JPH07130566A - 永久磁石粉末の圧縮成形方法 - Google Patents

永久磁石粉末の圧縮成形方法

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JPH07130566A
JPH07130566A JP5311017A JP31101793A JPH07130566A JP H07130566 A JPH07130566 A JP H07130566A JP 5311017 A JP5311017 A JP 5311017A JP 31101793 A JP31101793 A JP 31101793A JP H07130566 A JPH07130566 A JP H07130566A
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powder
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permanent magnet
magnet
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JP5311017A
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Masato Sagawa
眞人 佐川
Hiroshi Nagata
浩 永田
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Intermetallics Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0253Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】永久磁石粉末の圧縮成形において圧粉体の割
れ、変形をなくし、優れた磁気特性の永久磁石を作る圧
縮成形方法を提供する。 【構成】水分体積率が低いスラリーをゴムモールド5に
充填し;パンチ1をかぶせ;励磁コイル3により発生さ
せた磁界を圧縮前または圧縮中に印加し、永久磁石粉末
を配向させ;余分な水分を取り出しながらスラリーを乾
式静水圧プレスにより圧縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は永久磁石の製法に関する
ものであり、さらに特定するならば永久磁石粉末の配向
成形に関するものである。永久磁石は、電子機器などハ
イテク技術の発展に大きく貢献している。永久磁石は製
法により鋳造磁石、焼結磁石、ボンド磁石、熱間加工磁
石などに分けられる。この中で焼結磁石とボンド磁石は
永久磁石粉末を型に入れて圧縮し、製品形状に成形す
る。粉末を型に入れた後、圧粉前または圧粉中に磁界を
印加し、粉末を配向させると異方性の高性能磁石が得ら
れる。高特性が得られ、且つ様々な磁石応用製品のニー
ズに応じて様々な形状、寸法の磁石が安価に製造できる
焼結磁石とボンド磁石は工業的に最も重要な磁石であ
る。本発明はこれら焼結磁石とボンド磁石の製法に関す
るものであり、これらの磁石の磁石特性を向上させるた
めの永久磁石粉末の圧縮成形方法を提供するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】これまで永久磁石粉末の磁界配向成形に
は、ダイプレスが用いられてきた。この方法では金属製
のダイに粉末を入れ、磁界をプレス軸に平行にまたは垂
直に印加しながら、パンチにより圧縮する。粉末の大き
さはフェライト磁石の場合、0.6〜1μm、希土類磁
石の場合3〜4.5μmで、粉末中に液体を含んだスラ
リー状の粉末を使用する場合(湿式法)と、乾燥した粉
末を使用する場合(乾式法)がある。
【0003】プレス機としては、油圧式プレスや機械プ
レスが主として用いられているが、液圧を使用した静水
圧プレス(CIP=Cold Isostatic P
ress)機を使用する例もある。CIP機としては、
湿式CIPと乾式CIPが知られている。湿式CIPで
は品物を直接またはゴムでくるんで、圧力伝達媒体であ
る油や水のなかに直接浸す。乾式CIPでは、圧力容器
の壁の一部がゴム板で形成され、圧力容器内面からの静
水圧がこのゴム板を押し、ゴム板の外側(圧力容器から
見て)の粉末を押す。ゴム板は凹部を形成するように設
計されており、凹部の形状を所定形状にしておくと、凹
部に充填した粉末が所定形状に圧粉成形される。
【0004】乾式CIPで磁石粉末を圧縮する時、同時
に外側から磁界を印加して、配向した磁石圧粉体を得る
方法が特開昭61−147997において提案されてい
