JPH0710626A - 熱可塑性セメント組成物及びセメント成形物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性セメント組成物及びセメント成形物の製造方法

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JPH0710626A
JPH0710626A JP5149136A JP14913693A JPH0710626A JP H0710626 A JPH0710626 A JP H0710626A JP 5149136 A JP5149136 A JP 5149136A JP 14913693 A JP14913693 A JP 14913693A JP H0710626 A JPH0710626 A JP H0710626A
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cement
parts
thermoplastic
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thermoplastic resin
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Shigeji Kobori
茂次 小堀
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TOUBU KAGAKU KK
Mitsui and Co Ltd
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TOUBU KAGAKU KK
Mitsui and Co Ltd
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    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形時は熱可塑的に加工が容易でありなが
ら、吸水によりセメント類が硬化すると熱可塑性を消失
し、耐熱性その他の物性に優れたプラスチックセメント
を提供する。 【構成】 熱可塑性プラスチック100 重量部に対し、水
硬性セメント及び/又は気硬性セメント50〜600 重量部
及び親水性物質0.1 〜20重量部を配合してなる熱可塑性
セメント組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセメントと熱可塑性プラ
スチックの中間的物性を示す熱可塑性セメント組成物に
関するものであり、耐熱性の要求される製品等、産業界
の広い分野に利用することができる熱可塑性セメント組
成物を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性プラスチックに無機系の充填剤
を混合して、熱可塑性プラスチックの改質を行うことは
公知である。しかしこの様な方法では本質的に熱可塑性
プラスチックの耐熱性を改善できないことも良く知られ
ている。又、熱可塑性プラスチックにおける熱可塑性
は、成形上は必要不可欠な物性であるが、成形後はむし
ろ必要でないことが多い。液晶系プラスチックは耐熱性
を主眼にするために高温成形が行われているが、もしも
低温成形が可能で且つ高耐熱性のプラスチックが製造で
きれば、その存在価値は大きい。又、熱硬化性樹脂は比
較的耐熱性が良いとされているが、成形性において熱可
塑性プラスチックと比較されるような速度と容易性はな
く、現場成形的要因が評価されているが、総量的に熱可
塑性プラスチックの比ではない。一方、近年これらのプ
ラスチックの使用後の廃プラスチックの処理が環境問題
になりつつあるが、廃プラスチックの適切な処理方法が
いまだ見出だされていない現状では新たな処理方法の出
現が待たれている。一般に熱可塑性プラスチックはその
ヒートサイクルが2回目以降となると成形性と物性が低
下し、熱可塑性プラスチックのリサイクルを困難にして
いる為に廃プラスチックが発生し易くなっている。廃プ
ラスチックの再資源化方法として近来熱クラッキングに
よる油化技術が注目されているが、通常の燃料油と比較
して高コストであり廃プラスチックの選別が必要にな
り、クラッキング残渣が二次処理の対象になるなどの問
題点を残しており、直接廃プラスチックを原料にした再
資源化方法で異種廃プラスチックの混入や異物の混入を
問題にしない再資源化方法が待たれている。一方、コン
クリート二次製品は成形コストが高く、養生時間が長い
という問題があり、熱可塑性プラスチックの成形コスト
には遙かに及ばない。この問題点を解決するには熱可塑
的にコンクリート二次製品を製造することであるが、今
日までにこの様な製品は上市されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、熱可塑性
プラスチックに無機系の充填剤を添加して、増量、耐
熱、耐圧等の改質は以前から行われているが、熱可塑性
プラスチックに水硬性セメント及び気硬性セメントを添
加して熱可塑性プラスチックの改質を行う方法はセメン
