JP2013148785A - 画像表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Hitoshi Tamai
仁 玉井
Hiroyuki Sakane
裕之 坂根
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Abstract

【課題】湿分等のガス成分による表示モジュールの劣化を防止する構造を有する画像表示装置およびそれを搭載した電気・電子機器を提供する。
【解決手段】JIS−Z−0208記載の湿分透過性試験(40℃、湿度90%)において、膜厚100μmの硬化物の透湿度が10g/(cm・24h)以下である硬化性組成物6によって、シールされることを特徴とする画像表示装置およびそれを搭載した電気・電子機器。
【選択図】図2

Description

本発明は、(湿分等)のガス成分による表示モジュールの劣化を防止する構造を有する画像表示装置およびその製造方法に関する。
近年、スマートフォン、携帯端末、タッチパネル式のディスプレイ、フラットディスプレイ形のテレビの視認性、耐衝撃性、耐久性向上を目的に最前面のカバーボードとモジュール間、カバーボードとタッチパネル間、或いはタッチパネルとモジュール間を液状の樹脂で充填、硬化させる工法が提案されている。貼り合わせに使用する媒体としては、通常のLCD、PDP等の表示モジュールの場合には、OCA(Optical Clear Adhesive)テープあるいは従来の液状の接着剤が用いられている。
また、現在、画像の高解像度、鮮鋭化を目的にE−インクあるいは有機ELモジュールを用いた画像表示装置の開発が進められている。これらのモジュールは、特定のガス成分、特に湿分により、その表示性能が低下する傾向がある。改善対策として、ゲッター材(吸湿剤)を混練した充填剤でモジュールをシールする方法が提案されているが、経時でシール材層に湿分が浸透した場合、ゲッター材の機能が破過、吸湿性能が消失し、モジュールの機能に障害を与える事例が発生していた。
その対策として、例えば(特許文献1)のような光硬化性エポキシ接着剤が用いられているが、エポキシ接着剤の硬化物は硬く、硬化時の残留圧力によるクラック発生や冷熱試験時の接着面での剥離など、信頼性に問題があった。エポキシ硬化物を柔軟化する方法もあるが、この場合は耐透湿性が低下するという問題があった。
特開2005―41925号公報
本発明は、外部環境からの湿分の透過を防止した画像表示装置およびそれを搭載した電気・電子機器を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、以下のことを見出して本発明を完成させた。
すなわち本発明は、JIS Z 0208記載の湿分透過性試験(40℃、湿度90%)において、膜厚100μmの硬化物の透湿度が10g/(cm・24h)以下となる硬化性組成物によって、シールされることを特徴とする画像表示装置に関する。
硬化性組成物が、活性エネルギー線、加熱の少なくとも1つによって硬化することが好ましい。
硬化性組成物がUVによって硬化することが好ましい。
硬化性組成物が有機重合体(A)を含むことが好ましい。
有機重合体(A)がビニル系重合体であることが好ましい。
ビニル系重合体がアクリル系重合体、不飽和炭化水素系重合体、飽和炭化水素系重合体から少なくとも1種選択されることが好ましい。
ビニル系重合体がイソブチレン系重合体であることが好ましい。
イソブチレン系重合体が
一般式(1):
−O−C(=O)−C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基である。)
で表される置換基を分子内に平均1個以上有することが好ましい。
イソブチレン系重合体が
一般式(2):
−Z−C(=O)−NH−R−O−C(=O)−C(R)=CH (2)
(式中、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基、Rは2価の有機基、Zはヘテロ原子、NR(Rは、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)
で表される置換基を分子内に平均1個以上有することが好ましい。
硬化性組成物がさらに(メタ)アクリル系モノマー(B)、および重合開始剤(C)を含有することが好ましい。
(メタ)アクリル系モノマー(B)が、(メタ)アクリル酸エステルモノマーであることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、一般式(3)
−O−C(=O)−C(R)=CH (3)
(式中、Rは置換あるいは非置換の炭素原子数4から20の脂肪族および/または脂環式炭化水素基から選択される基、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基から選択される基である。)
で表されるものであることが好ましい。
一般式(1)で表される置換基が有機重合体(A)の末端のみに有することが好ましい。
重合開始剤(C)が光によりラジカルを発生する光ラジカル開始剤であることが好ましい。
有機重合体(A)100重量部に対し、(メタ)アクリル系モノマー(B)が50〜200重量部、重合開始剤(C)が0.001〜10重量部含まれることが好ましい。
イソブチレン系重合体が、水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)と一般式(4):
O=C=N−R−O−C(=O)−C(R)=CH (4)
(式中、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基、Rは2価の有機基である。)
で表されるイソシアネート系化合物(D)を反応させることによって得られることが好ましい。
イソブチレン系重合体が、水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)とイソシアネート系化合物(D)を、有機錫系化合物(E)を触媒として反応させることによって得られることが好ましい。
画像表示装置がE−インクあるいは有機ELモジュールを用いた画像表示装置であることが好ましい。
カバーボード/表示モジュール間および/または表示モジュール/バックライト間を、JIS Z 0208記載の湿分透過性試験(40℃、湿度90%)において、膜厚100μmの硬化物の透湿度が10g/(cm・24h)以下となる硬化性組成物で塗布、貼り合わせて製造される上記に記載の画像表示装置の製造方法に関する。
上記に記載の画像表示装置を搭載した電気・電子機器に関する。
本発明により、表示モジュールへのガス成分の浸透を防止し、その結果、画像表示装置、それを搭載した電気・電子機器の表示耐久性が向上する。
塗工パターン1 E−paper仕様の画像表示装置の1例 塗工パターン2 塗工パターン3 E−paper仕様の画像表示装置の1例
以下、本発明について詳しく説明する。
<硬化性組成物>
本発明は、膜厚が100μmである硬化物の透湿度が10g/(cm・24h)以下となる硬化性組成物を用いる。硬化物の透湿度の測定方法はJIS Z 0208記載の湿分透過性試験を用いる。
硬化性組成物から得られた硬化物の透湿度は、7g/(cm・24h)以下が好ましく、4g/(cm・24h)以下がより好ましい。
