JP2003327950A - 水膨張止水材 - Google Patents

水膨張止水材

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JP2003327950A
JP2003327950A JP2002138001A JP2002138001A JP2003327950A JP 2003327950 A JP2003327950 A JP 2003327950A JP 2002138001 A JP2002138001 A JP 2002138001A JP 2002138001 A JP2002138001 A JP 2002138001A JP 2003327950 A JP2003327950 A JP 2003327950A
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rubber
elastomer
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JP2002138001A
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English (en)
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Jiyunji Matsudaya
淳二 松田谷
Sadayoshi Nakamu
定義 中務
Nobuyuki Tanaka
伸幸 田中
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Hayakawa Rubber Co Ltd
Original Assignee
Hayakawa Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬度が低くできるのはもちろんのこと、水膨
張速度や、水及び金属イオン水の膨張比を所望の値に制
御でき、水膨張後の製品機能が低下しない水膨張止水材
を得る。 【解決手段】 水膨張止水材であって、エラストマー5
0〜95重量部と、前記エラストマーと架橋し得る架橋
性共重合体5〜50重量部との混合物の共加硫物であ
り、前記架橋性共重合体がモノマーとアルキレンオキサ
イドとの共重合体である水膨張止水材を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木、建築等の分
野において、コンクリート構造物を建設する際に使用す
る水膨張止水材に関する。
【0002】
【従来の技術】水膨張止水材は、コンクリート間の漏水
の原因となる地下水等を止水するために、コンクリート
の継ぎ目等に使用され、また、コンクリート2次製品の
継ぎ目の止水材に使用するほかに、セグメントや鋼矢
板、ヒューム管、マンホールのパッキンなどに用いられ
る。
【0003】従来の水膨張止水材としては、(1)ゴム
若しくはエラストマーに高吸水樹脂を多量に添加して水
膨張させるもの、(2)ゴム若しくはエラストマーに親
水性のモノマー若しくはプレポリマーを混合した後、硬
化させて水膨張止水材としたもの、(3)ゴム若しくは
エラストマーに非架橋性の親水性ポリマーをブレンドし
て加硫し水膨張止水材としたもの、(4)ゴム若しくは
エラストマーに高吸水樹脂を混合した上に低分子量の親
水性薬剤を添加して水膨張止水材としたものが知られて
いる。上記水膨張止水材(2)及び(3)は、更に高吸
水樹脂が混合されることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の水膨張止水材
(1)〜(4)には、以下の欠点がある。水膨張止水材
(1)は、水膨張速度をコントロールすることが困難
で、多量の高価な高吸水樹脂を添加しないと膨脹しない
ので、コスト高となる。また、水膨張止水材(1)は、
水に対する水膨張倍率と金属イオン水に対する水膨張倍
率とに著しい差があって、水で膨脹したとしても、金属
イオン水では膨脹しない傾向が大きい。
【0005】水膨張止水材(2)は、ゴム若しくはエラ
ストマーに親水性のモノマー若しくはプレポリマーを混
合した後、硬化させるため、特に金属イオン水に曝され
る場合、加水分解が起こり製品の耐久性に欠ける。ま
た、水膨張止水材(2)は、生産工程が複雑である。
【0006】水膨張止水材(3)は、非架橋性の親水性
ポリマーをゴム若しくはエラストマーにブレンドする
と、できた水膨張止水材の硬さが高くなってしまう。
