JP2001114950A - カレンダー加工用ポリプロピレン系組成物 - Google Patents

カレンダー加工用ポリプロピレン系組成物

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JP2001114950A
JP2001114950A JP29083199A JP29083199A JP2001114950A JP 2001114950 A JP2001114950 A JP 2001114950A JP 29083199 A JP29083199 A JP 29083199A JP 29083199 A JP29083199 A JP 29083199A JP 2001114950 A JP2001114950 A JP 2001114950A
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propylene
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olefin
ethylene
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JP29083199A
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Yoshitoyo Yasuda
吉豊 安田
Sunao Tanaka
直 田仲
Hiroaki Hase
浩明 長谷
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレンの特性を失わず、カレンダー
加工性に優れたポリプロピレン系組成物、耐熱性に優
れ、ある場合には透明性にも優れたポリプロピレン系フ
ィルム及びシートを提供すること。 【解決手段】 (a)成分として、プロピレン単独重合
体、プロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロ
ピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン
重合単位を50重量%以上含有するプロピレン−α・オ
レフィンブロック共重合体もしくはこれらの2種以上の
混合物100重量部に対して、(b)成分として、エチ
レン単独重合体、エチレン重合単位を50重量%以上含
有するエチレン−α−オレフィン共重合体もしくはこれ
らの混合物であるポリエチレンであって、135℃のテ
トラリンで測定した極限粘度[η]が15〜100dl/
gの範囲にある高分子量のポリエチレンを0.01〜
5.0重量部の割合で含有させてポリプロピレン系組成
物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
組成物、これを用いたフィルム及びシートに係り、更に
詳細には、軟質・半硬質ポリ塩化ビニルの加工法である
カレンダー加工法を適用できるポリプロピレン系組成
物、及び該組成物をカレンダー加工して得られるフィル
ム及びシートに関する。
【0002】
【従来技術】軟質・半硬質塩化ビニルは、その加工適性
から、歩留まりが高く生産性が極めて高いカレンダー加
工法によって種々のフィルムやシートに加工されて、建
材、家具、家電、文具及び自動車内装材等のレザーや装
飾用フィルムやシートに使用されてきた。しかしなが
ら、環境問題の点から、近年、焼却しても環境への影響
の少ない代替物が種々検討されてきており、ポリプロピ
レン系組成物が代替樹脂として有望視されている。
【0003】ポリプロピレンは結晶性樹脂であるため、
融点以下では粘度が高く殆ど流動しないが、融点を超え
ると急激に粘度が低下し、著しい流動性を示す。このよ
うな溶融粘度特性はカレンダー加工法には不適当であ
り、またポリプロピレンはカレンダーロールに粘着し易
いので、従来、カレンダー加工をすることができなかっ
た。これらの問題を解決するために、ポリプロピレンに
多量の無機フィラーを配合することによりカレンダー加
工性を付与する試みがなされてきた。しかしながら、こ
の方法では、無機フィラーの添加により剛性が高くな
り、軟質もしくは半硬質の用途分野には使用できなくな
るのみならず、シートやフィルムにしたときに得られる
フィルムやシ−トが不透明となったり、該フィルムやシ
−トを折り曲げたときに該折り曲げ部分が白化するな
ど、レザー、装飾用フィルムやシートの分野でも使用で
きなかった。
【0004】無機フィラーを配合せずに、ポリプロピレ
ンにカレンダー加工性を付与すべく、ポリプロピレン
に、特定のメルトインデックスと特定の分子量分布を有
するエチレン−α・オレフィン共重合体とエチレン−α
・オレフィン共重合体ゴムとを配合した樹脂組成物が、
特開昭51−97649号公報に開示されている。この
樹脂組成物は、ゴム成分やエチレン−α・オレフィン共
重合体を多量に配合することにより、カレンダー加工を
可能としたもので、得られる樹脂組成物が軟質化しすぎ
るばかりではなく、ポリプロピレンの耐熱性を犠牲にす
るといった問題点を有していた。特開平9−22773
3号公報には、ポリプロピレンに低密度ポリエチレン
(LDPEという)を配合することにより、また、特開
平8−319382号公報および特開平8−33349
2号公報にはポリプロピレンに滑剤を添加することで、
得られるポリプロピレン系組成物をカレンダー加工に用
いることが提案されている。しかしながら、これらのポ
リプロピレン系組成物は、カレンダー加工に対する適性
は有するものの、特殊な添加物や多量の異種ポリマーを
ポリプロピレンに添加するので、透明性や耐熱性という
ポリプロピレン本来の特性を損なうという問題点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、ポリプロピレンの特性を失わ
ず、カレンダー加工性に優れたポリプロピレン系組成
物、該組成物を成形して得られる耐熱性に優れたポリプ
ロピレン系フィルム及びシ−トを提供することであり、
また、ポリプロピレンとしてプロピレン単独重合体やプ
ロピレン−α・オレフィンランダム共重合体を用いたポ
リプロピレン系組成物の場合には透明性にも優れたポリ
プロピレン系フィルム及びシートを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した。その結果、(a)成分とし
て、プロピレン単独重合体、プロピレン重合単位を50
重量%以上含有するプロピレン−α−オレフィンランダ
ム共重合体、プロピレン重合単位を50重量%以上含有
するプロピレン−α・オレフィンブロック共重合体もし
くはこれらの2種以上の混合物であるポリプロピレン1
00重量部に対して、(b)成分として、エチレン単独
重合体、エチレン重合単位を50重量%以上含有するエ
チレン−α−オレフィン共重合体もしくはこれらの2種
以上の混合物であるポリエチレンであって、135℃の
テトラリンで測定した極限粘度[η]が15〜100dl
/gの範囲にある高分子量ポリエチレンを0.01〜5
重量部の割合で含有するポリプロピレン系組成物が、カ
レンダ−加工に適し、優れた耐熱性を有し、ある場合に
は透明性にも優れたフィルムやシ−トの得られる組成物
になることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完
成した。
【0007】本発明は下記により構成される。 (1)(a)成分として、プロピレン単独重合体、プロ
ピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレン−
α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン重合単位
を50重量%以上含有するプロピレン−α・オレフィン
ブロック共重合体もしくはこれらの2種以上の混合物で
あるポリプロピレン100重量部に対して、(b)成分
として、エチレン単独重合体、エチレン重合単位を50
重量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体
もしくはこれらの2種以上の混合物であるポリエチレン
であって、135℃のテトラリンで測定した極限粘度
[η]が15〜100dl/gの範囲にある高分子量ポリ
エチレンを、0.01〜5.0重量部の割合で含有する
ポリプロピレン系組成物。
【0008】(2)ポリプロピレン系組成物が、メル
トフローレイト(MFR:230℃、21.18N)
0.1〜10g/10min、溶融張力(MS)と該
MFRとの間に、 Log(MS) >0.44−0.71×Log(MF
R) で表される関係を有し、かつ、110〜170℃の温
度範囲に融点を有する組成物である前記第1項記載のポ
リプロピレン系組成物。
【0009】(3)ポリプロピレン系組成物が、30℃
以上のカレンダー加工時における加工温度幅(Δt)を
有する組成物である請求項1もしくは請求項2記載のポ
リプロピレン系組成物。
【0010】(4)(a)成分の、プロピレン−α・オ
レフィンブロック共重合体が、結晶性ポリプロピレン部
分とプロピレン−α・オレフィンランダム共重合体部分
とから構成され、該結晶性ポリプロピレン部分が、プロ
ピレン単独重合体もしくは結晶性ポリプロピレン部分の
重量基準で90重量%以上のプロピレン重合単位を含有
するプロピレン−α・オレフィンランダム共重合体であ
る前記第1項記載のポリプロピレン系組成物。
【0011】(5)(a)成分の、プロピレン−α・オ
レフィンブロック共重合体が、結晶性ポリプロピレン部
