JPH0710628B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH0710628B2
JPH0710628B2 JP60105260A JP10526085A JPH0710628B2 JP H0710628 B2 JPH0710628 B2 JP H0710628B2 JP 60105260 A JP60105260 A JP 60105260A JP 10526085 A JP10526085 A JP 10526085A JP H0710628 B2 JPH0710628 B2 JP H0710628B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は感熱記録材料に関し、更に詳しくは、常温にお
いて無色又はやや淡色のロイコ染料と、該ロイコ染料と
熱時反応して発色せしめる顕色剤とを発色成分として含
有する感熱発色層を支持体上に設けた感熱記録材料の改
良に関する。
〔従来技術〕 感熱記録材料は一般に紙、合成紙、プラスチックフィル
ム等の支持体上に熱発色性組成物を主成分とする感熱発
色層を設けたもので、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光、
ストロボランプ等で加熱することにより発色画像が得ら
れる。この種の記録材料は他の記録材料に比べて現像、
定着等の煩雑な処理を施すことなく、比較的簡単な装置
で短時間に記録が得られること、騒音の発生及び環境汚
染が少ないこと、コストが安いことなどの利点により、
図書、文書などの複写に用いられる他、電子計算機、フ
ァクシミリ、券売機、ラベル、レコーダーなど多方面に
亘る記録材料として広く利用されている。このような感
熱記録材料に用いられる熱発色性組成物は一般の発色剤
と、この発色剤を熱時発色せしめる顕色剤とからなり、
発色剤としては例えばラクトン、ラクタム又はスピロピ
ラン環を有する無色又は淡色のロイコ染料が、また、顕
色剤としては従来から有機酸、フェノール性物質が用い
られている。この発色剤と顕色剤とを組合せた記録材料
は、殊に得られる画像の色調が鮮明であり、かつ地肌の
白色度が高く、しかも、画像の耐候性が優れているとい
う利点を有し、広く利用されている。
従来ロイコ染料に対する顕色剤としては、ビスフェノー
ルAやp−ヒドロキシ安息香酸エステル類等が用いられ
てきたが、これらのフェノール類は、発色濃度は高いが
発色画像の安定性に欠けるため、自然放置で濃度が低下
する他、指紋等の油脂類や可塑剤等と接触しても、濃度
低下を起すことが問題となっている。これらの現象は、
フェノール類のみならず一般の有機酸を用いた場合にも
生じるものであり、その克服が強く要望されている。安
定性の良い画像を与える顕色剤として、感圧紙の分野で
は、特公昭52−1327号公報にみられる如く、芳香族カル
ボン酸の金属化合物の使用が提案されているが、これを
感熱紙に適用した場合、画像は安定化するものの油脂類
との接触により非画像部(地肌部)が発色して、画像の
判読が困難になるという欠点があり、感熱紙に応用する
ことは実際上難かしいのが現状である。また、芳香族の
オキシカルボン酸類(例えば、サリチル酸、2−オキシ
−3−ナフトエ酸等)の金属塩を顕色剤として用いるこ
とも提案されているが、この場合も油脂類との接触で非
画像部が強く発色してコントラストが低下してしまう欠
点がある。
〔目的〕
本発明は、従来技術の問題点を克服した、即ち、画像の
保存安定性、耐可塑剤性、耐油性にすぐれ、しかも地肌
発色がほとんどない。信頼性の向上した感熱記録材料を
提供することを目的とする。
〔構成〕
本発明によれば、支持体上にロイコ染料と顕色剤とを主
成分として含有する感熱発色層をアンダーコート層を介
して設けた感熱記録材料において、該顕色剤として、没
食子酸エステルを用いるとともに、該アンダーコート層
中に高級カルボン酸のアルミニウム塩を含有させたこと
を特徴とする感熱記録材料が提供される。
本発明において顕色剤として用いる没食子酸は、従来の
フェノール性化合物と比べ、耐可塑剤性、耐油性におい
て、それほど優れた安定な発色画像を与えるものではな
いが、これを金属化合物と併用すると、発色画像の耐可
塑剤性、耐油性が著しく向上する事が見出された。しか
し乍ら、ロイコ染料と没食子酸エステルを含む感熱発色
層中に金属化合物を加えると、発色画像の耐可塑剤性、
耐油性は向上するものの、地肌部が可塑剤、油によって
発色するため結果的に記録物のコントラストを低下させ
るという欠点を有していた。
そこで更に、研究を重ねたところ、高級カルボン酸のア
ルミニウム塩を、感熱発色層と支持体の間に設けたアン
ダーコート層中に含有せしめる事により、発色画像の耐
可塑剤性、耐油性を劣化させることなく、可塑剤、油に
よる地肌部の発色を防止することが可能であることを見
い出し、本発明を完成するに到った。又、アンダーコー
ト層を設けることにより、上層の感熱発色層の表面の平
坦性が向上し、その結果熱感度が高まるという利点も得
られる。
本発明において顕色剤として用いる没食子酸エステルの
具体例としては、例えば、没食子酸メチル、没食子酸エ
チル、没食子酸プロピル、没食子酸イソブチル、没食子
酸ブチル、没食子酸イソアミル、没食子酸オクチル、没
食子酸ラウリル、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸ステ
アリルのような没食子酸アルキルエステル、あるいはフ
ェニルエステル、ベンジルエステル等の芳香族エステル
などがあるが、これらに限定されるものではない。
前記の没食子酸エステルは、各々が単独で用いられる
他、2種以上が混合されて用いられてもよい。
本発明において用いられる高級カルボン酸のアルミニウ
ム塩としては、例えばラウリン酸、ステアリン酸等のア
ルミニウム塩が挙げられるが、必ずしもこれに限定され
るものではない。
前記高級カルボン酸のアルミニウム塩の使用量は、前記
没食子酸エステル1重量部に対し、0.2〜5重量部、好
ましくは0.5〜3重量部の範囲とするのがよい。
本発明においては、高級カルボン酸のアルミニウム塩と
共に、アンダーコート層に充填剤を含有させることがで
きるが、このような充填剤としては、一般製紙塗工用と
して用いられる無機、有機の顔料が任意に用いられ、具
体的には以下のようなものが挙げられる。
炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、ポリスチ
レン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等。
