JPH07102017A - 末端に官能基を有する重合体及びその製造方法 - Google Patents

末端に官能基を有する重合体及びその製造方法

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JPH07102017A
JPH07102017A JP27475193A JP27475193A JPH07102017A JP H07102017 A JPH07102017 A JP H07102017A JP 27475193 A JP27475193 A JP 27475193A JP 27475193 A JP27475193 A JP 27475193A JP H07102017 A JPH07102017 A JP H07102017A
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優 大西
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寛 安藤
Shigeki Hamaguchi
茂樹 濱口
Kazuya Yonezawa
和弥 米沢
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Abstract

(57)【要約】 【目的】可視光硬化型樹脂、UV硬化型樹脂、電子線硬
化型樹脂、接着剤、改質剤、コーティング剤などの原料
として有用で、耐水性、電気絶縁性、耐湿性、耐候性、
耐熱性等の諸特性に優れる末端に官能基を有する重合体
およびそれを容易かつ安価に製造できる方法を提供する
こと。 【構成】一般式(I)で表される末端に官能基を有す
る重合体。数平均分子量が、5百〜5万の飽和炭化水素
系重合体であって、1分子当たり少なくとも1.1個の
水酸基を末端に有する化合物を、アリルクロライド、
メタリルクロライド等と反応させる前記の製造方法、
エステル化触媒存在下、アクリル酸、メタクリル酸と
反応させることを特徴とする前記の製造方法、および
炭素−炭素2重結合とオキシラン環を同一分子内に有
する化合物と反応させる前記の製造方法、 炭素−
炭素2重結合とイソシアネート基を同一分子内に有する
化合物と反応させる前記の製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、末端に官能基を有する
重合体及びその製造方法に関するものであり、詳細には
官能基として炭素−炭素2重結合を末端に有する重合体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】末端に官能基を有する重合体、例えば、
1分子当たり平均して1個を越える官能基を有するイソ
ブチレン系重合体は、そのまま又は更に各種の官能基変
換条件を行うことにより、架橋効果によりゴム状硬化物
を生成させることができる。また、この重合体はUSP
4,904,732、特開昭63−6041号公報に開
示されているように架橋性珪素基を導入し、湿分硬化性
の重合体にすることができる。
【0003】1分子当たり平均して1個を越える官能基
を有するイソブチレン系重合体は、USP3,644,
315、USP4,524,187に開示されている
が、この重合体はイソブチレンと共役二重結合を有する
化合物を共重合させて得られるものであり、主鎖中に二
重結合を有しており、耐候性や耐薬品性および反応性に
劣る重合体である。
【0004】また、USP4,316,973、USP
4,758,631および特開昭63−105005号
公報には分子鎖末端に官能基を有する重合体が開示され
ている。USP4,316,973等に開示されている
重合体は1,4−ビス(α−クロロイソプロピル)ベン
ゼンを開始剤兼連鎖移動剤とし、且つBC13を触媒と
してイソブチレンをカチオン重合させるイニファー法に
よって得られる末端に塩素原子を有する重合体をさらに
反応させて得られる。特開昭63−105005号公報
に開示されている重合体は、イニファー法で得られる重
合直後あるいは精製後の両末端に塩素原子を有するイソ
ブチレン系ポリマーをアリルトリメチルシランと反応さ
せることにより両末端にアリル基を有するポリマーとし
て得られる。
【0005】しかし、USPUSP4,316,97
3、特開昭63−105005号公報等に開示されてい
