JPH07100902B2 - 流体噴射式織機の緯糸除去装置 - Google Patents

流体噴射式織機の緯糸除去装置

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JPH07100902B2
JPH07100902B2 JP20108085A JP20108085A JPH07100902B2 JP H07100902 B2 JPH07100902 B2 JP H07100902B2 JP 20108085 A JP20108085 A JP 20108085A JP 20108085 A JP20108085 A JP 20108085A JP H07100902 B2 JPH07100902 B2 JP H07100902B2
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秀一郎 今村
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、緯入れミス信号を受けたとき、当該ミス糸が
筬打ちされた後これを緯入れ側に配された流体噴射ノズ
ルに連ねたまま、かつミス糸を織前に露出させて当該織
機を停止させる停止制御手段と、露出したミス糸を牽引
して織前から除去する牽引手段と、上記ミス糸の除去後
に再始動制御を行う再始動制御手段とを備える流体噴射
式織機における緯糸除去装置に関する。
[従来の技術] 従来、この種の緯糸除去装置としては例えば特開昭59-2
28047号公報に開示される技術がある。これは、第26図
に示す基本構造となる流体噴射式織機、詳しくは、緯糸
送給方式としてエアーガイド式(クローズドタイプ)を
採用した空気噴射式織機において実施される。
同図において、1は緯糸供給部(図示略)から測長機構
(図示略)を経た緯糸21を所定量貯留する貯留パイプ、
2は常閉のメイングリッパ2a及び常開の補助グリッパ2b
を有するグリッパ装置、3は往復揺動されるスレー4に
固定された緯糸射出ノズル(以下、「主ノズル」とい
う。)であり、貯留パイプ1からの緯糸21がグリッパ装
置2を介して主ノズル3に導かれている。また、5は後
述するように緯入れされた緯糸21をスレー4上の筬によ
って織前C1に筬打ちした後に緯入れ側布端にて切断する
カッタである。
更に、6は緯入れが正規に行なわれなかったという、い
わゆる緯入れミス発生の際に、この緯入れミスに係る緯
糸21(以下、「ミス糸M」という。)を牽引する吸引パ
イプで、この吸引パイプ6は同図で示すように通常退避
した状態にあり、上記緯入れミス発生の際に、主ノズル
3の先端部まで進出してミス糸Mを吸引するようになっ
ている。7は先端に緯糸分離部材7bを取付けベルト7aと
このベルト7aを進退駆動する駆動部7cとを有する緯糸分
離装置で、この緯糸分離装置7は上記緯入れミス発生の
際に、ベルト7aが進出し、緯糸分離部材7bによって当該
ミス糸Mを織布Cから分離するようになっている。また
8は緯入れミス発生の際に、緯入れミス信号13を出力す
る緯糸検知器、29は経糸である。
9は織機の製織動作を制御する制御装置であり、一方、
緯入れミス信号13を入力したときは、当該ミス糸Mが筬
打ちされた後、主ノズル3に連ねたまま、かつミス糸M
を織前C1に露出させて当該織機を停止させ、この露出し
たミス糸Mを吸引パイプ6の牽引作用と緯糸分離装置7
の分離作用により織前C1から除去し、ミス糸Mの除去後
に織機の再始動制御を行う。
これら、制御装置9、吸引パイプ6及び緯糸分離装置7
により緯糸除去装置を構成している。また、吸引パイプ
6及び緯糸分離装置7により牽引手段を達成している。
上記のような構成となる織機の基本的な動作は以下のよ
うになる。
緯入れ時期が近づくと、先ず主ノズル3から空気が噴射
され、該時期の到来とともに常閉のメイングリッパ2aが
開放するので、緯糸21が主ノズル3からスレー4上に多
数並設された緯糸ガイド部材の案内孔(図示せず)内に
射出されて反緯入れ側まで飛走し、ここで緯入れが終了
する。次にスレー4が織前C1側に前進を始めると、前記
緯入れされた緯糸21もスレー4と同動する。さらにスレ
ー4が前進すると、緯糸ガイド部材の案内孔のスリット
(図示せず)より緯糸21が筬打ち直前に脱出し、前記筬
によって織前C1に打込まれる。このとき経糸29はほぼ閉
口状態にある。次いで筬が後退を始めると、緯糸切断装
置5がいま打込まれた緯糸21を切断して主ノズル3から
切離する。この過程から経糸29の上糸、下糸の関係が反
転して次の開口を形成してゆく。
ここで、前記緯入れに際し、緯入れミスが生じると、反
緯入れ側に設けた緯糸検知器8が緯糸不在を検出して緯
入れミス信号13を出力し、織機の制御装置9はこの緯入
れミス信号13に基づき停止指令を出力して織機を所定の
停止位相のもとに停止させる。この停止位相は筬打ち直
前付近に設定され、織機の慣性を考慮して停止までに1.