【0007】水膨張止水材(4)は、生産性、コストで
はメリットがあるが、低分子量の薬剤は浸漬によって、
経時での膨張性能の持続性に問題がある。また、水膨張
止水材(4)は、水と金属イオン水とで水膨張倍率に著
しい差があり、水では膨脹するが、セメント水、塩水の
ような金属イオン水では膨脹しない傾向がある。
【0008】水膨張止水材(1)〜(4)は、それぞ
れ、優れている点がある反面劣っている点があり、全て
の機能を満足する水膨張止水材は得られていなかった。
つまり、望まれる水膨張止水材は、(a)水膨張速度を
コントロールでき、(b)水と金属イオン水とで膨脹の
差が小さく、(c)生産工程が単純であり、(d)製品
の安定性があり、(e)生産性が高く、(f)ゴム硬度
が低くても他の機能が損なわれず、(g)コストが低
く、(h)水膨脹後の製品の安定性が良いものである。
【0009】本発明の課題は、硬度が低くできるのはも
ちろんのこと、水膨張速度や、水及び金属イオン水の膨
張比を所望の値に制御でき、水膨張後の製品機能が低下
しない水膨張止水材を得ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、水膨張止水材
であって、エラストマー50〜95重量部と、前記エラ
ストマーと架橋し得る架橋性共重合体5〜50重量部と
の混合物の共加硫物であり、前記架橋性共重合体がモノ
マーとアルキレンオキサイドとの共重合体であることを
特徴とする水膨張止水材に係るものである。
【0011】本発明は、エラストマーと、前記エラスト
マーと架橋し得る所定の架橋性共重合体、例えばアリル
グリシジルエーテル又はエピクロルヒドリンとアルキレ
ンオキサイドとの共重合体との混合物を共加硫すること
によって、水膨張速度や、水と金属イオン水との膨張比
を所望の値に制御できる優れた水膨張止水材が得られる
という知見に基づくものである。
【0012】本発明において、「エラストマー」とは、
常温(23℃)付近でゴム弾性を示す高分子物質をい
う。かかるエラストマーは、非加硫ゴム、未加硫ゴム、
加硫ゴム、天然ゴム、合成ゴム、再生ゴム等の各種ゴ
ム、熱可塑性エラストマー、弾性繊維、弾性発泡体、弾
性プラスチック等からなる群より選ばれる少なくとも1
種の材料が含まれる。
【0013】本発明では、かかるエラストマーは所定の
架橋性共重合体と混合され、エラストマーと架橋性共重
合体とが共加硫され、エラストマーと架橋性共重合体と
の間に架橋が形成される。この点で、本発明にかかるエ
ラストマーと架橋性共重合体とは互いに架橋を形成する
関係にある。本発明では、エラストマーと架橋を形成し
ない架橋性共重合体及び架橋性共重合体と架橋を形成し
ないエラストマーは除かれる。
【0014】本発明にかかる架橋性共重合体は、エラス
トマーと架橋を形成し得るものであり、そのような架橋
性共重合体を形成するモノマーとアルキレンオキサイド
との共重合体からなる。
【0015】本発明の水膨張止水材によれば、エラスト
マーと架橋性共重合体とを共加硫することによって、水
膨張速度や、水と金属イオン水の膨張比を所望の値に制
御することができ、水膨張後の製品機能の低下を抑制す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。 (1)エラストマー 本発明では、エラストマーが50〜95重量部用いられ
る。かかるエラストマーは、架橋性共重合体と架橋を形
成する。エラストマーが、50重量部未満では、架橋性
共重合体が多くなり、水膨張が早く、コスト高になる。
95重量部を超えると、架橋性共重合体の量が少なくな
るため、水膨張が遅く、水膨張倍率が小さくなり、特に
金属イオン水の膨張倍率が小さくなる。
【0017】かかるエラストマーは、特に制限されるこ
となく、極性エラストマー、非極性エラストマー等の種
々のエラストマーを単独又は併用して用いることができ
る。
【0018】(1−1)極性エラストマー 極性エラストマーとしては、特に制限されないが、代表
的には、クロロプレンゴム、アクリルニトリル・ブタジ
エンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリ
ルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、スチレ
ンブタジエンゴム、エポキシ化天然ゴム、等からなる群
より選ばれる1種以上のエラストマーを用いることがで
きる。
【0019】本発明では、好ましくは、極性エラストマ
ーを用いる。かかる極性エラストマーは、架橋性共重合
