JPH0696654B2 - ポリプロピレン組成物とその製造方法および成形品 - Google Patents

ポリプロピレン組成物とその製造方法および成形品

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JPH0696654B2
JPH0696654B2 JP63314094A JP31409488A JPH0696654B2 JP H0696654 B2 JPH0696654 B2 JP H0696654B2 JP 63314094 A JP63314094 A JP 63314094A JP 31409488 A JP31409488 A JP 31409488A JP H0696654 B2 JPH0696654 B2 JP H0696654B2
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昭彦 三瓶
武 白石
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリプロピレン組成物に関する。更に詳しく
は、ハロゲン置換スチレン類の結晶性重合体を含有して
なる、透明性に優れた高結晶性のポリプロピレン組成物
とその製造方法および該ポリプロピレン組成物を用いて
なる成形品に関する。
[従来の技術とその課題] ポリプロピレンは他のプラスチックと比較して、軽量
性、成形性、機械的強度、化学的安定性等に優れ、また
経済性においても優位なことから、フィルム、シートを
はじめとする各種成形品の製造に広く用いられている。
しかしながら、ポリプロピレンは半透明であり、用途分
野においては商品価値を損なう場合があり、透明性の向
上が望まれていた。
この為、ポリプロピレンの透明性を改良する試みがなさ
れており、たとえば、芳香族カルボン酸のアルミニウム
塩(特公昭40−1,652号公報等)や、ベンジリデンソル
ビトール誘導体(特開昭51−22,740号公報等)等の造核
剤をポリプロピレンに添加する方法があるが、芳香族カ
ルボン酸のアルミニウム塩を使用した場合には、分散性
が不良なうえに、透明性の改良が不十分であり、また、
ベンジリデンソルビトール誘導体を使用した場合には、
透明性においては一定の改良が見られるものの、加工時
に臭気が強いことや、添加物のブリード現象(浮き出
し)が生じる等の課題を有していた。
本発明者等は、透明性が改良され、かつ前記の造核剤使
用時の課題を解決するポリプロピレンについて鋭意研究
した。
その結果、ハロゲン置換スチレン類の結晶性重合体を含
有したポリプロピレン組成物が、従来のポリプロピレン
に比較して透明性、および結晶性において著しく向上す
ること、また成形加工時の臭気やブリードの発生といっ
た課題も解決することを知って本発明を完成した。
本発明は、成形加工時に臭気やブリードの発生しない透
明性および結晶性に優れたポリプロピレン組成物とその
製造方法および該ポリプロピレン組成物を用いてなる成
形品を提供することを目的とするものである。
[課題を解決する手段] 本発明は以下の構成を有する。
(1)ポリプロピレンに次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン置換
スチレン類の結晶性重合体を0.1重量ppm〜2重量%含有
せしめて全量を100重量%としてなるポリプロピレン組
成物。
(2)(A)ポリプロピレンと、 (B)チタン触媒成分、 有機アルミニウム化合物(AL1)、および必要に応じ
て 電子供与体(E1) からなる触媒を用いて、次式 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類を重合させ
て得られた、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン置換
スチレン類の結晶性重合体、 とを混合することにより、ハロゲン置換スチレン類の結
晶性重合体を組成物中に0.1重量ppm〜2重量%含有せし
めることを特徴とするポリプロピレン組成物の製造方
法。
(3)(A)ポリプロピレンと、 (B)チタン触媒成分、 有機アルミニウム化合物(AL1)、および必要に応じ
て 電子供与体(E1) からなる触媒を用いて、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類を重合し、
引き続いてプロピレン、若しくはプロピレンとプロピレ
ン以外のα−オレフィンを多段に重合して得られたポリ
プロピレンとハロゲン置換スチレン類の重合体の混合物 とを混合することにより、ハロゲン置換スチレン類の結
晶性重合体を組成物中に0.1重量ppm〜2重量%含有せし
めることを特徴とするポリプロピレン組成物の製造方
法。
(4)(A)ポリプロピレンと、 (B)次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン置換
スチレン類の結晶性重合体を含有したチタン触媒成分、 有機アルミニウム化合物(AL1)、および必要に応じ
て 電子供与体(E1) からなる触媒を用いて、プロピレン、若しくはプロピレ
ンとプロピレン以外のα−オレフィンを重合して得られ
たポリプロピレン、 とを混合することにより、ハロゲン置換スチレン類の結
晶性重合体を組成物中に0.1重量ppm〜2重量%含有せし
めることを特徴とするポリプロピレン組成物の製造方
法。
(5)ハロゲン置換スチレン類の結晶性重合体を含有し
たチタン触媒成分として、該チタン触媒成分の製造途中
で別途、チーグラー・ナッタ触媒を用いて、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類を重合して
得られた、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン置換
スチレン類の結晶性重合体をチタン触媒成分に添加して
得られたチタン触媒成分を用いる前記第4項に記載の製
造方法。
(6)ハロゲン置換スチレン類の結晶性重合体を含有し
たチタン触媒成分として、 該チタン触媒成分の製造途中で、重合条件下、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1はアルキル基を示す。)で
示されるハロゲン置換スチレン類を重合する工程を実施
し、該重合工程を経た固体生成物(II)に対し、更に電
子供与体(E3)と電子受容体とを反応させて得られる最
終の固体生成物(III)、若しくは 液状化したマグネシウム化合物と析出剤、ハロゲン化
合物、電子供与体(E4)およびチタン化合物(T1)を接
触して得られた固体生成物(IV)を、有機アルミニウム
化合物(AL3)の存在下、次式 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類を重合する
工程を実施し、固体生成物(V)を得、該固体生成物
(V)にハロゲン化チタン化合物(T2)を反応させて得
られる固体生成物(VI)を用いる前記第4項に記載の製
造方法。
(7)前記第1項に記載のポリプロピレン組成物を用い
てなる成形品。
(8)成形品が射出成形品である前記第7項に記載の成
形品。
(9)成形品が延伸フィルムである前記第7項に記載の
成形品。
(10)成形品がシートである前記第7項に記載の成形
品。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明のポリプロピレン組成物は、次式、 (式中、Xはハロゲン原子を、R1は水素またはアルキル
基を示す。)で示される繰り返し単位からなるハロゲン
置換スチレン類の結晶性重合体(以後、ハロゲン置換ス
チレン類重合体と省略していうことがある。)を含有す
るポリプロピレン組成物であるが、その製造方法につい
て説明する。
本発明のポリプロピレン組成物の製造方法は、公知の方
法によって得られた通常の(A)ポリプロピレンに
(i)ハロゲン置換スチレン類重合体を混合するか、若
しくは(ii)ハロゲン置換スチレン類重合体を含有した
ポリプロピレンを混合することによって、ハロゲン置換
スチレン類重合体をポリプロピレン組成物に含有せしめ
るものである。
本発明に用いる(A)ポリプロピレンは、チタン触媒成
分(三塩化チタンを主成分とする固体化合物若しくは塩
化マグネシウム等の担体に四塩化チタンを担持せしめた
固体化合物)と有機アルミニウム化合物を組み合せ、ま
た場合によっては電子供与体成分を触媒の第3成分とし
て組み合せた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒を用い
て、不活性溶媒中で行なうスラリー重合、プロピレン自
身を溶媒とするバルク重合若しくはプロピレンガスを主
体とする気相重合等によりプロピレン、若しくはプロピ
レンとプロピレン以外のα−オレフィンを重合させるこ
とによって得られる。
より具体的には公知のプロピレン単独重合体、プロピレ
ン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α
−オレフィンブロック共重合体の1種類以上が挙げられ
る。
また上述の(i)の方法において用いられるハロゲン置
換スチレン類重合体は、チタン触媒成分、有機アルミニ
ウム化合物(AL1)、および必要に応じて電子供与体(E
1)からなる触媒を用いて、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類を重合させ
て得られる。
該チタン触媒成分としては、立体規則性ポリオレフィン
製造用チタン触媒成分であれば公知のどの様なものでも
使用可能であるが、工業生産上、好適には、特開昭59−
28573号公報、特公昭58−17104号公報等に記載の方法で
