JP3945610B2 - フマル酸モノエステル類及びそのアルカリ金属塩類の製造方法 - Google Patents

フマル酸モノエステル類及びそのアルカリ金属塩類の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、フマル酸モノアルキルエステル類及びそのモノアルカリ金属塩類の新規な製造方法に関する。
さらに詳しくは、食品添加剤原料あるいは錠剤の固化剤などの医薬品添加剤化合物の原料等として有用なフマル酸モノアルキルエステル類及びそのアルカリ金属塩類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フマル酸モノアルキルエステル類及びそのアルカリ金属塩類の製造方法に関しては、いくつかの合成方法が知られている。
具体的には、マレイン酸モノアルキルエステルを原料とし、臭素(Br2 )あるいは沃素(I2)をシス−トランス異性化触媒として使用し、フマル酸モノアルキルエステルを得る製法、更に、得られたフマル酸モノステアリルエステルをアセトン溶剤に溶解して10〜20%NaOH水溶液で中和しフマル酸ステアリルモノナトリウム塩とする製造方法が知られている(イギリス特許1143115 号(1969))。
【0003】
また、無水マレイン酸を原料とし、ステアリルアルコールをトルエン溶剤中で還流下反応して、マレイン酸モノステアリルエステルを得、さらに四塩化炭素溶媒中、異性化触媒として臭素を使用して、フマル酸モノステアリルエステルを製造する方法、更に、得られたフマル酸モノステアリルエステルをアセトン溶剤に溶解して10〜20%NaOH 水溶液で中和し、フマル酸ステアリルモノナトリウム塩とする製造方法(米国特許3953616 号(1976))、或いは、マレイン酸のモノエステル化反応時に異性化触媒として沃素を存在させ、エステル化と同時に異性化を行う製造方法も知られている(特開昭58-18335(1983))。
上記公知の方法によるフマル酸モノアルキルエステル及びそのモノアルカリ金属塩類の製造方法においては、マレイン酸モノアルキルエステルをフマル酸モノアルキルエステル類に異性化する反応の異性化触媒として臭素(Br2 )もしくは沃素(I2 )等のハロゲンを四塩化炭素に溶解するか、もしくは沃素を芳香族炭化水素類に溶解して異性化触媒として使用する。
【0004】
しかしながら、臭素は、炭化水素溶剤類をブロム化する性質があり使えないので、反応溶剤としては、四塩化炭素等の脂肪族ハロゲン化物を使用するが、これらの溶剤は取扱い上、好ましくないという問題点がある。一方、沃素は反応速度が遅いという問題点がある。
上記の方法のほかに、異性化触媒として塩化アンモニウム、炭酸アンモニウムを使用する製造方法(ドイツ特許2130300 号(1972))が知られている。
しかしながら、塩化アンモニウムないし炭酸アンモニウムは、低温では反応が遅く、高温での使用となりそのためシス−トランス異性化触媒使用量が多くなるという問題点がある。
一方、フマル酸モノアルキルエステルをモノアルカリ金属塩類とする反応工程に関しては、上記公知の方法では、アセトン溶液中にアルカリ金属水酸化物水溶液を添加する方法であるため、ろ液がアセトン水溶液となって廃油の排出量が多くなること、また、中和(塩生成)の際、10〜20% の比較的高い濃度のアルカリ金属水酸化物水溶液を使用するため、モノアルキルエステル基が加水分解して目的物であるフマル酸モノアルキルエステル・モノアルカリ金属塩類の純度が低下しやすいなどの問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況に鑑み、廃棄物の発生等の環境への負荷が少なく、しかも高純度、高収率のフマル酸モノアルキルエステル類及びそのモノアルカリ金属塩類の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、第一に、無水マレイン酸類を、溶媒中、脂肪族アルコールでモノエステル化し、ついでトランス異性化してフマル酸モノアルキルエステル類とする反応において、無水ハロゲン化水素の存在下で異性化することを特徴とする一般式(I)で表されるフマル酸モノアルキルエステル類の製造方法が提供される。更に、本発明によると、第二に、上記一般式(I)で表されるフマル酸モノアルキルエステル類を、低濃度アルカリ水溶液で中和し、モノアルカリ金属塩とすることを特徴とする一般式(II)で表されるフマル酸モノアルキルエステル・モノアルカリ金属塩類の製造方法が提供される。
【0007】
一般式(I)
【化3】
