JPH0694437B2 - アルキレングリコールモノソルベートの製造法及び保存法 - Google Patents

アルキレングリコールモノソルベートの製造法及び保存法

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JPH0694437B2
JPH0694437B2 JP2033868A JP3386890A JPH0694437B2 JP H0694437 B2 JPH0694437 B2 JP H0694437B2 JP 2033868 A JP2033868 A JP 2033868A JP 3386890 A JP3386890 A JP 3386890A JP H0694437 B2 JPH0694437 B2 JP H0694437B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/52Esters of acyclic unsaturated carboxylic acids having the esterified carboxyl group bound to an acyclic carbon atom
    • C07C69/587Monocarboxylic acid esters having at least two carbon-to-carbon double bonds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/24Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or derivatives thereof with a carbon-to-oxygen ether bond, e.g. acetal, tetrahydrofuran
    • C07C67/26Preparation of carboxylic acid esters by reacting carboxylic acids or derivatives thereof with a carbon-to-oxygen ether bond, e.g. acetal, tetrahydrofuran with an oxirane ring

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アルキレングリコールモノソルベートの製造
法及び保存法に関するものである。
更に詳しくは、酸化エチレン、酸化プロピレン、及び酸
化ブチレン等の酸化アルキレンとソルビン酸から、ヒド
ロキシエチルソルベート、ヒドロキシプロピルソルベー
ト、及びヒドロキシブチルソルベート等のアルキレング
リコールモノソルベートを製造する方法と、それを保存
する方法に関するものである。
(従来の技術) アルキレングリコールモノソルベートは、共役二重結合
二個を持つ構造から、機能性モノマーとして最近各方面
への用途が期待されるが、その製造法については僅かに
次の様な方法が開示されているに過ぎず、又、保存方法
については開示された例は見当たらない。
製造法については、ソルビン酸クロライドとアルキレン
ジオールを反応させて製造する方法が紹介され(Zh.Pri
ki.Khim,(Leningrad)46(5)1099〜1103(1973),Eu
r.J.Med.Chem.Ther.18(5)441〜445(1983))、また
特開昭60-252448号ではアシル化剤を用いてソルビン酸
とブタンジオールよりブタンジオールモノエステルを合
成する方法が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 従来の製造法において、ソルビン酸クロライドとアルキ
レンジオールよりアルキレングリコールモノソルベート
を製造する方法では、ソルビン酸クロライドを原料に使
用する為、反応時の塩化水素発生の問題や、複雑な後処
理の問題、更に単離収率が低い等の問題点や欠点を有し
ており、工業的に有利な方法とは言えない。又、ソルビ
ン酸とブタンジオールより製造する方法においては、高
価なアシル化剤を必要とする上に、単離収率が低いとい
う欠点を有している為、この方法も工業的に有利な方法
とは言えない。
本発明は、以上の様な問題点を解決し、工業的に有利な