本発明の硬化性組成物は、活性エネルギー線、加熱等の何らかの作用により硬化するものであれば何れでも構わないが、活性エネルギー線、加熱の少なくとも1つで硬化するものが好ましい。その中でも、モジュールへのダメージ、硬化性の点で、活性エネルギー線による硬化が好ましく、活性エネルギー線としては、電子線(EB)、X線、紫外線(UV)、赤外線(IR)等が挙げられる。中でも、硬化性の点でEB、UVが好ましく、設備コストの点でUVが特に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、低分子量化合物、オリゴマー、有機重合体の何れを含んでいても構わないが、有機重合体(A)を含むことが好ましい。有機重合体(A)とは、有機化合物の繰り返し単位を伴う構造で、100以上の繰り返し単位からなる化合物を指す。
<有機重合体(A)>
有機重合体(A)の主鎖としては、低透湿性の点でビニル系重合体が好ましい。ビニル系重合体の中でも、耐熱性、耐光性、接着耐久性の点で、アクリル系重合体、不飽和炭化水素系重合体、飽和炭化水素系重合体から少なくとも1種選択されることが好ましい。その中でも、特に優れた低透湿性を有することから、飽和炭化水素系重合体であることが好ましい。
アクリル系重合体としては、下記に示す(メタ)アクリル系モノマー(B)を重合して得られたものが好ましく、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合して得られたものがより好ましい。
アクリル系重合体は、一般式(1):
−O−C(=O)−C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基である。)
で表される置換基を分子内に平均1個以上有することが好ましい。さらに、上記置換基が、分子末端に有することが好ましく、末端のみに有することがより好ましい。
不飽和炭化水素系重合体としては、重合体主鎖に炭素−炭素不飽和結合を含有し、その骨格は、(1)アセチレン、プロピン、1−ブチンなどの炭素原子数2から6のアルキン系化合物を主モノマーとして重合させる方法、(2)ブタジエン、イソプレンなどのジエン系化合物を単独重合させる方法などにより得ることができる。
飽和炭化水素系重合体としては、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を含有せず、その骨格は、(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどの炭素原子数2から6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させる方法、(2)ブタジエン、イソプレンなどのジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、前記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素を添加させる方法などにより得ることができる。このなかでも、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体が、末端に官能基を導入し易いこと、分子量を制御し易いこと、さらに、末端官能基の数を多くすることができることなどから好ましく、イソブチレン系重合体がより好ましい。
イソブチレン系重合体は、繰り返し単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていても良いし、他の繰り返し単位との共重合体でも良いが、ゴム特性の面から、イソブチレンに由来する繰り返し単位を50重量%以上有するものが好ましく、80重量%以上有するものがより好ましく、90重量%以上有するものが特に好ましい。
飽和炭化水素系重合体の合成法としては、特に限定されず、従来から報告されている各種重合方法が挙げられるが、特に、近年多くの報告がなされているリビング重合法が好ましい。このなかでも、飽和炭化水素系重合体、特に、イソブチレン系重合体の場合、Kennedyらによって見出されたイニファー重合(J.P.Kennedyら、J.Polymer Sci., Polymer Chem. Ed. 1997年、15巻、2843頁)を用いることにより容易に製造することが可能であり、分子量500〜100,000程度を、分子量分布1.5以下で重合でき、分子末端に各種官能基を導入できることが知られている。
上記イソブチレン系重合体中の反応性基としては、一般式(1):
−O−C(=O)−C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基である。)
で表される置換基を分子内に平均1個以上有することが好ましく、一般式(2):
−Z−C(=O)−NH−R−O−C(=O)−C(R)=CH (2)
(式中、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基、Rは2価の有機基、Zはヘテロ原子、NR(Rは、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)
で表される置換基を分子内に平均1個以上有することがより好ましい。
一般式(1)、(2)中のRは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基を表す。ここで言う置換された炭化水素基とは、炭化水素基上の水素原子がヘテロ原子を有する基によって置換された基を言う。Rとしては、特に限定されず、例えば、水素原子;メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。これらの中では、原料の入手性から、水素原子またはメチル基、さらにイソブチレン系重合体の反応性の高さから、水素原子がより好ましい。
一般式(2)中のRは、特に限定されず、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基などのアルキレン基;シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などのシクロアルキレン基;フェニレン基、ベンジレン基などのアリーレン基;エーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合などを含む2価の有機基などが挙げられる。これらの中では、導入の容易さから、エチレン基、ヘキシレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
一般式(2)中のZは、特に限定されず、例えば、酸素原子;硫黄原子;−NH−、−NCH−などのアミノ基が挙げられる。これらの中では、導入の容易さから、酸素原子、−NH−基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
一般式(1)、(2)で表わされる置換基の数は、特に限定されないが、有機重合体(A)同士が架橋するという点から、1分子あたり平均1個未満であると硬化性が低くなる傾向があるため、平均1個以上が好ましい。ただし、1分子あたり平均1個以上の一般式(1)、(2)で表わされる置換基を有する有機重合体(A)に対して、硬化物の硬度、柔軟性を調整するために、1分子あたり平均1個未満の一般式(1)、(2)で表わされる置換基を有する有機重合体を添加してもよい。また、一般式(1)、(2)で表わされる置換基は分子の側鎖、および/または、末端のいずれに存在していてもかまわないが、ゴム弾性の点から、分子の末端に存在することが好ましく、分子の末端のみの存在することがより好ましい。
有機重合体(A)の数平均分子量としては、500〜50,000が好ましく、2,000〜30,000がより好ましい。これより分子量が大きくなると作業性が低下する傾向があり、分子量が小さい場合は、主鎖骨格の特性を発現し難くなる傾向がある。
