JP2700481B2 - ポリプロピレンを製造する方法 - Google Patents

ポリプロピレンを製造する方法

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JP2700481B2 JP25657788A JP25657788A JP2700481B2 JP 2700481 B2 JP2700481 B2 JP 2700481B2 JP 25657788 A JP25657788 A JP 25657788A JP 25657788 A JP25657788 A JP 25657788A JP 2700481 B2 JP2700481 B2 JP 2700481B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリプロピレンの製造方法に関し、更に詳
しくは、特定の予備活性化触媒を用いて、高結晶性で透
明性の良好なポリプロピレンを製造する方法に関する。
[従来の技術とその課題] ポリプロピレンは他のプラスチックと比較して、軽量
性、成形性、機械的強度、化学的安定性等に優れ、また
経済性においても優位なことから、フィルム、シートを
はじめとする各種成形品の製造に広く用いられている。
しかしながら、ポリプロピレンは半透明であり、用途
分野においては商品価値を損なう場合があり、透明性の
向上が望まれていた。
この為、ポリプロピレンの透明性を改良する試みがな
されており、たとえば、芳香族カルボン酸のアルミニウ
ム塩(特公昭40−1652号公報等)や、ペンジリデンソル
ビトール誘導体(特開昭51−22740号公報等)等の造核
剤をポリプロピレンに添加する方法があるが、芳香族カ
ルボン酸のアルミニウム塩を使用した場合には、分散性
が不良なうえに、透明性の改良効果が不十分であり、ま
た、ベンジリデンソルビトール誘導体を使用した場合に
は、透明性においては一定の改良が見られるものの、加
工時に臭気が強いことや、添加物のブリード現象(浮き
出し)が生じる等の課題を有していた。
本発明者らは、透明性の改良されたポリプロピレンの
製造方法について鋭意検討した結果、チタン含有固体触
媒成分と、有機アルミニウム化合物、および必要に応じ
て電子供与体からなる触媒を使用して、特定の単量体を
少量重合させて得られる予備活性化した触媒を用いてプ
ロピレン、若しくはプロピレンとプロピレン以外のα−
オレフィンを重合させて得られたポリプロピレンが透明
性のみならず、結晶性も著しく向上することを見出し、
本発明に至った。
本発明は、透明性の著しく高いポリプロピレンの製造
方法を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は以下の構成を有する。
(1)少なくとも四塩化チタン、有機アルミニウム化
合物および電子供与体の反応生成物からなる組成物であ
って、四塩化チタンは、三塩化チタンに還元されてお
り、かつ、マグネシウムを含まない三塩化チタン組成物
若しくはチタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電子供
与体(B2)を必須成分とする3価および4価のチタンの
混合物または3価もしくは4価のチタンであるチタン含
有担持型固体触媒成分から選ばれた一以上のチタン含有
固体触媒成分と ジエチルアルミニウムモノクロライド若しくは
トリエチルアルミニウムから選ばれた一以上の有機アル
ミニウム化合物(A1)、および、 電子供与体(B1) とを組み合わせ、このものに、アリルトルエンおよび/
またはアリルスチレンを該チタン含有固体触媒成分1g当
り、0.001g〜100g重合反応させてなる予備活性化した触
媒を用いてプロピレン、若しくはプロピレンとプロピレ
ン以外のα−オレフィンを 200〜200℃の重合温度、 0kg/cm2G〜50kg/cm2Gの重合圧力で、 スラリー重合、バルク重合若しくは気相重合法 により重合させることを特徴とするポリプロピレンを
製造する方法。
(2)アリルトルエンおよび/またはアリルスチレンと
して、o−アリルトルエン、p−アリルトルエン、2−
アリル−p−キシレン、4−アリル−o−キシレン、お
よび5−アリル−m−キシレンから選択される1種以上
の単量体を用いる前記第1項に記載の方法。
本発明に用いるチタン含有固体触媒成分は、立体規則
性ポリプロピレン製造用チタン含有固体触媒成分であれ
ば公知のどの様なものでも使用可能であるが、工業生産
