JPH07100477A - 脂質含有廃水の生物学的処理装置 - Google Patents
脂質含有廃水の生物学的処理装置Info
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- JPH07100477A JPH07100477A JP26989893A JP26989893A JPH07100477A JP H07100477 A JPH07100477 A JP H07100477A JP 26989893 A JP26989893 A JP 26989893A JP 26989893 A JP26989893 A JP 26989893A JP H07100477 A JPH07100477 A JP H07100477A
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- C02F3/34—Biological treatment of water, waste water, or sewage characterised by the microorganisms used
- C02F3/343—Biological treatment of water, waste water, or sewage characterised by the microorganisms used for digestion of grease, fat, oil
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 脂質含有廃水の導入手段１８と、脂質資化性
の糸状性酵母を固定化した担体からなる生物学的処理手
段２０と、処理水の排出手段２６とを有することを特徴
とする脂質含有廃水の生物学的処理装置。また、前記担
体が、前記脂質資化性の糸状性酵母が容易に絡みつくよ
うなひも状、モール状、マット状、シート状、繊維状、
スポンジ状又は膜状であることを特徴とする前記処理装
置。また、前記生物学的処理手段の洗浄手段２２を備え
ることを特徴とする前記処理装置。また、廃水を曝気す
る曝気手段１４を備えることを特徴とする前記処理装
置。 【効果】 脂質含有廃水を直接処理することができ、有
害物質を生ずることなく、脂質（ｎ−ヘキサン抽出物
質）を３０ｍｇ／ｌ以下の濃度にまで効率よく処理する
ことが可能で、しかも、維持管理が容易である。
の糸状性酵母を固定化した担体からなる生物学的処理手
段２０と、処理水の排出手段２６とを有することを特徴
とする脂質含有廃水の生物学的処理装置。また、前記担
体が、前記脂質資化性の糸状性酵母が容易に絡みつくよ
うなひも状、モール状、マット状、シート状、繊維状、
スポンジ状又は膜状であることを特徴とする前記処理装
置。また、前記生物学的処理手段の洗浄手段２２を備え
ることを特徴とする前記処理装置。また、廃水を曝気す
る曝気手段１４を備えることを特徴とする前記処理装
置。 【効果】 脂質含有廃水を直接処理することができ、有
害物質を生ずることなく、脂質（ｎ−ヘキサン抽出物
質）を３０ｍｇ／ｌ以下の濃度にまで効率よく処理する
ことが可能で、しかも、維持管理が容易である。
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は脂質含有廃水の生物学的
処理装置、特に脂質資化性の糸状性酵母を用いた処理装
置に関する。
処理装置、特に脂質資化性の糸状性酵母を用いた処理装
置に関する。
【０００２】
【従来の技術】廃水処理の問題は近年その重要性を増し
ている。特にホテルやレストランの厨房廃水等の脂質含
有量の多い廃水は、そのまま下水放流することはでき
ず、脂質をｎ−ヘキサン抽出物質濃度として３０ｍｇ／
ｌ以下に低減することが義務づけられている。従来から
このような脂質含有廃水の処理方法としては、グリース
トラップや、油脂分離槽あるいは加圧浮上装置等の物理
化学的前処理で油分を除去した後、下水道放流したり、
生物学的処理を施して放流したりしてきた。
ている。特にホテルやレストランの厨房廃水等の脂質含
有量の多い廃水は、そのまま下水放流することはでき
ず、脂質をｎ−ヘキサン抽出物質濃度として３０ｍｇ／
ｌ以下に低減することが義務づけられている。従来から
このような脂質含有廃水の処理方法としては、グリース
トラップや、油脂分離槽あるいは加圧浮上装置等の物理
化学的前処理で油分を除去した後、下水道放流したり、
生物学的処理を施して放流したりしてきた。
【０００３】しかしながら、このような物理学的前処理
はその設備に大きな設置面積を要したり、物理化学的前
処理施設の建設費、廃油の処分費が大きく嵩むという問