本発明のイソブチレン系重合体は、水酸基、アミノ基、チオール基を末端に有するイソブチレン系重合体と一般式(4):
O=C=N−R−O−C(=O)−C(R)=CH (4)
(式中、R、Rは前記と同じ。)
で表されるイソシアネート系化合物(D)を反応させて得ることが好ましく、水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)を用いることがより好ましい。
イソブチレン系重合体の主鎖は、例えば、上記のJ.P.Kennedyらの方法により得ることができる。イソブチレン系重合体は、炭素−炭素単結合を形成するカチオン重合によって得られるハロゲン末端イソブチレン系重合体(イ)と、保護された水酸基、および、炭素−炭素二重結合を有する化合物(ロ)とを反応させ、水酸基を脱保護することにより得られる。
保護された水酸基、および、炭素−炭素二重結合を有する化合物(ロ)は、一般式(5):
CH=C(R)−R−OG (5)
(式中、Rは水素原子、または、炭素原子数1から18の飽和炭化水素基、Rは炭素原子数1から30の炭化水素基、Gは水酸基の保護基を表す。)
で表される。なお、一般式(5)中のRは、炭素原子数1から30の炭化水素基であって、0から5個の炭素−炭素二重結合、および/または、0から3個の芳香環を有することが好ましく、0から3個の−CH=CH−基を有することがより好ましい。
一般式(5)の化合物としては、一般式(6):
CH=C(R)−(CH−{−CH=CH−(CH−OG (6)
(式中、Rは前記と同じ。Gは水酸基の保護基、nは0から5の整数を表す。b、および、cは1から30の整数であって、同じでも異なっていても良い。)
で表される化合物であることがより好ましい。
化合物(ロ)の保護基は、脱保護によって水酸基を与えるものであれば、特に限定されるものではないが、通常、炭素原子数が0から54の無機系置換基、または、有機系置換基である。また、温和な条件下で脱保護ができることが好ましく、好ましい保護基として、下記のものを挙げることができる。
Figure 2013148785
入手性や脱保護後の重合体と保護基成分の分離のし易さなどから、アルキル基、アシル基、RC(=O)−基(ただし、Rは炭素数1から10の飽和炭化水素基)、シリル基、金属アルコキシドが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基がさらに好ましい。
ハロゲン末端イソブチレン系重合体(イ)に反応させる基質である化合物(ロ)としては1置換、あるいは、1,1’−2置換の末端に保護した水酸基を有するオレフィンであれば、特に制限されるものではないが、反応性の高さから、一般式(5)においてGを水素としたときに、アリルアルコール、メタリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、6−ヘプテン−1−オール、7−オクテン−1−オール、8−ノネン−1−オール、9−デセン−1−オール、および、10−ウンデセン−1−オール、2,5−ヘキサジエノール、2,6−ヘプタジエノール、3,6−ヘプタジエノール、2,7-オクタジエノール、3,7-オクタジエノール、4,7-オクタジエノール、2,8-ノナジエノール、3,8-ノナジエノール、4,8-ノナジエノール、5,8-ノナジエノール、2,9-デカジエノール、3,9-デカジエノール、4,9-デカジエノール、5,9-デカジエノール、または、6,9-デカジエノールから選ばれる化合物が好ましい。
ハロゲン末端イソブチレン系重合体(イ)に化合物(ロ)を反応させる際に、触媒としてルイス酸を使用することができる。ルイス酸であれば、特に限定されないが、活性が高く、選択性が良好である点から、TiCl、AlCl、BCl、SnClが好ましい。
ハロゲン末端イソブチレン系重合体(イ)の重合やハロゲン末端イソブチレン系重合体(イ)に化合物(ロ)を反応させる際に、溶剤として、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、および、脂肪族炭化水素から選ばれる単独、または、混合溶剤を用いることができる。ポリマーの重合条件下での溶解性や反応性の点から、ハロゲン化炭化水素として、塩化メチレン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライドの中から選ばれる1種以上の成分であることが好ましい。同様の理由で、芳香族炭化水素はトルエンが好ましく、脂肪族炭化水素としては、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンの中から選ばれる1種以上の成分が好ましい。
環境への悪影響が心配されるハロゲン化炭化水素を用いない場合の溶剤としては、例えば、トルエン、エチルシクロヘキサン、あるいは、これらの混合溶剤を用いることで、保護された水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体の製造が容易に達成できる。
脱保護反応は、保護基を水酸基に誘導する反応であれば、特に制限されないが、好ましい反応としては、加水分解反応、熱分解反応などが挙げられる。
加水分解反応は、溶剤系、無溶剤系のどちらでも行うことができる。溶剤系の反応に用いる溶剤は、特に限定されないが、保護された水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体を製造する溶剤を用いることが好ましい。加水分解を行う条件としては、酸性、塩基性条件のどちらでも可能であるが、加水分解反応の効率から、塩基性水溶液を用いて加水分解反応を行うことが好ましい。
塩基性条件下での加水分解反応に用いる試薬としては、通常の加水分解反応に用いる有機、または、無機の塩基性化合物であれば、特に制限されないが、取り扱い易さなどの点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、tert−ブトキシカリウム、tert−ブトキシナトリウム、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシドなどが好ましい。
加水分解反応では、触媒の添加を行うことによって、効率的に反応を進行させることができる。このような触媒としては、有機、および、無機の触媒のいずれでも可能であるが、反応性の点から、有機塩が好ましく、特に、4級アンモニウム塩が好ましい。代表的なアンモニウム塩としては、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリジニウム、水酸化テトラ−n−ブチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムハイドロゲンサルフェート、N−ベンジルピコリニウムクロライド、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウかテトラ-n-ブチルアンモニウム、N−ラウリル−4−ピコリニウムクロライド、N−ラウリルピコリニウムクロライドなどが挙げられる。
一般式(4)で表されるイソシアネート系化合物(D)のR、Rとしては、一般式(1)中のR、Rと同様のことが言える。
イソシアネート系化合物(D)としては、特に制限されないが、下記の化合物を挙げることができる。
Figure 2013148785