上、好適には、特公昭59−28573号公報、特開昭58−171
04号公報等に記載の方法で得られる三塩化チタンを主成
分とするチタン含有固体触媒成分や、特開昭62−104810
号公報、特開昭62−104811号公報、特開昭62−104812号
公報等に記載のマグネシウム化合物に四塩化チタンを担
持した、チタン、マグネシウム、ハロゲン、および電子
供与体を必須成分とするチタン含有固体触媒成分が用い
られる。
また、有機アルミニウム化合物(A1)としては、一般
式がA1R1 m′R2 mX3−(m+m′)(式中、R1、R2はア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基で示される炭
化水素基またはアルコキシ基を、Xはハロゲンを表わ
し、またm、m′は0<m+m′≦3の任意の数を表わ
す。)で表わされる有機アルミニウム化合物が用いられ
る。
具体例としては、トリエチルアルミニウム等のトリア
ルキルアルミニウム類、ジエチルアルミニウムモノクロ
ライド等のジアルキルアルミニウムモノハライド類など
が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物は2種
類以上を混合して用いることもできる。
更に必要に応じて用いる電子供与体(B1)としては、
通常のプロピレン重合の際に、立体規則性向上の目的で
使用される公知の電子供与体が用いられる。
電子供与体として用いられるものは、酸素、窒素、硫
黄、燐のいずれかの原子を有する有機化合物、すなわ
ち、エーテル類、アルコール類、エステル類、アルデヒ
ド類、脂肪酸類、ケトン類、ニトリル類、アミン類、ア
ミド類、尿素またはチオ尿素類、イソシアネート類、ア
ゾ化合物、ホスフィン類、ホスァイト類、ホスフィナイ
ト類、硫化水素又はチオエーテル類、チオアルコール
類、シラノール類やSi−O−C結合を有する有機ケイ素
化合物などである。
具体例としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテ
ル、ジ−i−アミルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテ
ル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジ−i−ヘキシルエー
テル、ジ−n−オクチルエーテル、ジ−i−オクチルエ
ーテル、ジ−n−ドデシルエーテル、ジフェニルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等
のエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタ
ノール、2−エチルヘキサノール、アリルアルコール、
ベンジルアルコール、エチレングリコール、グリセリン
等のアルコール類、フェノール、クレゾール、キシレノ
ール、エチルフェノール、ナフトール等のフェノール
類、メタクリル酸メチル、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸n−プロピ
ル、酢酸i−プロピル、ギ酸ブチル、酢酸アミル、酢酸
n−ブチル、酢酸オクチル、酢酸フェニル、プロピオン
酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸
プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香
酸2−エチルヘキシル、トルイル酸メチル、トルイル酸
エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、アニス酸プ
ロピル、アニス酸フェニル、ケイ皮酸エチル、ナフトエ
酸メチル、ナフトエ酸エチル、ナフトエ酸プロピル、ナ
フトエ酸ブチル、ナフトエ酸2−エチルヘキシル、フェ
ニル酢酸エチル等のモノカルボン酸エステル類、コハク
酸ジエチル、メチルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸
ジエチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエ
チル等の脂肪族多価カルボン酸エステル、フタル酸モノ
メチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル
酸ジ−n−プロピル、フタル酸モノ−n−ブチル、フタ
