JP2005000845A - 含油排水中の油脂処理装置及び処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】含油排水中の油脂を生物学的に処理するにあたり、油脂を油脂浮上分離槽で分離して油脂分解槽に供給する手段を、効率的且つ安定的に運転できる手段とすることにより、油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従して処理を行うことのできる含油排水中の油脂処理装置及び処理方法を提供する。
【解決手段】含油排水中の油脂を浮上分離して濃縮する油脂浮上分離槽と、濃縮された油脂を微生物の生物学的作用で分解処理する油脂分解槽とを設け、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着して油脂分解槽に供給する油脂吸着分離手段を設けたことを特徴とする含油排水中の油脂処理装置及び方法。
【選択図】図1
【解決手段】含油排水中の油脂を浮上分離して濃縮する油脂浮上分離槽と、濃縮された油脂を微生物の生物学的作用で分解処理する油脂分解槽とを設け、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着して油脂分解槽に供給する油脂吸着分離手段を設けたことを特徴とする含油排水中の油脂処理装置及び方法。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、厨房排水、食品工場排水などの、油脂を含有する排水中の油脂を分解処理する処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホテル、旅館、レストラン又は一般食堂などの業務用の厨房から排出される排水中には、生ゴミや油脂などが多く含有されているため、それらを除去するグリーストラップを設置することが義務付けられている。一般的に設置されているグリーストラップは、排水中の生ゴミなどの夾雑物を分離するストレーナを設けた夾雑物除去部、夾雑物除去部からの排水中の油脂を浮上分離する油脂浮上部及び油脂浮上部からの油脂分離後の排水を貯留排出するトラップ部が設けられた構造であるが、強烈な悪臭放散やゴキブリ、蝿などの害虫の温床になるなど、衛生上の問題及びグリーストラップ内で固化した油脂による配管の詰まりの問題を生じている。
【0003】
前記問題の原因としては、槽内で腐敗したり、温度が下がり流動性が低下した油脂が槽壁や配管へ付着し、ストレーナを通過した微細夾雑物を吸着して長期間停滞させ、雑菌や空気などにより油脂及びその他有機物が分解して腐敗臭を発生させたり、配管を詰まらせることが大きな原因である。
【0004】
また、前記の問題に鑑みて、グリーストラップ内に滞留した油脂を分解するために、微生物により油脂を分解する装置が開発されている。その1例として、グリーストラップ内に油脂を分解する微生物(以下、油脂分解菌という。)が繁殖する繊維から成る組紐を複数条配列した油脂類分解浄化装置を組み込んだグリーストラップや油脂分解菌供給装置を設け、グリーストラップ内に油脂分解菌を供給して処理する処理装置が開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
【0005】
また、含油排水中の油脂を浮上分離槽で分離し、分離油脂を生物学的に分解する油脂分解静置槽を設けて処理する装置及び方法が開示されている。(例えば、特許文献3参照)
更に、含油排水中の油脂を、排水を送液する手段の遠心力で分離し、分離油脂を生物学的に分解する生物処理手段を設けて処理する装置及び方法が開示されている。(例えば、特許文献4参照)
【0006】
【特許文献1】
特開平5−346036号公報
【特許文献2】
特開平10−137626号公報
【特許文献3】
特開2000−079302号公報
【特許文献4】
特開2000−079302号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記の微生物により油脂を分解する装置において、特開平5−346036号公報や特開平10−137626号公報に開示された発明では、油分解処理が排水が流入する処理槽内で行われるため、処理槽に供給される油脂量や処理量などの排水の負荷変動に影響され、処理が安定しない問題があり、多種多用な含油排水などに対応するのは困難である。また、油脂濃度も低いため、処理量が多くなるほど処理槽の容量が過大となる問題もある。
【0008】
また、特開2000−079302号公報に開示された発明では、浮上分離槽で油脂を濃縮分離し、別置の油脂処理槽で処理するため、前記問題は解消されるが、分離された油脂を油脂分解静置槽に供給する手段については、何ら記載されておらず、その手段によっては効率的な処理ができなくなる問題がある。また、特開2000−079302号公報に開示された発明では、排水を送液する手段の遠心力で油脂を中央に集めて分離するが、分離油脂を生物学的に分解する生物処理手段に供給する手段については記載されていない。しかし図面では、オーバーフローでの供給となっており、その場合には、排水の負荷変動に影響され、生物処理手段に供給される油脂量や処理量の変動により生物処理が安定しない問題がある。
【0009】
