JPH0710612U - 自動車用チェンジ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 例えばセレクト操作時における長年使用によ
る不快なガタツキを軽減する。 【構成】 チェンジレバー下部の連携ピン１６と、変速
機をセレクト又はシフトするための操作レバー１５とを
樹脂ブッシュ１７を介して嵌合連結し、操作レバーの嵌
合部と樹脂ブッシュとの間には弾性部材１８を介設して
樹脂ブッシュを嵌合部に所定の弾性をもって保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自動車用チェンジ装置に関し、特に長年使用によるセレクト操作 のガタツキを軽減するようにした装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車には、チェンジレバーの車幅方向の操作によって変速機をセレクト操作 し、前後方向の操作によって変速機をシフト操作するようにしたチェンジ装置が 汎用されるが、チェンジレバーの車幅方向の操作は前後方向の変位に変換する必 要がある。

【０００３】 そこで従来のチェンジ装置では、変速機をセレクトするセレクトレバーを前後 方向に揺動自在に設け、チェンジレバーの下端にはセレクトピンを設け、その先 端を樹脂ブッシュを介してセレクトレバーに回動可能に嵌入させてチェンジレバ ーの車幅方向の操作を前後方向の揺動に変換することが行われていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のチェンジ装置では、セレクトピン先端の円弧状軌跡の変位によ ってセレクトレバーを前後揺動させているので、樹脂ブッシュには捏ねるような 荷重が作用し、長年使用すると樹脂ブッシュが摩耗し、セレクト操作を行うと変 速操作に影響はないものの、不快なガタツキが発生するという問題があった。

【０００５】 この考案は、かかる問題点に鑑み、長年使用によるセレクト操作時における不 快なガタツキを軽減できるようにした自動車用チェンジ装置を提供することを課 題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案に係る自動車用チェンジ装置は、チェンジレバーの車幅方向の操 作によって変速機をセレクト又はシフトするようにしたチェンジ装置において、 チェンジレバーの下部には連携ピンが車幅方向に延びて設けられている一方、変 速機をセレクト又はシフトするための操作レバーが車幅方向の軸回りに揺動可能 に支持され、該操作レバーには嵌合部が形成されて樹脂ブッシュを介して連携ピ ンの先端が嵌入連結され、上記操作レバーの嵌合部と樹脂ブッシュとの間には上 記樹脂ブッシュを嵌合部に所定の弾性をもって保持する弾性部材が介設されてい ることを特徴とする。

【０００７】 連携ピン及び操作レバーは通常の場合はセレクトピン及びセレクトレバーであ るが、シフト操作を行うためのピン及びレバーであってもよい。弾性部材は樹脂 ブッシュを操作レバーの嵌合部内に弾性保持するものであればよく、凹凸状の突 起を設けて樹脂ブッシュを弾性保持してもよいが、面圧を考慮すると樹脂ブッシ ュの連携ピン揺動方向の面、即ち上面又は下面の全面に圧接させるのがよい。

【０００８】

【作用及び考案の効果】

チェンジレバーを車幅方向に操作すると、連携ピンの先端が円弧状軌跡に沿っ て上下に揺動し、樹脂ブッシュを介して連結された操作レバーを前後に揺動させ 、変速機がセレクト又はシフトされる。

【０００９】 その際、樹脂ブッシュは弾性部材で所定の弾性をもって操作レバーに保持され ており、樹脂ブッシュに連携ピン先端の円弧状変位に起因して捏ねるような荷重 が作用しても、弾性部材が弾性変形することによってこれを吸収し軽減する。

【００１０】 従って、本考案によれば、長年使用しても樹脂ブッシュの摩耗は少なく、チェ ンジ操作時における不快なガタツキを軽減でき、快適なチェンジ操作性を確保で きる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図１及び図２は 本考案の一実施例による自動車用チェンジ装置を示す。図において、車室フロア にはベース１０が取付けられ、該ベース１０にはチェンジレバー１１が支承され ている。

【００１２】 このチェンジレバー１１の下端には逆Ｕ字状の取付ブラケット１１０が固定さ れ、該取付ブラケット１１０には車体前後方向に延びる第１取付軸１２が車幅方 向に延びる第２取付軸１３によって回転可能に取付けられ、上記第１取付軸１２ はブッシュ等を介して上記ベース１０に回転可能に支承されており、これによっ てチェンジレバー１１は第１取付軸１２の回りに車幅方向に揺動し、第２取付軸 １３の回りに前後方向に揺動しうるようになっている。