ル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−i−ブチル、フタル
酸ジ−n−ヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、イソフタル酸ジエチ
ル、イソフタル酸ジプロピル、イソフタル酸ジブチル、
イソフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、テレフタル酸ジ
エチル、テレフタル酸ジプロピル、テレフタル酸ジブチ
ル、ナフタレンジカルボン酸ジ−i−ブチル等の芳香族
多価カルボン酸エステル類、アセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、修酸、コハク酸、ア
クリル酸、マレイン酸、吉草酸、安息香酸等のカルボン
酸類、無水安息香酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロ
フタル酸等の酸無水物、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ベンゾフェノン等のケト
ン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類、メチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミ
ン、トリエタノールアミン、β(N,N−ジメチルアミ
ノ)エタノール、ピリジン、キノリン、α−ピコリン、
2,4,6−トリメチルピリジン、2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、
ジメチルアニリン等のアミン類、ホルムアミド、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド、N,N,N′,N′,N″−ペンタメ
チル−N′−β−ジメチルアミノメチルリン酸トリアミ
ド、オクタメチルピロホスホルアミド等のアミド類、N,
N,N′,N′−テトラメチル尿素等の尿素類、フェニルイ
ソシアネート、トルイルイソシアネート等のイソシアネ
ート類、アゾベンゼン等のアゾ化合物、エチルホスフィ
ン、トリエチルホスフィン、トリn−オクチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン
オキシド等のホスフィン類、ジメチルホスファイト、ジ
n−オクチルホスファイト、トリエチルホスファイト、
トリn−ブチルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト等のホスファイト類、エチルジエチルホスフィナイ
ト、エチルジブチルホスフィナイト、フェニルジフェニ
ルホスフィナイト等のホスフィナイト類、ジエチルチオ
エーテル、ジフェニルチオエーテル、メチルフェニルチ
オエーテル等のチオエーテル類、エチルチオアルコー
ル、n−プロピルチオアルコール、チオフェノール等の
チオアルコール類やチオフェノール類、トリメチルシラ
ノール、トリエチルシラノール、トリフェニルシラノー
ル等のシラノール類、トリメチルメトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、エチルトリi−プロポキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン等のSi−O−C結合
を有する有機ケイ素化合物等があげられる。
上述した、チタン含有固体触媒成分と、有機アル
ミニウム化合物(A1)、および必要に応じて電子供与
体(B1)とを組み合わせ、このものに、アリルトルエン
および/またはアリルスチレン(以後、特定のアリル単
量体ということがある。)を該チタン含有固体触媒成分
1g当り、0.001g〜100g重合反応させて予備活性化し、本
発明に使用する予備活性化触媒とする。
予備活性化は、チタン含有固体触媒成分1gに対し、有
機アルミニウム化合物(A1)0.005g〜500g、電子供与体
(B1)0〜500g、溶媒0〜50L、水素0〜1000ml、およ
び特定のアリル単量体を0.001g〜5000gを用いる。
予備活性化は0℃〜100℃の温度下、大気圧〜50kg/cm
2Gの圧下で、1分〜20時間かけてチタン含有固体触媒成
分1g当り、0.001g〜100gの特定のアリル単量体を重合さ
せる。チタン含有固体触媒成分1g当りの重合反応量が0.