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C4の低級アルキル基、フェニル基、又はハロゲン原子を示し、R3はC1〜C18のアルキル基を示す。)
【0008】
一般式(II)
【化4】
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C4の低級アルキル基、フェニル基、又はハロゲン原子を示し、R3はC1〜C18のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属原子を示す)
【0009】
本発明において用いられる、原料である無水マレイン酸類としては、一般式(III )で表される化合物である。
【0010】
一般式(III )
【化5】
(式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、C1 〜C4の低級アルキル基、フェニル基、又はハロゲン原子を示す)
【0011】
具体的には無水マレイン酸、無水ジメチルマレイン酸、無水モノエチルマレイン酸、無水モノフェニルマレイン酸、無水ジクロロマレイン酸、無水モノブロモマレイン酸などである。これらのなかでも置換基を持たない無水マレイン酸が好ましい。
本発明において用いられる、エステル化剤としての脂肪族アルコールは、炭素数1〜18の直鎖状ないし分岐状の飽和脂肪族一価アルコールが好ましく、具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなどが挙げられる。なかでも炭素数8〜18の脂肪族一価アルコールが好ましく、とくにオクチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。
【0012】
本発明の製造方法においては、第一の発明に係わるエステル化反応において、無水マレイン酸と脂肪族アルコールのモル比(無水マレイン酸/脂肪族アルコール)は、通常1.0〜2.0の範囲、とくに1.02〜1.05が好ましい。モル比が1より小さいとジアルキルエステルが多くなり、一方モル比が1を大きく越えると未反応の無水マレイン酸が多くなるので、本発明に係わる第一の発明における目的物であるフマル酸モノアルキルエステルの純度及び収率が低下する。またエステル化反応溶媒としては、脂肪族ケトン及び脂肪族炭化水素ないし芳香族炭化水素の混合溶媒を用いることが精製が容易である等の理由により好ましい。脂肪族ケトン溶媒としては、水に任意に溶解しない脂肪族飽和ケトンが好ましく、具体的には、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ピナコロン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトンなどが挙げられ、とくにメチルイソブチルケトンが好ましい。
脂肪族ケトンと共に用いられる脂肪族炭化水素溶媒としては、エステル化剤としての脂肪族アルコールを溶解させ且つ上記の脂肪族ケトンとの沸点温度において差異がある炭素数5〜8の飽和脂肪族炭化水素が望ましい。具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、シクロヘキサン、シクロヘプタンが挙げられ、とくにシクロヘキサンが好ましい。
【0013】
また、脂肪族ケトンと共に用いられる芳香族炭化水素としては、エステル化剤としての脂肪族アルコールを溶解させ且つ上記の脂肪族ケトンとの沸点温度において差異がある芳香族炭化水素が望ましい。具体的には、ベンゼン、トルエン、O-、m-、P-キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメンなどが挙げられ、とくにトルエン、キシレンが好ましい。
脂肪族ケトンと脂肪族炭化水素ないし芳香族炭化水素の混合割合は精製が容易である理由で1.5/1〜1/1の割合、好ましくは1/1程度の割合で用いられる。
本発明に係わるエステル化反応は、通常、無水マレイン酸を脂肪族ケトンと脂肪族炭化水素ないし芳香族炭化水素よりなる混合溶媒に溶解した反応混合液に、同じく混合溶媒に溶解した脂肪族アルコールを滴下し、攪拌下に反応することによって行われる。使用する混合溶媒の量は、特に制限はないが、通常、無水マレイン酸、又は脂肪族アルコールの2.5 重量倍程度が好ましい。
【0014】