【００１３】 また、チェンジレバー１１の下方部にはシフトレバー１４が固定され、該シフ トレバー１４はワイヤーによって変速機（図示せず）に連結されてシフト操作が 可能となっている。

【００１４】 また、ベース１０には略く字状をなすセレクトレバー（操作レバー）１５がチ ェンジレバー１１の側方にて車幅方向に延びる取付軸１５０によって揺動自在に 取付けられ、該取付軸１５０にはコイルばね１５１が外装されてセレクトレバー １５が揺動付勢され、該セレクトレバー１５の上端はワイヤーによって変速機に 連結されてセレクト操作が可能となっている。

【００１５】 このセレクトレバー１５の下半部は断面コ字状に形成されて嵌合部１５２が構 成され、又チェンジレバー１１下端の取付ブラケット１１０にはセレクトピン１ ６が第２取付軸１３と同軸に取付けられて車幅方向に水平に延び、該セレクトピ ン１６の先端球面部１６０は樹脂ブッシュ１７を介してセレクトレバー１５の嵌 合部１５２に嵌入連結されている。

【００１６】 また、セレクトレバー１５の嵌合部１５２と樹脂ブッシュ１７との間にはスペ ーサ（弾性部材）１８が介設され、該スペーサ１８はナイロンやポリウレタン等 の合成樹脂材料を用いてセレクトレバー嵌合部１５２の内面形状と略同形状に成 形され、又スペーサ１８の樹脂ブッシュ１７上面側には所定の間隙をあけて板ば ね部１８０が一体に形成され、樹脂ブッシュ１７上面全体を下方に押圧している 。このスペーサ１８はセレクトレバー嵌合部１５２に取付穴をあけて樹脂を一体 成形することによって嵌合部１５２に固定されている。

【００１７】 従って、チェンジレバー１１を車幅方向に操作すると、セレクトピン１６の先 端が円弧状軌跡に沿って上下に揺動し、これが樹脂ブッシュ１７を介してセレク トレバー１５に伝達されてセレクトレバー１５が前後に揺動し、変速機がセレク トされるが、その際、樹脂ブッシュ１７にはセレクトピン１６先端の円弧状変位 に起因して捏ねるような荷重が作用する。

【００１８】 しかるに、本実施例のチェンジ装置では、樹脂ブッシュ１７がスペーサ１８の 板ばね部１８０によって所定の弾性をもってセレクトレバー１５に保持されてお り、板ばね部１８０が弾性変形することによって捏ねるように荷重を吸収し、樹 脂ブッシュ１７への悪影響が軽減されるので、長年使用しても樹脂ブッシュ１７ の摩耗は少なく、セレクト操作時における不快なガタツキを軽減でき、快適なセ レクト操作性を確保できる。

【００１９】 なお、スペーサ１８は一体成形ではなく、取付用の突起を有するスペーサを別 途成形し、これをセレクトレバー嵌合部１５２に嵌め込み、取付用突起を熱カシ メによって取付穴に固定するようにしてもよい。また、板ばね部１８０ではなく 、複数の突起状ばね部として樹脂ブッシュ１７を弾性保持してもよい。

【００２０】 また、図３は本考案の第２の実施例を示す。本実施例では、板ばね部１８０は スペーサ１８に所定の間隙をあけて形成するのではなく、スペーサ１８の壁面を 下方に曲成することによって形成され、又かかるスペーサ１８を別途成形し、セ レクトレバー嵌合部１５２に嵌め込み、接着剤で固定されている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例による自動車用チェンジ装
置を示す概略正面構成図である。

【図２】 上記チェンジ装置における側面及び正面断面
を示す要部拡大構成図である。

【図３】 本考案の他の実施例を示す要部拡大側面構成
図である。

【符号の説明】

１１…チェンジレバー １５…セレクトレバー（操作レバー） １６…セレクトピン（連携ピン） １７…樹脂ブッシュ １８…スペーサ（弾性部材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チェンジレバーの車幅方向の操作によっ
   て変速機をセレクト又はシフトするようにしたチェンジ
   装置において、 上記チェンジレバーの下部には連携ピンが車幅方向に延
   びて設けられている一方、変速機をセレクト又はシフト
   するための操作レバーが車幅方向の軸回りに揺動可能に
   支持され、該操作レバーには嵌合部が形成されて樹脂ブ
   ッシュを介して連携ピンの先端が回動可能に嵌入連結さ
   れ、上記操作レバーの嵌合部と樹脂ブッシュとの間には
   上記樹脂ブッシュを嵌合部に所定の弾性をもって保持す
   る弾性部材が介設されていることを特徴とする自動車用
   チェンジ装置。