001g未満では、得られたポリプロピレンの透明性と結晶
性の向上効果が不十分であり、また100gを越えると効果
の向上が顕著でなくなり、経済的に不利となる。
予備活性化は、プロパン、ブタン、n−ペンタン、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭
化水素溶媒中で行うこともでき、また予備活性化の際に
水素を共存させても良い。
予備活性化反応が終了した後は、該予備活性化触媒ス
ラリーをそのままプロピレンの重合に用いることもでき
る。また、共存する溶媒、未反応の特定のアリル単量
体、有機アルミニウム化合物(A1)、および電子供与体
(B1)を濾別して除き、粉粒体とし、このものに更に有
機アルミニウム化合物(A2)、および電子供与体(B2
を組み合わせて、プロピレンの重合に供することや、共
存する溶媒、および未反応の特定のアリル単量体を蒸発
させて除き、粉粒体としてなる予備活性化した触媒、若
しくは該粉粒体に更に有機アルミニウム化合物(A3)、
および電子供与体(B3)を組み合わせてプロピレンの重
合に用いることも可能である。
本発明の予備活性化に用いるアリルトルエンおよび/
またはアリルスチレンは、o−アリルトルエン、2−ア
リル−p−キシレン、4−アリル−o−キシレン、およ
び5−アリル−m−キシレンから選択される1種以上の
特定のアリル単量体である。
また、プロピレンの重合若しくは共重合の際に、必要
に応じて使用される有機アルミニウム化合物(A2)およ
び(A3)と電子供与体(B2)および(B3)は、それぞれ
予備活性化反応の際に用いた有機アルミニウム化合物
(A1)、電子供与体(B1)と同様なものが例示でき、同
種または異種のものが1種類以上用いられる。また、使
用量も予備活性化反応の際と同様の範囲である。かくし
て得られた予備活性化触媒は、プロピレンの単独重合若
しくはプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンと
の共重合に用いるが、溶媒を加えて、スラリー状態で重
合に用いることも可能である。
本発明の方法において、プロピレン、若しくはプロピ
レンとプロピレン以外のα−オレフィンを重合させる重
合形式としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−
ヘプタン、n−オクタン、ベンゼン若しくはトルエン等
の炭化水素溶媒中で行うスラリー重合、液化プロピレ
ン中で行うバルク重合、プロピレンを気相で重合させ
る気相重合、若しくは以上の〜の二以上を段階的
に組み合わせる方法がある。いずれの場合も重合温度
は、室温(20℃)〜200℃、重合圧力は常圧(0kg/cm
2G)〜50kg/cm2Gで、通常5分〜20時間程度実施され
る。
重合の際、分子量制御のための適量の水素を添加する
などは従来の重合方法と同じである。
本発明の方法に於て、プロピレンと共に重合に供せら
れるα−オレフィンは、エチレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1のような直鎖モノオレフィン類、
4−メチルペンテン−1、2−メチル−ペンテン−1、
3−メチル−ブテン−1などの枝鎖モノオレフィン類、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジオレフ
ィン類などであり、本発明の方法ではプロピレンの単独
重合のみならず、プロピレンと他のオレフィンと組み合
わせて、例えばプロピレンとエチレン、プロピレンとブ
テン−1の如く組み合わせるか、プロピレン、エチレ
ン、ブテン−1のように三成分を組み合わせて共重合を
行うことも出来、また、多段重合でプロピレン重合の前
段、若しくは後段において他のα−オレフィンを重合さ
せるブロック共重合を行うこともできる。
[作用] 本発明の方法で得られたポリプロピレンは、高立体規
則性のアリルトルエン重合体および/またはアリルキシ
レン重合体を分散して含んでいることにより、溶媒成形
時には該アリルトルエン重合体および/またはアリルキ