これらのなかでは、反応性や入手性の観点から、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシイソシアネートが好ましく、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートがより好ましい。
イソシアネート系化合物(D)の使用量としては、水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)の水酸基に対し、0.1〜5当量が好ましく、0.5〜1.5当量がより好ましく、当量であることがさらに好ましい。使用量がこれよりも多い場合は、経済的に不利であり、少ない場合は、得られるビニル系重合体の硬化性が低下する傾向がある。
水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)とイソシアネート化合物(D)を反応させる際に、反応性を高める目的で、触媒を使用することができる。触媒としては、特に制限されないが、有機錫系化合物(E)、チタン系化合物、ジルコニウム系化合物、アミン系化合物を挙げることができる。具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物などの有機錫系化合物;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセテート)などのチタン化合物;ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物;トリエチルアミン、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンなどの脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族不飽和アミン類;アニリン、ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミンなどの芳香族アミン類;ピリジン、2−アミノピリジン、2−(ジメチルアミノ)ピリジン、4−(ジメチルアミノピリジン)、2−ヒドロキシピリジン、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、2−ピペリジンメタノール、2−(2−ピペリジノ)エタノール、ピペリドン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、6−(ジブチルアミノ)−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBA−DBU)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(DABCO)、アジリジンなどの含窒素複素環式化合物、および、その他のアミン類として、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N,N'−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミン、3−ジメチルアミノプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、3−ジブチルアミノプロピルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、2−(1−ピペラジニル)エチルアミン、キシリレンジアミンなどのアミン類;グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類;ブチルビグアニド、1−o−トリルビグアニドや1−フェニルビグアニドなどのビグアニド類などを挙げることができる。これらのなかでは、反応性の観点から、有機錫系化合物が好ましく、ジブチル錫(メルカプト酸エステル)が特に好ましい。
有機錫系化合物(E)の使用量としては、水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)に対して、10ppm〜500ppmが好ましく、25ppm〜100ppmがより好ましい。使用量がこれよりも多い場合は、副生成物が生じる可能性があり、これよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性がある。
水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)とイソシアネート化合物(D)を反応させる際に、溶剤を使用しても良いし、使用しなくても良い。溶剤を使用する場合は、水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)が溶解する溶剤が好ましい。溶剤としては、特に制限されないが、例えば、トルエン、ヘキサンなどが挙げられる。溶剤の使用量としては、攪拌のし易さなどの観点から、適宜、決定することができる。
<反応性希釈剤>
本発明の硬化性組成物には有機重合体(A)に加えて、塗工性向上(低粘度化)、シール層の機械特性向上等を目的に、反応性希釈剤を添加するが出来る。反応性希釈剤としては、特に限定はないが、ラジカル反応性のビニルモノマーが好ましく、ラジカル反応性の点で(メタ)アクリル系モノマー(B)が好ましい。
(メタ)アクリル系モノマー(B)は単官能、多官能でも良い。
(メタ)アクリル系モノマー(B)の中でも、(A)の有機重合体との相溶性、低透湿性、硬化膜の機械強度バランスが取り安い点でメタアクリル系モノマーがより好ましい。
<(メタ)アクリル系モノマー(B)>
(メタ)アクリル系モノマー(B)の(メタ)アクリル系置換基の数は、硬化性組成物の低粘度化という点から、1分子あたり1個が好ましい。ただし、1分子あたり1個の(メタ)アクリル系置換基を有するモノマーが含まれれば、硬化物の硬度、を調整するために、1分子あたり2個以上の(メタ)アクリル系置換基を有する(メタ)アクリル系モノマーが含まれても良い。
(メタ)アクリル系モノマー(B)は、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーであれば特に限定されず、例を挙げるとすれば、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸などがある。
中でも(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましい。
有機重合体(A)が飽和炭化水素系重合体の場合には、一般式(3)に挙げる(メタ)アクリロイル基を1個有するものが、相溶性の点でより好ましい。
−O−C(=O)−C(R)=CH (3)
(式中、Rは置換あるいは非置換の炭素原子数4から20の脂肪族および/または脂環式炭化水素基から選択される基、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基から選択される基である。)
一般式(3)中のRは置換あるいは非置換の炭素原子数4から20の脂肪族および/または脂環式炭化水素基から選択される基を表す。ここで言う置換された炭化水素基とは、炭化水素基上の水素原子がヘテロ原子を有する基によって置換された基を言う。Rとしては、特に限定されず、例えば、水素原子;メチル基、エチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基などのアラルキル基が挙げられる。これらの中では、原料の入手性から、水素原子またはメチル基、さらに飽和炭化水素系重合体(A)の反応性の観点から、水素原子がより好ましい。