エステル化反応は、通常、60〜120℃、好ましくは80〜100℃の反応温度で、通常大気圧下の反応圧力下に行われる。反応時間は反応温度と圧力にもよるが、通常1〜20時間程度の範囲である。エステル化反応の終点は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC分析)あるいはガスクロマトグラフィ(GC分析)により、反応液中の未反応の脂肪族アルコール量を追跡し、殆ど消費された時点を終点とするのが好ましい。反応収率は通常75〜90%程度である。
反応終了後に、反応終了混合液はそのまま、或いは常法によりマレイン酸モノアルキルエステルを濾過分離し、粗結晶あるいは精製結晶として、次工程の異性化反応原料に用いられる。
【0015】
次に、本発明の第一の発明に係わるトランス異性化反応は、マレイン酸モノアルキルエステルを含む溶液にシス−トランス異性化反応触媒である無水ハロゲン化水素を添加することにより行われる。マレイン酸モノアルキルエステルを含む溶液としては、エステル化反応で得られた反応終了後の反応混合液をそのまま用いてもよいし、マレイン酸モノアルキルエステルを溶媒に溶解した溶液を用いてもよい。この場合、溶媒としては、通常脂肪族炭化水素あるいは芳香族炭化水素が用いられ、特にシクロヘキサン又はトルエンが好ましい。
また、溶媒の量は異性化反応触媒である無水ハロゲン化水素類としては弗化水素、塩化水素、臭化水素、沃化水素などが挙げられるが、特に経済上の理由で塩化水素ガスが好ましい。
異性化反応触媒の使用量については特に制限はないが、通常、マレイン酸モノアルキルエステル類に対し5〜50重量部、塩化水素ガスの場合には、反応液に対して飽和量程度が好ましい。
【0016】
トランス異性化反応は、通常、50〜120℃、好ましくは65〜80℃の範囲の反応温度で、通常大気圧下で行われる。反応時間は反応温度と反応圧力及び反応系内の酸濃度にもよるが、通常塩化水素ガスが飽和量となった後3〜15時間の範囲である。
異性化反応の終点は液体クロマトグラフィ(HPLC分析)により、反応液中のマレイン酸モノアルキルエステル類を追跡し、殆ど消費された時点を終点とするのが好ましい。
反応終了後に、反応終了混合液は、そのまま次のアルカリ金属塩生成反応原料として用いてもよい。また必要に応じて、常法により反応終了混合液を冷却、晶析、濾別し、目的とするフマル酸モノアルキルエステルの粗結晶を得ることが出来る。このようにして得られるフマル酸モノアルキルエステルは、そのまま製品として供してもよいが、また必要に応じて、例えば再結晶などにより更に精製してもよい。これらの濾別品は次のアルカリ金属塩生成反応原料に用いることもできる。
【0017】
次に、本発明の製造方法において、第2の発明に係わるにフマル酸モノアルキルエステルのモノアルカリ金属塩生成反応は、フマル酸モノアルキルエステルを含む溶液に、アルカリ金属水酸化物の水溶液を滴下添加することにより行われる。フマル酸モノアルキルエステルを含む溶液としては、好ましくは、上記のエステル化工程で得られたフマル酸モノアルキルエステルを含む反応終了後の溶液が用いられる。しかしながら、フマル酸モノアルキルエステルを溶媒に溶解した溶液を用いてもよい。この場合、溶媒としては脂肪酸ケトン、脂肪酸炭化水素又は芳香族炭化水素が用いられる。
フマル酸モノアルキルエステルのモノアルカリ金属塩生成反応に用いられるアルカリ金属水酸化物としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
【0018】
これらのアルカリ金属水酸化物は、低濃度水溶液として用いられ、好ましくは2.5〜10重量%の範囲、より好ましくは5.0〜7.5重量%の範囲、もっとも好ましくは5%程度の水溶液として用いられる。
このような低い濃度の水溶液とすることにより、フマル酸モノアルキルエステルのモノエステル基の加水分解を抑制しつつ、モノカルボキシル基を中和し塩生成することが出来る。
また、アルカリ金属水酸化物の低濃度水溶液の添加量としては、原料のフマル酸モノアルキルエステルを中和し塩生成するに必要な理論モル量程度、もしくはやや過剰に添加するのが好ましい。アルカリ金属水溶液の添加モル量を求めるための具体的な方法としては、例えば、トランス異性化反応で得られた異性化反応終了混合液を、電位差滴定することにより、中和し塩生成するに必要なアルカリ金属水溶液の添加モル量を求めることができる。
【0019】
アルカリ金属水溶液の添加モル量がフマル酸モノアルキルエステルのモル量と等モル量程度より少ないと、フマル酸モノアルキルエステルのカルボキシル基が、中和し塩生成されないで残り、また添加モル量が多すぎるとフマル酸モノアルキルエステルのアルキルエステル基が加水分解を受けるため、いずれの場合も、フマル酸モノアルキルエステル・モノアルカリ金属塩の純度、収率が低下する。反応は、通常、大気圧下で温度50〜70℃で時間2〜5程度で行われる。