得られる三塩化チタンを主成分とするチタン触媒成分
や、特開昭62−104810号公報、特開昭62−104811号公
報、特開昭62−104812号公報等に記載のマグネシウム化
合物に四塩化チタンを担持したチタン触媒成分が用いら
れる。
また有機アルミニウム化合物(AL1)としては、一般式
がAlR2mR3 m′3−(m+m′)(式中、R2、R3はア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基で示される単
価水素基またはアルコキシ基を、Xはハロゲンを表わ
し、またm、m′は0<m+m′≦3の任意の数を表わ
す。)で表わされる有機アルミニウム化合物が用いられ
る。
具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリn−プロピルアルミニウム、トリn
−ブチルアルミニウム、トリi−ブチルアルミニウム、
トリn−ヘキシルアルミニウム、トリi−ヘキシルアル
ミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ
n−オクチルアルミニウム、トリn−デシルアルミニウ
ム等のトリアルキルアルミニウム類、ジエチルアルミニ
ウムモノクロライド、ジn−プロピルアルミニウムモノ
クロライド、ジi−ブチルアルミニウムモノクロライ
ド、ジエチルアルミニウムモノフルオライド、ジエチル
アルミニウムモノブロマイド、ジエチルアルミニウムモ
ノアイオダイド等のジアルキルアルミニウムモノハライ
ド類、ジエチルアルミニウムハイドライド等のジアルキ
ルアルミニウムハイドライド類、メチルアルミニウムセ
スキクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド
等のアルキルアルミニウムセスキハライド類、エチルア
ルミニウムジクロライド、i−ブチルアルミニウムジク
ロライド等のモノアルキルアルミニウムジハライド類な
どがあげられ、他にモノエトキシジエチルアルミニウ
ム、ジエトキシモノエチルアルミニウム等のアルコキシ
アルキルアルミニウム類を用いることもできる。これら
の有機アルミニウム化合物は2種類以上を混合して用い
ることもできる。
更に必要に応じて用いる電子供与体(E1)としては、通
常のα−オレフィン重合の際に、立体規則性向上の目的
で使用される公知の電子供与体が用いられる。
電子供与体(E1)として用いられるものは、酸素、窒
素、硫黄、燐のいずれかの原子を有する有機化合物、す
なわち、エーテル類、アルコール類、エステル類、アル
デヒド類、脂肪酸類、ケトン類、ニトリル類、アミン
類、アミド類、尿素又はチオ尿素類、イソシアネート
類、アゾ化合物、ホスフィン類、ホスファイト類、ホス
ファナイト類、硫化水素又はチオエーテル類、チオアル
コール類、シラノール類やSi−O−C結合を有する有機
ケイ素化合物などである。
具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテ
ル、ジ−i−アミルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテ
ル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジ−i−ヘキシルエー
テル、ジ−n−オクチルエーテル、ジ−i−オクチルエ
ーテル、ジ−n−ドデシルエーテル、ジフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等
のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタ
ノール、2−エチルヘキサノール、アリルアルコール、
ベンジルアルコール、エチレングリコール、グリセリン
等のアルコール類、フェノール、クレゾール、キシレノ
ール、エチルフェノール、ナフトール等のフェノール
類、メタクリル酸メチル、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸n−プロピ
ル、酢酸i−プロピル、ギ酸ブチル、酢酸アミル、酢酸
n−ブチル、酢酸オクチル、酢酸フェニル、プロピオン
酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸
プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香
酸2−エチルヘキシル、トルイル酸メチル、トルイル酸
エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、アニス酸プ
ロピル、アニス酸フェニル、ケイ皮酸エチル、ナフトエ
酸メチル、ナフトエ酸エチル、ナフトエ酸プロピル、ナ
フトエ酸ブチル、ナフトエ酸2−エチルヘキシル、フェ
ニル酢酸エチル等のモノカルボン酸エステル類、コハク
酸ジエチル、メチルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸
ジエチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエ
チル等の脂肪族多価カルボン酸エステル類、フタル酸モ
ノメチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジ−n−プロピル、フタル酸モノ−n−ブチル、フ
タル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−i−ブチル、フタ
ル酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、イソフタル酸ジエチ
ル、イソフタル酸ジプロピル、イソフタル酸ジブチル、
イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、テレフタル酸ジ
エチル、テレフタル酸ジプロピル、テレフタル酸ジブチ
ル、ナフタレンジカルボン酸ジ−i−ブチル等の芳香族
多価カルボン酸エステル類、アセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、修酸、コハク酸、ア
クリル酸、マレイン酸、吉草酸、安息香酸等のカルボン
酸類、無水安息香酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロ
フタル酸等の酸無水物、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ベンゾフェノン等のケト
ン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類、メチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミ
ン、トリエタノールアミン、β(N,N−ジメチルアミ
ノ)エタノール、ピリジン、キノリン、α−ピコリン、
2,4,6−トリメチルピリジン、2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、
ジメチルアニリン等のアミン類、ホルムアミド、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド、N,N,N′,N′,N″−ペンタメ
チル−N′−β−ジメチルアミノメチルリン酸トリアミ
ド、オクタメチルピロホスホルアミド等のアミド類、N,
N,N′,N′−テトラメチル尿素等の尿素類、フェニルイ
ソシアネート、トルイルイソシアネート等のイソシアネ
ート類、アゾベンゼン等のアゾ化合物、エチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリn−オクチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン
オキシド等のホスフィン類、ジメチルホスファイト、ジ
n−オクチルホスファイト、トリエチルホスファイト、
トリn−ブチルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト等のホスファイト類、エチルジエチルホスフィナイ
ト、エチルブチルホスフィナイト、フェニルジフェニル
ホスフィナイト等のホスフィナイト類、ジエチルチオエ
ーテル、ジフェニルチオエーテル、メチルフェニルチオ
エーテル等のチオエーテル類、エチルチオアルコール、
n−プロピルチオアルコール、チオフェノール等のチオ
アルコール類やチオフェノール類、トリメチルシラノー
ル、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノール等
のシラノール類、トリメチルメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、エチルトリi−プロポキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン等のSi−O−C結合を
有する有機ケイ素等があげられる。
各触媒成分の使用量は、通常のα−オレフィン重合と同
様であるが、具体的には、チタン触媒成分1gに対し、有
機アルミニウム化合物(AL1)0.005g〜500g、電子供与
体(E1)0〜500gを使用する。以上の所定量を組み合わ
せた触媒を用いてハロゲン置換スチレン類を重合する。
該重合反応の重合温度は0℃〜150℃、重合圧力は大気
圧〜50kg/cm2Gにおいて不活性溶媒の存在下、若しくは
不存在下にハロゲン置換スチレン類を供給して5分〜50
時間重合させる。また重合時に水素を共存させることも
可能である。重合終了後は、アルコール類等による精製