そのような(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、例えば(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−ラウリル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルが挙げられる。中でもアクリル酸イソボルニルおよびアクリル酸ラウリルが、入手性、相溶性、組成物の低粘度化の点で好ましい。
(メタ)アクリル系モノマー(B)の混合量は、特に制限されないが、有機重合体(A)100重量部に対し、50重量部から200重量部が好ましく、70部から150部がより好ましい。(メタ)アクリル系モノマー(B)の添加量が50重量部を下回ると、組成物の粘度が高く作業性が悪くなる可能性があり、また、混合量が200重量部を上回ると柔軟性、耐透湿性が悪化する可能性がある。なお、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの混合物が使用される場合には、混合物の合計量が上記範囲内にあることが好ましい。
<重合開始剤(C)>
本発明の硬化性組成物は、有機重合体(A)に加えて、重合開始剤(C)を含有することが好ましい。
重合開始剤(C)としては特に限定されないが、活性エネルギー線および/または熱によりラジカルを発生するラジカル開始剤、光アニオン開始剤、レドックス系開始剤などが挙げられる。これらの中では、入手性の点から、活性エネルギー線および/または熱によりラジカルを発生するラジカル開始剤が好ましく、なかでも、反応性の点から光ラジカル開始剤がより好ましい。
光ラジカル開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾフェノン、キサントール、フルオレイン、ベンズアルデヒド、アンスラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、4−メトキシアセトフェン、3−ブロモアセトフェノン、4−アリルアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などが挙げられる。これらの中でも、タック改善性があるという点で、フェニルケトン系化合物が好ましい。
また、UV照射時の深部硬化性に優れるアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤も配合することができる。アシルホスフィンオキサイド系重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−イソブチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−イソブチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられ、好ましくは、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドである。上記の光ラジカル開始剤は、単独で用いてもよく2種以上を混合して用いても良い。なかでも、反応性が高いことから、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
本発明の硬化性組成物では、上記アシルホスフィンオキサイドおよびフェニルケトン系化合物を併用することもできる。
熱ラジカル開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤、過硫酸塩開始剤などが挙げられる。
アゾ系開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレート)などが挙げられる。
過酸化物開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸化デカノイル、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、過酸化ジクミルなどが挙げられる。
過硫酸塩開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、および、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
熱ラジカル開始剤は、単独で用いても、2種以上を併用しても良い。上記の熱ラジカル開始剤の中では、取扱い易さの点から、アゾ系開始剤および過酸化物開始剤からなる群から選ばれるものが好ましい。また、反応性が高いことから、2,2’−アゾビス(メチルイソブチレ−ト)、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシピバレート、および、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、並びに、これらの混合物がより好ましい。
ラジカル開始剤の混合量は、その種類にかかわらず特に制限されないが、有機重合体(A)100重量部に対し、0.001重量部から10重量部が好ましく、0.01重量部から3重量部がより好ましい。ラジカル開始剤の添加量がこの範囲を下回ると、十分な硬化性が得られない可能性が有り、また、混合量がこの範囲を上回ると硬化物に影響を及ぼす可能性がある。なお、ラジカル開始剤の混合物が使用される場合には、混合物の合計量が上記範囲内にあることが好ましい。
光アニオン開始剤としては、特に限定されないが、カルバメート類、アミド類、アミン類、イミド類、オキシムエステル類、α−コバルト錯体類、イミダゾール類等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光アニオン開始剤の混合量は、有機重合体(A)100重量部に対し、0.1重量部から10重量部が好ましく、0.3重量部から8重量部であることがさらに好ましい。
レドックス開始剤としては、特に限定されないが、上記の過硫酸塩開始剤および亜硫酸水素ナトリウムのような還元剤との組み合わせ;有機過酸化物と第3級アミンに基づく系、例えば過酸化ベンゾイルとジメチルアニリンに基づく系;並びに有機ヒドロパーオキシドと遷移金属に基づく系、例えばクメンヒドロパーオキシドとコバルトナフテートに基づく系等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
レドックス開始剤の混合量は、有機重合体(A)100重量部に対し、0.01重量部から5重量部が好ましく、0.025重量部から2重量部が好ましい。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、ラジカル捕捉剤、可塑剤、シランカップリング剤、充填剤、改質剤、他の樹脂成分等のその他の成分を含有することができる。ここで言うラジカル捕捉剤とは、一般に、酸化防止剤、光安定剤と呼ばれるものなどを含む。酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、ヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系の酸化防止剤があげられ、これらの中でも、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。同様に、チヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB944LD,CHIMASSORB119FL(以上、いずれもBASF株式会社製);MARK LA−57,MARK LA−62,MARK LA−67,MARK LA−63,MARK LA−68(以上、いずれもADEKA(株)製);サノールLS−770,サノールLS−765,サノールLS−292,サノールLS−2626,サノールLS−1114,サノールLS−744(以上、いずれも三共(株)製)に示されたヒンダードアミン系光安定剤を使用することもできる。酸化防止剤の具体例は、特開平4−283259号公報や特開平9−194731号公報にも記載されている。酸化防止剤の使用量は、有機重合体(A)100重量部に対して、0.1重量部から10重量部の範囲で使用するのが良く、さらに好ましくは、0.2重量部から5重量部である。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、経済的に不利になるだけでなく、光ラジカル開始剤より発生したラジカルを酸化防止剤が捕捉し、硬化物の硬化不良が発生し、硬化物が良好な物性を発現しない可能性がある。
