JPH08183646A - 改良された熱可塑性セメント組成物及びその製造方法 - Google Patents

改良された熱可塑性セメント組成物及びその製造方法

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JPH08183646A
JPH08183646A JP32852794A JP32852794A JPH08183646A JP H08183646 A JPH08183646 A JP H08183646A JP 32852794 A JP32852794 A JP 32852794A JP 32852794 A JP32852794 A JP 32852794A JP H08183646 A JPH08183646 A JP H08183646A
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JP
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cement
thermoplastic
water
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cement composition
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JP32852794A
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English (en)
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Shigeji Kobori
茂次 小堀
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Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Aron Kasei Co Ltd
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Kubota Corp
Taiheiyo Cement Corp
Mitsui and Co Ltd
Maezawa Kasei Kogyo KK
Chichibu Concrete Industry Co Ltd
Original Assignee
Fukuvi Chemical Industry Co Ltd
Aron Kasei Co Ltd
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Chichibu Onoda Cement Corp
Kubota Corp
Mitsui and Co Ltd
Maezawa Kasei Kogyo KK
Chichibu Concrete Industry Co Ltd
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Publication date
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性セメント組成物及びセメント形成物
の製造方法を改善して、短時間に目的とする物性を発現
させる方法を提供する。 【構成】 熱可塑性プラスチック及びセメント及び親水
性物質からなる熱可塑性組成物において内在する水硬性
セメントを効率良く硬化させる方法として、熱可塑性プ
ラスチックの融点以上でセメントを水和を行なうため
に、結合水を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセメントと熱可塑性プラ
スチックの中間的物性を示す熱可塑性セメント組成物と
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性プラスチックにセメントを充填
剤として混合し、熱可塑性プラスチックを硬化させる方
法は特開平4−114978号公報にも見られるが、特に優れ
た物性を有するものではない。そこで、本発明者は、熱
可塑性プラスチックに対し、水硬性セメント及び/気硬
性セメント及び親水性物質を配合してなる熱可塑性セメ
ント組成物、並びに熱可塑性プラスチックに親水性物質
を添加し相溶化させた後に、水硬性セメント及び/気硬
性セメントを添加・混練し、次いでこの混合物を吸水さ
せて硬化することを特徴とするセメント成形物の製造方
法を内容とする発明を案出し、特許出願するに至った
(特願平5−149136号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この特願平5−149136
号による熱可塑性セメント組成物及びセメント成型物の
製造方法は成型物を水中に浸漬する方法や気硬性を利用
してセメント類の硬化を行なう方法であるが、その後の
検討によれば、やや養生に時間を要するという欠点があ
り、プラスチックの耐熱性や寸法安定性などの改善が図
れる点では優れていたが、生産性が悪い問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】特願平5−149136号によ
る熱可塑性セメント組成物及びセメント形成物の製造方
法を改善して、短時間に目的とする物性を発現させる方
法は添加したセメントの水和反応をいかに早く行なわせ
るかであり、この問題点を解決する方法は熱可塑性セメ
ント組成物に当初から水を添加して急速に水和を完結す
る方法のみである。しかしながら水を単に添加する方法
では熱可塑性プラスチックの融点が何れも100 ℃以上で
あるため、水が水蒸気となって失われるため熱可塑性セ
メント組成物内にとどめておく手段を用いることが大切
である。一つはオートクレーブのような高圧下に熱可塑
性セメント組成物を成型する方法であるが、この方法は
高圧加圧ニーダーや押出機等で水の蒸気圧以上の圧をか
けて熱可塑性プラスチックの融点近くで混練する方法が
よい。しかしながら上記の方法ではセメントの硬化速度
と混練と成型時間をコントロールする方法が大切であ
り、セメントの凝結遅延剤やアルコール等の硬化停止剤
を組み合わせる方法が必要である。又セメントを予め水
と混合して水をセメントの結合水として熱可塑性セメン
ト組成物から水の逸脱を可能な限り少なくする方法や結
晶水を多く含む物質や水とゲルを作る物質を使用して遊
離水でない蒸発が抑えられる形の保水性又は供給水源と
して利用する方法もしくはこれらをセメントと混合又は
コーティングすることにより水を逃がさなくする方法が