処理を行って触媒残渣を除去することも可能である。
本重合反応に使用可能なハロゲン置換スチレン類は、次
式、 (式中、XはCl、Br、F、Iのいづれかのハロゲンを、
R1は水素または炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で
示される特定の単量体である。具体的には、2−エチル
−4−クロロスチレン、2−メチル−4−フルオロスチ
レン、o−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン等
があげられる。
また、前述の(ii)の方法に用いる、ハロゲン置換スチ
レン類重合体を含有するポリプロピレンの製造方法につ
いては、次のような方法があげられる。
(1)チタン触媒成分、有機アルミニウム化合物(A
L1)、および必要に応じて電子供与体(E1)からなる触
媒を用いて、ハロゲン置換スチレン類を重合し引き続い
てプロピレン、若しくはプロピレンとプロピレン以外の
α−オレフィンを多段に重合する方法。
(2)α−オレフィン重合用チタン触媒成分の製造途中
で別途、前記(i)の方法で重合して得られたハロゲン
置換スチレン類重合体を添加して得られたチタン触媒成
分、有機アルミニウム化合物(AL1)、および必要に応
じて電子供与体(E1)からなる触媒を用いて、プロピレ
ン、若しくはプロピレンとプロピレン以外のα−オレフ
ィンを重合する方法。
(3)α−オレフィン重合用チタン触媒成分の製造途中
で、重合条件下、ハロゲン置換スチレン類を用いて重合
処理し、更に後続の工程を経て得られたチタン触媒成
分、有機アルミニウム化合物(AL1)、および必要に応
じて電子供与体(E1)からなる触媒を用いて、プロピレ
ン、若しくはプロピレンとプロピレン以外のα−オレフ
ィンを重合する方法である。
上記(1)〜(3)の方法について詳述する。
(1)の方法は既述した(i)のハロゲン置換スチレン
類重合体を得る方法において使用したものと同様な触媒
を用いて、(i)と同様な重合条件下において、ハロゲ
ン置換スチレン類の重合を行なうが、該ハロゲン置換ス
チレン類の重合反応量がチタン触媒成分1g当り、0.001g
〜100gとなるようにする。続いてプロピレンの本重合を
行なうが、その前に、チタン触媒成分1g当り、α−オレ
フィンを0.1g〜100g反応させて、予備活性化した後、プ
ロピレンまたはプロピレンとプロピレン以外のα−オレ
フィンの重合を行なわせてもよい。
該ハロゲン置換スチレン類の重合終了後、若しくは更に
α−オレフィンで予備活性化した後は、未反応単量体等
を不活性炭化水素溶媒で洗浄して除き、更に有機アルミ
ニウム化合物および必要に応じて電子供与体を加えた
後、プロピレン、またはプロピレンとプロピレン以外の
α−オレフィンの重合を行なってもよいし、該反応後の
反応混合物をそのまま、プロピレンまたは、プロピレン
とプロピレン以外のα−オレフィンの重合に用いてもよ
い。
プロピレン、若しくはプロピレンとプロピレン以外のα
−オレフィンの重合は、公知の重合条件下、即ち重合温
度は20℃〜150℃、重合圧力は大気圧〜50kg/cm2Gの条件
下において、気相重合、バルク重合、スラリー重合、お
よびこれらを組み合わせた方法を用いて、20分〜20時間
重合を実施させればよい。
本方法において使用する各触媒成分およびハロゲン置換
スチレン類としては既述の(i)のハロゲン置換スチレ
ン類重合体を得る際に用いたものと同様なものがあげら
れる。
次に(2)の方法であるが、該方法は、プロピレンまた
はプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンを重合
する際に使用するチタン触媒成分として、該チタン触媒
成分の製造途中で別途、(i)の方法で得た、ハロゲン
置換スチレン類重合体を添加して得られたチタン触媒成
分を用いる方法である。
このようなチタン触媒成分の製造方法を具体的に説明す
ると、例えば、三塩化チタンと(i)の方法で得たハロ
ゲン置換スチレン類重合体を必要に応じ電子供与体とと
もに、共粉砕する方法、あるいは四塩化チタンを有機ア
ルミニウム化合物で還元する際に該(i)の方法で得た
ハロゲン置換スチレン類重合体を共存させる方法、ある
いはマグネシウム化合物等の担体と電子供与体の存在
下、または不存在下に(i)の方法で得たハロゲン置換
スチレン類重合体を共粉砕し、ついで四塩化チタンで処
理する方法、あるいは、液状化したマグネシウム化合物
に該(i)の方法で得たハロゲン置換スチレン類重合体
を分散し、ついで、ハロゲン化合物等の析出剤で処理
し、次いで電子供与体および四塩化チタンで処理する方
法等があげられる。
ここでハロゲン置換スチレン類重合体の使用量は、チタ
ン触媒成分中に該重合体が0.01重量%〜50重量%となる
ような範囲で用いる。
以上の方法で得られたチタン触媒成分、有機アルミニウ
ム化合物(AL1)、および必要に応じて電子供与体
(E1)を組み合わせた触媒を用いてプロピレン、または
プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンを重合し
て得られる。
続いて(3)の方法について説明する。該方法は、プロ
ピレン、またはプロピレンとプロピレン以外のα−オレ
フィンを重合する際に使用するチタン触媒成分として、
該チタン触媒成分の製造途中で、重合条件下、ハロゲン
置換スチレン類を用いて重合処理し、更に後続の工程を
経て得られたチタン触媒成分を用いる方法である。
この様なチタン触媒成分の製造方法を具体的に詳しく説
明すると、例えば、有機アルミニウム化合物(AL2)、
若しくは有機アルミニウム化合物(AL2)と電子供与体
(E2)との反応生成物(I)に四塩化チタンを反応させ
て得られた固体生成物(II)を、ハロゲン置換スチレン
類で重合処理し、更に電子供与体(E3)と電子受容体と
を反応させて得られる最終の固体生成物(III)とし
て、該チタン触媒成分が製造される。
上述の有機アルミニウム化合物(AL2)と電子供与体(E
2)との反応は、溶媒(D1)中で−20℃〜200℃、好まし
くは−10℃〜100℃で30秒〜5時間行なう。有機アルミ
ニウム化合物(AL2)、(E2)、(D1)の添加順序に制
限はなく、使用する量比は有機アルミニウム化合物(AL
2)1モルに対し電子供与体(E2)0.1モル〜8モル、好
ましくは1〜4モル、溶媒0.5L〜5L、好ましくは0.5L〜
2Lである。かくして反応生成物(I)が得られる。反応
生成物(I)は分離をしないで反応終了したままの液状
態(反応生成液(I)と言うことがある。)で次の反応
に供することができる。
この反応生成物(I)と四塩化チタンとを、若しくは有
機アルミニウム化合物(AL2)と四塩化チタンとを反応
させて得られる固体生成物(II)をハロゲン置換スチレ
ン類で重合処理する方法としては、反応生成物
(I)、若しくは有機アルミニウム化合物(AL2)と四
塩化チタンとの反応の任意の過程でハロゲン置換スチレ
ン類を添加して固体生成物(II)を重合処理する方法、
反応生成物(I)、若しくは有機アルミニウム化合物
(AL2)と四塩化チタンとの反応終了後、ハロゲン置換
スチレン類を添加して固体生成物(II)を重合処理する
方法、および反応生成物(I)、若しくは有機アルミ
ニウム化合物(AL2)と四塩化チタンとの反応終了後、
反応混合物を濾別またはデカンテーションにより液状部
分を分離除去した後、得られた固体生成物(II)を溶媒
に懸濁させ、更に有機アルミニウム化合物、ハロゲン置
換スチレン類を添加し、重合処理する方法がある。
反応生成物(I)、若しくは有機アルミニウム化合物
(AL2)と四塩化チタンとの反応は、反応の任意の過程
でのハロゲン置換スチレン類の添加の有無にかかわら
ず、−10℃〜200℃、好ましくは0℃〜100℃で5分〜10
時間行なう。溶媒は用いない方が好ましいが、脂肪族ま
たは芳香族炭化水素を用いることができる。(I)若し
くは有機アルミニウム化合物(AL2)、四塩化チタン、
および溶媒の混合は任意の順に行えば良く、ハロゲン置
換スチレン類の添加も、どの段階で行っても良い。
(I)若しくは有機アルミニウム化合物(AL2)、四塩
化チタン、および溶媒の全量の混合は5時間以内に終了
するのが好ましく、混合中も反応が行なわれる。全量混
合後、更に5時間以内反応を継続することが好ましい。
反応に用いるそれぞれの使用量は四塩化チタン1モルに
対し、溶媒は0〜3,000ml、反応生成物(I)若しくは
有機アルミニウム化合物(AL2)は、該(I)若しくは
該(AL2)中のAl原子数と四塩化チタン中のTi原子数の
比(Al/Ti)で0.05〜10、好ましくは0.06〜0.3である。
ハロゲン置換スチレン類による重合処理は、反応生成物
(I)若しくは有機アルミニウム化合物(AL2)と四塩
化チタンとの反応の任意の過程でハロゲン置換スチレン
類を添加する場合および反応生成物(I)若しくは有機
アルミニウム化合物(AL2)と四塩化チタンとの反応終
了後、ハロゲン置換スチレン類を添加する場合は、反応
温度0℃〜90℃で1分〜10時間、反応圧力は大気圧〜10
kgf/cm2Gの条件下で、固体生成物(II)100g当り、0.01
g〜100kgのハロゲン置換スチレン類を用いて、最終の固
体生成物(III)、即ち本発明に用いるチタン触媒成分
中のハロゲン置換スチレン類重合体含量が0.01重量%〜
99重量%となる様に重合させる。
ハロゲン置換スチレン類による重合処理を、反応生成物
(I)若しくは有機アルミニウム化合物(AL2)と四塩
化チタンとの反応終了後、濾別またはデカンテーション
により液状部分を分離除去した後、得られた固体生成物
(II)を溶媒に懸濁させてから行なう場合には固体生成
