JPH0696973A - 永久磁石の製造方法 - Google Patents

永久磁石の製造方法

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JPH0696973A
JPH0696973A JP4168459A JP16845992A JPH0696973A JP H0696973 A JPH0696973 A JP H0696973A JP 4168459 A JP4168459 A JP 4168459A JP 16845992 A JP16845992 A JP 16845992A JP H0696973 A JPH0696973 A JP H0696973A
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powder
rubber
permanent magnet
die
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Masato Sagawa
眞人 佐川
Hiroshi Nagata
浩 永田
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Intermetallics Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B11/00Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses
    • B30B11/02Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a ram exerting pressure on the material in a moulding space
    • B30B11/022Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses using a ram exerting pressure on the material in a moulding space whereby the material is subjected to vibrations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B11/00Presses specially adapted for forming shaped articles from material in particulate or plastic state, e.g. briquetting presses, tabletting presses
    • B30B11/008Applying a magnetic field to the material

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ゴムモールドを使用する永久磁石粉末のダイ
プレスにおいて:圧粉体の割れ、変形を少なくし、優れ
た磁気特性の永久磁石粉末をつくり;ダイプレス中の磁
界印加を省略し;湿式法を可能にし;連続生産を可能に
し;かつ圧粉体の割れ変形を少なくするゴムモールドを
提供する。 【構成】 高密度充填されたもしくは予備成形された磁
石粉末5をパルス磁界で配向しゴムモールド10とパン
チで圧縮し;パンチでの圧縮前に磁界4aを印加し;上
部が開放されたゴムモールド10にスラリーもしくはス
ラリーの予備成形体を供給し;ゴムモールドを周回経路
を移動させ;ゴムモールド10各部の厚みと硬さを調節
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は永久磁石の製造方法に関
するものであり、さらに詳しく述べるならば、永久磁石
粉末を磁界中で圧縮し配向することにより磁気特性を高
め、モータ、発電機などの電気機器に広く使用される永
久磁石を製造する方法に関するものである。
【0002】永久磁石としては、c軸方向に強い磁気異
方性を有するBaO・6Fe2O3,SrO・6Fe2O3 などのマグネトプ
ランバイト型六方晶、CaCu5 型六方晶のc軸方向に強い
磁気異方性を有するSmCo5 合金、Th2Zn17 型菱面体結晶
またはTh2 Ni17型六方晶のc軸方向に強い磁気異方性を
有するSm2Co17 合金、およびNd2Fe14B型正方晶のc軸方
向に強い磁気異方性を有するNd2Fe14B合金、Mn−Al
(正方晶)、Mn−Bi(六方晶)など多数の材料があ
り、性能向上のために異方性化が通常行われている。
【0003】
【従来の技術】永久磁石粉末に最も普通に実施される異
方性化の方法は、金属製ダイ中に充填した粉末に、粉末
の粒子が回転できる状態で(パンチにより圧力が粉末に
かかっていることもある)一定時間磁界をかけることに
よって配向させ、磁化容易方向を磁界の方向にそろえる
方法である。この配向状態のままパンチによりダイ中で
粉末をプレスして粉末を動かないように固定した圧粉体
が得られる。これを樹脂で固め、あるいは磁石粉末と樹
脂をダイプレスして固める樹脂ボンド磁石、または圧粉
体を焼結する焼結磁石が製品化されている。
【0004】焼結磁石の製造法としては、薄いゴムモー
ルドに粉末を詰め磁界中配向した後液体媒体中にゴムモ
ールドを沈めて静水圧プレスを行い焼結を行う方法も知
られている(「新時代の磁性材料」未踏加工技術協会
編、1983年、2版、第44頁)。しかし静水圧プレ
ス(CIP)は能率が悪いためにこの方法は工業的にほ
とんど実施されていない。
【0005】工業的によく使用される磁界中プレスには
図35に示すような垂直ダイプレスと図36に示すよう
な平行ダイプレスがある。図中、1aは上パンチ、1b
は下パンチ、2はダイ、3はプレスプランジャ、4は電
磁コイル、5は磁石粉末、6は磁極である。
【0006】平行ダイプレスは扁平な磁石の主面に垂直
な方向に異方性を有する異方性磁石の製造に使用され、
垂直ダイプレスはブロック状等の磁化の方向の長さが十
分に大きい比較的単純な形状の異方性磁石の製造に使用
されている。最近の磁石の応用では、扁平形状を有し、
主面に垂直方向に磁化される磁石の需要がほとんどであ
る。そのため平行ダイプレスによる生産量は垂直ダイプ
レスによる生産量よりはるかに多い。特にフェライト磁
石はほとんどが平行ダイプレスにより生産されており、
垂直ダイプレスによる工業的生産は皆無に近いといえ
る。
【0007】垂直ダイプレスと平行ダイプレスにより得
られた代表的磁石の代表的特性を表1に示す。
【0008】
【表1】 代表的磁石の平行プレスと垂直プレスの特性
【0009】表1より磁界中配向法の相違により特性の
相違が見られる。すなわち、平行ダイプレスにより圧粉
された焼結磁石の磁気特性、特にBrおよび(BH)max は垂
直ダイプレスのものよりも低くなっている。同じ磁性粉
末を使用する限り、平行ダイプレスと垂直ダイプレスと
の製法の相違による磁気特性の相違は再現性が良いの
で、磁石のメーカーはこれらのプレス方法ごとに規定し
た特性を仕様書やカタログに掲載している。
【0010】特公昭55−26601号公報によると、
金型中にあらかじめ成形したゴム容器を入れ、このゴム
容器中に希土類コバルト合金粉末を入れてから、平行ダ
イプレスする方法が提案され、ゴム容器を圧力媒体とし
て使用する方法によると平行ダイプレスでも、垂直ダイ
プレスと同様にまで磁気特性が向上することが謳われて
いる。また、同公報ではこの方法はフェライト磁石の磁
気特性はむしろ悪くなるとの説明がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前掲特公昭55−26
601号公報の方法は、ゴムを圧力媒体として使用する
磁界中配向成形により、平行ダイプレスでも垂直ダイプ
レスと同等の磁気特性をもつ希土類ーコバルト永久磁石
の製造を可能にする。この方法では永久磁石粉末は、予
めダイプレス機の金型中にセットされたゴムモールドに
入れられるから、ゴムモールドに自然充填される。その
場合の密度は約18%(希土類−コバルト合金の密度を
100%とする)以下となる。このような粉末を、密度
が通常50%程度である圧粉体に圧縮すると、ダイプレ
ス機内で圧粉体が割れてしまうか、あるいはゴムモール
ドが圧縮中に不均一変形し、その形状の設計変更によっ
ては修正できない程度に圧粉体が変形してしまうことが
分かった。ここで、磁石粉末の磁界中配向は、粉末の充
填密度に非常に敏感であり、自然充填よりも密度が高く
なると、磁界中配向が困難になることが知られている。
したがって従来はシェーカーなどを用いて18%以下の
低密度に永久磁石粉末が充填されていた。
【0012】本発明者は、ネオジウム磁石およびフェラ
イト磁石についてもゴム容器を使用する上記公報に示さ
れた方法を応用して、試作を行った。すなわち、ゴムを
ダイプレス機のパンチにより圧縮して、ゴムの弾性変形
による加圧力及びパンチによる加圧力を利用して、ゴム
内に充填した永久磁石粉末を磁界中で圧縮成形したとこ
ろ、自然充填後に圧粉を行うと同様に必ず割れ又は圧粉
体の変形が生じることを見出した。
【0013】前掲表1を引用して説明したように、現在
のところ工業生産された磁石では、平行ダイプレスは垂
直ダイプレスより磁気特性が劣るとの認識が一般的であ
り、前掲特公昭55−26601号が教示する垂直ダイ
プレスなみの磁気特性を有する平行ダイプレス製品は市
場には提供されていない。この原因は同公報に記載され
た方法では割れ又は変形が生じて、製品が得られないこ
とに関係すると考えられる。
【0014】したがって、本発明は、磁界中配向成形工
程においてゴムの弾性を利用して永久磁石圧粉体の配向
度を高めることにより優れた磁気特性を得るとともに、
割れや、ひび、かけなどが発生させないで永久磁石圧粉
体を得ることができる方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明に係る永
久磁石の製造方法においては、永久磁石粉末をダイプレ
ス機外でゴムモールド内に加振及び/又はプッシャーに
よる押圧によって高密度に充填するか、あるいは永久磁
石粉末の予備成形体をダイプレス機外でゴムモールドに
装填し、その後永久磁石粉末が充填もしくは装填された
ゴムモールドをダイプレス機内に配置し、ダイプレス機
内で、パルスによる配向およびパンチによる前記ゴムモ
ールドおよび永久磁石粉末の圧縮を行い、永久磁石粉末
の配向圧粉体を得、発明の目的を達成する。ここで言う
ゴムモールドは少なくとも側面がゴムからなるモールド
である。又、本発明におけるゴムモールドは、モールド
と一体になった底部を有するか、あるいは下パンチもし
くは片閉じダイの底部が底部の役割を担うモールドであ
る。さらに本発明のゴムモールドは取り外し可能であり
かつ金属、ゴムなどの材料からなる上蓋を有することが
あるが、その場合のゴムモールドには上蓋も一部として
含まれる。
【0016】従来法による永久磁石粉末を自然充填する
方法をゴムモールドに適用すると、充填密度は希土類−
鉄−ほう素系磁石及び希土類−コバルト磁石では18%
以下、フェライト磁石では16%以下である。これらの
磁石の粉末は磁気特性を充分引き出すために、一般の金
属材料に比べると非常に粒径の細かい粉末であるため
に、流動性が極めて悪い。一般材料では流動性を改善す
るために相当量の潤滑剤を添加することができるが、磁
石材料では炭素等の残留が磁気特性に悪影響を及ぼすた
め、潤滑剤が添加されるとしてもその量は極めて僅かで
あり、粉末の流動性を改善できない。従って一般材料で
は粒径を粗くしたり、潤滑剤を添加することにより流動
性を改善して、自然充填でもある程度までの高密度化が
可能であるが、磁石材料では上述の理由により止むなく
流動性の悪い粉末を使うことになるため、普通充填によ
り上述の値の充填率となる。
【0017】ゴムモールドを使用するダイプレス法にお
いて、かかる自然充填密度に粉末を充填した場合割れが
が発生する原因について図2を参照して説明する。磁石
は扁平形状を有する磁石の例について説明する。この場
合希土類コバルト磁石では充填密度は11〜13%程度
になる場合が多く、粉末の圧縮成形による寸法収縮率は
30〜40%もの多きに達する。するとゴムモールドの
部材10s,10k,10u相互間及びゴムモールド1
0と金型間に働く摩擦力等のためにゴムモールド10は
図2の(c)に示すように大きく変形する。この変形の
うちゴムモールドの蓋部10uおよび底部10kに生じ
る不均一変形dyはパンチによる加圧方向と平行方向の
亀裂5dの発生を助長し、ゴムモールドの側方部に生ず
る不均一変形dxはパンチによる加圧方向と垂直方向の
亀裂5eの発生を助長する。また上記の不均一変形dx
は成形体のエッジ部に激しい「象の足」変形を発生させ
る。
【0018】磁界中配向成形を行った磁石の圧粉成形体
では、磁界中配向成形後の脱磁が不充分であると、成形
体に磁化が残留し、これによる静磁エネルギによって圧
粉成形体内部に応力が発生する。そのために、圧粉成形
体に例え僅かな亀裂が発生しても、この応力によって亀
裂が急速に拡大し圧粉成形体が破片に割れてしまうこと
がある。このような割れはゴムモールドを使用する永久
磁石粉末のダイプレスでは非常に起こりやすくなる。特
に「象の足」変形を生じた圧粉体のエッジ部では特にこ
のような残留磁化による亀裂が発生しやすい。
【0019】本発明においては、こうしたゴムモールド
の不均一変形と残留磁化に基づく割れや変形などを防止
するために、自然充填よりも高密度に充填する必要があ
る。高密度充填された永久磁石粉末は磁界中配向成形工
程での圧縮量が通常の方法よりも少なくなるためゴムモ
ールドの不均一変形が少なくなり、圧粉成形体の割れ及
び形状不良が防止される。又、配向に関しては後述する
圧縮成形前の磁界印加及びパンチの移動方向と直交方向
のゴムの変形により、改善が見られる。したがって高密
度充填であるにもかかわらず、従来の磁界中ダイプレス
以上の配向性が得られる。
【0020】高密度充填のためにはゴムモールドに自然
充填された永久磁石粉末に振動を加えることにより密度
を高める。あるいはゴムモールドに自然充填された永久
磁石粉末をプッシャーで押しあるいは突き固めることに
より充填密度を高める。又は、加振後プッシャーによる
押圧を行い充填密度を高めることもできる。
【0021】本発明において充填の「高密度」とは磁石
の材質の種類にかかわらず自然充填密度の1.2倍より
大の値である。自然充填密度は主として磁石粉末の粒径
により定まるが、粒径3〜4μmの希土類磁石では14
%であり、粒径が約0.7μmのフェライト磁石では1
2%である。充填密度は、好ましくは、希土類−鉄−ほ
う素系磁石及び希土類−コバルト磁石では25%以上で
あり、フェライト磁石では20%以上である。より好ま
しい充填密度は29%以上である。ただし、充填密度が
50%を超えると通常の磁界強度では配向できなくなる
ので、充填密度は50%以下が好ましい。
【0022】上記高密度充填法以外に永久磁石粉末の予
備成形を行い上記した「高密度」を有する予備成形体を
作ることも可能である。この方法は、ダイプレス機など
の加圧機を使用し、永久磁石粉末を圧粉することにより
密度を高めるが、通常の圧粉体よりは低い密度の状態で
の加圧を行う方法である。予備成形体の密度は希土類磁
石では25〜50%、フェライト磁石では20〜50%
であることが好ましい。
【0023】続いて、図1を参照して加振方法を具体的
に説明する。粉末受け皿90からあらかじめ重量を測定
した永久磁石粉末5(以下「粉末5」という)をガイド
枠100を上部に固定したゴムモールド10に自然充填
する(図1の(a)参照)。粉末5はゴムモールド10
の上面よりさらに上方まで堆積する。続いてゴムモール
ド10を加振機41の上に載せ、振動を加える(図1の
(b)参照)。加振機41としては電磁式もしくはクラ
ンク式加振機などにより水平方向又は上下方向の振動を
発生するものを使用することができる。振動の周波数は
特に限定されないが、例えば1〜60Hzである。加振
は給粉時より行ってもよく、また給粉終了時以降に行っ
てもよい。
【0024】その後、粉末5がゴムモールド10よりさ
らに上方に盛り上がっている時は、プッシャー121に
より粉末5の上面をゴムモールド10の上面まで押し下
げる(図1の(c)参照)。続いて、プッシャー121
及びガイド枠100をゴムモールド10から引上げる
(図1の(d)参照)。
【0025】さらに、予備成形体の製造方法の具体例を
図3を参照して説明する。予備成形体を作る加圧機は、
ダイ125、可動式底板からなるダイ底部126、パン
チ128より構成される。粉末受け皿90からあらかじ
め重量を測定した粉末5をダイ空間に自然充填し(図3
の(a)参照)、15kg/cm2 〜100kg/cm
2 程度の圧力で圧縮する(図3の(b)参照)。その後
加圧機の下方にゴムモールド10を搬送し、ダイ底部1
26を引き抜き、パンチ128を更に押し下げて、ゴム
モールド10内に予備成形体129を落下させる(図3
の(c)および(d)参照)。予備成形体129の寸法
はゴムモールド10の内法寸法より小さくすることが、
パルスの撃力を予備成形体129に効率的に加えるため
に好ましい。
【0026】図1及び3に示されたような粉末の高密度
化およびゴムモールドへの充填を磁界中配向成形を行う
プレス機外で行うことによりプレスのアイドルタイムを
少なくして、生産性を高めることができる。図1、3と
は異なり、ゴムモールド10をダイと一体にして、ダイ
プレス機外にて粉末の充填あるいは予備成形体の装填を
行い、その後ダイをダイプレス機にセットしてもよい。
【0027】ゴムモールドは、一体もしくは分割型の連
続体である必要がある。ゴムモールドの間に摩擦力が生
じ変形が不均一になる場合もあり、これが好ましくない
場合もあるが、ゴムモールドをダイ中にセットすること
を容易にするために、その側方部を数個の部分(10
a、10b)に分割し、ダイ中で接触し連続体となるよ
うなゴム型を使用してもよい(図4参照)。能率上は好
ましくはないが磁石粉末と直接接触しない部分では一部
に粒状、液状、ゲル状、粉末状ゴム10cを使用しても
よい(図5参照)。ゴムモールドを配置するダイ空間内
の位置は製造する製品の形状に依存して粉末にできるだ
け均一な圧縮力が働くように工夫する。例えば、図6に
示すようにゴムモールド10の内部に設けた空洞部10
eに、水、油、液状ゴムなどを入れ、ゴムモールド10
内部の応力を均一化してもよい。
【0028】また、最も一般的な円盤状異方性磁石の場
合は、ダイの内周壁に接するようにゴムモールドを配置
すると、パンチ1の圧縮力により放射方向内向きの強い
圧縮力が発生する。この場合ゴムがダイに対して滑り、
十分に圧縮変形するように両者の間に潤滑剤、減摩剤な
どを配置することが好ましい。
【0029】図1に示すようなゴムモールドでは図7に
示すように圧粉体5′の上下エッジに「象の足」5aが
発生するときは、図8に示すようにゴムモールド10b
の上下端にテーパ10fをつけてもよい。図中、10k
はゴムモールドの底である。
【0030】なお、ゴムモールド内面にはBN(ボロン
ナイトライド)等の潤滑剤を塗り、磁性粉末とゴムモー
ルドとの付着力を減少させ付着から起こる割れを防止す
ることができる。さらにゴムモールドの内壁を薄いゴム
で覆ったゴムモールドを使用すると、圧縮力開放の時圧
粉体にかかる応力を弱め、割れを防止することができ
る。
【0031】磁界はパルスにより加えることにより配向
を行う。本発明によるゴムモールドを使用する、パンチ
の移動と直交方向の圧縮によれば、磁石粉末の配向が乱
れがたいので、通常の方法のように磁界中配向成形を静
磁界で行う必要はない。パルスは1μsec〜1sec
を1回以上、好ましくは2回以上、その強度は5〜10
0kOeが好ましい。
【0032】続いて、好ましい圧縮条件を説明する。パ
ンチの移動方向と直交する面の粉末の圧縮比A1 はパン
チの移動方向の圧縮減面率はパンチの移動方向の圧縮比
0 (=パンチの移動方向の寸法減少量/変形前の寸
法)に対して以下の範囲にあることが好ましい。
【0033】(a)平行ダイプレス 0<A1 ≦6S0 より好ましくは0.4S0 ≦A1
≦4S0 である。 さらに好ましくはS0 ≦A1 ≦3.6S0 である。圧縮
比とは圧縮前磁性粉体の平均寸法に対する圧縮後の磁性
圧粉体の平均寸法変化量の比率である。圧縮減面率とは
圧縮前磁性粉体の断面積に対する圧粉体の断面積減少量
の比率である、A1 <0.4S0 であると顕著な磁気特
性向上効果は得られない。しかしこの範囲であっても異
形品や超薄物品の成形ができるという利点はある。0.