行なえる。二つは熱可塑性セメント組成物を混練しない
で粉体で加熱する方法である。
【0005】熱可塑性プラスチックの粉体とセメントに
水を混合してセメントの結合水として後に粉体同士を混
合して、型に入れて加熱圧縮成型する方法を行なうこと
ができる。この方法では上記セメントの凝結遅延剤やア
ルコール等の硬化停止剤又は結晶水を多く含む物質や水
とゲルを作る物質なども併用することができる。本発明
ではこのように熱可塑性セメント組成物に水を加えて短
時間に系内のセメントを水和させる方法を先水和法と
し、特願平5−149136号による方法を後水和法と称す。
この後水和法では親水性ポリマーアロイ剤は必ずしも必
要としない場合があるが、粉末成型方法以外のセメント
類を熱可塑性プラスチックと混合する場合は親和性の改
善の点から使用する方法が好ましい。
【0006】以下、本発明の構成について詳述する。本
発明における熱可塑性プラスチックとは熱硬化性樹脂を
除く全ての熱可塑性プラスチックが対象となる。例え
ば、アスファルト、ポリエチレン(PE)、ポリプロピ
レン(PP)、塩化ビニル、エチレンビニルアセテート
(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体(ABS)、アクリロニトリル−アクリルゴム
−スチレン共重合体(AAS)、アクリロニトリル−E
PDM−スチレン共重合体(AES)、アクリロニトリ
ル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合体(AC
S)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共
重合体(MBS)、E−PVC、塩化ビニリデン、塩素
化オレフィンブタジエン樹脂、ポリアセタール、ナイロ
ン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカー
ボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)、ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、
ポリアリレート(PAR)、液晶性ポリマー(LC
P)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ
エーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケト
ン(PEEK)、ポリエーテルスルフォン(PES)、
スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑
性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー(T
PU)、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エ
ラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、塩化ビニ
ル系エラストマー、この他のゴム系では天然ゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム(SBR)ブタジエンゴム(B
R)イソプレンゴム(IR)クロロプレンゴム(CR)
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)エチレン
ープロピレンゴム(EPM)イソブチレン−イソプレン
ゴム(IIR)等が挙げられ、これらの2種以上の混合
物又はコポリマーであってもよい。しかも新樹脂であっ
ても廃樹脂であっても使用することができる。以下はこ
れらを熱可塑性樹脂という。
【0007】本発明のセメントとは水硬性セメントにあ
っては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランド
セメント、白色セメント、中庸熱ポルトランドセメン
ト、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低アルカリポルト
ランドセメント、コロイドセメント、油井セメント、超
早強セメント、混合セメント(普通ポルトランドセメン
トに潜在硬化性の物質を添加したもの)、高炉セメン
ト、フライアッシュセメント、シリカセメント、高密度
セメント、特殊セメント(普通ポルトランドセメントに
硬化性の物質を添加したもの)、石膏+普通ポルトラン
ドセメント、普通ポルトランドセメント+消石灰、普通
ポルトランドセメント+消石灰、+アミルナセメント、
アルミナセメント、オキシクロライドセメント、歯科用
セメント、リチウムシリケート+アルミナゾル(無機接
着剤)、硅酸ソーダ+高炉スラグ、硅酸ソーダ+石灰
類、硅酸ソーダ+水酸化アルミニウム、硅酸ソーダ+硅
酸ジカルシウム(硅酸ソーダ又は硅酸カリウム又は硅酸
リチウム又はシリカゾルでも良い)が挙げられる。又、
水の存在下に反応によってセメントに類似の硬化物を与
えるものとして、無水燐酸、亜燐酸と石灰類又はマグネ
シウム、アルミニウム、亜鉛、鉄、マンガン等の酸化物
又は水酸化物、硼酸と石灰類又はマグネシウム、アルミ
ニウム、亜鉛、鉄、マンガン等の酸化物又は水酸化物
(無水燐酸、亜燐酸、硼酸等の溶融反応するもの)、エ
チレンカーボネートと石灰類又はマグネシウム又は鉄、
亜鉛の水酸化物等が挙げられる。以下はこれらをセメン
ト類という。
【0008】本発明の親水性アロイ剤とは熱可塑性プラ
スチックと相溶化させて親水性を付与させる物質であ
る。そのような物質としては、各種ポリイソシアネート
とポリオールの反応生成物において、ポリイソシアネー
トがTDI、MDI、NDI、IPDI、H12MD
I、HDI、H6XDI、XDIであり、又、ポリオー
ル成分が、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオ
キサイド等のポリオレフィンオキサイドやポリビニルア
ルコール(PVA)、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等の多価アルコール類の単体又は2
種以上の混合物もしくはこれらの共重合体であるものが
挙げられる。好ましくはポリエチレンオキサイド又はポ
リエチレングリコールの分子量が700 〜30万のものをT
DI、MDIと反応させ、3〜15%のNCO 残基とした
後、このNCO 残基をアルコール、フェノール、オキシム
等のブロック剤でブロックイソシアネートとした物質が
挙げられる。又、部分鹸化PVA、部分鹸化ポリアクリ