本発明は、前記従来の含油排水中の油脂処理装置及び方法における問題点に鑑みて成されたものであり、油脂を浮上分離により濃縮分離し、分離した油脂を生物学的に処理するにあたり、油脂を油脂浮上分離槽から油脂分解槽に供給する手段を効率的且つ安定的に運転できる手段としたことにより、含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従して処理を行うことのできる含油排水中の油脂処理装置及び処理方法を提供する目的で成されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨は、請求項1に記載した発明においては、含油排水中の油脂を処理する装置において、含油排水中の油脂を浮上分離して濃縮する油脂浮上分離槽と、濃縮された油脂を微生物の生物学的作用で分解処理する油脂分解槽とを設け、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着して油脂分解槽に供給する油脂吸着分離手段を設けたことを特徴とする含油排水中の油脂処理装置である。
【0011】
前記請求項1に記載の装置では、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂分解槽に供給する手段として、油脂を油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着する油脂吸着分離手段としたことにより、効率的且つ安定的に運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従して処理を行うことができる。
【0012】
また、請求項2に記載した発明においては、請求項1記載の含油排水中の油脂処理装置における油脂吸着分離手段を、油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材が油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する構成とした含油排水中の油脂処理装置である。
【0013】
前記請求項2に記載の装置では、油脂吸着分離手段を、油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材を油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する構成としたことにより、濃縮油脂を効率的且つ安定的に油脂分解槽に供給運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従した処理を行うことができる。
【0014】
また、請求項3に記載した発明においては、請求項1又は請求項2に記載の含油排水中の油脂処理装置における油脂吸着分離手段を、油脂浮上分離槽と油脂分解槽とのそれぞれの水中に浸漬して回転自在に横設した水平ローラと、それら水平ローラ間に懸架して張設した油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材と、いずれか一方の水平ローラに接続した回転駆動装置とからなり、ループ形状の長尺部材が油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する構成とした含油排水中の油脂処理装置である。
【0015】
前記請求項3に記載の装置では、油脂吸着分離手段を、油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材とし、長尺部材を回転させる駆動手段を設け、油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する簡易な構成としたことにより、設備費が低廉で、より濃縮油脂を効率的且つ安定的に油脂分解槽に供給運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従した処理を行うことができる。
【0016】
また、請求項4に記載した発明においては、請求項2又は請求項3に記載の含油排水中の油脂処理装置において、油脂分解槽に油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材から吸着油脂を圧搾分離する吸着材圧搾手段を付設した含油排水中の油脂処理装置である。
【0017】
前記請求項4に記載の装置では、油脂吸着分離手段の油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材から吸着油脂を圧搾して強制的に絞り出して分離するため、油脂吸着分離手段の再生が効率的に行われ、より濃縮油脂を効率的且つ安定的に油脂分解槽に供給運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従した処理を行うことができる。
【0018】
また、請求項5に記載した発明においては、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の含油排水中の油脂処理装置において、油脂分解槽に油脂乳化剤を供給する乳化剤供給設備を付設した含油排水中の油脂処理装置である。
【0019】