アルキレングリコールモノソルベートの製造法及びその
保存法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、常圧の沸点が150℃以下の水に不溶又は難溶
でアルキレングリコールモノソルベートに対して不活性
な溶剤(以下、溶剤と略記)と、有機酸鉄及びハロゲン
化鉄の内の少なくとも1種からなる触媒(以下、鉄触媒
と略記)、並びにフェノチアジン類及びアルキルフェノ
ール類の内少なくとも1種が存在する系で、ソルビン酸
と炭素数2〜4の酸化アルキレンの反応よりアルキレン
グリコールモノソルベートを合成し、得られた合成液を
ナトリウム又はカリウムの炭酸塩若しくは重炭酸塩(以
下、(重)炭酸塩と略記)の水溶液で洗浄し、触媒や未
反応ソルビン酸を分離した後、蒸留によって精製するこ
とを特徴とするアルキレングリコールモノソルベートの
製造法である。
即ち、溶剤と鉄触媒、並びにフェノチアジン類及びアル
キルフェノール類の内少なくとも1種の存在下に、常圧
又は加圧下で、ソルビン酸と炭素数2〜4の酸化アルキ
レンよりアルキレングリコールモノソルベートを合成す
る工程(以下、合成工程と略記)、その合成液を(重)
炭酸塩の水溶液で洗浄して触媒や未反応ソルビン酸を水
酸化鉄とソルビン酸塩として分離する工程(以下、洗浄
工程と略記)、及び洗浄した合成液を蒸留し低沸物とし
て溶媒を回収し、着色した高沸物を分離する精製工程
(以下、蒸留工程と略記)からなるアルキレングリコー
ルモノソルベートの製造法、及びアルキレングリコール
モノソルベートにフェノチアジン類及びアルキルフェノ
ール類の内の少なくとも1種を添加し、不活性ガスで酸
素を追出し密閉収納する方法(以下、安定化方法と略
記)を要旨とする。
以下、本発明の製造法について各工程・方法毎に、詳細
に説明する。
(合成工程) 合成工程では、酸化アルキレンとソルビン酸よりアルキ
レングリコールモノソルベートを合成する。ソルビン酸
を、溶剤に溶解または部分溶解又は分散させる事によっ
て、ソルビン酸と酸化アルキレンとの反応を容易にす
る。溶剤は又、この反応で生成したアルキレングリコー
ルモノソルベートを希釈して、液の移動や、次の洗浄工
程の操作を容易にする。又、溶剤を使用すればフェノチ
アジン類若しくはアルキルフェノール類を溶解し、その
効果を発揮させることができる。使用する溶剤は、水に
不溶又は難溶で、常圧沸点が150℃以下でアルキレング
リコールモノソルベートと沸点差が大きく、又、アルキ
レングリコールモノソルベートに対して不活性である溶
剤であり、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素やクロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラ
クロロエチレン等のハロゲン化炭化水素等が好適であ
る。尚、脂肪族炭化水素や脂環式系炭化水素は、単独で
は使用しにくいが、前記の芳香族炭化水素やハロゲン化
炭化水素と混合すれば使用可能である。
溶剤の使用量は、ソルビン酸1重量部に対して0.5〜5
重量部がよく、更には0.8〜4重量部程度が好ましい。
0.5重量部未満の場合は、ソルビン酸と酸化アルキレン
の反応に支障が生じ、5重量部より多く使用しても溶剤
使用の効果は向上しない。この溶剤は、通常、蒸留工程
で回収され循環して使用できる。
合成触媒には、鉄塩が有効で、アルミニウムや亜鉛等の
塩は殆ど触媒効果はない。無機酸鉄塩としてはハロゲン
化鉄が有効で、その他の硫酸鉄や燐酸鉄は全く触媒効果
がない。又、有機酸鉄としては、ソルビン酸鉄、安息香
酸鉄、クロトン酸鉄、二エチル酪酸鉄その他が触媒とし
て使用できる。
鉄触媒の中でも、ソルビン酸鉄が最も有効な触媒であ
る。ソルビン酸鉄以外の有機酸鉄を使用すると、ソルビ
ン酸以外の有機酸が混入し、アルキレングリコールモノ
ソルベートの純度を低下させる場合があり、又、ハロゲ
ン化鉄を使用した場合は、アルキレンハロヒドリンが副
生して溶剤中に蓄積し、溶剤の精製が必要になる問題が
生じる。
鉄触媒の使用量はソルビン酸1重量部に対して0.005〜
0.1重量部、好ましくは0.01〜0.05重量部である。鉄触
媒の使用量が多すぎても、ソルビン酸と酸化アルキレン
の反応には何等支障は無いが、触媒量の増加に伴って
(重)炭酸塩の消費量が増加する為、好ましくない。