4S0 ≦A1 より好ましくはS0 ≦A1 であれば顕著な
磁気特性向上効果が得られる。一方、A1 があまり大き
すぎると過大なプレス圧力を必要とし、実際的ではな
い。A1 ≦6S0 、好ましくはA1 ≦4S0 、より好ま
しくは、A1 ≦3.6S0が望ましい。また、パンチの
移動方向と垂直な方向のゴムの厚さが0でない有限の値
をとれば、原理的にA1 は必ず0よりは大きくできる
が、ゴム厚の絶対値が小さくなりすぎるとプレス時にゴ
ムモールドが挫屈して成形ができなくなる。ゴムの弾性
率を考慮して、挫屈を起こさずかつA1 が好ましい値の
範囲に入るよう適切なゴム厚を選択する必要がある。
【0034】(b)垂直ダイプレス 0<A1 ≦4S0 、好ましくは、0<A1 ≦3S0 より
好ましくは、0<A1 ≦2.4S0 垂直ダイプレスにおいては、ゴムモールドと成形体の間
に間隙が生じるために、ゴムモールドから成形体を取り
出す時の摩擦が少なくなり異形品や超薄物などこれまで
ダイプレスでは困難であった形状の成形体を製造でき
る。また平行プレスの場合と同様、ゴムモールドの挫屈
を起こさずにA1 を好ましい範囲に入れるためにゴム厚
を選択する必要がある。A1 が大きすぎると過大なプレ
ス圧力が必要なことは平行ダイプレスの場合と同じであ
る。但し、直角プレスではA1 が大きいと磁気特性の向
上が顕著でなくなるので、A1 の上限値は上記のように
平行プレスの場合より低く限定される。
【0035】パンチの圧力は50kg/cm2〜5000kg/cm2の範
囲が一般に好ましい。より好ましいパンチの圧力は100k
g/cm2 〜1000kg/cm2の範囲である。この値は従来のダイ
プレスの値と一部重複しているが低くなっている。これ
はゴムの使用によりモールド全周から粉末に圧力が加え
られるために、高密度化が容易に進行するためである。
永久磁石の形状、寸法は特に制限がなく、腕時計用ロー
タ磁石、電子シリンダー錠等の超小型磁石や、OA機器
のステッピングモータ、ビデオカメラ用直流モータ、ロ
ボット用アクチュエータなどの超薄型磁石などの小型磁
石から、MRI(magnetic resonance image) などの大型磁
石を本発明により製造することができる。
【0036】さらに図9〜11に示すように弓形圧粉体
を作ることもできる。図9はゴム型の全体図、図10は
ゴム型の断面図、図11は弓形の圧粉体をそれぞれ示
す。上下パンチ(図示せず)はゴムモールド10の上下
面と同じ形状の凹面および凸面をそれぞれ有する。さら
にまた、角柱状圧粉体を作る外形が円筒形のゴムモール
ド10(図12)、カマボコ型(すなわち上下面のいず
れかが湾曲した直方体)圧粉体をつくるゴムモールド
(図13)、角錐台形を作るゴムモールド(図14)、
溝付き平板型ゴムモールド(図15)を示す。
【0037】ゴムモールドの設計は、複雑な形状の圧粉
体の場合、より単純な類似形状のゴムモールドで得られ
たゴムモールドの寸法と圧粉体のデータを基に、該複雑
な形状の圧粉体を成形するコンピューターシュミレーシ
ョンにより設計される。また単純な型状で、しかもゴム
モールドの外形状と圧粉体の外形状が同一の場合は以下
に示すような簡単な設計方法で大まかな寸法を予想でき
る。
【0038】ゴムモールドの簡易設計においては、プレ
ス前後でゴムの体積は不変であり(前提1)、またプレ
ス前の磁性粉末のかさ密度対圧粉成形体のかさ密度が一
定比率である(前提2)ことを前提としてゴムモールド
の大体の寸法を設計することができる。図16に示すよ
うなリング状ゴムモールド側方部10sを使用し、円盤
状成形体11を圧粉する場合、前提1より、 yπ{(x0/2)2−(xi/2)2}=YGπ {(x0/2)2 − (lG/2)2} となる。
【0039】前提2は未造粒の乾式フェライト粉末の場
合およそ1.9:1となるので、 yπ(xi/2)2 :YGπ (l G/2)2 =1.9:1 である。これら二つの式より作成したい圧粉成形体のゴ
ムモールド側方部10sの大体の寸法を設計することが
できる。設計後数回圧粉体の試作を行い、圧粉体のゴム
モールドからの取り出し易さ、圧粉体の寸法精度、ゴム
モールドの変形、ゴムモールドの固さなどを考慮してゴ
ムモールド側方部の寸法を調整する。
【0040】本発明に使用するダイプレス機は、油圧プ
レスでも機械プレスでもよく小型の手動式ダイプレス機
から大型の自動ダイプレス機まであらゆるダイプレスを
使用することができるが、上下シリンダーが同時に動き
同時に加圧する両押し型のダイプレス機や上下シリンダ
ーの一方のみが動くがシリンダの動きに合わせてダイが
動くダイフロート型ダイプレス機もしくはウィズドロー
アル型プレス機を使用することが好ましい。
【0041】以上説明したように、ゴムモールドがパン
チの移動方向と直角方向に変形することにより永久磁石
粉末の配向度は高められる。配向度は一般にBr/4π
Is(ただし、Brは残留磁束密度、4πIsは飽和磁
束密度)である。
【0042】以下、原則として請求項の順に本発明の構
成及び作用を説明する。請求項2の方法は、ゴムモール
ドに充填された永久磁石粉末または装填された永久磁石
粉末の予備成形体に、磁界中配向成形工程前に、磁界を
瞬間的に印加するかあるいは磁界中ダイプレスより高い
静磁界を印加することを特徴とする。すなわち、この方
法によれば、乾式成形法においてゴムモールドの開放部
からゴムモールドに永久磁石粉末を充填し又は永久磁石
粉末の予備成形体を装填した後、ゴムモールドに蓋を
し、該粉末に磁界を印加し、その後上記本発明法により
磁界中配向成形を行う。
【0042】磁石粉末を著しく高密度にゴムモールドに
充填すると、充填密度が高くなればなるほど、特に29
%以上では粉末粒子間に働く摩擦力が大きくなり、磁界
中配向により摩擦に打ち勝って粉末を配向させるのに十
分な回転力を与えることが困難になる。この結果圧粉体
の配向度は低下する。請求項2の方法では、ゴムモール
ドを磁界中配向成形する前に、ゴムモールド中の磁石粉
末に瞬間的磁界をあるいは磁界中配向成形工程よりも高
い磁界を印加することによって粉末に十分な回転力が発
生され、粉末の配向状態を変える。磁石粉末はその後ダ
イプレス機でゴムモールド内で再びパルス磁界を印加さ
れるが、そのときは充填密度が例えば29%以上と著し
く高くとも、極めて良好な配向度が再現性よく得られ
る。配向度を向上させるためには、予備磁界印加におけ
る回転力は撃力として与えることが好ましい。磁界は5
kOe〜100kOe、好ましくは10kOe以上、特
に15kOe以上の高磁界を1μsec〜1secのパ
ルスとして少なくとも1回、好ましくは2回以上磁石粉
末に印加することが望ましい。またパルス磁界は立ち上
がりの磁界の強さ変化が急激であることが重要であり、
所定強度に到達後は磁界強さは一定でもあるいは徐々に
減少してもよい。
【0043】また、著しく高い密度に充填された粉末を
そのまま圧縮すると粉末の変形が不均一になるが、上記
のように事前に磁界を印加することにより、粉末は解砕
され、粉末が充填時される時にゴムモールド内において
局部的に粗密がある充填状態から均一な充填状態に変化
する。粗密がある充填状態ではダイプレスにおいて変形
する時に、成形体が鋭いコーナーを有する等不均一変形
を起こしやすい形状であるときは、割れや欠けが圧粉体
に起こり、また焼結体の変形が起こって機械加工の削り
代を多く取らなければならないなどの問題が起こる。し
かし均一充填状態の粉末をゴムモールド内で変形するこ
とはこの問題の対策として有効である。
【0044】以上請求項2に関連して述べた方法は予備
成形体にも同様に当てはまる。予備成形体は磁石粉末の
加振装置よりも高価な装置を使用するので、粉末の密度
を高めることによって割れや欠けなどを出来るだけ起こ
さないようにすることが望ましいが、そうすると配向度
の低下が起こるので、この対策として予備磁界印加が有
効である。
【0045】請求項2の方法を実施する装置の具体例を
図16を参照して説明する。図の右半分に示されるのは
磁石粉末を充填しダイプレスに挿入するためのラインで
あって、4aはダイの外で磁石粉末を解砕し、配向する
パルスを発生させる電磁コイル、40はコンベヤー、4
1はコンベヤー40の裏側に摺動可能に接触している加
振機、42は磁石粉末のフィーダーである。加振機41
はゴムモールドの側方から接触させてもよい。このライ
ンでは、先ず、停止したコンベヤー40の上に載せられ
た底付きゴムモールド10iに磁石粉末5をフィーダー
42から注入し、注入と同時に加振機41により底付き
ゴムモールド10iを揺すって、磁石粉末5の充填密度
を高める。矢印方向にコンベヤー40が回転すると、底
付きゴムモールド10iがゴム蓋10hのセット場所ま
で移動し、次にコンベヤー40が停止し、油圧シリンダ
ー52のピストンロッド53が下降し蓋を底付きゴムモ
ールド10iに嵌込む。さらにコンベヤー40が回転す
ると、ゴム蓋10h付きゴムモールド10i(以下、ゴ
ムモールド10h,iという)は磁界コイル4a,4a
の中間に移動し、そしてパルス磁界が磁石粉末5に印加
される。配向された磁石粉末5を入れたゴムモールド1
0h,iはコンベヤー40およびダイ2の上部と同じレ
ベルに設けられた台44の上を、図示されないプッシュ
ロッドなどによりダイ2に向かって滑って行く。以上の
一連の操作の所要時間は例えば以下のとおりである。
【0046】 (イ)フィーダー42からの注入:0.5〜30秒 (ロ)加振:1〜30秒 (ハ)コンベヤー回転(フィーダー42から油圧シリン
ダーの位置への移動):1〜10秒 (ニ)蓋10hの嵌込み:1〜30秒 (ホ)コンベヤー回転(油圧シリンダから電磁コイルの
位置への移動):1〜10秒 (ヘ)パルス磁界印加:1〜10秒 (ト)コンベヤー回転(電磁コイルからダイ2への移
動):1〜10秒
【0047】以上の一連の操作(イ)〜(ト)は制御ユ
ニット50によりタイミング及び所要時間が制御され
る。すなわち、(イ)、(ロ)、(ニ)、(ヘ)の操作
中はコンベヤー40が回転しないように、コンベヤー4
0が停止してからこれらの操作が開始するように、制御
ユニット50は指令を発する。また、(ハ)、(ホ)、
(ト)のコンベヤー回転は同期して行うことが必要であ
る。上述の例では(ヘ)の所要時間が最短であるので、
最長の(ロ)が終了するまで(ハ)のコンベヤー移動は
開始しない。このような待機と同期運動の指令も制御ユ
ニット50が行う。
【0048】図16において、51はフィーダー42の
内部に設けられたスクリューロッド(図示せず)を回転
させるモーターである。制御ユニット50からの指令に
よりモーターはスクリューロッドを所定数回転させ、ス
クリュー間隙に巻き込まれた粉末が回転量に応じてゴム
モールド内へ定量供給される。55はパルス励磁電源で
あり、制御ユニット50により、設定された電力、所望
時間およびタイミングでパルスを発生する。
【0049】モーターが所定量回転し終わると同時にフ
ィーディング終了信号を発生させ、制御ユニット50に
送る。フィーディング終了信号が制御ユニット50に入
力されるとコンベヤー40が移動可能になる。41、5
4、55からも該当操作の終了信号が制御ユニット50
に入ると、コンベ−ヤー50は矢印の方向に所定距離移
動し、停止する。なお、コンベヤー40を複数の金属チ
ェーン又はベルトを配列して構成し、二つのチェーン間
に設けた電磁スイッチあるいは誘電率のセンサ−などが
ゴムモールド10h,iを機械的にあるいは物理的に検
出した時にコンベヤー40を停止させると、ゴムモール
ド10h,iが所定位置に正確に停止する。ダイプレス
後はゴムモールド10h,iは下パンチ1bにより押し
上げられ、図の紙面と直交方向のコンベヤによりダイプ
レスから搬出される。
【0050】請求項3記載の方法では、ゴムモールド
と、上下パンチのいずれか一方の間に前記ゴムモールド
よりも硬質の弾性体からなるバックアッププレートを配
置する。バックアッププレートの使用例を図17により
説明する。ダイ2中に配置されたゴムモールド10を直
接パンチ1a,1bで加圧すると、特にゴムが軟質の場
合はゴムがダイ2とパンチ2a,2bの隙間に塑性流動
して(図17の(a)の矢印参照)、噛み込みを生じ
る。この結果、パンチ1a,1bがダイ2から抜き取り
にくくなり、またゴムモールド10が損傷する。したが
って、図17の(b)に示すように、ゴムモールド10
と、上パンチ1aと下パンチ1bの両者のにゴムモール
ド10よりも硬質のゴムからなるバックアッププレート
12を配置すると、パンチ1aおよび1bによる圧下に
よってバックアッププレート12が弾性変形して、パン
チ1a,1bとダイ2の間の隙間をシールする。また、
バックアッププレート12は上パンチ1aにのみ取り付
けてもよく、図17の(c)に示すように、上下パンチ
1a,1bのエッジに窪みを設けて、そこにリング上の
バックアッププレート12を取り付けてもよい。
【0051】バックアッププレート12は図17の
(d)のようにゴムモールドの外周部上下端にリング状
のものをはめ込んでもよい。図18は本発明の実施例に
係る装置の平面図、図19は図18の側面図、但し一部
断面図である。この装置では、ダイを円盤状回転ダイ2
aとし、穿設した複数個(図面では2個のみが示されて
いるが3個以上でもよい)の円筒形孔部により形成し、
それぞれのダイが円形経路に沿って移動するように回転
ダイ2aをモーター91により回動させ、上下パンチ1
a,1bをダイ内に上下から奘入する第一の位置P1
設け、第二の位置P2 で回転ダイに磁石粉末をゴムモー
ルドともに奘入するモールドローダー70を設け、さら
に、第三の位置P3 において回転ダイ2aから圧粉成形
体を包含するゴムモールドを取り出す取出器78,84
を設けている。回転ダイ2aはモーター91によりP
1 ,P3 ,P2 を順次循環される。
【0052】円盤ダイ2aはすべてが高価なダイス鋼で
なくパンチと接触する周囲だけ使用すればよく、他は軽
量化低コスト化の為に、その一部をプラスチック、鉄等
を使用できる。モールドローダー70は2基のシリンダ
ー71、80により駆動される。シリンダー71は先端
に吸引口を取り付けた中空ロッド79を前進後退させ
る。図19の位置では右側に示されたゴムモールド10
がダイ中に挿入されている。シリンダー80はそのピス
トン82に固着されたシリンダー71を全体として昇降
させる。上昇状態では、吸引口はコンベヤー40上でゴ
ムモールド10を吸引し、その後上昇状態のままピスト
ン79が前進し、ダイの上方まで移動する。その後シリ
ンダー71は下降し、ダイ中にゴムモールド10を挿入
する。76、81は油圧ユニットである。75は固定カ
ムであって、回転ダイ2aが回転すると、ダイ中に設け
られた昇降底2dが固定カム75の上面輪郭に沿って図
20に示すように摺動する。すなわち、まずプレス中に
はダイは固定カム75からは完全にはなれているが
((a)図参照)、次に固定カム75の裾の部分に乗り
((b)図参照)さらに山の斜面に沿って上昇し
((c,d図参照))、頂上の平坦部に達すると、圧粉
成形体を内部に配置したゴムモールド10は回転ダイ2
aの上面と同じレベルに達する((e)図参照)。この
時ゴムモールドは第三の位置P3 に達している(図19
参照)。その後再び昇降底2dは下降するので、未成形
の磁石粉末をダイに受け入れできるようになる((f)
図参照)。
【0053】第二の位置P2 近傍に末端が位置する第一
のコンベヤー40を設け、第一のコンベヤー40により