ルアミド、メチルセルロース、ヒルアロン酸、ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ビニルピロリドン共重合体等
の活性水素を有する化合物のイソシアネート化合物、ナ
イロン6とポリエチレンオキサイド又はポリエチレング
リコールのイソシアネート化合物、又はポリエチレンオ
キサイド又はポリエチレングリコールとPMMA又はP
MAの酸クロライドによるエステル化合物が挙げられ、
市販品ではアクアプレンL、アクアプレンP、アクアコ
ーク(PEO系重合体)、トヨラックパレル(ナイロン
エラストマー系)、エクスナーラ(アクリル酸アクリル
アミド共重合体)、アクアリザーブGP(酢酸ビニル−
無水マレイン酸共重合体鹸化物)等が上記熱可塑性プラ
スチックと相溶性があり、ポリマーブレンドが行いやす
い。しかしながら、樹脂の種類によっては相溶化剤を使
用することもある。
【0009】また、ポリエチレンオキサイド又はポリエ
チレングリコールを単独で使用することも可能である。
本発明の請求項1に挙げた結晶水物質とは、セメント類
の硬化には悪影響を与えないで、多くの水を結晶水の形
で含有する物質を指す。例えば、エトリンジャイトの3C
aO・Al2O3・32H2Oが挙げられ、またこれらを間接的に生
成するものとして、アルミナセメント−石膏混合物、12
CaO・7Al2O3−石膏混合物、水酸化アルミニウム又は水
酸化アルミニウムゲル、シリカゲル、ベトナイト、ゼオ
ライト、硫酸マグネシウム水和物、燐酸マグネシウム水
和物、マグネシウムカリミョウバン水和物、塩化カルシ
ウム水和物、塩化マグネシウム水和物等が挙げられる。
また、ゲル水を多く含む物質とは、例えば、澱粉−アク
リロニトリルグラフト重合物、澱粉−アクリル酸グラフ
ト重合物、澱粉−スチレンスルホン酸グラフト重合物、
澱粉−ビニルスルホン酸グラフト重合物、澱粉−アクリ
ルアミドグラフト重合物、澱粉−ポリビニルケトン重合
物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合物、セ
ルロース−スチレンスルホン酸グラフト重合物、その他
の澱粉誘導体、ヒルアロン酸、アガロース、キトサン、
コラーゲン、寒天、ところてん、ゼラチン、澱粉、カゼ
イン、ヒドロキシメチルセルロース、部分鹸化PVAな
どである。また、合成高分子系のPVA架橋重合物、P
VAエラストマー、アクリル酸塩架橋重合物、アクリル
酸エステル−酢酸ビニル共重合物部分加水分解物、アク
リル酸塩−PVA共重合物、ポリアクリロニトリル重合
物部分加水分解物、ヒドロキシエチルメタクリレート重
合物、無水マレイン酸イソブチレン共重合物塩、ビニル
ピロリドン共重合物又は重合物、ポリエチレングリコー
ル−ジアクリレート共重合物、ポリプロピレングリコー
ル−ジアクリレート共重合物、ポリエチレンイミン共重
合物があげられる。これらは単独又は2種以上の混合物
でもよい。これらは超吸水性樹脂又は糊料として用いら
れているものが含まれ、セメントと混合し水を加えて放
置して利用するか、セメントに水を加えてこれらで表面
をコーティングする方法、これら単独で水とゲルを作
り、いずれも熱可塑セメント組成物と混合して使用され
る。更にこれらのセメント中に水和促進、又は水和助剤
として、ハロゲン化金属塩の塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム、塩化アルミニウム、食塩、塩化鉄等の塩類や
硫酸ソーダ、ミョウバン、硫酸バンド等の硫酸塩、ベン
トナイト、ゼオライト、シリカゲル、パームキューライ
ト、石綿、セピオライト、パルプ、綿、中空繊維、可溶
性繊維などを添加することができる。また、水を多量に
含み粉体として利用できる物質として、例えばスメクタ
イト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、合成ゼオ
ライトなどの高吸油量の粉体に水を吸着させて水を粉体
として使用することができる。この場合は保水剤として
利用すると同時に充填剤として利用することができる。
また、セメントに理論量の水を添加して一定時間放置す
るとセメントはゲル水として水を取り込むが、凝結が開
始される直前にアルコール、アセトン、グリコール類を
添加すると凝結を停止させることが知られている。しか
し、上記の物質を取り去るとセメントは再び硬化を進行
させることが可能である。また、この現象を助長する方
法として、セメント遅延剤のクエン酸ソーダ、ヘプトン
酸ソーダ、ロッシェル塩等を適量添加すると更に凝結時
間の調整が容易になる。この方法を利用すると、熱可塑
性プラスチックの融点近くでセメントの水分が蒸発する
ことが少なく、グリコール類のような高沸点物質を使用
してグリコール類が系外に蒸発してからセメントが硬化
するため成型時間が確保されやすくなる。
【0010】本発明の先水和型熱可塑セメント組成物の
概要は、水を熱可塑性プラスチックの融点付近の温度範
囲でセメントに供給する方法が課題である。その手段と
して、親水性アロイ剤を使用する方法は特願平5−14
9136号に挙げた如く、熱可塑性プラスチックの親水
化が大きな要素である。本発明でも熱可塑性プラスチッ
クとセメントと水を混練りする場合には、親水性アロイ
剤が極性の異なる物質同志を混合するには不可欠であ
り、水を含むセメント界面と樹脂の親和性に効果があ
る。本発明の先水和型熱可塑セメント組成物の特徴は、
特願平5−149136号の外部から水を供給するのに
対し、水を内部添加する方法であり、水の添加方法に特
徴がある。先水和型熱可塑セメント組成物においては、
熱可塑性プラスチックのメルトフローがセメントの添加
量に関係し、メルトフローが大きな結晶性樹脂程セメン
トの添加量が大きくとれる傾向があり、硬質PVCでは
樹脂 100重量部に対しセメント 300重量部が限界であ
る。しかし、軟質PVCでは樹脂 100重量部に対しセメ
ント 400重量部が限界となる。これに対し、PPでは樹
脂 100重量部に対しセメント 900重量部が添加できる。
もちろん、セメントの粒度によるが、普通ポルトランド
セメントにシリカヒュームのような物質を添加すると更
に高充填が可能である。熱可塑性プラスチックに親水性
アロイ剤を添加したコンパウンドはセメントの添加量が
上記値の更に5%向上するが、セメントの種類による差
が大きい。また、親水性アロイ剤の種類によりセメント
の最大充填量が変化する。これは親水性アロイ剤の親水
基による差が大きく、PEO系が最も最大充填量が高く
コンパウンドのメルトフローが高くなるためである。普
通ポルトランドセメントの理論水量はW/C=0.20〜0.