物(II)100gに対し、溶媒100ml〜5,000ml、有機アルミ
ニウム化合物0.5g〜5,000gを加え、反応温度0℃〜90℃
で1分〜10時間、反応圧力は大気圧〜10kgf/cm2Gの条件
下で、固体生成物(II)100g当り、0.01g〜100kgのハロ
ゲン置換スチレン類を用いて、最終の固体生成物(II
I)中のハロゲン置換スチレン類重合体の含量が0.01重
量%〜99重量%となる様に重合させる。溶媒は脂肪族炭
化水素が好ましく、有機アルミニウム化合物は反応生成
物(I)を得る際に用いたもの、若しくは電子供与体
(E2)と反応させることなく直接四塩化チタンとの反応
に用いたものと同じものであっても、異なったものでも
良い。反応終了後は、濾別またはデカンテーションによ
り液状部分を分離除去した後、更に溶媒で洗浄を繰り返
した後、得られた重合処理を施した固体生成物(以下固
体生成物(II−A)と言うことがある)を溶媒に懸濁状
態のまま次の工程に使用しても良く、更に乾燥して固形
物として取り出して使用しても良い。
固体生成物(II−A)は、ついでこれに電子供与体
(E3)と電子受容体(F)とを反応させる。この反応は
溶媒を用いないでも行なうことができるが、脂肪族炭化
水素を用いる方が好ましい結果が得られる。使用する量
は固体生成物(II−A)100gに対して、(E3)0.1g〜
1、000g、好ましくは0.5g〜200g、(F)0.1g〜1,000
g、好ましくは0.2g〜500g、溶媒0〜3,000ml、好ましく
は100〜1,000mlである。反応方法としては、固体生成
物(II−A)に電子供与体(E3)および電子受容体
(F)を同時に反応させる方法、(II−A)に(F)
を反応させた後、(E3)を反応させる方法、(II−
A)に(E3)を反応させた後、(F)を反応させる方
法、(E3)と(F)を反応させた後、(II−A)を反
応させる方法があるがいずれの方法でも良い。
反応条件は、上述の、の方法においては、40℃〜20
0℃、好ましくは50℃〜100℃で30秒〜5時間反応させる
ことが望ましく、の方法においては(II−A)と
(E3)の反応を0℃〜50℃で1分〜3時間反応させた
後、(F)とは前記、と同様な条件下で反応させ
る。またの方法においては(E3)と(F)を10℃〜10
0℃で30分〜2時間反応させた後、40℃以下に冷却し(I
I−A)を添加した後、前記、と同様な条件下で反
応させる。固体生成物(II−A)、(E3)および(F)
の反応終了後は濾別またはデカンテーションにより液状
部分を分離除去した後、更に溶媒で洗浄を繰り返し、固
体生成物(III)、即ち本発明に用いるハロゲン置換ス
チレン類重合体を含有したチタン触媒成分が得られる。
該チタン触媒成分の製造に用いられる有機アルミニウム
化合物(AL2)は、既述の(i)、(1)および(2)
の方法において例示した(AL1)と同様なものが用いら
れる。また電子供与体(E2)(E3)として使用可能なも
のも既述の(E1)と同様なものが例示できるが、
(E2)、(E3)としてはエーテル類を主体に用い、他の
電子供与体はエーテル類と共用するのが好ましい。これ
らの電子供与体は混合して使用することもできる。反応
生成物(I)を得るための電子供与体(E2)、固体生成
物(II−A)に反応させる(E3)のそれぞれは同じであ
っても異なっていてもよい。
固体生成物(II−A)に反応させる電子受容体(F)
は、周期律表III〜VI族の元素のハロゲン化物に代表さ
れる。具体例としては、無水塩化アルミニウム、四塩化
ケイ素、塩化第一スズ、塩化第二スズ、四塩化チタン、
四塩化ジルコニウム、三塩化リン、五塩化リン、四塩化
バナジウム、五塩化アンチモンなどがあげられ、これら
は混合して用いることもできる。最も好ましいのは四塩
化チタンである。
溶媒(D1)としてはつぎのものが用いられる。脂肪族炭
化水素としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘ
プタン、n−オクタン、i−オクタン等が示され、ま
た、脂肪族炭化水素の代りに、またはそれと共に、四塩
化炭素、クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロルエ
チレン、テトラクロルエチレン等のハロゲン化炭化水素
も用いることができる。
芳香族化合物として、ナフタリン等の芳香族炭化水素、
及びその誘導体であるメシチレン、デュレン、エチルベ
ンゼン、イソプロピルベンゼン、2−エチルナフタリ
ン、1−フェニルナフタリン等のアルキル置換体、モノ
クロルベンゼン、クロルトルエン、クロルキシレン、ク
ロルエチルベンゼン、ジクロルベンゼン、ブロムベンゼ
ン等のハロゲン化物等が示される。
また重合処理に用いられるハロゲン置換スチレン類とし
ては記述の(i)、(1)の方法において使用されたも
のと同様なものがあげられる。
以上の様にして得られたチタン触媒成分の他にも、例え
ば、液状化したマグネシウム化合物と析出剤、ハロゲン
化合物、電子供与体(E4)およびチタン化合物(T1)を
接触して得られた固体生成物(IV)を、有機アルミニウ
ム化合物(AL3)の存在下、ハロゲン置換スチレン類で
重合処理し、固体生成物(V)を得、該固体生成物
(V)にハロゲン化チタン化合物(T2)を反応させて得
られる固体生成物(VI)を、チタン触媒成分として用い
ることができる。該チタン触媒成分の製造方法を以下に
示す。
なお、本発明でいうマグネシウム化合物の「液状化」と
は、マグネシウム化合物自体が液体となる場合の他、そ
れ自体が溶媒に可溶であって溶液を形成する場合や、他
の化合物と反応し、若しくは錯体を形成した結果、溶媒
に可溶化して溶液を形成する場合も含む。また、溶液は
完全に溶解した場合の他、コロイド状ないし半溶解状の
物質を含む状態のものであってもさしつかえない。
液状化すべきマグネシウム化合物としては、前述の「液
状化」の状態となりうるものならばどのようなものでも
良く、例えば、マグネシウムジハライド、アルコキシマ
グネシウムハライド、アリーロキシマグネシウムハライ
ド、ジアルコキシマグネシウム、ジアリーロキシマグネ
シウム、マグネシウムオキシハライド、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、マグネシウムのカルボン酸
塩、ジアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハ
ライド等の他、金属マグネシウムも用いることができ
る。
マグネシウム化合物を液状化する方法は公知の手段が用
いられる。例えば、マグネシウム化合物をアルコール、
アルデヒド、アミン、あるいはカルボン酸で液状化する
方法(特開昭56−811号公報等)、オルトチタン酸エス
テルで液状化する方法(特開昭54−40293号公報等)、
リン化合物で液状化する方法(特開昭58−19307号公報
等)等の他、これらを組み合せた方法等があげられる。
また上述の方法を適用することのできない、C−Mg結合
を有する有機マグネシウム化合物については、エーテ
ル、ジオキサン、ピリジン等に可溶であるのでこれらの
溶液として用いるか、有機金属化合物と反応させて、一
般式がMpMgqR4rR5s(Mはアルミニウム、亜鉛、ホウ
素、またはベリリウム原子、R4、R5は炭化水素残基、
p、q、r、s>0、vをMの原子価とするとr+s=
vp+2qの関係にある。)で示される錯化合物を形成させ
(特開昭50−139885号公報等)、炭化水素溶媒に溶解
し、液状化することができる。
更にまた、金属マグネシウムを用いる場合には、アルコ
ールとオルトチタン酸エステルで液状化する方法(特開
昭50−51587号公報等)や、エーテル中でハロゲン化ア
ルキルと反応させ、いわゆるグリニャール試薬を形成す
る方法で液状化することができる。
以上の様なマグネシウム化合物を液状化させる方法の中
で、例えば、塩化マグネシウムをチタン酸エステルおよ
びアルコールを用いて炭化水素溶媒(D2)に溶解させる
場合について述べると、塩化マグネシウム1モルに対し
て、チタン酸エステルを0.1モル〜2モル、アルコール
を0.1モル〜5モル、溶媒(D2)を0.1〜5用いて、
各成分を任意の添加順序で混合し、その懸濁液を撹拌し
ながら40℃〜200℃、好ましくは50℃〜150℃で加熱す
る。該反応および溶解に要する時間は5分〜7時間、好
ましくは10分〜5時間である。チタン酸エステルとして
はTi(OR6で表わされるオルトチタン酸エステル、
およびR7O−Ti(OR8)(OR9)tOR10で表わされる
ポリチタン酸エステルがあげられる。ここでR6、R7
R8、R9およびR10は炭素数1〜20のアルキル基、または
炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、tは2〜20の
数である。
具体的には、オルトチタン酸メチル、オルトチタン酸エ
チル、オルトチタン酸n−プロピル、オルトチタン酸i
−プロピル、オルトチタン酸n−ブチル、オルトチタン
酸i−ブチル、オルトチタン酸n−アミル、オルトチタ
ン酸2−エチルヘキシル、オルトチタン酸n−オクチ
ル、オルトチタン酸フェニルおよびオルトチタン酸シク
ロヘキシルなどのオルトチタン酸エステル、ポリチタン
酸メチル、ポリチタン酸エチル、ポリチタン酸n−プロ
ピル、ポリチタン酸i−プロピル、ポリチタン酸n−ブ
チル、ポリチタン酸i−ブチル、ポリチタン酸n−アミ
ル、ポリチタン酸2−エチルヘキシル、ポリチタン酸n
−オクチル、ポリチタン酸フェニルおよびポリチタン酸
シクロヘキシルなどのポリチタン酸エステルを用いるこ
とができる。ポリチタン酸エステルの使用量は、オルト