磁石粉末を充填したゴムモールドを搬送する。第一のコ
ンベヤー40の所定位置にパルス磁界発生器4aを設
け,別の位置に底付き型に蓋を押圧するモールドローダ
ー70を設け、さらに別の位置に磁石粉末末のフィーダ
ー42を設ける。
【0054】第三の位置P3 近傍に末端が位置する第二
のコ−ンベヤー140を設けている。ゴムモールド10
は回転ダイ2aの回転運動によってゴムモールド回収板
78に沿って案内され、さらに固定式の台84上を若干
滑って第二のコンベヤー140上に受け渡される。
【0055】請求項4記載の方法では、ゴムモールドに
希土類永久磁石粉末を不活性ガスの存在下で充填または
装填することにより、粉末の酸化を防止する。この実施
態様では図1及び2に示す工程を図21の(a)に示す
ように不活性ガスを充満したチャンバー95内で行う。
その後、図21の(b)に示すようにゴムモールド10
をダイプレス機にセットし、ダイプレスを行い、(c)
に示すようにダイプレス機からゴムモールド10を取り
出す。このようにすると、酸化し易い希土類粉末の酸化
を避け、磁気特性を良好に保つことができる。この方法
は、無酸素雰囲気中でジェットミル粉砕した磁石粉末に
提供すると格段の利益が得られる。この粉砕法は、酸素
量を検出限界以下にしたN2 雰囲気を使用するので得ら
れた粉末は酸素量が低く、すぐれた磁気特性を発揮する
可能性はあるが、一方で極めて活性であり空気中で直ち
に発火し、取り扱いが困難である。
【0056】請求項4の方法によると、かかる高活性粉
末を利用しそのすぐれた磁気特性を引き出すとともに、
ゴムモールドの変形による磁気特性向上の効果と相まっ
て、極めて良好な磁気特性を得ることができる。
【0056】以上の方法によって得られた圧粉体に公知
の方法で焼結を施し、必要により熱処理も施して、焼結
永久磁石を製造することができる。また、樹脂と磁石粉
末を圧粉することによって樹脂結合磁石を製造すること
ができる。
【0057】請求項8記載の方法では、ゴムモールドへ
の永久磁石粉末の自然充填後に行うゴムモールドへの高
密度充填、磁界印加、ダイプレス、及び圧粉成形体のゴ
ムモールドからの取りだし、をゴムモールドを搬送する
周回経路で順次繰り返し行う構成とする。
【0058】これらの構成の一実施例を図22を参照と
して説明する。ゴムモールド10i(図23参照)のゴ
ム自体は底なしモールドを形成し、ゴムモールドの開放
底部は回転ダイ2aの一部に閉じられている。したがっ
て、回転ダイ2aがゴムモールドの底部を構成してい
る。ゴムモールド10iがリング状回転ダイ40上で順
次回転移動しながらフィーダー42による粉末のゴムモ
ールド10iへの充填、Cの位置で行われる蓋10uの
はめこみ(図示せず)、電磁コイル4aによるパルス配
向、磁界中ダイプレス装置60によるダイプレス、蓋1
0uの取りはずし(Fの位置で行われる)、成形体取り
出し装置62による成形体の取りだしなどの一連の操作
(A〜H)を行うことができる。
【0059】取り外された蓋10uはリニヤートランス
ポーター140により蓋はめ込み場所Cに戻される。リ
ニヤートランスポーター140(図24参照)は吸引口
140aを移動させるレールより構成されている。吸引
口140aは吸気ポンプと連通され、またレールに可動
に装着されたモーター(図示せず)により上蓋を吸着し
てレールを走行する。
【0060】磁界中ダイプレス装置60は上下パンチ、
電磁コイルなどから構成されている。成形体取り出し装
置62は、シャフト65の周りを一定角度振回しうる電
磁石よりなるアーム64を含んでなり、、励起された電
磁石が異方性を付与された圧粉体63をコンベヤー40
上にて吸収し、振回後電磁石の電源が切られると成形体
を別のコンベヤー66上に載せるように動作する。
【0061】図22において、150はエアーピスト
ン、151はエアーユニット、152は電磁石、153
は電磁石励磁電源である。電磁石152は圧粉体をダイ
から取り出した後、ダイキャビティ上方に移動し、そし
て電源153により励磁されて、磁力によりゴムモール
ド内に残存する永久磁石残粉を吸引して、ゴムモールド
の清掃を必要により行う。
【0062】なお圧粉成形後ゴムモールド10iは原形
に復帰するので圧粉体63の周りにリング状間隙10r
が作られる。この間隙10rは上記した吸引により圧粉
体63をゴムモールド10iから取り出すのに十分な大
きさを有する。66は制御ユニット50により駆動され
るステップモータ67により駆動されるコンベヤーであ
る。アーム64が該コンベヤー66上方に振回、圧粉体
63をコンベヤー66上に載せた後に、コンベヤー66
が移動する。かかる一連の動作は制御ユニット50によ
り制御される。
【0063】ダイプレスの中でゴムモールドセット、磁
界中プレス、ゴムモールド取り出しと三つの工程を行う
方法と比較すると、図22の方法は、ダイプレスでは磁
界中プレスのみを行い、他の部分で同時にゴムモールド
セット及びゴムモールド取り出しが行えるので、一つの
プレスサイクルが大変短くなり、大量生産用の装置とし
て好ましい。
【0064】図22に示される無終端経路式ダイプレス
法により永久磁石を量産する場合、各工程の所要時間は
例えば以下のとおりである。 (a)自然充填、振動、プッシャー(図22のAで行わ
れる)から(b)まで−15秒 (b)上蓋取り付け(Cで行われる)−5秒 (c)パルス磁界印加(Dで行われる)−10秒 (d)ダイプレス(Eで行われる)−15秒 (e)上蓋取り外し(Fで行われる)−5秒 (f)圧粉体の取り出し及びゴムモールド清掃(Gで行
われる)−10秒 最長の所要時間は15秒であり、(a)〜(f)の各工
程から次の工程への2秒の搬送時間であるから17秒毎
に1個の圧粉体が作られる。
【0065】続いて、ダイ中で粉末を充填する通常のダ
イプレスの所要時間を示す。 (a)フィーダーによる粉末の充填−10秒 (b)上パンチ下降(上パンチがフィーダーから退避し
ていた位置からダイ内まで下降する)−5秒 (c)プレス(静磁場印加、上下パンチにて加圧、逆磁
界印加−27秒(d)逃げ調整−5秒 (e)圧粉体取り出し−10秒 (a)〜(e)の合計57秒、通常のダイプレス法では
全工程(a)〜(e)が終了するまで最初の工程(a)
を開始することができない。したがって、1個の圧粉体
をつくるために57秒もの長い時間が必要である。
【0066】本発明法においては、ゴムモールドへの永
久磁石粉末の自然充填と、ゴムモールドへの高密度充填
は同一場所で行うことが好ましい。自然充填はガイド枠
100(図1参照)を利用して行うが、プッシャーなど
による充填を自然充填と別の場所で行うと、ガイドプレ
ートを自然充填場所からプッシィング場所まで移動さ請
求項9の方法では、不活性ガスチャンバー内に前記周回
経路を収納することにより請求項5記載の方法によって
得られるのと同等の効果を得、高性能の希土類類磁石を
能率よく製造する手段を得る。Nd2 Fe14B、Sm−
Coなどの永磁石粉末は極めて酸化し易く、粉末が酸化
することにより磁気特性が直ちに劣化する。これを防止
するために、ゴムモールドが不活性ガスが充満したドー
ム状の覆いの中を移動させる。ドーム状の覆いは周回経
路に添ったリング状とするかあるいは周回経路とその中
心空間を被覆する円盤もしくは楕円盤状とすることがで
きる。
【0069】請求項8記載の方法では、ゴムモールドへ
の予備圧粉体の装填、磁界印加、ダイプレス、及び圧粉
成形体のゴムモールドからの取りだし、をゴムモールド
を搬送する周回経路で、順次繰り返し行う構成とする。
これらの発明は図22のフィーダー42に代えて、予備
成形体をゴムモールドへ装填する装置125、128
(図2参照)を配置する。
【0070】請求項13はリングなどの中空体の製造方
法に関し、ゴムモールドが中空部形成のために該ゴムモ
ールドより硬質の材料からなるマンドレルを備えている
構成とする。この構成とは逆にマンドレルが軟質である
と、パンチの加圧力により圧粉体と一緒にマンドレルが
径方向に収縮し、次にパンチを後退させ、ゴムモールド
と圧粉体に加えられていた荷重を除くと、マンドレル1
0mが収縮した圧粉体5の中心穴を押し広げるように膨
張する(図36参照)。この結果圧粉体5′に割れが発
生する。したがってマンドレル10m(図36参照)は
側方部10sよりも硬質であることが好ましい。
【0071】中空形状の磁石は放射方向に配向したラジ
アル異方性、厚み方向に配向したアキシャル異方性など
を付与される。
【0072】図37はマンドレルを使用して図38に示
すような二つの中空部を有する圧粉体を作る成形法の一
具体例を示し、マンドレル10m,10m’を金属から
構成し、マンドレル10mが入る凹部1a’を上パンチ
1aの中に形成している。続いて、乾式ダイプレスおよ
び湿式ダイプレスならびに、すべての形状の圧粉体に共
通するゴムモールドの好ましい実施態様を説明する。
【0073】その第一は、ゴムモールドがゴムモールド
内面のうち上下面の少なくとも一方を形成する材料(上
面を形成する材料を蓋部、下面を形成する材料を底部と
呼ぶ)が前記内面の側面部を形成する材料(これを側方
部と呼ぶ)よりも硬質であるように構成したものであ
る。この構成とは逆に、底部が軟質で、側方部が硬質で
あると、図50の(c)で示した不均一変形に加え図3
9に模式的に示すように、側方部10sの変形に伴って
底部10kが縮もうとし、しわが底部10k表面に発生
する。このしわがクラックの起点になり、圧粉体5′が
割れてしまう。また軟質材は、表面に粉末が噛み込まれ
やすく、また圧粉体とモールドとの間の摩擦も大であ
る。さらに、パンチによる圧力を取り除いた時、軟質の
底部10kは元の形状に戻ろうとし、逆変形するが、こ
のとき底部のゴムが圧粉体5′とかみ込んで逆変形に追
随させようとし、圧粉体5′が割れに至る。これらのこ
とが圧粉体の割れを生じさせる原因となる。側方部10
sと底部10kの硬さが同じ場合は、パンチによる圧縮
量が多くなると同様に割れの危険が高まる。したがっ
て、本発明では底部および/または蓋部を側方部より硬
いゴムとするか、あるいは底部および/または蓋部を金
属もしくは硬い樹脂とする。
【0074】第二のゴムモールドにおいては、ゴムモー
ルドの蓋部もしくは底部の少なくとも一方の厚み(t、
単位mm)が式:t≦16h/D(ただし、hは圧粉体
の厚み、Dは圧粉体の断面積の正の平方根である)で表
されるように構成する。ここで蓋部もしくは底部の厚み
及び圧粉体の厚みとはパンチによる加圧方向の厚みを言
い、圧粉体の断面積とはパンチによる加圧方向に直交す
る圧粉体の断面積を言う。圧粉体の面積が大になる(式
の右辺が小さくなる)ほど、ゴムが逆変形する時の力が
大きくなり、圧粉体が割れやすくなるので、ゴムモール
ドの蓋部および底部の厚みを小さくする。底部10kの
厚みを小さくすることを示す図39において、底部10
kは上パンチ1aの加圧力Paとその反作用Pbにより
押さえつけられている。一方、底部10kにしわを作る
力はゴムモールドの側方部10sおよび粉末5が断面積
を小さくするように縮小する力Pcである。底部10k
の厚みが小さくなるほど前者の押さえつけ力Pa、Pb
が大になり、後者の力Pcを上回ると、しわが発生しな
くなる。また、上記の式の係数16は下記の実験の結果
割れ発生有無に対して臨界的であることが見出された。
後述の図40の(e)及び(g)の形状をもつゴムモー
ルド(寸法30×30×5mm、h/D=0.17)を
用いてNd−Fe−B系磁石粉末を1.0t/cm2
圧力で成形した。この成形を、ゴムモールドの底部厚み
(t)を0.5〜3.5mmの範囲で変化させて、各厚
みにつき10回行い、10個の成形体を作製した。その
結果、次の割れ個数が得られた。t=0.5、1.0、
1.5mm、0個;t=2.0mm、1個;t=2.5
mm、4個;t=3.0mm,10個。この割れ調査結
果より上記した係数16が求められた。
【0075】図41の(a)〜(k)に、図39、図4
0に示された二つの方法を具体化したゴムモールドの例
を示す。図中ハッチングは金属または硬質ゴムを示す。
(a)は上蓋10uを軟質ゴム、側方部10sを軟質ゴ
ム、底部10kを硬質ゴムまたは金属とした例である。
(b)は上蓋10uを軟質ゴム、側方部10sを軟質ゴ
ム、底部10kを硬質ゴムまたは金属とした例である。
(c)は上蓋10uを上記の式を満たす薄い(以下、単
に「薄い」という)軟質ゴム、側方部10sを軟質ゴ
ム、底部10kを硬質ゴムまたは金属とした例である。
(d)は上蓋10uを上記の式を満たす薄い(以下、単
に「薄い」という)軟質ゴム、側方部10s及び底部1
0kを一体の軟質ゴムとした例である。(e)は上蓋1
0uを硬質ゴムまたは金属、側方部10sおよび底部1
0kを一体の軟質ゴムとした例である。(f)は上蓋1
0uを軟質ゴムまたは金属、側方部10sおよび薄い底
部10kを一体の軟質ゴムとした例である。(g)は上
蓋10uを硬質ゴムまたは金属、側方部10sおよび薄
い底部10kを一体の軟質ゴムとした例である。(h)
は上蓋10uを薄い軟質ゴム、側方部10sおよび薄い
底部10kを一体の軟質ゴムとした例である。(i)は
上蓋10uを硬質ゴムまたは金属、側方部10sを軟質
ゴム、底部10kを硬質ゴムまたは金属とした例であ
る。(j)は上蓋なし、側方部10sを軟質ゴム、底部
10kを側方部の切り欠きに固定した硬質ゴムまたは金
属とした例である。(k)は硬質ゴムまたは金属の底部
10kを側方部10sで側面と下面から取り囲んだ例で
ある。底部が薄い場合は、底部下側を金属もしくは硬質
ゴムなど、底部上側より硬質の材料で補強することがで
きる。(l)は(i)の上蓋10uに下向きの突起を設
け、プレス機外で上蓋により粉末を高密度に圧縮し、
(l)に示された状態でプレスする例である。
【0076】図42の(a)には図41の(e)と同じ
作用を有するゴムモールドを示す。この(a)のゴムモ
ールドでは上パンチ1aが上蓋10uの作用を営み、圧
粉体の割れを防止する(請求項12、20の方法)。さ
らに図42の(b)には図41の(i)における上蓋1
0u、底部10kの作用をそれぞれ上パンチ1a及び下
パンチ1bが営むモールドの例を示す。さらに、図42
の(c)には、上パンチ1a及び下パンチ1bが硬質材
料であり、硬質上蓋10u(例えば図41の(e)参
照)の作用を営むモールドが示されている。
【0077】図43に示される圧粉成形体5′のエッジ
5eが鋭い場合あるいはゴムモールドの均一変形度が劣
る場合は、圧粉成形体のコーナー部分は、機械的衝撃に
対して弱くまた特に自動化工程におけるロボットによる
ハンドリングや搬送時の機器による蹴りだしによって欠
けが発生しやすい。また鋭いコーナーは磁界中配向成形
後に消磁を行っても磁化が残留しやすく、機械的強度が
低下する。図44の(a)は磁界中配向成形においてコ
ーナー部5eが割れていることを示す。消磁後にはコー
ナー部5eには僅かな磁化が残留していれば、図44の
(b)に示すようにコーナー部5eが脱落して反転し、
コーナー部5eと圧粉成形体5′本体と異極どうしが引
き合い、これらは内部に蓄えたエネルギを解放しようと
するために、磁界中配向成形中よりも一層消磁後に欠け
が起こりやすい。このような欠けを防止し且つ圧粉成形
体のコーナーを丸くするためには、図45に示すように
ゴムモールド10sに湾曲部10rを設けることが好ま
しい。湾曲部10rはゴムモールドが粉末と面する面に
おいて上下のいずれか一方または両方の末端部である。