前記請求項5に記載の装置では、乳化剤供給設備を付設し、乳化剤を供給する構成としたことにより、油脂の分散が図られ、油脂分解菌と油脂との接触面積を増加させて処理効率の向上を図ることができる。
【0020】
また、請求項6に記載した発明においては、含油排水中の油脂を処理する方法において、含油排水中の油脂を油脂浮上分離槽で浮上分離して濃縮し、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂吸着分離手段の油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着分離し、油脂吸着分離手段で吸着分離された油脂を油脂吸着材から分離して油脂分解槽に供給し、油脂分解槽に供給された油脂を生物学的に分解し、油脂浮上分離槽で油脂が分離された排水を生物処理装置に供給し、生物処理装置に供給された排水中の有機物を生物学的に分解処理することを特徴とする含油排水中の油脂処理方法である。
【0021】
前記請求項6に記載の方法では、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂分解槽に供給するにあたり、油脂を油脂吸着能を持つ油脂吸着材て吸着する油脂吸着分離手段で行うことにより、濃縮油脂を効率的且つ安定的に油脂分解槽に供給運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従した処理を行うことができる。
【0022】
また、請求項7に記載した発明においては、請求項6記載の含油排水の処理方法において、油脂分解槽に油脂乳化剤を供給して油脂を乳化させて生物学的に分解処理する含油排水の処理方法である。
【0023】
前記請求項7に記載の方法では、乳化剤を供給することにより、油脂の分散が図られ、油脂分解菌と油脂との接触面積を増加させて処理効率の向上を図ることができる。
【0024】
前記において、油脂浮上分離槽は、槽内を流通する排水が上下方向に蛇行流通するように複数室に仕切られ、槽内を流通する間に、油脂、水及び汚泥が比重差分離される構成であって、排水を最前段室に供給し、中段室において油脂を浮上分離し、分離油脂を油脂吸着分離手段の油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着して油脂分解槽に供給し、最終段室から油脂分離水及び沈降汚泥を排出する構成が好ましいが、本発明はこの構造には限定されない。例えば、槽内に分離用の傾斜板を配置してもよく、また、排水流入室に夾雑物分離用のストレーナを設けた構造としてもよい。
【0025】
また、油脂分解槽は、油脂分解菌の生育を促進するために空気を供給する曝気手段を配設し、油脂分解菌をできるだけ高濃度に維持して運転できる構成が好ましく、例えば、微生物を担持する粒状担体や紐状担体などを充填してもよく、また、新たな油脂分解菌を供給する設備や油脂分解菌分離循環設備などを付設した構成でもよい。更に、乳化剤で油脂を分散させることにより、油脂の分散が図られ、油脂分解菌と油脂との接触面積を増加させて処理効率の向上が図れる乳化剤供給設備を付設するのが好ましい。
【0026】
なお、油脂分解菌としては、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonus)、エンテロバクタ(Enterobacter)、アクチネトバクタ(Actinetobacter)などの微生物が知られているが、本発明ではそれらの微生物には限定されない。また、油脂分解菌とリパーゼなどの酵素を混合して処理することもできる。更に、乳化剤供給設備に貯留され、供給される乳化剤としては、サポニン、脂肪酸エステルなどを用いることができるが、サポニンを用いるのが好ましい。
【0027】
また、油脂吸着能を持つ油脂吸着材としては、親油性且つ撥水性/疎水性の材料、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、天然パルプ繊維、ピートモス、などの材料を単独又は複合材とし、織布、不織布、紐、モール状などに形成されたループ状の長尺部材が好ましく、特にポリプロピレンを材料としてモール状に形成するのが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態である含油排水中の油脂処理装置の系統図である。
【0029】
10は油脂浮上分離槽であり、含油排水を導入する排水導入管13、油脂などが分離された処理水を排出する処理水排出管14及び沈降分離された汚泥を汚泥ポンプ16で吸引して排出する汚泥排出管15が接続されており、また、槽内を流通する排水が上下方向に蛇行流通するように、一端側に連通流路が形成された仕切り壁11a、11b、11cにより複数室A、B、Cに区画されている。また、底部は沈降汚泥が一ヶ所に集積されるように流通方向に若干下降した傾斜構造12となっている。
【0030】
20は、油脂分解槽であり、油脂分解菌の生育を促進するため、底部に空気供給ブロワ22により空気供給管23を介して空気が供給される曝気手段21が配設され、また、油脂などが分解された処理水を排出する分解水排出管24が接続されている。なお、油脂分解菌をできるだけ高濃度に維持して運転できるよう、例えば、微生物を担持する粒状担体や紐状担体などを充填してもよく、また、新たな油脂分解菌を供給する設備や油脂分解菌分離循環設備などを付設てもよい。
