JP2011236348A - 飽和炭化水素系重合体および硬化性組成物 - Google Patents

飽和炭化水素系重合体および硬化性組成物 Download PDF

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Hidenori Tanaka
秀典 田中
Shigeki Ono
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Abstract

【課題】容易に製造可能であり、活性エネルギー線や熱によって硬化し得る飽和炭化水素系重合体、および、これを含有する硬化性に優れた組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1):
−Z−C(=O)−NH−R1−O−C(=O)−C(R2)=CH2
(式中、R1は2価の有機基、R2は水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基、Zはヘテロ原子、NR3(R3は、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)で表される置換基を分子内に1個以上有する飽和炭化水素系重合体(A)。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線や熱により硬化し得る飽和炭化水素系重合体とその製造方法、および、これを含有する硬化性組成物に関する。
(メタ)アクリロイル系置換基を有する飽和炭化水素系重合体は、活性エネルギー線や熱によって優れた硬化性を示し、得られる硬化物は高い湿気遮断性などの優れた性質を有するゴム状弾性体を形成すると期待できる。
このようなことから、(メタ)アクリロイル系置換基を有するポリイソブチレンが製造されている。例えば、(特許文献1)では、ポリイソブチレンの末端不飽和基に、加水分解性基を有するシリル基を導入し、加水分解することによってシラノールとし、このシラノールとアクリル基および加水分解性基を有するシランを反応させることにより(メタ)アクリロイル系基を導入する方法が開示されている。しかし、この製造法は多段階反応であり、合成が煩雑であった。また、(特許文献2)では、ポリイソブチレンの末端水酸基に、ハロゲン化(メタ)アクリロイルを反応させる方法が開示されているが、この方法は、副生成物を除去することが難しい傾向にあった。
このように、(メタ)アクリロイル系置換基を有する飽和炭化水素系重合体を容易に製造することは困難であった。
特開平10−87726号公報 特開2001−31714号公報
本発明は、活性エネルギー線や熱により硬化し得る飽和炭化水素系重合体とその容易な製造方法であり、この重合体を使用することにより、優れた硬化性を示す組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下のことを見出して本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(I)
一般式(1):
−Z−C(=O)−NH−R1−O−C(=O)−C(R2)=CH2 (1)
(式中、R1は2価の有機基、R2は水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基、Zはヘテロ原子、NR3(R3は、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)で表される置換基を分子内に1個以上有する飽和炭化水素系重合体(A)。
(II)
一般式(1)のR1がエチレン基である(I)に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
(III)
一般式(1)のR2が水素原子である(I)、または、(II)に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
(IV)
一般式(1)のZが酸素原子である(I)から(III)のいずれかに記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
(V)
飽和炭化水素系重合体がポリイソブチレン系重合体である(I)から(IV)のいずれかに記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
(VI)
一般式(1)で表される置換基が飽和炭化水素系重合体(A)の末端のみに有する(I)から(V)のいずれかに記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
(VII)
重合体(A)と同様の主鎖骨格を有し、水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体(a)と一般式(2):
O=C=N−R1−O−C(=O)−C(R2)=CH2 (2)
(式中、R1、R2は前記と同じ。)で表されるイソシアネート系化合物(B)を反応させることによって得られる(I)から(VI)のいずれかに記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
(VIII)
飽和炭化水素系重合体(a)とイソシアネート系化合物(B)を、有機錫系化合物(C)を触媒として反応させることによって得られる(VII)に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
(IX)
(I)から(VIII)のいずれかに記載の重合体(A)と重合開始剤(D)を含有する硬化性組成物。
(X)
重合開始剤(D)が活性エネルギー線および/または熱によりラジカルを発生するラジカル開始剤(E)である(IX)に記載の硬化性組成物。
(XI)
ラジカル開始剤(E)が光によりラジカルを発生する光ラジカル開始剤(e1)である(X)に記載の硬化性組成物。
(XII)
光ラジカル開始剤(e1)の添加量が、飽和炭化水素系重合体(A)100重量部に対し、0.001重量部から10重量部であることを特徴とする(XI)に記載の硬化性組成物。