る。この方法では粉末は乾燥した粉末が使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】焼結磁石とボンド磁石
は材料的にフェライト系と希土類系に分けられる。フェ
ライト系はバリウムフェライトや、ストロンチウムフェ
ライト粉末を使用する。フェライト系は磁石特性は低い
が極めて安価であり、化学的に安定で取り扱いやすいた
め、自動車工業などにおいて広く使用されている。希土
類系としてはSm−Co系とNd−Fe−B系があり、
前者はSmCo系とSmCo17系にさらに分けら
れ、後者の系はNdFe14Bからなっている。希土
類磁石はきわめて高性能で、電子機器工業においてきわ
めて重要な役割を果たしている。焼結磁石とボンド磁石
において粉末の圧縮はダイプレスにより行う。ダイプレ
スでは、粉末を金属製のダイに入れ、上下パンチをプレ
スにより駆動して圧粉体を得る。高特性の磁石を製造す
るためには上記各種化合物からなる単結晶粉末を磁界に
より配向し、配向状態を維持したまま圧縮する。ダイプ
レスの問題点は上下パンチによる圧縮中に磁界により配
向した粉末の方向性が乱されることである。圧縮中の配
向の乱れを少なくするために圧縮方法の改良が必要であ
る。
【0006】また、磁界により粉末の配向を行う際、粉
末が凝集していたり、粉末どうしの摩擦力が大きいため
に粉末の自由な回転が阻害されると、良い配向が得られ
ない。磁石粉末の磁界中配向成形方法として、湿式法と
乾式法が知られており、湿式法により粉末の高配向が得
られている。湿式法は特にフェライト磁石の生産によく
使われている。湿式法では体積比で68%から77%の
水分を含むスラリー状の粉末が使用される。水は粉末同
志を隔て、凝集を無くし、粉末同志の回転を自由にさせ
る。このため湿式法は乾式法に比べて良い磁石特性を与
えることが知られて、工業的に利用されている。湿式法
を使用して磁界印加により高配向を得ても、上述のよう
にダイプレスを使用すると粉末の方向が圧縮中に乱され
てしまうという問題点がある。このため湿式ダイプレス
法により工業的に生産されるフェライト磁石の特性はB
=4.5kG、=3kOe程度の組み合わせが
最高であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は先に特開平4
−363010において永久磁石粉の新しい圧縮成形法
を提案した。それは、凹部を有するゴムモールドを筒状
のダイに装填し、前記凹部に永久磁石粉末を高密度に充
填して、磁界を印加し、パンチにより圧縮成形する方法
である。ゴムモールドの変形により圧力が粉末の四方八
方から加わり、静水圧的な圧縮に近くなるので、ダイプ
レス成形のときに起こる圧縮中の粉末の配向の乱れが少
なく、高配向の圧粉成形体が得られ、したがって焼結磁
石やボンド磁石の生産に採用することにより高特性が得
られた。特開平4−363010では、湿式成形も提案
されており、乾式成形に比べてさらに高特性化が図れ
た。本発明は、前記ダイプレス機による成形の課題、即
ち配向をさらに向上させ、圧縮中の粉末の乱れを最小限
に抑制するため、特願平4−363010とは別の手段
を提供する。
【0008】本発明は水分量の少ない磁石粉スラリーを
磁界印加により配向し、乾式静水圧プレス法により圧縮
するとともに余分な水分を排出し、配向性が高く且つ良
好な形状と強度を持つ圧粉成形体を得るものである。ま
た、スラリー中の水分量が一定の限界以下になると静磁
界の印加では配向が困難になるが、配向磁界をパルス磁
界にすることによって高い磁石特性と良好な成形性を同
時に得るものである。
【0009】以下図1によって詳細な説明を行うが、本
発明の原理にかなうものであれば図1の態様に限られる
ことなく、他に様々な態様が可能である。図1におい
て、1は上パンチ、1′は水分を吸い出すポンプにつな
がる排水口、1″は水の吸出口を多数持つ板、2はフィ
ルター、3は磁界配向のための励磁コイル、4は圧力容
器、5はゴム容器、6はスラリー状粉末、7は圧力伝達
媒体で油や水が使われる。圧力配管10の末端に設置さ
れた圧力発生装置(図示されていない)から水圧力が導
入され、7の圧力伝達媒体を通じて5のゴム容器に圧力
が加わり、スラリー状粉末が静水圧的に圧縮される。ス
ラリー状粉末をゴム容器に入れた後、圧縮前または圧縮
中にコイル3を励磁して磁界を発生させ、粉末6を配向
してこの状態を維持したまま圧縮される。圧縮とともに
粉末中の余分な水分がフィルター2と多孔板1″を通過
して排水口1′に運ばれ排出される。8は硬質のゴム等
でできたシールリングで、水分の漏れを防ぐと共に上パ
ンチ1が下降、衝突時のクッションの役割を果たし、必
要に応じて設置される。同様な目的で11と4の間にス