る重合体は高価な原料が必要であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、可視光硬化
型樹脂、UV硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、接着剤、
改質剤、コーティング剤などの原料として有用で、耐水
性、電気絶縁性、耐湿性、耐候性、耐熱性等の諸特性に
優れる末端に官能基を有する重合体およびそれを容易か
つ安価に製造できる方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、 一
般式(I)で表されることを特徴とする末端に官能基を
有する重合体により達成される。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Rは数平均分子量が、500〜5
0,000の飽和炭化水素系重合体残基を表し、R1
水素又はメチル基を表し、Xは、
【0010】
【化4】
【0011】の内から選ばれる有機基を示し、Rの末端
に結合する。nは、1.1以上の実数を示す。) また、本発明の目的は、 数平均分子量が、500〜
50,000の飽和炭化水素系重合体であって、1分子
当たり少なくとも1.1個の水酸基を末端に有する化合
物をアリルクロライド、メタリルクロライド、アリルブ
ロマイド、およびメタリルブロマイドからなる群から選
択される1種以上と反応させることを特徴とする前記
記載の末端に官能基を有する重合体の製造方法、 数
平均分子量が、500〜50,000の飽和炭化水素系
重合体であって、1分子当たり少なくとも1.1個の水
酸基を末端に有する化合物をエステル化触媒存在下、ア
クリル酸およびメタクリル酸の少なくとも1種と反応さ
せることを特徴とする前記に記載の末端に官能基を有
する重合体の製造方法、 数平均分子量が、500〜
50,000の飽和炭化水素系重合体であって、1分子
当たり少なくとも1.1個の水酸基を末端に有する化合
物を炭素−炭素2重結合とオキシラン環を同一分子内に
有する化合物と反応させることを特徴とする前記に記
載の末端に官能基を有する重合体の製造方法、および
数平均分子量が、500〜50,000の飽和炭化水
素系重合体であって、1分子当たり少なくとも1.1個
の水酸基を末端に有する化合物を炭素−炭素2重結合と
イソシアネート基を同一分子内に有する化合物と反応さ
せることを特徴とする前記に記載の末端に官能基を有
する重合体の製造方法により達成される。
【0012】本発明の末端に官能基を有する重合体は、
数平均分子量が500〜50,000、好ましくは2,
000〜30,000の範囲が、作業性の面から取り扱
いやすく、これより分子量が大きくなると粘度が高くな
りすぎたり、あるいは固形になり、ハンドリングが容易
でなくなる。又、これより分子量が小さい場合には、主
鎖骨格の特性を発現しにくくなる。また、一般式(I)
において、炭素−炭素2重結合の数を示すnは、1.1
以上好ましくは1.2〜3.0の範囲である。この炭素
−炭素2重結合は、飽和炭化水素系重合体の末端に結合
されるが、ここでいう末端とは飽和炭化水素系重合体が
直鎖状の場合は、その両端部を指し、分岐状の場合は側
鎖端部をも包含する意味であるが、飽和炭化水素系重合
体は、好ましくは直鎖状である。尚、水酸基は、末端の
みに導入されるのが極めて好ましいが、飽和炭化水素系
重合体分子の末端以外に1分子当たり3.0以下なら許
容され得る。
【0013】一般式(I)の本発明の重合体を得るに
は、1分子当たり少なくとも1.1個の水酸基を末端に
有する飽和炭化水素系重合体の該水酸基もしくはその誘
導基と炭素−炭素2重結合を有する化合物とを反応させ
ることにより、得ることができる。主鎖骨格のユニット
としては、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレ
ン、スチレン等のモノマー群から選ばれたものが利用で
き、これらモノマーは、適宜選択することにより、単独
重合体あるいは複数組み合わせた共重合体の主鎖骨格を
形成する。
【0014】末端に水酸基を有する重合体(この水酸基
を末端水酸基という)は、公知の方法、例えば、前記エ
チレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、スチレン
等のモノマーとジエン成分、例えば1,3−ブタジエ
ン、イソプレン等を1部共重合した化合物をオゾンによ
り主鎖切断し、続いて還元性条件下、例えば、リチウム