チタン酸エステル単位に換算して、オルトチタン酸エス
テル相当量を用いればよい。
アルコールとしては脂肪族飽和および不飽和アルコール
を使用することができる。具体的には、メタノール、エ
タノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−
ブタノール、n−アミルアルコール、i−アミルアルコ
ール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチ
ルヘキサノール、およびアリルアルコールなどの1価ア
ルコールのほかに、エチレングリコール、トリメチレン
グリコールおよびグリセリンなどの多価アルコールも用
いることができる。その中でも炭素数4〜10の脂肪族飽
和アルコールが好ましい。
不活性炭化水素溶媒(D2)としては、前述のチタン触媒
成分を製造する際に用いられた溶媒(D1)と同様なもの
が使用できるが、中でも脂肪族炭化水素が好ましい。
固体生成物(IV)は上記の液状化したマグネシウム化合
物と析出剤(X1)、ハロゲン化合物(X2)、電子供与体
(E4)およびチタン化合物(T1)を接触して得られる。
析出剤(X1)としては、ハロゲン、ハロゲン化炭化水
素、ハロゲン含有ケイ素化合物、ハロゲン含有アルミニ
ウム化合物、ハロゲン含有チタン化合物、ハロゲン含有
ジルコニウム化合物、ハロゲン含有バナジウム化合物の
様なハロゲン化剤があげられる。また、液状化したマグ
ネシウム化合物が前述した有機マグネシウム化合物の場
合には、活性水素を有する化合物、例えば、アルコー
ル、Si−H結合を有するポリシロキサン等を用いること
もできる。これらの析出剤(X1)の使用量はマグネシウ
ム化合物1モルに対して0.1モル〜50モル用いる。ま
た、ハロゲン化合物(X2)としては、ハロゲンおよびハ
ロゲンを含有する化合物があげられ、析出剤の例として
あげられたハロゲン化剤と同様なものが使用可能であ
り、析出剤としてハロゲン化剤を用いた場合には、ハロ
ゲン化合物(X2)の新たな使用を必ずしも必要としな
い。ハロゲン化合物(X2)の使用量はマグネシウム化合
物1モルに対して0.1〜50モル用いる。
電子供与体(E4)としては、既述の(E2)および(E3
と同様なものが用いられ、好ましくは、芳香族モノカル
ボン酸エステル類、芳香族多価カルボン酸エステル類、
アルコキシシラン類、特に好ましくは、芳香族多価カル
ボン酸エステル類が用いられる。これら電子供与体
(E4)は1種類以上が用いられ、その使用量はマグネシ
ウム化合物1モルに対し、0.01モル〜5モルである。
固体生成物(IV)の調製に必要なチタン化合物(T1
は、一般式Ti(OR114-uXu(式中、R11はアルキル基、
シクロアルキル基、またはアリール基を、Xはハロゲン
を表わし、uは0<u≦4の任意の数である。)で表わ
されるハロゲン化チタン化合物や、前述のマグネシウム
化合物の液状化の際にあげられたオルトチタン酸エステ
ルやポリチタン酸エステルが用いられる。
ハロゲン化チタン化合物の具体例としては、四塩化チタ
ン、四臭化チタン、三塩化メトキシチタン、三塩化エト
キシシチタン、三塩化プロポキシチタン、三塩化ブトキ
シチタン、三塩化フェノキシチタン、三臭化エトキシチ
タン、三臭化ブトキシチタン、二塩化ジメトキシチタ
ン、二塩化ジエトキシチタン、二塩化ジプロポキシチタ
ン、二塩化ジブトキシチタン、二塩化ジフェノキシチタ
ン、二臭化ジエトキシチタン、二臭化ジブトキシチタ
ン、塩化トリメトキシチタン、塩化トリエトキシチタ
ン、塩化トリブトキシチタン、塩化トリフェノキシチタ
ン等があげられる。オルトチタン酸エステルおよびポリ
チタン酸エステルとしては既述のものと同様なものがあ
げられる。
これらチタン化合物(T1)は1種以上が用いられるが、
チタン化合物(T1)としてハロゲン化チタン化合物を用
いた場合は、ハロゲンを有しているので析出剤(X1)お
よびハロゲン化合物(X2)の使用については任意であ
る。また、マグネシウム化合物の液状化の際にチタン酸
エステルを使用した場合にも、チタン化合物(T1)の新
たな使用は任意である。チタン化合物(T1)の使用量は
マグネシウム化合物1モルに対し、0.1モル〜100モルで
ある。
以上の液状化したマグネシウム化合物、析出剤(X1)、
ハロゲン化合物(X2)、電子供与体(E4)およびチタン
化合物(T1)を撹拌下に接触して固体生成物(IV)を得
る。接触の際には、不活性炭化水素溶媒(D3)を用いて
も良く、また各成分をあらかじめ希釈して用いても良
い。用いる不活性炭化水素溶媒(D3)としては既述の
(D2)と同様なものが例示できる。使用量は、マグネシ
ウム化合物1モルに対し、0〜5,000mlである。
接触の方法については種々の方法があるが、例えば、
液状化したマグネシウム化合物に(X1)を添加し、固体
を析出させ、該固体に(X2)、(E4)、(T1)を任意の
順に接触させる方法。液状化したマグネシウム化合物
と(E4)を接触させた溶液に(X1)を添加し、固体を析
出させ、該固体に(X2)、(T1)を任意の順に接触させ
る方法。液状化したマグネシウム化合物と(T1)を接
触させた後、(X1)を添加し、更に(E4)、(X2)を任
意の順に接触させる方法等がある。
各成分の使用量については前述の範囲であるが、これら
の成分は一時に使用してもよいし、数段階に分けても使
用しても良い。また既述したように、一つの成分が他の
成分をも特徴づける原子若しくは基を有する場合は、他
の成分の新たな使用は必ずしも必要でない。例えば、マ
グネシウム化合物を液状化する際にチタン酸エステルを
使用した場合は(T1)が、析出剤(X1)としてハロゲン
含有チタン化合物を使用した場合は(X2)および(T1
が、析出剤(X1)としてハロゲン化剤を使用した場合は
(X2)がそれぞれ任意の使用成分となる。
各成分の接触温度は、−40℃〜+180℃、好ましくは−2
0℃〜+150℃であり、接触時間は反応圧力が大気圧〜10
kg/cm2Gで1段階ごとに5分〜8時間、好ましくは10分
〜6時間である。
以上の接触反応において固体生成物(IV)が得られる。
該固体生成物(IV)は引続いて次段階の反応をさせても
よいが、既述の不活性炭化水素溶媒により洗浄すること
が好ましい。
次に、前述の方法で得られた固体生成物(IV)を、有機
アルミニウム化合物(AL3)の存在下、ハロゲン置換ス
チレン類で重合処理し、固体生成物(V)を得る。
ハロゲン置換スチレン類による重合処理は、固体生成物
(IV)100gに対し、不活性炭化水素溶媒(D4)100ml〜
5,000ml、有機アルミニウム化合物(AL3)5g〜5,000gを
加え、反応温度0℃〜90℃で1分〜10時間、反応圧力は
大気圧〜10kg/cm2Gの条件下で、ハロゲン置換スチレン
類を0.01g〜100kg添加し、固体生成物(VI)、即ち最終
のチタン触媒成分中のハロゲン置換スチレン類重合体含
量が0.01重量%〜99重量%となる様に重合させる。
また、該重合処理段階において、安息香酸エチル、トル
イル酸メチルおよびアニス酸エチルなどのカルボン酸エ
ステルや、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシランおよびメチルトリエトキシシランなどの
有機ケイ素化合物等に代表される電子供与体を共存させ
ることも可能である。それらの使用量は、固体生成物
(IV)100g当り0〜5,000gである。
重合処理に用いられる有機アルミニウム化合物(A
L3)、溶媒(D4)および、ハロゲン置換スチレン類は、
それぞれ既述の(AL2)、(D2)および、ハロゲン置換
スチレン類と同様なものが用いられる。
以上の様にハロゲン置換スチレン類による重合処理を行
ない、既述の不活性炭化水素溶媒で洗浄されて、固体生
成物(V)が得られる。
続いて、固体生成物(V)にハロゲン化チタン化合物
(T2)を反応させて目的のチタン触媒成分が得られる。
ハロゲン化チタン化合物(T2)としては、既述の固体生
成物(IV)の調製に必要なチタン化合物(T1)の例とし
てあげられた一般式Ti(OR114-uXu(式中、R11はアル
キル基、シクロアルキル基、またはアリール基を、Xは
ハロゲンを表わし、uは0<u≦4の任意の数であ
る。)で表わされるハロゲン化チタン化合物が用いら
れ、具体例としても同様なものが例示できるが、四塩化
チタンが最も好ましい。
固体生成物(V)とハロゲン化チタン化合物(T2)との
反応は、固体生成物(V)中のマグネシウム化合物1モ
ルに対して、ハロゲン化チタン化合物(T2)を1モル以
上使用して、反応温度20℃〜200℃、反応圧力は大気圧
〜10kg/cm2Gの条件下で5分〜6時間、好ましくは10分
〜5時間反応させる。また、該反応時には不活性炭化水
素溶媒(D5)や電子供与体(E5)の存在下において行な
うことも可能であり、具体的には既述の(D1)〜(D4
や(E4)と同様な不活性溶媒や電子供与体が用いられ
る。これらの使用量は固体生成物(V)中100gに対して
(D5)は0〜5,000ml、固体生成物(V)中のマグネシ
ウム化合物1モルに対して(E5)は0〜2モルの範囲が
望ましい。固体生成物(V)とハロゲン化チタン化合物
(T2)および必要に応じて更に電子供与体との反応後は
濾別またはデカンテーション法により固体を分離後不活
性炭化水素溶媒で洗浄し、未反応物あるいは副生物など
を除去し、固体生成物(VI)、即ち本発明に用いるチタ
ン触媒成分を得る。
以上の様にして、製造途中でハロゲン置換スチレン類で
重合処理されて得られたチタン触媒成分は、公知のプロ
ピレン等のα−オレフィン重合用チタン触媒成分と同様
に用いることができる。
即ち、該チタン触媒成分を、有機アルミニウム化合物