分とプロピレン−α・オレフィンランダム共重合体部分
とから構成され、該プロピレン−α・オレフィンランダ
ム共重合体部分が、ランダム共重合体部分の重量基準で
20〜65重量%のエチレン重合単位を含有するプロピ
レン−α・オレフィンブロック共重合体である前記第1
項記載のポリプロピレン系組成物。
【0012】(6)前記第1項〜第5項のいずれか1項
記載のポリプロピレン系組成物をカレンダー加工して得
られるポリプロピレン系フィルムもしくはポリプロピレ
ン系シ−ト。
【0013】
【発明の実施の形態】本明細書中において用いる「ポリ
プロピレン」という用語は、プロピレン単独重合体、プ
ロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレン
−α・オレフィンランダム共重合体およびプロピレン重
合単位を50重量%以上含有するプロピレン−α・オレ
フィンブロック共重合体を総称し、「ポリエチレン」と
いう用語は、エチレン単独重合体およびエチレン重合単
位を50重量%以上含有するエチレン−α・オレフィン
ランダム共重合体を総称するものである。
【0014】本発明において、カレンダー加工に用いら
れるポリプロピレン系組成物は、前記のように、(a)
成分および(b)成分とから構成される。該(a)成分
を構成するポリプロピレンは、プロピレン単独重合体、
プロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロピレ
ン−α・オレフィンランダム共重合体、プロピレン重合
単位を50重量%以上含有するプロピレン−α・オレフ
ィンブロック共重合体もしくはこれらの2種以上の混合
物であり、好ましくはプロピレン単独重合体、プロピレ
ン重合単位を90重量%以上含有するプロピレン−α・
オレフィンランダム共重合体、プロピレン重合単位を7
0重量%以上含有するプロピレン−α・オレフィンブロ
ック共重合体もしくはこれらの2種以上の混合物であ
る。
【0015】(a)成分のポリプロピレンがプロピレン
−α・オレフィンランダム共重合体である場合、プロピ
レンと共重合されるプロピレン以外のα・オレフィンと
しては、特に限定されないが、炭素数2、4〜12のオ
レフィンが好ましく用いられる。具体的には、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン,3−
メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらのα・オレ
フィンは1種のみならず2種以上であってもよい。
【0016】プロピレン−α・オレフィンランダム共重
合体中のプロピレン重合単位の含有量が50重量%未満
では、耐熱性や剛性が低くなる。
【0017】(a)成分のポリプロピレンがプロピレン
−α・オレフィンブロック共重合体である場合、その具
体的な組成は、該ブロック共重合体に対して、85〜5
0重量%、好ましくは80〜60重量%の結晶性ポリプ
ロピレン部分と、15〜50重量%、好ましくは20〜
40重量%のプロピレン−α・オレフィンランダム共重
合体部分とから成る。
【0018】プロピレン−α・オレフィンブロック共重
合体を構成するα・オレフィンとしては、特に限定され
ないが、炭素数2、4〜12のオレフィンが好ましく用
いられる。具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4
−メチル−1−ペンテン,3−メチル−1−ペンテン等
が挙げられ、これらのオレフィンは1種のみならず2種
以上であってもよい。
【0019】プロピレン−α・オレフィンランダム共重
合体部分としては、該共重合体部分を基準として20〜
65重量%、好ましくは25〜60重量%のエチレン重
合単位を含有するエチレン−プロピレンランダム共重合
体が好適である。該エチレン−プロピレンランダム共重
合体部分中のエチレン重合単位の含有量は、ブロック共
重合体の剛性及び耐衝撃性、特に低温における耐衝撃性
に影響し、エチレン重合単位の含有量が大きいほど耐衝
撃性が良好であるが、65重量%を超えると、ランダム
共重合体部分の結晶性ポリプロピレン部分中への分散性
が悪くなり、本発明のポリプロピレン系組成物の引裂強
度等の機械特性などが低下することがあり、またエチレ
ン重合単位の含有量が20重量%未満であると剛性及び
耐衝撃性が不十分となることがあるので、上述の範囲に
調整することが好ましい。
【0020】(a)成分のポリプロピレンの立体規則性
については特に制限はないが、13C−NMR(核磁気共
鳴スペクトル)で測定したアイソタクチックペンタッド
分率(mmmm)が0.80〜0.99、好ましくは
0.85〜0.99、特に好ましくは0.92〜0.9
9の範囲にある、結晶性を有するポリプロピレンが使用
される。なお、アイソタクチックペンタッド分率Pは、
このポリプロピレンの耐熱性、ひいては本発明のポリプ
ロピレン系組成物の耐熱性などの機械的特性に影響する
ものであり、その値が大きいほど耐熱性は大きくなる。
【0021】アイソタクチックペンタッド分率(mmm
m)とはエイ ザンベリ(A.Zambelli)等によって提案
(Macromolecules 6, 925 (1973))された13C−NMR
により測定される、ポリプロピレン分子鎖中のペンタッ
ド単位でのアイソタクチック分率であり、スペクトルの
測定におけるピークの帰属決定法はエイ ザンベリ(A.Z
ambelli)等によって提案(Macromolecules 8, 687 (197
5))された帰属法に従って決定される。具体的には、ポ
リマー濃度20重量%のo−ジクロロベンゼン/臭化ベ
ンゼン=8/2重量比の混合溶液を用い、67.20M
Hz、130℃にて測定することによって求められる。
測定装置としては、たとえばJEOL−GX270NM
R測定装置(日本電子(株)製)が用いられる。
【0022】(b)成分のポリエチレンとしては、エチ
レン単独重合体、エチレン重合単位を50重量%以上含
有するエチレン−α・オレフィン共重合体もしくはこれ
らの混合物を用いることができ、好ましくはエチレン単
独重合体、エチレン重合単位を70重量%以上含有する
エチレン−α・オレフィン共重合体もしくはこれらの混
合物、特にエチレン単独重合体、エチレン重合単位を9
0重量%以上含有するエチレン−α・オレフィン共重合
体もしくはこれらの混合物が適している。
【0023】また、該(b)成分のポリエチレンは、1
35℃のテトラリン中で測定した固有粘度[η]が15
〜100dl/gの範囲に、好ましくは17〜50dl/g
の範囲にある、高分子量のポリエチレンである。
【0024】該(b)成分のポリエチレンの固有粘度
[η]が15dl/g未満であると、得られるポリプロピ
レン系組成物は溶融張力の低いものとなり、カレンダー
加工の加工適性の向上効果が不十分となる。固有粘度
[η]が100dl/gを超すような場合には、この
(b)成分の(a)成分中への分散性が悪くなり、得ら
れるポリプロピレン系組成物を製膜すると得られるフィ
ルムにはフィッシュアイが発生しやすくなる。
【0025】固有粘度[η]が15〜100dl/gと
いう高分子量とするには、エチレン重合単位が50重量
%以上であることが好ましい。極限粘度[η]は、溶媒
にテトラリンを用い、135℃の温度条件下、自動粘度
測定装置(オストヴァルト粘度計;AVS2型、三井東
圧(株)製)を用いて測定する。
【0026】該(b)成分のポリエチレンがエチレン−
α・オレフィン共重合体である場合、エチレンと共重合
されるα・オレフィンとしては、特に限定されないが、
炭素数3〜12のα・オレフィンが好ましく用いられ
る。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メ
チル−1−ペンテン,3−メチル−1−ペンテン等が挙
げられ、これらのオレフィンは1種のみならず2種以上
であってもよい。
【0027】該(b)成分のポリエチレンの密度は、特
に制限はないが、具体的には、0.88〜0.98g/
cm3程度のものが好適である。
【0028】また、上記の(a)成分および(b)成分
よりなる本発明のポリプロピレン系組成物は、 メルトフローレイト(MFR:230℃、21.18
N)が0.1〜10g/10minの範囲にあり、 230℃における溶融張力(MS)と230℃におけ
るメルトフローレイト(MFR)との間に、 Log(MS) > 0.44−0.71×log(MF
R) で表される関係にあることが好ましい。
【0029】ここで、MFRとは、JIS K7210
の表1(条件14)に依って測定した値(単位:g/1
0min)である。また、溶融張力(MS)とは、メル
トテンションテスター2型((株)東洋精機製作所製)
を用いて、装置内にてオレフィン(共)重合体組成物を
230℃に加熱し、溶融オレフィン(共)重合体組成物
を直径2.095mmのノズルから20mm/分の速度
で23℃の大気中に押し出してストランドとし、このス
トランドを3.14m/分の速度で引き取る際の糸状ポ
リプロピレン組成物の張力を測定した値(単位:cN)
である。
【0030】該MFRが0.1g/10min未満で
は、カレンダー加工時の加工温度幅は広くなるが、加工
温度自体が高くなりすぎ、従来から軟質・半硬質塩化ビ
ニル樹脂で使用されてきたスチーム加熱方式のカレンダ
ーロ−ルを用いると、面転写が悪くなるため、外観の良
好な成形品が得られなくなる場合がある。また、10g
/10minを超えると、加工温度幅が狭くなりすぎ、
