JPH069719U - プレス型のスクラップ排出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、プレス型でワーク端縁を切断したス
クラップを確実に落下排出するプレス型のスクラップ排
出装置を提供する。 【構成】上下動する上型３にスクラップ落下用のピン６
をスプリング７によって常に上方に付勢して上下動可能
に設け、上型３に可動部材８を上下方向に移動可能に支
持し、この可動部材８に前記スクラップ落下用ピン６の
押し下げ用アーム１０を上下方向に旋回可能に枢支し、
かつスプリング１１によって常に上方に旋回付勢し、前
記上型３に前記押し下げ用アーム１０に当接して上型３
のパッド４が下型１に当接して以後の下型１に対する上
型３の相対移動ストロークにより前記押し下げ用アーム
１０を下降旋回させる押し軸１２を備えた構成を特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プレス型でワークを切断したスクラップを排出する装置に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

プレス型でワーク端縁を切断したスクラップを上型の下降動と同時に強制的に 押動して落下排出している。従来の装置は図３で示すように、下切刃２を有する 下型１に対して上下動する上型３の上切刃５に、スプリング７で常に下降方向に 付勢されたスクラップ落下用ピン６を設けた構造であり、上型３が下降して上型 ３に装備されているパッド４が下型１上にセットされているワークＷに当接し、 その後の下型１に対する上型３の下降動ストロークにより下型切刃２と上型切刃 ５とによって切断するワーク端縁のスクラップＳをスクラップ落下用ピン６によ りスプリング７の力で押圧して落下させていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の装置では、上型切刃５が平面でオーバハングしている場合、スクラ ップ落下用ピン６のストロークが小さいので、スクラップＳを突き落すために十 分な動作が得られない。このストロークを大きくすると、上型切刃５が食い込む 前に大きな力がワーク端縁に加わり、ワークＷを変形する不具合がある。

【０００４】 本考案の目的は、上記従来の問題を解決したプレス型のスクラップ排出装置を 提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するための本考案の要旨は、下型に対して上下動する上型に 上下動可能に設けられスプリングによって常に上方に付勢されたスクラップ落下 用のピンと、前記上型に上下方向に移動可能に支持された可動部材と、この可動 部材に上下方向に旋回可能に枢支されスプリングによって常に上方に旋回付勢し た前記スクラップ落下用ピンの押し下げ用アームと、前記上型に前記押し下げ用 アームに当接して上型のパッドが下型に当接して以後の下型に対する上型の相対 移動ストロークにより前記押し下げ用アームを下降旋回させる押し軸とを備えた ものである。

【０００６】

【作用】

上記の構成により、上型のパッドが下型に当接して以後の下型に対する上型の 相対移動ストロークにより押し軸が押し下げ用アームを下降旋回し、この押し下 げ用アームの下降旋回によってワーク端縁を切り始めてからスクラップ落下用の ピンを大きなストロークで強制的に下降動させ、スクラップを確実に突き落して 排出する。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図１において、１は下型、２ は前記下型１に固定されている下型切刃ある。３は前記下型１に対して上下動す る上型であり、前記下型切刃２に対応する上型切刃５が固定されている。４はス プリング４ｂを介して上型３に取り付けられているパッドである。

【０００８】 前記上型切刃５にはスクラップ落下用のピン６が上下動可能に設けられ、スプ リング７によって常に上方に付勢されている。

【０００９】 ８は上下方向に移動可能な可動部材である。この可動部材８は、上型３に固定 された案内軸９に上下方向に移動可能に支持されている。この可動部材８には先 端がスクラップ落下用のピン６の上端に当接するアーム１０が上下方向に旋回可 能に枢支されている。このアーム１０はスプリング１１によって常に上方に旋回 付勢されている。

【００１０】 １２は上型３に突設された押し軸である。この押し軸１２は前記アーム１０に 当接されていて、上型３の下降によりパッド４が下型１に当接して以後の下型１ に対する上型３の相対移動ストロークによりアーム１０を下降旋回させるもので ある。尚、４ａはパッド４に形成されている凹部であり、上型３が下型１に対し て相対移動したときに前記案内軸９の下端が進入する逃がし用である。