35であるとされているが、W/C=0.10で本発明の先水
和型熱可塑性セメント組成物は十分セメントが硬化し、
むしろ低水量が好ましい。これは最終成型物の中の遊離
水がないことが好ましいからである。従って、セメント
に水を添加する方法においては、超吸水性樹脂が 1.000
〜300 倍の水をゲル水として固定するため、本発明では
ごく少量の超吸水性樹脂ゲルの添加で目的を果たすこと
ができ、熱可塑セメント組成物への影響は少ない。むし
ろ、これらの超吸水性樹脂ゲルが何℃で水を放出するか
である。理想的には熱可塑性プラスチックの融点近くで
水を放出することが好ましく、しかも徐放することが良
い。この目的に適合する超吸水性樹脂はN−置換(メ
タ)ポリアクリルアミド共重合体のように感熱的水の放
出が好ましいが、ポリアクリル酸系超吸水性樹脂のよう
に耐熱性のあるゲルも使用しやすい樹脂である。
【0011】セメントに水を添加する方法として、無機
塩類の結晶水を利用する方法と、エトリンジャイト系を
利用する方法がある。市販品では、CSA、ジプカル、
ESのようなエトリンジャイト系物質単独もしくはセメ
ントに5〜15%混合して水を加えて混合することによ
り、水を放出しにくい先水和用セメントを作ることがで
きる。無機塩類の結晶水の解離は無機塩類の種類により
異なるが、硫酸マグネシウム水和物のように6H2O塩では
150℃、8H2O塩では 200℃で水を放出する。この様な性
質を利用すると、熱可塑性プラスチックの多くの種類の
溶融点をカバーすることができる。よって、普通ポルト
ランドセメントの理論水量はW/C=0.20〜0.35であれ
ば、硫酸マグネシウム水和物8H2O塩では普通ポルトラン
ドセメント 100重量部当たり硫酸マグネシウム8H
O塩約30重量部を添加すると水和水量として十分な水
を供給することができる。一方、水を粉体として熱可塑
性プラスチックとセメントに混合する必要がある場合
は、吸水量の高い物質としてスメクタイト、ホワイトカ
ーボン、カーボンブラック、合成ゼオライト等に水を吸
着させて粉体として利用することができる。例えば、ホ
ワイトカーボンの水の吸着量は約 100%であり、セメン
トに混合してもシリカとしてセメントの強度向上に有用
である。以上のように、水を粉末の形で利用することは
熱可塑性プラスチックの成型工程で大切な要素であり、
ペレットを使用している場合は、特にペレットと粉末の
水を混合して、従来の設備で使用できるメリットがあ
る。
【0012】また、セメントに水を添加して結合水とし
て使用する方法においては、普通ポルトランドセメント
にエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセ
リン、ブタンジオール等の多価アルコール類とメチルブ
チルケトン、メチルイソブチルカルビノール、アセチル
アセトン、アセト酢酸等のケトン類を添加し、また同時
にセメント遅延剤を添加する方法では、クエン酸ソー
ダ、ロッシェル塩等を併用する方法が好ましい。この方
法では、理論水量の約2倍の多価アルコール類を添加す
ると普通ポルトランドセメントの水和を停止することが
できる。アセチルアセトン、アセト酢酸等のケトン類や
クエン酸ソーダ、ロッシェル塩等をセメントに混合して
水を加える方法や、多価アルコール類に混合して使用す
る方法もある。これらのセメント遅延剤の使用量は、普
通ポルトランドセメント 100重量部当たり最大2%の添
加量で良い。また、上記多価アルコール類をセメント表
面にコーティングすると、熱可塑性プラスチックとの親
和性を改善することができる。熱可塑性プラスチックと
親水性アロイ剤の最適配合量は特願平5−149136
号の如く、熱可塑性プラスチック 100重量部当たり親水
性アロイ剤は3〜15重量部が好ましく、熱可塑セメント
組成物の引張り強度は3〜10重量部が好ましい範囲であ
る。熱可塑セメント組成物配合処方は後水和とは多少の
違いがあるが、基本的には大きく異なるものではない。
従って、本発明では熱可塑性プラスチック 100重量部に
対し親水性アロイ剤は3〜15重量部又は粉末成型方法に
おいてはこれを割愛することができる。セメント量はセ
メントの種類と熱可塑性プラスチックのメルトフローに
より大きく異なり、しかも成型方法によって選択される
範囲が異なるため参考例にとどめる。熱可塑性プラスチ
ック 100重量部に対し親水性アロイ剤は10重量部のコン
パウンドの好ましい範囲の普通ポルトランドセメント添
加量は、硬質PVCでは50〜300重量部、軟質PVCで
は50〜 400重量部、ABSでは 100重量部に対し50〜40
0重量部、PSでは 100重量部に対し50〜 250重量部、
EVAでは 100重量部に対し50〜 400重量部、ハイデン
PE 100重量部に対し50〜 700重量部、PPでは 100重
量部に対し50〜 900重量部である。本発明の先水和型熱
可塑セメント組成物は熱可塑性プラスチックの成型方法
のすべてが利用できる。セメントが高充填の熱可塑セメ
ント組成物では混練は加圧ニーダーもしくは押出機を使
用し射出成型は困難であるが、PE、PPでは高充填で
もメルトフローが高く射出成型が可能である。また、加
圧ニーダーもしくは押出機と射出成型機を組み合わせる
か、加圧ニーダーと押出機を組み合わせる方法ではセメ