【0031】
30は、油脂浮上分離槽10で分離された油脂を、油脂吸着能を持つループ形状で長尺の油脂吸着材31により吸着し、油脂分解槽20に供給する油脂吸着分離手段であり、油脂吸着材31は油脂浮上分離槽10と油脂分解槽20とにそれぞれの水中に浸漬して回転自在に横設された水平ローラ32、33間に懸架して張設され、中間位置に設けられたガイドローラ34a、34b、34cで支持されて設けられている。また、油脂分解槽20に設けられた水平ローラ33に近接して対向し、水平ローラ33との間に油脂吸着材31を挟み込んで圧搾する圧搾ローラ35が設けられている。更に、水平ローラ33には回転駆動装置36が接続されている。
【0032】
40は、油脂分解槽20に油脂乳化剤を供給する乳化剤供給設備であり、乳化剤供給ポンプ41を具備した乳化剤供給管42を経て油脂分解槽20に接続されている。
【0033】
50は、油脂浮上分離槽10で油脂などが分離された処理水中の有機物を生物学的に分解処理する活性汚泥処理装置や硝化脱窒処理装置などの生物処理装置であり、処理水排出管14を介して油脂浮上分離槽10と接続されている。また、生物処理された処理水を河川などへ放流する放流水排出管51が接続されている。
【0034】
前記構成の処理装置により食品工場などから排出された含油排水を処理する方法について以下詳述する。含油排水は、必要により図示しないストレーナなどで夾雑物が除去され、排水導入管13を介して油脂浮上分離槽10の最前段室Aに導入され、仕切り壁11a、11b、11cの一端側に形成された連通流路を経て、中段室Bから最後段室Cまで上下方向に蛇行流通する間に、油脂、水及び汚泥が比重差分離される。
【0035】
分離された油脂は中段室Bにおいて浮上し、浮上分離された油脂は水面で滞留して濃縮され、油脂吸着分離手段30の油脂吸着能を持つ油脂吸着材31に吸着され、油脂吸着材31の循環移動に伴われて油脂分解槽20に供給される。また、沈降分離した汚泥は傾斜部12により最終段室Cに集積され、汚泥排出管15を経て汚泥吸引ポンプ16により吸引排出され、図示しない後段の汚泥処理装置により適宜に処理される。
【0036】
また、油脂が分離された処理水は処理水排出管14を経て生物処理装置50に供給され、処理水中の有機物が生物学的に分解除去されたのち、放流水排出管51から河川などへ放流される。
【0037】
回転自在に横設された水平ローラ32、33に懸架して張設され、中間位置に設けられたガイドローラ34a、34b、34cに支持された油脂吸着分離手段30の油脂吸着材31の循環移動は、回転駆動装置36により水平ローラ33が回転されることにより行われる。
【0038】
油脂分解槽20まで循環移動した油脂吸着材31は、油脂分解槽20に設けられた水平ローラ33と圧搾ローラ35とにより挟み込まれ、圧搾されることにより、強制的に吸着した油脂が絞り出され、濃縮された油脂として油脂分解槽20に供給される。
【0039】
油脂分解槽20では、空気供給ブロワ22から空気供給管23を経て曝気手段21を介して供給される空気により、好気性雰囲気に保持される。好気性雰囲気に保持されることにより、油脂分解菌の生物活性が高まり、油脂分解菌が増殖して高濃度に維持され、供給された油脂が効率的に分解される。なお、必要により、油脂乳化剤を乳化剤供給設備40から乳化剤供給ポンプ41で抜き出され、乳化剤供給管42を経て油脂分解槽20に供給されることにより、油脂が乳化して油脂の分散が図られ、油脂分解菌と油脂との接触面積が増加し、処理効率の向上を図ることができる。
【0040】
油脂分解槽20で油脂が分解された処理水は、分解水排出管24から排出され、生物処理装置50に供給されて、油脂が分離された処理水と共に含有される有機物が生物学的に分解除去される。
【0041】
【発明の効果】
油脂を浮上分離により濃縮分離し、分離した油脂を生物学的に処理するにあたり、油脂を油脂浮上分離槽から油脂分解槽に供給する手段を効率的且つ安定的に運転できる手段としたことにより、含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従して処理を行うことのできる含油排水中の油脂処理装置及び処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である含油排水中の油脂処理装置の系統図
【符号の説明】
10:油脂浮上分離槽
20:油脂分解槽
30:油脂吸着分離手段
31:油脂吸着材
40:乳化剤供給設備
50:生物処理装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、厨房排水、食品工場排水などの、油脂を含有する排水中の油脂を分解処理する処理装置及び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホテル、旅館、レストラン又は一般食堂などの業務用の厨房から排出される排水中には、生ゴミや油脂などが多く含有されているため、それらを除去するグリーストラップを設置することが義務付けられている。一般的に設置されているグリーストラップは、排水中の生ゴミなどの夾雑物を分離するストレーナを設けた夾雑物除去部、夾雑物除去部からの排水中の油脂を浮上分離する油脂浮上部及び油脂浮上部からの油脂分離後の排水を貯留排出するトラップ部が設けられた構造であるが、強烈な悪臭放散やゴキブリ、蝿などの害虫の温床になるなど、衛生上の問題及びグリーストラップ内で固化した油脂による配管の詰まりの問題を生じている。