5サイクル程度の慣性動作を行なわせる。
この慣性動作中において、カッタ5を一時的に不動作状
態にしてミス糸Mの筬打ち後の緯糸切断時期での当該ミ
ス糸M切断を中止し、ミス糸Mを主ノズル3に連ねたま
ま逆U字形状をなして緯糸21aを射出するので織機停止
時にはこのミス糸Mが上記射出された緯糸21aを介して
主ノズル3につながった状態となっている(第27図参
照)。そして、この状態において、吸引パイプ6が主ノ
ズル3の先端部に進出して緯糸21aを吸引し、次に別設
した他のカッタ(図示せず)がミス糸Mを主ノズル3と
吸引パイプ6との間で切断する。そこで、ミス糸Mは吸
引パイプ6の吸引力により引張られた状態となる。
その後、当該織機を逆転動作し、経糸29の上糸、下糸の
関係を反転させて当該ミス糸Mが緯入れされたサイクル
最大開口状態を再現することによりミス糸Mを織前C1に
露出させる。尚、この逆転動作時に、グリッパ装置2に
おけるメイングリッパ2aの開放及び主ノズル3からの空
気噴射が行なわれるが、グリッパ装置2における補助グ
リッパ2bが閉鎖状態となるので、主ノズル3内の緯糸21
は射出されることはない。上記のようにミス糸Mが織前
C1に露出されると、緯糸分離装置7のベルト7aが進出
し、その先端の緯糸分離部材7bが吸引パイプ6の吸引力
により引き張られた状態のミス糸Mと織布の織前C1との
間に割って入るかたち(第28図参照)となり、ベルト7a
の進出によって緯糸分離部材7bが反緯入れ側布端まで達
すると、ミス糸Mは吸引パイプ6内に完全に吸引され、
織布Cの織前C1から除去される。その後、吸引パイプ6
及びベルト7aは退避位置まで復帰された後、当該織機は
自動的に再始動される。
[問題点] ところで、従来の緯糸除去装置は織布に織疵を付ける場
合があるという問題点があった。
その原因は次のごとくである。
ミス糸が織前に露出されていても、このミス糸は既に筬
打ちされていることから経糸列と交絡して各経糸にしっ
かりと係合している。よって、このようなミス糸を織前
から牽引するときは、各係合部での摩擦抵抗が累加され
てミス糸にかかる張力がミス糸の切断安全値を超えてし
まう場合があり、このような状態でミス糸を牽引する
と、ミス糸切れが発生し、織前にミス糸が残ってしま
う。
しかしながら、従来技術はミス糸を牽引除去できるに十
分な時間牽引するが、この牽引後に経糸開口内の織前よ
りミス糸が完全に除去されたことを検出していない。そ
のため、上記のようにミス糸切れが生じて織前にミス糸
が残っていたとしても、そのまま織機を再始動させてし
まうからである。
そこで、本発明の課題は、ミス糸牽引後に織前よりミス
糸が完全に除去されていることを検出することである。
そして、ミス糸除去が不完全なときは、織機を再始動さ
せないようにした。
[問題点を解決するための手段] このような課題を解決するための本発明の技術的手段
は、緯入ミス信号を受けたとき、当該ミス糸が筬打ちさ
れたのちこれを緯入側に配された流体噴射ノズルに連ね
たまま、かつミス糸を織前に露出させた状態で当該織機
を停止状態とする停止制御手段と、露出したミス糸を牽
引して織前から除去する牽引手段と、上記ミス糸の除去
後上記停止制御手段による停止状態を解除して、織機を
再始動させる再始動制御を行なう再始動制御手段とを備
える流体噴射式織機における緯糸除去装置において、当
該除去されたミス糸の長さが所定値に達しなかったこと
を判別するミス糸判別装置を設けると共に、該判定結果
に基いて前記再始動制御手段による再始動を禁止する禁
止手段を設けることとした。
[作用] 停止制御手段が緯入れミス信号を受けると、ミス糸を筬
打ちさせた後、これを緯入れ側に配された流体噴射ノズ
ルに連ねたまま、かつミス糸を織前に露出させて織機を
停止させる。すると、牽引手段が上記露出したミス糸を
牽引して織前から除去する。
すると、ミス糸判別装置が当該除去されたミス糸の長さ
が所定長に達しなかったことを判別する。すると、禁止
手段が該判別結果に基いて、再始動制御手段による再始
動を禁止する。従って、織機は再始動されないこととな
る。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本発明に係る緯糸除去装置19のブロック図を示
す。
同図において、14は停止制御手段であり、緯入れミス信
号13を受けたとき、ミス糸Mが筬打ちされた後、これを
緯入れ側に配された流体噴射ノズルに連ねたまま、かつ
ミス糸Mを織前に露出させて織機を停止させる。15は上
記露出したミス糸Mを牽引して織前から除去する牽引手
段である。16は上記ミス糸の除去後に織機の再始動制御
を行う再始動制御手段である。
17は当該除去されたミス糸Mの長さが所定長に達しなか
ったことを判別するミス糸判別装置である。18は上記判
別結果に基いて再始動制御手段による再始動を禁止する
禁止手段である。
第2図は本発明に係る緯糸除去装置19を実施する空気噴
射式織機の構成を示す図であり、緯糸送給方式として補
助ノズル式(オープンタイプ)を採用している。
同図において、129はマイクロコンピュータ、信号入力
回路、駆動回路等により構成する制御装置であり、本発
明に係る緯糸除去装置19の停止制御手段14、再始動制御
手段16、及び禁止手段18に相当する機能を有する。ま
た、この制御装置129は、オペレータが操作する始動準
備スイッチ130、始動スイッチ131、停止スイッチ132か
らのON,OFF信号、アングルセンサ133からの角度信号等
に基づいて通常の織機の製織動作を制御する機能も有す
る。
128はミス糸切れ又は経糸切れといった自動復起不可能
な異常状態が発生したとき、制御装置129が点灯させる
異常ランプである。
上記牽引手段15は、具体的には空気噴射による牽引力を
利用した牽引装置24で実現しており、その詳細構造は第
3図に示すように、逆流防止用のチェックバルブ153、
ミス糸Mを牽引する際に制御装置129内の駆動回路によ
り動作状態とされるソレノイドバルブ154、牽引パイプ2
6、導入パイプ152で構成している。この牽引パイプ26は
緯入れ側端の筬27に固定され、筬27の空気案内溝27Aの
側方に吸引口26Aをあけている。そして、この吸引口26A
の上側には噴射口150が位置し、下側には導入口151が位
置している。この導入口151に連通して可撓性の導入パ
イプ152を設け、網状の糸くず受122内に端部を位置させ
てある。上記チェックバルブ153は圧力空気供給源38に
接続してある。
この牽引装置24は織前C1に露出したミス糸Mをソレノイ
ドバルブ154からの噴射気流Jによる牽引作用によって
織前C1から除去すると共に、導入口151の内に上記除去
されたミス糸Mを吸入するものである。すると、上記吸
入されたミス糸Mは牽引パイプ26を介して導入パイプ15