プリングや緩衝作用を持った弾性体を設置することもで
きる。9はフィルターのローラーガイドであり、11は
下部支持台である。また、コイル3は圧力伝達媒体7の
中に埋設することにより、コイルにより発生する磁界を
強めることができる。圧縮終了後は1、2、9を上方に
移動させ、コイル3を下方に移動させ、上方から成形体
を取り出すことができる。
【0010】
【図1】
【0011】ここで使用されているプレス方法は、乾式
CIPである。乾式と呼ぶのは、圧力伝達媒体である、
図1では7に示す油や水が、プレスを操作する人にも品
物にも一切触れる事がないからである。通常の静水圧プ
レスでは圧力伝達媒体の中に、粉末を詰めたゴム容器を
直接浸す(湿式CIP)。図1の方法を使うことによ
り、高配向の圧粉成形体が得られるようになった。それ
は第1に、粉末としてスラリー状の粉末を使用するので
磁界印加により高配向が得られること、第2に圧縮が静
水圧的であるので、磁界配向により得られた高配向状態
が乱されないで圧縮されることによる。
【0012】ところが、この方法において決定的な問題
があることが判明した。通常のダイプレスで使用されて
いる水分濃度のスラリーを使用すると、成形が著しく困
難であった。通常のダイプレスでは、68〜77体積%
の範囲の水分を含むスラリーが使用される。これより水
分が少なくなると、スラリーをパイプで送ってダイキャ
ビティに充填する操作ができなくなり、生産性が著しく
低下するからである。本発明者はスラリーをパイプで送
ることを断念することにより、この制約から解放され
た。
【0013】スラリーは図1でゴムモールド5の上の開
口部から投入される。開口部はダイプレスで使用される
スラリー輸送用パイプに比べて格段に大きいので、スラ
リー充填の問題はない。こうしてスラリー中の水分濃度
を47〜67体積%に低下させることにより、図1の成
形方法で良好な成形体が得られるようになった。水分量
が67体積%以上のスラリーでは著しいゆがみや割れが
発生したが、水分量を減らすことによりこのようなゆが
みや割れが著しく改善され、工業的に使用できるレベル
に達した。このようにして本発明により、最高B
4.6kG以上、=3kOeのフェライト焼結磁
石が工業的に得られるようになった。
【0014】厚い製品を成形する場合(図1でゴムモー
ルド5の深さが大きい場合)、スラリー中の水分量をさ
らに減らさないと、成形品に大きいゆがみや、成形後の
成形体中に残存する水分量の不均一のために発生する割
れが見られた。水分を62.5%以下にすると、ゆがみ
や割れは少なくなり、60体積%以下にするとさらに改
善が見られた。さらに水分量を少なくしていくと、図1
において示されている励磁コイル3に直流電流を流して
得られる静磁界をスラリーに印加しても、粉末の回転が
しにくくなり、良い配向が得られなくなった。
【0015】水分量の減少に伴って静磁界による配向が
しにくくなる問題に対して、図1の励磁コイル7に強い
パルス電流を流してスラリーに強力なパルス磁界を印加
することが有効であることがわかった。強力なパルス磁
界の印加により、水分量の少ないスラリーに対して良好
な配向が得られた。パルス磁界に加えて、パルス磁界印
加後弱い静磁界を併用すると、さらに良好な配向が得ら
れた。パルス磁界の印加はスラリー中の水分量が62.
5体積%以下で効果が大きくなり、60体積%以下では
パルス磁界の印加なしでは、粉末の配向は大変困難であ
った。
【0016】図2は別の実施態様であり、脱着可能な別
のゴムモールド12を使用していることが図1と異なっ
ている。脱看可能なゴムモールド12を使用すれば、プ
レス機の外でゴムモールドにスラリーを充填することが
できるので、自動化や大量生産に適している。
【0017】
【図2】
【0018】希土類系の場合でもフェライト系と同様
に、本発明の適用により従来のダイプレス法により得ら
れる焼結磁石の特性を大きく上回る高特性が得られる。
希土類系ではスラリーを作るために、水の代わりに有機
溶媒が使用される。希土類金属は水と反応して酸化され
てしまうからである。有機溶媒としてはイソプロピルア
ルコール、トルエン、アセトンなど各種溶媒だけでな
く、灯油など蒸発しやすい油類も使用できる。有機溶媒
や油類の場合でも、本明細書では粉末に含まれる液体分
のことを水分とよぶことにする。ゴムと有機溶媒の組み
合わせによっては、ゴムが有機溶媒に溶ける場合がある
ので、組み合わせを選択することが重要である。
【0019】希土類系の場合でも、水分量はフェライト
系の場合と同様、47%〜67%の範囲が適当であり、
成形体のゆがみや割れの状態はフェライト系の場合と同