カレンダーロールへの粘着が発生して製膜出来なくなる
場合がある。
【0031】溶融張力(MS)の上限は、特に限定され
ないが、あまりにも溶融張力が高いとカレンダー加工性
が悪化することから、好ましくは、 Log(MS) > 2.35−7.08×log(MF
R) より好ましくは、 Log(MS) > 2.30−7.08×Log(MF
R) の関係を満足することである。
【0032】上述の如く、本発明のポリプロピレン系組
成物は、(a)成分と(b)成分とを含有するポリプロ
ピレン系組成物であり、従来のポリプロピレン系樹脂と
は異なり広範な加工温度範囲で粘着性を発現することが
なく、カレンダー加工に供することが可能である。この
ようなカレンダー加工への適用可能性については、加工
温度幅(Δt)(℃)=粘着発生温度−面転写不良温度
で表される加工温度幅(Δt)を測定することにより、
カレンダー加工への適用性が判断できる。(ここで、
「粘着発生温度」とは、カレンダー加工機のロールに樹
脂が粘着して剥離不能となる温度を、「面転写不良温
度」とは、ロール上の溶融シートの表面が滑らかな鏡面
状態とはならず、面転写状態が不良となる温度をい
う。)。
【0033】カレンダー加工おいて、粘着発生温度は通
常は210〜250℃であり、面転写不良温度は160
〜180℃である。また、、従来から軟質・半硬質塩化
ビニル樹脂で使用されてきたスチーム加熱方式のカレン
ダーロ−ルを有する加工機では、温度管理可能な幅が狭
く、加工温度幅(Δt)が30℃未満では温度制御がし
難くなる。そして、本発明のポリプロピレン系組成物
は、このΔtが、少なくとも30℃以上、好ましくは3
5℃以上と比較的大きく、カレンダー加工性に優れた組
成物である。
【0034】なお、参考のため記載すると、ポリ塩化ビ
ニルのΔtは40℃以上であり、このことからも、本発
明のポリプロピレン系組成物がポリ塩化ビニルに匹敵す
るカレンダー加工性を有することが分かる。
【0035】本発明のポリプロピレン系組成物は、Q値
(=Mw/Mn)が5以下、望ましくは4.5以下の狭
い分子量分布を有することが好ましい。Q値が5を超え
るような分子量分布が広くなると、得られるフィルムや
シートの光沢が低下することがある。
【0036】本発明のポリプロピレン系組成物の製造方
法には、(I):(a)成分のポリプロピレンと(b)
成分のポリエチレンとをそれぞれ製造した後、通常の混
合装置を用いて混合する方法、および(II):オレフ
ィン重合触媒の存在下に(b)成分のポリエチレンを製
造し、引き続き(a)成分のポリプロピレンを製造す
る、多段重合法により、一挙に本発明のポリプロピレン
系組成物を製造する方法を例示できる。次に、遷移金属
化合物触媒成分、有機金属化合物(AL1)、および所
望により使用される電子供与体(E1)からなるポリオ
レフィン製造用触媒を予備重合処理し、この予備重合触
媒の存在下に、予備活性化段階において(b)成分の高
分子量ポリエチレンを生成させ、次いで、このようにし
て得られた予備活性化触媒を用いて(a)成分のポリプ
ロピレンを生成させることによる、ポリプロピレン系組
成物の製造方法を説明する。
【0037】本明細書において「予備重合処理」とは、
ポリオレフィン製造用触媒の高分子量化能力を向上させ
る目的で、オレフィンの主重合に先立って、ポリオレフ
ィン製造用触媒の存在下に予め少量のプロピレンを重合
させて触媒に担持させることを意味する。
【0038】本明細書において「予備活性化」との用語
は、ポリオレフィン製造用触媒の重合活性を、オレフィ
ンの主重合を実施するに先立って、予め活性化すること
を意味し、ポリオレフィン製造用触媒の存在下に少量の
エチレンを重合させて触媒に担持させることにより行
う。
【0039】ポリオレフィン製造用触媒を構成する遷移
金属化合物触媒成分としては、ポリオレフィン製造用と
して提案されている遷移金属化合物触媒成分を主成分と
する公知の触媒成分のいずれをも使用することができ、
中でも工業生産上、チタン含有固体触媒成分およびメタ
ロセン化合物が好適に使用される。
【0040】チタン含有固体触媒成分としては、三塩化
チタン組成物を主成分とするチタン含有固体触媒成分
(特公昭56−3356号公報、特公昭59−2857
3号公報、特公昭63−66323号公報等)、マグネ
シウム化合物に四塩化チタンを担持した、チタン、マグ
ネシウム、ハロゲン、および電子供与体を必須成分とす
るチタン含有担持型触媒成分(特開昭62−10481
0号公報、特開昭62−104811号公報、特開昭6
2−104812号公報、特開昭57−63310号公
報、特開昭57−63311号公報、特開昭58−83
006号公報、特開昭58−138712号公報等)な
どが提案されており、これらのいずれをも使用すること
ができる。
【0041】メタロセン化合物としては、π電子共役配
位子を少なくとも1個有する遷移金属化合物が使用でき
る。この時の遷移金属は、Zr,Ti,Hf,V,N
b,TaおよびCrから選択することが好ましい。
【0042】π電子共役配位子の具体例としては、η−
シクロペンタジエニル構造、η−ベンゼン構造、η−シ
クロプタトリエニル構造、又は、η−シクロオクタテト
ラエン構造を有する配位子が挙げられ、特に好ましいの
は、η−シクロペンタジエニル構造を有する配位子であ
る。
【0043】η−シクロペンタジエニル構造を有する配
位子としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、イ
ンデニル基、フルオレニル基等が挙げられる。これらの
基は、アルキル基、アリール基およびアラルキル基のよ
うな炭化水素基、トリアルキルシリル基のようなケイ素
置換炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリー
ロキシ基、鎖状および環状アルキレン基などで置換され
てもよい。
【0044】遷移金属化合物がπ電子共役配位子を2個
以上含む場合には、そのうち2個のπ電子共役配位子同
士は、アルキレン基、置換アルキレン基、シクロアルキ
レン基、置換シクロアルキレン基、置換アルキリデン
基、フェニル基、シリレン基、置換ジメチルシリレン
基、ゲルミル基などを介して架橋していてもよい。
【0045】このときの遷移金属触媒成分は、上記のよ
うなπ電子配位子を少なくとも1個有する他に、アルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基の
ような炭化水素基、ケイ素置換炭化水素基、アルコキシ
基、アリーロキシ基、置換スルホナト基、アミドシリレ
ン基、アミドアルキレン基などを有してもよい。なお、
アミドシリレン基やアミドアルキレン基のような2価の
基はπ電子共役配位子と結合してもよい。
【0046】上記のようなメタロセン化合物は、さらに
微粒子状担体に担持させて用いることも可能である。こ
のような微粒子状担体としては、無機又は有機化合物で
あって、粒子径が5〜300μm、好ましくは10〜2
00μmの顆粒状ないしは球状の微粒子固体が使用され
る。無機化合物としては、SiO2,Al23,Mg
O,TiO2,ZnO、またはこれらの混合物が挙げら
れる。これらの中では、SiO2またはAl23を主成
分とする物が好ましい。また、有機化合物としては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン等の炭素数2〜12のα−オレフィンの重合体ま
たは共重合体、さらにはスチレンまたはスチレン誘導体
の重合体または共重合体が挙げられる。
【0047】有機金属化合物(AL1)として、周期表
(1991年版)第1族、第2族、第12族および第1
3族に属する金属よりなる群から選択された金属の有機
基を有する化合物、たとえば、有機リチウム化合物、有
機ナトリウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜
鉛化合物、有機アルミニウム化合物など挙げることがで
きる。特に、一般式がAlR1 p2 q3-(p+q)(式中、
1およびR2は、互いに独立して、アルキル基、シクロ
アルキル基、アリ−ル基等の炭化水素基、またはアルコ
キシ基を表し、Xはハロゲン原子を表し、pおよびq
は、0<p+q≦3の整数を表わす)で表わされる有機
アルミニウム化合物を好適に使用することができる。
【0048】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリエチルアルミニウム、トリ−イソブチルアルミ
ニウムを挙げることができる。また、有機アルミニウム
化合物として、下記化1で示される一般式(1)、また
は化2で示される一般式(2)で表されるアルミノキサ
ン化合物も使用することができる。
【0049】
【化1】
【0050】
【化2】
【0051】ここで、R3は炭素数1〜6の、好ましく
は1〜4の、炭化水素基であり、具体的には、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基;アリル基、
2−メチルアリル基、プロペニル基、イソプロペニル
基、2−メチル−1−プロペニル基、ブテニル基等のア
ルケニル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基;およびアリール基などが挙げられる。これらのうち
特に好ましいのは、アルキル基であり、各R3は同一で
も異なっていてもよい。qは4〜30の整数であるが、
好ましくは6〜30、特に好ましくは8〜30である。