ト類を単純に添加して解決される問題ではない。即ち熱
可塑性プラスチックにセメント類を添加するのみでは、
熱可塑性プラスチックにセメント類が包含されて、水和
や気硬が阻害され単なる充填剤として機能するにすぎな
い。この条件下では熱可塑性プラスチックは耐熱性に何
等改善点が見出されないばかりか、添加した充填剤がメ
ルトインデックスの低下のみに働き成形性を悪化させる
のみである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、熱可塑性プ
ラスチックにポリマーアロイの手法を活用して、熱可塑
性プラスチックに添加したセメント類が水和できるよう
に親水性を付与するような物質を添加することにより、
成形時は熱可塑的に加工が容易でありながら、吸水によ
りセメント類が硬化すると熱可塑性を消失するプラスチ
ックセメントの開発に成功し、本発明を完成するに到っ
た。即ち本発明は、熱可塑性プラスチック100 重量部に
対し、水硬性セメント及び/又は気硬性セメント50〜60
0 重量部及び親水性物質0.1 〜20重量部を配合してなる
熱可塑性セメント組成物、並びに、熱可塑性プラスチッ
ク100 重量部に親水性物質0.1 〜20重量部を添加し相溶
化させた後に、水硬性セメント及び/又は気硬性セメン
ト50〜600 重量部を添加・混練し、次いでこの混合物を
吸水させて硬化することを特徴とするセメント成形物の
製造方法である。本発明においては、親水性物質を予め
セメント類に混合して表面処理を施すことにより添加し
たセメント類の硬化を可能とすることもできるが、効果
的な方法は上記ポリマーアロイ法である。
【0005】以下、本発明の構成について詳述する。本
発明における熱可塑性プラスチックとは熱硬化性樹脂を
除く全ての熱可塑性プラスチックが対象となる。例え
ば、アスファルト、ポリエチレン(PE)、ポリプロピ
レン(PP)、塩化ビニル、エチレンビニルアセテート
(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体(ABS)、アクリロニトリル−アクリルゴム
−スチレン共重合体(AAS)、アクリロニトリル−E
PDM−スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリ
ル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体(AC
S)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共
重合体(MBS)、E−PVC、塩化ビニリデン、塩素
化オレフィンブタジエン樹脂、ポリアセタール、ナイロ
ン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)、ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー(TPU)、ポリブチレンテレフタレート(P
BT)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリ
レート(PAR)、液晶性ポリマー(LCP)、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルケト
ン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリエーテルスルフォン(PES)、スチレン系
熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラスト
マー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラ
ストマー、ポリブタジエン系エラストマー、塩化ビニル
系エラストマー、この他のゴム系では天然ゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)ブタジエンゴム(BR)
イソプレンゴム(IR)クロロプレンゴム(CR)アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)エチレンープ
ロピレンゴム(EPM)イソブチレン−イソプレンゴム
(IIR)等が挙げられ、これらの2種以上の混合物又
はコポリマーであってもよい。しかも新樹脂であっても
廃樹脂であっても使用することができる。以下はこれら
を熱可塑性樹脂という。
【0006】本発明のセメントとは水硬性セメントにあ
っては、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、フ
ライアッシュセメント、白色セメント等のポルトランド
セメント系のみでなく、アウイン系の超早強セメント、
アルミナセメント、歯科用セメント、オキシクロライド
セメント、耐酸セメント、石膏等の水硬性セメントはも
とより2成分以上の成分からなり水によって反応して水
硬性セメントになるような成分の活性シリカと水酸化カ
ルシウム、活性アルミナと水酸化カルシウム等も含まれ
る。又、気硬性セメントとしては、石灰、マグネシアセ