題があった。また、分離した脂質は焼却、投棄、埋立な
どにより最終的に処分する必要があるが、焼却処分では
大気汚染等の問題が、また、投棄、埋立にしてもその処
分場が不足するなど、分離除去した脂質の処理が困難に
なっているのが実情である。
はその設備に大きな設置面積を要したり、物理化学的前
処理施設の建設費、廃油の処分費が大きく嵩むという問
題があった。また、分離した脂質は焼却、投棄、埋立な
どにより最終的に処分する必要があるが、焼却処分では
大気汚染等の問題が、また、投棄、埋立にしてもその処
分場が不足するなど、分離除去した脂質の処理が困難に
なっているのが実情である。
【０００４】従って、脂質を分離することなく、クリー
ンに処理する方法が望まれてきた。脂質含有廃水を微生
物により浄化する方法は、大気汚染物質や、その他の有
害物質を生ずることなく脂質を直接、クリーンに処理で
きる方法としてその応用が期待されている。
ンに処理する方法が望まれてきた。脂質含有廃水を微生
物により浄化する方法は、大気汚染物質や、その他の有
害物質を生ずることなく脂質を直接、クリーンに処理で
きる方法としてその応用が期待されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、活性汚
泥法による処理では脂質資化能力がなかったり、新たな
装置設備を必要とするなど、満足なものは得られていな
いのが現状であった。また、脂質資化性能を有する酵母
は球状に成長する種も存在するが、処理槽内で浮遊して
流出しやすく、流出しないように従来のアルギン酸ナト
リウムやカラギーナン等による固定法では処理能力が著
しく低下するという問題点があった。
泥法による処理では脂質資化能力がなかったり、新たな
装置設備を必要とするなど、満足なものは得られていな
いのが現状であった。また、脂質資化性能を有する酵母
は球状に成長する種も存在するが、処理槽内で浮遊して
流出しやすく、流出しないように従来のアルギン酸ナト
リウムやカラギーナン等による固定法では処理能力が著
しく低下するという問題点があった。
【０００６】本発明は、前記従来技術の課題に鑑み成さ
れたものであり、その目的は十分な脂質処理能力を有
し、且つ、維持管理も容易な脂質含有廃水の生物学的処
理装置を提供することである。
れたものであり、その目的は十分な脂質処理能力を有
し、且つ、維持管理も容易な脂質含有廃水の生物学的処
理装置を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明に係る脂質含有廃水の生物学的処理装置は次の
様に達成される。すなわち、本発明の請求項１記載の脂
質含有廃水の生物学的処理装置は、脂質含有廃水の導入
手段と、脂質資化性の糸状性酵母を固定化した担体から
なる生物学的処理手段と、前記生物学的処理手段で処理
された処理水の排出手段とを有することを特徴とする。
に本発明に係る脂質含有廃水の生物学的処理装置は次の
様に達成される。すなわち、本発明の請求項１記載の脂
質含有廃水の生物学的処理装置は、脂質含有廃水の導入
手段と、脂質資化性の糸状性酵母を固定化した担体から
なる生物学的処理手段と、前記生物学的処理手段で処理
された処理水の排出手段とを有することを特徴とする。
【０００８】そして本発明の請求項２記載の生物学的処
理装置は、請求項１記載の処理装置において、前記生物
学的処理手段に用いられる担体が、前記脂質資化性の糸
状性酵母が容易に絡みつくようなひも状、モール状、マ
ット状、シート状、繊維状、スポンジ状又は膜状である
ことを特徴とする。
理装置は、請求項１記載の処理装置において、前記生物
学的処理手段に用いられる担体が、前記脂質資化性の糸
状性酵母が容易に絡みつくようなひも状、モール状、マ
ット状、シート状、繊維状、スポンジ状又は膜状である
ことを特徴とする。
【０００９】請求項３記載の生物学的処理装置は、請求
項１又は２記載の処理装置において、前記生物学的処理
手段を逆洗する洗浄手段を備えることを特徴とする。請
求項４記載の生物学的処理装置は、請求項１〜３記載の
処理装置において、脂質含有廃水を曝気する曝気手段を
備えることを特徴とする。
項１又は２記載の処理装置において、前記生物学的処理
手段を逆洗する洗浄手段を備えることを特徴とする。請
求項４記載の生物学的処理装置は、請求項１〜３記載の
処理装置において、脂質含有廃水を曝気する曝気手段を
備えることを特徴とする。
【００１０】請求項５記載の生物学的処理装置は、請求
項１〜４記載の処理装置において、処理槽に隣接して設
けた導入部内の下方に前記曝気手段を備え、前記導入部