体と相溶し易く、良好なゴムブレンド性が得られる。
【0020】(1−2)非極性エラストマー 非極性エラストマーとしては、特に制限されないが、代
表的には、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−フロ
ピレンゴム、シリコーンゴム、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ブタジエンゴム等からなる群より選ばれる少な
くとも1種のエラストマーを用いることができる。
【0021】(1−3)エラストマーの2種以上の併用 本発明では、2種以上のエラストマーを併用することが
できる。エラストマーの併用によって、水膨張速度や膨
張比を制御することがより一層可能となる。
【0022】本発明では、エラストマーとして非極性エ
ラストマーを主体に用いる場合には、好ましくは、極性
エラストマーを併用する。かかる併用により、極性エラ
ストマーがホモジナイザーとなり、非極性エラストマー
と架橋性共重合体とのゴムブレンド性を改善することが
できる。
【0023】本発明では、エラストマーとして、非極性
エラストマー0〜85重量部と極性エラストマー10〜
95重量部とを用いることができる。極性エラストマー
が10重量部未満では、ホモジナイザーとしての働きが
弱くなり、エラストマーが架橋性共重合体と混和し難
く、分散不良を起こし易い。
【0024】(2)架橋性共重合体 本発明では、架橋性共重合体5〜50重量部、好ましく
は、10〜30重量部が、上述のエラストマー50〜9
5重量部と混合され、共加硫される。架橋性共重合体が
5重量部未満であると、水膨張速度が遅くなり過ぎて、
金属イオン水での膨張倍率が小さくなるため、製品とし
ての機能を果たせ難くなる。一方、架橋性共重合体が5
0重量部を超えると、水膨張速度が早くなり過ぎるし、
架橋性共重合体は高価格なのでコストが高くなる。
【0025】かかる架橋性共重合体は、モノマーとアル
キレンオキサイドとの共重合体である。かかる架橋性共
重合体はエラストマーと架橋し得るものである。かかる
架橋性共重合体には、エラストマーと架橋を形成するも
のであれば、特に制限されることなく、種々のものを用
いることができる。
【0026】(2−1)モノマー 本発明では、エラストマーと架橋し得る架橋性共重合体
を用いる。このため、かかる架橋性共重合体は、エラス
トマーと架橋し得るような共重合体を形成するモノマー
とアルキレンオキサイドとの共重合体である。
【0027】かかるモノマーとしては、アリルグリシジ
ルエーテル及びエピクロルヒドリンからなる群より選ば
れる少なくとも1種のモノマーを用いることができる。
かかるモノマーは、側鎖に2重結合をもつモノマーであ
る。
【0028】かかるモノマーは、アルキレンオキサイド
と共重合して、エラストマーと架橋し得る架橋性共重合
体を形成する。かかる架橋性共重合体は側鎖に2重結合
を持ち、親水性を有することがある。
【0029】かかる架橋性共重合体としては、例えばエ
チレンオキサイドコポリマー・エピクロルヒドリンゴム
(以下、「ECO」と称する。)、エピクロルヒドリン
・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテルター
ポリマー(以下、「GECO」と称する。)、エチレン
オキサイド・プロピレンオキサイドとアリルグリシジル
エーテル共重合体等が挙げられる。
【0030】好ましくは、架橋性共重合体は、エチレン
オキサイド・プロピレンオキサイドとアリルグリシジル
エーテル共重合体である。かかる架橋性共重合体は、エ
ラストマーとの親和性があり、混和性が良い。また、か
かる架橋性共重合体は、エラストマーと凡用の架橋方法
で共架橋し易い。
【0031】(3)水膨張止水材の製造方法 本発明の水膨張止水材は、上記のようなエラストマー及
び架橋性共重合体の混合物を共加硫することで得られ
る。
【0032】(3−1)混合物 本発明では、エラストマーと架橋性共重合体との混合物
はエラストマーと架橋性共重合体とを適切な条件で混合
することによって得られる。
【0033】(3−2)混合方法 本発明では、エラストマーと架橋性共重合体に、一般的
に知られているようなフィラー、オイル、加工助剤、顔
料、加硫剤、加硫助剤、老化防止剤等を添加し、ミキシ
ングロール、バンバリーミキサー、各種ニーダー類で混
合することができる。
【0034】(3−3)共加硫 本発明の水膨張止水材は、エラストマー及び架橋性共重