アルミニウムハイドライド、ソジウムボロハイドライド
等で還元することにより容易に合成することができる
〔J.Pol.Sci.A 5313(1964),
E.B.Sones et al.〕。文献に準じて得
られた末端水酸基に炭素−炭素2重結合を導入する方法
としては、以下のものが挙げられる。 a)末端に官能基を有する重合体をアルカリ金属アルコ
ラートで処理し、アリルクロライド、メタリルクロライ
ド、アリルブロマイド、およびメタリルブロマイド等か
らなる群から選択される1種以上と反応させる(エーテ
ル化)。反応温度は、20〜100℃、好ましくは30
〜80℃、反応時間は、0.5〜10時間、好ましくは
1〜3時間の範囲である。 b)エステル化触媒(硫酸、p−トルエンスルホン酸
等)の存在下、アクリル酸およびメタクリル酸の少なく
とも1種と末端水酸基を有する重合体とを加熱反応させ
る(エステル化)。反応温度は、20〜150℃、好ま
しくは40〜100℃、反応時間は、1〜12時間、好
ましくは2〜10時間の範囲である。 c)炭素−炭素2重結合とオキシラン環を同一分子内に
有する化合物、例えば、アリルグリシジルエーテル、グ
リシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレート
の少なくとも1種を4塩化錫、トリアルキルアミン、ホ
スフィン、アルミナ等の触媒存在下に末端水酸基を有す
る重合体と反応させる(オキシラン環への付加)。反応
温度は、20〜150℃、好ましくは60〜100℃、
反応時間は、1〜20時間、好ましくは2〜10時間の
範囲である。 d)炭素−炭素2重結合とイソシアネート基を同一分子
内に有する化合物、例えば、アリルシアネートをスズ系
化合物又は有機塩基の存在下に末端水酸基を有する重合
体と反応させる(イソシアネートへの付加)。反応温度
は、20〜100℃、好ましくは20〜50℃、反応時
間は、1〜10時間、好ましくは2〜5時間の範囲であ
る。
【0015】これらの方法により得られた一般式(I)
で表される炭素−炭素2重結合を有する重合体は、種々
の硬化方法により硬化物を得ることが出来る。例えば、
多価ヒドロシリル化合物と組み合わせることにより、ヒ
ドロシリル化触媒存在下、容易に架橋体を形成し、接着
剤、塗料、シーリング材用の素材として利用できる(特
開平3−200807、特開平3−95266)。
【0016】本発明で得られた化合物に炭酸カルシウ
ム、クレー、タルク等の無機フィラー、カーボンブラッ
ク、微粉シリカ等の補強剤、カーボンファイバー、ケブ
ラー等の補強繊維と複合させることも可能であり、それ
ぞれの具体的用途に応じて配合を組み立てることができ
る。
【0017】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を例示するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 参考例1(J.Pol.Sci.Part A
313(1964)に準じて実施) 数平均分子量135000のブチルゴム(エクソンケミ
カル製)49gを1リットルのメチルシクロヘキサンに
溶解し、−10℃に冷却しながらオゾンガスを2時間通
過させた。その系に窒素ガスで溶液中のオゾンを置換
し、リチウムアルミナムハイドライドのTHF溶液を添
加した。室温まで内温上昇後、反応物を30分間環流さ
せ、再び−10℃に冷却後、硫酸添加により過剰のリチ
ウムアルミナムハイドライドを分解した。有機層を水洗
後、無水硫酸ソーダで乾燥し、溶剤を留去し、目的の末
端に水酸基を有するブチルゴム(水酸基末端ブチルゴ
ム)を得た(数平均分子量6800、水酸基価19.
6、末端水酸基化率は93%)。
【0018】実施例1 参考例1で得られた水酸基末端ブチルゴム5gにナトリ
ウムメチラート(28%メタノール溶液)1gを加え、
減圧下にメタノールを留去し、アリルブロマイド1.2
gを加えた。減圧で揮発分を留去した後、ナトリウムメ
チラートを加え減圧下にメタノールを留去し、アリルブ
ロマイドを添加して反応させる操作を3回繰り返した。
トルエン100mlを加え水洗後、トルエンを留去した
所、末端水酸基の65%にアリル基が導入された(赤外
吸収スペクトルとn.m.r.によるアリル基の分
析)。
【0019】実施例2 参考例1で得られた水酸基末端ブチルゴム5gを100
mlのトルエンに溶解し、p−トルエンスルホン酸0.