(XIII)
(IX)から(XII)のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
本発明の飽和炭化水素系重合体を使用することにより、活性エネルギー線や熱によって優れた硬化性を示す組成物を得ることができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
<飽和炭化水素系重合体(A)>
本発明の飽和炭化水素系重合体(A)は、一般式(1):
−Z−C(=O)−NH−R1−O−C(=O)−C(R2)=CH2 (1)
(式中、R1は2価の有機基、R2は水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基、Zはヘテロ原子、NR3(R3は、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)で表される置換基(以下、(メタ)アクリロイル系置換基と記載する場合もある。)を分子内に1個以上有する。
重合体(A)の(メタ)アクリロイル系置換基の数は、特に限定されないが、重合体(A)同士が架橋するという点から、1分子あたり1個未満であると硬化性が低くなる傾向があるため、1個以上が好ましい。ただし、1分子あたり1個以上の(メタ)アクリロイル系置換基を有する重合体(A)が含まれれば、硬化物の硬度、柔軟性を調整するために、1分子あたり1個未満の(メタ)アクリロイル系置換基を有する飽和炭化水素系重合体が含まれても良い。また、(メタ)アクリロイル基は分子の側鎖、および/または、末端のいずれに存在していてもかまわないが、ゴム弾性の点から、分子の末端に存在することが好ましい。
一般式(1)中のR1は、特に限定されず、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基などのアルキレン基;シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などのシクロアルキレン基;フェニレン基、ベンジレン基などのアリーレン基;エーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などを含む2価の有機基などが挙げられる。これらの中では、導入の容易さから、エチレン基、ヘキシレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
一般式(1)中のR2は水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基を表す。ここで言う置換された炭化水素基とは、炭化水素基上の水素原子がヘテロ原子を有する基によって置換された基を言う。R2としては、特に限定されず、例えば、水素原子;メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。これらの中では、重合体(A)の反応性の高さから、水素原子が好ましい。
一般式(1)中のZは、特に限定されず、例えば、酸素原子;硫黄原子;−NH−、−NCH3−などのアミノ基が挙げられる。これらの中では、導入の容易さから、酸素原子、−NH−基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
重合体(A)の主鎖は、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を含有せず、その骨格は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどの炭素原子数2から6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させる方法、(2)ブタジエン、イソプレンなどのジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、前記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素を添加させる方法などにより得ることができる。このなかでも、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体が、末端に官能基を導入し易いこと、分子量を制御し易いこと、さらに、末端官能基の数を多くすることができることなどから好ましく、イソブチレン系重合体がより好ましい。主鎖骨格が飽和炭化水素系重合体であるものは、耐熱性、耐候性、耐久性、および、湿気遮断性に優れる特徴を有する。
イソブチレン系重合体は、繰り返し単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていても良いし、他の繰り返し単位との共重合体でも良いが、ゴム特性の面から、イソブチレンに由来する繰り返し単位を50重量%以上有するものが好ましく、80重量%以上有するものがより好ましく、90〜99重量%有するものが特に好ましい。
重合体(A)の数平均分子量としては、500〜50,000が好ましく、2,000〜30,000がより好ましい。これより分子量が大きくなると作業性が低下する傾向があり、分子量が小さい場合は、主鎖骨格の特性を発現し難くなる傾向がある。
飽和炭化水素系重合体の合成法としては、特に限定されず、従来から報告されている各種重合方法が挙げられるが、特に、近年多くの報告がなされているリビング重合法が好ましい。このなかでも、飽和炭化水素系重合体、特に、イソブチレン系重合体の場合、Kennedyらによって見出されたイニファー重合(J.P.Kennedyら、J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed. 1997年、15巻、2843頁)を用いることにより容易に製造することが可能であり、分子量500〜100,000程度を、分子量分布1.5以下で重合でき、分子末端に各種官能基を導入できることが知られている。
本発明の重合体(A)は、重合体(A)と同様の主鎖骨格を有し、水酸基、アミノ基、チオール基を末端に有する飽和炭化水素系重合体と一般式(2):
O=C=N−R1−O−C(=O)−C(R2)=CH2 (2)