湾曲部10rの曲率半径は約0.1〜5mmであること
が好ましい。以下実施例により本発明を詳しく説明す
る。
【0078】実施例1(Nd-Fe-B 焼結磁石) 使用したゴムモールドは上蓋10uは金属製、側方部1
0sおよび底板部10kは一体の軟質シリコンゴム(硬
度26)とし、底部10kの下にゴムの噛み込み防止用
として硬質ウレタンゴム製(硬度80)のバックアップ
プレート12を配置した。モールドキャビティの形状は
50mm,50mm,5mmであった。ゴムモールド、
上蓋、バックアップリングは面取りを行った。
【0079】金属ネオジウム(Nd),電解鉄(Fe),金属ほ
う素(B) 、金属ディスプロシウム(Dy) をNd14.0Dy0.4F
e78.0B7.6 の組成に配合後、アルゴンガス中でアーク溶
解してインゴットを作成した。このインゴットをスタン
プミルで平均粒径が20μmになるように粗粉砕し、次
にジェットミルで平均粒径が3.0μmになるように微
粉砕した。この微粉末を上記のゴムモールド10s、1
0kに振動及びプッシャー押圧を加えて、充填密度が
1.0〜4.2g/cm3 (13〜56%)になるよう
に充填した。ゴムモールド10s、10kに上蓋10u
を被せ、ダイプレス機内で40kOeのパルス磁界を1
m秒間1回加えた。その後、磁界を掛けずに、0.8t
on/cm2 の圧力で平行プレス成形を行った。圧粉後
約3kOeの逆磁界をかけて脱磁を行った。圧粉成形体
を1100℃で2時間焼結した後、650℃で1時間時
効処理を行った。その後磁気特性を評価した結果を表2
に示す。
【0080】
【表2】 充填密度1.0g/ccは自然充填による比較例であ
る。 われ、欠け判定基準(n=50) 〇 われ、欠けが発生しない △ 全数の10%未満のわれ欠けが発生 × 全数の10%以上のわれ欠けが発生 変形判定基準(n=50) ×−不均一変形が著しく後の加工による寸法調整が不可
能、ゴムモールドを改良しても改善が困難:△−若干不
均一変形があるが、後の加工による寸法調整により補え
る程度:○−ほとんど不均一変形しない、若干の不均一
変形が残るがゴムモールドの内側面の形を若干変えるだ
けで、ほぼ完全な成形体が得られる。
【0081】実施例2(Sm-Co 焼結磁石) ゴムモールドは実施例1におけるものを使用した。原料
として、Sm(Co0.72Fe0.2Cu0.06Zr0.03)7.3の組成をもつ
インゴットを使用した。このインゴットをスタンプミル
で平均粒径が25μmになるように粗粉砕し、次にジェ
ットミルで平均粒径が3.5μmになるように微粉砕し
た。
【0082】この微粉末を上記のゴムモールド10s、
10kに振動及びプッシャー押圧を加えて、充填密度が
1.1〜4.9g/cm3 (13〜58%)になるよう
に充填した。ゴムモールド10s、10kに上蓋10u
を被せ、ダイプレス機内で30kOeのパルス磁界を1
m秒間1回加え,その後磁界を掛ずに1.0ton/c
2 の圧力で平行プレス成形を行った。得られた微粉末
に上述の条件で乾式プレスを施し、成形体を1215℃
で1時間焼結し、1170℃で1時間溶体化処理を行
い、その後850℃で2時間時効処理後徐冷した。その
後磁気特性を評価した結果を表3に示す。
【0083】
【表3】 充填密度1.1g/ccは自然充填による比較例であ
る。 われ、欠け判定基準(n=50) 〇 われ、欠けが発生しない △ 全数の10%未満のわれ欠けが発生 × 全数の10%以上のわれ欠けが発生 変形判定基準(n=50) 実施例1と同じ
【0084】実施例3(フェライト焼結永久磁石) ゴムモールドは実施例1におけるものを使用した。原料
としては工業用炭酸ストロンチウム(SrCO3), 工業用酸
化第2鉄(Fe2O3)を使用した。これら原料をモル比で
1:6.0に配合し、5時間ボールミルで粉砕、混合
後、1270℃で1時間仮焼した。仮焼後の試料をスタ
ンプミルで平均粒径が4μmになるように粗粉砕し、次
にボールミルで平均粒径が0.8μmになるように微粉
砕した。得られた微粉砕粉を、乾式プレスを施すものは
大気中で乾燥した後解砕した。この微粉末をゴムモール
ド10s、10kに振動及びプッシャー押圧を加えて、
充填密度が0.6〜2.8g/cm3 (12〜44%)
になるように充填した。
【0085】ゴムモールド10s、10kに上蓋10u
を被せ、ダイプレス機内で15kOeのパルス磁界を1
m秒間1回加え、その後磁界を掛けずに、0.2ton
/cm2 の圧力で平行プレス成形を行った。圧粉体を1
200℃で焼結した後に、磁気特性を測定した。実験結
果を表4に示す。
【0119】
【表5】 充填密度0.6g/ccは自然充填による比較例である われ、欠け判定基準(n=50) 〇 われ、欠けが発生しない △ 全数の10%未満のわれ欠けが発生 × 全数の10%以上のわれ欠けが発生 変形判定基準(n=50) 実施例1と同じ
【0120】実施例4(Sm−Coボンド磁石) 原料として、Sm(Co0.72Fe0.2Cu0.06Zr0.03)7.3の組成を
もつ、平均粒径が20μm、保磁力iHcが15.5k
Oeのボンド磁石用粉末を使用した。この粉末をエポキ
シ樹脂粉末とともにゴムモールド10s、10k(図4
6参照)に振動及びプッシャー押圧を加えて、充填密度
が1.4〜5.5g/cm2 (18〜65%)になるよ
うに充填した。ゴムモールド10s、10kに上蓋10
uを被せ、ダイプレス機内で30kOeのパルス磁界を
5μ秒間10回加え、その後1ton/cm2 の圧力で
平行プレス成形を行った。圧粉体を120℃で1時間キ
ュアリングした後に、磁気特性を測定した。実験結果を
表5に示す。
【0121】
【表5】 充填密度1.5g/ccは自然充填による比較例であ
る。 われ、欠け判定基準(n=50) 〇 われ、欠けが発生しない △ 全数の10%未満のわれ欠けが発生 × 全数の10%以上のわれ欠けが発生 変形判定基準(n=50) 前回実施例1と同じ
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ゴムの
弾性を利用してプレスを行い圧粉成形体の配向を高める
際に圧粉成形体に割れ、欠け、ひび、変形などが起こる
ことを見出し、かかる割れなどによる製品不良を防止し
て磁気的に配向された製品を提供することを共通の特徴
とする。
【0081】従来、磁石材料の磁界中配向成形法ではダ
イ中の充填密度を自然充填程度の低密度にしないと十分
な配向性が得られないと考えられていたが、意外にもゴ
ムの弾性を又はゴム弾性と圧縮成形前の磁界印加を利用
すれば高密度充填でも十分な配向性が得られる。又、高
密度に充填された粉末をゴムモールドで圧縮すると割れ
などの欠陥が防止される。
【0082】ゴムの弾性を利用して、第一の目的を達成
する磁界中配向成形法では磁気特性は通常のダイプレス
品より優れており、特に、平行ダイプレス製品は通常の
垂直ダイプレス製品と同等もしくはそれを上回る特性を
発揮する。但し、粉末の充填方法に工夫をしないと割れ
などの問題によって、製品が得られないのでゴムの弾性
を利用する方法は磁気特性向上の潜在的可能性があった
が、それが実際には利用できなかった。第一の目的を達
成する本発明によれば、以下説明するような特性が向上
した永久磁石を提供することができる。
【0083】Nd2 Fe14B磁石は小型モーターやアク
チュエーターに多量に使用されている。これらの用途で
はそのほとんどが着磁方向の厚みが小さい扁平な形状を
有しており、生産性の観点からそれらの多くが平行ダイ
プレスにより製造されてきた。しかし平行ダイプレス特
有の低い磁気特性により、現状の量産水準では最高の磁
気特性を示す粉末を用いても、35MGOeを得るのが
限界であった。しかし本発明法による大幅な磁気特性向
上により、従来のダイプレス法により量産される磁石で
は達成不可能であった40MGOeの高特性、特に無酸
素粉末を使用する場合は45MGOeを得ることが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】永久磁石粉末を高密度に充填する方法の説明図
である。
【図2】ゴムモールドを使用する粉末の圧縮変形の際の
割れ発生の説明図である。
【図3】永久磁石粉末の予備圧粉体をつくる方法の説明
図である。
【図4】分割ゴムモールドの図である。
【図5】ゴムモールドの実施例を示す図である。
【図6】ゴムモールドの実施例を示す図である。
【図7】圧粉成形体の形状の説明図である。
【図8】ゴムモールドの実施例を示す図である。
【図9】弓形圧粉体成形用ゴムモールドの実施例の説明
図である。
【図10】図8のゴムモールドの断面図である。
【図11】弓形圧粉体の図である。
【図12】角型を成形するゴムモールドの実施例を示す
図である。
【図13】カマボコ型を成形するゴムモールドの実施例
を示す図である。
【図14】角錐型を成形するゴムモールドの実施例を示
す図である。
【図15】溝付き平板を成形するゴムモールドの実施例
を示す図である。
【図16】ゴムモールドの設計方法の説明図である。
【図17】ダイプレス装置の図である。
【図18】粉末の噛み込みを防止する方法の説明図であ
る。
【図19】ダイプレス装置の図である。
【図20】図19のダイプレス装置の一部断面図であ
る。
【図21】図20の乾式ダイプレス装置におけるカムの
動作を説明する図である。
【図22】不活性ガス雰囲気中で磁石粉末をゴムモール
ドに充填する方法の説明である。
【図23】周回経路を利用したダイプレス装置の図であ
る。
【図24】リニアートランスポーターの図である。
【図25】中空体の成形方法の説明図である。
【図26】マンドレルを備えたゴムモールドの図であ
る。
【図27】図26のゴムモールドで成形される圧粉体の
図である。
【図28】しわによる割れの発生の説明図である。
【図29】ゴムモールドに働く力の説明図である。
【図30】材質、厚みを各部で変えたゴムモールドの図
である。
【図31】上部及び下部が開放されたゴムモールドの図
である。
【図32】圧粉成形体の図である。
【図33】圧粉成形体のコーナーに発生する割れの説明
図である。
【図34】ゴムモールドの実施例を示す図である。
【図35】従来の垂直ダイプレス法を実施する装置の模
式図である。
【図36】従来の平行ダイプレス法を実施する装置の模
式図である。
【符号の説明】
1a 上パンチ 1b 下パンチ 2 ダイ 3 プレスプランジャ 4 電磁コイル 5 磁性粉末 6 磁極 10 ゴムモールド 30 磁場電源 31 油圧ユニット 32 油圧シリンダー 34 フィルター 40 コンベヤー 42 フィーダー 45 フィーダー 50 制御ユニット 60 磁界中プレス装置 62 成形体取り出し装置 63 圧粉体 66 コンベヤー 70 プッシャー 71 シリンダー 75 固定カム 76 油圧ユニット 78 ゴムモールド取出器 79 中空ロッド 80 シリンダー 81 油圧ユニット 82 ピストン 84 ゴムモールド取出器 90 粉末受け皿 92 蓋 93 真空チャンバー 94 吸引口 95 チャンバー 100 ガイド枠 105 ガイドプレート 107 注入口 125 装填装置 128 装填装置 132 真空容器 133 パッキング 134 パッキング 135 ピストン 136 バネ 137 カラー 138 スラリー供給管 139 パッキング 140 第二コンベヤー 141 離型板 142 ストッパ 144 真空ポート 145 エアー導入ポート 150 エアーピストン 151 エアーユニット 152 電磁石 153 電磁石励磁電源 157 プッシャー 158 カッター 159 引込式底部 165 ポンプ 166 エアーユニット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】明細書全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 永久磁石の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は永久磁石の製造方法に関
するものであり、さらに詳しく述べるならば、永久磁石
粉末を磁界中で圧縮し配向することにより磁気特性を高
め、モータ、発電機などの電気機器に広く使用される永
久磁石を製造する方法に関するものである。
【0002】永久磁石としては、c軸方向に強い磁気異
方性を有するBaO・6Fe2O3,SrO・6Fe2O3 などのマグネトプ
ランバイト型六方晶、CaCu5 型六方晶のc軸方向に強い
磁気異方性を有するSmCo5 合金、Th2Zn17 型菱面体結晶
またはTh2 Ni17型六方晶のc軸方向に強い磁気異方性を
有するSm2Co17 合金、およびNd2Fe14B型正方晶のc軸方
向に強い磁気異方性を有するNd2Fe14B合金、Mn−Al
(正方晶)、Mn−Bi(六方晶)など多数の材料があ
り、性能向上のために異方性化が通常行われている。
【0003】
【従来の技術】普通に実施される異方性化の方法は、金
属製ダイ中に充填した粉末に、粉末の粒子が回転できる
状態で(パンチにより圧力が粉末にかかっていることも
ある)一定時間磁界をかけることによって配向させ、磁
化容易方向を磁界の方向にそろえる方法である。この配
向状態のままパンチによりダイ中で粉末をプレスして粉
末を動かないように固定した圧粉体が得られる。これを
樹脂で固め、あるいは磁石粉末と樹脂をダイプレスして
固める樹脂ボンド磁石、または圧粉体を焼結する焼結磁
石が製品化されている。
【0004】焼結磁石の製造法としては、薄いゴムモー
ルドに粉末を詰め磁界中配向した後液体媒体中にゴムモ
ールドを沈めて静水圧プレスを行い焼結を行う方法も知
られている(「新時代の磁性材料」未踏加工技術協会
編、1983年、2版、第44頁)。しかし静水圧プレ
ス(CIP)は能率が悪いためにこの方法は工業的にほ
とんど実施されていない。
【0005】工業的によく使用される磁界中プレスには
図35に示すような垂直ダイプレスと図36に示すよう
な平行ダイプレスがある。図中、1aは上パンチ、1b
は下パンチ、2はダイ、3はプレスプランジャ、4は電
磁コイル、5は磁石粉末、6は磁極である。
【0006】平行ダイプレスは扁平な磁石の主面に垂直
な方向に異方性を有する異方性磁石の製造に使用され、
垂直ダイプレスはブロック状等の磁化の方向の長さが十
分に大きい比較的単純な形状の異方性磁石の製造に使用
されている。最近の磁石の応用では、扁平形状を有し、
主面に垂直方向に磁化される磁石の需要がほとんどであ
る。そのため平行ダイプレスによる生産量は垂直ダイプ
レスによる生産量よりはるかに多い。特にフェライト磁
石はほとんどが平行ダイプレスにより生産されており、
垂直ダイプレスによる工業的生産は皆無に近いといえ
る。
【0007】垂直ダイプレスと平行ダイプレスにより得
られた代表的磁石の代表的特性を表1に示す。
【0008】
【表1】 代表的磁石の平行プレスと垂直プレスの特性
【0009】表1より磁界中配向法の相違により特性の
相違が見られる。すなわち、平行ダイプレスにより圧粉
された焼結磁石の磁気特性、特にBrおよび(BH)max は垂
直ダイプレスのものよりも低くなっている。同じ磁性粉
末を使用する限り、平行ダイプレスと垂直ダイプレスと
の製法の相違による磁気特性の相違は再現性が良いの
で、磁石のメーカーはこれらのプレス方法ごとに規定し
た特性を仕様書やカタログに掲載している。
【0010】特公昭55−26601号公報によると、
金型中にあらかじめ成形したゴム容器を入れ、このゴム