(AL4)、および必要に応じて電子供与体(E6)と組み
合せて触媒とするか、更にα−オレフィンを少量重合さ
せて予備活性化した触媒とし、既述した公知のプロピレ
ンの重合方法と同様な重合方法によって、プロピレン、
若しくはプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィン
を重合することによってハロゲン置換スチレン数重合体
を含有するポリプロピレンが得られる。
有機アルミニウム化合物(AL4)および電子供与体
(E6)としては既述の(AL1)および(E1)と同様なも
のが例示でき、使用量も同様である。
また、予備活性化や、プロピレンと共に用いられるα−
オレフィンとしては、プロピレンの他に、エチレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1のような直鎖オ
レフィン類、2−メチルペンテン−1、5−メチルヘキ
セン−1等の枝鎖オレフィン類等があげられる。
かくして得られた(B)ハロゲン置換スチレン類重合
体、若しくはハロゲン置換スチレン類重合体を含有した
ポリプロピレンは、(A)公知のポリプロピレンと混合
されて本発明のポリプロピレン組成物が得られる。
混合割合については、ハロゲン置換スチレン類重合体の
含量が全組成物に対して、0.1重量ppm〜2重量%となる
様に添加する。該ハロゲン置換スチレン類重合体の含量
が0.1重量ppm未満であると、得られた組成物の透明性お
よび結晶性向上の効果が不十分であり、2重量%を超え
ると該効果の向上が顕著でなくなり経済的でない。
本発明の組成物の製造にあたっては、上記(A)および
(B)成分の所定量を混合し、引き続き充分混練すれば
良い。混合装置としてはヘンセルミキサー(商品名)、
スーパーミキサーなどの高速撹拌装置を用いればよく、
また混練装置としては、バンバリミキサー、ロール、コ
ニーダー、単軸若しくは2軸の押出機などを用いれば良
い。混合条件は限定されないが、室温〜100℃、好まし
くは室温〜60℃で1分ないし1時間、好ましくは3分な
いし30分である。また、混練条件も限定されないが、押
出機内の滞留時間として10秒〜5分、好ましくは20秒〜
2分である。混練温度としては180〜300℃、好ましくは
200〜280℃である。
混練後は、冷却・カットしペレット状の組成物として用
いるのが望ましい。
本発明の組成物には必要に応じて通常ポリプロピレンに
添加される各種の添加剤、例えば酸化防止剤、帯電防止
剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、難燃剤、顔料等を適宜
併用することができる。更に本発明の組成物には、本発
明の目的を著しく損なわない範囲において、ポリエチレ
ン、ポリブテン、エチレン−プロピレンラバー等の重合
体および、任意の充填剤を含むことができる。充填剤と
しては、例えばガラス繊維、タルク、マイカ、木粉、合
成繊維等の無機質若しくは有機質のものがあげられる。
かくして得られた本発明のポリプロピレン組成物は、射
出成形、真空成形、押し出し成形、ブロー成形、延伸等
の公知の成形技術によって射出成形品、無延伸フィル
ム、延伸フィルム、シート等の成形品の用に供される。
[作 用] 本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、高立体規則性の
ハロゲン置換スチレン類重合体を分散して含んでいるこ
とにより、溶融成形時には該ハロゲン置換スチレン類重
合体が造核作用を示すことによって、ポリプロピレンの
球晶サイズを小さくし、結晶化を促進する結果、ポリプ
ロピレン組成物全体の透明性および結晶性を高めるもの
である。
また、本発明の方法によって導入されたハロゲン置換ス
チレン類重合体は上述のように、立体規則性高分子量重
合体であることにより、表面にブリードすることがな
い。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を説明する。実施例、比較
例において用いられている用語の定義、および測定方法
は次の通りである。
MFR:メルトフローインデックス ASTM D−1238(L)による。(単位:g/10分) 結晶化温度:示差走査熱量計を用いて、10℃/分の降温
速度で測定した。(単位:℃) 曲げ弾性率:JIS K7203に準拠して曲げ弾性率を測定し
た。(単位:kgf/cm2) 透明性:フィルムを4枚重ねて、JIS K6714に準拠して
ヘイズを測定した。(単位:%) 透視感:東洋精機製作所製、“視覚透明度試験機”を用
いて測定したLS値(狭角拡散透過値)で示した。(単
位:%) なお、ヘイズ値およびLS値は低い方が透明性および透視
感が優れている。
実施例1 (1)ハロゲン置換スチレン類重合体含有ポリプロピレ
ンの製造 チタン触媒成分の調製 n−ヘキサン6、ジエチルアルミニウムモノクロライ
ド(DEAC)5.0モル、ジイソアミルエーテル12.0モルを2
5℃で5分間で混合し、15分間同温度で反応させて反応
生成液(I)(ジイソアミルエーテル/DEACのモル比2.
4)を得た。窒素置換された反応器に四塩化チタン40モ
ルを入れ、35℃に加熱し、これに上記反応生成液(I)
の全量を180分間で滴下した後、同温度に60分間保ち、8
0℃に昇温して更に1時間反応させ、室温まで冷却し上
澄液を除き、n−ヘキサン20を加えデカンテーション
で上澄液を除く操作を4回繰り返して固体生成物(II)
を得た。この(II)全量をn−ヘキサン30中に懸濁さ
せ、ジエチルアルミニウムモノクロライド400gを加え、
40℃で2−メチル−4−フルオロスチレン19kgを添加
し、40℃で2時間重合処理を行った。処理後50℃まで昇
温し、上澄液を除きn−ヘキサン30を加えてデカンテ
ーションで上澄液を除く操作を4回繰り返して、重合処
理を施した固体生成物(II−A)を得た。この固体生成
物の全量をn−ヘキサン9中に懸濁させた状態で、四
塩化チタン3.5kgを室温にて約10分間で加え、80℃にて3
0分間反応させた後、更にジイソアミルエーテル1.6kgを
加え、80℃で1時間反応させた。反応終了後、上澄液を
除く操作を5回繰り返した後、減圧で乾燥させ、固体生
成物(III)を得、本発明に用いるチタン触媒成分とし
た。該チタン触媒成分中の結晶性2−メチル−4−フル
オロスチレン重合体含量は33.3重量%、チタン含量は1
6.8重量%であった。
予備活性化触媒の調整 内容積80の傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素ガ
スで置換した後、n−ヘキサン40、ジエチルアルミニ
ウムモノクロライド28.5g、(1)で得た、チタン触媒
成分340gを室温で加えた後、30℃で2時間かけてエチレ
ンを0.7Nm3供給し、反応させた(チタン触媒成分1g当
り、エチレン2.0g反応)後、未反応エチレンを除去し、
n−ヘキサンで洗浄後、乾燥して予備活性化触媒を得
た。
プロピレンの重合 窒素置換をした内容積80の撹拌機を備えたL/D=3の
横型重合器にMFR2.0のポリプロピレンパウダー20kgを投
入後、上記(2)で得た予備活性化触媒成分にn−ヘキ
サンを添加し、4.0重量%n−ヘキサン懸濁液とした
後、該懸濁液をチタン原子換算で6.45ミリグラム原子/h
r、およびジエチルアルミニウムモノクロライドの3.8g/
hrで同一配管から連続的に供給した。
また重合器の気相中の濃度が1.0容積%を保つ様に水素
を、全圧が23kg/cm2Gを保つ様にプロピレンをそれぞれ
供給して、プロピレンの気相重合を70℃において120時
間連続して行った。重合期間中は、重合器内の重合体の
保有レベルが50容積%となる様に重合体を重合器から連
続的に10kg/hrで抜き出した。抜き出された重合体は続
いてプロピレンオキサイドを0.2容積%含む窒素ガスに
よって、95℃にて15分間接触処理された後、結晶性2−
メチル−4−フルオロスチレン重合体を61重量ppm含ん
だMFR1.8のポリプロピレン(B)として得られた。
(2)ポリプロピレン組成物の製造 内容積50のヘンセルミキサー(商品名)に(1)で得
た結晶性2−メチル−4−フルオスチレン重合体を含有
したポリプロピレン(B)6.0kg、上記(1)において
のチタン触媒成分を製造する際に2−メチル−4−フ
ルオロスチレンで重合処理する工程を省略して得たチタ
ン触媒成分を用いて、後は上記(1)と同様にして得
た、結晶性2−メチル−4−フルオロスチレン重合体を
含有しないMFR1.8の通常のポリプロピレン(A)4.0k
g、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−
ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタン5g、およびカルシウムステアレート5gを投入し、
5分間撹拌混合した。引き続いて、内径40mmの単軸押出
機を用いて溶融混練温度230℃にして押し出し、水冷
後、カットし、ペレット状のポリプロピレン組成物を得
た。
(3)成形品の製造 (2)で得た組成物を射出成形機で溶融樹脂温度230
℃、金型温度50℃でJIS形のテストピースを射出成形し
た。該テストピースについて湿度50%、室温23℃の室温
で72時間放置した後、曲げ弾性率を測定したところ1410
0kgf/cm2であった。また(2)で得た組成物をT−ダイ
式製膜機を用い、溶融樹脂温度250℃で押出し、20℃の
冷却ロールで厚さ1mmのシートを作成した。該シートを1
50℃の熱風で70秒間加熱し、二軸延伸機を用いて、縦横
両方向に7倍ずつ延伸し、厚み20μの二軸延伸フィルム
を得た。