2の中に進入していくが、一端は主ノズル25に連なって
いることから、緊張状態で待機している。
また、同図において17は上記除去されたミス糸Mの長さ
が所定長に達しなかったことを判別するミス糸判別装置
であり、ミス糸検知器160と判別回路163で構成してい
る。
判別原理は以下の通りである。
緯入れされる緯糸21は予め後述の緯糸測長貯留装置23に
より正確に測長されていることから、緯入れに際し、様
々に緯入れミスが発生した場合でもミス糸Mの先端部か
ら主ノズルまでの長さは常に一定である。そこで、ミス
糸Mの除去が完全に行なわれて導入パイプ152の中に緊
張状態で待機しているときのミス糸Mの先端部は常に一
定の位置となる。従って、この位置付近にミス糸検知器
160を取付けて、ミス糸Mが存在するかどうかを検知す
ればミス糸Mの織前C1からの除去が完全に行なわれたか
否かを間接的に判別することができるものである。但
し、本実施例では、緯入れミスの発生した次のサイクル
で測長された緯糸21もこの牽引過程でミス糸Mに連なっ
て、かつ主ノズル25から引出される形で牽引パイプ内に
吸入される(第22図(A)参照)。そこで、上記ミス糸
Mの先端部は導入口151から緯入れ2回分に相当する緯
糸長の位置となる(第23図(A)参照)。つまり、この
位置は導入パイプ152上にあり、従って、この位置にミ
ス糸検知器160を取付けている。ミス糸検知器160は上述
したようにミス糸Mが完全に除去されて、導入パイプ15
2の中に緊張状態で待機しているときのミス糸Mの先端
部が位置する付近に取付けられている。このミス糸検知
器160は第4図(A)(第3図における導入パイプ152の
A−A線断面図)に示すように一対の例えば発光ダイオ
ードである投光器161、例えばフォトセルである受光器1
62で構成しており、導入パイプ152の通路155を挟んで互
いに対向するように導入パイプ152に埋込まれている。
ミス糸Mが完全に除去されたときは、上記ミス糸Mの先
端部分が投光器161と受光器162の間に進入するので、投
光器161からの光がミス糸Mによってさえぎられ、受光
器162はこの受光量の変化の影響を受けて出力電圧レベ
ルを低下させる。そこで、判別回路163はこの電圧レベ
ルの低下を受けるとミス糸判別信号164をOFFとする。一
方、ミス糸Mを織前から牽引している際に、ミス糸切れ
が生じたときはミス糸Mの長さが完全に除去されたとき
のものより短くなってしまうことにより、導入パイプ15
2内に吸入されたとしてもミス糸Mの先端部がミス糸検
知器160まで到達しない。従って、投光器161からの光を
ミス糸Mがさえぎることはないので、投光器161からの
光の全てが受光器に到着し、受光器162はこの変化の影
響を受けて出力電圧レベルを上昇させる。そこで、判別
回路163はこの電圧レベルの上昇を受けるとミス糸判別
信号164をONとする。このミス糸判別信号164のON状態は
牽引装置24によって除去されたミス糸Mが所定長に達し
なかったこと、つまりミス糸Mの牽引に際してミス糸切
れが生じて織前C1にミス糸Mが残っていることを表示す
るものである。そして、ミス糸判別信号164は制御装置1
29に配線されている。
更に、同図において、牽引パイプ26の導入口151の近く
には上述したミス糸判別装置160と同様の構成の緯糸判
別装置17Aが取付けられており、該装置17Aは織機の停止
過程で経糸開口内にU字形に射出された緯糸21aを牽引
して導入口151内に吸引した後、上記緯糸21aが完全に経
糸開口内から除去されたかどうかを検出する目的に使用
するものである。緯糸判別装置17Aは緯糸検知器160A、
判別回路163Aで構成している。緯糸検知器160Aは上記緯
糸21aが牽引パイプ26内に牽引されたときに、緯糸21aの
先端部付近に取付けられており、第4図(B)(第3図
のB−B線断面図)に示すように一対の投光器161A、受
光器162Aで構成している。判別回路163Aは投光器161Aと
受光器162Aの間に緯糸21aが存在するときに緯糸判別信
号164AをOFF、一方緯糸21aが存在しないときに同信号16
4AをONとする。緯糸判別信号164AのON状態は織機停止過
程で経糸開口内にU字形に射出された緯糸21を牽引装置
24で牽引する際に、例えば補助ノズルに緯糸21aが引掛
って緯糸切れが生じたことを表示するものである。この
緯糸判別信号164Aも制御装置129に配線されている。
次に、織機の基本的な製織動作に関係する構成について
説明する。第2図にもどり、20は緯糸給糸体、21は緯
糸、22は緯糸張力付与装置、23は緯糸測長貯留装置、25
は主ノズル、26は牽引パイプ、27は筬、28は主ノズル25
と経糸29との間に配設した緯糸切断用のカッタ、30は筬
保持体、31A〜31Dは筬保持体30に所定の間隔で固定した
補助ノズルである。緯糸張力付与装置22はパイプ33の両
端部にノズル34,35が固定されており、それぞれパイプ3
3内に圧力空気を噴出するようその噴出方式を定めてあ
る。ノズル35は始動準備スイッチ130をON操作すると開
弁され、織機の主モータ50の電源回路の閉結が禁止され
ると閉弁するソレノイドバルブ36および逆流防止用のチ
ェックバルブ37を介して圧力空気供給源38に連通してあ
る。ノズル34は手動バルブ39,逆流防止用のチェックバ
ルブ40を介して圧力空気供給源38に連通してある。した
がって織機運転時はノズル35からノズル34側へ圧力空気
を噴出して緯糸21を緯糸測長貯留装置23側から牽引する
ようにして緯糸21に張力を付与するようにしてある。手
動バルブ39を開弁するとノズル35側へ圧力空気を噴出し
て緯糸21をパイプ33へ引き通すことができる。
緯糸測長貯留装置23は伝動ケース41内に中空の回転軸42
が回転自在に支持されており、またその先端部にドラム
43が回転自在に支持されている。そして、このドラム43
は図示しない磁石により静止状態に保持されている。回
転軸42の中間には巻付腕44が固定され、これによりドラ
ム43に緯糸21を巻付ける。さらに回転軸42には、被動プ
ーリ45が固定され駆動プーリ46との間に張設したベルト
47により回転されるようになっている。
48,49は緯糸21の係止体であり、緯入れ1回分の緯糸21
を測張し貯留する目的に用いられるもので、緯入れ時期
が到来するまで係止体49をドラム43に係入してその背後
に緯入れ1回分(例えば4巻)の緯糸21をドラム43に巻
付けて貯留し、緯入れ時期がくると、係止体48を前記貯
留された緯糸21の背後からドラム43に係入するとともに
係止体49を該ドラム43から引抜き、これによって上記緯
入れ1回分の緯糸21が巻きほどかれるようにしたもので
ある。
この緯糸測長貯留装置23の詳細構造は例えば特公昭59-3