【0052】また、別の有機金属化合物(AL1)とし
て、ホウ素系有機金属化合物が挙げられる。該ホウ素系
有機金属化合物は、遷移金属化合物とホウ素原子を含む
イオン性化合物とを反応させることにより得られる。こ
のとき用いられる遷移金属化合物としては、オレフィン
重合用触媒を製造する際に使用する遷移金属化合物触媒
成分と同様のものが使用可能であるが、好ましく用いら
れるのは、前述のメタロセン化合物である。
【0053】電子供与体(E1)は、ポリオレフィンの
生成速度および/または立体規則性を制御することを目
的として、必要に応じて使用される。該電子供与体(E
1)として、たとえば、エーテル類、アルコール類、エ
ステル類、アルデヒド類、脂肪酸類、ケトン類、ニトリ
ル類、アミン類、アミド類、尿素およびチオ尿素類、イ
ソシアネート類、アゾ化合物、ホスフィン類、ホスファ
イト類、ホスフィナイト類、硫化水素およびチオエーテ
ル類、ネオアルコール類、シラノール類などの、分子中
に酸素、窒素、硫黄、燐のいずれかの原子を有する有機
化合物、および分子中にSi−O−C結合を有する有機
ケイ素化合物などが挙げられる。
【0054】エーテル類としては、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n
−ブチルエーテル、ジ−i−アミルエーテル、ジ−n−
ペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジ−i
−ヘキシルエーテル、ジ−nオクチルエーテル、ジ−i
−オクチルエーテル、ジ−n−ドデシルエーテル、ジフ
ェニルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等が挙げられる。
【0055】アルコール類としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、ぺントノール、ヘ
キサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、
アリルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリ
コール、グリセリン等が、またフェノール類として、フ
ェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノー
ル、ナフトール等が挙げられる。
【0056】エステル類としては、メタクリル酸メチ
ル、ギ酸メチル、酢酸メチル、酪酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ビニル、酢酸−n−プロピル、酢酸−i−プロ
ピル、ギ酸ブチル、酢酸アミル、酢酸−n−ブチル、酢
酸オクチル、酢酸フェニル、プロピオン酸エチル、
【0057】安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香
酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息
香酸−2−エチルヘキシル、トルイル酸メチル、トルイ
ル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、アニス
酸プロピル、アニス酸フェニル、ケイ皮酸エチル、ナフ
トエ酸メチル、ナフトエ酸エチル、ナフトエ酸プロピ
ル、ナフトエ酸ブチル、ナフトエ酸−2−エチルヘキシ
ル、フェニル酢酸エチル等のモノカルボン酸エステル
類;
【0058】コハク酸ジエチル、メチルマロン酸ジエチ
ル、ブチルマロン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、ブ
チルマレイン酸ジエチル等の脂肪族多価カルボン酸エス
テル類;および、フタル酸モノメチル、フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロピル、フ
タル酸モノ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フ
タル酸ジ−i−ブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フ
タル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オク
チル、i−フタル酸ジエチル、i−フタル酸ジプロピ
ル、i−フタル酸ジブチル、i−フタル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジプ
ロピル、テレフタル酸ジブチル、ナフタレンジカルボン
酸ジ−i−ブチル等の芳香族多価カルボン酸エステル類
が挙げられる。
【0059】アルデヒド類としては、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等が、カ
ルボン酸類として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
修酸、コハク酸、アクリル酸、マレイン酸、吉草酸、安
息香酸などのモノカルボン酸類;および無水安息香酸、
無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸などの酸無水
物が、ケトン類として、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチル−i−ブチルケトン、ベンゾフェノン等が、
それぞれ例示される。
【0060】窒素含有化合物としては、アセトニトリ
ル、ベンゾニトリル等のニトリル類;メチルアミン、ジ
エチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミ
ン、β(N,N−ジメチルアミノ)エタノール、ピリジ
ン、キノリン、α−ピコリン、2,4,6−トリメチル
ピリジン、2,2,5,6−テトラメチルピペリジン、
2,2,5,5,テトラメチルピロリジン、N,N,N
,N−テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、
ジメチルアニリン等のアミン類;ホルムアミド、ヘキサ
メチルリン酸トリアミド、N,N,N,N,N
ペンタメチル−N −β−ジメチルアミノメチルリン酸
トリアミド、オクタメチルピロホスホルアミド等のアミ
ド類;N,N,N,N−テトラメチル尿素等の尿素
類;フェニルイソシアネート、トルイルイソシアネート
等のイソシアネート類;およびアゾベンゼン等のアゾ化
合物類が例示される。
【0061】燐含有化合物としては、エチルホスフィ
ン、ジ−n−オクチルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、トリエチルホスフィン、トリ−n−オクチルホス
フィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィンオキシド等のホスフィン類;ジメチルホスファイ
ト、ジメチルホスファイト、ジ−n−オクチルホスファ
イト、トリエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホス
ファイト、トリフェニルホスファイト等のホスファイト
類が例示される。
【0062】硫黄含有化合物としては、ジエチルチオエ
ーテル、ジフェニルチオエーテル、メチルフェニルチオ
エーテル等のチオエーテル類;エチルチオアルコール、
n−プロピルチオアルコール、チオフェノール等のチオ
アルコール類が挙げられる。
【0063】さらに、有機ケイ素化合物として、トリメ
チルシラノール、トリエチルシラノール、トリフェニル
シラノール等のシラノール類;トリメチルメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメト
キシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシ
ラン、ジ−i−ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジ
エトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルト
リエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ブチル
トリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、エ
チルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シク
ロペンチルトリメトキシシラン、ジシクロペンチルジメ
トキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、ジシクロヘキ
シルジメトキシシラン、2−ノルボルニルメチルジメト
キシシラン等が挙げられる。これらの電子供与体は、1
種類だけでなく2種類以上を混合して使用することがで
きる。
【0064】予備重合処理では、遷移金属化合物触媒成
分、この遷移金属化合物触媒成分に含有される遷移金属
原子1モル当たり0.01〜1,000モルの有機金属
化合物(AL1)、および遷移金属原子1モル当たり0
〜500モルの電子供与体(E1)の組み合わせからな
るポリオレフィン製造用触媒に対し、プロピレンを反応
させ、遷移金属化合物成分1g当たり0.01〜100
gのプロピレンポリマーを担持させる。ここで得られる
プロピレンポリマーは、最終的にはポリプロピレン系組