又、0.005重量部未満では反応速度に影響する為、好ま
しくない。
触媒や、溶剤、ソルビン酸に水が多いと、酸化アルキレ
ンがグリコールとして損失する為、乾燥する必要がある
が、溶剤との共沸蒸留で容易に脱水出来るので特に問題
はない。この事は、ソルビン酸製造工程から抜出した安
価な含水ソルビン酸や、安価な含水の水酸化鉄、又、含
水の回収触媒を使用出来る事であり非常に有利である。
ソルビン酸やアルキレングリコールモノソルベートは、
酸素や熱等で重合しやすい物性であり、合成や蒸留の様
な高温になる工程で高沸物が生成し、単離収率を低下さ
せる為、酸化防止剤若しくは重合防止剤を添加する必要
がある。
酸化防止剤若しくは重合防止剤として効果のある添加剤
は、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−イ
ソプロピリデンビスフェノール、o−又はm−t−ブチ
ル−p−メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル、ハイドロキノン、没食子酸プロピル等のア
ルキルフェノール類やフェノチアジン、3,7−ジ−t−
オクチルフェノチアジン、ビス−α−メチルベンジルフ
ェノチアジン、2−又は4−メトキシフェノチアジン、
10−(2−ヒドロキシプロピル)フェノチアジン等のフ
ェノチアジン類が有効である。
これらの添加剤を単独若しくは混合して添加すれば、有
効にその効果を発揮し、アルキレングリコールモノソル
ベートを高収率で製造することが出来る。ソルビン酸と
酸化アルキレンは、回分方式や、連続方式等、任意な方
法で反応させることが出来る。
回分方式の場合、反応容器に、触媒、酸化防止剤若しく
は重合防止剤及びソルビン酸と溶剤を仕込んで撹拌し、
不活性ガスを吹き込んで不活性ガス雰囲気中で昇温す
る。そして温度が45〜95℃、好ましくは50〜90℃におい
て、酸化アルキレンを液状又はガス状で供給して反応さ
せ、アルキレングリコールモノソルベートを合成する。
酸化アルキレンはソルビン酸に対して等モル以上の量が
必要であり、通常はソルビン酸の1.01〜1.2倍モル程度
が適当である。
合成時の圧力は、通常、常圧で実施して何等支障はない
が、沸点の低い酸化エチレンを使用する場合は、冷却コ
ンデンサーによる捕集が不完全になる場合がある為、若
干加圧系で合成する方が有利になる場合が多い。
(洗浄工程) 合成液をそのまま蒸留によって精製すると、触媒が伝熱
面を汚染し長期運転が出来なくなる問題や、又、蒸留に
よって得られたアルキレングリコールモノソルベートの
保存安定性が悪くなる問題が生ずる事が分かったので、
この問題を解決する為に、反応液をナトリウムやカリウ
ムの(重)炭酸塩でpHが7以上になる様に撹拌洗浄し、
水層を二層分離や遠心分離、更に濾過等で分離除去した
後、蒸留を行う。
(重)炭酸塩の代わりに、水酸化ナトリウムや水酸化カ
リウムを用いると、加水分解し単離収率が低下する為、
好ましくない。(重)炭酸塩の代わりに、クエン酸塩や
EDTA塩等も使用できるが、(重)炭酸塩と比較して高価
であり、工業的には、有利な方法ではない。また、燐酸
も触媒の除去には使用できるが、未反応ソルビン酸が存
在した場合に、これが油層に残って除去できない問題が
生ずる為、好ましくない。
使用する(重)炭酸塩水溶液の濃度は、通常3〜10重量
%程度で使用する。又、(重)炭酸塩水溶液は、ナトリ
ウムやカリウムの鉱酸塩を含有していても、何ら支障は
生じない。むしろ含有している方が比重が大きくなり、
洗浄後の分離が容易になる等の好都合な面が生じる場合
が多い。
洗浄した水層は、水酸化鉄の沈澱とソルビン酸のナトリ
ウム若しくはカリウム塩の水溶液として分離されるの
で、硫酸もしくは塩酸を用いてソルビン酸鉄として再生
し、触媒に再度使用することが可能である。再生方法と
しては種々考えられるが、通常は水酸化鉄の沈澱を、塩
酸若しくは硫酸で溶解し、同時に分離除去したソルビン
酸のナトリウム塩又はカリウム塩と混合してソルビン酸
鉄とし、濾別して循環使用する。
又、濾別時に発生する排水も(重)炭酸塩の溶解水とし
て循環使用出来るので排水量は少量となり、特に鉱酸塩
のナトリウム塩若しくはカリウム塩を含有して比重が高
くなっている為、中和洗浄後の分離が容易になる効果も
ある。
(蒸留工程) 洗浄工程を経た合成液は、若干の水を含有している為、