合体の混合物の共加硫物である。本発明では、共加硫と
は、エラストマーと架橋性共重合体とを含有する混合物
を一緒に加硫することをいう。
【0035】(3−4)加硫方法 加硫は、通常の方法で行なうことができる。例えば、ゴ
ム工業で用いられるイオウによる加硫、プラスチック工
業で用いられるパーオキサイドによる加硫を用いること
ができる。
【0036】加硫においては、特に制限されることな
く、種々の装置、加硫剤、加硫助剤、加硫条件等を採用
することができる。
【0037】(3−5)成型 本発明では、加硫と同時に成型を行なうことができる。
成型方法としては、金型による圧縮成型、射出成型等を
用いることができ、これらの成型方法や、熱空気加硫
缶、連続押出しによるマイクロウエーブ加硫により、8
0〜250℃の温度範囲で加硫と同時に成型することが
できる。
【0038】(3−6)添加剤 本発明の水膨張止水材は、高吸水樹脂、親水性フィラ
ー、その他ゴム工業において一般的に知られているフィ
ラーやオイル、加工助剤、顔料、加硫剤、加硫助剤、老
化防止剤、粘着付与剤等の添加剤を、使用目的に応じて
添加して製造することができる。
【0039】(3−7)高吸水樹脂 本発明では、エラストマーと架橋性共重合体の混合物1
00重量部に対して、高吸水樹脂5〜100重量部、好
ましくは、10〜50重量部を添加することができる。
5重量部未満であると、添加しても水膨脹倍率が小さく
て、水膨張止水材としては水膨張倍率が不足することが
ある。100重量部を超えると、水膨脹倍率が大きくな
り、水膨脹圧力によりコンクリートを破壊してしまうお
それがあり、経済的にも高価な高吸水樹脂を多く使用す
ることでコストアップとなる。
【0040】高吸水樹脂としては、特に制限されない
が、イソブチレン・無水マレイン酸の架橋物の塩及びそ
の変成物、ポリアクリル酸ソーダの架橋物、スチレン−
無水マレイン酸共重合体の架橋物及びアクリルアミド−
アクリル酸架橋体等からなる群より選ばれる少なくとも
1種の樹脂を用いることができる。
【0041】(3−8)親水性フィラー 本発明では、エラストマーと架橋性共重合体の混合物1
00重量部に対して、親水性フィラー10〜100重量
部を混合することができる。10重量部未満であると、
親水性の効果が薄く、エラストマーの補強性が少ない。
100重量部を超えると、ゴム強度が著しく低下し、ゴ
ム硬度も高くなる。
【0042】親水性フィラーとしては、特に制限されな
いが、シリカ、クレー、ベトナイト及び酸化カルシウ
ム、等からなる群より選ばれる少なくとも1種のフィラ
ーが用いられる。
【0043】
【実施例】以下に、本発明を実施例と比較例に基づいて
説明する。なお、以下の説明において、割合は特に示さ
ない限り、重量部を意味する。 (実施例1) エラストマーとして天然ゴム70重量部及びクロロプレ
ン10重量部を用い、架橋性共重合体としてアリルグリ
シジルエーテルとアルキレンオキサイドとの共重合体で
ある日本ゼオン製のゼオスパン8030:20重量部を
用いる。
【0044】表1に示す混合物を共加硫して、水膨張止
水材を製造する。得られる水膨張止水材を以下の試験に
よって評価する。結果を表1に示す。
【0045】(試験条件) (1)水膨脹倍率 5mmの厚さの20mm角の試料をイオン交換水中に浸
漬し、体積が最大になる時の倍率を測定する。金属イオ
ン水の水膨張倍率の測定の場合は、イオン交換水99g
とポルトランドセメント1gを混合した溶液を用いて行
なう。 計算式:水膨脹倍率=試験後の質量/試験前の質量
【0046】(2)水膨張速度 水膨張倍率を測定し始めたときから水膨張倍率が最大に
なったときまでの期間から求める。早い:7日未満、適
度:7日から27日、遅い:27日を超えるで示す。
【0047】(3)質量変化率 水膨脹が最大になった後に浸漬していた試料を取り出
し、50℃のオーブンで乾燥した後の重量の変化を割合
で示す。 計算式:質量変化率(%)=[(試験前の質量−オーブ
ン乾燥後の質量)/試験前の質量]×100
【0048】(4)膨脹後の膨張倍率 水膨脹が最大になった後、どの程度、水膨脹倍率が低下
するかを測定する。良い:20%未満、低下:20以上
で示す。
【0049】(実施例2)実施例1において、架橋性共
重合体として、ゼオスパン8030:20重量部の代わ
りに、ECO(日本ゼオン製のゼクロン1100):2
0重量部を用い、実施例1と同様にして水膨張止水材を
製造し、実施例1と同様に評価する。結果を表1にまと
めて示す。
【0050】(実施例3)実施例1において、架橋性共