1gを加え、メタクリル酸2gを添加し、環流下5時間
反応させた。この溶液を水洗、乾燥後、トルエンを留去
した所、末端水酸基の75%にメタクリロイル基が導入
された(赤外およびn.m.r.スペクトルによる分
析)。
【0020】実施例3 参考例1で得られた水酸基末端ブチルゴム5gをエーテ
ル100mlに溶解し、アルミナ(Al2 3 )3gを
加え、アリルグリシジルエーテル1.3gを室温で滴下
した。更に2時間攪拌を続けた後、有機層を濾過により
固体を分別し、常法により水洗、濃縮した所、末端水酸
基の70%にアリル基の導入が観察された(赤外及び
n.m.r.分析)。
【0021】実施例4 参考例1で得られた水酸基末端ブチルゴム5gをエーテ
ル100mlに溶解し、DABCO(ジシクロアザビシ
クロウンデセン)0.1gを加え、アリルイソシアネー
トお.83gを含むトルエン溶液10mlを滴下した。
滴下終了後、80℃で3時間反応し、減圧下揮発分を留
去し、残った重合体を再び100mlのトルエンに溶解
し、水洗、精製した。末端水酸基の60%にアリル基の
導入が観察された(赤外及びn.m.r.分析)。
【0022】
【発明の効果】本発明の方法により得られた一般式
(I)で表される炭素−炭素2重結合を有する重合体
は、種々の硬化方法に適用され種々の反応性成分、触媒
等と組み合わせて硬化性組成物およびその硬化物を得る
ことが出来る。例えば、多価ヒドロシリル化合物、ヒド
ロシリル化触媒等と組み合わせ、所望の特性を有した接
着剤、塗料、シーリング材等を製造することができる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されることを特徴とす
    る末端に官能基を有する重合体。 【化1】 (式中、Rは数平均分子量が、500〜50,000の
    飽和炭化水素系重合体残基を表し、R1 は水素又はメチ
    ル基を表し、Xは、 【化2】 の内から選ばれる有機基を示し、Rの末端に結合する。
    nは、1.1以上の実数を示す。)
  2. 【請求項2】 Rが、イソブチレンを主体とする骨格か
    らなる請求項1記載の末端に官能基を有する重合体。
  3. 【請求項3】 Rが、エチレン、プロピレン、ブテン、
    およびスチレンからなる群から選択されるモノマーの単
    独重合体または2種以上の共重合体からなる請求項1記
    載の末端に官能基を有する重合体。
  4. 【請求項4】 数平均分子量が、500〜50,000
    の飽和炭化水素系重合体であって、1分子当たり少なく
    とも1.1個の水酸基を末端に有する化合物をアリルク
    ロライド、メタリルクロライド、アリルブロマイド、お
    よびメタリルブロマイドからなる群から選択される1種
    以上と反応させることを特徴とする請求項1記載の末端
    に官能基を有する重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 数平均分子量が、500〜50,000
    の飽和炭化水素系重合体であって、1分子当たり少なく
    とも1.1個の水酸基を末端に有する化合物をエステル
    化触媒存在下、アクリル酸およびメタクリル酸の少なく
    とも1種と反応させることを特徴とする請求項1記載の
    末端に官能基を有する重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 数平均分子量が、500〜50,000
    の飽和炭化水素系重合体であって、1分子当たり少なく
    とも1.1個の水酸基を末端に有する化合物を炭素−炭
    素2重結合とオキシラン環を同一分子内に有する化合物
    と反応させることを特徴とする請求項1記載の末端に官
    能基を有する重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 炭素−炭素2重結合とオキシラン環を同
    一分子内に有する化合物が、アリルグリシジルエーテル
    である請求項6記載の末端に官能基を有する重合体の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 炭素−炭素2重結合とオキシラン環を同
    一分子内に有する化合物が、グリシジルアクリレートお
    よびグリシジルメタクリレートの少なくとも1種である
    請求項6記載の末端に官能基を有する重合体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 数平均分子量が、500〜50,000
    の飽和炭化水素系重合体であって、1分子当たり少なく
    とも1.1個の水酸基を末端に有する化合物を炭素−炭
    素2重結合とイソシアネート基を同一分子内に有する化
    合物と反応させることを特徴とする請求項1記載の末端
    に官能基を有する重合体の製造方法。
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