様であった。また62.5%以下の水分では、パルス磁
界の印加が高特性化に効果があり、60%以下の水分で
はパルス磁界の印加が高特性化のためにぜひとも必要で
あった。
【0020】以上フェライト焼結磁石と希土類焼結磁石
(Sm−Co及びNd−Fe−B焼結磁石)の場合につ
いて本発明の内容を説明した。焼結磁石では上記のよう
にそれぞれの粉末(フェライト系では0.7μm、希土
類系では約3μmの粒径)を磁界により配向、圧縮し、
異方性圧粉体を得、これを焼結して高密度焼結体を得
た。圧粉体の配向度が焼結体の配向度に大きく反映する
ので、圧粉体の配向度を本発明の方法により向上させて
おくことが大変重要である。
【0021】ボンド磁石の場合には、それぞれの粉末の
配向圧粉体を上記のようにして得た後、エポキシ樹脂な
どのバインダー樹脂を含浸させ、その後樹脂を硬化して
ボンド磁石とする。またはあらかじめエポキシ樹脂など
を溶解させた溶媒を使ってスラリーを作り、上述した湿
式プレスにより配向した圧粉体を得、圧粉体に残留する
樹脂を硬化させてボンド磁石とする。ボンド磁石の場合
には、圧粉体の配向度はそのまま磁石の特性に反映す
る。
【0022】
【実施例】実施例1(ストロンチウムフェライト磁石) 炭酸ストロンチウム(SrCo)と酸化鉄(Fe
)をSrO・6Feの組成比になるように秤
量、配合し、ボールミルにて5時間湿式混合した。混合
スラリーを1270℃で1時間仮焼後、CaO,SiO
等の微量添加元素と水を加え、ボールミルにて7時間
湿式粉砕した。得られたスラリーの水分量を80体積%
に調節した。さらにこの80%の水分を含むスラリーか
らフィルター布で水を濾す、遠心脱水装置を使う、磁界
中凝集を利用する等の方法で水を抜き、表に示す各スラ
リー濃度の原料を作成した。各スラリー濃度の原料を使
用して図1に示した装置により、磁界中配向成形を行っ
た。ゴムキャビティーの大きさは直径25mm、深さ8
mmと直径25mm、深さ25mmで、厚さ2mmのウ
レタンゴムで作製した。ゴムキャビティーにスラリーを
充填し、静磁界10kOeを印加しながら0.5t/c
で成形した。磁石特性は深さ25mmのキャビティ
ーを使用して作製した磁石によって測定した。
【0023】水分量が80%のスラリーでは、成形体に
大きい割れが発生したり、象の足変形と呼ばれる大きい
ゆがみが見られた。スラリー濃度を上げていくと、すな
わち水分量を減らしていくと、割れやゆがみの状態は改
善された。水分量が67%では直径25mm、深さ8m
mのキャビティーを使用した試料については割れもな
く、ゆがみも小さい成形体が得られ、焼結後わずかの加
工でゆがみの修正はできた。直径25mm、深さ25m
mのキャビティーを使用したときは、水分量を65%以
下にしないと良い成形ができなかった。水分量を63%
以下にすると、さらに厚い試料でも成形できるようにな
った。得られた成形体を1220℃で2時間焼結し、永
久磁石を得た。特性を表1のAに示す。またピーク磁界
が25KOeのパルス磁界を印加した後、1kOeの静
磁界が印加されている間に、0.4t/cmで成形
し、同一条件で焼結した。得られた焼結磁石の磁気特性
を表1のBに示す。
【0024】比較例として、同一濃度の各スラリーを使
用し、湿式ダイプレス装置を使用した結果を表1のCに
示す。印加した静磁界は、10kOeで、成形圧力は
0.4t/cmであり、その後1220℃で2時間焼
結した。また、別の比較例として、同じスラリーを使っ
て湿式RIPのテストを行った。スラリー中水分量6
2.5%、パルス磁界と直流磁界の印加により最高でB
=4.6kG、(BH)max=4.9MGOe、
=3.0kOeのフェライト焼結磁石が得られた。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2 (Nd−Fe−B焼結永久磁
石) Nd12.9Febal6.0の組成を持ったインゴ
ットを高周波溶解炉で作成した。このインゴットをジェ
ットミルで3.3μmになるように粉砕し、灯油の中に
浸漬した。灯油の量を調節し、表2に示した各体積濃度
のスラリーを作成した。各スラリーを図2に示した乾式
静水圧装置により、0.8t/cmの圧力で成形し
た。
【0027】ゴムキャビティーは実施例1と同じ2種類
のキャビティーを使用した。この実験では着脱できる内
側ゴムモールドを使用する図2の方式で成形テストを行
った。このゴムモールドも厚さ2mmのウレタンゴムで
作製した。内側ゴムモールドのキャビティー寸法は内径
21mm、深さ6mmと、もう一つは内径21mm、深
さ23mmであった。このゴムモールドのキャビティー
にスラリーをプレス機外で充填し、その後圧力容器に取