メント等の他、気硬性炭酸硬化物である水酸化カルシウ
ム、ドロマイトプラスターもしくは酸化によって硬化す
る金属粉末の鉄粉、亜鉛末等も利用することができる。
以上に挙げた水硬性セメント及び気硬性セメント等の硬
化性物質は熱可塑性樹脂内で理論量又はそれ以下の水又
は気体と反応して硬化し、ポルトランドセメントの一般
的使用条件と異なる水和が行われる。従って硬化物の性
質はポリマーセメントに類似したものである。以下はこ
れらをセメント類という。
【0007】本発明の親水性物質とは上記熱可塑性樹脂
に親水性を付与する物質であり、ポリマーアロイによっ
て熱可塑性樹脂に分散又は溶解して、水硬性セメント又
は気硬性セメントが硬化し得るような熱可塑性樹脂の水
濡れ性と通気性を付与するような物質である必要があ
る。かかる作用を有する物質としては、ポリエチレンオ
キサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリオレフィ
ンオキサイドや、ポリビニルアルコール(PVA)、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
多価アルコール類の単体又は2種以上の混合物もしくは
これらの共重合体、ポリプロピレングリコール(PP
G)を含む誘導体、例えばポリウレタンプレポリマーを
含む又は界面活性剤中非イオン界面活性剤とその原料で
あるポリオキシエチレンアルキルエーテル類と多価アル
コールのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコールの
エステル類が挙げられる。さらに高吸水性ポリマーを熱
可塑性樹脂に粉体混合する方法がある。しかし効果は低
いため、高吸水性ポリマーの合成方法を応用して、熱可
塑性樹脂に高吸水性ポリマーを直接混合する方法におけ
る吸水性が極端に低下するという欠点を改善し、熱可塑
性樹脂内で高吸水性ポリマーを合成する方法が好まし
い。即ち、一般に高吸水性ポリマーとなった物質は熱可
塑性樹脂に相溶性がなく、有機溶剤にも不溶であるため
熱可塑性樹脂の界面改質性は弱いが、合成原料のいずれ
か一方を熱可塑性樹脂に粉体混合し、一方を熱可塑性樹
脂に直接又は相溶化剤と溶解添加することによりポリオ
レフィンオキサイドのような改質剤となし得る。ここで
用い得る高吸水性ポリマーとしては、例えば、澱粉−ア
クリロニトリルグラフト重合物、澱粉−アクリル酸グラ
フト重合物、澱粉−スチレンスルホン酸グラフト重合
物、澱粉−ビニルスルホン酸グラフト重合物、澱粉−ア
クリルアミドグラフト重合物、澱粉−ポリビニルケトン
重合物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合
物、セルロース−スチレンスルホン酸グラフト重合物、
その他の澱粉誘導体、ヒルアロン酸、アガロース、キト
サン、コーラゲンなどの天然物、又、合成高分子系のP
VA架橋重合物、PVAエラストマー、アクリル酸塩架
橋重合物、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合物部
分加水分解物、アクリル酸塩−PVA共重合物、ポリア
クリロニトリル重合物部分加水分解物、ヒドロキシエチ
ルメタアクリレート重合物、無水マレイン酸イソブチレ
ン共重合物塩、ビニルピロリドン共重合物又は重合物、
ポリエチレングリコール−ジアクリレート共重合物、ポ
リプロピレングリコール−ジアクリレート共重合物、ポ
リエチレンイミン共重合物が挙げられる。これらは単独
又は2種以上の混合物でもよい。以下はこれらを親水性
物質という。
【0008】又、上記本発明の親水性物質を熱可塑性樹
脂に添加する際、必要により相溶化する助剤として相溶
化剤を用いる。この相溶化剤は通常のポリマーアロイ用
相溶化剤はもとより、上記親水性物質と良く相溶し、熱
可塑性樹脂とも相溶しそれ自身が親水性物質でもある親
水性と油溶性を示す物質、例えばポリビニルエーテル、
ポリビニルケトン、レシチン等である。これらは親水性
物質と重合させて用いることができる。この他市販の相
溶化剤としてマクロモノマーを利用して親水性物質と反
応させてグラフトポリマーとしてポリマーブレンドする
方法がある。マクロモノマーの末端基が極性のヒドロシ
ル基、カルボキシル基のものに反応させる方法が有用で
ある。又、親水性ウレタンと脂肪族アミンとモノ又はジ
グリシジルエーテルからなる反応性相溶化剤も有用であ
る。軟化点以上の加熱下に熱可塑性樹脂に親水性物質を
混入する方法として、ロール及びニーダーを用いて混合
されるが、容易に相溶化する樹脂と相溶化しないような
樹脂がある。特に異種のSP値の大きく異なる樹脂は相
溶化が困難なものもあるが、グラフトポリマーを用いて
マクロ的に樹脂の相溶化を計る方法とは本発明は異なり
親水性物質を熱可塑性樹脂に相溶化させるのが目的であ
り二次的に異種の熱可塑性樹脂を相溶化するに過ぎな
い。
【0009】本発明では熱可塑性樹脂に親水性物質を相
溶化させた後にセメント類を加えて混練りしプラスチッ
クセメント組成物とする。この配合処方は熱可塑性樹脂
ならびに親水性物質により異なるが、概ね熱可塑性樹脂