【0003】
前記問題の原因としては、槽内で腐敗したり、温度が下がり流動性が低下した油脂が槽壁や配管へ付着し、ストレーナを通過した微細夾雑物を吸着して長期間停滞させ、雑菌や空気などにより油脂及びその他有機物が分解して腐敗臭を発生させたり、配管を詰まらせることが大きな原因である。
【0004】
また、前記の問題に鑑みて、グリーストラップ内に滞留した油脂を分解するために、微生物により油脂を分解する装置が開発されている。その1例として、グリーストラップ内に油脂を分解する微生物(以下、油脂分解菌という。)が繁殖する繊維から成る組紐を複数条配列した油脂類分解浄化装置を組み込んだグリーストラップや油脂分解菌供給装置を設け、グリーストラップ内に油脂分解菌を供給して処理する処理装置が開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)
【0005】
また、含油排水中の油脂を浮上分離槽で分離し、分離油脂を生物学的に分解する油脂分解静置槽を設けて処理する装置及び方法が開示されている。(例えば、特許文献3参照)
更に、含油排水中の油脂を、排水を送液する手段の遠心力で分離し、分離油脂を生物学的に分解する生物処理手段を設けて処理する装置及び方法が開示されている。(例えば、特許文献4参照)
【0006】
【特許文献1】
特開平5−346036号公報
【特許文献2】
特開平10−137626号公報
【特許文献3】
特開2000−079302号公報
【特許文献4】
特開2000−079302号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記の微生物により油脂を分解する装置において、特開平5−346036号公報や特開平10−137626号公報に開示された発明では、油分解処理が排水が流入する処理槽内で行われるため、処理槽に供給される油脂量や処理量などの排水の負荷変動に影響され、処理が安定しない問題があり、多種多用な含油排水などに対応するのは困難である。また、油脂濃度も低いため、処理量が多くなるほど処理槽の容量が過大となる問題もある。
【0008】
また、特開2000−079302号公報に開示された発明では、浮上分離槽で油脂を濃縮分離し、別置の油脂処理槽で処理するため、前記問題は解消されるが、分離された油脂を油脂分解静置槽に供給する手段については、何ら記載されておらず、その手段によっては効率的な処理ができなくなる問題がある。また、特開2000−079302号公報に開示された発明では、排水を送液する手段の遠心力で油脂を中央に集めて分離するが、分離油脂を生物学的に分解する生物処理手段に供給する手段については記載されていない。しかし図面では、オーバーフローでの供給となっており、その場合には、排水の負荷変動に影響され、生物処理手段に供給される油脂量や処理量の変動により生物処理が安定しない問題がある。
【0009】
本発明は、前記従来の含油排水中の油脂処理装置及び方法における問題点に鑑みて成されたものであり、油脂を浮上分離により濃縮分離し、分離した油脂を生物学的に処理するにあたり、油脂を油脂浮上分離槽から油脂分解槽に供給する手段を効率的且つ安定的に運転できる手段としたことにより、含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従して処理を行うことのできる含油排水中の油脂処理装置及び処理方法を提供する目的で成されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨は、請求項1に記載した発明においては、含油排水中の油脂を処理する装置において、含油排水中の油脂を浮上分離して濃縮する油脂浮上分離槽と、濃縮された油脂を微生物の生物学的作用で分解処理する油脂分解槽とを設け、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着して油脂分解槽に供給する油脂吸着分離手段を設けたことを特徴とする含油排水中の油脂処理装置である。
【0011】
前記請求項1に記載の装置では、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂分解槽に供給する手段として、油脂を油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着する油脂吸着分離手段としたことにより、効率的且つ安定的に運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従して処理を行うことができる。
【0012】
また、請求項2に記載した発明においては、請求項1記載の含油排水中の油脂処理装置における油脂吸着分離手段を、油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材が油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する構成とした含油排水中の油脂処理装置である。