ント高充填のものを成型することが可能である。特に先
水和型熱可塑セメント組成物では、水を熱可塑性プラス
チックとセメントと混合して、ホッパーに投入するた
め、水を押出機のメルトゾーンから逆噴することがあ
る。これを防止する対策は臼型押出機を使用して逆噴を
防止する対策が行える。粉末成型は型に粉体を高圧充填
して加熱する方法と型に先水和型熱可塑セメント組成物
を入れて加熱プレスする方法が行える。この様にして得
られた成型物は様々な形状のものが成型できるため、そ
の用途に割愛するが、先水和型熱可塑セメント組成物の
物性は元の熱可塑性プラスチックに比較して、耐熱性、
硬さ、寸法安定性が著しく向上し、反面、引張り、曲
げ、耐衝撃性は添加する。しかし、セメント系硬化物と
は比較にならないプラスチックの性質があり、その物性
は熱硬化型樹脂に無機フィラーを高充填したものに近
い。ただし、高比重であることは避けられないが、軽量
骨材、その他の増量剤を添加することは容易である。
【0013】
【発明の効果】先水和型熱可塑セメント組成物は先願の
後水和型熱可塑セメント組成物と異なり、先水和による
セメントの物性が非常に早く発生するため、プラスチッ
クの成型による既製品化の工程が先水和型熱可塑セメン
ト組成物の利点である。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、実施例は先水和型熱可塑セメント組成物の一例を
挙げたに過ぎず、本発明全体を拘束するものではない。
実施例中の部は全て重量部を表す。 実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(#450、東ソー社
製)100部をバンバリーミキサーで140 ℃に加熱し、ポリ
エチレンオキサイド(重合度20、明成化学社製)3部と
普通ポルトランドセメント 300部にあらかじめ水60部と
超吸水性樹脂3部(スミカゲルR、PEO系共重合体)
を混合してゲル化したものを同時に加えて混練りした。
7分間混練し、直ちに押出機に投入して板状成型物を得
た。このものの物性は、ASTM D965 による抗張力試験に
よると236kg/cm2 、ASTM D638 による破断点伸び(%)
は0.32、ロックウエル硬さは116 であった。
【0015】比較例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(#450、東ソー社
製)100部をバンバリーミキサーで140 ℃に加熱し、ポリ
エチレンオキサイド(重合度20、明成化学社製)3部と
普通ポルトランドセメント 300部に水60部を加えて混練
りした。バンバリーミキサーの内部温度が 120℃に加熱
されると上蓋の空隙から水蒸気が吹上げ、混練できなか
った。
【0016】実施例2 ABS樹脂(ダイヤペット、三菱レイヨン社製)100部を
ホットロールで 135℃に加熱しつつ親水性ウレタンME
Kオキシムブロックプレポリマー10部を少量ずつ添加し
ながら混練りした。添加後、同一温度で白色ポルトラン
ドセメント200部と電化CSA10部を混合し、水30部を
加えて1時間放置して、DEG30部を加えて混合して、
ホットロールでABS樹脂、親水性ウレタンMEKオキ
シムブロックプレポリマー混合物に混練した。3分後に
ポットプレスで 140℃、5分間、100kg/cm2 のプレス圧
で成型した。ABSセメントの物性は、抗張力は254kg/
cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)は0.4(ASTM D638)で
あった。熱変形温度は132 ℃であった。
【0017】比較例2 ABS樹脂(ダイヤペット、三菱レイヨン社製)100部と
親水性ウレタンMEKオキシムブロックプレポリマー10
部をホットロールで 135℃に加熱しつつ白色ポルトラン
ドセメント 200部を加えて混練りした。混練り後、ポッ
トプレスで 140℃、5分間、100kg/cm2 のプレス圧で成
型した。3m/m厚の成型物を水中に浸漬し、14日後に
ABSセメントの物性を調べると、実施例2より熱変性
温度が低く、 107℃で水和速度が遅く、完全水和に28日
を要した。
【0018】実施例3 ポリスチレン(電気化学社製)粉末 100部とアクアコー
ク(ポリエチレンオキサイド系帯電防止剤、住友精化
製)10部を高密度セメント(普通セメント85、シリカヒ
ューム15)100部にクエン酸ソーダ2部、無水硫酸マグネ
シウム10部を水20部に溶解した水溶液を加えて混合し、
暫時放置してから全体を混合して顆粒状として射出成型
した。この際、顆粒状とするのにヒドロキシメチルセル
ロース0.1部を添加すると顆粒化し易くなる。射出温度
は 170℃、射出圧 800kg/cm2である。このポリスチレン
セメントの物性は、抗張力は347kg/cm2(ASTM D965)、破
断点伸び(%)は0.2(ASTM D638)、熱変形温度 132℃で
あった。
【0019】実施例4 中高圧ポリエチレン(三井石油化学社製)100部と親水性
アロイ剤(PEO分子量 20000とTDIで反応させ、N
CO残基3%をMEKオキシムでブロックイソシアネー
トしたもの)10部に普通ポルトランドセメント 700部に
あらかじめ水100 部を加えて3時間放置し、グリセリン