100 重量部に対し親水性物質 0.1〜20重量部、セメント
類50〜600 重量部であり、熱可塑性樹脂とセメント類の
比はセメント類の吸油量の最大値により、その量関係が
決まるが熱可塑性樹脂の粘度が低いほどセメント類の添
加量が増大する傾向がある。好ましい軟配合処方は熱可
塑性樹脂 100重量部に対し親水性物質 0.1〜3重量部、
セメント類50〜300 重量部であり、熱可塑性樹脂が比較
的多く、硬化処理後の熱可塑性樹脂の性質が残留するよ
うな配合処方である。好ましい硬配合処方は熱可塑性樹
脂100 重量部に対し親水性物質3〜10重量部、セメント
類 300〜600 重量部であり、熱可塑性樹脂が比較的少な
く硬化処理後に熱可塑性樹脂の性質が消失するような配
合処方である。
【0010】本発明ではセメント類の他にポルトランド
セメントに添加して利用されている骨材や補強材の各種
繊維類の他にセメント分散剤及びセメント類の吸水を容
易にするための吸水助剤として、エチレングリコール、
プロピレングリコール、グリセリン、ブタンジオール等
の多価アルコール類で表面処理を行う方法が用いられ
る。又、同時にプラスチックセメント組成物とした後の
成形物の水和時間の調整のためにメチルイソブチルケト
ン、メチルイソブチルカルビノール、アセチルアセト
ン、アセト酢酸等のケトン類を添加して、これらが蒸発
した後にセメント類の水和が開始されるように添加・混
入したセメント類の風化を防止することも可能である。
この様にしてセメント類の前処理は熱可塑性樹脂に対し
て表面の濡れ性を改善することに活用される利点があ
り、プラスチックセメント組成物の物性改善に役立つも
のである。勿論上記親水性物質でセメント類の表面処理
を行うこともできる。熱可塑性樹脂と親水性物質のポリ
マーアロイ又はポリマーブレンドは熱可塑性樹脂の化学
組成によるところが大きく、添加量が熱可塑性樹脂に比
較してより少量で効果のある親水性物質が好ましい。例
えばPE、PP等のポリオレフィンに対してポリエチレ
ンオキサイドは1〜3重量%の添加量で親水性とするこ
とができる。又、6ナイロン、66ナイロンはポリエチレ
ンオキサイド 0.1〜0.3 重量%の添加量で親水性とする
ことができる。この様にポリエチレンオキサイドは優れ
た相溶性と親水改質性を有しているが、概ね合成ゴム類
に対しては効果が低く、PVAエラストマー及びビニル
ピロリドンとポリビニルエーテルとの熱可塑性樹脂内で
の共重合物とする方法が適している。一例を挙げると無
水マレイン酸イソブチレン共重合物塩粉末とフタル酸ジ
オクル(DOP)を混合してスラリーとしてこれにモノ
エポキシ樹脂を架橋剤としてPVCと加熱混練りして相
溶化する。又、PET、PBTのような疎水性の高い熱
可塑性樹脂ではポリアクリルアミド吸水樹脂とエポキシ
変性ポリスチレングラフトポリマーによる相溶化剤によ
り親水改質性を行うことができる。又、PVC及びウレ
タン系エラトスマー、ポリエステル系エラトスマー、ポ
リアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマ
ー、塩ビ系エラストマーではアクリル酸塩−PVA共重
合物が相溶がよく軟質樹脂に適している。これらはいず
れも加熱下にロール又はニーダーでミキシングされ、押
し出し成形、カレンダー加工を経てプレス成形もしくは
射出成形等の熱可塑成型が行われる。この工程で都合に
より可塑剤、軟化剤、安定剤等を添加して熱可塑性セメ
ント組成物の軟度、耐候性を付与することがある。
【0011】この様にして得られたプラスチックセメン
ト組成物は直ちにアニリングして内在するセメント類を
硬化させる方法とプラスチックセメントの熱可塑性を残
したまま使用時に硬化させる方法に分けられる。アニリ
ングによる硬化方法は規定の時間と温度で硬化させるこ
とができる為に管理しやすく高品質を要求される製品に
適しているのに対し、使用時に硬化させる方法は現場的
で硬化管理は困難であるが、熱可塑セメント組成物は柔
軟性や可塑性に富んだ状態で取り扱える利点がある。従
って製品用途により熱可塑性樹脂の種類とセメント類の
量を目的に合わせて配合し物性をコントロールする必要
がある。プラスチックセメント組成物は非常に広範囲な
物性を示すものが製造できる為、製品個々の用途に応じ
て主とする熱可塑性樹脂の物性を考慮して利用しなけれ
ばならない。即ち未硬化の性状はゴム状のものからアス
ファルト又は一般の熱可塑性樹脂まで含まれる。又硬化
処理の程度を調節するとプラスチックセメント組成物の
表面は硬化が進行し内部は未硬化が存在する傾斜機能の
製品が製造できる。特に気硬性プラスチックセメント組
成物は水分と空気による硬化反応であるから表面程硬化
の進行した状態になりやすい。勿論親水性物質の量と熱
可塑性樹脂の改質程度により、硬化速度、硬化物性等諸
条件が存在することは言うまでもない。
【0012】本発明は熱可塑性を利用したあらゆる成型
が可能であると共に硬配合処方のようにセメント類のバ
インダーとして熱可塑性樹脂を利用しホットプレスによ
る圧縮成型迄成型方法があり、各々の製品に応じた製造
方法が行える。製造方法として第一工程の熱可塑性樹脂