(式中、R1、R2は前記と同じ。)で表されるイソシアネート系化合物(B)を反応させて得ることが好ましく、水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体(a)を用いることがより好ましい。
重合体(a)の主鎖は、例えば、上記のJ.P.Kennedyらの方法により得ることができる。重合体(a)は、炭素−炭素単結合を形成するカチオン重合によって得られるハロゲン末端飽和炭化水素系重合体(イ)と、保護された水酸基、および、炭素−炭素二重結合を有する化合物(ロ)とを反応させ、水酸基を脱保護することにより得られる。
ハロゲン末端飽和炭化水素系重合体(イ)は、一般式(3):
4(A−X)a (3)
(式中、R4は単環、または、複数の芳香環を含む1価から4価までの炭化水素基、Xは塩素原子または臭素原子、aは1から4の整数を表す。また、Aは一種、または、二種以上のカチオン重合性単量体の重合体であって、aが2以上の場合は同じでも異なっていても良い。)で表される。
一般式(3)中におけるカチオン重合性単量体は、特に制限されないが、好ましい単量体として、例えば、イソブチレン、インデン、ピネン、スチレン、メトキシスチレン、クロルスチレンなどを挙げることができる。なかでも、前記の理由から、イソブチレンが好ましい。
また、架橋反応によって硬化物を得る際に、充分な強度、耐候性、ゲル分率などを達成するためには、一般式(3)中のaが2、または、3であることが好ましい。
保護された水酸基、および、炭素−炭素二重結合を有する化合物(ロ)は、一般式(4):
CH2=C(R5)−R6−OG (4)
(式中、R5は水素原子、または、炭素原子数1から18の飽和炭化水素基、R6は炭素原子数1から30の炭化水素基、Gは水酸基の保護基を表す。)で表される。なお、一般式(4)中のR6は、炭素原子数1から30の炭化水素基であって、0から5個の炭素−炭素二重結合、および/または、0から3個の芳香環を有することが好ましく、0から3個の−CH=CH−基を有することがより好ましい。
一般式(4)の化合物としては、一般式(5):
CH2=C(R5)−(CH2b−{−CH=CH−(CH2cn−OG (5)
(式中、R5は前記と同じ。Gは水酸基の保護基、nは0から5の整数を表す。b、および、cは1から30の整数であって、同じでも異なっていても良い。)で表される化合物であることがより好ましい。
化合物(ロ)の保護基は、脱保護によって水酸基を与えるものであれば、特に限定されるものではないが、通常、炭素原子数が0から54の無機系置換基、または、有機系置換基である。また、温和な条件下で脱保護ができることが好ましく、好ましい保護基として、下記のものを挙げることができる。
Figure 2011236348
入手性や脱保護後の重合体と保護基成分の分離のし易さなどから、アルキル基、アシル基、RC(=O)−基(ただし、Rは炭素数1から10の飽和炭化水素基)、シリル基、金属アルコキシドが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基がさらに好ましい。
重合体(イ)に反応させる基質である化合物(ロ)としては1置換、あるいは、1,1’−2置換の末端に保護した水酸基を有するオレフィンであれば、特に制限されるものではないが、反応性の高さから、一般式(4)においてGを水素としたときに、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、7−オクテン−1−オール、8−ノネン−1−オール、9−デセン−1−オール、および、10−ウンデセン−1−オール、2,5−ヘキサジエノール、2,6−ヘプタジエノール、3,6−ヘプタジエノール、2,7-オクタジエノール、3,7-オクタジエノール、4,7-オクタジエノール、2,8-ノナジエノール、3,8-ノナジエノール、4,8-ノナジエノール、5,8-ノナジエノール、2,9-デカジエノール、3,9-デカジエノール、4,9-デカジエノール、5,9-デカジエノール、または、6,9-デカジエノールから選ばれる化合物が好ましい。
重合体(イ)に化合物(ロ)を反応させる際に、触媒としてルイス酸を使用することができる。ルイス酸であれば、特に限定されないが、活性が高く、選択性が良好である点から、TiCl4、AlCl3、BCl3、SnCl4が好ましい。
重合体(イ)の重合や重合体(イ)に化合物(ロ)を反応させる際に、溶剤として、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、および、脂肪族炭化水素から選ばれる単独、または、混合溶剤を用いることができる。ポリマーの重合条件下での溶解性や反応性の点から、ハロゲン化炭化水素として、塩化メチレン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライドの中から選ばれる1種以上の成分であることが好ましい。同様の理由で、芳香族炭化水素はトルエンが好ましく、脂肪族炭化水素としては、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンの中から選ばれる1種以上の成分が好ましい。
環境への悪影響が心配されるハロゲン化炭化水素を用いない場合の溶剤としては、例えば、トルエン、エチルシクロヘキサン、あるいは、これらの混合溶剤を用いることで、保護された水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体の製造が容易に達成できる。
脱保護反応は、保護基を水酸基に誘導する反応であれば、特に制限されないが、好ましい反応としては、加水分解反応、熱分解反応などが挙げられる。
加水分解反応は、溶剤系、無溶剤系のどちらでも行うことができる。溶剤系の反応に用いる溶剤は、特に限定されないが、保護された水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体を製造する溶剤を用いることが好ましい。加水分解を行う条件としては、酸性、塩基性条件のどちらでも可能であるが、加水分解反応の効率から、塩基性水溶液を用いて加水分解反応を行うことが好ましい。