光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物などがあげられ、これらの中でも、ヒンダードアミン系化合物が好ましい。光安定剤の使用量は、有機重合体(A)100重量部に対して、0.1重量部から10重量部の範囲で使用するのが好ましく、0.2重量部から5重量部がより好ましい。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、経済的に不利になる可能性があるだけでなく、光ラジカル開始剤より発生したラジカルを酸化防止剤が補足し、硬化物の硬化不良が発生し、硬化物が良好な物性を発現しない可能性がある。光安定剤の具体例は特開平9−194731号公報にも示されている。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケートなどの非芳香族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエートなどのポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェートなどのリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油などを単独、または2種以上混合して使用することができるが、必ずしも必要とするものではない。なお、これら可塑剤は、飽和炭化水素系重合体製造時に配合することも可能である。可塑剤の使用量は、有機重合体(A)100重量部に対して、5重量部から200重量部の範囲で使用するのが好ましく、10重量部から100重量部がより好ましい。使用量がこれよりも少ない場合は、十分な効果が得られない可能性が有り、使用量がこれよりも多い場合は、得られる硬化物の機械物性が低下する可能性がある。可塑剤の添加は、物性の調整、性状の調節などに有効である。
シランカップリング剤とは、エポキシ基、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基等の反応性基を有するシラン化合物が挙げられる。具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメチルシラン等が挙げられる。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。本発明の樹脂組成物におけるシランカップリング剤成分の含有割合は、特に限定はないが、(A)成分、(B)成分、(C)成分の合計100重量部に対して、通常0.1〜20重量部であり、好ましくは0.3〜10重量部である。シランカップリング剤の添加は、接着性や耐水性の向上に有効である。
充填剤としては、例えば、微粒子シリカ、ガラスビーズ、タルク、スチレン系ポリマー粒子、メタクリレート系ポリマー粒子、エチレン系ポリマー粒子、プロピレン系ポリマー粒子等が挙げられ、中でも無機充填剤が好ましく、特に微粒子シリカが好ましい。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。充填剤成分の含有割合は、特に限定はないが、有機重合体(A)100重量部に対して、通常20〜150重量部であり、好ましくは50〜100重量部である。無機充填剤の添加により、高強度化、耐透湿性や接着性を向上させることができる。
改質剤としては、例えば重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤等が挙げられる。これらは、1種単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。
他の樹脂成分としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエーテル、ポリエステル、アクリル樹脂、シリコン樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂成分が挙げられる。
<硬化物>
本発明の硬化性組成物は、各成分を均一に混合することにより調製される。混合方法に特に限定は無いが、(C)成分を含む場合は、まず(C)成分の重合開始剤を除くその他の成分を十分に混合した後に、(C)成分の重合開始剤を混合することが、組成物の安定性の点で好ましい。混合する場合、装置は特に限定されないが、手攪拌、機械的攪拌装置、ロールミル等を用い適宜混合することにより調製される。
本発明の硬化物は、活性エネルギー線または熱で硬化させることが好ましい。
活性エネルギー線により硬化させる場合、活性エネルギー線としては、光(UV)、または、電子線が挙げられ、活性エネルギー線源としては、特に限定されないが、使用する光重合開始剤の性質に応じて、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、電子線照射装置、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、メタルハライドなどがあげられる。
その硬化温度は、0℃〜150℃が好ましく、5℃〜120℃がより好ましい。その他の開始剤として、レドックス系開始剤を併用する場合、その硬化温度は、−50℃〜250℃が好ましく、0℃〜180℃がより好ましい。
熱により硬化させる場合、その硬化温度は、30℃〜200℃が好ましく、80℃〜180℃がより好ましい。
これら硬化方法は、単独あるいは組み合わせて使用することができる。
<塗工方法>
塗工方法としては、スプレー塗工、スクリーン印刷等の印刷方式、ディスペンサーによるパターン塗布方法があるが、貼り合わせ時の泡の混入を防止する観点から、ディスペンサーによる塗工方法が好ましい。
また、塗工パターンとしては、特に限定されないが、全面塗布、線状型パターン、櫛型パターン、円状型パターン、ダブルY字型のパターン、雪形のパターン等がある。
<シール対象モジュール>
貼り合わせ対象のモジュールとしては、特に限定はないが、LCDモジュール、それを用いたタッチセンサー、PDP、E−Paper用E−インクタイプの表示モジュール(図2)、E−Paper用SIPIXタイプの表示モジュール(図5)、同じく粒子を空気媒体により移動させ表示するタイプの表示モジュール、有機EL等の表示モジュールが挙げられる。表示機能に対する湿分の悪影響が大きい、E−インク、有機ELで上記硬化物の性能がより発揮される。
また、貼り合せる部位としては、タッチセンサーとモジュール間、カバーボードとモジュール間、カバーボードとタッチセンサー間である。