シレン重合体が造核作用を示すことによって、ポリプロ
ピレンの球晶サイズを小さくし、結晶化を促進する結
果、ポリプロピレン全体の透明性および結晶性を高める
ものである。
また、本発明の方法によって導入されたアリルトルエ
ン重合体および/またはアリルキシレン重合体は上述の
ように、立体規則性高分子量重合体であることにより、
表面にブリードすることがない。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を説明する。実施例、比
較例において用いられている用語の定義、および測定方
法は次の通りである。
MAR:メルトフローインデックス ASTM D−1238(L)による。 (単位:g/10分) 内部ヘーズ:表面の影響を除いたフィルム内部のヘーズ
であり、プレス機を用いて温度200℃、圧力200kg/cm2G
の条件下でポリプロピレンを厚さ150μのフィルムと
し、フィルムの両面に流動パラフィンを塗った後、JIS
K 7105に準拠してヘーズを測定した。(単位:%) 結晶化温度:示差走査熱量計を用いて、10℃/分の高温
速度で測定した。 (単位:℃) 曲げ弾性率:ポリプロピレン100重量部に対して、テト
ラキス[メチレン−3−(3′−,3′−5′−ジ−t−
ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタン0.1重量部、およびスタリン酸カルシウム0.1重量
部を混合し、該混合物をスクリュー口径40mmの押出造粒
機を用いて造粒した。ついで該造粒物を射出成形機で溶
融樹脂温度230℃、金型温度50℃でJIS形のテストピース
を作成し、該テストピースについて湿度50%、室温23℃
の室内で72時間放置した後、JIS K 7203に準拠して
曲げ弾性率を測定した。 (単位:kgf/cm2) 実施例1 (1)チタン含有固体触媒成分の調製 n−ヘキサン6、ジエチルアルミニウムモノクロラ
イド(DEAC)5.0モル、ジイソアミルエーテル12.0モル
を25℃で1分間で混合し、5分間同温度で反応させて反
応生成液(I)(ジイソアミルエーテル/DEACのモル比
2.4)を得た。窒素置換された反応器に四塩化チタン40
モルを入れ、35℃に加熱し、これに上記反応生成液
(I)の全量を30分間で滴下した後、同温度に30分間保
ち、75℃に昇温して更に1時間反応させ、室温迄冷却
し、上澄液を除き、n−ヘキサン20を加えてデカンテ
ーションで上澄液を除く操作を4回繰り返して、固体生
成物(II)を得た。
この(II)の全量をn−ヘキサン30中に懸濁させ、
ジエチルアルミニウムモノクロライド200gを加え、30℃
でプロピレン1.0kgを加え1時間反応させ、重合処理を
施した固体性生物(II−A)を得た(プロピレン反応量
600g)。反応液、上澄液を除いた後、n−ヘキサン300m
lを加えてデカンテーションで除く操作を2回繰り返
し、上記の重合処理を施した固体性生物(II−A)2.5k
gをn−ヘキサン6中に懸濁させて、四塩化チタン3.5
kgを室温にて約10分間で加え、80℃に30分間反応させた
後、更に、ジイソアミルエーテル1.6kgを加え、80℃で
1時間反応させた。反応終了後、上澄液をデカンテーシ
ョンで除いた後、40のn−ヘキサンを加え、10分間撹
拌し、静置して上澄液を除く操作を5回繰り返した後、
減圧で乾燥させ、チタン含有固体触媒成分を得た。
(2)予備活性化触媒の調製 内容積80の傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素
ガスで置換した後、n−ヘキサン40、ジエチルアルミ
ニウムモノクロライド200g、(1)で得たチタン含有固
体触媒成分450gを室温で加えた後、反応器内の温度を40
℃にし、4−アリル−o−キシレン4.9kgを加え、40℃
で2時間反応させた(チタン含有固体触媒成分1g当り、
4−アリル−o−キシレン0.6g反応)。
反応終了後は、未反応4−アリル−o−キシレンや溶
媒等を濾別して除いた後、n−ヘキサンで洗浄し、乾燥