塩基性条件下での加水分解反応に用いる試薬としては、通常の加水分解反応に用いる有機、または、無機の塩基性化合物であれば、特に制限されないが、取り扱い易さなどの点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシドなどが好ましい。
加水分解反応では、触媒の添加を行うことによって、効率的に反応を進行させることができる。このような触媒としては、有機、および、無機の触媒のいずれでも可能であるが、反応性の点から、有機塩が好ましく、特に、4級アンモニウム塩が好ましい。代表的なアンモニウム塩としては、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリジニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート、N−ベンジルピコリニウムクロライド、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウかテトラ-n-ブチルアンモニウム、N−ラウリル−4−ピコリニウムクロライド、N−ラウリルピコリニウムクロライドなどが挙げられる。
一般式(2)で表されるイソシアネート系化合物(B)のR1、R2としては、一般式(1)中のR1、R2と同様のことが言える。
イソシアネート系化合物(B)としては、特に制限されないが、下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2011236348
これらのなかでは、反応性や入手性の観点から、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシイソシアネートが好ましく、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートがより好ましい。
イソシアネート系化合物(B)の使用量としては、重合体(a)の水酸基に対し、0.1〜5当量が好ましく、0.5〜1.5当量がより好ましく、当量であることがさらに好ましい。使用量がこれよりも多い場合は、経済的に不利であり、少ない場合は、得られる重合体(A)の硬化性が低下する傾向がある。
重合体(a)とイソシアネート化合物(B)を反応させる際に、反応性を高める目的で、触媒を使用することができる。触媒としては、特に制限されないが、有機錫系化合物(C)、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、アミン系化合物を挙げることができる。具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物などの有機錫系化合物;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセテート)などのチタン化合物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物;トリエチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンなどの脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族不飽和アミン類;アニリン、ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミンなどの芳香族アミン類;ピリジン、2−アミノピリジン、2−(ジメチルアミノ)ピリジン、4−(ジメチルアミノピリジン)、2−ヒドロキシピリジン、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、2−ピペリジンメタノール、2−(2−ピペリジノ)エタノール、ピペリドン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、6−(ジブチルアミノ)−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBA−DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(DABCO)、アジリジンなどの含窒素複素環式化合物、および、その他のアミン類として、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N,N'−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、2−(1−ピペラジニル)エチルアミン、キシリレンジアミンなどのアミン類;グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類;ブチルビグアニド、1−o−トリルビグアニドや1−フェニルビグアニドなどのビグアニド類などを挙げることができる。これらのなかでは、反応性の観点から、有機錫系化合物が好ましく、ジブチル錫(メルカプト酸エステル)が特に好ましい。
有機錫系化合物(C)の使用量としては、重合体(a)に対して、10ppm〜500ppmが好ましく、25ppm〜100ppmがより好ましい。使用量がこれよりも多い場合は、副生成物が生じる可能性があり、これよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性がある。
重合体(a)とイソシアネート化合物(B)を反応させる際に、溶剤を使用しても良いし、使用しなくても良い。溶剤を使用する場合は、重合体(a)が溶解する溶剤が好ましい。溶剤としては、特に制限されないが、例えば、トルエン、ヘキサンなどが挙げられる。溶剤の使用量としては、攪拌のし易さなどの観点から、適宜、決定することができる。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、重合開始剤(D)を含有する。重合開始剤(D)としては、特に限定されないが、活性エネルギー線および/または熱によりラジカルを発生するラジカル開始剤(E)、光アニオン開始剤、レドックス系開始剤などが挙げられる。これらの中では、入手性の点から、活性エネルギー線および/または熱によりラジカルを発生するラジカル開始剤(E)が好ましく、なかでも、反応性の点から光ラジカル開始剤(e1)がより好ましい。