比較例1 実施例1の(2)において、結晶性2−メチル−4−フ
ルロオスチレン重合体を含有するポリプロピレン(B)
を用いずに、2−メチル−4−フルロオスチレンで重合
処理されていないチタン触媒成分を用いて得られた通常
のポリプロピレン(A)10kgを用いる以外は同様にして
組成物を得た。得られた組成物について実施例1の
(3)と同様にして成形品の製造を行った。
比較例2および実施例2,3 実施例1の(2)において、結晶性2−メチル−4−フ
ルオロスチレン重合体を含有するポリプロピレン(B)
と通常のポリプロピレン(A)の混合割合を変化させ
て、結晶性2−メチル−4−フルオロスチレン重合体含
量を後述の表のようにすること以外は同様にして組成物
を得、後は実施例1の(3)と同様にして成形品を得
た。
実施例4 (1)撹拌機付きステンレス製反応器中において、デ
カン3、無水塩化マグネシウム480g、オルトチタン酸
n−ブチル1.7kgおよび2−エチル−1−ヘキサノール
1.95kgを混合し、撹拌しながら130℃に1時間加熱して
溶解させ均一な溶液とした。該均一溶液を70℃とし、撹
拌しながらフタル酸ジイソブチル180gを加え1時間経過
後四塩化ケイ素5.2kgを2.5時間かけて滴下し固体を析出
させ、更に70℃に1時間加熱した。固体を溶液から分離
し、ヘキサンで洗浄して固体生成物(IV)を得た。
該固体生成物(IV)全量を30℃に保持したトリエチルア
ルミニウム450gおよびジフェニルジメトキシシラン145g
を含むヘキサン10に懸濁させた後、2−メチル−4−
フルオロスチレン4.8kgを添加し、撹拌しながら同温度
において2時間重合処理を行った。処理後、上澄液を除
きn−ヘキサン6を加えてデカンテーションで上澄液
を除く操作を4回繰り返して、重合処理を施した固体生
成物(V)を得た。
該固体生成物(V)全量を1,2−ジクロルエタン5に
溶かした四塩化チタン5と混合し、続いて、フタル酸
ジイソブチル180gを加え、撹拌しながら100℃に2時間
反応させた後、同温度においてデカンテーションにより
液相部を除き、再び、1,2−ジクロルエタン5および
四塩化チタン5を加え、100℃に2時間撹拌し、ヘキ
サンで洗浄し乾燥して固体生成物(VI)を得、本発明に
用いるチタン触媒成分とした。該チタン触媒成分は、そ
の粒子形状が球形に近く、チタン1.76重量%および結晶
性2−メチル−4−フルオロスチレン重合体41.2重量%
を含有していた。
内容積30の傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素
ガスで置換した後、n−ヘキサン20、トリエチルアル
ミニウム1.5kg、ジフェニルジメトキシシラン480gおよ
びで得たチタン触媒成分170gを室温で加えた。反応器
を30℃に保持、同温度において2時間かけてエチレンを
160N供給し、反応させた(チタン触媒成分1g当り、エ
チレン1.0g反応)後、未反応エチレンを除去し、予備活
性化触媒を得た。
実施例1の(1)ので使用した重合器にMFR2.0のポ
リプロピレンパウダー20kgを投入後、上記予備活性化触
媒スラリー(チタン触媒成分の他に、トリエチルアルミ
ニウムおよびジフェニルジメトキシシランを含む)をチ
タン原子換算で0.286ミリグラム原子/hrで連続的に供給
した。また気相中の濃度が0.15容積%を保つ様に水素
を、全圧が23kg/cm2Gを保つ様にプロピレンをそれぞれ
供給して、プロピレンの気相重合を70℃において120時
間連続して行った。重合期間中は、重合器内の重合体の
保有レベルが60容積%となる様に重合体を重合器から連
続的に10kg/hrで抜き出した。抜き出された重合体は続
いて実施例1の(1)のと同様な処理がなされ、結晶
性2−メチル−4−フルオロスチレン重合体を32重量pp
m含有したMFR1.8のポリプロピレン(B)として得られ
た。
(2)実施例1の(2)において、ポリプロピレン
(B)として、上記(1)で得られた結晶性2−メチル
−4−フルオロスチレン重合体を含有したポリプロピレ
ン(B)5.0kg、また通常のポリプロピレン(A)とし
て、上記(1)のにおいて2−メチル−4−フルオロ
スチレンで重合処理する工程を省略すること以外は同様
にして得たチタン触媒成分を用いて、後は(1)と同様
にして得た結晶性2−メチル−4−フルオロスチレン重
合体を含有しないポリプロピレン5.0kgを用いること以
外は同様にしてポリプロピレン組成物を得た。
(3)実施例1の(3)においてポリプロピレン組成物
として、上記(2)で得たポリプロピレン組成物を用い
ること以外は同様にして成形品を得た。
比較例3 実施例4の(2)において、結晶性2−メチル−4−フ
ルオロスチレン重合体を含有するポリプロピレン(B)
を用いずに、2−メチル−4−フルオロスチレンで重合
処理されていないチタン触媒成分を用いて得られた通常
のポリプロピレン(A)10kgを用いる以外は同様にして
組成物を得た。得られた組成物について実施例4の
(3)と同様にして成形品の製造を行った。
実施例5 (1)n−ヘプタン4、ジエチルアルミニウムモノ
クロライド5.0モル、ジイソアミルエーテル9.0モル、ジ
n−ブチルエーテル5.0モルを18℃で30分間反応させて
得た反応液を、四塩化チタン27.5モル中に40℃で300分
間かかって滴下した後、同温度に1.5時間保ち反応さた
後、65℃に昇温し、1時間反応させ、上澄液を除き、n
−ヘキサン20を加えデカンテーションで除く操作を6
回繰り返し、得られた固体生成物(II)1.8kgをn−ヘ
キサン7中に懸濁させ、四塩化チタン1.8kg、n−ブ
チルエーテル1.8kgを加え、60℃で3時間反応させた。
反応終了後、上澄液をデカンテーションで除いた後、20
のn−ヘキサンを加えて5分間撹拌し、静置して上澄
液を除く操作を3回繰り返した後、減圧で乾燥させチタ
ン触媒成分を得た。
内容積80の傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素
ガスで置換した後、n−ヘキサン40、ジエチルアルミ
ニウムモノクロライド200g、で得たチタン触媒成分45
0gを室温で加えた後、反応器内の温度を40℃にし、2−
メチル−4−フルオロスチレン4.1kgを加え、40℃で2
時間反応させた(チタン触媒成分1g当り、2−メチル−
4−フルオロスチレン0.5g反応)。反応終了後は、未反
応2−メチル−4−フルオロスチレンや溶媒等を濾別し
て除いた後、n−ヘキサンで洗浄し、乾燥して予備活性
化触媒を粉粒体で得た。
内容積500の撹拌器付き、ステンレス製反応器を窒
素ガスで置換した後、室温下にn−ヘキサン200、ジ
エチルアルミニウムモノクロライド96g、で得た予備
活性化触媒成分をチタン触媒成分として15g、および水
素を100Nを加えた。続いて重合温度を70℃で、プロピ
レン分圧10kg/cm2Gとなるようにプロピレンを、また重
合器の気相中の濃度が0.2容積%を例つようにエチレン
を供給してプロピレン−エチレン共重合を2時間30分行
った。
反応終了後、メタノール1.0kgを入れ、触媒失活反応を7
0℃で30分間行った後、室温迄冷却し、得られた重合体
を乾燥した。乾燥された重合体中には塊状のものが含ま
れていたので粉砕機にかけて、重合体全量を粉末化し、
結晶性2−メチル−4−フルオロスチレン重合体を120
重量ppm含有したMFR1.8のプロピレン−エチレン共重合
体を得た。
(2)実施例1の(2)においてポリプロピレン(B)
として、上記(1)で得られた結晶性2−メチル−4−
フルオロスチレン重合体を含有したプロピレン−エチレ
ン共重合体を3.0kg、また通常のポリプロピレン(A)
として、上記(1)のの2−メチル−4−フメオロス
チレンによる予備活性化反応を実施しないで、で得た
チタン触媒成分を予備活性化触媒成分相当物として用い
て、後は(1)と同様にして得た結晶性2−メチル−4
−フルオロスチレン重合体を含有しないMFR1.9のプロピ
レン−エチレン共重合体7.0kgを用いること以外は同様
にして、ポリプロピレン組成物を得た。
(3)実施例1の(3)において、ポリロピレン組成物
として上記(2)で得たポリプロピレン組成物を用いる
こと以外は同様にして成形品を得た。
比較例4 実施例5の(2)において、結晶性2−メチル−4−フ
ルオロスチレン重合体を含有するプロピレン−エチレン
共重合体を用いずに2−メチル−4−フルオロスチレン
による予備活性化反応を実施しないチタン触媒成分を用
いて得られた結晶性2−メチル−4−フルオロスチレン
重合体を含有しないプロピレン−エチレン共重合体10kg
を用いること以外は同様にして組成物を得た。得られた
組成物について実施例5の(3)と同様にして成形品を
得た。
実施例6 (1)ハロゲン置換スチレン類重合体の製造 内容積100の傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素
ガスで置換した後、n−ヘキサン40、ジエチルアルミ
ニウムモノクロライド320g、実施例1の(1)のにお
いて2−メチル−4−フルオロスチレンで重合処理する
工程を省略すること以外は同様にして得たチタン触媒成
分500gを室温で加えた後、更にo−フルオロスチレン10
kgを添加した。続いて反応器内の温度を50℃にし、同温
度にて2時間重合させた。重合終了後はメタノール10kg
を加えた後、60℃にて1時間処理した。引き続いて溶媒
等を濾別して除いた後、重合体を乾燥した。乾燥した重
合体を次に振動ミル中で5時間粉砕して粉末状の結晶性
o−フルオロスチレン重合体を得た。
(2)ポリプロピレン組成物の製造 (1)で得られた結晶性o−フルオロスチレン重合体1.