成物の(a)成分の一部として組み込まれ、その固有粘
度[ηD]が10dl/gより小さいことが好ましい。こ
のような予備重合処理により、ポリオレフィン製造用触
媒は高分子量のポリエチレンを生成する能力を得る。
【0065】予備重合処理においては、、重合容積1リ
ットル当たり、触媒成分中の遷移金属原子に換算して
0.001〜5,000ミリモル、好ましくは0.01
〜1,000ミリモルのポリオレフィン製造用触媒を存
在させ、溶媒の不存在下または遷移金属化合物触媒成分
1gに対し100リットルまでの溶媒の存在下で実施す
る。溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、他にガソ
リン留分や水素化ジーゼル油留分が使用できる。
【0066】本明細書中において、「重合容積」の用語
は、液相重合の場合には重合器内の液相部分の容積を、
気相重合の場合には重合器内の気相部分の容積を意味す
る。
【0067】遷移金属化合物触媒成分の使用量は、プロ
ピレンの効率的、かつ制御された(共)重合反応速度を
維持する上で、前記範囲であることが好ましい。また、
有機金属化合物(AL1)の使用量が、少なすぎると重
合反応速度が遅くなりすぎ、また大きくしてもそれに見
合う重合反応速度の上昇が期待できないばかりか、ポリ
プロピレン系組成物中に有機金属化合物(AL1)の残
さが多くなるので好ましくない。さらに、電子供与体
(E1)の使用量が大きすぎると、重合反応速度が低下
する。溶媒使用量が大きすぎると、大きな反応容器を必
要とするばかりでなく、効率的な重合反応速度の制御及
び維持が困難となる。
【0068】予備重合処理の反応条件は、プロピレンポ
リマーが遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01g
〜100g生成する条件であればよく、通常、−40℃
〜100℃の温度下、0.1MPa〜5MPaの圧力下
で、1分〜24時間の範囲である。
【0069】ついで、上記の予備重合処理されたポリオ
レフィン製造用触媒に対し、エチレンまたはエチレンと
炭素数3〜12のオレフィンとの混合物を反応させ、遷
移金属化合物触媒成分1g当たり0.01〜5,000
g、好ましくは0.05〜2,000g、さらに好まし
くは0.1〜1,000gのポリエチレンを担持させる
ことによる予備活性化を行う。このような予備活性化に
より、ポリオレフィン製造用触媒は重合活性が向上す
る。
【0070】ここで得られるポリエチレンは、ポリプロ
ピレン系組成物の(b)成分のポリエチレンであり、そ
の固有粘度[ηA]は15〜100dl/g、好ましくは
17〜50dl/gの範囲にある。また、このポリエチレ
ンは、エチレン単独重合体もしくはエチレン重合単位が
50重量%以上、好ましくは70重量%以上、さらに好
ましくは90重量%以下であるエチレンと炭素数3〜1
2のオレフィンとの共重合体である。
【0071】遷移金属化合物触媒成分1g当たりのポリ
エチレンの担持量が0.01g未満では、最終的に得ら
れるポリプロピレン系組成物の溶融張力を向上させる効
果が不十分であり、カレンダー加工性の向上への効果が
不十分である。また5,000gを越える場合にはそれ
に見合う効果の向上がなくなるばかりでなく、ポリプロ
ピレン系組成物の均質性が悪化する場合がある。
【0072】予備活性化の反応条件は、ポリエチレンが
遷移金属化合物触媒成分1g当たり0.01〜5,0
0、好ましくは0.05〜2,000g、さらに好まし
くは0.1〜1,000gの量で生成するような条件で
あれば特に制限はなく、通常、−40℃〜40℃、好ま
しくは−40℃〜30℃、さらに好ましくは−40℃〜
20℃程度の比較的低温度下、0.1MPa〜5MP
a、好ましくは0.2MPa〜5MPa、特に好ましく
は0.3MPa〜5MPaの圧力下で、1分〜24時
間、好ましくは5分〜18時間、特に好ましくは10分
〜12時間の範囲である。予備活性化は、水素の存在下
において実施してもよいが、固有粘度[ηA]が15〜
100dl/gの高分子量のポリエチレンを生成させるた
めには、水素は用いないほうが好適である。
【0073】また、前記予備活性化後に、触媒のモルフ
ォロジーを抑制することを目的として、プロピレンまた
はプロピレンとその他のα・オレフィンとの混合物によ
る付加重合処理を、遷移金属化合物触媒成分1g当たり
0.01〜100gの反応量で行ってもよい。この場
合、有機金属化合物(AL1)、電子供与体(E1)、
溶媒、およびプロピレンまたはプロピレンとその他のα
・オレフィンとの混合物の使用量は予備活性化と同様な
範囲で行うことができるが、遷移金属原子1モル当たり
0.005〜10モル、好ましくは0.01〜5モルの
電子供与体(E1)の存在下に行うのが好ましい。この
ときの反応条件は、−40〜100℃の温度下、0.1
〜5MPaの圧力下で、1分から24時間の範囲であ
る。プロピレンまたはプロピレンとその他のα・オレフ
ィンとの混合物としては本(共)重合目的と同様の組成
のものを使用する。
【0074】以下、このように予備活性化されたポリオ
レフィン製造用触媒および付加重合処理されたポリオレ
フィン製造用触媒を一括して予備活性化触媒と呼ぶ。該
予備活性化触媒は、そのままでもしくは追加の有機金属
化合物(AL2)及び電子供与体(E2)を添加して、
(a)成分のポリプロピレンを得るためのオレフィン重
合用触媒として用いることができる。
【0075】予備活性化触媒に追加のされる有機金属化
合物(AL2)の量は、予備活性化触媒中の遷移金属原
子1モルに対し、予備活性化触媒中の有機金属化合物
(AL1)との合計(AL1+AL2)で0.05〜
3,000モル、好ましくは0.1〜1,000モルの
範囲である。オレフィン重合用触媒中の有機金属化合物
の含有量(AL1+AL2)が小さすぎると、(b)成
分のポリプロピレンを生成する反応速度が遅すぎ、一方
過剰に大きくしても反応速度の期待されるほどの上昇は
認められず非効率的であるばかりではなく、最終的に得
られるポリプロピレン系組成物中に残留する有機金属化
合物残さが多くなるので好ましくない。
【0076】予備活性化触媒に追加される電子供与体
(E2)の量は、予備活性化触媒中の遷移金属原子1モ
ルに対し、予備活性化触媒中の電子供与体(E1)との
合計(E1+E2)で0〜5,000モル、好ましくは
0〜3,000モルの範囲である。該含有量(E1+E
2)が過大になると、(a)成分のポリプロピレンを生
成する反応速度が著しく低下する。
【0077】オレフィン重合用触媒に必要に応じて追加
使用される有機金属化合物(AL2)および電子供与体
(E2)は、先に有機金属化合物(AL1)および電子
供与体(E1)として例示した化合物の中から選択すれ
ばよく、予備活性化触媒中に用いたものと同種のもので
あっても、異なっていてもよい。また、1種類であって
ももよく、2種類以上を混合使用してもよい。
【0078】オレフィン重合用触媒は、前記予備活性化
触媒中に存在する溶媒、未反応のオレフィン、有機金属
化合物(AL1)、および電子供与体(E1)等を濾別
またはデカンテーションして除去して得られた粉粒体
と、またはこの粉粒体に溶媒を添加した懸濁液と、追加
の有機金属化合物(AL2)および所望により電子供与
体(E2)とを組み合わせてもよく、また、前記予備活
性化触媒中に存在する溶媒および未反応のオレフィンを
減圧蒸留または不活性ガス流等により蒸発させて除去し
て得た粉粒体と、またはこの粉粒体に溶媒を添加した懸
濁液と、所望により有機金属化合物(AL2)及び電子
供与体(E2)とを組み合わせてもよい。
【0079】(a)成分のポリプロピレンを得るための
プロピレンもしくはプロピレンとその他のα・オレフィ
ンとの混合物の(共)重合は、その重合プロセスとして
公知のオレフィン(共)重合プロセスが使用可能であ
り、具体的には、不活性溶媒中でオレフィンの(共)重
合を実施するスラリー重合法、オレフィン自身を溶媒と
して用いるバルク重合法、オレフィンの(共)重合を気
相中で実施する気相重合法、さらに(共)重合して生成
するポリオレフィンが液状である液相重合やこれらのプ
ロセスの2以上を組み合わせた重合プロセスを使用する
ことができる。
【0080】上記のいずれの重合プロセスを使用する場
合も、重合条件として、重合温度は20〜120℃、好
ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜100
℃の範囲、重合圧力は0.1〜5MPa、好ましくは
0.3〜5MPaの範囲において、連続的、半連続的、
若しくはバッチ的に重合時間は5分間〜24時間程度の
範囲が採用される。上記の重合条件を採用することによ
り、(a)成分のポリプロピレンを高効率かつ制御され
た反応速度で生成させることができる。
【0081】(a)成分のポリプロピレンの製造方法に
おいて、オレフィン重合用触媒の使用量は、重合容積1
リットルあたり、オレフィン重合用触媒中の遷移金属原
子に換算して、0.001〜1,000ミリモル、好ま
しくは0.005〜500ミリモル使用する。オレフィ
ン重合用触媒の使用量を上記範囲とすることにより、プ
ロピレンもしくはプロピレンとその他のオレフィンとの
混合物の効率的かつ制御された(共)重合反応速度を維
持することができる。
【0082】(a)成分のポリプロピレンの製造方法の
より好ましい態様においては、最終的に得られるポリプ
ロピレン系組成物中に、ポリプロピレン100重量部に
対して、予備活性化触媒に由来するポリエチレンが0.