して予備活性化触媒を粉粒体で得た。
(3)プロピレンの重合 内容積500の撹拌機付き、ステンレス製反応器を窒
素ガスで置換した後、室温下にn−ヘキサン200、ジ
エチルアルミニウムモノクロライド36g、(2)で得た
予備活性化触媒をチタン含有固体触媒成分として15g、
および水素を100Nl加えた。続いて重合温度70℃、プロ
ピレン分圧10kg/cm2Gで2時間30分プロピレンの重合を
行った。反応終了後、メタノール100gを入れ、触媒失活
反応を70℃で30分間行った後、室温迄冷却し、得られた
ポリマーを乾燥した。乾燥されたポリマー中には塊状の
ものが含まれていたので粉砕機にかけて、ポリマー全量
を粉末化し、MFR1.6のポリプロピレン61kgを得た。
比較例1 実施例1において、(2)の予備活性化反応をせずに
(3)のプロピレンの重合には(1)で得たチタン含有
固体触媒成分10gを用いる以外は同様にしてプロピレン
の重合を行った。
比較例2および実施例2、3 実施例1の(2)において4−アリル−o−キシレン
の使用量を変化させて、チタン含有固体触媒成分1g当り
の重合反応量がそれぞれ0.0001g、0.05g、0.10gの予備
活性化触媒を得た。後は実施例1の(3)と同様にして
プロピレンの重合を行った。
実施例4 (1)チタン含有固体触媒成分の調製 撹拌機付きステンレス製反応器中において、デカン3
、無水塩化マグネシウム480g、オルトチタン酸n−ブ
チル1.7kgおよび2−エチル−1−ヘキサノール1.95kg
を混合し、撹拌しながら130℃に1時間加熱して溶解さ
せ均一な溶液とした。該均一溶液を70℃とし、撹拌しな
がらフタル酸ジイソブチル180gを加え1時間経過後四塩
化ケイ素5.2kgを2.5時間かけて滴下し3固体を析出さ
せ、更に70℃に1時間加熱した。固体を溶液から分離
し、ヘキサンで洗浄して固体性生物(III)を得た。
該固体性生物(III)全量を1,2−ジクロルエタン15
に溶かした四塩化チタン15と混合して、続いて、フタ
ル酸ジイソブチル360g加え、撹拌しながら100℃に2時
間反応させた後、同温度においてデカンテーションによ
り液相部を除き、再び、1,2−ジクロルエタン15およ
び四塩化チタン15を加え、100℃に2時間撹拌し、ヘ
キサンで洗浄し乾燥してチタン含有固体触媒成分を得
た。
(2)予備活性化触媒の調製 内容積30の傾斜羽根付きステンレス製反応器を窒素
ガスで置換した後、n−ヘキサン20、トリエチルアル
ミニウム1.5kg、ジフェニルジメトキシシラン480g、お
よび(1)で得たチタン含有固体触媒成分200gを室温で
加えた後、反応器内の温度を40℃にし、2−アリル−p
−キシレン2.0kgを加え、40℃で2時間反応させた(チ
タン含有固体触媒成分1g当り2−アリル−p−キシレン
0.3g反応)。
反応終了液は、未反応2−アリル−p−キシレンや溶
媒等を濾別して除いた後、n−ヘキサンで洗浄し、乾燥
して予備活性化触媒を得た。
(3)プロピレンの重合 実施例1の(3)で使用した反応器にn−ヘキサン20
0、トリエチルアルミニウム60g、ジフェニルジメトキ
シシラン20g、(2)で得た予備活性化触媒をチタン含
有固体触媒成分として4.0g、および水素を50Nl加えた。
続いて重合温度70℃、プロピレン分圧を7kg/cm2Gで2時
間プロピレンの重合を行った。反応終了後、メタノール
100gを入れ、触媒失活反応を70℃で30時間行った後、室
温迄冷却し、得られたポリマーを乾燥した。乾燥された
ポリマー中には塊状のものが含まれていたので粉砕機に
かけて、ポリマー全量を粉末化し、MFR1.6のポリプロピ
レン46kgを得た。
比較例3 実施例4において、(2)の予備活性化反応をさせる
ことなく、(3)のプロピレン重合時には予備活性化触
媒の代りに(1)で得たチタン含有固体触媒成分3.5gを
用いる以外は同様にしてプロピレンの重合を行った。
実施例5 (1)n−ヘキサン12に四塩化チタン27.0モルを加
え、1℃に冷却した後、更にジエチルアルミニウムモノ
クロライド27.0モルを含むn−ヘキサン12.5を1℃に