光ラジカル開始剤(e1)としては、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などが挙げられる。これらの中でも、タック改善性があるという点で、フェニルケトン系化合物が好ましい。
また、UV照射時の深部硬化性に優れるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤も配合することができる。アシルホスフィンオキサイド系重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−イソブチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−イソブチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられ、好ましくは、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドである。上記の光ラジカル開始剤は、単独で用いてもよく2種以上を混合して用いても良い。なかでも、反応性が高いことから、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
本発明の硬化性組成物では、上記アシルホスフィンオキサイドおよびフェニルケトン系化合物を併用することもできる。
光ラジカル開始剤(e1)の添加量は、特に制限されないが、重合体(A)100重量部に対し、0.001重量部から10重量部が好ましい。光ラジカル開始剤(e1)の添加量がこの範囲を下回ると、十分な硬化性が得られない可能性が有り、また、添加量がこの範囲を上回ると硬化物に影響を及ぼす可能性がある。なお、光ラジカル開始剤(e1)の混合物が使用される場合には、混合物の合計量が上記範囲内にあることが好ましい。
熱ラジカル開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤などが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)などが挙げられる。
過酸化物開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
過硫酸塩開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、および、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
熱ラジカル開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。上記の熱ラジカル開始剤の中では、取扱い易さの点から、アゾ系開始剤および過酸化物開始剤からなる群から選ばれるものが好ましい。また、反応性が高いことから、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシピバレート、および、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、並びに、これらの混合物がより好ましい。
熱ラジカル開始剤の添加量は、特に制限されないが、重合体(A)100重量部に対し、0.01重量部から3重量部が好ましく、0.025重量部から2重量部がより好ましい。熱ラジカル開始剤の添加量がこの範囲を下回ると、十分な硬化性が得られない可能性が有り、また、添加量がこの範囲を上回ると硬化物に影響を及ぼす可能性がある。なお、熱ラジカル開始剤の混合物が使用される場合には、混合物の合計量が上記範囲内にあることが好ましい。
本発明の硬化性組成物は、粘度調整、得られる硬化物の機械物性の向上などを目的とし、ラジカル重合性、および/または、アニオン重合性の基を持つモノマー、および/または、オリゴマーを含有しても良い。ラジカル重合性の基としては、(メタ)アクリル基などのアクリル官能性基、スチレン基、アクリロニトリル基、ビニルエステル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基、塩化ビニル基などがあげられる。なかでも、反応性の点から、(メタ)アクリル基を持つものが好ましい。アニオン重合性の基としては、(メタ)アクリル基、スチレン基、アクリロニトリル基、N−ビニルピロリドン基、アクリルアミド基、共役ジエン基、ビニルケトン基などがあげられる。
上記のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリレート系モノマー、環状アクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン系モノマー、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド系モノマー、共役ジエン系モノマー、ビニルケトン系モノマーなどがあげられる。(メタ)アクリレート系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニルや下式の化合物などをあげることができる。
Figure 2011236348
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スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレンなどが、アクリルアミド系モノマーとしては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが、共役ジエン系モノマーとしては、ブタジエン、イソプレンなどが、ビニルケトン系モノマーとしては、メチルビニルケトンなどがあげられる。