01〜5重量部の割合になるように重合条件を選定す
る。重合の終了後、必要に応じて公知の触媒失活処理工
程、触媒残さ除去工程、乾燥工程等の後処理工程を経て
ポリプロピレン系組成物が得られる。
【0083】上述の如くして得られた本発明のポリプロ
ピレン系組成物には、所望に応じて、熱安定化剤や中和
剤等の各種添加剤を撹拌混合し、得られた混合物を更に
溶融混練して、ペレットの形状で実用に供することがで
きる。この際、代表的に、撹拌混合はヘンシェルミキサ
ーなどの各種撹拌混合機、溶融混練は各種押出機で行う
ことができる。
【0084】本発明のプロピレン系組成物に添加される
添加剤としては、通常、結晶性プロピレン重合体に添加
される各種の添加剤、たとえばフェノール系、チオエー
テル系、リン系などの酸化防止剤、光安定剤、重金属不
活性化物(銅害防止剤)、透明化剤、造核剤、滑剤、帯
電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、無滴剤、過
酸化物のごときラジカル発生剤、難燃剤、難燃助剤、顔
料、ハロゲン捕捉剤、金属石ケン類などの分散剤もしく
は中和剤、有機系や無機系の抗菌剤、
【0085】無機充填剤(たとえば、マイカ、ウォラス
トナイト、ゼオライト、ベントナイト、パーライト、ケ
イソウ土、アスベスト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、二酸
化珪素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラス繊維、チ
タン酸カリウム、炭素繊維、カーボンブラック、グラフ
ァイト及び金属繊維など)、カップリング剤(たとえば
シラン系、チタネート系、ボロン系、アルミネート系、
ジルコアルミネート系など)の如き表面処理剤で表面処
理された前記無機充填剤又は有機充填剤(たとえば木
粉、パルプ、故紙、合成紙、天然繊維など)を本発明の
目的を損なわない範囲で併用することができる。
【0086】本発明のポリプロピレン系組成物には、本
発明の効果を損なわない範囲で、超低密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ−1−
ブテン、エチレン−プロピレン共重合体などの熱可塑性
樹脂を混合して用いることもできる。。
【0087】このようにして得られた本発明のポリプロ
ピレン系組成物は、特にカレンダー加工に用いるのに好
適であり、種々の形状を有するカレンダー加工品の原料
となる。カレンダー加工の際には、本発明のポリプロピ
レン系組成物に対し、カレンダー加工において従来から
公知の滑剤、酸化防止剤、中和剤、帯電防止剤及び耐候
剤等の各種添加剤を所望に応じて添加することが可能で
ある。
【0088】滑剤は、本発明のポリプロピレン系組成物
をカレンダー加工する際に、溶融したポリプロピレン系
組成物とある程度の相溶性を保持しながらその溶融物に
流動性を与え、これにより、ロールへの粘着を防ぐとと
もにその加工を容易にする機能を果たす。
【0089】該滑剤は、本発明のポリプロピレン系組成
物に予め配合しておいてもよいし、カレンダー加工の際
に配合して用いてもよい。なお、滑剤の配合量は、特に
限定されるものではないが、通常、本発明のプロピレン
系組成物100重量部に対し、0.01〜5重量部が好
適である。配合量が多すぎると、滑剤のカレンダーロー
ルへのプレートアウトが発生し、これが成形品に転写さ
れてシート等の外観が悪化することがある。
【0090】また、滑剤としては、上述の機能を果たせ
ば特に限定されるものではないが、パラフィン系高級炭
化水素、高級脂肪酸系材料、例えば高級脂肪酸、高級脂
肪酸金属塩、脂肪酸アミド、高級脂肪酸の低級アルキル
エステルを挙げることができ、また、その原料である脂
肪族1価アルコール(低級アルコール)、脂肪族多価ア
ルコール(ポリオール)、脂肪酸とポリグリコールとの
エステル、更には、芳香族カルボン酸系のフタル酸ジア
ミド、フタル酸エステル、シリコーン(珪素樹脂)、天
然及び合成ロジン並びに上記材料の任意の混合物を含む
複合系滑剤であってもよい。
【0091】具体的には、パラフィンワックス、ポリエ
チレンワックス、モンタンワックス、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アル
ミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、オ
レイン酸アミド、ラウリン酸アミド、エチレンビスステ
アロアミド、エチレンビスラウロアミド、ステアロオレ
オアミド、ステアリルアルコール、パルミチルアルコー
ル、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、ブチル
ステアレート、硬化ひまし油、エチレングリコールモノ
ステアレート、グリセリンジステアレート、エチレンオ
キシド−プロピレンオキシド共重合体、ビス(2−エチ
ルヘキシル)フタレート、キシリレンジアミン脂肪族カ
ルボン酸アミド(特に「ナイロンMXD6」(商品
名))、ポリジメチルシロキサン等及びこれらの任意の
混合物を用いることが好ましい。
【0092】次に、本発明のポリプロピレン系フィルム
及びシートについて説明する。本発明のフィルム及びシ
ートは、上述した本発明のポリプロピレン系組成物をカ
レンダー加工法により加工することにより得られる。
【0093】なお、本明細書においては、膜厚30〜1
00μmのカレンダー加工製品をフィルム、膜厚0.1
〜5mmのものをシートと称する。
【0094】なお、本発明のポリプロピレン系フィルム
及びシートを製造するに当たっては、本発明のポリプロ
ピレン系組成物がポリ塩化ビニルに匹敵するカレンダ−
加工性を有することから、従来からポリ塩化ビニルに用
いられてきたカレンダー加工機をそのまま用いることが
できる。
【0095】具体的には、バンバリーミキサー、ミキシ
ングロール、ウォーミングロール、押出機、カレンダー
ロール、冷却ロール、トリミングカッター、マスキン
グ、定尺カッター及び巻き取り機を備えたものが好まし
い。なお、カレンダー加工機には、カレンダーロールの
配列方式によって、直列形、傾斜形、L形、逆L形、Z
形及び傾斜Z形などの形式があるが、本発明において
は、いずれの形式のカレンダー加工機であっても好適に
使用できる。このように、本発明では、既存のポリ塩化
ビニル用の設備をそのまま利用することができ、特別な
設備を必要とすることなく、低コストのカレンダー加工
を実現することができる。
【0096】また、加工条件は、樹脂温度は180〜2
30℃とすることが好ましく、これにより、外観や成形
性に優れたフィルムやシートを確実に得ることができ
る。樹脂温度が180℃以上であれば、本発明のプロピ
レン系組成物が十分に溶融軟化し、フィルムやシートの
表面が鮫肌状にならず、良好な外観が得られる。一方、
樹脂温度が230℃以下であれば、本発明のポリプロピ
レン系組成物の熱劣化が起こりにくく、シート等の溶融
張力が保持でき、良好な成形性を達成し易い。
【0097】冷却ロールの温度は、優れた外観の製品を
確実に得るために、5〜130℃とすることが好まし
い。冷却ロールの温度を5℃以上にすることにより、こ
のロールの結露を防止でき、シート等の表面に斑点状の
模様が生ずるのを回避して良好な外観が得られる。ま
た、130℃以下とすれば、シート等を十分に冷却でき
るので、良好な外観が得られる。なお、冷却ロールは、
数本設置することが好ましく、これにより、樹脂を段階
的に徐々に冷却できるので、樹脂の粘着を有効に防止す
ることができる。
【0098】また、カレンダー加工の速度は、優れた生
産性を実現すべく、0.1〜150m/minとするこ
とが好ましい。成形速度が0.1m/min以上であれ
ば、シート等の時間当たり生産量を増大でき、厚みが均
一なシート等が得易く、不良率を低減できる。一方、1
50m/min以下とすれば、シート等を十分に冷却で
きるので、良好な外観を得易い。
【0099】本発明のポリプロピレン系組成物が優れた
特性、特にカレンダー加工性を発揮することの詳細は必
ずしも明らかではないが、現時点では以下のように推測
される。即ち、本発明のポリプロピレン系組成物は、カ
レンダー加工のような剪断速度領域では低い溶融粘度を
示すので、加工温度が低くても成形することが可能とな
る。また、加工温度が高い場合は、ロールへの樹脂の粘
着が問題となるが、本発明のポリプロピレン系組成物は
溶融張力が大きいので、ロール上の樹脂に収縮力が働
き、ロールから容易に剥離出来る。したがって、本発明
のポリプロピレン組成物は、カレンダー加工で使用され
る広範な加工温度範囲において、カレンダー加工に適切
な溶融流動性を有するものと推測される。
【0100】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。なお、各例での重合結果、基礎物性値を
表1に、カレンダー加工の際、及び得られたシート等の
加工性の評価結果を表2に示した。
【0101】実施例および比較例において、測定方法は
以下の通りである。 (1)溶融張力(MS):メルトテンションテスター2
型((株)東洋精機製作所製)を用いて、230℃に加
熱した試料を、直径2.095mmのノズルから20m
m/分の速度で23℃の大気中に押し出してストランド
とし、このストランドを3.14m/分の速度で引き取
る際の張力を測定した(単位:cN)。
【0102】(2)メルトフローレイト(MFR):J
IS K7210の表1、条件14(230℃、21.