重合体として、ゼオスパン8030:20重量部の代わ
りに、GECO(日本ゼオン製のゼクロン3100):
20重量部を用い、実施例1と同様にして水膨張止水材
を製造し、実施例1と同様に評価する。結果を表1にま
とめて示す。
【0051】(比較例1)実施例1において、エラスト
マーとして天然ゴム90重量部及びクロロプレン10重
量部を用い、架橋性共重合体の代わりに、アルキレンオ
キサイドにポリマーブレンド用に第3成分を付加させた
非架橋性の親水性ポリマー(住友精化製のアクアコーク
TW):20重量部を用い、軟化剤を用いずに、実施例
1と同様にして止水材を製造し、実施例1と同様に評価
する。結果を表1にまとめて示す。
【0052】(比較例2)比較例1において、住友精化
製のアクアコークTW:20重量部の代わりに、融点が
100℃以下の比較的低分子の非架橋性親水性ポリマー
(花王製のエマルゲンPP280):10重量部を用
い、実施例1と同様にして止水材を製造し、実施例1と
同様に評価する。結果を表1にまとめて示す。
【0053】(比較例3)比較例1において、軟化剤4
2重量部を用いて、実施例1と同様にして止水材を製造
し、実施例1と同様に評価する。結果を表1にまとめて
示す。
【0054】(比較例4)比較例1において、非架橋性
の親水性ポリマー(住友精化製のアクアコークTW)を
も用いずに、高吸水樹脂である5ポリアクリル酸ソーダ
(三洋化成工業製のサンフレッシュST−500MP
S)を50重量部から80重量部に増量し、軟化剤35
重量部を用いて、実施例1と同様にして止水材を製造
し、実施例1と同様に評価する。結果を表1にまとめて
示す。
【0055】(比較例5)比較例1において、住友精化
製のアクアコークTW:20重量部の代わりに、アルキ
レンオキサイドを含有した非架橋性の親水性ウレタンポ
リマーと硬化剤の混合物(第1工業製薬、6811VK
とUD−503):20重量部を用い、軟化剤35重量
部用いて、実施例1と同様にして止水材を製造し、実施
例1と同様に評価する。結果を表1にまとめて示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1に示すように、実施例1の水膨張止水
材は、本発明にかかる架橋性共重合体のうち、アリルグ
リシジルエーテルとアルキレンオキサイドとの共重合体
を使用した場合で、本発明にかかるエラストマーのう
ち、所定のポリマーと共加硫しているので、水膨脹後の
低下が少なく、質量変化率も良い。
【0058】実施例2の水膨張止水材は、本発明にかか
る架橋性共重合体のうち、ECOを使用した場合であ
り、所定のエラストマーと共加硫しているので、水膨脹
後の低下が少なく、質量変化率も良い。
【0059】実施例3の水膨張止水材は、本発明にかか
る架橋性共重合体のうち、GECOを使用した場合で、
所定のエラストマーその他のポリマーと共加硫している
ので、水膨脹後の低下が少なく、質量変化率も良い。
【0060】比較例1の止水材は、アルキレンオキサイ
ドにポリマーブレンド用に第3成分を付加させたものを
使用した場合、特に硬さが大きくなり、製品使用上で問
題がある。また、硬さを低くするために軟化剤を多量に
添加した比較例3は軟らかくなって生産性が低下する。
【0061】比較例2の止水材は、融点が100℃以下
の比較的低分子の親水性ポリマーを使用した場合で、コ
ストと水膨脹倍率には優れるが、質量変化率や水膨脹後
の低下は著しく悪く、バランスに欠ける。
【0062】比較例4の止水材は、本発明にかかる架橋
性共重合体を添加しないで、高吸水樹脂のみで膨張させ
たものであるが、初期の水膨張速度が遅くなり、止水効
果が劣る。また、高吸水樹脂が脱落し、質量変化率が低
下する。
【0063】比較例5の止水材は、アルキレンオキサイ
ドを含有した親水性ウレタンポリマーと硬化剤の混合物
を水膨張剤として用いた例であるが、硬度、水膨張速度
は良いが、水膨張後の膨張倍率の低下と生産性の安定に
かけている。
【0064】(比較例6)実施例1において、天然ゴム
を70重量部に代えて87重量部用い、架橋性共重合体
を20重量部に代えて3重量部用い、顔料、亜鉛華、イ
オウを用いない以外は、実施例1と同様にして止水材を
製造し、実施例1と同様に評価する。なお、この例及び
以下の例では、金属イオン水に対する水膨張倍率を試験
する。結果を表2にまとめて示す。
【0065】(比較例7)比較例6において、天然ゴム
を87重量部に代えて30重量部用い、架橋性重合体を
3重量部に代えて60重量部用い、促進剤をDM:1.