最初の蒸留で脱水と同時に溶剤の回収を行った後、次の
蒸留で高沸物を除去し高品質のアルキレングリコールモ
ノソルベートを製造する。蒸留する場合は減圧蒸留が好
ましく、特に低沸の溶剤を回収した後は、可能な限りの
高真空の下で低温でアルキレングリコールモノソルベー
トを蒸留する事が好ましい。又、蒸留の滞留時間は短い
程好ましい為、蒸留器は、低沸物カット用の蒸留器と高
沸物カット用の蒸留器を具備した減圧連続蒸留装置が好
適である。
蒸留工程を経た低沸点の溶剤は、水を分離して循環使用
され、高沸物は系外へ排出される。そして、アルキレン
グリコールモノソルベートは、単離収率90%以上で得ら
れ、純度も99%以上の高品質である。
(安定化方法) この工程では、重合しやすいアルキレングリコールモノ
ソルベートを変質させることなく安定に保存するため、
酸素を遮断し、酸化防止剤若しくは重合防止剤を添加す
る。
保存方法は、アルキレングリコールモノソルベートを密
閉可能な容器に入れ、不活性ガスで溶存する酸素及び気
相中の酸素を追い出し、かつ、酸化防止剤若しくは重合
防止剤を添加して溶解させ、その後、密閉する。これら
添加剤は予めアルキレングリコールモノソルベートに高
濃度に溶解して、添加してもよい。不活性ガスとして
は、窒素、アルゴンを使用することができる。
酸化防止剤若しくは重合防止剤として効果のある添加剤
は、前記の合成工程で使用するアルキルフェノール類や
フェノチアジン類が効果があり、これらを、アルキレン
グリコールモノソルベートに対してアルキルフェノール
類は、400〜2000ppm、又、フェノチアジン類は50〜300p
pmを1種又は併用して添加すれば、変質させることなく
保存出来る。
(実施例) 以下に実施例で本発明を具体的に説明する。
実施例1 ソルビン酸45.0kg(純度99.6%)、キシレン45.0kg、ソ
ルビン酸鉄1.5kg及びフェノチアジン0.004kgを撹拌機と
冷却コンデンサーを具備したジャケット付き合成用反応
器に仕込み、窒素ガスを吹き込んで酸素を追い出した
後、撹拌しながら温度75℃に昇温し、液状の酸化プロピ
レンを160ml/分の速度で24.4kg供給した。
この合成液を撹拌しながら45℃迄冷却して分析すると、
仕込みソルビン酸の反応率は99.6%であった。この反応
液に、塩化ナトリウム約10%、炭酸ナトリウム7%を含
有する水溶液50lを投入し30分撹拌後、静置して水酸化
鉄の沈澱を含有する水層と、キシレン層に分離した。
次に、キシレン層をフィルターに通して、微量の分散し
ている固形物を分離しながら、真空度30mmHgabs、温度8
0℃に設定した薄膜蒸留器に連続で供給して溶剤を回収
した。更に次の真空度1.0mmHgabs、温度120℃に設定し
た薄膜蒸留器に供給し、純度99%以上、色相(APHA)20
以下、20℃の粘度60cp(10未満四捨五入)の精製された
プロピレングリコールモノソルベート(2−ヒドロキシ
プロピルソルベートと2−ヒドロキシ−1−メチルエチ
ルソルベートとの混合物)64.3kgを得た。
仕込みソルビン酸から計算したプロピレングリコールモ
ノソルベートの単離収率は94%であった。この精製され
たプロピレングリコールモノソルベートを、20lのケミ
ドラム4個に、15kgずつ充填し、その中の2個に2,6−
ジ−t−ブチル−p−クゾール6.0g(400ppm)及びフェ
ノチアジン0.75g(50ppm)をそれぞれに添加した後、撹
拌しながら窒素ガスを20分間吹き込み、更にアルゴンを
20秒間吹き込んで密閉した。このケミドラムを、温度40
℃の恒温室に4カ月間保存後、開封して分析及び観察を
行ったところ、2ドラム共、純度、色相、及び粘度に何
等変化はなく良好に保存されていた。
比較例1 実施例1で製造したケミドラムに充填したプロピレング
リコールモノソルベートの中の1ドラムについて、不活
性ガス処理を行わない他は、実施例1と同じ条件で保存
して分析及び観察を行った結果、色相は殆ど変化はなか
ったが、純度は、90%以下に低下し、粘度(20℃)は約
600cpに上昇していた。
又、残りの1ドラムは、不活性ガス処理は実施したが、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールとフェノチアジ
ンを添加せず保存した結果、粘度は約8000cpに上昇して
いた。