2577号と同様である。
50は逆転装置11を例えば内蔵した主モータであり、この
主モータ50はベルト52,プーリ53を介して主軸51を駆動
する。主軸51は開口装置や送り出し装置などの経糸系
(図示せず)を駆動すると共に、プーリ54,ベルト55を
介して従動軸56に固定されたプーリ57を駆動する。尚、
プーリ54と57との伝動比は1対1である。そして、従動
軸56はクラッチ機構75を介して補助駆動機構74における
軸62に連結されている。ここで、クラッチ機構75,補助
駆動機構74の詳細な構造は例えば第5図に示すようにな
っている。同図において、従動軸56にはワンポジション
クラッチ58の一方の突部59Aを有するクラッチ片59がス
プライン構造等により一体に回動可能に、かつ摺動可能
に、かつ圧縮スプリング60により他方のクラッチ片61側
に付勢されている。前記突部59Aと噛合う凹部61Aを有す
るクラッチ片61は伝導ケース41に支持した軸62に固定さ
れている。また、前記クラッチ片59はその溝59Bに挿入
したシフタ63により前記凹部61Aに突部59Aが噛合う位置
と、噛合わない位置とに選択的に位置される。このシフ
タ63はエアーアクチュエータ64の作動ロッド64Aに固定
してある。エアーアクチュエータ64は第2図に示すソレ
ノイドバルブ65を介して圧力空気供給源38に連通してあ
る。前記軸62には電磁クラッチ71を介して歯車72を取付
けてある。73は伝動ケース41に固定した補助モータであ
り、その出力軸に固定した歯車73Aは歯車72に噛合って
いる。また、124,125はリミットスイッチであり、クラ
ッチ片59が右方に移動して突部59Aが凹部61Aから外れた
ときにリミットスイッチ125がON状態になり、前記突部5
9Aと凹部61Aとが噛み合った時にリミットスイッチ124が
ON状態になるよう配設してある。400は近接スイッチ、4
01はクラッチ片61の所定周面位置に突出した作用片であ
り、作用片401が近接スイッチ400に近接した時に近接ス
イッチ400がON状態となる。第2図にもどり、補助駆動
機構74の前記軸62にはプーリ66が固定してあり、軸67,6
8に固定したプーリ67A,68Aとの間にベルト70を張設して
ある。軸68には前記駆動プーリ46を固定してある。前記
プーリ66,67A,68Aは同一径であり、従って伝動比は1対
1である。
主ノズル25は筬保持体30に固定してある。この主ノズル
25には圧力空気供給源38から調圧器98,エアータンク99,
始動準備スイッチ130のON操作に連動して開弁し、主モ
ータ50の給電停止にもとづいて閉弁するソレノイドバル
ブ100および開閉弁95を介して圧力空気を供給するよう
にしてある。この開閉弁95は軸67に固定したカム96によ
り開閉レバー97を揺動させることにより所定のタイミン
グで開閉される。補助ノズル31A〜31Dには前記ソレノイ
ドバルブ100と同様のソレノイドバルブ104,エアータン
ク102,カム80A〜80Dの作動により主軸51の所定角度にお
いて開弁する開閉弁103A〜103Dを介して圧力空気供給源
38に接続してある。
105は緯糸測長貯留装置23と主ノズル25との間に介在す
る緯糸21の把持及び把持解放を行なう緯糸ブレーキ装置
である。この緯糸ブレーキ装置105はフレームFに固定
されており、その具体的な構成は第6図(A)〜(C)
に示すようになっている。すなわち、フレームFに立設
したブラケット106にロータリーソレノイド107を固定
し、その出力軸108に固定した、可動棒109にパイプ状の
ゴム片110を嵌合してある。この可動棒109をはさむよう
にコ字状の固定片111を前記ブラケット106に固定してあ
る。固定片111にもパイプ状のゴム片112を嵌合してあ
る。そして、ロータリーソレノイド107の励磁により可
動棒109を固定片111側に回動させてゴム片110および112
が緯糸21を圧接するようにしてある。
第2図にもどり前記カッタ28の具体的な構成は例えば第
7図に示すようになっている。同図において、フレーム
Fに固定したブラケット218に回動自在に設けた回動軸2
19に可動刃216Aが固定されると共に、前記ブラケット21
8側に固定刃216Bが固定されている。この可動刃216Aと
固定刃216Bとで緯糸21の受け入れ開口220を形成してい
る。そして可動刃216Aの時計回り方向の回動により鋏切
り運動を行なうようになっている。前記回動軸219には
先端部にカムフォロワ221を取付けた駆動レバー222を固
定してある。この駆動レバー222は先端部とフレームF
との間に張設した引張スプリングSによりカムフォロワ
221をカム223に当接させてある。このカム223は織機の
主軸51と同期して回転する回転軸224に固定してあり、
主軸51の回転角度にして5°(主軸回転角度の0°を筬
打ちとする。)近傍にて前記鋏切り運動をするよう谷部
223Bを形成してある。223Aは山部である。また上記駆動
レバー222の下方にはカットミス装置10が設けられてい
る。その詳細は第8図に示すようになっている。駆動レ
バー222の真下、すなわち、回動平面P内に位置して、
固定軸231を配設し、この固定軸231に阻止片230を回動
自在に枢着してある。前記固定軸231はフレームFに固
定したブラケット233に固定してある。阻止片230の上端
部は平面状になっており、駆動レバー222の当接部222A
と相対した際、平行になるように設定してある。そし
て、カムフォロワ221がカム223の山部223Aと相対してい
るときは、阻止弁230と駆動レバー222との間にわずかな
間隙が生じるよう設定してある。阻止片230の下部には
電磁アクチュエータ234のアーマチャー235の先端に固定
した押圧片236が当接してある。アーマチャー235には係
止片237が固定してある。前記電磁アクチュエータ234は
前記ブラケット233に固定してある。238は前記係止片23
7の移動を規制するストッパであり、前記ブラケット233
にビス239によって位置調整可能に固定してある。阻止
片230の前記押圧体236の当接部と反対側部に押圧体240
を設けてある。この押圧体240は前記ブラケット233の穴
232に摺動自在に嵌合してあり、前記押圧体240とブラケ
ット233との間に配設した圧縮スプリング241により同図
で左方に付勢されている。この付勢により阻止片230は
時計回り方向に回動されてその先端部が駆動レバー222
の回動域から退避するようになっている。このとき、前
記係止片237がストッパ238に当接して阻止片230のそれ
以上の回動を阻止している。前記圧縮スプリング241の
付勢力は振動などにより阻止片230が駆動レバー222の回
動域に進出しない程度の弱いものである。