また、高級カルボン酸のアルミニウム塩及び充填剤を支
持体上に支持する結合剤としては、通常、水溶性高分
子、又は水性エマルジョンが用いられ、具体的には、例
えば、以下に示すようなものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、メチルセルローズ、ヒドロキシ
エチルセルローズ、デンプン、デンプン誘導体、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ポリアミド、SBRラテックス、ポリス
チレン−アクリル酸エステルエマルジョン、ポリ酢酸ビ
ニルエマルジョン等。
本発明において用いるロイコ染料は単独又は2種以上混
合して適用されるが、このようなロイコ染料としては、
この種の感熱材料に適用されているものが任意に適用さ
れ、例えば、トリフェニルメタン系、フルオラン系、フ
エノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、イン
ドリノフタリド系等の染料のロイコ化合物が好ましく用
いられる。このようなロイコ染料の具体例としては、例
えば、以下に示すようなものが挙げられる。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノェエニル)−フタリ
ド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメ
チルアミノフタリド(別名クリスタルバイオレットラク
トン)、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジエ
チルアミノフタリド、 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−クロ
ルフタリド、 3,3−ビス(p−ジブチルアミノフェニル)フタリド、 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロルフルオラン、 3−ジメチルアミノ−5,7−ジメチルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン、 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンズフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラ
ン、 3−(N−p−トリル−N−エチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、 2−{N−(3′−トリフルオルメチルフェニル)アミ
ノ}−6−ジエチルアミノフルオラン、 2−{3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−クロ
ルアニリノ)キサンチル安息香酸ラクタム}、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリクロ
ロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルアニリノ)フル
オラン、 3−N−メチル−N−アミルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、 3−N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、 3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N
−ジベンジルアミノ)フルオラン、 ベンゾイルロイコメチレンブルー、 6′−クロロ−8′−メトキシ−ベンゾインドリノ−ピ
リロスピラン、 6′−ブロモ−3′−メトキシ−ベンゾインドリン−ピ
リロスピラン、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニル)
フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−ニトロフェニル)
フタリド、 3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジエチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−メトキシ−5′−メチルフェニル)
フタリド、 3−(2′−メトキシ−4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2′−ヒドロキシ−4′−クロル−5′−
メチルフェニル)フタリド、 3−モルホリノ−7−(N−プロピル−トリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−トリフルオロメチルアニリノフル
オラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロロ−7−(N−ベンジル
−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、 3−ピロリジノ−7−(ジ−p−クロルフェニル)メチ
ルアミノフルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−クロル−7−(α−フェニル
エチルアミノ)フルオラン、 3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−(α−フェ
ニルエチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−(o−メトキシカルボニルフ
ェニルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(α−フェニル
エチルアミノ)フルオラン、 3−ジエチルアミノ−7−ピペリジノフルオラン、 2−クロロ−3−(N−メチルトルイジノ)−7−(p
−n−ブチルアニリノ)フルオラン、 3−(N−ベンジル−N−シクロヘキシルアミノ)−5,
6−ベンゾ−7−α−ナフチルアミノ−4′−ブロモフ
ルオラン、 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−メシチジノ−
4′、5′−ベンゾフルオラン、 3,6−ジメトキシフルオラン、 3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−フェニルフ
タリド、 3−ジ(1−エチル−2−メチルイルドール)−3−イ
