエステルを塩素化し、引続き、添加剤として、
水酸化ナトリウムの存在下で、脱塩化水素反応させるこ
とによって、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイソプ
ロピルエステルを得た。
即ち、撹拌機、温度計、ガス吹込管及び冷却器を備え
た100ml四つ口フラスコに、後述の参考例3で得られた
テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイソプ
ロピルエステル26.0g(0.10モル)を仕込み、撹拌下
に、−10℃から−5℃の範囲の温度にて塩素14.9g(0.2
1モル)を1時間で導入した。その後、同じ温度で1時
間熟成して、塩素化反応を行なった。水5gを加えた後、
固体の水酸化ナトリウム16g(0.40モル)を徐々に加
え、更に、50〜60℃で3時間撹拌して、脱塩化水素反応
を行なった。
た100ml四つ口フラスコに、後述の参考例3で得られた
テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイソプ
ロピルエステル26.0g(0.10モル)を仕込み、撹拌下
に、−10℃から−5℃の範囲の温度にて塩素14.9g(0.2
1モル)を1時間で導入した。その後、同じ温度で1時
間熟成して、塩素化反応を行なった。水5gを加えた後、
固体の水酸化ナトリウム16g(0.40モル)を徐々に加
え、更に、50〜60℃で3時間撹拌して、脱塩化水素反応
を行なった。
その後、クロロホルム及び水を加え、クロロホルム溶
液を十分に水洗した後、クロロホルムを留去し、残留物
を減圧蒸留して、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイ
ソプロピルエステル20.1gを無色透明の液体として得
た。
液を十分に水洗した後、クロロホルムを留去し、残留物
を減圧蒸留して、チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイ
ソプロピルエステル20.1gを無色透明の液体として得
た。
テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジイソ
プロピルエステルに対する収率は78.5%であった。
プロピルエステルに対する収率は78.5%であった。
以下にテトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸
ジエステルの製造を参考例として記載する。
ジエステルの製造を参考例として記載する。
参考例1 (テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n
−プロピルエステルの合成) α,α′−ジブロモアジピン酸ジ−n−プロピルエス
テルと硫化ナトリウムとを水不溶性溶媒と水とからなる
2相系溶媒中で反応させることにより、テトラヒドロチ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−プロピルエステ
ルを得た。水不溶性溶媒としてはクロロベンゼンを用
い、クロロベンゼン/水=1(容積比)で反応を行なっ
た。
−プロピルエステルの合成) α,α′−ジブロモアジピン酸ジ−n−プロピルエス
テルと硫化ナトリウムとを水不溶性溶媒と水とからなる
2相系溶媒中で反応させることにより、テトラヒドロチ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジ−n−プロピルエステ
ルを得た。水不溶性溶媒としてはクロロベンゼンを用
い、クロロベンゼン/水=1(容積比)で反応を行なっ
た。
即ち、撹拌機、温度計、滴下漏斗及び冷却機を備えた
300ml容量四つ口フラスコにα,α′−ジブロモアジピ
ン酸ジ−n−プロピルエステル38.8g(0.10モル)、ク
ロロベンゼン100ml及び相間移動触媒としてベンザルコ
ニウムクロライド(C1480%以上)0.3gを仕込み、撹拌
下、これに60%市販硫化ナトリウム13.65g(0.105モ
ル)を水100mlに溶解した水溶液を40〜50℃の範囲で1
時間を要して滴下し、更に、同じ温度で2時間撹拌し
た。その後、分液し、クロロベンゼン溶液を水洗、乾燥
後、減圧下にクロロベンゼンを留去し、残留物を減圧蒸
留して、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸
ジ−n−プロピルエステル22.9gを無色液体として得
た。
300ml容量四つ口フラスコにα,α′−ジブロモアジピ
ン酸ジ−n−プロピルエステル38.8g(0.10モル)、ク
ロロベンゼン100ml及び相間移動触媒としてベンザルコ
ニウムクロライド(C1480%以上)0.3gを仕込み、撹拌
下、これに60%市販硫化ナトリウム13.65g(0.105モ
ル)を水100mlに溶解した水溶液を40〜50℃の範囲で1
時間を要して滴下し、更に、同じ温度で2時間撹拌し
た。その後、分液し、クロロベンゼン溶液を水洗、乾燥
後、減圧下にクロロベンゼンを留去し、残留物を減圧蒸
留して、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジカルボン酸
ジ−n−プロピルエステル22.9gを無色液体として得
た。
α,α′−ジブロモアジピン酸ジ−n−プロピルエス
テルに対する収率は88.1%であった。
テルに対する収率は88.1%であった。
参考例2〜14 第3表に示すα,α′−ジハロアジピン酸ジエステル
(0.10モル)、無機硫化塩(0.105モル)、相間移動触
媒(0.3g)を用い、水不溶性溶媒の種類と水不溶性溶媒
/水の容積比を変えた以外は、参考例1と同様の操作を
行ない、目的物が液体のものは、減圧蒸留により単離
し、固体のものは、反応終了後、水不溶性溶媒を濃縮し
た後、残留物を常法により精製して、目的物を得た。結
果を第3表に示した。
(0.10モル)、無機硫化塩(0.105モル)、相間移動触
媒(0.3g)を用い、水不溶性溶媒の種類と水不溶性溶媒
/水の容積比を変えた以外は、参考例1と同様の操作を
行ない、目的物が液体のものは、減圧蒸留により単離
し、固体のものは、反応終了後、水不溶性溶媒を濃縮し
た後、残留物を常法により精製して、目的物を得た。結
果を第3表に示した。
参考例1〜11及び14において得られたテトラヒドロチ
オフェンジカルボン酸ジエステルの物性値を第4表に示
す。
オフェンジカルボン酸ジエステルの物性値を第4表に示
す。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、機能性材料、医薬、農薬等を
製造する際の重要な中間体である種々のチオフェンジカ
ルボン酸ジエステルを容易に高収率で製造することがで
きる。
製造する際の重要な中間体である種々のチオフェンジカ