容器中に希土類コバルト合金粉末を入れてから、平行ダ
イプレスする方法が提案され、ゴム容器を圧力媒体とし
て使用する方法によると平行ダイプレスでも、垂直ダイ
プレスと同様にまで磁気特性が向上することが謳われて
いる。また、同公報ではこの方法はフェライト磁石の磁
気特性はむしろ悪くなるとの説明がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前掲特公昭55−26
601号公報の方法は、ゴムを圧力媒体として使用する
磁界中配向成形により、平行ダイプレスでも垂直ダイプ
レスと同等の磁気特性をもつ希土類ーコバルト永久磁石
の製造を可能にする。この方法では永久磁石粉末は、予
めダイプレス機の金型中にセットされたゴムモールドに
入れられるから、ゴムモールドに自然充填される。その
場合の密度は約18%(希土類−コバルト合金の密度を
100%とする)以下となる。このような粉末を、密度
が通常50%程度である圧粉体に圧縮すると、ダイプレ
ス機内で圧粉体が割れてしまうか、あるいはゴムモール
ドが圧縮中に不均一変形し、その形状の設計変更によっ
ては修正できない程度に圧粉体が変形してしまうことが
分かった。ここで、磁石粉末の磁界中配向は、粉末の充
填密度に非常に敏感であり、自然充填よりも密度が高く
なると、磁界中配向が困難になることが知られている。
したがって従来はシェーカーなどを用いて18%以下の
低密度に永久磁石粉末が充填されていた。
【0012】本発明者は、ネオジウム磁石およびフェラ
イト磁石についてもゴム容器を使用する上記公報に示さ
れた方法を応用して、試作を行った。すなわち、ゴムを
ダイプレス機のパンチにより圧縮して、ゴムの弾性変形
による加圧力及びパンチによる加圧力を利用して、ゴム
内に充填した永久磁石粉末を磁界中で圧縮成形したとこ
ろ、自然充填後に圧粉を行うと同様に必ず割れ又は圧粉
体の変形が生じることを見出した。
【0013】前掲表1を引用して説明したように、現在
のところ工業生産された磁石では、平行ダイプレスは垂
直ダイプレスより磁気特性が劣るとの認識が一般的であ
り、前掲特公昭55−26601号が教示する垂直ダイ
プレスなみの磁気特性を有する平行ダイプレス製品は市
場には提供されていない。この原因は同公報に記載され
た方法では割れ又は変形が生じて、製品が得られないこ
とに関係すると考えられる。
【0014】したがって、本発明は、磁界中配向成形工
程においてゴムの弾性を利用して永久磁石圧粉体の配向
度を高めることにより優れた磁気特性を得るとともに、
割れや、ひび、かけなどが発生させないで永久磁石圧粉
体を得ることができる方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明に係る永
久磁石の製造方法においては、永久磁石粉末をダイプレ
ス機外でゴムモールド内に加振及び/又はプッシャーに
よる押圧によって高密度に充填するか、あるいは永久磁
石粉末の予備成形体をダイプレス機外でゴムモールドに
装填し、その後永久磁石粉末が充填もしくは装填された
ゴムモールドをダイプレス機内に配置し、ダイプレス機
内で、パルスによる配向およびパンチによる前記ゴムモ
ールドおよび永久磁石粉末の圧縮を行い、永久磁石粉末
の配向圧粉体を得、発明の目的を達成する。ここで言う
ゴムモールドは少なくとも側面がゴムからなるモールド
である。又、本発明におけるゴムモールドは、モールド
と一体になった底部を有するか、あるいは下パンチもし
くは片閉じダイの底部が底部の役割を担うモールドであ
る。さらに本発明のゴムモールドは取り外し可能であり
かつ金属、ゴムなどの材料からなる上蓋を有することが
あるが、その場合のゴムモールドには上蓋も一部として
含まれる。
【0016】従来法による永久磁石粉末を自然充填する
方法をゴムモールドに適用すると、充填密度は希土類−
鉄−ほう素系磁石及び希土類−コバルト磁石では18%
以下、フェライト磁石では16%以下である。これらの
磁石の粉末は磁気特性を充分引き出すために、一般の金
属材料に比べると非常に粒径の細かい粉末であるため
に、流動性が極めて悪い。一般材料では流動性を改善す
るために相当量の潤滑剤を添加することができるが、磁
石材料では炭素等の残留が磁気特性に悪影響を及ぼすた
め、潤滑剤が添加されるとしてもその量は極めて僅かで
あり、粉末の流動性を改善できない。従って一般材料で
は粒径を粗くしたり、潤滑剤を添加することにより流動
性を改善して、自然充填でもある程度までの高密度化が
可能であるが、磁石材料では上述の理由により止むなく
流動性の悪い粉末を使うことになるため、普通充填によ
り上述の値の充填率となる。
【0017】ゴムモールドを使用するダイプレス法にお
いて、かかる自然充填密度に粉末を充填した場合割れが
が発生する原因について図2を参照して説明する。磁石
は扁平形状を有する磁石の例について説明する。この場
合希土類コバルト磁石では充填密度は11〜13%程度
になる場合が多く、粉末の圧縮成形による寸法収縮率は
30〜40%もの多きに達する。するとゴムモールドの
部材10s,10k,10u相互間及びゴムモールド1
0と金型間に働く摩擦力等のためにゴムモールド10は
図2の(c)に示すように大きく変形する。この変形の
うちゴムモールドの蓋部10uおよび底部10kに生じ
る不均一変形dyはパンチによる加圧方向と平行方向の
亀裂5dの発生を助長し、ゴムモールドの側方部に生ず
る不均一変形dxはパンチによる加圧方向と垂直方向の
亀裂5eの発生を助長する。また上記の不均一変形dx
は成形体のエッジ部に激しい「象の足」変形を発生させ
る。
【0018】磁界中配向成形を行った磁石の圧粉成形体
では、磁界中配向成形後の脱磁が不充分であると、成形
体に磁化が残留し、これによる静磁エネルギによって圧
粉成形体内部に応力が発生する。そのために、圧粉成形
体に例え僅かな亀裂が発生しても、この応力によって亀
裂が急速に拡大し圧粉成形体が破片に割れてしまうこと
がある。このような割れはゴムモールドを使用する永久
磁石粉末のダイプレスでは非常に起こりやすくなる。特
に「象の足」変形を生じた圧粉体のエッジ部では特にこ
のような残留磁化による亀裂が発生しやすい。
【0019】本発明においては、こうしたゴムモールド
の不均一変形と残留磁化に基づく割れや変形などを防止
するために、自然充填よりも高密度に充填する必要があ
る。高密度充填された永久磁石粉末は磁界中配向成形工
程での圧縮量が通常の方法よりも少なくなるためゴムモ
ールドの不均一変形が少なくなり、圧粉成形体の割れ及
び形状不良が防止される。又、配向に関しては後述する
圧縮成形前の磁界印加及びパンチの移動方向と直交方向
のゴムの変形により、改善が見られる。したがって高密
度充填であるにもかかわらず、従来の磁界中ダイプレス
以上の配向性が得られる。
【0020】高密度充填のためにはゴムモールドに自然
充填された永久磁石粉末に振動を加えることにより密度
を高める。あるいはゴムモールドに自然充填された永久
磁石粉末をプッシャーで押しあるいは突き固めることに
より充填密度を高める。又は、加振後プッシャーによる
押圧を行い充填密度を高めることもできる。
【0021】本発明において充填の「高密度」とは磁石
の材質の種類にかかわらず自然充填密度の1.2倍より
大の値である。自然充填密度は主として磁石粉末の粒径
により定まるが、粒径3〜4μmの希土類磁石では14
%であり、粒径が約0.7μmのフェライト磁石では1
2%である。充填密度は、好ましくは、希土類−鉄−ほ
う素系磁石及び希土類−コバルト磁石では25%以上で
あり、フェライト磁石では20%以上である。より好ま
しい充填密度は29%以上である。ただし、充填密度が
50%を超えると通常の磁界強度では配向できなくなる
ので、充填密度は50%以下が好ましい。
【0022】上記高密度充填法以外に永久磁石粉末の予
備成形を行い上記した「高密度」を有する予備成形体を
作ることも可能である。この方法は、ダイプレス機など
の加圧機を使用し、永久磁石粉末を圧粉することにより
密度を高めるが、通常の圧粉体よりは低い密度の状態で
の加圧を行う方法である。予備成形体の密度は希土類磁
石では25〜50%、フェライト磁石では20〜50%
であることが好ましい。
【0023】続いて、図1を参照して加振方法を具体的
に説明する。粉末受け皿90からあらかじめ重量を測定
した永久磁石粉末5(以下「粉末5」という)をガイド
枠100を上部に固定したゴムモールド10に自然充填
する(図1の(a)参照)。粉末5はゴムモールド10
の上面よりさらに上方まで堆積する。続いてゴムモール
ド10を加振機41の上に載せ、振動を加える(図1の
(b)参照)。加振機41としては電磁式もしくはクラ
ンク式加振機などにより水平方向又は上下方向の振動を
発生するものを使用することができる。振動の周波数は
特に限定されないが、例えば1〜60Hzである。加振
は給粉時より行ってもよく、また給粉終了時以降に行っ
てもよい。
【0024】その後、粉末5がゴムモールド10よりさ
らに上方に盛り上がっている時は、プッシャー121に
より粉末5の上面をゴムモールド10の上面まで押し下
げる(図1の(c)参照)。続いて、プッシャー121
及びガイド枠100をゴムモールド10から引上げる
(図1の(d)参照)。
【0025】さらに、予備成形体の製造方法の具体例を
図3を参照して説明する。予備成形体を作る加圧機は、
ダイ125、可動式底板からなるダイ底部126、パン
チ128より構成される。粉末受け皿90からあらかじ
め重量を測定した粉末5をダイ空間に自然充填し(図3
の(a)参照)、15kg/cm2 〜100kg/cm
2 程度の圧力で圧縮する(図3の(b)参照)。その後
加圧機の下方にゴムモールド10を搬送し、ダイ底部1
26を引き抜き、パンチ128を更に押し下げて、ゴム
モールド10内に予備成形体129を落下させる(図3
の(c)および(d)参照)。予備成形体129の寸法
はゴムモールド10の内法寸法より小さくすることが、
パルスの撃力を予備成形体129に効率的に加えるため
に好ましい。
【0026】図1及び3に示されたような粉末の高密度
化およびゴムモールドへの充填を磁界中配向成形を行う
プレス機外で行うことによりプレスのアイドルタイムを
少なくして、生産性を高めることができる。図1、3と
は異なり、ゴムモールド10をダイと一体にして、ダイ
プレス機外にて粉末の充填あるいは予備成形体の装填を
行い、その後ダイをダイプレス機にセットしてもよい。
【0027】ゴムモールドは、一体もしくは分割型の連
続体である必要がある。ゴムモールドの間に摩擦力が生
じ変形が不均一になる場合もあり、これが好ましくない
場合もあるが、ゴムモールドをダイ中にセットすること
を容易にするために、その側方部を数個の部分(10
a、10b)に分割し、ダイ中で接触し連続体となるよ
うなゴム型を使用してもよい(図4参照)。能率上は好
ましくはないが磁石粉末と直接接触しない部分では一部
に粒状、液状、ゲル状、粉末状ゴム10cを使用しても
よい(図5参照)。ゴムモールドを配置するダイ空間内
の位置は製造する製品の形状に依存して粉末にできるだ
け均一な圧縮力が働くように工夫する。例えば、図6に
示すようにゴムモールド10の内部に設けた空洞部10
eに、水、油、液状ゴムなどを入れ、ゴムモールド10
内部の応力を均一化してもよい。
【0028】また、最も一般的な円盤状異方性磁石の場
合は、ダイの内周壁に接するようにゴムモールドを配置
すると、パンチ1の圧縮力により放射方向内向きの強い
圧縮力が発生する。この場合ゴムがダイに対して滑り、
十分に圧縮変形するように両者の間に潤滑剤、減摩剤な
どを配置することが好ましい。
【0029】図1に示すようなゴムモールドでは図7に
示すように圧粉体5′の上下エッジに「象の足」5aが
発生するときは、図8に示すようにゴムモールド10b
の上下端にテーパ10fをつけてもよい。図中、10k
はゴムモールドの底である。
【0030】なお、ゴムモールド内面にはBN(ボロン
ナイトライド)等の潤滑剤を塗り、磁性粉末とゴムモー
ルドとの付着力を減少させ付着から起こる割れを防止す
ることができる。さらにゴムモールドの内壁を薄いゴム
で覆ったゴムモールドを使用すると、圧縮力開放の時圧
粉体にかかる応力を弱め、割れを防止することができ
る。
【0031】磁界はパルスにより加えることにより配向
を行う。本発明によるゴムモールドを使用する、パンチ
の移動と直交方向の圧縮によれば、磁石粉末の配向が乱
れがたいので、通常の方法のように磁界中配向成形を静
磁界で行う必要はない。パルスは1μsec〜1sec
を1回以上、好ましくは2回以上、その強度は5〜10
0kOeが好ましい。
【0032】続いて、好ましい圧縮条件を説明する。パ
ンチの移動方向と直交する面の粉末の圧縮比A1 はパ
チの移動方向の圧縮比S0 (=パンチの移動方向の寸法
減少量/変形前の寸法)に対して以下の範囲にあること
が好ましい。
【0033】(a)平行ダイプレス 0<A1 ≦6S0 より好ましくは 0.4S0 ≦A1 ≦4S0 である。 さらに好ましくはS0 ≦A1 ≦3.6S0 である。圧縮
比とは圧縮前磁性粉体の平均寸法に対する圧縮後の磁性
圧粉体の平均寸法変化量の比率である。1 <0.4S
0 であると顕著な磁気特性向上効果は得られない。しか
しこの範囲であっても異形品や超薄物品の成形ができる
という利点はある。0.4S0 ≦A1 より好ましくはS
0 ≦A1 であれば顕著な磁気特性向上効果が得られる。
一方、A1 があまり大きすぎると過大なプレス圧力を必
要とし、実際的ではない。A1 ≦6S0 、好ましくはA
1 ≦4S0 、より好ましくは、A1 ≦3.6S0が望ま
しい。また、パンチの移動方向と垂直な方向のゴムの厚
さが0でない有限の値をとれば、原理的にA1 は必ず0
よりは大きくできるが、ゴム厚の絶対値が小さくなりす
ぎるとプレス時にゴムモールドが挫屈して成形ができな
くなる。ゴムの弾性率を考慮して、挫屈を起こさずかつ
1 が好ましい値の範囲に入るよう適切なゴム厚を選択
する必要がある。
【0034】(b)垂直ダイプレス 0<A1 ≦4S0 、好ましくは、0<A1 ≦3S0 より
好ましくは、0<A1 ≦2.4S0 垂直ダイプレスにおいては、ゴムモールドと成形体の間
に間隙が生じるために、ゴムモールドから成形体を取り
出す時の摩擦が少なくなり異形品や超薄物などこれまで
ダイプレスでは困難であった形状の成形体を製造でき
る。また平行プレスの場合と同様、ゴムモールドの挫屈
を起こさずにA1 を好ましい範囲に入れるためにゴム厚
を選択する必要がある。A1 が大きすぎると過大なプレ
ス圧力が必要なことは平行ダイプレスの場合と同じであ
る。但し、直角プレスではA1 が大きいと磁気特性の向
上が顕著でなくなるので、A1 の上限値は上記のように
平行プレスの場合より低く限定される。
【0035】パンチの圧力は50kg/cm2〜5000kg/cm2の範
囲が一般に好ましい。より好ましいパンチの圧力は100k
g/cm2 〜1000kg/cm2の範囲である。この値は従来のダイ
プレスの値と一部重複しているが低くなっている。これ
はゴムの使用によりモールド全周から粉末に圧力が加え
られるために、高密度化が容易に進行するためである。
永久磁石の形状、寸法は特に制限がなく、腕時計用ロー
タ磁石、電子シリンダー錠等の超小型磁石や、OA機器
のステッピングモータ、ビデオカメラ用直流モータ、ロ
ボット用アクチュエータなどの超薄型磁石などの小型磁