また、カバーボード/モジュール間、カバーボード/パネル間を貼り合わせた後、液状の樹脂が十分レベリングする迄間、各基材のズレ防止を目的に塗布・貼り合わせした部分の一部を仮固定することが好ましい。仮固定の方法としては、一部分だけを固定するが出来る点でUV照射が好ましい。
<用途>
本発明の低ガスバリア透過性の硬化性組成物によってシールされた表示装置を搭載した電気・電子としては、テレビ、携帯電話、スマートフォン、持ち運び可能な電子端末、パーソナルコンピューター、E−Paper、さらに、カーナビ、車載の表示メーター類、表示装置を搭載した冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機等の家電製品類、ゲーム機、スロットマシン等が挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
下記実施例中、「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCシステムとしてWaters社製LC Module1を、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(Shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
透湿度、粘度、の測定は以下の方法で測定した。
<透湿度の測定方法>
硬化性組成物を、離形材を塗布したガラス板上に厚さが100μmになるように塗布した。これらをフュージョンUVシステム製UV照射装置(機種:LIGHT HAMMER 6、光源:水銀灯ランプ、積算光量:3000mJ/cm)にて照射を行い、フィルム状の硬化物を得た。上記の操作により得られたフィルム状硬化物について、JIS Z 0208記載の湿分透過性試験(40℃、湿度90%)を行った。
<粘度の測定方法>
各硬化性組成物について、23℃、E型粘度計により測定した。
(合成例1)
5000mLのセパラブルフラスコに三方コック、熱電対、および、真空用シール付き撹拌機を装着し、窒素置換を行った。ここに、モレキュラーシーブス3Aによって脱水したトルエン592mL、エチルシクロヘキサン73.6mLを加え、さらに、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン(5.56g,24.0mmol)、2−メチルピリジン(264mg,2.83mmol)を加えて−70℃に冷却した。冷却後、イソブチレンモノマー(120mL,1.44mol)を導入し、さらに、この温度で四塩化チタン(2.52mL、23.0mmol)を添加し重合を開始した。この際に約15℃昇温した。約60分で重合は終了した(これに伴い、反応系の発熱は観察されなくなった)。重合終了後、酢酸2,7−オクタジエニル(32.4g,193mmol)および四塩化チタン(39.8mL、386mmol)を添加した。5時間後に、80℃に加熱したイオン交換水1.5Lに反応混合物を導入し、20分間攪拌した。静置後、水層を除去し、1Lの2N水酸化ナトリウム水溶液、および、臭化テトラブチルアンモニウム10.0gを添加し、100℃にて12時間攪拌した。反応終了後、アルカリ水溶液を除去し、1Lのイオン交換水で3回水洗した後、有機層を単離した。これに、10Lのアセトンを加えてポリマーを再沈殿させ、低分子化合物を除去した。沈殿物をアセトン1Lで2回洗浄し、ヘキサン500mlに溶解した。溶液を1Lのなす型フラスコに移し、オイルバスによる加熱条件下(180℃)、減圧(1Torr以下)によって溶媒を留去し、目的とする水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)を得た(数平均分子量5600、分子量分布1.2)。重合体(a)の官能化率をH NMRを用いて算出した(Valian社製 Gemini−300、測定溶剤=四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤、定量方法=開始剤残基のシグナル(7.2ppm)を基準に、末端の水酸基に隣接するメチレンのシグナル(4.00ppm)を比較して定量化)。その結果、得られた重合体(a)の水酸基導入量は、1分子当たり1.2個であった。
イソブチレン系重合体(a)10g、トルエン15mL、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ2mgをフラスコに加え、90℃で2時間脱揮した。脱揮後、ジブチル錫ビス(メルカプト酸エステル)(日東化成(株)製ネオスタンU−360)0.44μL、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製カレンズAOI)0.41gを加え、90℃で2時間攪拌した。これにより、(メタ)アクリロイル系置換基を末端に有するイソブチレン系重合体(A)を得た(数平均分子量5600、分子量分布1.2)。重合体(A)の官能化率をH NMRを用いて算出した(Valian社製Gemini−300、測定溶剤=四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤、定量方法=開始剤残基のシグナル(7.2ppm)を基準に、末端の(メタ)アクリロイル系置換基に隣接するメチレンのシグナル(4.00ppm)を比較して定量化)。その結果、得られた重合体(A)の(メタ)アクリロイル系置換基導入量は、1分子当たり1.2個であった。
(実施例1)
合成例1に記載の(メタ)アクリロイル系置換基を末端に有するイソブチレン系重合体100重量部をミニカップに加え、アクリル酸イソボルニル(大阪有機化学工業(株)製 IBXA)100重量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製 DAROCURE1173)2.6重量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製 IRGACURE819)1.3重量部を添加し、スパチュラにてよく攪拌することで、硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物の粘度、および硬化物の透湿度を測定し、結果を表1に示す。
さらに、得られた硬化性組成物を膜厚が50μmになる様に、カバーガラスに所定量、図1に示すパターンにディスペンス後、E−Paer仕様モジュールに貼り合わせ、フュージョンUVシステム製UV照射装置(機種:LIGHT HAMMER 6、光源:水銀灯ランプ、積算光量:3000mJ/cm)にて照射を行い、図2に示す構造の画像表示装置を得た。得られた画像表示装置のヒートショック(1サイクル;−40℃×30分⇔85℃×30分)500サイクル試験後の画像表示装置の表示性能を表1に示す。
(実施例2)
合成例1に記載の(メタ)アクリロイル系置換基を末端に有するイソブチレン系重合体100重量部をミニカップに加え、アクリル酸イソボルニル(大阪有機化学工業(株)製 IBXA)50重量部、アクリル酸ラウリル(共栄社化学工業(株)製 ライトアクリレートL−A)50重量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製 DAROCURE1173)2.6重量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製 IRGACURE819)1.3重量部を添加し、スパチュラにてよく攪拌することで、硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物の粘度、および硬化物の透湿度を測定し、結果を表1に示す。