多官能モノマーとしては、ネオペンチルグリコールポリプロポキシジアクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリアクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジアクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジアクリレート、ジペンタエリスリトールポリヘキサノリドヘキサクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートポリヘキサノリドトリアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート2−(2−アクリロイルオキシ−1,1−ジメチル)−5−エチル−5−アクリロイルオキシメチル−1,3−ジオキサン、テトラブロモビスフェノールAジエトキシジアクリレート、4,4−ジメルカプトジフェニルサルファイドジメタクリレート、ポリテトラエチレングリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどがあげられる。
オリゴマーとしては、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂、フェノールノボラック型エポキシアクリレート樹脂、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂などのエポキシアクリレート系樹脂、COOH基変性エポキシアクリレート系樹脂、ポリオール(ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコールとアジピン酸のポリエステルジオール、ε−カプロラクトン変性ポリエステルジオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端水添ポリイソプレン、水酸基末端ポリブタジエン、水酸基末端ポリイソブチレンなど)と有機イソシアネート(トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなど)から得られたウレタン樹脂を水酸基含有(メタ)アクリレート{ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなど}を反応させて得られたウレタンアクリレート系樹脂、上記ポリオールにエステル結合を介して(メタ)アクリル基を導入した樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂などがあげられる。
これらのなかでも、反応性や粘度低減による作業性の観点から、分子量500以下の(メタ)アクリルモノマーが好ましい。分子量500以下の(メタ)アクリルモノマーとしては、特に限定されないが、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸、エチルカルビトールアクリレート、ラウリルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、メトキシプロピレンアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシジエチレングリコール、ノニルフェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルアクリレートなどがあげられる。
重合性基を持つモノマー、および/または、オリゴマーの使用量としては、表面硬化性の向上、タフネスの付与、粘度低減による作業性の観点から、重合体(A)100重量部に対し、1〜200重量部が好ましく、10〜100重量部がより好ましい。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない傾向があり、より多い場合は、未反応成分が硬化物中から揮発する可能性がある。
本発明の硬化性組成物は、ラジカル捕捉剤を含有していても良い。ここで言うラジカル捕捉剤とは、一般に、酸化防止剤、光安定剤と呼ばれるものなどを含む。
酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、ヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系の酸化防止剤があげられ、これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。同様に、チヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB944LD,CHIMASSORB119FL(以上、いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製);MARK LA−57,MARK LA−62,MARK LA−67,MARK LA−63,MARK LA−68(以上、いずれも旭電化工業株式会社製);サノールLS−770,サノールLS−765,サノールLS−292,サノールLS−2626,サノールLS−1114,サノールLS−744(以上、いずれも三共株式会社製)に示されたヒンダードアミン系光安定剤を使用することもできる。酸化防止剤の具体例は、特開平4−283259号公報や特開平9−194731号公報にも記載されている。酸化防止剤の使用量は、重合体(A)100重量部に対して、0.1重量部から10重量部の範囲で使用するのが良く、さらに好ましくは、0.2重量部から5重量部である。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、経済的に不利になるだけでなく、光ラジカル開始剤より発生したラジカルを酸化防止剤が補足し、硬化物の硬化不良が発生し、硬化物が良好な物性を発現しない可能性がある。
光安定剤としてベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物などがあげられ、これらの中でも、ヒンダードアミン系化合物が好ましい。光安定剤の使用量は、重合体(A)100重量部に対して、0.1重量部から10重量部の範囲で使用するのが好ましく、0.2重量部から5重量部がより好ましい。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、経済的に不利になる可能性があるだけでなく、光ラジカル開始剤より発生したラジカルを酸化防止剤が補足し、硬化物の硬化不良が発生し、硬化物が良好な物性を発現しない可能性がある。光安定剤の具体例は特開平9−194731号公報にも示されている。