このようにして得られた反応終了後の、反応混合液は、必要に応じて精製される。精製方法は、特に限定されないが、生成物のフマル酸モノアルキルエステル・モノアルカリ金属塩が結晶として析出する場合には、析出した結晶を濾過分離した後、乾燥し、粗結晶として得ることが出来る。また必要に応じて、例えば再結晶などにより更に精製してもよい。
【0020】
本発明においては、第一の発明に係わるフマル酸モノアルキルエステルの製造方法に含まれるエステル化反応とトランス異性化反応、及び第2の発明に係わるフマル酸モノアルキルエステル・モノアルカリ金属塩の製造方法に含まれる中和し塩生成反応の3つの反応工程は、各々の反応工程毎に別々の反応容器を用いて、あるいは同一の反応容器内で行ってもよい。また3つの反応は、逐次にあるいは連続して行ってもよい。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において、反応終点の確認、生成物の同定及び反応収率の確認は、液体クロマトグラフィー分析(HPLC分析)、ゲルパ−ミュエ−ションクロマトグラフィ−分析(GPC 分析)あるいはガスクロマトグラフィ−分析(GC分析)により行った。
HPLC分析では、マレイン酸モノアルキルエステル類、フマル酸モノアルキルエステル類及びジアルキルエステル類、ジカルボン酸類(無水物含む)の分析を行った。
GPC 分析では、脂肪族アルコール類、ジエステル類の分析を行った。
GC分析では、脂肪族アルコール類の分析を行った。
【0022】
【実施例1】
マレイン酸モノステアリルエステルの合成 ( エステル化反応工程)
温度計、滴下ロ−ト、逆流コンデンサ−、攪拌装置を取り付けた3000ml四口フラスコに無水マレイン酸200.3 g、メチルイソブチルケトン328.9 g、シクロヘキサン328.9 gを仕込んだ。その後、反応容器内を窒素ガスで置換し、87〜88℃に昇温し、そこに、ステアリルアルコ−ル526.2 gをメチルイソブチルケトン328.9 g、シクロヘキサン328.9gに加熱溶解した溶液を、2.0 時間かけて滴下した。
滴下終了後、7.0 時間、後攪拌を行った。反応終了後、反応液を冷却し、47.5℃で種晶を添加して結晶を析出させた。反応液温が15℃となったところで濾過し、マレイン酸モノステアリルエステルの白色湿潤結晶655.6 gを得た。(仕込みステアリルアルコールに対する収率:87.2mol%)
【0023】
フマル酸モノステアリルエステルの合成 ( 異性化反応工程)
温度計、滴下ロ−ト、逆流コンデンサ−、攪拌装置を取り付けた3000ml四口フラスコに、工程1で得られたマレイン酸モノステアリルエステルの湿潤結晶226.8 gとシクロヘキサン567.0 gを仕込んだ。反応容器内を窒素ガスで置換後、75〜80℃に昇温し、塩化水素ガスを2時間吹き込み、飽和させた。その後、11.0時間、後攪拌を行いマレイン酸モノステアリルエステルのフマル酸モノステアリルエステルへのトランス異性化反応を完結させた。(マレイン酸モノステアリルエステルの変化率:99.9%、フマル酸モノステアリルエステルの選択率:97.8%)
反応終了後、反応液温を65℃に下げながら窒素ガスパ−ジを2.0 時間行った。その後、反応液温を65〜70℃に保ちながらメチルイソブチルケトン567.0 gを添加した。(仕込みマレイン酸モノステアリルエステルに対する収率:97.7mol%)
【0024】
【実施例2】
フマル酸モノステアリルエステルのモノナトリウム塩の合成(中和・塩生成反応工程)
実施例1で生成した異性化反応工程の反応終了液を、65〜70℃に保ちながら、この反応終了液中のHcl量とカルボン酸基の合計量を電位差滴定により測定した。その後、この反応終了液に、測定したHcl量とカルボン酸量の各々1.00モル倍と1.05モル倍に相当する水酸化ナトリウム量の5%水容液511.8gを、2.0時間かけて滴下した。その後、同温度で0.5時間、後攪拌を行い、中和・塩生成反応を完結させた。
反応終了後、反応液を冷却し、晶析を行い、反応液温が25℃となった所で濾過を行い、乾燥後、フマル酸モノステアリルエステル・モノナトリウム塩の白色結晶198.7 gを得た。(フマル酸モノステアリルエステルに対する収率:86.9mol%)
【0025】
【実施例3】
フマル酸モノオクチルエステルの合成 ( 異性化反応工程)