さらに、得られた硬化性組成物を用いて、塗工パターンを図3、膜厚を100μmとした他は、実施例1と同様の方法で、画像表示装置を得た。
得られた画像表示装置のヒートショック500サイクル試験後の画像表示装置の表示性能を表1に示す。
(実施例3)
合成例1に記載の(メタ)アクリロイル系置換基を末端に有するイソブチレン系重合体100重量部をミニカップに加え、アクリル酸ラウリル(共栄社化学工業(株)製 ライトアクリレートL−A)100重量部、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製 DAROCURE1173)2.6重量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製 IRGACURE819)1.3重量部を添加し、スパチュラにてよく攪拌することで、硬化性組成物を得た。得られた硬化性組成物の粘度、および硬化物の透湿度を測定し、結果を表1に示す。
さらに、得られた硬化性組成物を用いて、塗工パターンを図4、膜厚を100μmとなる様に、カバーに塗布、貼り合わせを行い、図5に示す画像表示装置を得た。
得られた画像表示装置のヒートショック500サイクル試験後の画像表示装置の表示性能を表1に示す。
(比較例1)
XNR5516Z(ナガセケムテックス製UV硬化型エポキシ接着剤)を用いて、実施例1と同様の方法で、画像表示装置を得た。得られた画像表示装置のヒートショック500サイクル試験後の画像表示装置の表示性能を表1に示す。
(比較例2)
XNR5516Z(ナガセケムテックス製UV硬化型エポキシ接着剤)を用いて、実施例3と同様の方法で、画像表示装置を得た。得られた画像表示装置のヒートショック500サイクル試験後の画像表示装置の表示性能を表1に示す。
Figure 2013148785
表1では、UV硬化型エポキシ接着剤を用いて貼り合わせを行った比較例1、2と比べ、ラジカル硬化型イソブチレン系有機重合体を含む硬化性組成物を貼り合わせ材として用いた実施例1〜3の画像表示装置は、ヒートショック試験後でも良好な表示性能を維持出来ている。
1.ガラス板
2.ITO膜
3.インク層
4.ドライバー層
5.プラスチックフィルター
6.接着、シール層
7.吸着乾燥剤
8.カソード
9.有機EL
10.アノード

Claims (20)

  1. JIS Z 0208記載の湿分透過性試験(40℃、湿度90%)において、膜厚100μmの硬化物の透湿度が10g/(cm・24h)以下となる硬化性組成物によって、シールされることを特徴とする画像表示装置。
  2. 硬化性組成物が、活性エネルギー線、加熱の少なくとも1つによって硬化することを特徴する請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 硬化性組成物がUVによって硬化することを特徴する請求項1に記載の画像表示装置。
  4. 硬化性組成物が有機重合体(A)を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像表示装置。
  5. 有機重合体(A)がビニル系重合体であることを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
  6. ビニル系重合体がアクリル系重合体、不飽和炭化水素系重合体、飽和炭化水素系重合体から少なくとも1種選択されることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
  7. ビニル系重合体がイソブチレン系重合体であることを特徴する請求項5に記載の画像表示装置。
  8. イソブチレン系重合体が
    一般式(1):
    −O−C(=O)−C(R)=CH (1)
    (式中、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基である。)で表される置換基を分子内に平均1個以上有することを特徴する請求項7に記載の画像表示装置。
  9. イソブチレン系重合体が
    一般式(2):
    −Z−C(=O)−NH−R−O−C(=O)−C(R)=CH (2)
    (式中、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基、Rは2価の有機基、Zはヘテロ原子、NR(Rは、水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基)から選択される基である。)で表される置換基を分子内に平均1個以上有することを特徴する請求項7に記載の画像表示装置。
  10. 硬化性組成物がさらに(メタ)アクリル系モノマー(B)、および重合開始剤(C)を含有することを特徴する請求項4〜9の何れかに記載の画像表示装置。
  11. (メタ)アクリル系モノマー(B)が、(メタ)アクリル酸エステルモノマーであることを特徴とする請求項10記載の画像表示装置。
  12. (メタ)アクリル酸エステルモノマーが、一般式(3)
    −O−C(=O)−C(R)=CH (3)
    (式中、Rは置換あるいは非置換の炭素原子数4から20の脂肪族および/または脂環式炭化水素基から選択される基、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基から選択される基である。)
    で表されるものであることを特徴とする請求項11に記載の画像表示装置。
  13. 一般式(1)で表される置換基が有機重合体(A)の末端のみに有することを特徴とする請求項8〜12の何れかに記載の画像表示装置。
  14. 重合開始剤(C)が光によりラジカルを発生する光ラジカル開始剤であることを特徴とする請求項10〜13の何れかに記載の画像表示装置。
  15. 有機重合体(A)100重量部に対し、(メタ)アクリル系モノマー(B)が50〜200重量部、重合開始剤(C)が0.001〜10重量部含まれることを特徴とする、請求項10〜14の何れかに記載の画像表示装置。
  16. イソブチレン系重合体が、水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)と一般式(4):
    O=C=N−R−O−C(=O)−C(R)=CH (4)
    (式中、Rは水素原子、または、置換あるいは非置換の炭素原子数1から20の炭化水素基、Rは2価の有機基である。)で表されるイソシアネート系化合物(D)を反応させることによって得られることを特徴とする、請求項9〜15の何れかに記載の画像表示装置。
  17. イソブチレン系重合体が、水酸基を末端に有するイソブチレン系重合体(a)とイソシアネート系化合物(D)を、有機錫系化合物(E)を触媒として反応させることによって得られることを特徴とする、請求項16に記載の画像表示装置。
  18. 画像表示装置がE−インクあるいは有機ELモジュールを用いた画像表示装置であることを特徴とする請求項1〜17の何れかに記載の画像表示装置。
  19. カバーボード/表示モジュール間および/または表示モジュール/バックライト間を、JIS Z 0208記載の湿分透過性試験(40℃、湿度90%)において、膜厚100μmの硬化物の透湿度が10g/(cm・24h)以下となる硬化性組成物で塗布、貼り合わせて製造される請求項1〜18何れかに記載の画像表示装置の製造方法。
  20. 請求項1〜18何れかに記載の画像表示装置を搭載した電気・電子機器。
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