第2図にもどり、12は主ノズル25から空気噴射と共に射
出される緯糸21を反緯入れ側に導くための緯糸送給装置
であり、その具体的な構成は第9図及び第10図(第9図
のC−C線断面)のようになっている。各図において27
は筬、82および83はそれぞれ筬27の筬枠および筬羽であ
る。各筬羽83の前面(織前C1がわの面)は山形に突出し
てその頂部に凹所84が形成されており、筬羽83の列には
これらの凹所84の列によって空気案内溝27Aが構成され
ている。30は筬27を固定保持している筬保持体で、スレ
ー88に取付けられている。筬保持体30の緯入れ側に固定
した主ノズル25が空気案内溝27Aに向って開口してい
る。31A〜31Dは補助ノズルであり、空気案内溝27Aの前
位に所定のピッチで配列されている。このような緯糸送
給装置12において、いま緯入れ時期が到来すると主ノズ
ル25からの噴射空気によって空気案内溝27A内に緯糸21
が射出され、次いで主ノズル25に最も近い補助ノズル31
Aから斜め上方反緯入れ側に向けて空気が噴射される。
この噴射気流Jはその一部が筬羽83の列の背後へ逐次逸
出し、残部が凹所84の内面、殊に底面85から反射しつつ
上記の逸出気流に引かれて空気案内溝27Aの底部付近に
比較的安定な流域を作りながら反緯入れ側へと案内され
てゆく。そして上記射出された緯糸21の先方部分がこの
気流Jに乗って飛走されてゆく。この緯糸21の先方部分
が次位の補助ノズル31Bのところへ到達する頃、該補助
ノズル31Bから空気噴射がなされ、かかる動作が順々に
次位の補助ノズルに受継がれて該緯糸21が緯入れされ
る。
また、第10図において500は織布Cの織前C1付近に配設
された加振装置であり、この加振装置500は超音波加振
子506、この超音波加振子506を保持するホルダ505で構
成しており、そして、織機のフレームFに立設したブラ
ケット507に取付けている。超音波加振子506の上面は織
布Cの下面に接触している。この加振装置500は、ミス
糸Mを織前C1より除去する際に制御装置129により動作
状態とされる。すると、超音波加振子506が微振動する
ので、織前C1付近の織布C及びミス糸Mも微振動するこ
ととなる。従って、牽引装置24での吸引作用と相まって
ミス糸Mは織前C1より容易に除去される。それは、緯糸
29とミス糸Mとの間で相対振動が生じるため、これらの
間における摩擦抵抗は動摩擦抵抗の状態になり、従っ
て、微振動が生じる前の静摩擦抵抗の状態より小さくな
る。そこで、牽引装置24での吸引力でもミス糸Mの除去
ができることとなる。
第2図にもどり、上述のような緯糸送給装置12を介して
主ノズル25からの緯糸21が飛来する反緯入れ側には当該
緯糸21を吸引する牽引装置113及び当該緯糸21の飛来を
検知する緯糸検知器32が設けられている。ここで、上記
牽引装置113の具体的な構成は第11図に示すように筬27
の反緯入れ側の親羽114に形成した導入口115(筬27の空
気案内溝27Aの延長上に形成してある)を横断するよう
空気を噴射する噴射口116とそれを受ける導入口117が形
成してある。噴射口116は噴射パイプ118により所定の時
期に開弁されるメカニカルバルブ140,ソレノイドバルブ
119,チェックバルブ120を介して圧力空気供給源38に接
続してある。前記導入口117は導入パイプ121を介してカ
ゴ状の糸くず受122に導通している。
第2図において、300は通常退避位置にあり、後述する
ように緯入れミスが発生した場合に主ノズル25の先端部
まで進出し、緯糸21を切断するカッタであり、その具体
的な構成は第12図に示すようになっている。同図におい
て、302はフレームFに固定されるブラケット306に固定
したエアーアクチュエータであり、その突出ロッド303
の先端部に固定したブラケット310に固定刃309が固定し
てある。このブラケット310に固定したピン308に可動刃
307が回動自在に枢着してある。前記エアーアクチュエ
ータ302はソレノイドバルブ301,チェックバルブ311を介
して圧力空気供給源38に接続してある。前記可動刃307
の端部にはロッド312がピン313により枢着してある。こ
のロッド312はブラケット306に摺動自在に貫通してお
り、ストッパ305,314,315がそれぞれビスにより固定し
てある。316はブラケット306に固定した筒体であり、こ
れに前記ロッド312が挿通している。この筒体316の両端
面はストッパ316A,316Bになっている。前記可動刃307と
ブラケット310との間には圧縮スプリング317が介装して
ある。織機作動中はエアーアクチュエータ302に圧力空
気が供給されないためロッド303が内蔵のスプリング
(図示せず)により引き込められているので、ストッパ
315がストッパ316Bに当接して、その移動を制限されか
つ圧縮スプリング317により可動刃307を反時計方向に回
動させて開口304を形成し、筬27の揺動範囲外に位置し
ている。エアーアクチュエータ302に圧力空気が供給さ
れるとロッド303が筬27側に突出する。このとき、スト
ッパ305がストッパ316Aに当接するまでは圧縮スプリン
グ317の反発力により可動刃307が反時計方向に回動され
て開口304を形成している。この開口304の大きさはスト
ッパ314のロッド312に対する位置により設定されてい
る。ロッド303が突出してストッパ305がストッパ316Aに
当接すると、ロッド312の進行が阻止されるため可動刃3
07を時計回り方向に回動させる。このときは緯糸21が開
口304に位置している。そしてさらにロッド303が突出す
ると、さらに可動刃307が同方向に回動して緯糸21を切
断する(第13図参照)。この切断が終了する直後にロッ
ド303の突出が阻止されるようエアーアクチュエータ302
の位置を定めてある。ソレノイドバルブ301が閉弁され
ると、エアーアクチュエータ302内蔵のスプリングによ
りロッド303が筬27側から後退する。これに伴ない、ま
ず圧縮スプリング317によりストッパ314がブラケット31
0に当接するまで可動刃307が反時計回り方向に回動させ
られ、つぎにロッド312と一体に筬27側からカッタ300が
後退しストッパ315がストッパ316Bに当接してその動き
を中止し待機する。
一方、第2図において、主軸51には第14図に示すような
例えば1°ごとのスリット137とそのうちの一のスリッ
トと同角度位置となる他のスリット138とを設けた円板1
34が同軸に装着されており、更にこの円板134をはさん
で例えば、発光ダイオードである投光器135と例えば、
フォトセルである受光器136とが設けられている。この
投光器135及び受光器136は上記円板134に設けたスリッ
ト137,138に対して夫々一対ずつ設けられるものであ