ルボン酸ジエステルを容易に高収率で製造することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 直宏 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 製鉄化学工業株式会社内 (72)発明者 寺本 真樹 兵庫県加古郡播磨町宮西346番地の1 製鉄化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−71646(JP,A) Chemical Abstract s Vol.75(1971)abstrac t No.48894 Polymer J ournal Vol.7 No.1 (1975)p.72−78
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(I′) (式中、R′はC1〜C8のアルキル基、フェニル基、核置
換フェニル基又はベンジル基を示す。) で表わされるチオフェンジカルボン酸ジエステルを製造
するに際し、一般式(II′) (式中、R′は前記と同じである。) で表わされるテトラヒドロチオフェンジカルボン酸ジエ
ステルをハロゲン化して、一般式(III) (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示し、R′は前記
と同じである。) で表わされるジハロテトラヒドロチオフェンジカルボン
酸ジエステルとなし、引き続き、前記一般式(II′)に
おけるアルキル基R′と同じアルキル基を有するアルキ
ルアルコール又は塩基の存在下に脱ハロゲン化水素反応
させることを特徴とする一般式(I′)で表わされるチ
オフェンジカルボン酸ジエステルの製造方法。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1061185A JP2520298B2 (ja) | 1989-03-13 | 1989-03-13 | チオフェンジカルボン酸ジエステルの製造方法 |
EP96101671A EP0719774B1 (en) | 1989-03-13 | 1990-03-09 | A method for production of dibenzoxazolyl thiophenes |
DE69032378T DE69032378T2 (de) | 1989-03-13 | 1990-03-09 | Ein Verfahren zur Herstellung von Dibenzoxazolylthiophenen |
EP90104556A EP0387725B1 (en) | 1989-03-13 | 1990-03-09 | Production of thiophene-2,5-dicarboxylic acid diesters and tetrahydrothiophene-2,5-dicarboxylic acid diesters |
DE69029754T DE69029754T2 (de) | 1989-03-13 | 1990-03-09 | Herstellung von Thiophen-2,5-Dicarbonsäurediestern und Tetrahydrothiophen-2,5-dicarbonsäurediestern |
US07/492,072 US5093504A (en) | 1989-03-13 | 1990-03-12 | Production of thiophene-2,5-dicarboxylic acid diesters, tetrahydrothiophene-2,5-dicarboxylic acid diesters and dibenzoxazolylthiophenes |
CA002011948A CA2011948C (en) | 1989-03-13 | 1990-03-12 | Production of thiophene-2, 5-dicarboxylic acid diesters, tetrahydrothiophene-2, 5-dicarboxylic acid diesters and dibenzoxazolylthiophenes |
KR1019900003361A KR0142667B1 (ko) | 1989-03-13 | 1990-03-12 | 티오펜-2,5-디카르복실산 디에스테르, 테트라하이드로 티오펜-2,5-디카르복실산 디에스테르 및 디벤족사졸릴 티오펜의 제조방법 |
US07/753,088 US5221749A (en) | 1989-03-13 | 1991-08-30 | Production of dibenzoxazolylthiophenes |
US08/005,463 US5310940A (en) | 1989-03-13 | 1993-01-19 | Production of thiophene-2,5-dicarboxylic acid diesters, tetrahydrothiophene-2,5-dicarboxylic acid diesters and dibenzoxazolylthiophenes |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1061185A JP2520298B2 (ja) | 1989-03-13 | 1989-03-13 | チオフェンジカルボン酸ジエステルの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02240078A JPH02240078A (ja) | 1990-09-25 |
JP2520298B2 true JP2520298B2 (ja) | 1996-07-31 |
Family
ID=13163849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1061185A Expired - Fee Related JP2520298B2 (ja) | 1989-03-13 | 1989-03-13 | チオフェンジカルボン酸ジエステルの製造方法 |
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JP (1) | JP2520298B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5071646A (ja) * | 1973-11-05 | 1975-06-13 |
-
1989
- 1989-03-13 JP JP1061185A patent/JP2520298B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
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ChemicalAbstractsVol.75(1971)abstractNo.48894PolymerJournalVol.7No.1(1975)p.72−78 |
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---|---|
JPH02240078A (ja) | 1990-09-25 |
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