100部、ロッシエル塩10部を加えてセメントの水和を停
止させてから、高圧加圧ニーダー(森山製作所製)に、
これらの混合物を投入して 180℃で混練りした。加圧蓋
の圧力は8kg/cm2とする。7分間混練し、直ちにシリン
ダー式押出機で板状に押出成型する。押出成型可能時間
は約30分であり、その後は成型不可である。ポリエチレ
ンセメントの物性は、抗張力は256kg/cm2(ASTM D965)、
破断点伸び(%)は0.2(ASTM D638)であった。熱変形温
度は 152℃であった。
【0020】比較例4 中高圧ポリエチレン(三井石油化学社製)100部と親水性
アロイ剤(PEO分子量 20000とTDIで反応させ、N
CO残基3%をMEKオキシムでブロックイソシアネー
トしたもの)10部に普通ポルトランドセメント 700部に
あらかじめ水100 部を加えて1時間放置し、高圧加圧ニ
ーダー(森山製作所製)に、これらの混合物を投入して
180℃で混練りした。7分間混練し、加圧蓋を解放する
と、激しく水蒸気を噴出して、良好な混練が困難であっ
た。
【0021】実施例5 低密度ポリエチレン(三井石油化学社製)100部に普通ポ
ルトランドセメント600 部、アクアプレーンL(液状超
吸水製樹脂、明成化学製PEO系重合体)10部を混合
し、これに水 120部を加えてゲル化させる。2時間放置
して高圧加圧ニーダー(森山製作所製)に、これらの混
合物を投入して 180℃、7分間混練りする。加圧蓋の圧
力は8kg/cm2である。直ちにシリンダー式押出機で板状
に押出成型する。押出成型可能時間は約10分であり、そ
の後は成型不可である。ポリエチレンセメントの物性
は、抗張力は314kg/cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)
は0.2(ASTM D638)であった。熱変性温度は 146℃であ
る。
【0022】実施例6 ポリプロピレン(三井石油化学社製)100部と親水性アロ
イ剤(PEO分子量 20000とTDIで反応させ、NCO
残基3%をMEKオキシムでブロックイソシアネートし
たもの)10部に普通ポルトランドセメント 700部にアク
アプレーンL(液状超吸水性樹脂、明成化学製PEO系
重合体)10部を混合し、これに水 140部とロッシエル塩
10部を加えてゲル化させる。高圧加圧ニーダー(森山製
作所製)に、これらの混合物を投入して 180℃で混練り
した。加圧蓋の圧力は8kg/cm2とする。7分間混練し、
直ちにシリンダー式押出機で板状に押出成型する。押出
成型可能時間は約30分であり、その後はセメントの硬化
により成型不能である。ポリプロピレンセメントの物性
は、抗張力は332kg/cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)
は0.2(ASTM D638)であった。熱変形温度は 167℃であ
る。
【0023】実施例7 硬質塩化ビニル 100部の粉末と消石灰 100部、シリカヒ
ューム 120部の混合物に親水性アロイ剤(PEG分子量
7000とMDIで反応させ、NCO残基5%をMEKオキ
シムでブロックイソシアネートしたもの)10部とアラソ
ープ(アクリル系、荒川化学製)10部と水50部を混合し
て、ゲル化した粉末を塩化ビニルエマルジョン30部を加
えて顆粒化して押出機に投入し、 170℃、800kg/cm2
条件で押出成型する。硬質塩化ビニル硅酸カルシウムの
物性は、抗張力は352kg/cm2(ASTM D965)、破断点伸び
(%)は0.2(ASTM D638)であった。熱変形温度は 132℃
である。
【0024】実施例8 軟質塩化ビニル 100部をホットロールで 130℃に加熱し
つつ、親水性ウレタンフェノールブロックプレポリマー
10部と混練りした。これに白色ポルトランドセメント 3
00部と電化ES50部、クエン酸ソーダ6部、アクアプレ
ーンL(液状超吸水性樹脂、明成化学製PEO系重合
体)10部を混合し、これに水70部を加えてゲル化させ
た。これを混練りして硬質塩化ビニルセメント組成物と
する。混練り後、直ちにホットプレスで3m/m厚に成
型する。プレス成型可能時間は約1時間で、その後はセ
メントの硬化が進行して熱可塑性は消失した。
【0025】このものの物性は、抗張力は187kg/cm2(AS
TM D965)、破断点伸び(%)は2.8(ASTM D638)であっ
た。
【0026】実施例9 硬質塩化ビニル 100部とアクアコーク(ポリエチレンオ
キサイド系帯電防止剤、住友精化製)10部をホットロー
ルで 160℃に加熱混練し、あらかじめ予備混合したP2O5
とブルーサイト1:1の混合物50部を徐々に添加して、
燐酸マグネシウムを生成させた。硬質塩化ビニル燐酸マ
グネシウムの物性は、抗張力は287kg/cm2(ASTM D965)、
破断点伸び(%)は0.8(ASTM D638)であった。
【0027】実施例10 ナイロン6 100部とトヨラックパレルTP10(ナイロ
ンエラストマー、東レ製)10部をホットロールで 230℃
に加熱しつつ、これにレディソーク(燐酸マクネシァセ
メント)50部と合成ゼオライト20部に水15部を含ませた
ものを混練りした。素早く混練して、 250℃で 150kg/c
m2、5分間プレス成型する。このナイロン6燐酸マクネ