ル−フタリド、 3−ジエチルアミノ−6−フェニル−7−アザフルオラ
ン、 3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメ
チルアミノ−フタリド、 2−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)メチル−5−
ジメチルアミノ−ベンゾイックアシッド、 3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(p−ジベ
ンジルアミノフェニル)フタリド、 3−(N−エチル−N−n−アミル)アミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン等。
本発明において用いられる顕色剤としては、前記没食子
酸エステルの外に、必要に応じて、従来から公知のフェ
ノール性物質や、無機・有機酸性物質及びその誘導体か
らなる顕色剤を併用することもできる。本発明において
用いられる顕色剤は、ロイコ染料1重量部に対して、一
般に1〜10重量部、好ましくは2〜6重量部の範囲で用
いられるが、本発明において用いられる前記没食子酸エ
ステルは、全顕色剤の中で20重量%以上、好ましくは50
重量%以上である。
本発明で、没食子酸エステルと併用できる顕色剤として
は、前記ロイコ染料に対して加熱時に反応してこれを発
色させる種々の電子受容性物質が適用され、その具体例
を示すと、以下に示すようなフェノール性物質、有機又
は無機酸性物質あるいはそれらのエステルや塩等が挙げ
られる。
サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−シクロ
ヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル
酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、4,4′−
イソプロピリデンジフェノール、4,4′−イソプロピリ
デンビス(2−クロロフェノール)、4,4′−イソプロ
ピリデンビス(2,6−ジブロモフェノール)、4,4′−イ
ソプロピリデンビス(2,6−ジクロロフェノール)、4,
4′−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノー
ル)、4,4′−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフ
ェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2−tert
−ブチルフェノール)、4,4′−sec−ブチリデンジフェ
ノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、
4,4′−シクロヘキシリデンビス(2−メチルフェノー
ル)、4−tert−ブチルフェノール、4−フェニルフェ
ノール、4−ヒドロキシジフエノキシド、α−ナフトー
ル、β−ナフトール、3,5−キシレノール、チモール、
メチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−ヒドロキシ
アセトフェノン、ノボラック型フェノール樹脂、2,2′
−チオビス(4,6−ジクロロフェノール)、カテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロロ
グリシン、フロログリシンカルボン酸、4−tert−オク
チルカテコール、2,2′−メチレンビク(4−クロロフ
ェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t
ert−ブチルフェノール)、2,2′−ジヒドロキシジフェ
ニル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ
安息香酸プロピル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、p
−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香
酸−p−クロルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−o
−クロルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−p−メチ
ルベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−n−オクチル、
安息香酸、サリチル酸亜鉛、1−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロ
キシ−6−ナフトエ酸亜鉛、4−ヒドロキシジフェニル
スルホン、4−ヒドロキシ−4′−クロロジフェニルス
ルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、3,5−ジ−tert−ブ
チルサリチル酸亜鉛、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル
酸錫、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、クエン酸、コハ
ク酸、ステアリン酸、4−ヒドロキシフタル酸、ホウ
酸、チオ尿素誘導体、4−ヒドロキシフェール誘導体
等。
本発明においては、前記ロイコ染料、顕色剤及び高級カ
ルボン酸のアルミニウム塩を支持体上に結合支持させる
ために、慣用の種々の結合剤を適宜用いることができ、
例えば、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導
体、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル
酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド/
アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド/アク
リル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン
/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/
無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミ
ド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性