と親水性物質のポリマーアロイ又はポリマーブレンドで
ある。熱可塑性樹脂と親水性物質が相溶化し易いものは
直接両者の加熱混練りによりブレンドすることができる
が、相溶化しにくい熱可塑性樹脂はポリマーアロイによ
り相溶化しなければならない。上記熱可塑性樹脂の中で
も親水性物質と比較的相溶化し易いものはポリマーブレ
ンドで行える。この方法は可塑性樹脂の融点近くで加熱
下に親水性物質を添加混練りする方法で均一に混和させ
る。直接混和が困難な場合はセメントと同時に混入する
方法とあらかじめセメントに親水性物質に予備混合する
方法がとられる。更に充填剤又は骨材に親水性物質に予
備混合する方法であっても良い。又、直接ポリマーブレ
ンドの困難な熱可塑性樹脂に対しては間接的にポリマー
ブレンドする方法がとられる。この方法は熱可塑性樹脂
と親水性物質の両者に相溶する熱可塑性樹脂を仲介して
ポリマーブレンドする方法である。特にセメント量の多
い配合処方にはこの方法が有利でありSP値の大きく異
なる可塑性樹脂に有効であるが、メルトインデックスは
上昇し射出成形は困難であり圧縮成形に適している。こ
れはポリマーアロイより安価で大型成形物に適し、とき
には補強の為に配筋を行い骨材の混合ができる。ポリマ
ーアロイ方法は親水性物質と相溶化剤とによる混合後に
可塑性樹脂に添加する方法と、熱可塑性樹脂に相溶化剤
を添加して混合しこれに親水性物質を添加する方法があ
り、後者より前者が多く用いられる。これは親水性物質
の添加量が比較的少量であるため、一般の熱可塑性樹脂
同士のポリマーアロイと異なる点である。以上のような
熱可塑性樹脂と親水性物質の相溶化方法はニーダールー
ダー、ホットロール、押出機等で混練りする。又、セメ
ントとの混練りにはバンバリーミキサー、加圧ニーダー
が適している。しかし熱可塑性樹脂でもゴム状のものと
通常の熱可塑性樹脂では混練機械は異なる場合が多い。
又、ポリマーアロイ及びポリマーブレンド工程とセメン
トの混合工程を同一の混練機械で行うか、もしくは別の
混練機械で行うかは熱可塑性セメント組成物の性質で選
択しなければならない。
【0013】この様にして作られた熱可塑性セメント組
成物は一度ペレットにするか直接成形を行うかして製品
とする。この成形工程は用途により様々であるが工場成
形物と現場成形物に分類することができる。熱可塑性セ
メント組成物の成型物はその物のメルトインデックスに
より射出成形、押出成形、カレンダー加工、圧縮成形等
の成形方法により成形物とすることができる。このよう
にして得られた本発明の熱可塑性セメント組成物は従来
の熱可塑性樹脂にない特徴的物性を示す。即ち熱可塑性
樹脂はセメント添加量の程度により難燃プラスチックプ
又は非熱可塑性樹脂となり、耐熱性のあるプラスチック
に変化するだけでなく圧縮強さ、寸法安定性が向上する
に対し引っ張り強さと曲げ強さは低下するが耐候性は改
善される。熱可塑性ゴムでは加硫した状態に似た硬化状
態になり弾性体から剛体までセメント量の増加に比例し
て物性を選択できる。熱可塑性セメント組成物の成形品
は水で処理しセメントを硬化させることで熱可塑性を変
化させることができるが、この水和速度は成形物の厚さ
と親水性物質の量、セメント含量により変化する薄い物
ほど速く、厚いものほど遅くなる。又高温ほど速く、低
温では遅くなる。又、添加したセメントの凝結速度の速
い物ほど水和し易い傾向がある。このようにして得られ
る本発明の熱可塑性セメント組成物及びその成形物の用
途は非常に多く、例えば以下のようなものが挙げられ
る。 ・アスファルト及び低融点熱可塑性樹脂系の熱可塑性セ
メント組成物の用途 輪だち防止アスファルト、カラー舗装材、防水材、床
材、パテ材 ・ゴム系の熱可塑性セメント組成物の用途 カラー舗装材、防水材、床材、パテ材、外装材、シール
材、発泡体 ・汎用熱可塑性樹脂系の熱可塑性セメント組成物の用途 耐熱プラスチック、難燃プラスチック、建設資材(永久
型枠、コンクリート二次製品、下水道資材、道路資材)
【0014】
【発明の効果】本発明の熱可塑性セメント組成物は熱可
塑性樹脂に添加したセメントが水和によって硬化すると
熱可塑性樹脂の性質が消失して、耐熱性樹脂セメントに
変化する原理に基づく熱可塑性セメント組成物であり、
プラスチックの物性改善及び廃プラスチックの再資源化
につながる新しいプラスチック利用技術である。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、実施例中の部は全て重量部を表す。 実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(#450 、東ソー社製)
100 部をホットロールで 140℃に加熱しつつポリエチレ
ンオキサイド(重合度20、明成化学社製)3部を少量ず
つ添加した。添加後同一温度でポルトランドセメント 2
00部を加えて混練りした。次いで、これを4mm厚に板状
に成形して直ちに水中に漬けると直ちに白色に変色し、
6時間放置後、物性を測定したところ、ASTM D965 によ
る抗張力試験によると 167kg/cm2 、ASTM D638 による