る。そして、アングルセンサ133が上記スリット138に対
応した受光器136からのパルス信号に基づいて主軸51の
基準角度(0°)を検出すると共に、上記スリット137
に対応した受光器136からのパルス信号に基づいて主軸5
1の基準角度(0°)からの回転角度を検出するように
している。
次に、上述したような構成における緯糸除去装置19の動
作について説明する。まず空気噴射式織機における通常
の製織動作を第15図に示す主軸51の回転角度に基づいた
タイミングチャートに従って説明する。
オペレータが始動準備スイッチ130をON操作すると、制
御装置129は異常ランプ128を消灯すると共にマイクロコ
ンピュータ内の緯入れミスフラッグをリセットした後、
まず以下の様な準備動作を行なう。すなわち、ソレノイ
ドバルブ36,100,104,119が開弁、電磁クラッチ71が解
放、ロータリソレノイド107がOFFされ、これにより緯糸
21はノズル35からの空気噴射により張力が付与される。
また緯糸ブレーキ装置105の可動棒109が第6図(A)の
ように固定片111から離れて、これらの間に狭持されて
いた緯糸21を解放する。
この状態で主軸51は300°の位置を保持しているが、つ
いでオペレータが始動スイッチ131をON操作すると、電
磁ブレーキ123が解放されると共に主モータ50の電源回
路の閉結がなされて織機が始動する。
織機運転時はソレノイドバルブ65が閉弁されているので
凹部61Aと突部59Aとが嵌合しており、ワンポジションク
ラッチ58は接続状態になっている。従って主モータ50に
より主軸51が回転されて経糸系を駆動すると共に軸62が
回転駆動される。これにより軸67,68が回転駆動され
る。この軸68の回転により回転軸42が主軸51と同じ回転
比にて回転されるので、巻付腕44がドラム43に緯糸21を
巻付け始め、緯入れ時期迄には係止体48,49の間に緯入
れ1回分の緯糸21が巻付けられて緯糸21の測長及び貯留
が行なわれる(主軸回転角度90°付近まで)。
そして、緯入れ開始直前にカム96により開閉弁95が開弁
され、主ノズル25から圧力空気を噴射し、その直後、係
止体49がドラム43より抜け出し主ノズル25から圧力空気
と共に緯糸21が射出される。この時、補助ノズル31A〜3
1Dの開閉弁103A〜103Dは緯糸21の先方部分の進行に合わ
せて順次開弁し、所定時間経過後順次閉弁する。なお、
空気噴射が途切れないようにするため、各補助ノズル31
A〜31Dの噴射時間を若干重複させている。この各補助ノ
ズル31A〜31Dからの空気噴射により緯糸21は各筬羽83の
凹所84に案内された状態で反緯入れ側に飛走する(緯入
れ:主軸回転角度90°付近から主軸回転角度240°付近
まで)。このように緯糸21が反緯入れ側に飛走し、布端
部に到達すると、ドラム43の係止体48,49間に貯留され
ていた緯糸21が全て解除され、係止体48に引掛る直前
に、メカニカルバルブ140が開弁すると共に、カム96に
より開閉弁95が閉弁し、既に牽引装置113における導入
口115に挿通している緯糸21の先方部分を、噴射口116か
らの噴射空気により導入口117に吹き込み、緯糸21の牽
引を行なう。緯入れ終了後、係止体49がドラム43に係入
し、その後に係止体48がドラム43から抜け出た状態でさ
らに牽引が続行される。この牽引は筬打ちが行なわれる
直前まで続行される(主軸回転角度200°付近から主軸
回転角度350°付近まで)。そして、主軸51の回転角度
0°位置にて筬打ちが行なわれる。筬打ち後、主軸51の
回転角度5°位置近傍にてカッタ28が上記のように緯入
れされた緯糸21を切断する。
なお、上記のように係止体49がドラム43に係止し、その
直後に係止体48がドラム43から抜け出すと、次のサイク
ルの緯入れ1回分の緯糸21が係止体48と係止体49との間
に移動し、以後上記と同様の動作が繰返し行われること
により、織布Cが製織されていく。
上記のような通常の製織動作を制御するのは制御装置12
9であり、制御手順をフローチャートで示せば第16図の
ようになっている。同図において、前述したような準備
動作にかかる制御(1-1〜1-3)及び始動時にかかる制御
(1-4,1-5)を行った後、緯糸検知器32からの緯入れミ
ス信号13の有無に基づく緯入れミスの監視(1-6)、経
糸切れを検出する経糸検知器(図示省略)からの経糸切
れ信号の有無に基づく経糸切れの監視(1-7)及び停止
スイッチ132のオペレータによるON,OFF操作の監視(1-
8)を行っている。
前記のように通常の製織動作が行われている過程で、緯
入れに際し緯糸21の先方部分が例えば補助ノズル31A〜3
1D等に引掛って緯入れミスが生じた場合を想定する。す
ると、本発明に係る緯糸除去装置19を構成する制御装置
129が、第16図〜第19図のフローチャートに従って、織
機の停止制御,牽引装置24の動作制御,ミス糸判別装置
17の判別結果に基いて再始動制御の処理手順に進ませな
いようにする。従って、織機を再始動させないようにす
るものである。次に、この詳細を以下に説明する。
まず、第16図において、緯入れミスが生じると緯糸検知
器32は筬打ちの過程でそれを検知し、緯入れミス信号13
をONとする。すると制御装置129はこれを判別し(1-
6)、緯入れミスフラッグをセットした後(1-9)、主軸
51の停止角度を次のサイクルの180°に設定する(1-1
0)。
そして、第17図に示すように、慣性運動を考慮して主軸
51が上記設定した停止角度の180°にて織機の停止をす
べく主モータ50の停止制御、電磁ブレーキ123の励磁制
御、ソレノイドバルブ100,104の閉弁制御、緯糸ブレー
キ装置105におけるロータリソレノイド107及びカットミ
ス装置10における電磁アクチュエータ234の励磁制御を
行なう(2-1)。この時、緯糸ブレーキ装置105は緯糸21
の把持状態になり、緯糸21が射出されない状態となると
共に、カッタ28が非動作状態となる。上記織機の停止制
御に基づく停止過程でミス糸Mは織前C1に筬打ちされ
る。そして、開閉弁95,103A〜103Dが開弁し、ソレノイ
ドバルブ100と開閉弁95及びソレノイドバルブ104と開閉
弁103A〜103Dとの間の配管に残留している圧力空気が主
ノズル25及び補助ノズル31A〜31Dから噴出し、かつ係止
体49がドラム43から抜け出す。しかし、前記緯糸ブレー
キ装置105が緯糸21を把持しているので、緯糸21は主ノ
ズル25より射出されない。しかしながら、実際は緯糸ブ
レーキ装置105のロータリソレノイド107が通電状態とな
って後、可動棒109が回転することにより緯糸21を完全
に把持するまでには若干の時間が必要である。従って、
緯糸21はわずかに経糸開口内に射出される。更にカッタ