内で前記曝気手段の上方に設けられた前記導入手段と、
前記処理槽内に設けられた前記生物学的処理手段と、前
記生物学的処理手段の下方に設けられた前記洗浄手段
と、前記処理槽上部に設けられた前記排出手段と、を有
し、前記導入部の下方は処理槽下部と接続し、一方、上
方は前記導入部から処理槽上部へ流入可能であるように
接続していることを特徴とする。
項１〜４記載の処理装置において、処理槽に隣接して設
けた導入部内の下方に前記曝気手段を備え、前記導入部
内で前記曝気手段の上方に設けられた前記導入手段と、
前記処理槽内に設けられた前記生物学的処理手段と、前
記生物学的処理手段の下方に設けられた前記洗浄手段
と、前記処理槽上部に設けられた前記排出手段と、を有
し、前記導入部の下方は処理槽下部と接続し、一方、上
方は前記導入部から処理槽上部へ流入可能であるように
接続していることを特徴とする。
【００１１】請求項６記載の生物学的処理装置は、請求
項１〜５記載の処理装置において、用いられる脂質資化
性の糸状性酵母がキャンディダ・シャタヴィＮ４株（FE
RM P-12768）、キャンディダ・フルヴィアティリスＮ６
株（FERM P-12770）、キャンディダ・ヴィスワナティＮ
８株（FERM P-12772）、キャンディダ・シュウドラムビ
カＮ９株（FERM P-12773）およびキャンディダ・ヘレニ
カＮ１０株（FERM P-12774）よりなる群から選ばれた少
なくとも１種の脂質資化性の糸状性酵母であることを特
徴とする。
項１〜５記載の処理装置において、用いられる脂質資化
性の糸状性酵母がキャンディダ・シャタヴィＮ４株（FE
RM P-12768）、キャンディダ・フルヴィアティリスＮ６
株（FERM P-12770）、キャンディダ・ヴィスワナティＮ
８株（FERM P-12772）、キャンディダ・シュウドラムビ
カＮ９株（FERM P-12773）およびキャンディダ・ヘレニ
カＮ１０株（FERM P-12774）よりなる群から選ばれた少
なくとも１種の脂質資化性の糸状性酵母であることを特
徴とする。
【００１２】さらに、本発明の請求項７記載の生物学的
処理装置は、請求項１〜６記載の処理装置において、脂
質含有廃水を容積負荷０．２〜５．０ｋｇ ｎ−ヘキサ
ン抽出物質／ｍ3・日、酵母負荷０．０５〜５．０ｋｇ
ｎ−ヘキサン抽出物質／ｋｇ酵母・日の特定条件下で処
理することを特徴とする。
処理装置は、請求項１〜６記載の処理装置において、脂
質含有廃水を容積負荷０．２〜５．０ｋｇ ｎ−ヘキサ
ン抽出物質／ｍ3・日、酵母負荷０．０５〜５．０ｋｇ
ｎ−ヘキサン抽出物質／ｋｇ酵母・日の特定条件下で処
理することを特徴とする。
【００１３】
【作用】本発明に係る脂質含有廃水の生物学的処理装置
は前記した手段を有しているので、次の様な作用を有す
る。すなわち、本発明の生物学的処理手段として用いら
れる脂質資化性の糸状性酵母は、脂質を加水分解するリ
パーゼの産生能が高く、脂質の加水分解で生じた脂肪酸
を資化する能力にも優れているので、担体に固定してお
けば水量変動や負荷変動に影響されることが少なく、安
定した生物学的処理を行うことができる。また、該酵母
は菌糸により成長して糸状体になるので、ひも状、モー
ル状、マット状、シート状、繊維状、スポンジ状又は膜
状等の該酵母が絡みやすい担体を用いて該酵母を絡ませ
ることにより、容易に担体に固定化することができる。
従って、水量変動が大きくても生物学的処理に必要な酵
母が容易に流出することがない。
は前記した手段を有しているので、次の様な作用を有す
る。すなわち、本発明の生物学的処理手段として用いら
れる脂質資化性の糸状性酵母は、脂質を加水分解するリ
パーゼの産生能が高く、脂質の加水分解で生じた脂肪酸
を資化する能力にも優れているので、担体に固定してお
けば水量変動や負荷変動に影響されることが少なく、安
定した生物学的処理を行うことができる。また、該酵母
は菌糸により成長して糸状体になるので、ひも状、モー
ル状、マット状、シート状、繊維状、スポンジ状又は膜
状等の該酵母が絡みやすい担体を用いて該酵母を絡ませ
ることにより、容易に担体に固定化することができる。
従って、水量変動が大きくても生物学的処理に必要な酵
母が容易に流出することがない。
【００１４】処理槽内に導入された脂質含有廃水は、脂
質資化性の糸状性酵母を固定化した担体からなる生物学
的処理手段を通過する間に該酵母によって廃水中の脂質
が資化される。そして、前記生物学的処理手段によって
処理された処理水は排水手段により処理槽外に排出され
る。
質資化性の糸状性酵母を固定化した担体からなる生物学
的処理手段を通過する間に該酵母によって廃水中の脂質