破断点伸び(%)は 8.2であった。このエチレン酢ビセ
メント組成物の水中浸漬前後の軟化点は浸漬前91℃、浸
漬後は軟化せず熱可塑性は消失した。
【0016】比較例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(#450 、東ソー社製)
100 部をホットロールで 140℃に加熱しつつポルトラン
ドセメント 200部を加えて混練りした。これを水中に6
時間浸漬した後、軟化点を測定すると93℃でありセメン
トは水和しなかった。
【0017】実施例2 ABS樹脂(ダイヤペット、三菱レイヨン社製) 100部
をホットロールで 135℃に加熱しつつ親水性ウレタンM
EKオキシムブロックプレポリマー10部を少量ずつ添加
しながら混練りした。添加後同一温度で白色ポルトラン
ドセメント 200部を加えて再び混練りした。これを4mm
厚になるようにロール幅を調節して板状に成形して直ち
に水中に漬けると直ちに白色に変色し、12時間放置後、
物性を測定しる。このものの物性は、抗張力は 174kg/
cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)は6.4(ASTM D638)で
あった。ABS樹脂セメント組成物の水中浸漬前後の軟
化点は浸漬前 102℃、浸漬後ABS樹脂セメント組成物
は軟化せず熱可塑性は消失した。
【0018】比較例2 ABS樹脂(ダイヤペット、三菱レイヨン社製) 100部
をホットロールで 135℃に加熱しつつ白色ポルトランド
セメント 200部を加えて混練りした。これを4mm厚にな
るようにロール幅を調節して板状に成形して直ちに水中
に漬けて12時間放置する。このものの軟化点は 102℃で
あり実施例2と異なりセメントは水和しなかった。
【0019】実施例3 ポリスチレン(電気化学社製) 100部をホットロールで
135℃に加熱しつつポリエチレンオキサイド(重合度2
0、明成化学社製)5部をメチルビニルケトン5部に混
合して少量ずつ添加した。添加後同一温度で白色ポルト
ランドセメント 150部を加えて再び混練りした。これを
4mm厚になるようにロール幅を調節して板状に成形して
水中に漬けると直ちに白色に変色し、12時間放置した。
このものの物性は、抗張力は 321kg/cm2(ASTM D965)、
破断点伸び(%)は0.4(ASTM D638)であった。ポリスチ
レン樹脂セメント組成物の水中浸漬前後の軟化点は浸漬
前 111℃、浸漬後ポリスチレン樹脂セメント組成物は軟
化せず熱可塑性は消失した。
【0020】比較例3 ポリスチレン(電気化学社製) 100部をホットロールで
135℃に加熱しつつ白色ポルトランドセメント 150部を
加えて混練りした。これを4mm厚になるようにロール幅
を調節して板状に成形して水中に漬け12時間放置した。
このものの軟化点は 112℃であり実施例3と異なりセメ
ントは水和しなかった。
【0021】実施例4 低密度ポリエチレン(三井石油化学社製) 100部をホッ
トロールで 140℃に加熱しつつ、予めポリエチレンオキ
サイド(重合度20、明成化学社製)5部とPVA5部を
混合溶解したものを添加し、更にポルトランドセメント
400部を添加して混練りした。これを4mm厚になるよう
にロール幅を調節して板状に成形して水中に漬け12時間
放置した。このものの物性は、抗張力は 122kg/cm2(AS
TM D965)、破断点伸び(%)は2.6(ASTM D638)であっ
た。ポリエチレン樹脂セメント組成物の水中浸漬前後の
軟化点は浸漬前97℃、浸漬後はポリエチレン樹脂セメン
ト組成物は軟化せず熱可塑性は消失した。
【0022】比較例4 低密度ポリエチレン(三井石油化学社製) 100部をホッ
トロールで 140℃に加熱しつつ、ポルトランドセメント
400部を混練りした。これを4mm厚になるようにロール
幅を調節して板状に成形して水中に漬け24時間放置し
た。このものの軟化点は98℃であり実施例4と異なりセ
メントは水和しなかった。
【0023】実施例5 低密度ポリエチレン(三井石油化学社製) 100部をホッ
トロールで 140℃に加熱しつつ、予めポリプロピレンオ
キサイド5部とポリエチレン・プロピレンブロックコポ
リマー5部を混合したものを添加し、更にポルトランド
セメント 400部を添加して混練りした。これを4mm厚に
なるようにロール幅を調節して板状に成形して水中に漬
け24時間放置した。このものの物性は、抗張力は 111kg
/cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)は 1.3(ASTM D63
8)であった。ポリエチレン樹脂セメント組成物の水中浸
漬前後の軟化点は浸漬前87℃、浸漬後はポリエチレン樹
脂セメント組成物は軟化せず熱可塑性は消失した。
【0024】実施例6 ポリプロピレン(三井石油化学社製) 100部をホットロ
ールで 180℃に加熱しつつ、予めポリプロピレンオキサ
イド5部とポリエチレン・プロピレンブロックコポリマ
ー5部を混合したものを添加し、更にポルトランドセメ
ント 300部を添加して混練りした。これを4mm厚になる