28の可動刃216Aは電磁アクチュエータ234が励磁されて
いるので回動しない。
主軸51が停止し、アングルセンサ133からの角度信号に
基づいて、制御装置129は当該停止を認識する(2-2)。
この停止角度180°では筬27が織前C1より最後退位置に
あり、経糸29の開口度は最大となっており、ミス糸Mは
織前C1に筬打ちされた状態となっていると共に、上記停
止過程でわずかに経糸開口内に射出された緯糸21(以
下、「緯糸21a」という。)を介して主ノズル25に連ね
ている(第20図A,B参照)。
制御装置129は上記停止を認識すると、この停止原因が
緯入れミスである(緯入れミスフラッグセット)か否か
を判断するが(2-3)、停止原因は緯入れミスであるの
で、ソレノイドバルブ36を閉弁後(2-4)ソレノイドバ
ルブ65を開弁する(2-5)。上記ソレノイドバルブ65の
開弁によりワンポジションクラッチ58が解放する。これ
によりリミットスイッチ125がON、他方のリミットスイ
ッチ124がOFFとなり、ワンポジションクラッチ58の状態
変化を検出する(2-6,2-7)。
次に、牽引装置24のソレノイドバルブ154を所定時間開
弁する(2-8〜2-9)。すると、圧力空気供給源38からの
圧力空気がチェックバルブ153,ソレノイドバルブ154を
通じて牽引パイプ26に噴射気流Jとなって噴出する。そ
こで、織機の停止過程で経糸開口内にわずかに射出され
た緯糸21aは牽引されては牽引パイプ26内に吸入され
る。従って、ミス糸Mは牽引パイプ26による吸引力によ
り導入パイプ152方向に緊張して待機している。(第21
図A参照)。
この緯糸21aの牽引が正常に行なわれると、緯糸判別装
置17Aの緯糸検知器160Aが緯糸21aを検知するので、判別
回路163Aが緯糸判別信号164AをOFFとする。
次に、制御装置129は、上記緯糸判別信号164AがOFF(緯
糸21aの牽引正常)かONかを検出するが(2-10)、緯糸2
1aの牽引が正常に行なわれると、緯糸判別信号164AはOF
Fであるので、ソレノイドバルブ154を閉弁する(2-1
1)。
次に電磁ブレーキ123を解放すると共に、主モータ50を
逆回転方向に起動して360°(主軸1回転分)回転させ
る(2-12)。360°逆回転すれば主軸51は緯入れミスの
生じたサイクルの180°となり、この位置を検出すると
(2-13)、主モータ50を停止すると共に電磁ブレーキ12
3を励磁して主モータ50を制動する(2-14)。これと同
時にロータリーソレノイド107をOFFして緯糸21の把持を
解放する(2-14)。以上の動作によりミス糸Mが織前C1
に露出する(第21図A,B参照)。
次に加振装置500を動作させた後(3-1)、ソレノイドバ
ルブ154を開弁する(3-2)。すると、織前C1付近の織布
C及びミス糸Mが微振動を起こし、牽引パイプ26での吸
引作用と相まって、ミス糸Mが織前C1より容易に除去さ
れていく。そして、この除去されたミス糸Mは順次牽引
パイプ26内に吸引されていく。
また、主軸51の停止角度180°においては、係止体48は
ドラム43に係入し、係止体49はドラム43より抜け出てい
ること、緯糸ブレーキ装置105は緯糸21を把持解放して
いることよりドラム43に貯留されている緯糸21は、牽引
パイプ26により主ノズルより引き出される。この引き出
された緯糸21は、緯糸21aを介してU字形に折返し、そ
してミス糸Mにも連なっている。従って、緯糸21及びミ
ス糸Mは牽引パイプ26内にU字形状をなして吸引されて
いく(第22図A,B参照)。
ミス糸Mの牽引時間(3-3)は、織前C1よりミス糸Mが
完全に除去されるに十分な時間となるよう予め設定して
ある。
上記牽引処理(3-1〜3-3)により、ミス糸Mの織前C1か
らの除去が完全に終了すると、加振装置500を停止する
(3-5)。そこで上記牽引装置24による牽引作用でミス
糸Mが正常に牽引されると、この織前C1より除去された
ミス糸Mは導入パイプ152内に緊張状態で待機し、該ミ
ス糸Mの先端部分はミス糸判別装置17のミス糸検知器16
0付近に位置している。従って、投光器161からの光はミ
ス糸Mにさえぎられることとなり前述したように判別回
路163がミス糸判別信号164をOFFとする。
次に、制御装置129は上記ミス糸判別信号164がOFF(ミ
ス糸Mの牽引正常)かONかを検出するが(3-5)、ミス
糸Mの牽引が正常に行なわれると、ミス糸判別信号164
はOFFであるので、次のステップ(3-6)に進む。そし
て、ソレノイドバルブ154を閉弁する(3-6)(第23図A,
B参照)。
その後、電磁ブレーキ123を解放すると共に主モータ50
を240°逆回転させ(3-9)、主軸51を緯入れミスの生じ
た前のサイクルの300°(織機始動位置)に合わせ(3-1
0)、主モータ50への給電を停止すると共に電磁ブレー
キ123を励磁して主モータ50を完全に停止させる(3-1
1)。
次に、ソレノイドバルブ154を開弁した後(3-12)、補
助モータ73を回転させて緯糸21をドラム43に貯留し始め
る(3-13)。クラッチ片61の回転角度が300°を過ぎた
ところでは近接スイッチ400がONになる(3-14)。近接
スイッチ400がONになってから所定時間経過後、ソレノ
イドバルブ65を閉弁する(3-15)。この閉弁によりエア
ーアクチュエータ64のシフタ63が第2図で左方向に移動
しワンポジションクラッチ58を嵌合可能な状態とする。
しかしワンポジションクラッチ58は前述したように300
°でしか嵌合しないようになっており、上述のようにク
ラッチ片61は300°を過ぎているのでワンポジションク
ラッチ58はまだ嵌合しない。従って補助モータ73はクラ
ッチ片61をクラッチ片59に摺動させながらさらに回転す
る。そして次の300°で突部59Aが凹部61Aに突入し、す
ると、補助モータ73は主軸51側の機械的負荷により強制
的に停止させられる。この直後に電磁クラッチ71をOFF
して解放状態にすると共に補助モータ73への給電を停止
する(3-16)。この段階でクラッチ片61の回転トルクが
消失しクラッチ片59がさらに左方向へ移動して突部59A
と凹部61Aとが完全に嵌合し、リミットスイッチ124がON
になる。
一方、係止体48,49はドラム43に所定のタイミングで係
入及び退出しており、係止体49が退出したときに緯糸21
は牽引パイプ26からの噴射気流Jにより主ノズル25より
引出されると共に、導入パイプ152の中へ吸入されて緊
張状態で待機している。
リミットスイッチ124がONになると(3-17)ソレノイド
バルブ301を開弁し(3-18)、上記緊張状態における緯
糸21をカッタ300によって切断する(第24図A,B参照)。
すると、ミス糸Mは糸くず受122にすてられる。