て4時間かけて滴下した。滴下終了後15分間同温度に保
ち反応させ、続いて1時間かけて65℃に昇温し、更に同
温度にて1時間反応させた。次に上澄液を除き、n−ヘ
キサン10を加え、デカンテーションで除く操作を5回
繰り返し、得られた固体生成物(II)5.7kgのうち、1.8
kgをn−ヘキサン11中に懸濁し、これにジイソアミル
エーテル1.6を添加した。この懸濁液を35℃で1時間
撹拌後、n−ヘキサン3で5回洗浄して処理固体を得
た。得られた処理固体を四塩化チタン40容積%のn−ヘ
キサン溶液6中に懸濁した。この懸濁液を65℃に昇温
し、同温度で2時間反応させた。反応終了後、1回にn
−ヘキサン20を使用し、3回得られた固体を洗浄した
後、減圧で乾燥させてチタン含有固体触媒成分を得た。
(2)実施例1の(2)においてチタン含有固体触媒成
分として(1)で得られたチタン含有固体触媒成分450g
を、また4−アリル−o−キシレンの代りにo−アリル
トルエン2.3kgを用いる以外は同様にして予備活性化触
媒の調製を行った。
(3)実施例1の(3)において、予備活性化触媒とし
て上記(2)で得られた予備活性化触媒を用いる以外は
同様にしてプロピレンの重合を行った。
比較例4 比較例1において、チタン含有固体触媒成分として実
施例5の(1)で得たチタン含有固体触媒成分10gを用
いる以外は比較例1と同様にしてプロピレンの重合を行
った。
実施例6 (1)チタン含有固体触媒成分の調製 三塩化アルミニウム(無水)4.0kgと水酸化マグネシ
ウム1.2kgを振動ミルで250℃にて3時間粉砕させながら
反応させた所、塩化水素ガスの発生を伴いながら反応が
起こった。加熱終了後、窒素気流中で冷却し、固体生成
物(III)を得た。
撹拌機付きステンレス製反応器中において、精製デカ
ン6、固体生成物(III)1.0kg、オルトチタン酸n−
ブチル3.4kg、2−エチル−1−ヘキサノール3.9kgを混
合し、撹拌しながら130℃に2時間加熱して溶解させ均
一な溶液とした。その溶液を70℃とし、p−トルイル酸
エチル2.0kgを加え1時間反応させた後、フタル酸ジイ
ソブチル0.4kgを加え更に1時間反応後、撹拌しながら
四塩化ケイ素10.4kgを2時間かけて滴下し固体を析出さ
せ、更に70℃、1時間撹拌した。固体を溶液から分離し
精製ヘキサンにより洗浄し固体生成物(IV)を得た。
その固体生成物(IV)全量に1,2−ジクロルエタン10
および四塩化チタン10とともにフタル酸ジイソブチ
ル0.4kgを加え、撹拌しながら100℃に2時間反応させた
後、同温度にてデカンテーションにより液相部を除き、
再び、1,2−ジクロルエタン10、四塩化チタン10、
フタル酸ジイソブチル0.4kgを加え、撹拌しながら100℃
に2時間反応させた後、熱濾過にて固体部を採取して精
製ヘキサンで洗浄し、25℃減圧下で1時間乾燥してチタ
ン含有固体触媒成分を得た。
(2)予備活性化触媒の調製 実施例4の(2)において、チタン含有固体触媒成分
として上記(1)で得られたチタン含有固体触媒成分20
0gを、また2−アリル−p−キシレンの代りに5−アリ
ル−m−キシレンを880g用いる以外は同様にして予備活
性化触媒の調製を行った。
(3)プロピレンの重合 実施例4の(3)において、予備活性化触媒として上
記(2)で得られた予備活性化触媒を用いる以外は同様
にしてプロピレンの重合を行った。
比較例5 比較例3において、チタン含有固体触媒成分として実
施例6の(1)で得たチタン含有固体触媒成分3.5gを用
いる以外は比較例3と同様にしてプロピレンの重合を行
った。
実施例7 (1)チタン含有固体触媒成分の調製 n−ヘプタン4、ジエチルアルミニウムモノクロラ
イド5.0モル、ジイソアミルエーテル9.0モル、ジn−ブ
チルエーテル5.0モルを18℃で30分間反応させて得た反
応液を、四塩化チタン27.5モル中に40℃で300分間かか
って滴下した後、同温度に1.5時間保ち反応させた後、6
5℃に昇温し、1時間反応させ、上澄液を除き、n−ヘ
キサン20を加えデカンテーションで除く操作を6回繰