本発明の硬化性組成物は、物性の調整、性状の調節などの目的により、可塑剤を含有していても良い。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートなどの非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエートなどのポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油などを単独、または2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なお、これら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。可塑剤の使用量は、重合体(A)100重量部に対して、5重量部から200重量部の範囲で使用するのが好ましく、10重量部から100重量部がより好ましい。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、得られる硬化物の機械物性が低下する可能性がある。
本発明の硬化性組成物には、各種支持体(プラスチックフィルム、紙など)に対する接着性を向上させるために各種接着性改良剤を添加しても良い。例示するならば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシランなどのアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシランなどのアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどの官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類などである。接着性改良剤の使用量は、重合体(A)100重量部に対して、0.1重量部から50重量部の範囲で使用するのが好ましく、1重量部から5重量部がより好ましい。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、得られる硬化物の機械物性が低下する可能性がある。
<硬化物>
本発明の硬化性組成物は、活性エネルギー線、または熱によって硬化させることができる。
活性エネルギー線により硬化させる場合、活性エネルギー線としては、光(UV)、または、電子線が挙げられ、活性エネルギー線源としては、特に限定されないが、使用する光重合開始剤の性質に応じて、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライドなどがあげられる。
その硬化温度は、0℃〜150℃が好ましく、5℃〜120℃がより好ましい。その他の開始剤として、レドックス系開始剤を併用する場合、その硬化温度は、−50℃〜250℃が好ましく、0℃〜180℃がより好ましい。
熱により硬化させる場合、その硬化温度は、30℃〜200℃が好ましく、80℃〜180℃がより好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
下記実施例中、「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCシステムとしてWaters社製LC Module1を、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(Shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
(実施例1)
5000mLのセパラブルフラスコに三方コック、熱電対、および、真空用シール付き撹拌機を装着し、窒素置換を行った。ここに、モレキュラーシーブス3Aによって脱水したトルエン592mL、エチルシクロヘキサン73.6mLを加え、さらに、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン(5.56g,24.0mmol)、2−メチルピリジン(264mg,2.83mmol)を加えて−70℃に冷却した。冷却後、イソブチレンモノマー(120mL,1.44mol)を導入し、さらに、この温度で四塩化チタン(2.52mL、23.0mmol)を添加し重合を開始した。この際に約15℃昇温した。約60分で重合は終了した(これに伴い、反応系の発熱は観察されなくなった)。重合終了後、酢酸2,7−オクタジエニル(32.4g,193mmol)および四塩化チタン(39.8mL、386mmol)を添加した。5時間後に、80℃に加熱したイオン交換水1.5Lに反応混合物を導入し、20分間攪拌した。静置後、水層を除去し、1Lの2N水酸化ナトリウム水溶液、および、臭化テトラブチルアンモニウム10.0gを添加し、100℃にて12時間攪拌した。反応終了後、アルカリ水溶液を除去し、1Lのイオン交換水で3回水洗した後、有機層を単離した。これに、10Lのアセトンを加えてポリマーを再沈殿させ、低分子化合物を除去した。沈殿物をアセトン1Lで2回洗浄し、ヘキサン500mlに溶解した。溶液を1Lのなす型フラスコに移し、オイルバスによる加熱条件下(180℃)、減圧(1Torr以下)によって溶媒を留去し、目的とする水酸基を末端に有するポリイソブチレン系重合体(a−1)を得た(数平均分子量5600、分子量分布1.2)。重合体(a−1)の官能化率を1H NMRを用いて算出した(Valian社製 Gemini−300、測定溶剤=四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤、定量方法=開始剤残基のシグナル(7.2ppm)を基準に、末端の水酸基に隣接するメチレンのシグナル(4.00ppm)を比較して定量化)。その結果、得られた重合体(a−1)の水酸基導入量は、1分子当たり1.2個であった。