温度計、滴下ロ−ト、逆流コンデンサ−、攪拌装置を取り付けた3000ml四口フラスコに、マレイン酸モノオクチルエステル210.0 gとシクロヘキサン525.0 gを仕込んだ。反応容器内を窒素ガスで置換した後、75〜80℃に昇温し、塩化水素ガスを2.0時間吹き込み、飽和させた。飽和後、9.0時間、後攪拌を行い、マレイン酸モノオクチルエステルのフマル酸モノオクチルエステルへの異性化反応を完結させた。反応終了後、反応液温度を65℃に下げながら窒素ガスパ−ジを2.0時間行った。その後、反応液温度を65〜70℃に保ちながらメチルイソブチルケトン525.0 gを添加した。(仕込みマレイン酸モノオクチルエステルに対する収率:88.8mol%)
【0026】
【実施例4】
フマル酸モノオクチルエステル・モノナトリウム塩の合成(中和・塩生成反応工程)
実施例3で生成した異性化反応の反応終了液を、65〜70℃に保ちながら、この反応終了液中のHcl量とカルボン酸基の量を電位差滴定により測定した。その後、この反応終了液に測定したHcl量とカルボン酸量の各々1.00モル倍と1.05モル倍に相当する水酸化ナトリウム量の5%水容液725.4gを、2.0時間かけて滴下した。その後、同温度で0.5時間、後攪拌を行い、中和・塩生成反応を完結させた。
反応終了後、反応液を冷却し、反応液温が25℃となった所で静置し、分液を行い、濃度14.62 %の無色透明なフマル酸モノオクチルエステル・モノナトリウム塩の水溶液1022.3gを得た。(フマル酸モノオクチルエステルに対する収率:73.1mol%)
【0027】
【比較例1】
異性化反応触媒 (HCl 水溶液 )
温度計、滴下ロ−ト、逆流コンデンサ−、攪拌装置を取り付けた四口フラスコに、乾燥したマレイン酸モノステアリルエステル 20.0 gとトルエン 50.3gを仕込んだ。反応容器内を窒素ガスで置換した後、55℃に昇温し、それにマレイン酸モノステアリルエステルの0.04モル倍量の24%塩酸水0.46g を1.0 時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3.0時間、後攪拌を行った。(マレイン酸モノステアリルエステル変化率:7.60%)
反応終了後、分液を行い、生成したフマル酸モノステアリルエステルの同定と生成量を確認した。(フマル酸モノステアリルエステル選択率:82.91%、ジカルボン酸選択率:14.08%)
【0028】
【発明の効果】
本発明に係わる、フマル酸モノアルキルエステル及びそのモノアルカリ金属塩類の製造方法によれば、無水マレイン酸と脂肪族アルコール類を出発原料として、廃棄物の発生等の環境への負荷が少なく、しかも高純度、高収率のフマル酸モノアルキルエステル及びそのモノアルカリ金属塩の製造方法が提供される。

Claims (2)

  1. 無水マレイン酸類を、溶媒中、脂肪族アルコールでモノエステル化し、ついでトランス異性化してフマル酸モノアルキルエステルとする反応において、無水ハロゲン化水素の存在下で異性化することを特徴とする一般式(I)で表されるフマル酸モノアルキルエステル類の製造方法。
    一般式(I)
    (式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C4の低級アルキル基、フェニル基、又はハロゲン原子を示し、R3はC1〜C18のアルキル基を示す。)
  2. 無水マレイン酸類を、溶媒中、脂肪族アルコールでモノエステル化し、ついでトランス異性化してフマル酸モノアルキルエステルとする反応において、無水ハロゲン化水素の存在下で異性化することによって得られる下記一般式(I)で表されるフマル酸モノアルキルエステル類を低濃度アルカリ水溶液で中和し、モノアルカリ金属塩とすることを特徴とする下記一般式(II)で表されるフマル酸モノエステル・モノアルカリ金属塩類の製造方法。
    一般式(I)
    (式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C4の低級アルキル基、フェニル基、又はハロゲン原子を示し、R3はC1〜C18のアルキル基を示す。)
    一般式(II)
    (式中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子、C1〜C4の低級アルキル基、フェニル基、又はハロゲン原子を示し、R3はC1〜C18のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属原子を示す。)
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