シァセメントの物性は、抗張力は489kg/cm2(ASTM D96
5)、破断点伸び(%)は4.8(ASTM D638)であった。
【0028】実施例11 PET 100部とトヨラックパレルTP10(ナイロンエ
ラストマー、東レ製)10部を加圧ニーダーで 250℃に加
熱混練し、親水性アロイ剤(PEG分子量7000とMDI
で反応させ、NCO残基5%をMEKオキシムでブロッ
クイソシアネートしたもの)10部を同温度で練り込ん
で、これに水酸化アルミニウムゲル50部とリチウムシリ
ケート50部の混合ペーストを加えて、加圧蓋の圧力を10
kg/cm2として混練した。混練物は直ちにカレンダー成型
して板状とする。PET・ゼオライト成型物の物性は、
抗張力は412kg/cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)は3.
4(ASTM D638)であった。
【0029】実施例12 エチレン−塩化ビニル共重合樹脂 100部と白色ポルトラ
ンドセメント 300部と電化ES50部、クエン酸ソーダ6
部、アクアプレーンL(液状超吸水性樹脂、明成化学製
PEO系重合体)10部を混合し、これに水70部、PEO
1.0.3を加えてゲル化させ、粘土状のものとし、これを
圧縮型に充填して 180℃で8分間加圧成型する。エチレ
ン−塩化ビニル共重合樹脂セメントの物性は、抗張力は
282kg/cm2(ASTMD965)、破断点伸び(%)は0.2(ASTM D6
38)であった。
【0030】実施例13 エチレン−塩化ビニル共重合樹脂 100部と白色ポルトラ
ンドセメント 300部と電化ES50部、これに水70部の代
わりにカリウムミョウバン水和物として(K2SO4・Al2(SO
4)2 ・24H2O) 154gを粉体混合し、スクリューで型に充
填して、 180℃で8分間加圧成型する。エチレン−塩化
ビニル共重合樹脂セメントの物性は、抗張力は356kg/cm
2(ASTMD965)、破断点伸び(%)0.2(ASTM D638)であっ
た。
【0031】実施例14 普通ポルトランドセメント 100部にアクアプレーンL
(液状超吸水性樹脂、明成化学製PEO系重合体)10部
とクエン酸ソーダ2部を混合し、水20部を添加して、70
℃でロールで混練し、固形物を作成する。一方、ポリプ
ロピレン(三井石油化学社製)100部をロール温度 170℃
で混練して、これに徐々に前記固形物を添加して混練す
る。ポリプロピレンセメントの物性は、抗張力は389kg/
cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)は4.2(ASTM D638)で
あった。熱変性温度は 127℃であった。
【0032】実施例15 アクリル樹脂(パラペット、クラレ製)100 部にエチレ
ンカーボネート50部を170 ℃のロール温度で混練し、こ
れに70部の水酸化マグネシウムを添加して混練する。時
間の経過と共に混練物はこわ張りが出るため速やかに混
練物を作る必要がある。クエン酸ソーダ3部を添加する
とこわ張り時間は延長が可能である。尚、水酸化マグネ
シウムの代替品として、半焼きのドロマイト又は消石灰
又はドロマイトプラスターを使用することができる。こ
のアクリル樹脂塩基性炭酸マグネシウムセメントの物性
は、抗張力は328kg/cm2(ASTM D965)、破断点伸び(%)
は2.1(ASTM D638)であった。熱変性温度は 131℃であっ
た。
【0033】以上のように、実施例1、実施例4、実施
例5、実施例6、実施例11に記した如く、加圧ニーダ
ーでセメント高充填の先水和熱可塑セメント組成物の混
練は、加圧ニーダーの加圧蓋の構造が従来の空気圧加圧
方式より油圧式の高圧力加圧蓋構造が本組成物の混合に
適している。加圧蓋の圧力が4kg/cm2以下では水の蒸気
圧に負けて水が逃げ易く、8kg/cm2以上の加圧蓋の圧力
が適している。また、加圧蓋のシール性を向上させる方
法として、加圧蓋の形状が四角形でなく楕円形状が好ま
しい。更に二重蓋にすることも気密性に役立つ。得られ
た先水和熱可塑セメント組成物は第二段階の成型工程を
短時間で終了させるために、押出機、カレンダー等の成
型時間をセメント遅延剤2%以下の添加量で作り出す必
要がある。また、これらの作業を効率良く進めるには、
加圧ニーダー部にフクリューの設置が好ましい。製造プ
ロセスとしては、油圧式の高圧力加圧ニーダーの下部又
は側面に押出機又はカレンダーロールを設置し、更にこ
れに成型するためのプレス、又は多段ロール等の成型機
を設けて、最終工程までの連続プロセスを30分とする必
要がある。
【0034】実施例16 先水和熱可塑セメント組成物の押出成型は反応型押出機
を使用する方法もあるが、最も適した現有の押出機は臼
型押出機である。先水和熱可塑セメント組成物の組成を
熱可塑性プラスチックと親水性アロイ剤とセメントのコ
ンパウンドとしてペレット化し、これに結合水物質を粉
体又はペースト状で混合して、臼型押出機に供給する方
法が好ましい。この押出機では結合水物質からの水蒸気
の逆噴が少なく、水分の損失が非常に少なかった。
【0035】実施例17 先水和熱可塑セメント組成物の射出成型はセメントが高
充填になると非常に困難で、メルトフローが小さいた