【0013】
前記請求項2に記載の装置では、油脂吸着分離手段を、油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材を油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する構成としたことにより、濃縮油脂を効率的且つ安定的に油脂分解槽に供給運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従した処理を行うことができる。
【0014】
また、請求項3に記載した発明においては、請求項1又は請求項2に記載の含油排水中の油脂処理装置における油脂吸着分離手段を、油脂浮上分離槽と油脂分解槽とのそれぞれの水中に浸漬して回転自在に横設した水平ローラと、それら水平ローラ間に懸架して張設した油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材と、いずれか一方の水平ローラに接続した回転駆動装置とからなり、ループ形状の長尺部材が油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する構成とした含油排水中の油脂処理装置である。
【0015】
前記請求項3に記載の装置では、油脂吸着分離手段を、油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材とし、長尺部材を回転させる駆動手段を設け、油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する簡易な構成としたことにより、設備費が低廉で、より濃縮油脂を効率的且つ安定的に油脂分解槽に供給運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従した処理を行うことができる。
【0016】
また、請求項4に記載した発明においては、請求項2又は請求項3に記載の含油排水中の油脂処理装置において、油脂分解槽に油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材から吸着油脂を圧搾分離する吸着材圧搾手段を付設した含油排水中の油脂処理装置である。
【0017】
前記請求項4に記載の装置では、油脂吸着分離手段の油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材から吸着油脂を圧搾して強制的に絞り出して分離するため、油脂吸着分離手段の再生が効率的に行われ、より濃縮油脂を効率的且つ安定的に油脂分解槽に供給運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従した処理を行うことができる。
【0018】
また、請求項5に記載した発明においては、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の含油排水中の油脂処理装置において、油脂分解槽に油脂乳化剤を供給する乳化剤供給設備を付設した含油排水中の油脂処理装置である。
【0019】
前記請求項5に記載の装置では、乳化剤供給設備を付設し、乳化剤を供給する構成としたことにより、油脂の分散が図られ、油脂分解菌と油脂との接触面積を増加させて処理効率の向上を図ることができる。
【0020】
また、請求項6に記載した発明においては、含油排水中の油脂を処理する方法において、含油排水中の油脂を油脂浮上分離槽で浮上分離して濃縮し、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂吸着分離手段の油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着分離し、油脂吸着分離手段で吸着分離された油脂を油脂吸着材から分離して油脂分解槽に供給し、油脂分解槽に供給された油脂を生物学的に分解し、油脂浮上分離槽で油脂が分離された排水を生物処理装置に供給し、生物処理装置に供給された排水中の有機物を生物学的に分解処理することを特徴とする含油排水中の油脂処理方法である。
【0021】
前記請求項6に記載の方法では、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂分解槽に供給するにあたり、油脂を油脂吸着能を持つ油脂吸着材て吸着する油脂吸着分離手段で行うことにより、濃縮油脂を効率的且つ安定的に油脂分解槽に供給運転できると共に含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従した処理を行うことができる。
【0022】
また、請求項7に記載した発明においては、請求項6記載の含油排水の処理方法において、油脂分解槽に油脂乳化剤を供給して油脂を乳化させて生物学的に分解処理する含油排水の処理方法である。
【0023】
前記請求項7に記載の方法では、乳化剤を供給することにより、油脂の分散が図られ、油脂分解菌と油脂との接触面積を増加させて処理効率の向上を図ることができる。
【0024】