が資化される。そして、前記生物学的処理手段によって
処理された処理水は排水手段により処理槽外に排出され
る。
【００１５】本発明の処理装置において生物学的処理を
継続して行っていると、脂質資化性の糸状性酵母が増殖
して過剰な状態になることがあり、酸素欠乏状態になる
ため処理効率が低下したり、酵母を固定化した担体等の
目詰りの原因となって排水や空気の拡散の妨げとなるこ
とがある。この様な場合に備えて、生物学的処理手段を
逆洗する洗浄手段を備えることが好ましい。該洗浄手段
により定期的あるいは不定期に生物学的処理手段を逆洗
すれば、過剰に増殖した酵母を担体から剥離させ処理水
とともに排出することができ、生物学的処理に適当な酵
母濃度を容易に維持することができる。
継続して行っていると、脂質資化性の糸状性酵母が増殖
して過剰な状態になることがあり、酸素欠乏状態になる
ため処理効率が低下したり、酵母を固定化した担体等の
目詰りの原因となって排水や空気の拡散の妨げとなるこ
とがある。この様な場合に備えて、生物学的処理手段を
逆洗する洗浄手段を備えることが好ましい。該洗浄手段
により定期的あるいは不定期に生物学的処理手段を逆洗
すれば、過剰に増殖した酵母を担体から剥離させ処理水
とともに排出することができ、生物学的処理に適当な酵
母濃度を容易に維持することができる。
【００１６】また、本発明の処理装置において、脂質含
有廃水を曝気する曝気手段を設置して脂質含有廃水を十
分な空気と混合すれば、生物学的処理手段における資化
反応を効率的に進行させることができる。
有廃水を曝気する曝気手段を設置して脂質含有廃水を十
分な空気と混合すれば、生物学的処理手段における資化
反応を効率的に進行させることができる。
【００１７】また、本発明に係る脂質含有廃水の生物学
的処理装置は、安定して効率よく処理を行うために、脂
質含有廃水を容積負荷０．２〜５．０ｋｇ ｎ−ヘキサ
ン抽出物質／ｍ3・日、酵母負荷０．０５〜５．０ｋｇ
ｎ−ヘキサン抽出物質／ｋｇ酵母・日の特定条件下で処
理することが望ましい。本発明の生物学的処理装置によ
れば、脂質濃度（ｎ−ヘキサン抽出物濃度）を３０ｍｇ
／ｌ以下に低減することができる。
的処理装置は、安定して効率よく処理を行うために、脂
質含有廃水を容積負荷０．２〜５．０ｋｇ ｎ−ヘキサ
ン抽出物質／ｍ3・日、酵母負荷０．０５〜５．０ｋｇ
ｎ−ヘキサン抽出物質／ｋｇ酵母・日の特定条件下で処
理することが望ましい。本発明の生物学的処理装置によ
れば、脂質濃度（ｎ−ヘキサン抽出物濃度）を３０ｍｇ
／ｌ以下に低減することができる。
【００１８】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の好適な実施例に
ついて説明する。尚、図面は本実施例の処理装置の基本
的構造を示しているに過ぎず、本発明の技術的思想を有
するものであれば形状の相違や他の付属物等があっても
問題ではない。
ついて説明する。尚、図面は本実施例の処理装置の基本
的構造を示しているに過ぎず、本発明の技術的思想を有
するものであれば形状の相違や他の付属物等があっても
問題ではない。
【００１９】実施例１（図１） 図１に示す装置は本発明に係る脂質含有廃水の生物学的
処理装置の一実施例である。本実施例においては、脂質
含有廃水を空気と混合して処理槽１０に導入する導入部
１２が設けられ、導入部１２の下方は処理槽１０下部と
接続されており、一方、導入部１２の上方は処理槽１０
上部へ流入可能なように接続されている。脂質含有廃水
は生物学的処理手段を通過する前に一旦導入部１２で空
気と混合される。これは、生物学的処理手段で効率的に
反応を進行させるためである。従って、前記導入部１２
内の下方には廃水を空気と混合し処理槽１０へ移行させ
るために曝気手段である曝気用空気噴射管１４を設けて
いる。尚、前記曝気用空気噴射管１４は曝気用ブロアー
１６と接続されている。前記曝気用空気噴射管１４の上
方には脂質含有廃水の導入手段として廃水注入部１８が
設けられている。
処理装置の一実施例である。本実施例においては、脂質
含有廃水を空気と混合して処理槽１０に導入する導入部
１２が設けられ、導入部１２の下方は処理槽１０下部と
接続されており、一方、導入部１２の上方は処理槽１０
上部へ流入可能なように接続されている。脂質含有廃水
は生物学的処理手段を通過する前に一旦導入部１２で空
気と混合される。これは、生物学的処理手段で効率的に
反応を進行させるためである。従って、前記導入部１２
内の下方には廃水を空気と混合し処理槽１０へ移行させ
るために曝気手段である曝気用空気噴射管１４を設けて
いる。尚、前記曝気用空気噴射管１４は曝気用ブロアー