【００１１】 上記の構造よりなる本考案の動作を図２に基づいて説明する。図２において、 （Ａ）はパッド４が下型１に当接した状態、（Ｂ）は上型切刃５の食い込み開始 状態、（Ｃ）はワーク端縁ＷＳを切断した状態、（Ｄ）は上型３の下死点状態を 示している。

【００１２】 図２の（Ａ）のように上型３の下降によってパッド４が下型１上にセットされ ているワークＷに当接した後に上型３が図１で示すストロークａだけ下降すると 可動部材８の下端が図２の（Ｂ）のようにパッド４に当接して上型３と相対移動 する。これにより、上型３に突設された押し軸１２がアーム１０を押し下げ、ア ーム１０は下方に旋回動してピン６を押し下げ開始する。このとき上型切刃５は ワーク端縁ＷＳに食い込みを開始する。

【００１３】 さらに、上型３の下降で図２の（Ｃ）のようにアーム１０はピン６を押し下げ ると共に、ワーク端縁ＷＳは下型切刃２と上型切刃５とによって切断されスクラ ップＳとなる。

【００１４】 上型３が下死点に到達すると図２の（Ｄ）のようにアーム１０は最下端位置に 旋回され、これによるピン６の下降端によってスクラップＳを強制的に押動して 落下排出する。

【００１５】 前記ピン６の始動タイミングは上型切刃５がワーク端縁ＷＳの切り始めと同調 させる必要がある。これは図１で示すように、アーム１０の枢支点から押し軸１ ２の当接点間での距離ｂと、アーム１０の枢支点からピン６の当接点間での距離 ｃの比率により、上型切刃５の食い込みストロークのｃ／ｂ倍のストロークに設 定することにより、ピン６の始動タイミングは上型切刃５がワーク端縁ＷＳの切 り始めと同調し、ワークＷを変形させずにスクラップＳを強制落下させることが できる。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案によると、下型に対して上下動する上型の側部に上下動可 能に設けられスプリングによって常に上方に付勢されたスクラップ落下用のピン と、前記上型に上下方向に移動可能に支持された可動部材と、この可動部材に上 下方向に旋回可能に枢支されスプリングによって常に上方に旋回付勢した前記ス クラップ落下用ピンの押し下げ用アームと、前記上型に突設され前記押し下げ用 アームに当接して上型のパッドが下型に当接して以後の下型に対する上型の相対 移動ストロークにより前記押し下げ用アームを下降旋回させる押し軸とを備えた 構成であるから、ピンは大きなストロークがとれるためスクラップを確実に落下 排出することができる。

【００１７】 また、上型切刃がワーク端縁を切り始めてからピンがスクラップとなるワーク 端縁を押し下げるため、ワーク（パネル）を変形させることがなく、ピンはスク ラップを鉛直方向に押圧落下させるのでスクラップの引っ掛りがなくなる。従っ て、上型切刃が平面でオーバハングしている場合でもスクラップを確実に落下排 出することができ、上型切刃の強度が確保される利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案装置の断面図

【図２】本考案装置の動作説明図

【図３】従来装置の断面図

【符号の説明】

１ 下型 ２ 下型切刃 ３ 上型 ４ パッド ５ 上型切刃 ６ ピン ７ スプリング ８ 可動部材 ９ 案内軸 １０ アーム １１ スプリング １２ 押し軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下型に対して上下動する上型に上下動可
   能に設けられスプリングによって常に上方に付勢された
   スクラップ落下用のピンと、前記上型に上下方向に移動
   可能に支持された可動部材と、この可動部材に上下方向
   に旋回可能に枢支されスプリングによって常に上方に旋
   回付勢した前記スクラップ落下用ピンの押し下げ用アー
   ムと、前記上型に前記押し下げ用アームに当接して上型
   のパッドが下型に当接して以後の下型に対する上型の相
   対移動ストロークにより前記押し下げ用アームを下降旋
   回させる押し軸とを備えたことを特徴とするプレス型の
   スクラップ排出装置。