18N)に準じて測定した(単位:g/10min)。
【0103】(3)溶融温度(Tm):示差走査熱量分
析計(パーキンエルマー社製:DSC7型)を用い、3
0℃/分の昇温速度で、試料を室温から230℃まで加
熱した際の、融解曲線のピーク温度を測定した(単位:
℃)。 固有粘度[η]:溶媒としてテトラリン(テトラヒドロ
ナフタレン)を用い、135℃の温度条件下、自動粘度
測定装置(オストヴァルト粘度計;AVS2型、三井東
圧(株)製)を用いて測定した。
【0104】カレンダー加工条件 試料装置として、2本ロール[ロールサイズ200mm
φ×500mm、回転速度:前ロール12rpm/後ロ
ール14rpm、10分間混練(西村工機社製)]を用
いた。ロール間隙を出来上がりのシート厚が150μm
になるように設定し、後述の各例で得られたPP系ペレ
ットを上記ロールに巻き付けながら溶融混練し、10分
後に練り上がったシートをサンプリングした。
【0105】サンプリングの際に溶融樹脂がロールに粘
着して剥離不能となった温度を粘着発生温度とし、カレ
ンダー加工の上限温度と判断した。また、各例のペレッ
トをロールに巻き付けながら溶融混練し、10分後にロ
ール上の溶融シートを観察し、シート表面が滑らかな鏡
面状態とならず、面転写状態が不良となった温度を面転
写不良温度とし、カレンダー加工の下限温度と判断し
た。更に、上述の面転写温度と粘着発生温度との温度幅
をカレンダー加工が可能な加工温度幅Δtとし、このΔ
tが30℃以上あれば、カレンダー加工に適するものと
判断した。
【0106】表2中、加工性評価は以下の基準による。
なお、本明細書では、5段階で評価を行い、数字の大き
いもの程、良好と判断した。
【0107】(1)粘着性 5…切り返しが容易に行える。 4…切り返しに問題はないが、樹脂の粘性がやや低い。 3…切り返しがやや困難であるが、切り返しは可能。 2…両端部の粘性が低く、ロールに巻き付いてしまう。 1…粘着により樹脂がロール表面から剥離しにくい。
【0108】(2)バンクの状態 5…バンクがサンプル幅全域で均一に回転する。 4…バンクの回転は均一だが、ムラがある。 3…バンクの回転は比較的均一だが、ムラがある。 2…バンクの回転が不均一で、ムラがある。 1…バンクの回転が全く無いか、不規則である。
【0109】(3)エア巻き込みに起因する表面状態 5…エアの巻き込みの跡が全く無い。 4…切り返し後、エアの巻き込み跡が僅かにある。 3…切り返し後、エアの巻き込むが、速やかに小さくな
る。 2…切り返し後、エアの巻き込み跡がある。 1…エアの巻き込み跡が成長して大きくなる。
【0110】(4)切り返し性 5…切り返し作業が容易に出来、収縮、粘着が全く無
く、また切り返し時に容易に剥離する。 4…切り返し作業が容易に出来、収縮、粘着が全く無
い。 3…切り返し作業が容易に出来るが、収縮、粘着が若干
ある。 2…切り返し作業が容易に出来るが、収縮、粘着があ
る。 1…切り返し作業が出来ない。
【0111】(5)表面状態 5…サンプルの表面(ロール面)がほぼ鏡面状に転写さ
れている。 4…サンプルの表面が平滑、均一である。 3…サンプルの表面が平滑であるものの、不均一であ
る。 2…サンプルの表面に僅かに凹凸がある。 1…サンプルの表面が凹凸している。
【0112】以下の実施例及び比較例で用いたプロピレ
ン系組成物は、下記の製造方法により得た。
【0113】実施例1 (1)遷移金属化合物触媒成分の調製 撹拌機付きステンレス製反応器中において、デカン0.
3リットル、無水塩化マグネシウム48g、オルトチタ
ン酸−n−ブチル170gおよび2−エチル−1−ヘキ
サノール195gを混合し、撹拌しながら130℃に1
時間加熱反応を行って均一な溶液とした。この均一溶液
を70℃に加温し、攪拌しながらフタル酸ジ−i−ブチ
ル18gを加えて1時間経過後、四塩化ケイ素520g
を加え、更に2.5時間加熱・攪拌した。反応終了後、
反応液から固体を分離し、ヘキサンで洗浄して、固体生
成物を得た。
【0114】2−ジクロルエタン1.5リットルに溶解
した四塩化チタン1.5リットル中に上記の固体生成物
の全量を加え、次いでフタル酸ジ−i−ブチル36gを
加え、攪拌しながら100℃で2時間反応させた後、同
温度においてデカンテーションにより液相部を除き、再
び、1,2−ジクロルエタン1.5リットルおよび四塩
化チタン1.5リットルを加え、100℃で2時間攪拌
保持した。反応終了後、反応液から固体を分離し、ヘキ
サンで洗浄し、乾燥して、チタン2.8重量%を含有す
るチタン含有担持型触媒成分(遷移金属化合物触媒成
分)を得た。
【0115】(2)予備活性化触媒の調製 傾斜羽根付きステンレス製反応器(内容積5リットル)
を窒素ガスで置換し、この中にn−ヘキサン2.8リッ
トル、トリエチルアルミニウム(有機金属化合物(AL
1))4ミリモル、および前項で調整したチタン含有担
持型触媒成分9.0g(チタン原子換算で5.26ミリ
モル)を添加した後、プロピレン20gを供給し、−2
℃で10分間反応させて、予備重合処理を行った。別
途、この予備重合処理と同一の条件で行った反応で得ら
れたポリマーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成
分1g当たり、1.8gのポリプロピレン(D)が生成
し、このポリプロピレン(D)の135℃の極限粘度
[ηD]は2.7dl/gであった。
【0116】反応終了後、未反応のプロピレンを反応器
外に放出し、反応器の気相部を窒素ガスで1回置換した
後、反応器内の温度を−1℃に保持しながら、反応器内
の圧力を0.59MPaに維持するようにエチレンを連
続的に2時間供給して、予備活性化を行った。別途、こ
の予備活性化と同一の条件で行った反応で得られたポリ
マーを分析した結果、チタン含有担持型触媒成分1g当
たり24.0gのポリマーが存在し、このポリマーの極
限粘度[ηT1]は31.4dl/gであった。
【0117】これらの結果から、予備活性化重合で生成
したポリエチレンの量は、チタン含有担持型触媒成分1
g当たり22.2gであり、その極限粘度[ηA]は3
3.7dl/gであると算出された。
【0118】反応終了後、未反応のエチレンを反応器外
に放出し、反応器の気相部を窒素ガスで1回置換した
後、反応器内にジイソプロピルジメトキシシラン(電子
供与体(E1))1.6ミリモルを加え、プロピレン2
0gを供給し、1℃で10分間反応させて、付加重合処
理を行った。別途、この付加重合処理と同一の条件で行
った反応で得られたポリマーを分析した結果、チタン含
有担持型触媒成分1g当たり25.9gのポリマーが存
在し、このポリマーの極限粘度[ηT2]は29.3dl/
gであった。これらの結果から、付加重合処理により生
成したポリプロピレン(B)の量は、チタン含有担持型
触媒成分1g当たり1.9gであり、極限粘度[ηB
は2.8dl/gであると算出された。
【0119】反応終了後、未反応のプロピレンを反応器
外に放出し、反応器の気相部を窒素ガスで1回置換した
後、ヘキサンを加えて本(共)重合用の予備活性化触媒
スラリーとした。
【0120】(3)ポリプロピレン系組成物の製造 (a)成分のポリプロピレンの調製 第1重合工程 撹拌羽根を有する横型重合器(L/D=6、内容積10
0l)に、上記予備活性化したチタン含有固体触媒成分
を0.5g/h、有機アルミニウム化合物としてトリエ
チルアルミニウム、及び有機ケイ素化合物としてジイソ
プロピルジメトキシシランを連続的に供給した。撹拌速
度40rpm、反応温度70℃の下で、反応圧力2.5
MPaの条件を維持するようにプロピレンを連続供給し
た。同時に、水素ガスを連続的に供給し、反応器の気相
中の水素濃度により生成するポリマーの分子量(極限粘
度)を制御した。ここで得られるポリマーは、(b)成
分のポリプロピレンがブロック共重合体である場合の、
結晶性ポリプロピレン部分に相当する。
【0121】反応中は、重合器中の粉体の保有レベルが
重合器の50容量%となるように、重合器から重合体を
連続的に抜き出し、これを第2重合工程の重合器に供給