比較例2 合成時にフェノチアジンを添加しなかった他は、実施例
1と同じ方法で製造した結果、プロピレングリコールモ
ノソルベートの収率が88%(60.1kg)に低下した。
実施例2 触媒のソルビン酸鉄を塩化鉄0.65kgに変更した他は、実
施例1と同じ方法で製造し、純度99%以上、色相(APH
A)20以下、粘度(20℃)60cpのプロピレングリコール
モノソルベート(2−ヒドロキシプロピルソルベートと
2−ヒドロキシ−1−メチルエチルソルベートとの混合
物)61.8kgを得た。
仕込みソルビン酸から計算した収率は、91%であった。
このプロピレングリコールモノソルベートを4ドラムに
各々15kgずつ充填し、2ドラムについて実施例1と同じ
方法で保存すると、2ドラム共、3カ月間何等変質させ
ることなく保存出来た。
又、残りの2ドラム(各15kg)の1個に2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール15g(1000ppm)、及び他の1個
にフェノチアジン1.5g(100ppm)を添加し、実施例1と
同じ方法で不活性ガス処理を行って密閉し、40℃で保存
した結果、3カ月間何等変質させることなく保存出来
た。
実施例3 実施例1と2における合成液の炭酸ソーダ水溶液洗浄で
分離した水酸化鉄とソルビン酸ソーダを含有する洗浄水
の双方を混合したものを、濾過によって水酸化鉄の沈澱
と濾液に分離した。沈澱物として濃度38%の含水水酸化
鉄が得られたので、この1.4kgとキシレン5kg、ソルビン
酸2kgを触媒製造用反応器に仕込んで、60℃に加熱撹拌
後、減圧蒸溜で脱水し、ソルビン酸鉄となした。
この水酸化鉄から製造した該ソルビン酸鉄と該ソルビン
酸鉄製造に使用し、反応に寄与しなかった残余の0.7kg
のソルビン酸を仕込んだ以外は、実施例1と同じ方法で
製造し、プロピレングリコールモノソルベート63.3kgを
得た。
このプロピレングリコールモノソルベートを実施例1と
同じ方法で充填し保存すると、4カ月以上何等変質させ
る事なく保存できた。
実施例4 実施例3における合成液の炭酸ソーダ水溶液洗浄で分離
した、水酸化鉄とソルビン酸ソーダを含有する洗浄水を
固液分離し、固層の水酸化鉄沈澱を塩酸で溶解した後、
液層のソルビン酸ソーダを含有する濾液と混合撹拌し、
pHを約7付近に調整して、沈澱状のソルビン酸鉄を製造
し、セントルで濾過した。得られた含水のソルビン酸鉄
を分析すると純度41%であったので、その4.0kgを取っ
て、合成用反応器に仕込んだ。
次に、含水で純度89%のソルビン酸50.5kgと薄膜蒸留で
回収したトルエン50kgを合成用反応器に仕込み、温度を
92℃に設定して加熱、撹拌しながら、脱水し、水が留出
しなくなったのを確認後、温度を80℃に設定しなおし
て、液状の酸化プロピレンを180ml/分の速度で24.5kg供
給して、プロピレングリコールモノソルベート(2−ヒ
ドロキシプロピルソルベートと2−ヒドロキシ−1−メ
チルエチルソルベートとの混合物)を合成した。
この合成液を、ソルビン酸鉄を製造する場合に発生した
濾液50lに、炭酸ソーダ3.5kgを溶解した溶液で洗浄し、
触媒のソルビン酸鉄等を分離した。
次に、トルエン層をフィルターを通して、薄膜の減圧蒸
留器に2塔に連続で供給し、1塔目でトルエンを回収
し、2塔目でプロピレングリコールモノソルベート64.9
kgを得た。得られたプロピレングリコールモノソルベー
ト(2−ヒドロキシプロピルソルベートと2−ヒドロキ
シ−1−メチルエチルソルベートとの混合物)は純度99
%以上、色相(APHA)20以下、粘度(25℃)60cpであ
り、何ら問題のない高品質であった。
この、プロピレングリコールモノソルベートを20lのケ
ミドラム3個に各々20kgずつ充填した後、2,6−ジ−t
−ブチル−p−クレゾール10g(500ppm)とフェノチア
ジン2g(100ppm)を添加し窒素を吹き込みながら30分間
撹拌した。
更に、アルゴンを吹き込んで窒素を追出した後、密閉し
て室内に保存すると、いずれも1年間何ら変質させるこ
となく保存出来た。
比較例3 炭酸ソーダ水溶液洗浄を行わない以外は、実施例4と同
じ方法で製造し、プロピレングリコールモノソルベート
59.4kgを得た。
蒸留後半に、伝熱面が汚れ、プロピレングリコールモノ
ソルベートが若干高沸物側にロスする傾向が見られた