り返し、得られた固体生成物(II)1.8kgをn−ヘキサ
ン7中に懸濁させ、四塩化チタン1.8kg、n−ブチル
エーテル1.8kgを加え、60℃で3時間反応させた。反応
終了後、上澄液をデカンテーションで除いた後、20の
n−ヘキサンを加えて5分間撹拌し、静置して上澄液を
除く操作を3回繰り返した後、減圧で乾燥させチタン含
有固体触媒成分を得た。
(2)予備活性化触媒の調製 実施例1の(2)において、チタン含有固体触媒成分
として上記(1)で得られたチタン含有固体触媒成分45
0gを、また4−アリル−o−キシレンの代りにp−アリ
ルトルエン720gを用いること以外は同様にして予備活性
化触媒の調製を行った。
(3)プロピレンの重合 実施例1の(3)において、予備活性化触媒として上
記(2)で得られた予備活性化触媒を用いること、ま
た、プロピレン重合時に重合器の気相中の濃度が0.2容
積%を保つようにエチレンを更に供給すること以外は同
様にしてプロピレン−エチレン共重合を行った。
比較例6 実施例7において、(2)の予備活性化反応をせずに
(3)のプロピレン−エチレン共重合時には、(1)で
得たチタン含有固体触媒成分10g用いる以外は同様にし
てプロピレン−エチレン共重合を行った。
以上の実施例および比較例の予備活性化条件および結
果を表に示す。
[発明の効果] 本発明の方法によって得られたポリプロピレンは、透
明性および結晶性について著しく優れている。
前述した実施例で明らかなように、本発明の方法によ
って得れれたポリプロピレンを用いたプレスフィルムの
内部ヘーズは4.5%〜6.8%であり、アリルトルエンおよ
び/またはアリルキシレンで予備活性化されていない触
媒を使用して得られた通用のポリプロピレンを用いたプ
レスフィルムに比較して著しく高い透明性を有する。
また、透明性と共に結晶性も向上して下り、ポリプロ
ピレンパウダーの結晶化温度の上昇および射出成形試験
片の曲げ弾性率の向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を説明する工程図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも四塩化チタン、有機アルミニ
    ウム化合物および電子供与体の反応生成物からなる組成
    物であって、四塩化チタンは、三塩化チタンに還元され
    ており、かつ、マグネシウムを含まない三塩化チタン組
    成物若しくはチタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電
    子供与体(B2)を必須成分とする3価および4価のチタ
    ンの混合物または3価もしくは4価のチタンであるチタ
    ン含有担持型固体触媒成分から選ばれた一以上のチタン
    含有固体触媒成分と ジエチルアルミニウムモノクロライド若しくはトリエ
    チルアルミニウムから選ばれた一以上の有機アルミニウ
    ム化合物(A1)、および、 電子供与体(B1) とを組み合わせ、このものに、アリルトルエンおよび/
    またはアリルスチレンを該チタン含有固体触媒成分1g当
    り、0.001g〜100g重合反応させてなる予備活性化した触
    媒を用いてプロピレン、若しくはプロピレンとプロピレ
    ン以外のα−オレフィンを 20〜200℃の重合温度、 0kg/cm2G〜50kg/cm2Gの重合圧力で、 スラリー重合、バルク重合若しくは気相重合法 により重合させることを特徴とするポリプロピレンを製
    造する方法。
  2. 【請求項2】アリルトルエンおよび/またはアリルスチ
    レンとして、o−アリルトルエン、p−アリルトルエ
    ン、2−アリル−p−キシレン、4−アリル−o−キシ
    レン、および5−アリル−m−キシレンから選択される
    1種以上の単量体を用いる特許請求の範囲第1項に記載
    の方法。
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