重合体(a−1)10g、トルエン15mL、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ2mgをフラスコに加え、90℃で2時間脱揮した。脱揮後、ジブチル錫ビス(メルカプト酸エステル)(C−1)(日東化成(株)製ネオスタンU−360)0.44μL、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(B−1)(昭和電工(株)製カレンズAOI)0.41gを加え、90℃で2時間攪拌した。これにより、(メタ)アクリロイル系置換基を末端に有するポリイソブチレン系重合体(A−1)を得た(数平均分子量5600、分子量分布1.2)。重合体(A−1)の官能化率を1H NMRを用いて算出した(Valian社製Gemini−300、測定溶剤=四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤、定量方法=開始剤残基のシグナル(7.2ppm)を基準に、末端の(メタ)アクリロイル系置換基に隣接するメチレンのシグナル(4.00ppm)を比較して定量化)。その結果、得られた重合体(A−1)の(メタ)アクリロイル系置換基導入量は、1分子当たり1.2個であった。
(実施例2)
重合体(A−1)100重量部をミニカップに加え、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(e1−1)(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製 DAROCURE1173)0.2重量部とビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(e1−2)(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製 IRGACURE819)を添加し、スパチュラにてよく攪拌することで、硬化性組成物を得た。
得られた硬化性組成物をテフロン(登録商標)のシート上に厚さが2mmになるように塗布した。得られたシートをフュージョンUVシステム製UV照射装置(機種:LIGHT HAMMER 6、光源:水銀灯ランプ、積算光量:3000mJ/cm2)にて照射を行い、硬化物を得た。
実施例1のように、水酸基を有する飽和炭化水素系重合体(a)に、イソシアネート系化合物(B)を、有機錫系化合物(C)の存在下で反応させることにより、容易に(メタ)アクリロイル系置換基を有する飽和炭化水素系重合体(A)を得ることができた。また、実施例2に示したように、重合体(A)と光ラジカル開始剤(e1)を含有する組成物は、優れた硬化性を示した。

Claims (13)

  1. 一般式(1):
    −Z−C(=O)−NH−R1−O−C(=O)−C(R2)=CH2 (1)
    (式中、R1は2価の有機基、R2は水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基、Zはヘテロ原子、NR3(R3は、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)で表される置換基を分子内に1個以上有する飽和炭化水素系重合体(A)。
  2. 一般式(1)のR1がエチレン基である請求項1に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
  3. 一般式(1)のR2が水素原子である請求項1、または、請求項2に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
  4. 一般式(1)のZが酸素原子である請求項1から3のいずれか1項に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
  5. 飽和炭化水素系重合体がポリイソブチレン系重合体である請求項1から4のいずれか1項に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
  6. 一般式(1)で表される置換基が飽和炭化水素系重合体(A)の末端のみに有する請求項1から5のいずれか1項に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
  7. 重合体(A)と同様の主鎖骨格を有し、水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体(a)と一般式(2):
    O=C=N−R1−O−C(=O)−C(R2)=CH2 (2)
    (式中、R1、R2は前記と同じ。)で表されるイソシアネート系化合物(B)を反応させることによって得られる請求項1から6のいずれか1項に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
  8. 飽和炭化水素系重合体(a)とイソシアネート系化合物(B)を、有機錫系化合物(C)を触媒として反応させることによって得られる請求項7に記載の飽和炭化水素系重合体(A)。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の重合体(A)と重合開始剤(D)を含有する硬化性組成物。
  10. 重合開始剤(D)が活性エネルギー線および/または熱によりラジカルを発生するラジカル開始剤(E)である請求項9に記載の硬化性組成物。
  11. ラジカル開始剤(E)が光によりラジカルを発生する光ラジカル開始剤(e1)である請求項10に記載の硬化性組成物。
  12. 光ラジカル開始剤(e1)の添加量が、飽和炭化水素系重合体(A)100重量部に対し、0.001重量部から10重量部であることを特徴とする請求項11に記載の硬化性組成物。
  13. 請求項9から12のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化物。
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