石から、MRI(magnetic resonance image) などの大型磁
石を本発明により製造することができる。
【0036】さらに図9〜11に示すように弓形圧粉体
を作ることもできる。図9はゴム型の全体図、図10は
ゴム型の断面図、図11は弓形の圧粉体をそれぞれ示
す。上下パンチ(図示せず)はゴムモールド10の上下
面と同じ形状の凹面および凸面をそれぞれ有する。さら
にまた、角柱状圧粉体を作る外形が円筒形のゴムモール
ド10(図12)、カマボコ型(すなわち上下面のいず
れかが湾曲した直方体)圧粉体をつくるゴムモールド
(図13)、角錐台形を作るゴムモールド(図14)、
溝付き平板型ゴムモールド(図15)を示す。
【0037】ゴムモールドの設計は、複雑な形状の圧粉
体の場合、より単純な類似形状のゴムモールドで得られ
たゴムモールドの寸法と圧粉体のデータを基に、該複雑
な形状の圧粉体を成形するコンピューターシュミレーシ
ョンにより設計される。また単純な型状で、しかもゴム
モールドの外形状と圧粉体の外形状が同一の場合は以下
に示すような簡単な設計方法で大まかな寸法を予想でき
る。
【0038】ゴムモールドの簡易設計においては、プレ
ス前後でゴムの体積は不変であり(前提1)、またプレ
ス前の磁性粉末のかさ密度対圧粉成形体のかさ密度が一
定比率である(前提2)ことを前提としてゴムモールド
の大体の寸法を設計することができる。図16に示すよ
うなリング状ゴムモールド側方部10sを使用し、円盤
状成形体11を圧粉する場合、前提1より、 yπ{(x0/2)2−(xi/2)2}=YGπ {(x0/2)2 − (lG/2)2} となる。
【0039】前提2は未造粒の乾式フェライト粉末の場
合およそ1.9:1となるので、 yπ(xi/2)2 :YGπ (l G/2)2 =1.9:1 である。これら二つの式より作成したい圧粉成形体のゴ
ムモールド側方部10sの大体の寸法を設計することが
できる。設計後数回圧粉体の試作を行い、圧粉体のゴム
モールドからの取り出し易さ、圧粉体の寸法精度、ゴム
モールドの変形、ゴムモールドの固さなどを考慮してゴ
ムモールド側方部の寸法を調整する。
【0040】本発明に使用するダイプレス機は、油圧プ
レスでも機械プレスでもよく小型の手動式ダイプレス機
から大型の自動ダイプレス機まであらゆるダイプレスを
使用することができるが、上下シリンダーが同時に動き
同時に加圧する両押し型のダイプレス機や上下シリンダ
ーの一方のみが動くがシリンダの動きに合わせてダイが
動くダイフロート型ダイプレス機もしくはウィズドロー
アル型プレス機を使用することが好ましい。
【0041】以上説明したように、ゴムモールドがパン
チの移動方向と直角方向に変形することにより永久磁石
粉末の配向度は高められる。配向度は一般にBr/4π
Is(ただし、Brは残留磁束密度、4πIsは飽和磁
束密度)である。
【0042】以下、原則として請求項の順に本発明の構
成及び作用を説明する。請求項2の方法は、ゴムモール
ドに充填された永久磁石粉末または装填された永久磁石
粉末の予備成形体に、磁界中配向成形工程前に、磁界を
瞬間的に印加するかあるいは磁界中ダイプレスより高い
静磁界を印加することを特徴とする。すなわち、この方
法によれば、乾式成形法においてゴムモールドの開放部
からゴムモールドに永久磁石粉末を充填し又は永久磁石
粉末の予備成形体を装填した後、ゴムモールドに蓋を
し、該粉末に磁界を印加し、その後上記本発明法により
磁界中配向成形を行う。
【0043】磁石粉末を著しく高密度にゴムモールドに
充填すると、充填密度が高くなればなるほど、特に29
%以上では粉末粒子間に働く摩擦力が大きくなり、磁界
中配向により摩擦に打ち勝って粉末を配向させるのに十
分な回転力を与えることが困難になる。この結果圧粉体
の配向度は低下する。請求項2の方法では、ゴムモール
ドを磁界中配向成形する前に、ゴムモールド中の磁石粉
末に瞬間的磁界をあるいは磁界中配向成形工程よりも高
い磁界を印加することによって粉末に十分な回転力が発
生され、粉末の配向状態を変える。磁石粉末はその後ダ
イプレス機でゴムモールド内で再びパルス磁界を印加さ
れるが、そのときは充填密度が例えば29%以上と著し
く高くとも、極めて良好な配向度が再現性よく得られ
る。配向度を向上させるためには、予備磁界印加におけ
る回転力は撃力として与えることが好ましい。磁界は5
kOe〜100kOe、好ましくは10kOe以上、特
に15kOe以上の高磁界を1μsec〜1secのパ
ルスとして少なくとも1回、好ましくは2回以上磁石粉
末に印加することが望ましい。またパルス磁界は立ち上
がりの磁界の強さ変化が急激であることが重要であり、
所定強度に到達後は磁界強さは一定でもあるいは徐々に
減少してもよい。
【0044】また、著しく高い密度に充填された粉末を
そのまま圧縮すると粉末の変形が不均一になるが、上記
のように事前に磁界を印加することにより、粉末は解砕
され、粉末が充填時される時にゴムモールド内において
局部的に粗密がある充填状態から均一な充填状態に変化
する。粗密がある充填状態ではダイプレスにおいて変形
する時に、成形体が鋭いコーナーを有する等不均一変形
を起こしやすい形状であるときは、割れや欠けが圧粉体
に起こり、また焼結体の変形が起こって機械加工の削り
代を多く取らなければならないなどの問題が起こる。し
かし均一充填状態の粉末をゴムモールド内で変形するこ
とはこの問題の対策として有効である。
【0045】以上請求項2に関連して述べた方法は予備
成形体にも同様に当てはまる。予備成形体は磁石粉末の
加振装置よりも高価な装置を使用するので、粉末の密度
を高めることによって割れや欠けなどを出来るだけ起こ
さないようにすることが望ましいが、そうすると配向度
の低下が起こるので、この対策として予備磁界印加が有
効である。
【0046】請求項2の方法を実施する装置の具体例を
図17を参照して説明する。図の右半分に示されるのは
磁石粉末を充填しダイプレスに挿入するためのラインで
あって、4aはダイの外で磁石粉末を解砕し、配向する
パルスを発生させる電磁コイル、40はコンベヤー、4
1はコンベヤー40の裏側に摺動可能に接触している加
振機、42は磁石粉末のフィーダーである。加振機41
はゴムモールドの側方から接触させてもよい。このライ
ンでは、先ず、停止したコンベヤー40の上に載せられ
た底付きゴムモールド10iに磁石粉末5をフィーダー
42から注入し、注入と同時に加振機41により底付き
ゴムモールド10iを揺すって、磁石粉末5の充填密度
を高める。矢印方向にコンベヤー40が回転すると、底
付きゴムモールド10iがゴム蓋10hのセット場所ま
で移動し、次にコンベヤー40が停止し、油圧シリンダ
ー52のピストンロッド53が下降し蓋を底付きゴムモ
ールド10iに嵌込む。さらにコンベヤー40が回転す
ると、ゴム蓋10h付きゴムモールド10i(以下、ゴ
ムモールド10h,iという)は磁界コイル4a,4a
の中間に移動し、そしてパルス磁界が磁石粉末5に印加
される。配向された磁石粉末5を入れたゴムモールド1
0h,iはコンベヤー40およびダイ2の上部と同じレ
ベルに設けられた台44の上を、図示されないプッシュ
ロッドなどによりダイ2に向かって滑って行く。以上の
一連の操作の所要時間は例えば以下のとおりである。
【0047】 (イ)フィーダー42からの注入:0.5〜30秒 (ロ)加振:1〜30秒 (ハ)コンベヤー回転(フィーダー42から油圧シリン
ダーの位置への移動):1〜10秒 (ニ)蓋10hの嵌込み:1〜30秒 (ホ)コンベヤー回転(油圧シリンダから電磁コイルの
位置への移動):1〜10秒 (ヘ)パルス磁界印加:1〜10秒 (ト)コンベヤー回転(電磁コイルからダイ2への移
動):1〜10秒
【0048】以上の一連の操作(イ)〜(ト)は制御ユ
ニット50によりタイミング及び所要時間が制御され
る。すなわち、(イ)、(ロ)、(ニ)、(ヘ)の操作
中はコンベヤー40が回転しないように、コンベヤー4
0が停止してからこれらの操作が開始するように、制御
ユニット50は指令を発する。また、(ハ)、(ホ)、
(ト)のコンベヤー回転は同期して行うことが必要であ
る。上述の例では(ヘ)の所要時間が最短であるので、
最長の(ロ)が終了するまで(ハ)のコンベヤー移動は
開始しない。このような待機と同期運動の指令も制御ユ
ニット50が行う。
【0049】図17において、51はフィーダー42の
内部に設けられたスクリューロッド(図示せず)を回転
させるモーターである。制御ユニット50からの指令に
よりモーターはスクリューロッドを所定数回転させ、ス
クリュー間隙に巻き込まれた粉末が回転量に応じてゴム
モールド内へ定量供給される。55はパルス励磁電源で
あり、制御ユニット50により、設定された電力、所望
時間およびタイミングでパルスを発生する。
【0050】モーターが所定量回転し終わると同時にフ
ィーディング終了信号を発生させ、制御ユニット50に
送る。フィーディング終了信号が制御ユニット50に入
力されるとコンベヤー40が移動可能になる。41、5
4、55からも該当操作の終了信号が制御ユニット50
に入ると、コンベ−ヤー50は矢印の方向に所定距離移
動し、停止する。なお、コンベヤー40を複数の金属チ
ェーン又はベルトを配列して構成し、二つのチェーン間
に設けた電磁スイッチあるいは誘電率のセンサ−などが
ゴムモールド10h,iを機械的にあるいは物理的に検
出した時にコンベヤー40を停止させると、ゴムモール
ド10h,iが所定位置に正確に停止する。ダイプレス
後はゴムモールド10h,iは下パンチ1bにより押し
上げられ、図の紙面と直交方向のコンベヤによりダイプ
レスから搬出される。
【0051】請求項3記載の方法では、ゴムモールド
と、上下パンチのいずれか一方の間に前記ゴムモールド
よりも硬質の弾性体からなるバックアッププレートを配
置する。バックアッププレートの使用例を図18により
説明する。ダイ2中に配置されたゴムモールド10を直
接パンチ1a,1bで加圧すると、特にゴムが軟質の場
合はゴムがダイ2とパンチ2a,2bの隙間に塑性流動
して(図18の(a)の矢印参照)、噛み込みを生じ
る。この結果、パンチ1a,1bがダイ2から抜き取り
にくくなり、またゴムモールド10が損傷する。したが
って、図18の(b)に示すように、ゴムモールド10
と、上パンチ1aと下パンチ1bの両者にゴムモールド
10よりも硬質のゴムからなるバックアッププレート1
2を配置すると、パンチ1aおよび1bによる圧下によ
ってバックアッププレート12が弾性変形して、パンチ
1a,1bとダイ2の間の隙間をシールする。また、バ
ックアッププレート12は上パンチ1aにのみ取り付け
てもよく、図18の(c)に示すように、上下パンチ1
a,1bのエッジに窪みを設けて、そこにリング上のバ
ックアッププレート12を取り付けてもよい。
【0052】バックアッププレート12は図18の
(d)のようにゴムモールドの外周部上下端にリング状
のものをはめ込んでもよい。図19は本発明の実施例に
係る装置の平面図、図20は図19の側面図、但し一部
断面図である。この装置では、ダイを円盤状回転ダイ2
aとし、穿設した複数個(図面では2個のみが示されて
いるが3個以上でもよい)の円筒形孔部により形成し、
それぞれのダイが円形経路に沿って移動するように回転
ダイ2aをモーター91により回動させ、上下パンチ1
a,1bをダイ内に上下から奘入する第一の位置P1
設け、第二の位置P2 で回転ダイに磁石粉末をゴムモー
ルドともに奘入するモールドローダー70を設け、さら
に、第三の位置P3 において回転ダイ2aから圧粉成形
体を包含するゴムモールドを取り出す取出器78,84
を設けている。回転ダイ2aはモーター91によりP
1 ,P3 ,P2 を順次循環される。
【0053】円盤ダイ2aはすべてが高価なダイス鋼で
なくパンチと接触する周囲だけ使用すればよく、他は軽
量化低コスト化の為に、その一部をプラスチック、鉄等
を使用できる。モールドローダー70は2基のシリンダ
ー71、80により駆動される。シリンダー71は先端
に吸引口を取り付けた中空ロッド79を前進後退させ
る。図20の位置では右側に示されたゴムモールド10
がダイ中に挿入されている。シリンダー80はそのピス
トン82に固着されたシリンダー71を全体として昇降
させる。上昇状態では、吸引口はコンベヤー40上でゴ
ムモールド10を吸引し、その後上昇状態のままピスト
ン79が前進し、ダイの上方まで移動する。その後シリ
ンダー71は下降し、ダイ中にゴムモールド10を挿入
する。76、81は油圧ユニットである。75は固定カ
ムであって、回転ダイ2aが回転すると、ダイ中に設け
られた昇降底2dが固定カム75の上面輪郭に沿って図
21に示すように摺動する。すなわち、まずプレス中に
はダイは固定カム75からは完全にはなれているが
((a)図参照)、次に固定カム75の裾の部分に乗り
((b)図参照)さらに山の斜面に沿って上昇し
((c,d図参照))、頂上の平坦部に達すると、圧粉
成形体を内部に配置したゴムモールド10は回転ダイ2
aの上面と同じレベルに達する((e)図参照)。この
時ゴムモールドは第三の位置P3 に達している(図19
参照)。その後再び昇降底2dは下降するので、未成形
の磁石粉末をダイに受け入れできるようになる((f)
図参照)。
【0054】第二の位置P2 近傍に末端が位置する第一
のコンベヤー40を設け、第一のコンベヤー40により
磁石粉末を充填したゴムモールドを搬送する。第一のコ
ンベヤー40の所定位置にパルス磁界発生器4aを設
け,別の位置に底付き型に蓋を押圧するモールドローダ
ー70を設け、さらに別の位置に磁石粉末末のフィーダ
ー42を設ける。
【0055】第三の位置P3 近傍に末端が位置する第二
のコ−ンベヤー140を設けている。ゴムモールド10
は回転ダイ2aの回転運動によってゴムモールド回収板
78に沿って案内され、さらに固定式の台84上を若干
滑って第二のコンベヤー140上に受け渡される。
【0056】請求項4記載の方法では、ゴムモールドに
希土類永久磁石粉末を不活性ガスの存在下で充填または
装填することにより、粉末の酸化を防止する。この実施
態様では図1及び2に示す工程を図22の(a)に示す
ように不活性ガスを充満したチャンバー95内で行う。
その後、図22の(b)に示すようにゴムモールド10
をダイプレス機にセットし、ダイプレスを行い、(c)
に示すようにダイプレス機からゴムモールド10を取り
出す。このようにすると、酸化し易い希土類粉末の酸化
を避け、磁気特性を良好に保つことができる。この方法
は、無酸素雰囲気中でジェットミル粉砕した磁石粉末に
提供すると格段の利益が得られる。この粉砕法は、酸素
量を検出限界以下にしたN2 雰囲気を使用するので得ら
れた粉末は酸素量が低く、すぐれた磁気特性を発揮する
可能性はあるが、一方で極めて活性であり空気中で直ち
に発火し、取り扱いが困難である。
【0057】請求項4の方法によると、かかる高活性粉
末を利用しそのすぐれた磁気特性を引き出すとともに、
ゴムモールドの変形による磁気特性向上の効果と相まっ
て、極めて良好な磁気特性を得ることができる。
【0058】以上の方法によって得られた圧粉体に公知
の方法で焼結を施し、必要により熱処理も施して、焼結
永久磁石を製造することができる。また、樹脂と磁石粉
末を圧粉することによって樹脂結合磁石を製造すること
ができる。
【0059】請求項8記載の方法では、ゴムモールドへ
の永久磁石粉末の自然充填後に行うゴムモールドへの高
密度充填、磁界印加、ダイプレス、及び圧粉成形体のゴ