１６と接続されている。前記曝気用空気噴射管１４の上
方には脂質含有廃水の導入手段として廃水注入部１８が
設けられている。
【００２０】処理槽１０内には生物学的処理手段である
反応槽２０と、前記生物学的処理手段を逆洗する洗浄手
段である洗浄用空気噴射管２２が設けられ、処理槽１０
上部には前記生物学的手段によって処理された処理水を
系外に排出するための排出手段である処理水排出部２６
を有している。尚、前記洗浄用空気噴射管２２は洗浄用
ブロアー２４と接続されている。
反応槽２０と、前記生物学的処理手段を逆洗する洗浄手
段である洗浄用空気噴射管２２が設けられ、処理槽１０
上部には前記生物学的手段によって処理された処理水を
系外に排出するための排出手段である処理水排出部２６
を有している。尚、前記洗浄用空気噴射管２２は洗浄用
ブロアー２４と接続されている。
【００２１】生物学的処理手段である反応槽２０内には
脂質資化性の糸状性酵母を固定化した担体が充填されて
いる。本発明において用いられる脂質資化性の糸状性酵
母は、本発明の効果を十分発揮するものであれば特に限
定されないが、好ましい脂質資化性の糸状性酵母として
は、キャンディダ・シャタヴィＮ４株（FERM P-1276
8）、キャンディダ・フルヴィアティリスＮ６株（FERM
P-12770）、キャンディダ・ヴィスワナティＮ８株（FER
M P-12772）、キャンディダ・シュウドラムビカＮ９株
（FERM P-12773）およびキャンディダ・ヘレニカＮ１０
株（FERM P-12774）が挙げられる。
脂質資化性の糸状性酵母を固定化した担体が充填されて
いる。本発明において用いられる脂質資化性の糸状性酵
母は、本発明の効果を十分発揮するものであれば特に限
定されないが、好ましい脂質資化性の糸状性酵母として
は、キャンディダ・シャタヴィＮ４株（FERM P-1276
8）、キャンディダ・フルヴィアティリスＮ６株（FERM
P-12770）、キャンディダ・ヴィスワナティＮ８株（FER
M P-12772）、キャンディダ・シュウドラムビカＮ９株
（FERM P-12773）およびキャンディダ・ヘレニカＮ１０
株（FERM P-12774）が挙げられる。
【００２２】前記脂質資化性の糸状性酵母を固定化する
担体としては、活性アルミナ等の無機物やレーヨン、ポ
リエステル、ナイロン等の合成繊維、セルローススポン
ジ等、油脂吸着性がある素材が好ましく、その形状は粉
末状や球状なども考えられるが、特に好ましくはひも
状、モール状、マット状、シート状、繊維状、スポンジ
状又は膜状等の該酵母の菌糸が絡まりやすい形状であ
る。例えば下記表１に示すような担体が挙げられる。
尚、該酵母を固定化した担体は処理室内でいたずらに絡
まったり、重なったりしないように、担体固定用支柱２
８のような支柱や格子等を設けるなどして処理室内で脂
質含有廃水が効率的に該担体に接触し、生物学的処理が
速やかに行われるように設置すればよい。
担体としては、活性アルミナ等の無機物やレーヨン、ポ
リエステル、ナイロン等の合成繊維、セルローススポン
ジ等、油脂吸着性がある素材が好ましく、その形状は粉
末状や球状なども考えられるが、特に好ましくはひも
状、モール状、マット状、シート状、繊維状、スポンジ
状又は膜状等の該酵母の菌糸が絡まりやすい形状であ
る。例えば下記表１に示すような担体が挙げられる。
尚、該酵母を固定化した担体は処理室内でいたずらに絡
まったり、重なったりしないように、担体固定用支柱２
８のような支柱や格子等を設けるなどして処理室内で脂
質含有廃水が効率的に該担体に接触し、生物学的処理が
速やかに行われるように設置すればよい。
【００２３】
【表１】 ──────────────────────────────────── 担体名 材質・形状 ──────────────────────────────────── 油膜とり レーヨン３０％、ポリエステル７０％ （ＡＧ製） シート状 ──────────────────────────────────── あかすりハンディ レーヨン１００％ （アイセン工業(株)製） 膜状 ──────────────────────────────────── スポンジゴム ノーソレックスゴムの発泡シート （東京防音製） シート状 ──────────────────────────────────── ウエットスーツ地 発泡ゴム＋ナイロン１００％ （ブリジストン製） シート状 ──────────────────────────────────── セルローススポンジ 植物繊維素セルロース発泡体 （東京理化器械(株)製） 立方体、Ｌ５ｍｍ ──────────────────────────────────── サランロック 動植物性繊維および合成繊維 （(株)極水プランニング製） マット状 ──────────────────────────────────── バイオループ 塩化ビニリデン繊維 （コニシ(株)製） モール状 ──────────────────────────────────── リングレース 塩化ビニリデン繊維 （日本産業機械製） ひも状 ──────────────────────────────────── バイオモール 塩化ビニリデン繊維 （東洋テルミー(株)製） モール状 ────────────────────────────────────
【００２４】本発明で用いる洗浄手段は、生物学的処理
手段を逆洗する効果が得られるものであれば特に限定さ
れないが、例えば本実施例の様な洗浄用空気噴射管２２
が用いられる。
手段を逆洗する効果が得られるものであれば特に限定さ
れないが、例えば本実施例の様な洗浄用空気噴射管２２
が用いられる。
【００２５】本実施例の処理装置において、脂質含有廃
水はまず廃水注入部１８から一旦導入部１２に導入さ
れ、曝気用空気噴射管１４から噴射される空気によって
曝気された後、処理槽１０内に導入される。このように
導入部を設けて廃水を十分な空気と混合すれば、次の生
物学的処理手段で効率的に反応が進行させることができ
る。尚、廃水を十分に曝気するために、曝気用空気噴射
管１４は導入部１２の下方に設置し、廃水注入部１８は
前記曝気用空気噴射管の上方に近接して設置することが
好ましい。また、廃水注入部１８を導入部１２内の下方
に設置することで廃水の短絡的越流を防ぐことができ
る。
水はまず廃水注入部１８から一旦導入部１２に導入さ
れ、曝気用空気噴射管１４から噴射される空気によって
曝気された後、処理槽１０内に導入される。このように
導入部を設けて廃水を十分な空気と混合すれば、次の生
物学的処理手段で効率的に反応が進行させることができ
る。尚、廃水を十分に曝気するために、曝気用空気噴射
管１４は導入部１２の下方に設置し、廃水注入部１８は
前記曝気用空気噴射管の上方に近接して設置することが
好ましい。また、廃水注入部１８を導入部１２内の下方
に設置することで廃水の短絡的越流を防ぐことができ
る。
【００２６】曝気された廃水は導入部１２の上方から処
理槽１０内に流入し、脂質資化性の糸状性酵母を固定化
した担体からなる反応槽２０を通過する。このとき、脂
質含有廃水中の脂質は反応槽２０内の担体に固定化され
た脂質資化性の糸状性酵母によって資化される。そし
て、反応槽２０で処理された処理水は曝気用空気噴射管
１４から噴射される空気によって起こる旋回流によって
処理槽１０下部から導入部１２下方に流れ、さらに、導
入部１２上方から再び処理槽１０内へと循環する。その
間に、処理水が処理水排出部２６から処理槽１０外に排
出される。排出された処理水はそのまま下水道に放流さ
れるか、あるいは新たな生物学的処理等によりさらに残
存有機物が分解された後放流される。
理槽１０内に流入し、脂質資化性の糸状性酵母を固定化
した担体からなる反応槽２０を通過する。このとき、脂
質含有廃水中の脂質は反応槽２０内の担体に固定化され
た脂質資化性の糸状性酵母によって資化される。そし
て、反応槽２０で処理された処理水は曝気用空気噴射管
１４から噴射される空気によって起こる旋回流によって
処理槽１０下部から導入部１２下方に流れ、さらに、導
入部１２上方から再び処理槽１０内へと循環する。その
間に、処理水が処理水排出部２６から処理槽１０外に排
出される。排出された処理水はそのまま下水道に放流さ
れるか、あるいは新たな生物学的処理等によりさらに残
存有機物が分解された後放流される。
【００２７】前記の様に一度反応槽２０を通過した処理
水が循環することによって、廃水中の脂質を極めて低濃
度に低減することができる。尚、循環は曝気用空気噴射
管１４から噴射される空気による旋回流によって強制的
に行われる。本発明の処理装置において生物学的処理を
継続して行っていると、反応槽２０内の糸状性酵母が増
殖して過剰な状態になることがあり、処理効率が低下し
たり、該酵母を固定化した担体の目詰りの原因となる。
水が循環することによって、廃水中の脂質を極めて低濃
度に低減することができる。尚、循環は曝気用空気噴射
管１４から噴射される空気による旋回流によって強制的
に行われる。本発明の処理装置において生物学的処理を
継続して行っていると、反応槽２０内の糸状性酵母が増
殖して過剰な状態になることがあり、処理効率が低下し
たり、該酵母を固定化した担体の目詰りの原因となる。