が、得られたプロピレングリコールモノソルベートは純
度99%以上、色相(APHA)25、粘度(25℃)60cpであ
り、見掛け上、実施例3で得られたものと大差はなかっ
た。しかし、実施例4と同じ方法で充填し保存すると、
純度が92%に低下し、粘度も1200cpに上昇していた。
実施例5 酸化プロピレンの代わりに1,2−酸化ブチレンを30.4kg
供給し合成温度を90℃に変更した以外は、実施例1と同
じ方法で合成し、炭酸ソーダ水溶液洗浄を行った後、実
施例1により薄膜蒸溜温度を10℃上げて蒸留精製を行
い、純度99%以上、色相(APHA)20以下、粘度(20℃)
70cpである1,2−ブタンジオールモノソルベート(2−
ヒドロキシブチルソルベートと2−ヒドロキシ−1−エ
チルエチルソルベートとの混合物)69.9kgを得た(収率
93%)。この1,2−ブタンジオールモノソルベートを20l
のケミドラム3個に20kgずつ充填した後、実施例1と同
じ条件で不活性ガス処理、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クゾールとフェノチアジンの添加、及び密閉を行い、40
℃で保存した結果、4カ月間全く異常は認められなかっ
た。
実施例6 1,2−酸化ブチレンの代わりに、2,3−酸化ブチレンに変
更した以外は実施例5と同じ方法で、純度99%以上、色
相(APHA)20以下、粘度(20℃)70cpであるブチレング
リコールモノソルベート(2−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルエチルソルベートと2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロピルソルベートとの混合物)を製造し、69.2kgを得た
(収率94%)。20lのケミドラム4個に得られたソルベ
ートを各15kg充填し、不活性ガス処理とフェノチアジン
の1.5kg添加を行い、室温で密閉保存した結果、6カ月
間全く異常は認められなかった。
(発明の効果) 以上の様に本発明の方法によれば、アルキレングリコー
ルモノソルベートを容易に、高収率で、しかも安価に製
造することが可能であり、他方、得られるアルキレング
リコールモノソルベートは、長時間保存しても安定であ
り、十分流通に耐えられる製品が得られる。
従って、本発明の方法は工業的な製造法及び保存法とし
て極めて優れたものであると言える。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常圧の沸点が150℃以下で水に不溶又は難
    溶でアルキレングリコールモノソルベートに対して不活
    性な溶剤(以下「溶剤」という)と、有機酸鉄およびハ
    ロゲン化鉄の内少なくとも1種からなる触媒、及びフェ
    ノチアジン類及びアルキルフェノール類の内少なくとも
    1種が存在する系で、ソルビン酸と炭素数2〜4の酸化
    アルキレンを反応させてアルキレングリコールモノソル
    ベートを合成し、得られた合成液をナトリウム又はカリ
    ウムの炭酸塩若しくは重炭酸塩の水溶液で洗浄した後、
    蒸留によって精製することを特徴とするアルキレングリ
    コールモノソルベートの製造法。
  2. 【請求項2】前記触媒がソルビン酸鉄である請求項1記
    載の製造法。
  3. 【請求項3】前記触媒が、溶剤とソルビン酸及び水酸化
    鉄を水の存在下で撹拌、混合、脱水して得られる請求項
    2記載の製造法。
  4. 【請求項4】ナトリウム又はカリウムの炭酸塩若しくは
    重炭酸塩の水溶液による洗浄で分離した水酸化鉄とソル
    ビン酸塩を含有する溶液及び硫酸若しくは塩酸を用いて
    ソルビン酸鉄を合成し、触媒として循環使用することを
    特徴とする請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】アルキレングリコールモノソルベートに対
    して、アルキルフェノール類及びフェノチアジン類の内
    少なくとも1種を添加すると共に、不活性ガスで酸素を
    追出して、密閉収納することを特徴とするアルキレング
    リコールモノソルベートの保存法。
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