前記において、油脂浮上分離槽は、槽内を流通する排水が上下方向に蛇行流通するように複数室に仕切られ、槽内を流通する間に、油脂、水及び汚泥が比重差分離される構成であって、排水を最前段室に供給し、中段室において油脂を浮上分離し、分離油脂を油脂吸着分離手段の油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着して油脂分解槽に供給し、最終段室から油脂分離水及び沈降汚泥を排出する構成が好ましいが、本発明はこの構造には限定されない。例えば、槽内に分離用の傾斜板を配置してもよく、また、排水流入室に夾雑物分離用のストレーナを設けた構造としてもよい。
【0025】
また、油脂分解槽は、油脂分解菌の生育を促進するために空気を供給する曝気手段を配設し、油脂分解菌をできるだけ高濃度に維持して運転できる構成が好ましく、例えば、微生物を担持する粒状担体や紐状担体などを充填してもよく、また、新たな油脂分解菌を供給する設備や油脂分解菌分離循環設備などを付設した構成でもよい。更に、乳化剤で油脂を分散させることにより、油脂の分散が図られ、油脂分解菌と油脂との接触面積を増加させて処理効率の向上が図れる乳化剤供給設備を付設するのが好ましい。
【0026】
なお、油脂分解菌としては、バチルス(Bacillus)、シュードモナス(Pseudomonus)、エンテロバクタ(Enterobacter)、アクチネトバクタ(Actinetobacter)などの微生物が知られているが、本発明ではそれらの微生物には限定されない。また、油脂分解菌とリパーゼなどの酵素を混合して処理することもできる。更に、乳化剤供給設備に貯留され、供給される乳化剤としては、サポニン、脂肪酸エステルなどを用いることができるが、サポニンを用いるのが好ましい。
【0027】
また、油脂吸着能を持つ油脂吸着材としては、親油性且つ撥水性/疎水性の材料、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、天然パルプ繊維、ピートモス、などの材料を単独又は複合材とし、織布、不織布、紐、モール状などに形成されたループ状の長尺部材が好ましく、特にポリプロピレンを材料としてモール状に形成するのが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態である含油排水中の油脂処理装置の系統図である。
【0029】
10は油脂浮上分離槽であり、含油排水を導入する排水導入管13、油脂などが分離された処理水を排出する処理水排出管14及び沈降分離された汚泥を汚泥ポンプ16で吸引して排出する汚泥排出管15が接続されており、また、槽内を流通する排水が上下方向に蛇行流通するように、一端側に連通流路が形成された仕切り壁11a、11b、11cにより複数室A、B、Cに区画されている。また、底部は沈降汚泥が一ヶ所に集積されるように流通方向に若干下降した傾斜構造12となっている。
【0030】
20は、油脂分解槽であり、油脂分解菌の生育を促進するため、底部に空気供給ブロワ22により空気供給管23を介して空気が供給される曝気手段21が配設され、また、油脂などが分解された処理水を排出する分解水排出管24が接続されている。なお、油脂分解菌をできるだけ高濃度に維持して運転できるよう、例えば、微生物を担持する粒状担体や紐状担体などを充填してもよく、また、新たな油脂分解菌を供給する設備や油脂分解菌分離循環設備などを付設てもよい。
【0031】
30は、油脂浮上分離槽10で分離された油脂を、油脂吸着能を持つループ形状で長尺の油脂吸着材31により吸着し、油脂分解槽20に供給する油脂吸着分離手段であり、油脂吸着材31は油脂浮上分離槽10と油脂分解槽20とにそれぞれの水中に浸漬して回転自在に横設された水平ローラ32、33間に懸架して張設され、中間位置に設けられたガイドローラ34a、34b、34cで支持されて設けられている。また、油脂分解槽20に設けられた水平ローラ33に近接して対向し、水平ローラ33との間に油脂吸着材31を挟み込んで圧搾する圧搾ローラ35が設けられている。更に、水平ローラ33には回転駆動装置36が接続されている。
【0032】
40は、油脂分解槽20に油脂乳化剤を供給する乳化剤供給設備であり、乳化剤供給ポンプ41を具備した乳化剤供給管42を経て油脂分解槽20に接続されている。
【0033】
50は、油脂浮上分離槽10で油脂などが分離された処理水中の有機物を生物学的に分解処理する活性汚泥処理装置や硝化脱窒処理装置などの生物処理装置であり、処理水排出管14を介して油脂浮上分離槽10と接続されている。また、生物処理された処理水を河川などへ放流する放流水排出管51が接続されている。
【0034】
前記構成の処理装置により食品工場などから排出された含油排水を処理する方法について以下詳述する。含油排水は、必要により図示しないストレーナなどで夾雑物が除去され、排水導入管13を介して油脂浮上分離槽10の最前段室Aに導入され、仕切り壁11a、11b、11cの一端側に形成された連通流路を経て、中段室Bから最後段室Cまで上下方向に蛇行流通する間に、油脂、水及び汚泥が比重差分離される。
【0035】
分離された油脂は中段室Bにおいて浮上し、浮上分離された油脂は水面で滞留して濃縮され、油脂吸着分離手段30の油脂吸着能を持つ油脂吸着材31に吸着され、油脂吸着材31の循環移動に伴われて油脂分解槽20に供給される。また、沈降分離した汚泥は傾斜部12により最終段室Cに集積され、汚泥排出管15を経て汚泥吸引ポンプ16により吸引排出され、図示しない後段の汚泥処理装置により適宜に処理される。