【００２８】この様な場合、洗浄用空気噴射管２２から
空気を噴出させれば、反応槽２０内を下方から上方に空
気が通過し、反応槽２０内の過剰に増殖した酵母が逆洗
される。そして、過剰に増殖した酵母は担体から剥離
し、剥離した過剰酵母は処理水と共に流れ、やがて処理
水排水部２６から排出される。同時に固定化担体の目詰
りも解消される。このように、本発明の処理装置は洗浄
手段を有しているので、定期的あるいは不定期に逆洗を
行うことにより、生物学的処理に適当な酵母濃度を容易
に維持することができ、また、安定で効率的な運転を行
うことができる。
空気を噴出させれば、反応槽２０内を下方から上方に空
気が通過し、反応槽２０内の過剰に増殖した酵母が逆洗
される。そして、過剰に増殖した酵母は担体から剥離
し、剥離した過剰酵母は処理水と共に流れ、やがて処理
水排水部２６から排出される。同時に固定化担体の目詰
りも解消される。このように、本発明の処理装置は洗浄
手段を有しているので、定期的あるいは不定期に逆洗を
行うことにより、生物学的処理に適当な酵母濃度を容易
に維持することができ、また、安定で効率的な運転を行
うことができる。
【００２９】図１の装置を食堂廃水に適用した時の運転
条件及び処理結果を表２に示した。
条件及び処理結果を表２に示した。
【表２】 ──────────────────────────────────── 〈運転条件〉 ──────────────────────────────────── 酵母：キャンディダ・シャタヴィＮ４株 キャンディダ・シュウドラムビカＮ９株 固定化担体：バイオループ 処理室容積：１００ｌ 容積負荷：０．２〜１．０ｋｇ ｎ−ヘキサン抽出物質／ｍ3・日 酵母負荷：０．２〜０．５ｋｇ ｎ−ヘキサン抽出物質／ｋｇ酵母・日 洗浄手段による逆洗：４時間に１回 ──────────────────────────────────── 〈処理結果〉 ──────────────────────────────────── ｎ−ヘキサン抽出物質（脂質）濃度 流入水（脂質含有廃水） ３００〜７００ｍｇ／ｌ 処理水 ５ｍｇ／ｌ未満 ────────────────────────────────────
【００３０】実施例２ 前記実施例１の処理装置をホテルの厨房廃水に適用し
た。その時の運転条件及び処理結果を表３に示す。
た。その時の運転条件及び処理結果を表３に示す。
【表３】 ──────────────────────────────────── 〈運転条件〉 ──────────────────────────────────── 酵母：キャンディダ・フルヴィアティリスＮ６株 キャンディダ・ヴィスワナティＮ８株 キャンディダ・ヘレニカＮ１０株 固定化担体：サランロック 処理室容積：１００ｌ 容積負荷：０．６〜１．５ｋｇ ｎ−ヘキサン抽出物質／ｍ3・日 酵母負荷：１．２〜１．５ｋｇ ｎ−ヘキサン抽出物質／ｋｇ酵母・日 曝気装置による逆洗：４時間に１回 ──────────────────────────────────── 〈処理結果〉 ──────────────────────────────────── ｎ−ヘキサン抽出物質（脂質）濃度 流入水（脂質含有廃水） １２０〜１３５０ｍｇ／ｌ 処理水 １０ｍｇ／ｌ未満 ────────────────────────────────────
【００３１】
【発明の効果】本発明に係る脂質含有廃水の生物学的処
理装置は、脂質含有廃水中の脂質を物理的に分離する必
要がなく、直接処理することができる。また、有害物質
を生ずることなく、脂質（ｎ−ヘキサン抽出物質）を３
０ｍｇ／ｌ以下の濃度にまで効率よく処理することが可
能で、しかも、維持管理が容易であるという特徴を有す
る。
理装置は、脂質含有廃水中の脂質を物理的に分離する必
要がなく、直接処理することができる。また、有害物質
を生ずることなく、脂質（ｎ−ヘキサン抽出物質）を３
０ｍｇ／ｌ以下の濃度にまで効率よく処理することが可
能で、しかも、維持管理が容易であるという特徴を有す
る。
【図１】本発明に係る脂質含有廃水の生物学的処理装置
の一実施例である。
の一実施例である。
１０ 処理槽 １２ 導入部 １４ 曝気用空気噴射管 １６ 曝気用ブロアー １８ 廃水注入部 ２０ 反応槽 ２２ 洗浄用空気噴射管 ２４ 洗浄用ブロアー ２６ 処理水排出部 ２８ 担体固定用支柱
【手続補正書】
【提出日】平成５年１１月１０日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】００２３
【補正方法】変更
【補正内容】
【００２３】
【表１】