ようにロール幅を調節して板状に成形して水中に漬け24
時間放置した。このものの物性は、抗張力は 323kg/cm
2(ASTM D965)、破断点伸び(%)は 2.6(ASTM D638)で
あった。ポリプロピレン樹脂セメント組成物の水中浸漬
前後の軟化点は浸漬前187 ℃、浸漬後はポリプロピレン
樹脂セメント組成物は軟化せず熱可塑性は消失した。
【0025】実施例7 硬質塩化ビニル 100部をホットロールで 140℃に加熱し
つつ、予め予備混練りした親水性ウレタンフェノールブ
ロックプレポリマー10部とNBR10部からなるポリマー
ブレンド体を徐々に添加して混練りした。これにポルト
ランドセメント300部を混練りして硬質塩化ビニルセメ
ント組成物とした。これを4mm厚になるようにロール幅
を調節して板状に成形して水中に漬け、12時間放置し物
性を測定した。抗張力は 307kg/cm2 (ASTM D965) 、破
断点伸び(%)は 0.3(ASTM D638)であった。硬質塩化
ビニル樹脂セメント組成物の水中浸漬前後の軟化点は浸
漬前81℃、浸漬後は硬質塩化ビニル樹脂セメント組成物
は軟化せず熱可塑性は消失した。
【0026】実施例8 軟質塩化ビニル 100部をホットロールで 130℃に加熱し
つつ、予め予備混練りした親水性ウレタンフェノールブ
ロックプレポリマー10部とNBR10部からなるポリマー
ブレンド体を徐々に添加して混練りした。これにポルト
ランドセメント300部を混練りして硬質塩化ビニルセメ
ント組成物とした。これを4mm厚になるようにロール幅
を調節して板状に成形して水中に漬け、12時間放置し物
性を測定する。抗張力は 103kg/cm2(ASTM D965)、破断
点伸び(%)は4.8(ASTM D638)であった。軟質塩化ビニ
ル樹脂セメント組成物の水中浸漬前後の軟化点は浸漬前
65℃、浸漬後は軟質塩化ビニル樹脂セメント組成物は軟
化せず熱可塑性は消失した。
【0027】実施例9 軟質塩化ビニル 100部をホットロールで 140℃に加熱し
つつ、予め予備混練りしたPEOとEVA(酢酸ビニル
含量60%)各7部からなるポリマーブレンド体を徐々に
添加して混練りした。これにポルトランドセメント 300
部を混練りして硬質塩化ビニルセメント組成物とする。
これを4mm厚になるようにロール幅を調節して板状に成
形して水中に漬け、12時間放置し物性を測定した。抗張
力は 351kg/cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)は0.8
(ASTM D638)であった。
【0028】実施例10 ナイロン6 100 部をホットロールで 230℃に加熱しつ
つ、RESEDA-GP-100 (酸変性アクリル/PMMA、東亜
合成社製)1部とポリエチレンオキサイド2部の混合物
を徐々に加えて均一に混練りした。これにレディソーク
(燐酸マクネシァセメント)50部を添加して混練りし
た。これを4mm厚になるようにロール幅を調節して板状
に成形して水中に漬け、12時間放置し物性を測定した。
抗張力は 703kg/cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)は
540(ASTM D638)であった。ナイロン6樹脂セメント組成
物の水中浸漬前後の軟化点は浸漬前68℃、浸漬後のナイ
ロン6樹脂セメント組成物は軟化せず熱可塑性は消失し
た。
【0029】実施例11 PET 100部をホットロールで 140度に加熱しつつ、RE
SEDA-GP-500 (エポキシ変性ポリスチレン/ポリスチレ
ン、東亜合成社製)2部とポリエチレンオキサイド4部
の混合物を徐々に加えて均一に混練りした。これにポル
トランドセメント 300部を混練りしてPETセメント組
成物とした。これを4mm厚になるようにロール幅を調節
して板状に成形して水中に漬け、12時間放置し物性を測
定した。抗張力は 643kg/cm2(ASTM D965)、破断点伸び
(%)は3.4(ASTM D638)であった。PETセメント組成
物の水中浸漬前後の軟化点は浸漬前 135℃、浸漬後はP
ETセメント組成物は軟化せず熱可塑性は消失した。
【0030】実施例12 アスファルト 100部をホットロールで80℃に加熱しつ
つ、ポリエチレンオキサイド(重合度30、明成化学社
製)5部を少量ずつ添加した。これにポルトランドセメ
ント150 部を混練りして後、6号砕石 500部、7号砕石
300部、細砂60部をニーダーで混合した。これをマーシ
ャル安定度試験にかけて安定度を測定したところ、突固
め回数75、空げき率(%)5.7 、飽和度(%)84、安定
度996 であった。このアスファルトセメント組成物は試
験過程で水中養生によりセメントが水和しアスファルト
の熱可塑性が低下し再加熱により再生アスファルトにな
らなかった。
【0031】比較例5 アスファルト100 部を80℃に加熱しつつ6号砕石 500
部、7号砕石 300部、細砂60部、石粉 150部をニーダー
で混合した。これをマーシャル安定度試験にかけて安定
度を測定したところ、突固め回数75、空げき率(%)5.