5重量部、TT;テトラメチルチウラムジスルフィド:
0.5重量部及びEZ:0.5重量部の混合物に変えた
以外、実施例1と同様にして止水材を製造し、比較例6
と同様に評価する。結果を表2にまとめて示す。
【0066】
【表2】
【0067】表2に示すように、実施例1の水膨張止水
材は、架橋性共重合体をエラストマーに共加硫させたも
ので、ほとんどの特性で優れており、全体の特性のバラ
ンスがよい。
【0068】比較例6の止水材は、架橋性共重合体が少
ないため、水膨脹速度が遅く、金属イオン水の水膨張倍
率は極端に劣る。比較例7の止水材は、架橋性共重合体
が多いため、金属イオン水に対しての膨張倍率が高い
が、水膨脹速度が早く、なおかつコストも高い。
【0069】実施例1の水膨張止水材について、以下に
示す分散性及びゴムブレンド性を試験する。 (試験条件) (5)分散性 エラストマーと架橋性共重合体とをブレンドした場合
に、目視で均一化しているかどうか、若しくは機能が損
なわれない程度にブレンドしているかどうかを言う。 (6)ゴムブレンド性 分散性と共通するところがあるが、この場合は、異種の
ゴムをブレンドする場合、目視で均一化するまで、若し
くは機能が損なわれない程度にブレンドできるまでの時
間を言う。
【0070】実施例1の水膨張止水材は極性の高いゴム
をブレンドしているので、エラストマーのブレンド性が
良く、かつ、水膨張倍率が大きく、金属イオン水の倍率
も高い。極性の高いゴムが少ないと、エラストマーの分
散性及びブレンド性はよくない傾向がある。
【0071】上述のように、本発明の水膨張止水材は、
水膨張速度をコントロールでき、水と金属イオン水の膨
脹比の差が小さく、生産工程が簡単で製品の安定性があ
り、ゴム硬度が低くても他の機能が損なわれず、コスト
が低く、水膨脹後の製品の安定性が良い。
【0072】かかる水膨張止水材は、土木、及び建築等
のコンクリート打継部の漏水防止に使用し、コクリート
2次製品、セグメントや鋼矢板、ヒューム管、マンホー
ルのパッキン等に用いる場合、水膨脹後の製品の水膨脹
安定性、耐久性に優れ、止水材の物理的特性も使用用途
に適している。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、水膨張速度、水に対す
る膨張比、又は金属イオン水に対する膨張比を容易に制
御でき、水膨張後の製品機能を低下させない水膨張止水
材を、生産性を高く維持しながら、安定して得ることが
できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/684 E21D 11/38 Z E21D 11/38 E04B 1/68 K (72)発明者 田中 伸幸 広島県福山市箕島町南丘5351番地 早川ゴ ム株式会社内 Fターム(参考) 2D055 GC09 KB14 LA02 2E001 DA01 DA05 EA01 EA03 FA29 FA30 FA51 GA05 HD01 HE01 HF02 MA02 MA06 MA09 4H017 AA02 AA03 AA22 AA25 AB08 AB14 AC06 AD04 AE03 4J002 AC011 AC061 AC072 AC082 AC092 BB151 BB272 BD122 BG042 CH042 CH053 CP031

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水膨張止水材であって、エラストマー5
    0〜95重量部と、前記エラストマーと架橋し得る架橋
    性共重合体5〜50重量部との混合物の共加硫物であ
    り、前記架橋性共重合体がモノマーとアルキレンオキサ
    イドとの共重合体であることを特徴とする水膨張止水
    材。
  2. 【請求項2】 前記モノマーがアリルグリシジルエーテ
    ル及びエピクロルヒドリンからなる群より選ばれる少な
    くとも1種のモノマーであることを特徴とする請求項1
    記載の水膨張止水材。
  3. 【請求項3】 前記エラストマーが、天然ゴム、イソプ
    レンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴ
    ム、ポリエチレン、ポリプロピレン及びブタジエンゴム
    からなる群より選ばれる少なくとも1種の非極性エラス
    トマーと、クロロプレンゴム、アクリルニトリル・ブタ
    ジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アク
    リルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、スチ
    レンブタジエンゴム及びエポキシ化天然ゴムからなる群
    より選ばれる少なくとも1種の極性エラストマーとから
    なることを特徴とする請求項1又は2記載の水膨脹止水
    材。
  4. 【請求項4】 さらに、高吸水樹脂が添加されているこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の水膨
    脹止水材。
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