【手続補正２】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図１
【補正方法】変更
【補正内容】
【図１】
Claims (7)
- 【請求項１】 脂質含有廃水を生物学的に処理する処理
装置において、脂質含有廃水の導入手段と、 脂質資化性の糸状性酵母を固定化した担体からなる生物
学的処理手段と、 前記生物学的処理手段で処理された処理水の排出手段
と、を有することを特徴とする脂質含有廃水の生物学的
処理装置。 - 【請求項２】 請求項１記載の処理装置において、前記
生物学的処理手段に用いられる担体が、前記脂質資化性
の糸状性酵母が容易に絡みつくようなひも状、モール
状、マット状、シート状、繊維状、スポンジ状又は膜状
であることを特徴とする脂質含有廃水の生物学的処理装
置。 - 【請求項３】 請求項１又は２記載の処理装置におい
て、前記生物学的処理手段を逆洗する洗浄手段を備える
ことを特徴とする脂質含有廃水の生物学的処理装置。 - 【請求項４】 請求項１〜３記載の処理装置において、
脂質含有廃水を曝気する曝気手段を備えることを特徴と
する脂質含有廃水の生物学的処理装置。 - 【請求項５】 請求項１〜４記載の処理装置において、
処理槽に隣接して設けた導入部内の下方に前記曝気手段
を備え、 前記導入部内で前記曝気手段の上方に設けられた前記導
入手段と、 前記処理槽内に設けられた前記生物学的処理手段と、 前記生物学的処理手段の下方に設けられた前記洗浄手段
と、 前記処理槽上部に設けられた前記排出手段と、を有し、
前記導入部の下方は処理槽下部と接続し、一方、上方は
前記導入部から処理槽上部へ流入可能であるように接続
していることを特徴とする脂質含有廃水の生物学的処理
装置。 - 【請求項６】 請求項１〜５記載の処理装置において、
用いられる脂質資化性の糸状性酵母がキャンディダ・シ
ャタヴィＮ４株（FERM P-12768）、キャンディダ・フル
ヴィアティリスＮ６株（FERM P-12770）、キャンディダ
・ヴィスワナティＮ８株（FERM P-12772）、キャンディ
ダ・シュウドラムビカＮ９株（FERM P-12773）およびキ
ャンディダ・ヘレニカＮ１０株（FERM P-12774）よりな
る群から選ばれた少なくとも１種の脂質資化性の糸状性
酵母であることを特徴とする脂質含有廃水の生物学的処
理装置。 - 【請求項７】 請求項１〜６記載の処理装置において、
脂質含有廃水を容積負荷０．２〜５．０ｋｇ ｎ−ヘキ
サン抽出物質／ｍ3・日、酵母負荷０．０５〜５．０ｋ
ｇ ｎ−ヘキサン抽出物質／ｋｇ酵母・日の特定条件下
で処理することを特徴とする脂質含有廃水の生物学的処
理装置。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26989893A JP2816087B2 (ja) | 1993-10-01 | 1993-10-01 | 脂質含有廃水の生物学的処理装置 |
| US08/316,023 US5567314A (en) | 1993-10-01 | 1994-09-30 | Apparatus for biologically treating lipid-containing waste water |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26989893A JP2816087B2 (ja) | 1993-10-01 | 1993-10-01 | 脂質含有廃水の生物学的処理装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07100477A true JPH07100477A (ja) | 1995-04-18 |
| JP2816087B2 JP2816087B2 (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=17478760
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26989893A Expired - Fee Related JP2816087B2 (ja) | 1993-10-01 | 1993-10-01 | 脂質含有廃水の生物学的処理装置 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5567314A (ja) |
| JP (1) | JP2816087B2 (ja) |
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