6 、飽和度(%)82、安定度 533であった。アスファル
トの熱可塑性は変化せず再加熱により成形ができた。
【0032】実施例13 エチレン−酢酸ビニル共重合体(#150 、東ソー社製)
100部をホットロールで 140℃に加熱しつつポリエチレ
ンオキサイドと親水性ウレタンMEKオキシムブロック
プレポリマー5部と5部の混合物を少量ずつ添加した。
さらにポリブテン30部を添加して混練りする。これにポ
ルトランドセメント 300部を加えて混練し24時間水中養
生する。ASTM D1238-57Tによる抗張力試験によると67kg
/cm2 、ASTM D882-56T による破断点伸び%は28であっ
た。このエチレン酢ビセメント組成物の水中浸漬前後の
軟化点は浸漬前54℃、浸漬後は軟化せず熱可塑性は消失
した。このエチレン酢ビセメント組成物は軟化点が低
く、60℃近くの温度で現場施工成形が可能である。
【0033】比較例6 エチレン−酢酸ビニル共重合体(#150 、東ソー社製)
100 部をホットロールで 140度に加熱しつつポルトラン
ドセメント 200部を加えて混練りした。これを水中に24
時間浸漬した後軟化点を測定すると53度でありセメント
は水和しなかった。
【0034】実施例14 SBR 100部をホットロールで80℃に加熱しつつ、PV
Aエラストマー10部を少量ずつ添加した。さらにポリブ
テン20部を添加して混練りした。これに消石灰300 部を
加えて混練し24時間水中養生し湿度50%で28日間気中養
生した。養生前の抗張力試験によると33kg/cm2(ASTM D
412)、養生後の抗張力試験によると89kg/cm2(ASTM D41
2)であった。このSBRセメント組成物の水中浸漬前後
の軟化点は浸漬前54度、浸漬養生後は軟化せず熱可塑性
は消失した。
【0035】比較例7 実施例14のPVAエラストマーを無添加とした配合で同
一養生を行ったが54℃で軟化し消石灰の炭酸化は生じな
かった。
【0036】実施例15 クロロプレンゴム 100部をホットロールで80℃に加熱し
つつ、親水性ウレタンプレポリマー5部をDATA 0.5
部とポリプロピレンカーボネート 0.5部の付加物に添加
しソルビトールポリグリシジルエーテルと反応させた高
粘度液を混練りした。これにシリカフラワー50部と消石
灰50部の混合物を適時加えて混練りする。得られたクロ
ロプレンセメント組成物を24時間水中養生した。この組
成物は加硫物に相当する物性を示した。 水中養生前…ゴム硬度28、水中養生後…ゴム硬度64 実施例16 スチレンブロックコポリマー 100部をホットロールで90
℃に加熱しつつ、N,N'−メチレンビスアクリルアミド共
重合物3部を添加した。添加後カーボンブラック50部、
アルミナセメント 100部を添加して混練りした。このス
チレンブロックコポリマーアルミナセメント組成物は24
時間水中養生するとセメントは硬化した。
【0037】水中養生前…ゴム硬度37、水中養生後…ゴ
ム硬度62 実施例17 ポリフェニレンサルファイド100 部と、予めエポキシ樹
脂(P-4100 、旭電化社製)3部とEVA(#150 、東ソ
ー社製)3部、PEO 5部からなる混合物を押出機で
290 ℃でブレンドしながら押し出しペレットを調製し
た。これを双腕ニーダーで 280℃でアルミナセメント 1
00部と混合してポリフェニレンサルハイドアルミナセメ
ント組成物とした。圧縮成形後1週間水中養生すると、
熱変形温度は 350度で変形しなかった。水中養生前の熱
変形温度は 268℃であり耐熱性の向上が顕著であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性プラスチック100 重量部に対
    し、水硬性セメント及び/又は気硬性セメント50〜600
    重量部及び親水性物質0.1 〜20重量部を配合してなる熱
    可塑性セメント組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性プラスチック100 重量部に親水
    性物質0.1 〜20重量部を添加し相溶化させた後に、水硬
    性セメント及び/又は気硬性セメント50〜600 重量部を
    添加・混練し、次いでこの混合物を吸水させて硬化する
    ことを特徴とするセメント成形物の製造方法。
JP5149136A 1993-06-21 1993-06-21 熱可塑性セメント組成物及びセメント成形物の製造方法 Pending JPH0710626A (ja)

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