0gをシクロヘキセン1に溶解させ、該溶液を比較例1
で使用したものと同じMFR1.8の通常のポリプロピレン粉
末10kgと均一に混合した。続いて90℃にて減圧乾燥して
シクロヘキセンを除いた後、実施例1の(2)と同様に
安定剤を加えて混合、溶融混練して組成物を得た。
(3)成形品の製造 (2)で得られたポリプロピレン組成物を用いて実施例
1の(3)と同様にして成形品の製造を行った。
実施例7 (1)n−ヘキサン12に、別途実施例6の(1)と同
様にして、o−フルオロスチレンの代わりにp−フルオ
ロスチレンを用いて重合して得られた結晶性p−フルオ
ロスチレン重合体粉末2.2kgを懸濁させた。続いて四塩
化チタン27.0モルを加え、1℃に冷却した後、更にジエ
チルアルミニウムモノクロライド27.0モルを含むn−ヘ
キサン12.5を1℃にて4時間かけて滴下した。滴下終
了後15分間同温度に保ち反応させ、続いて1時間かけて
65℃に昇温し、更に同温度にて1時間反応させた。次に
上澄液を除き、n−ヘキサン10を加え、デカンテーシ
ョンで除く操作を5回繰り返し、得られた固体生成物
(II)7.9kgのうち、2.5kgをn−ヘキサン11中に懸濁
し、これにジイソアミルエーテル1.6を添加した。こ
の懸濁液を35℃で1時間撹拌後、n−ヘキサン3で5
回洗浄して処理固体を得た。
得られた処理固体を四塩化チタン40容積%のn−ヘキサ
ン溶液6中に懸濁した。この懸濁液を65℃に昇温し、
同温度で2時間反応させた。反応終了後、1回にn−ヘ
キサン20を使用し、3回得られた固体を洗浄した後、
減圧で乾燥させてチタン触媒成分を得た。該チタン触媒
成分を用いて、後は実施例1の,と同様にして結晶
性p−フルオロスチレン重合体を67重量ppm含有したMFR
1.6のポリプロピレン(B)を得た。
(2)実施例1の(2)において、ハロゲン置換スチレ
ン類重合体を含有するポリプロピレン(B)として上記
(1)で得たポリプロピレン6.0kgを用いること以外は
同様にしてポリプロピレン組成物を得た。
(3)上記(2)で得たポリプロピレン組成物を用い
て、実施例1の(3)と同様に成形品の製造を行った。
[発明の効果] 本発明の組成物および該組成物を用いて製造された成形
品は透明性および結晶性について著しく優れている。
前述した実施例で明らかなように、本発明の組成物を用
いて得られた延伸フィルムの4枚ヘイズ値は、3.1%〜
4.4%であり、ハロゲン置換スチレン類重合体を含有し
ていない通常のポリプロピレンを用いた延伸フィルムに
比較して著しく高い透明性を有する。
また、透明性と共に結晶性も向上しており、ポリプロピ
レン組成物の結晶化温度の上昇および射出成形試験片の
曲げ弾性率の向上が見られる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレンに次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1はアルキル基を示す。)で
    示される繰り返し単位からなるハロゲン置換スチレン類
    の結晶性重合体を0.1重量ppm〜2重量%含有せしめて全
    量を100重量%としてなるポリプロピレン組成物。
  2. 【請求項2】(A)ポリプロピレンと、 (B)チタン触媒成分、 有機アルミニウム化合物(AL1)、および必要に応じ
    て 電子供与体(E1) からなる触媒を用いて、次式 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
    示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類を重合させ
    て得られた、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1はアルキル基を示す。)で
    示される繰り返し単位からなるハロゲン置換スチレン類
    の結晶性重合体、とを混合することにより、ハロゲン置
    換スチレン類の結晶性重合体を組成物中に0.1重量ppm〜
    2重量%含有せしめることを特徴とするポリプロピレン
    組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】(A)ポリプロピレンと、 (B)チタン触媒成分、 有機アルミニウム化合物(AL1)、および必要に応じ
    て 電子供与体(E1) からなる触媒を用いて、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1はアルキル基を示す。)で
    示されるハロゲン置換スチレン類を重合し、引き続いて
    プロピレン、若しくはプロピレンとプロピレン以外のα
    −オレフィンを多段に重合して得られたポリプロピレン
    とハロゲン置換スチレン類の結晶性重合体の混合物とを
    混合することにより、ハロゲン置換スチレン類の結晶性
    重合体を組成物中に0.1重量ppm〜2重量%含有せしめる
    ことを特徴とするポリプロピレン組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】(A)ポリプロピレンと (B)次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1はアルキル基を示す。)で
    示される繰り返し単位からなるハロゲン置換スチレン類
    の結晶性重合体を含有したチタン触媒成分、 有機アルミニウム化合物(AL1)、および必要に応じ
    て 電子供与体(E1) からなる触媒を用いて、プロピレン、若しくはプロピレ
    ンとプロピレン以外のα−オレフィンを重合して得られ
    たポリプロピレン、 とを混合することにより、ハロゲン置換スチレン類の結
    晶性重合体を組成物中に0.1重量ppm〜2重量%含有せし
    めることを特徴とするポリプロピレン組成物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】ハロゲン置換スチレン類の結晶性重合体を
    含有したチタン触媒成分として、該チタン触媒成分の製
    造途中で別途、チーグラー・ナッタ触媒を用いて、次
    式、 (式中、Xはハロゲンを、R1はアルキル基を示す。)で
    示されるハロゲン置換スチレン類を重合して得られた、
    次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1はアルキル基を示す。)で
    示される繰り返し単位からなるハロゲン置換スチレン類
    の結晶性重合体をチタン触媒成分に添加して得られたチ
    タン触媒成分を用いる特許請求の範囲第4項に記載の製
    造方法。
  6. 【請求項6】ハロゲン置換スチレン類の結晶性重合体を
    含有したチタン触媒成分として、 該チタン触媒成分の製造途中で、重合条件下、次式、 (式中、Xはハロゲンを、R1はアルキル基を示す。)で
    示されるハロゲン置換スチレン類を重合する工程を実施
    し、該重合工程を経た固体生成物(II)に対し、更に電
    子供与体(E3)と電子受容体とを反応させて得られる最
    終の固体生成物(III)、若しくは 液状化したマグネシウム化合物と析出剤、ハロゲン化
    合物、電子供与体(E4)およびチタン化合物(T1)を接
    触して得られた固体生成物(IV)を、有機アルミニウム
    化合物(AL3)の存在下、次式 (式中、Xはハロゲンを、R1は水素またはアルキル基を
    示す。)で示されるハロゲン置換スチレン類を重合する
    工程を実施し、固体生成物(V)を得、該固体生成物
    (V)にハロゲン化チタン化合物(T2)を反応させて得
    られる固体生成物(VI)を用いる特許請求の範囲第4項
    に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項に記載のポリプロピ
    レン組成物を用いてなる成形品。
  8. 【請求項8】成形品が射出成形品である特許請求の範囲
    第7項に記載の成形品。
  9. 【請求項9】成形品が延伸フィルムである特許請求の範
    囲第7項に記載の成形品。
  10. 【請求項10】成形品がシートである特許請求の範囲第
    7項に記載の成形品。
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