りつけたゴムモールドにはめ込んだ。スラリー濃度を調
整して成形テストを行ったところ、フェライト磁石とほ
ぼ同じ傾向が得られた。成形後の各圧粉体を真空中で1
060℃で4時間焼結し、さらに600℃で1時間熱処
理して永久磁石を得た。加圧前に15kOeの静磁界を
印加し、成形を行った場合の結果を表2のAに、加圧前
に最高磁界40kOeのパルス磁界を印加し、加圧中2
kOeの直流磁界を印加した場合を表2のBに示す。磁
石特性は、深さ25mmのゴムモールドを使用して作製
した磁石によって測定した。
【0028】比較例として、同一濃度の各スラリーを使
用し、湿式ダイプレス装置(直角磁界型)を使用した結
果を表2のCに示す。印加した静磁界は、15kOe
で、成形圧力は0.4t/cmであり、その後同一条
件で焼結を行い、熱処理を行った。
【0029】
【表2】
【0030】実施例3 SmFe17粉末を使用してボンド磁石を作製し
た。溶媒としてイソプロピルアルコールを使用した。イ
ソプロピルアルコールに20重量%のエポキシ樹脂を添
加し、懸だく状態にした。この懸だく状態の液を体積比
で62.5%になるように磁石粉末に混ぜ、強制的に混
合してスラリーを作製した。ただしエポキシ樹脂には硬
化剤を10%添加しておいた。図1の方式で、直径25
mm、深さ25mmのキャビティー内にスラリーを充填
して成形を行った。
【0031】成形は15kOeの磁界中、4t/cm
の圧力で行った。成形後、180℃で1時間熱硬化を行
った。ボンド磁石の磁気特性を表3に示す。比較例とし
て、同一磁石粉末を使用し、湿式ダイプレス装置で15
kOeの磁界中、6t/cmの圧力で成形して得た結
果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明によりこれまでダイプレス法では
得られなかった高配向が得られ、これにより焼結磁石及
びボンド磁石の磁気特性の大幅な改善が図られる。
【0034】特開平4−363010の方法、即ち凹部
を有するゴムモールドを筒状のダイに装填し、このゴム
モールドの凹部に粉末を充填して、ゴムモールドと粉末
をパンチにより圧縮する方法(RIP=Rubber
Isostatic Pressing)に比べて、本
発明の方法は静水圧性が良いので最高の条件ではRIP
より高特性が得られる。また、きわめて大型の製品の成
形ではRIPは圧力伝達のために肉厚のゴムモールドが
必要なので、ゴムモールドの費用がかかり、少数しか成
形しない時にはゴムモールドのコストが製品コストに響
いてくる。本発明の方法では、肉厚のゴムモールドは必
要ないのでゴムモールドのコストが低い。また、RIP
では肉厚のゴムモールドの寿命が短くなるため0.5t
/cm程度の圧力しかかけられないが、本発明では1
t/cm以上の圧力を印加してもゴムモールドの一定
の寿命が確保できるので、圧粉体強度の向上に有利であ
る。グリーン強度の向上は、SmCO系粉末のように
比較的成形しにくい粉末を使用するとき有利であり、R
IPの不利なところを補うものである。また、圧縮圧力
を向上させることはボンド磁石の生産にとってはきわめ
て重要であり、圧力増大により圧粉密度が向上し、この
向上はそのままボンド磁石の特性、特にBの向上に直
接効いてくるものである。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施態様の縦断面図である。
【図2】本発明方法の別の実施態様の縦断面図である。
【符号の説明】
1.上パンチ 2.フィルター 3.励磁コイル 4.圧力容器 5.ゴム容器 6.スラリー状粉末 7.圧力伝達媒体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】永久磁石粉末を磁界により配向し圧縮成形
    する方法において、圧縮前の永久磁石粉末が体積比で4
    7%以上67%以下の液体を含み、且つ前記永久磁石粉
    末を磁界の印加により配向するとともに、乾式静水圧プ
    レスにより圧縮成形することを特徴とする永久磁石粉末
    の圧縮成形縮方法。
  2. 【請求項2】永久磁石粉末を磁界により配向し圧縮成形
    する方法において、圧縮前の永久磁石粉末が体積比で4
    7%以上62.5%以下の液体を含み、かつ前記氷久磁
    石粉末をパルス磁界の印加により配向するとともに、乾
    式静水圧プレスにより圧縮成形することを特徴とする永
    久磁石粉末の圧縮成形方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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