高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン
/ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル
酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブ
チルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合体、
スチレン/ブタジエン/アクリル系共重合体等。
また、本発明においては、前記ロイコ染料及び顕色剤と
共に、必要に応じ、更に、この種の感熱記録材料に慣用
される補助添加成分、例えば、填料、界面活性剤、熱可
融性物質(又は滑剤)等を併用することができる。この
場合、填料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク、表面処理されたシリカ等の無機系微粉末の
他、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共
重合体、ポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末を挙げる
ことができ、熱可融性物質としては、例えば、高級脂肪
酸又はそのエステル、アミドもしくは金属塩の他、各種
ワックス類、芳香族カルボン酸とアミンとの縮合物、安
息香酸フェニルエステル、高級直鎖グリコール、3,4−
エポキシ−ヘキサヒドロフタル酸ジアルキル、高級ケト
ン、その他の熱可融性有機化合物等の50〜200℃程度の
融点を持つものが挙げられる。
本発明の感熱記録材料を製造するには、従来慣用の方法
を用いることができる。例えば、上記した各成分をロイ
コ染料と顕色剤は少なくとも別々にしてボールミル、ア
トライター、サンドミル等の分散機により分散粒径が1
〜3μになるまで粉砕分散した後、一定処方に配合して
感熱発色層塗液を調製する。一方、これとは別に高級カ
ルボン酸のアルミニウム塩を充填剤及び結合剤水性液を
粉砕分散してアンダーコート層液を調製する。次に、
紙、フィルム、合成紙等の支持体上に上記アンダーコー
ト層液を塗布乾燥し、さらにその上に、感熱発色層液を
塗布乾燥した後、カレンダー処理を行うことによって本
発明の感熱記録材料が得られる。
〔効果〕
本発明の感熱記録材料は、感熱発色層がロイコ染料と、
顕色剤として没食子酸エステルとを含有して成ると共
に、高級カルボン酸のアルミニウム塩を好ましくは充填
剤及び結合剤と共に、アンダーコート層に含有させたこ
とから、記録画像、及び非画像の可塑剤、油に対する安
定性が向上し、その上に前記アンダーコート層の付設に
より支持体表面の凹凸が平滑化され、かつ感熱発色層の
支持体中への浸透が少なくなるので、熱感度も非常にす
ぐれたものである。
〔実 施 例〕
本発明を次に実施例により更に詳細に説明する。なお、
以下の部及び%はいずれも重量基準である。
実施例1 〔A液〕 3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 20部 10%ポリビニルアルコール水溶液 20〃 水 60〃 〔B液〕 没食子酸ステアリル 35部 シリカ 4〃 ステアリン酸アミド 20部 10%ポリビニルアルコール水溶液 60〃 水 181〃 〔C液〕 ステアリン酸アルミニウム 20部 10%ポリビニルアルコール水溶液 20〃 水 60〃 上記組成からなる混合物をそれぞれサンドグラインダー
で2〜4時間粉砕分散して、A液、B液及びC液を調製
した。
次に、A液12部、B液50部及び10%ポリビニルアルコー
ル水溶液10部を混合し、更に水30部を添加混合して感熱
発色層塗布液を調製した。又、別にC液10部と尿素ホル
マリン樹脂微粉末分散液(40%)5部とを混合してアン
ダーコート層塗液を調製した。45g/m2(坪量)の市販上
質紙に前記アンダーコート層塗液を乾燥後塗布量が6.0g
/m2になるように塗布乾燥してアンダーコート層を形成
し、次いで前記感熱発色層塗液を乾燥後塗布量が4.5g/m
2となるように塗布乾燥し、この塗布紙をキャレンダー
がけして本発明の実施例1の感熱記録材料を作成した。
実施例2 実施例1においてB液で用いた没食子酸ステアリルの代
りに、没食子酸オクチルを用いた以外は実施例1と同様
にして本発明の実施例2の感熱記録材料を作成した。
比較例1 A液12部、B液50部、C液45部及び10%ポリビニルアル
コール水溶液10部を混合し、更に水10部を添加混合して
感熱発色層塗液を調製し、この塗液を坪量45g/m2の上質
紙上に乾燥付着量が6.3g/m2となるように直接塗布乾燥
し、カレンダー処理を行って比較例1の感熱記録材料を
得た。
比較例2 実施例1において、B液の没食子酸ステアリルの代りに
ビスフェノールAを使用して感熱発色層塗液を調製し、
この塗液を、アンダーコート層を除いた坪量45g/m2の上
質紙上に乾燥付着量4.5gとなるように直接塗布乾燥し、
カレンダー処理を行って比較例2の感熱記録材料を得
た。
以上のようにして得た感熱記録材料を、熱傾斜試験機に
て、150℃、圧力2kg/cm2の条件で、1秒間接触させ、発
色画像を得た。このようにして得た発色画像(発色部)
と未発色部(地肌部)について、可塑剤、油による発色
部の消色及び地肌部の発色について試験を行った。その
結果を表−1に示す。
試験法 (1)耐可塑剤性…発色部、地肌部にジオクチルアジペ
ートを付着させ40℃の条件下に24時間放置した後濃度を
測定した。
(2)耐油性……発色部、地肌部に綿実油を付着させ40
℃の条件下に24時間放置した後濃度を測定した。
濃度計はマクベスRD−514 106フィルター使用 以上の結果から、本発明の感熱記録材料は地肌部、発色
部とも可塑剤、油に対して安定であることがわかる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上にロイコ染料と顕色剤とを主成分
    として含有する感熱発色層をアンダーコート層を介して
    設けた感熱記録材料において、該顕色剤として、没食子
    酸エステルを用いるとともに、該アンダーコート層中に
    高級カルボン酸のアルミニウム塩を含有させたことを特
    徴とする感熱記録材料。
JP60105260A 1985-05-17 1985-05-17 感熱記録材料 Expired - Fee Related JPH0710628B2 (ja)

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