した。この際、重合体の一部を間欠的に取り出して、極
限粘度等を測定するための試料とした。
【0122】第2重合工程 攪拌羽根を有する横型重合器10(L/D=6、内容積
100l)に、第1重合工程から抜き出した重合体プロ
ピレンホモポリマー成分を連続的に供給し、さらに、攪
拌温度40rpm、温度60℃の条件下、圧力2.1M
Paを保つように、エチレン−プロピレン混合モノマー
を連続的に供給した。ここで得られるポリマーは、
(a)成分のポリプロピレンがブロック共重合体である
場合の、プロピレン−α・オレフィンランダム共重合体
部分に相当する。
【0123】混合ガス中のエチレン/プロピレンのモル
比により共重合体成分中のエチレン重合単位含有量を調
整した。同時に、重合活性抑制剤である一酸化炭素を供
給して、共重合体成分の重合量を調整し、また水素を供
給して、共重合体成分の分子量を調整した。反応熱は、
原料液状プロピレンの気化熱で除去した。重合器から排
出される未反応ガスは、反応器系外で冷却、凝縮させて
重合工程に還流させた。共重合工程で生成されたエチレ
ン−プロピレンブロック共重合体は、重合体の保有レベ
ルが反応容積の50容量%となるように、重合器から抜
き出した。
【0124】エチレン−プロピレンブロック共重合体の
生産速度は8〜12kg/hrであった。抜き出したエ
チレン−プロピレンブロック共重合体は、モノマーを除
去してから、極限粘度及び赤外線吸収スペクトル法によ
る共重合体成分中のエチレン測定に供した。
【0125】得られたポリマーは、予備活性化処理によ
り生成した(b)成分に該当するポリエチレン(極限粘
度:33.7dl/g)を0.53重量%含有し、
(a)成分に該当するエチレン−プロピレンブロック共
重合体(プロピレン重合単位の含有率:91.3重量
%)の含有率が99.47重量%、であり、MFRは
0.45g/10分、アイソタクチックペンタッド分率
は0.96であった。
【0126】得られたエチレン−プロピレンブロック共
重合体(ポリプロピレン系組成物)のパウダー100重
量部に対して、フェノール系熱安定化剤である2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.05重量部、中和
剤であるステアリン酸カルシウム0.05重量部、およ
び滑剤であるEZ203(亜鉛有機複合体;栄進化成
製、商品名)とHE−105C(マグネシウム、カルシ
ウム、亜鉛有機複合体;栄進化成製、商品名)をそれぞ
れ0.5重量%を高速攪拌機(ヘンシェルミキサー:商
品名)に投入し、2分間攪拌して混合物を得た。つい
で。この混合物を口径40mmの押出機により200℃
で溶融混練して押し出し、ポリプロピレン系組成物のペ
レットを得た。230℃で測定した溶融張力は、9.7
(cN)であった。重合結果、溶融物性結果を表1に示
す。得られたペレットを用い、上述のカレンダー加工性
の評価を実施し、得られた結果を表2に示した。
【0127】比較例1 予備活性化触媒の製造工程において、エチレンによる予
備活性化を行わなかった以外、実施例と同様に重合を行
った。重合結果、溶融物性結果を表1に示す。実施例1
に準拠してカレンダー加工性の評価を実施し、得られた
結果を表2に示した。
【0128】
【表1】
【0129】
【表2】
【0130】実施例1と比較して、(b)成分である高
分子量ポリエチレンを含有しない比較例1では、加工温
度を210℃まで上げることにより、実施例1では19
0℃で達成できた最も低い加工性に、到達することがわ
かる。実施例1および比較例1は、粘着発生温度の上限
は共に220℃であるが、面転写温度の下限は、実施例
1が190℃、比較例1が210℃である。また、比較
例1において、220℃での成形で樹脂劣化が僅かなが
ら認められたことから、高分子量ポリエチレンである
(b)成分の無い従来のポリプロピレンでは、成形加工
温度幅が非常に狭いことになり、カレンダー加工には適
当でないことが分かる。このような性能の差異は、それ
ぞれの樹脂の溶融張力の差異に基づくものと考えられ
る。実施例1で得られた組成物では、溶融張力(MS)
とMFRとの間に好ましい関係が保たれている。
【0131】
【発明の効果】本発明によれば、特定の高分子量ポリエ
チレンである(b)成分を含有することにより、半硬質
ポリ塩化ビニル等の加工にに広く利用されている、低コ
ストで生産性の高いカレンダー加工法を適用できるポリ
プロピレン系組成物であり、該組成物を用いることによ
り、耐熱性に優れ、透明性にも優れたポリプロピレン系
フィルム及びシートが得られる。
【0132】本発明のフィルム及びシートは、ポリ塩化
ビニル製のフィルム及びシートの代替品として有用であ
り、建材、家具及び家電品などの化粧紙や壁紙、各種被
覆材、自動車内装表皮などの各種レザー、並びにケース
などの文具類などの用途に好適に使用できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)成分として、プロピレン単独重合
    体、プロピレン重合単位を50重量%以上含有するプロ
    ピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン
    重合単位を50重量%以上含有するプロピレン−α・オ
    レフィンブロック共重合体もしくはこれらの2種以上の
    混合物であるポリプロピレン100重量部に対して、
    (b)成分として、エチレン単独重合体、エチレン重合
    単位を50重量%以上含有するエチレン−α−オレフィ
    ン共重合体もしくはこれらの2種以上の混合物であるポ
    リエチレンであって、135℃のテトラリンで測定した
    極限粘度[η]が15〜100dl/gの範囲にある高分
    子量ポリエチレンを、0.01〜5.0重量部の割合で
    含有するポリプロピレン系組成物。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系組成物が、メルトフ
    ローレイト(MFR:230℃、21.18N)0.1
    〜10g/10min、溶融張力(MS)と該MFR
    との間に、 Log(MS) >0.44−0.71×Log(MF
    R) で表される関係を有し、かつ、110〜170℃の温
    度範囲に融点を有する組成物である請求項1記載のポリ
    プロピレン系組成物。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系組成物が、30℃以上
    のカレンダー加工時における加工温度幅(Δt)を有す
    る組成物である請求項1もしくは請求項2記載のポリプ
    ロピレン系組成物。
  4. 【請求項4】(a)成分の、プロピレン−α・オレフィ
    ンブロック共重合体が、結晶性ポリプロピレン部分とプ
    ロピレン−α・オレフィンランダム共重合体部分とから
    構成され、該結晶性ポリプロピレン部分が、プロピレン
    単独重合体もしくは結晶性ポリプロピレン部分の重量基
    準で90重量%以上のプロピレン重合単位を含有するプ
    ロピレン−α・オレフィンランダム共重合体である請求
    項1記載のポリプロピレン系組成物。
  5. 【請求項5】(a)成分の、プロピレン−α・オレフィ
    ンブロック共重合体が、結晶性ポリプロピレン部分とプ
    ロピレン−α・オレフィンランダム共重合体部分とから
    構成され、該プロピレン−α・オレフィンランダム共重
    合体部分が、ランダム共重合体部分の重量基準で20〜
    65重量%のエチレン重合単位を含有することを特徴と
    する請求項1記載のポリプロピレン系組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリ
    プロピレン系組成物をカレンダー加工して得られるポリ
    プロピレン系フィルムもしくはポリプロピレン系シ−
    ト。
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