その後、第19図に示すようにソレノイドバルブ154,301
を閉弁して(4-1)緯入れ態勢を整える(第25図A,B参
照)。そしてカットミス装置10の電磁アクチュエータ23
4をOFFして(4-2)、阻止片230を駆動レバー222の揺動
範囲から外し、カッタ28による鋏切り運動が可能な状態
とする。そしてソレノイドバルブ36,100,104を開弁し
(4-3)、電磁ブレーキ123を解放し(4-4)、緯入れミ
スフラッグをリセットすることにより一連の始動準備を
整えた後、この制御装置129は第16図におけるステップ
(1-5)に進み、電磁ブレーキ123を解放すると共に、主
モータ50の電源回路の閉結を行なわせて主モータを起動
させることにより織機を自動的に再始動させる。
しかしながら、第18図のステップ(3-5)において、ミ
ス糸判別信号164がONであるとき、つまりミス糸牽引中
にミス糸切れが発生したときは、ソレノイドバルブ154
を閉弁した後、異常ランプ128を点灯して、第16図のス
テップ(1-1)にて織機を待機させる。従って、ミス糸
除去後の一連の再始動制御(第18図の3-9〜3-18,第19図
の4-1〜4-5)及び主モータ50の電源回路閉結(第16図ス
テップ1-5)が禁止されることとなる。
また、第17図のステップ(2-10)で緯糸判別信号164Aが
ONであるとき、つまり緯糸切れが発生したときは、ソレ
ノイドバルブ154を閉弁した後(2-15)、異常ランプ128
を点灯(2-16)して、第16図のステップ(1-1)にて織
機を待機させる。
以上説明した実施例では、ミス糸Mをを緯入れ側に設け
た牽引装置24で牽引して織前より除去したが、ミス糸M
を織前C1に露出させた状態でこれに連なる緯糸21を反緯
入れ側端まで射出し、この射出された緯糸21を反緯入れ
側に設けたに牽引装置113で牽引して当該緯糸21に連な
るミス糸Mを織前C1より除去するようにしてもよい。こ
の場合は、当該牽引の際、ミス糸Mと経糸列との係合部
での摩擦抵抗が累加されることなくミス糸Mにかかる張
力はより小さなものとなる。よって、牽引されるミス糸
Mは切れにくくなる。
第16図のフローチャートにおいて制御装置129が経糸切
れを検知した場合(1-7)、異常ランプ128を点灯して
(1-11)主軸51の停止角度を300°に設定し(1-12)、
また停止スイッチ132のON操作を検知した場合(1-8)、
上記同様主軸51の停止角度を300°に設定する(1-1
2)。そして、その後、第17図のステップ2-1,2-2,2-3の
処理を経て第16図におけるステップ1-1にて待機する。
なお、前記ミス糸Mの切断を中止するために、カッタ28
の開口220への緯糸21の進出を阻止するようにしたり、
可動刃216Aの圧接を解いて切断不能にしても良い。
また、緯糸測長貯留装置23は係止体48,49の間に緯入れ
1回分を貯留する型式の他、緯入れ1回分以上ドラムに
巻かれている緯糸21を係止体48,49のドラム43への出入
りにより緯入れ1回分の緯入れ長に規制するようにした
型式でもよい。
さらに、牽引装置24は空気流の他、ミス糸Mをローラ等
に巻取るものでも良い。
[効果] 以上説明したように、本発明は織前に露出したミス糸を
牽引して除去した後、この除去されたミス糸が緯入れし
た緯糸の長さに達しなかったことを判別することによ
り、織前よりミス糸が完全に除去されたかどうかを間接
的に確認している。そして、織前より完全に除去されて
いる場合のみ織機を自動的に再始動されている。一方、
ミス糸切れにより織前にミス糸が残っているときは織機
は再始動させないようにしている。従って、本発明によ
れば上記ミス糸をそのままにして織布を製織することが
ないので、重大な不具合である織疵を生じることがな
く、品質の良い織布を製織することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る織糸除去装置のブロック図、第2
図は本発明を実施する空気噴射式織機の構成を示す図、
第3図〜第14図は第2図に示す空気噴射式織機の各部詳
細図、第15図は主軸回転角度に基づく各部のタイミング
チャート、第16図〜第19図は制御装置のフローチャー
ト、第20図〜第25図は第2図に示す空気噴射式織機の緯
入れミス発生時におけるミス糸除去過程を示す図、第26
図は従来の緯糸除去装置を実施する空気噴射式織機の構
成を示す図、第27図及び第28図は第26図に示す空気噴射
式織機の緯入れミス発生時におけるミス糸除去過程を示
す図である。 13…緯入れミス信号、14…停止制御手段 15…牽引手段、18…再始動制御手段 17…ミス糸判別装置、18…禁止手段 19…緯糸除去装置、M…ミス糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若井 真二 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−228047(JP,A) 特開 昭62−231054(JP,A) 特開 昭62−206058(JP,A) 特開 昭62−170556(JP,A) 実開 昭62−41083(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】緯入ミス信号(13)を受けたとき、当該ミ
    ス糸(M)が筬打ちされた後これを緯入側に配された流
    体噴射ノズルに連ねたまま、かつミス糸(M)を織前に
    露出させた状態で当該織機を停止状態とする停止制御手
    段(14)と、 露出したミス糸(M)を牽引して織前から除去する牽引
    手段(15)と、 上記ミス糸(M)の除去後上記停止制御手段(14)によ
    る停止状態を解除して、織機を再始動させる再始動制御
    を行なう再始動制御手段(16)とを備える流体噴射式織
    機における緯糸除去装置において、 当該除去されたミス糸(M)の長さが所定値に達しなか
    ったことを判別するミス糸判別装置(17)を設けると共
    に、 該判定結果に基いて前記再始動制御手段による再始動を
    禁止する禁止手段(18)を設けた流体噴射式織機の緯糸
    除去装置(19)。
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JP2638798B2 (ja) * 1987-03-20 1997-08-06 株式会社豊田自動織機製作所 無杼織機における緯糸処理装置
JP2643145B2 (ja) * 1987-04-24 1997-08-20 株式会社豊田自動織機製作所 無杼織機における緯糸処理方法

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