【0036】
また、油脂が分離された処理水は処理水排出管14を経て生物処理装置50に供給され、処理水中の有機物が生物学的に分解除去されたのち、放流水排出管51から河川などへ放流される。
【0037】
回転自在に横設された水平ローラ32、33に懸架して張設され、中間位置に設けられたガイドローラ34a、34b、34cに支持された油脂吸着分離手段30の油脂吸着材31の循環移動は、回転駆動装置36により水平ローラ33が回転されることにより行われる。
【0038】
油脂分解槽20まで循環移動した油脂吸着材31は、油脂分解槽20に設けられた水平ローラ33と圧搾ローラ35とにより挟み込まれ、圧搾されることにより、強制的に吸着した油脂が絞り出され、濃縮された油脂として油脂分解槽20に供給される。
【0039】
油脂分解槽20では、空気供給ブロワ22から空気供給管23を経て曝気手段21を介して供給される空気により、好気性雰囲気に保持される。好気性雰囲気に保持されることにより、油脂分解菌の生物活性が高まり、油脂分解菌が増殖して高濃度に維持され、供給された油脂が効率的に分解される。なお、必要により、油脂乳化剤を乳化剤供給設備40から乳化剤供給ポンプ41で抜き出され、乳化剤供給管42を経て油脂分解槽20に供給されることにより、油脂が乳化して油脂の分散が図られ、油脂分解菌と油脂との接触面積が増加し、処理効率の向上を図ることができる。
【0040】
油脂分解槽20で油脂が分解された処理水は、分解水排出管24から排出され、生物処理装置50に供給されて、油脂が分離された処理水と共に含有される有機物が生物学的に分解除去される。
【0041】
【発明の効果】
油脂を浮上分離により濃縮分離し、分離した油脂を生物学的に処理するにあたり、油脂を油脂浮上分離槽から油脂分解槽に供給する手段を効率的且つ安定的に運転できる手段としたことにより、含油排水中の油脂を効率的に生物分解でき、排水の負荷変動にも容易に追従して処理を行うことのできる含油排水中の油脂処理装置及び処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である含油排水中の油脂処理装置の系統図
【符号の説明】
10:油脂浮上分離槽
20:油脂分解槽
30:油脂吸着分離手段
31:油脂吸着材
40:乳化剤供給設備
50:生物処理装置
Claims (7)
- 含油排水中の油脂を処理する装置において、含油排水中の油脂を浮上分離して濃縮する油脂浮上分離槽と、濃縮された油脂を微生物の生物学的作用で分解処理する油脂分解槽とを設け、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着して油脂分解槽に供給する油脂吸着分離手段を設けたことを特徴とする含油排水中の油脂処理装置。
- 油脂吸着分離手段を、油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材が油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する構成とした請求項1記載の含油排水中の油脂処理装置。
- 油脂吸着分離手段を、油脂浮上分離槽と油脂分解槽とのそれぞれの水中に浸漬して回転自在に横設した水平ローラと、それら水平ローラ間に懸架して張設した油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材と、いずれか一方の水平ローラに接続した回転駆動装置とからなり、ループ形状の長尺部材が油脂浮上分離槽と油脂分解槽との間で循環する構成とした請求項1又は請求項2に記載の含油排水中の油脂処理装置。
- 油脂分解槽に油脂吸着能を持つループ形状の長尺部材から吸着油脂を圧搾分離する吸着材圧搾手段を付設した請求項2又は請求項3に記載の含油排水中の油脂処理装置。
- 油脂分解槽に油脂乳化剤を供給する乳化剤供給設備を付設した請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の含油排水中の油脂処理装置。
- 含油排水中の油脂を処理する方法において、含油排水中の油脂を油脂浮上分離槽で浮上分離して濃縮し、油脂浮上分離槽で濃縮分離された油脂を油脂吸着分離手段の油脂吸着能を持つ油脂吸着材で吸着分離し、油脂吸着分離手段で吸着分離された油脂を油脂吸着材から分離して油脂分解槽に供給し、油脂分解槽に供給された油脂を生物学的に分解し、油脂浮上分離槽で油脂が分離された排水を生物処理装置に供給し、生物処理装置に供給された排水中の有機物を生物学的に分解処理することを特徴とする含油排水中の油脂処理方法。
- 油脂分解槽に油脂乳化剤を供給して油脂を乳化させて生物学的に分解処理する請求項6記載の含油排水中の油脂処理方法。
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2003
- 2003-06-13 JP JP2003168550A patent/JP2005000845A/ja active Pending
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