ムモールドからの取りだし、をゴムモールドを搬送する
周回経路で順次繰り返し行う構成とする。
【0060】これらの構成の一実施例を図23を参照と
して説明する。ゴムモールド10i(図23参照)のゴ
ム自体は底なしモールドを形成し、ゴムモールドの開放
底部は回転ダイ2aの一部に閉じられている。したがっ
て、回転ダイ2aがゴムモールドの底部を構成してい
る。ゴムモールド10iがリング状回転ダイ40上で順
次回転移動しながらフィーダー42による粉末のゴムモ
ールド10iへの充填、Cの位置で行われる蓋10uの
はめこみ(図示せず)、電磁コイル4aによるパルス配
向、磁界中ダイプレス装置60によるダイプレス、蓋1
0uの取りはずし(Fの位置で行われる)、成形体取り
出し装置62による成形体の取りだしなどの一連の操作
(A〜H)を行うことができる。
【0061】取り外された蓋10uはリニヤートランス
ポーター140により蓋はめ込み場所Cに戻される。リ
ニヤートランスポーター140(図24参照)は吸引口
140aを移動させるレールより構成されている。吸引
口140aは吸気ポンプと連通され、またレールに可動
に装着されたモーター(図示せず)により上蓋を吸着し
てレールを走行する。
【0062】磁界中ダイプレス装置60は上下パンチ、
電磁コイルなどから構成されている。成形体取り出し装
置62は、シャフト65の周りを一定角度振回しうる電
磁石よりなるアーム64を含んでなり、、励起された電
磁石が異方性を付与された圧粉体63をコンベヤー40
上にて吸収し、振回後電磁石の電源が切られると成形体
を別のコンベヤー66上に載せるように動作する。
【0063】図23において、150はエアーピスト
ン、151はエアーユニット、152は電磁石、153
は電磁石励磁電源である。電磁石152は圧粉体をダイ
から取り出した後、ダイキャビティ上方に移動し、そし
て電源153により励磁されて、磁力によりゴムモール
ド内に残存する永久磁石残粉を吸引して、ゴムモールド
の清掃を必要により行う。
【0064】なお圧粉成形後ゴムモールド10iは原形
に復帰するので圧粉体63の周りにリング状間隙10r
が作られる。この間隙10rは上記した吸引により圧粉
体63をゴムモールド10iから取り出すのに十分な大
きさを有する。66は制御ユニット50により駆動され
るステップモータ67により駆動されるコンベヤーであ
る。アーム64が該コンベヤー66上方に振回、圧粉体
63をコンベヤー66上に載せた後に、コンベヤー66
が移動する。かかる一連の動作は制御ユニット50によ
り制御される。
【0065】ダイプレスの中でゴムモールドセット、磁
界中プレス、ゴムモールド取り出しと三つの工程を行う
方法と比較すると、図23の方法は、ダイプレスでは磁
界中プレスのみを行い、他の部分で同時にゴムモールド
セット及びゴムモールド取り出しが行えるので、一つの
プレスサイクルが大変短くなり、大量生産用の装置とし
て好ましい。
【0066】図23に示される無終端経路式ダイプレス
法により永久磁石を量産する場合、各工程の所要時間は
例えば以下のとおりである。 (a)自然充填、振動、プッシャー(図23のAで行わ
れる)から(b)まで−15秒 (b)上蓋取り付け(Cで行われる)−5秒 (c)パルス磁界印加(Dで行われる)−10秒 (d)ダイプレス(Eで行われる)−15秒 (e)上蓋取り外し(Fで行われる)−5秒 (f)圧粉体の取り出し及びゴムモールド清掃(Gで行
われる)−10秒最長の所要時間は15秒であり、
(a)〜(f)の各工程から次の工程への2秒の搬送時
間であるから17秒毎に1個の圧粉体が作られる。
【0067】続いて、ダイ中で粉末を充填する通常のダ
イプレスの所要時間を示す。 (a)フィーダーによる粉末の充填−10秒 (b)上パンチ下降(上パンチがフィーダーから退避し
ていた位置からダイ内まで下降する)−5秒 (c)プレス(パルス磁場印加、上下パンチにて加圧、
逆磁界印加−27秒 (d)逃げ調整−5秒 (e)圧粉体取り出し−10秒 (a)〜(e)の合計57秒、通常のダイプレス法では
全工程(a)〜(e)が終了するまで最初の工程(a)
を開始することができない。したがって、1個の圧粉体
をつくるために57秒もの長い時間が必要である。
【0068】本発明法においては、ゴムモールドへの永
久磁石粉末の自然充填と、ゴムモールドへの高密度充填
は同一場所で行うことが好ましい。自然充填はガイド枠
100(図1参照)を利用して行うが、プッシャーなど
による充填を自然充填と別の場所で行うと、ガイドプレ
ートを自然充填場所からプッシィング場所まで移動させ
る必要がでてくる。このようにするとガイドプレートの
必要個数が増え、装置の複雑かを招く。
【0069】さらに図17に示されるようにフィーダー
42から粉末を直接ゴムモールド10に供給するより
も、フィーダーから粉末を、必要ならば粉末の塊を篩い
分けるメッシュを通して、一旦別の容器に供給し、精密
に粉末を秤量した後に、その容器からゴムモールドに粉
末を供給することが好ましい。永久磁石粉末の流動性が
非常に低いためにフィーダーから正確な重量の粉末を直
接ゴムモールドに供給することは困難であるから、上記
のように別の容器を使用することが好ましい。
【0070】請求項9の方法では、不活性ガスチャンバ
ー内に前記周回経路を収納することにより請求項記載
の方法によって得られるのと同等の効果を得、高性能の
希土類磁石を能率よく製造する手段を得る。Nd2 Fe
14B、Sm−Coなどの永久磁石粉末は極めて酸化し易
く、粉末が酸化することにより磁気特性が直ちに劣化す
る。これを防止するために、ゴムモールドが不活性ガス
が充満したドーム状の覆いの中を移動させる。ドーム状
の覆いは周回経路に添ったリング状とするかあるいは周
回経路とその中心空間を被覆する円盤もしくは楕円盤状
とすることができる。
【0071】請求項8記載の方法では、ゴムモールドへ
の予備圧粉体の装填、磁界印加、ダイプレス、及び圧粉
成形体のゴムモールドからの取りだし、をゴムモールド
を搬送する周回経路で、順次繰り返し行う構成とする。
これらの発明は図23のフィーダー42に代えて、予備
成形体をゴムモールドへ装填する装置125、128
(図参照)を配置する。
【0072】請求項13はリングなどの中空体の製造方
法に関し、ゴムモールドが中空部形成のために該ゴムモ
ールドより硬質の材料からなるマンドレルを備えている
構成とする。この構成とは逆にマンドレルが軟質である
と、パンチの加圧力により圧粉体と一緒にマンドレルが
径方向に収縮し、次にパンチを後退させ、ゴムモールド
と圧粉体に加えられていた荷重を除くと、マンドレル1
0mが収縮した圧粉体5の中心穴を押し広げるように膨
張する(図25参照)。この結果圧粉体5′に割れが発
生する。したがってマンドレル10m(図25参照)は
側方部10sよりも硬質であることが好ましい。
【0073】中空形状の磁石は放射方向に配向したラジ
アル異方性、厚み方向に配向したアキシャル異方性など
を付与される。
【0074】図26はマンドレルを使用して図27に示
すような二つの中空部を有する圧粉体を作る成形法の一
具体例を示し、マンドレル10m,10m’を金属から
構成し、マンドレル10mが入る凹部1a’を上パンチ
1aの中に形成している。続いて、乾式ダイプレスおよ
び湿式ダイプレスならびに、すべての形状の圧粉体に共
通するゴムモールドの好ましい実施態様を説明する。
【0075】その第一は、ゴムモールドがゴムモールド
内面のうち上下面の少なくとも一方を形成する材料(上
面を形成する材料を蓋部、下面を形成する材料を底部と
呼ぶ)が前記内面の側面部を形成する材料(これを側方
部と呼ぶ)よりも硬質であるように構成したものであ
る。この構成とは逆に、底部が軟質で、側方部が硬質で
あると、図の(c)で示した不均一変形に加え図28
に模式的に示すように、側方部10sの変形に伴って底
部10kが縮もうとし、しわが底部10k表面に発生す
る。このしわがクラックの起点になり、圧粉体5′が割
れてしまう。また軟質材は、表面に粉末が噛み込まれや
すく、また圧粉体とモールドとの間の摩擦も大である。
さらに、パンチによる圧力を取り除いた時、軟質の底部
10kは元の形状に戻ろうとし、逆変形するが、このと
き底部のゴムが圧粉体5′とかみ込んで逆変形に追随さ
せようとし、圧粉体5′が割れに至る。これらのことが
圧粉体の割れを生じさせる原因となる。側方部10sと
底部10kの硬さが同じ場合は、パンチによる圧縮量が
多くなると同様に割れの危険が高まる。したがって、本
発明では底部および/または蓋部を側方部より硬いゴム
とするか、あるいは底部および/または蓋部を金属もし
くは硬い樹脂とする。
【0076】第二のゴムモールドにおいては、ゴムモー
ルドの蓋部もしくは底部の少なくとも一方の厚み(t、
単位mm)が式:t≦16h/D(ただし、hは圧粉体
の厚み、Dは圧粉体の断面積の正の平方根である)で表
されるように構成する。ここで蓋部もしくは底部の厚み
及び圧粉体の厚みとはパンチによる加圧方向の厚みを言
い、圧粉体の断面積とはパンチによる加圧方向に直交す
る圧粉体の断面積を言う。圧粉体の面積が大になる(式
の右辺が小さくなる)ほど、ゴムが逆変形する時の力が
大きくなり、圧粉体が割れやすくなるので、ゴムモール
ドの蓋部および底部の厚みを小さくする。底部10kの
厚みを小さくすることを示す図29において、底部10
kは上パンチ1aの加圧力Paとその反作用Pbにより
押さえつけられている。一方、底部10kにしわを作る
力はゴムモールドの側方部10sおよび粉末5が断面積
を小さくするように縮小する力Pcである。底部10k
の厚みが小さくなるほど前者の押さえつけ力Pa、Pb
が大になり、後者の力Pcを上回ると、しわが発生しな
くなる。また、上記の式の係数16は下記の実験の結果
割れ発生有無に対して臨界的であることが見出された。
後述の図30の(e)及び(g)の形状をもつゴムモー
ルド(寸法30×30×5mm、h/D=0.17)を
用いてNd−Fe−B系磁石粉末を1.0t/cm2
圧力で成形した。この成形を、ゴムモールドの底部厚み
(t)を0.5〜3.5mmの範囲で変化させて、各厚
みにつき10回行い、10個の成形体を作製した。その
結果、次の割れ個数が得られた。t=0.5、1.0、
1.5mm、0個;t=2.0mm、1個;t=2.5
mm、4個;t=3.0mm,10個。この割れ調査結
果より上記した係数16が求められた。
【0077】図30の(a)〜()に、図28、図
に示された二つの方法を具体化したゴムモールドの例
を示す。図中ハッチングは金属または硬質ゴムを示す。
(a)は上蓋10uを軟質ゴム、側方部10sを軟質ゴ
ム、底部10kを硬質ゴムまたは金属とした例である。
(b)は上蓋10uを軟質ゴム、側方部10sを軟質ゴ
ム、底部10kを硬質ゴムまたは金属とした例である。
(c)は上蓋10uを上記の式を満たす薄い(以下、単
に「薄い」という)軟質ゴム、側方部10sを軟質ゴ
ム、底部10kを硬質ゴムまたは金属とした例である。
(d)は上蓋10uを上記の式を満たす薄い軟質ゴム、
側方部10s及び底部10kを一体の軟質ゴムとした例
である。(e)は上蓋10uを硬質ゴムまたは金属、側
方部10sおよび底部10kを一体の軟質ゴムとした例
である。(f)は上蓋10uを軟質ゴムまたは金属、側
方部10sおよび薄い底部10kを一体の軟質ゴムとし
た例である。(g)は上蓋10uを硬質ゴムまたは金
属、側方部10sおよび薄い底部10kを一体の軟質ゴ
ムとした例である。(h)は上蓋10uを薄い軟質ゴ
ム、側方部10sおよび薄い底部10kを一体の軟質ゴ
ムとした例である。(i)は上蓋10uを硬質ゴムまた
は金属、側方部10sを軟質ゴム、底部10kを硬質ゴ
ムまたは金属とした例である。(j)は上蓋なし、側方
部10sを軟質ゴム、底部10kを側方部の切り欠きに
固定した硬質ゴムまたは金属とした例である。(k)は
硬質ゴムまたは金属の底部10kを側方部10sで側面
と下面から取り囲んだ例である。底部が薄い場合は、底
部下側を金属もしくは硬質ゴムなど、底部上側より硬質
の材料で補強することができる。(l)は(i)の上蓋
10uに下向きの突起を設け、プレス機外で上蓋により
粉末を高密度に圧縮し、(l)に示された状態でプレス
する例である。
【0078】図31の(a)には図30の(e)と同じ
作用を有するゴムモールドを示す。この(a)のゴムモ
ールドでは上パンチ1aが上蓋10uの作用を営み、圧
粉体の割れを防止する(請求項12、20の方法)。さ
らに図31の(b)には図31の(i)における上蓋1
0u、底部10kの作用をそれぞれ上パンチ1a及び下
パンチ1bが営むモールドの例を示す。さらに、図31
の(c)には、上パンチ1a及び下パンチ1bが硬質材
料であり、硬質上蓋10u(例えば図30の(e)参
照)の作用を営むモールドが示されている。
【0079】図32に示される圧粉成形体5′のエッジ
5eが鋭い場合あるいはゴムモールドの均一変形度が劣
る場合は、圧粉成形体のコーナー部分は、機械的衝撃に
対して弱くまた特に自動化工程におけるロボットによる
ハンドリングや搬送時の機器による蹴りだしによって欠
けが発生しやすい。また鋭いコーナーは磁界中配向成形
後に消磁を行っても磁化が残留しやすく、機械的強度が
低下する。図33の(a)は磁界中配向成形においてコ
ーナー部5eが割れていることを示す。消磁後にはコー
ナー部5eには僅かな磁化が残留していれば、図33
(b)に示すようにコーナー部5eが脱落して反転し、
コーナー部5eと圧粉成形体5′本体と異極どうしが引
き合い、これらは内部に蓄えたエネルギを解放しようと
するために、磁界中配向成形中よりも一層消磁後に欠け
が起こりやすい。このような欠けを防止し且つ圧粉成形
体のコーナーを丸くするためには、図34に示すように
ゴムモールド10sに湾曲部10rを設けることが好ま
しい。湾曲部10rはゴムモールドが粉末と面する面に
おいて上下のいずれか一方または両方の末端部である。
湾曲部10rの曲率半径は約0.1〜5mmであること
が好ましい。以下実施例により本発明を詳しく説明す
る。
【0080】
【実施例】 実施例1(Nd-Fe-B 焼結磁石)使用したゴムモールドは
図30(e)の如く上蓋10uは金属製、側方部10s
および底板部10kは一体の軟質シリコンゴム(硬度2
6)とし、底部10kの下にゴムの噛み込み防止用とし
て硬質ウレタンゴム製(硬度80)のバックアッププレ
ートを配置した。モールドキャビティの形状は50m
m,50mm,5mmであった。ゴムモールド、上蓋、
バックアップリングは面取りを行った。
【0081】金属ネオジウム(Nd),電解鉄(Fe),金属ほ
う素(B) 、金属ディスプロシウム(Dy) をNd14.0Dy0.4F
e78.0B7.6 の組成に配合後、アルゴンガス中でアーク溶
解してインゴットを作成した。このインゴットをスタン
プミルで平均粒径が20μmになるように粗粉砕し、次
にジェットミルで平均粒径が3.0μmになるように微
粉砕した。この微粉末を上記のゴムモールド10s、1
0kに振動及びプッシャー押圧を加えて、充填密度が
1.0〜4.2g/cm3 (13〜56%)になるよう
に充填した。ゴムモールド10s、10kに上蓋10u
を被せ、ダイプレス機内で40kOeのパルス磁界を1
m秒間1回加えた。その後、磁界を掛けずに、0.8t
on/cm2 の圧力で平行プレス成形を行った。圧粉後
約3kOeの逆磁界をかけて脱磁を行った。圧粉成形体
を1100℃で2時間焼結した後、650℃で1時間時