め、通常の射出成型機での単一ショットでは射出成型は
困難である。従って、実施例16の押出機によりオープ
ン型に押出し、型を閉じてから残りの先水和熱可塑セメ
ント組成物を射出成型機より射出する方法が好ましい。
この材料供給方法は、コンパウンドとしてペレット化
し、結合水物質をペースト状からペレットにコーティン
グしたものが最も使用しやすかった。このフローモール
ディング法では、型内圧400kg/cm2 、射出圧力520kg/cm
2 で、PP 100部、普通ポルトランドセメント 700部、
親水性アロイ剤10部の組成物の成型ができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000223414 筒中プラスチック工業株式会社 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 (71)出願人 000010065 フクビ化学工業株式会社 福井県福井市三十八社町33字66番地 (71)出願人 000201582 前澤化成工業株式会社 東京都中央区京橋三丁目2番9号 (71)出願人 000005913 三井物産株式会社 東京都千代田区大手町1丁目2番1号 (72)発明者 小堀 茂次 埼玉県幸手市大字幸手3826番地3 東武化 学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性プラスチック及びセメント及び
    親水性物質からなる熱可塑性組成物において内在する水
    硬性セメントを効率良く硬化させる方法として、 熱可塑性プラスチックの融点以上でセメントを水和を行
    なうために、結合水を用いることを特徴とする改善され
    た熱可塑性セメント組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性プラスチック及びセメント及び
    親水性物質からなる熱可塑性組成物に結晶水物質又はゲ
    ル水を混合して熱可塑性プラスチックの融点以上に加熱
    成型してなる熱可塑性セメント組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性プラスチック及び親水性物質か
    らなる熱可塑性コンパウンド又は両者の混合物にセメン
    トと理論水を予め混合して、セメント結合水として後に
    混合し熱可塑性プラスチックの融点以上に加熱成型して
    なる熱可塑性セメント組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性プラスチック及びセメントを粉
    末混合し、これに予め混合したセメントとゲル物質に適
    度な水を加えてゲル化させた含水物を混合して熱可塑性
    プラスチックの融点以上に加熱成型してなる熱可塑性セ
    メント組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性プラスチック及び親水性物質か
    らなる熱可塑性コンパウンド又は両者の混合物にセメン
    トと理論水を予め混合して、セメント結合水としセメン
    ト水和停止物質及び遅延剤を添加して、三者の混合物を
    熱可塑性プラスチックの融点以上に加熱成型してなる熱
    可塑性セメント組成物。
  6. 【請求項6】 熱可塑性プラスチック粉体及び水硬性セ
    メント及び結晶水物質又はゲル水を粉体混合して、熱可
    塑性プラスチックの融点以上に加熱加圧成型してなる熱
    可塑性セメント組成物。
  7. 【請求項7】 熱可塑性プラスチック粉体及び水酸化金
    属塩と炭酸化合物又は燐酸、硼酸等の溶融酸とを原料と
    する熱可塑性セメント組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5の何れか1項記載の熱可塑
    性セメント組成物の二種以上を混合してなる熱可塑性セ
    メント組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項記載の熱可塑
    性セメント組成物を高圧型加圧ニーダーで混練りし、カ
    レンダー成型もしくは押出成型することを特徴とする熱
    可塑性セメントの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8の何れか1項記載の熱可
    塑性セメント組成物を臼式押出機により成型する熱可塑
    性セメントの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項2又は4記載の熱可塑性セメン
    ト組成物をフローモールディング式射出成型機により成
    型する熱可塑性セメントの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0850896A1 (de) * 1996-12-24 1998-07-01 Bayer Ag Verwendung wasserdispergierbarer Polyisocyanatgemische als Additive für Beton
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