効処理を行った。その後磁気特性を評価した結果を表2
に示す。
【0082】
【表2】
【0083】充填密度1.0g/ccは自然充填による
比較例である。 われ、欠け判定基準(n=50) 〇 われ、欠けが発生しない △ 全数の10%未満のわれ欠けが発生 × 全数の10%以上のわれ欠けが発生 変形判定基準(n=50) ×−不均一変形が著しく後の加工による寸法調整が不可
能、ゴムモールドを改良しても改善が困難:△−若干不
均一変形があるが、後の加工による寸法調整により補え
る程度:○−ほとんど不均一変形しない、若干の不均一
変形が残るがゴムモールドの内側面の形を若干変えるだ
けで、ほぼ完全な成形体が得られる。
【0084】実施例2(Sm-Co 焼結磁石)ゴムモールド
は実施例1におけるものを使用した。原料として、Sm(C
o0.72Fe0.2Cu0.06Zr0.03)7.3の組成をもつインゴットを
使用した。このインゴットをスタンプミルで平均粒径が
25μmになるように粗粉砕し、次にジェットミルで平
均粒径が3.5μmになるように微粉砕した。
【0085】この微粉末を上記のゴムモールド10s、
10kに振動及びプッシャー押圧を加えて、充填密度が
1.1〜4.9g/cm3 (13〜58%)になるよう
に充填した。ゴムモールド10s、10kに上蓋10u
を被せ、ダイプレス機内で30kOeのパルス磁界を1
m秒間1回加え,その後磁界を掛ずに1.0ton/c
2 の圧力で平行プレス成形を行った。得られた微粉末
に上述の条件で乾式プレスを施し、成形体を1215℃
で1時間焼結し、1170℃で1時間溶体化処理を行
い、その後850℃で2時間時効処理後徐冷した。その
後磁気特性を評価した結果を表3に示す。
【0086】
【表3】
【0087】充填密度1.1g/ccは自然充填による
比較例である。 われ、欠け判定基準(n=50) 〇 われ、欠けが発生しない △ 全数の10%未満のわれ欠けが発生 × 全数の10%以上のわれ欠けが発生 変形判定基準(n=50) 実施例1と同じ
【0088】実施例3(フェライト焼結永久磁石)ゴム
モールドは実施例1におけるものを使用した。原料とし
ては工業用炭酸ストロンチウム(SrCO3), 工業用酸化第
2鉄(Fe2O3)を使用した。これら原料をモル比で1:
6.0に配合し、5時間ボールミルで粉砕、混合後、1
270℃で1時間仮焼した。仮焼後の試料をスタンプミ
ルで平均粒径が4μmになるように粗粉砕し、次にボー
ルミルで平均粒径が0.8μmになるように微粉砕し
た。得られた微粉砕粉を、乾式プレスを施すものは大気
中で乾燥した後解砕した。この微粉末をゴムモールド1
0s、10kに振動及びプッシャー押圧を加えて、充填
密度が0.6〜2.8g/cm3 (12〜44%)にな
るように充填した。
【0089】ゴムモールド10s、10kに上蓋10u
を被せ、ダイプレス機内で15kOeのパルス磁界を1
m秒間1回加え、その後磁界を掛けずに、0.2ton
/cm2 の圧力で平行プレス成形を行った。圧粉体を1
200℃で焼結した後に、磁気特性を測定した。実験結
果を表4に示す。
【0090】
【表5】
【0091】充填密度0.6g/ccは自然充填による
比較例である われ、欠け判定基準(n=50) 〇 われ、欠けが発生しない △ 全数の10%未満のわれ欠けが発生 × 全数の10%以上のわれ欠けが発生 変形判定基準(n=50) 実施例1と同じ
【0092】実施例4(Sm−Coボンド磁石)原料と
して、Sm(Co0.72Fe0.2Cu0.06Zr0.03)7.3の組成をもつ、
平均粒径が20μm、保磁力iHcが15.5kOeの
ボンド磁石用粉末を使用した。この粉末をエポキシ樹脂
粉末とともにゴムモールド10s、10k(図46参
照)に振動及びプッシャー押圧を加えて、充填密度が
1.4〜5.5g/cm2 (18〜65%)になるよう
に充填した。ゴムモールド10s、10kに上蓋10u
を被せ、ダイプレス機内で30kOeのパルス磁界を5
μ秒間10回加え、その後1ton/cm2 の圧力で平
行プレス成形を行った。圧粉体を120℃で1時間キュ
アリングした後に、磁気特性を測定した。実験結果を表
5に示す。
【0093】
【表5】
【0094】充填密度1.5g/ccは自然充填による
比較例である。 われ、欠け判定基準(n=50) 〇 われ、欠けが発生しない △ 全数の10%未満のわれ欠けが発生 × 全数の10%以上のわれ欠けが発生 変形判定基準(n=50) 前回実施例1と同じ
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ゴムの
弾性を利用してプレスを行い圧粉成形体の配向を高める
際に圧粉成形体に割れ、欠け、ひび、変形などが起こる
ことを見出し、かかる割れなどによる製品不良を防止し
て磁気的に配向された製品を提供することを共通の特徴
とする。
【0096】従来、磁石材料の磁界中配向成形法ではダ
イ中の充填密度を自然充填程度の低密度にしないと十分
な配向性が得られないと考えられていたが、意外にもゴ
ムの弾性を又はゴム弾性と圧縮成形前の磁界印加を利用
すれば高密度充填でも十分な配向性が得られる。又、高
密度に充填された粉末をゴムモールドで圧縮すると割れ
などの欠陥が防止される。
【0097】ゴムの弾性を利用する磁界中配向成形法で
は磁気特性は通常のダイプレス品より優れており、特
に、平行ダイプレス製品は通常の垂直ダイプレス製品と
同等もしくはそれを上回る特性を発揮する。但し、粉末
の充填方法に工夫をしないと割れなどの問題によって、
製品が得られないのでゴムの弾性を利用する方法は磁気
特性向上の潜在的可能性があったが、それが実際には利
用できなかった。本発明によれば、以下説明するような
特性が向上した永久磁石を提供することができる。
【0094】Nd2 Fe14B磁石は小型モーターやアク
チュエーターに多量に使用されている。これらの用途で
はそのほとんどが着磁方向の厚みが小さい扁平な形状を
有しており、生産性の観点からそれらの多くが平行ダイ
プレスにより製造されてきた。しかし平行ダイプレス特
有の低い磁気特性により、現状の量産水準では最高の磁
気特性を示す粉末を用いても、35MGOeを得るのが
限界であった。しかし本発明法による大幅な磁気特性向
上により、従来のダイプレス法により量産される磁石で
は達成不可能であった40MGOeの高特性、特に無酸
素粉末を使用する場合は45MGOeを得ることが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】永久磁石粉末を高密度に充填する方法の説明図
である。
【図2】ゴムモールドを使用する粉末の圧縮変形の際の
割れ発生の説明図である。
【図3】永久磁石粉末の予備圧粉体をつくる方法の説明
図である。
【図4】分割ゴムモールドの図である。
【図5】ゴムモールドの実施例を示す図である。
【図6】ゴムモールドの実施例を示す図である。
【図7】圧粉成形体の形状の説明図である。
【図8】ゴムモールドの実施例を示す図である。
【図9】弓形圧粉体成形用ゴムモールドの実施例の説明
図である。
【図10】図8のゴムモールドの断面図である。
【図11】弓形圧粉体の図である。
【図12】角型を成形するゴムモールドの実施例を示す
図である。
【図13】カマボコ型を成形するゴムモールドの実施例
を示す図である。
【図14】角錐型を成形するゴムモールドの実施例を示
す図である。
【図15】溝付き平板を成形するゴムモールドの実施例
を示す図である。
【図16】ゴムモールドの設計方法の説明図である。
【図17】ダイプレス装置の図である。
【図18】粉末の噛み込みを防止する方法の説明図であ
る。
【図19】ダイプレス装置の図である。
【図20】図19のダイプレス装置の一部断面図であ
る。
【図21】図20の乾式ダイプレス装置におけるカムの
動作を説明する図である。
【図22】不活性ガス雰囲気中で磁石粉末をゴムモール
ドに充填する方法の説明である。
【図23】周回経路を利用したダイプレス装置の図であ
る。
【図24】リニアートランスポーターの図である。
【図25】中空体の成形方法の説明図である。
【図26】マンドレルを備えたゴムモールドの図であ
る。
【図27】図26のゴムモールドで成形される圧粉体の
図である。
【図28】しわによる割れの発生の説明図である。
【図29】ゴムモールドに働く力の説明図である。
【図30】材質、厚みを各部で変えたゴムモールドの図
である。
【図31】上部及び下部が開放されたゴムモールドの図
である。
【図32】圧粉成形体の図である。
【図33】圧粉成形体のコーナーに発生する割れの説明
図である。
【図34】ゴムモールドの実施例を示す図である。
【図35】従来の垂直ダイプレス法を実施する装置の模
式図である。
【図36】従来の平行ダイプレス法を実施する装置の模
式図である。
【符号の説明】 1a 上パンチ 1b 下パンチ 2 ダイ 3 プレスプランジャ 4 電磁コイル 5 磁性粉末 6 磁極 10 ゴムモールド 30 磁場電源 31 油圧ユニット 32 油圧シリンダー 34 フィルター 40 コンベヤー 42 フィーダー 45 フィーダー 50 制御ユニット 60 磁界中プレス装置 62 成形体取り出し装置 63 圧粉体 66 コンベヤー 70 プッシャー 71 シリンダー 75 固定カム 76 油圧ユニット 78 ゴムモールド取出器 79 中空ロッド 80 シリンダー 81 油圧ユニット 82 ピストン 84 ゴムモールド取出器 90 粉末受け皿 92 蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B30B 11/00 L 9347−4E 11/02 F 9347−4E H01F 13/00 B 9172−5E

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石粉末をダイプレス機外で少なく
    とも側面部がゴムからなりかつ、底を有するモールド内
    に加振及び/又はプッシャーによる押圧によって高密度
    に充填するか、あるいは永久磁石粉末の予備圧粉体をダ
    イプレス機外で、少なくとも側面部がゴムからなりかつ
    底を有するゴムモールドに装填し、その後前記永久磁石
    粉末が充填もしくは装填された前記ゴムモールドをダイ
    プレス機内に配置し、ダイプレス機内で、パルス磁界に
    よる配向とパンチにる前記ゴムモールドおよび永久磁石
    粉末の圧縮を行い、永久磁石粉末の圧粉体を得ることを
    特徴とする永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ゴムモールドに前記加振及び/又は
    押圧によって永久磁石粉末を高密度充填しあるいは前記
    予備圧粉体を装填し、次にゴムモールドの上部開放部に
    蓋をかぶせ、その後永久磁石粉末または予備成形体に磁
    界中配向成形工程前に、磁界を瞬間的に印加するか又は
    磁界中配向成形工程より強い静磁界を印加することを特
    徴とする請求項1記載の永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ゴムモールドと、上下パンチのいず
    れか少なくとも一方の間にゴムモールドよりも硬質の弾
    性体からなるバックアッププレートを配置し、パンチに
    よりバックアッププレートを圧縮することを特徴とする
    請求項1または2項記載の永久磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ゴムモールドに希土類永久磁石粉末
    又は予備成形体を不活性ガスの存在下で充填または装填
    することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1
    項記載の永久磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれか1項記載
    の方法によるプレス成形工程後に、圧粉体の焼結を行う
    ことを特徴とする永久磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 ゴムモールドへ永久磁石粉末とともに樹
    脂を充填することを特徴とする請求項1から4までのい
    ずれか1項記載の永久磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 ゴムモールドへの永久磁石粉末の自然充
    填後に行うゴムモールドへの高密度充填、請求項2記載
    の磁界印加、ダイプレス、及び圧粉成形体のゴムモール
    ドからの取りだし、をゴムモールドを搬送する周回経路
    で順次繰り返し行うことを特徴とする請求項2から6ま
    での何れか1項記載の永久磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 ゴムモールドへの予備圧粉体の装填、請
    求項2記載の磁界印加、ダイプレス、及び圧粉成形体の
    ゴムモールドからの取りだし、をゴムモールドを搬送す
    る周回経路で順次繰り返し行うことを特徴とする請求項
    2から6までのいずれか1項記載の永久磁石の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記ゴムモールドの周回経路内での搬送
    を不活性ガスチャンバー内で行うことを特徴とする請求
    項7又は8記載の永久磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 ゴムモールドがダイプレス機の上下パ
    ンチと面する上下側の少なくとも一方の側の材料が、ゴ
    ムモールドがダイプレス機のダイに面する側方側のゴム
    よりも硬質であることを特徴とする請求項1から9まで
    のいずれか1項記載の永久磁石の製造方法。
  11. 【請求項11】 上部又は上下部が開放されたゴムモー
    ルドの少なくとも一方の開放口を有する面をパンチで直
    接加圧することを特徴とする請求項1から10までのい
    ずれか1項記載の永久磁石の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ゴムモールドの上蓋部もしくは底
    部の少なくとも一方の厚み(t、単位mm)が式:t≦
    16h/D(ただし、hは圧粉体の厚み、Dは圧粉体の
    断面積の正の平方根である)で表されることを特徴とす
    る請求項1から11までのいずれか1項記載の永久磁石
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記圧粉体が中空体であり、前記ゴム
    モールドが中空部形成のために該ゴムモールドより硬質
    の材料からなるマンドレルを備えていることを特徴とす
    る請求項1から12までのいずれか1項記載の永久磁石
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記ゴムモールドがその内側面の末端
    部でかつ上面側および下面側の少なくとも一方において
    粉末側に湾曲している湾曲部を有することを特徴とする
    請求項1から13までのいずれか1項記載の永久磁石の
    製造方法。
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