JP2000327627A - ソルビン酸又はその塩の製造法 - Google Patents

ソルビン酸又はその塩の製造法

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JP2000327627A
JP2000327627A JP11137750A JP13775099A JP2000327627A JP 2000327627 A JP2000327627 A JP 2000327627A JP 11137750 A JP11137750 A JP 11137750A JP 13775099 A JP13775099 A JP 13775099A JP 2000327627 A JP2000327627 A JP 2000327627A
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Mitsuhiro Kono
充宏 河野
Noboru Kamei
登 亀井
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソルビン酸又はその塩の精製工程において新
たな着色原因物質が生成するのを防止し、着色度が小さ
くしかも色相の経時的劣化の小さいソルビン酸又はその
塩を得る。 【解決手段】 ソルビン酸又はその塩の製造法は、ソル
ビン酸又はその塩を含むスラリー又は溶液に接する気相
部の酸素濃度を4容量%以下に保った状態で、ソルビン
酸又はその塩を含むスラリー又は溶液を保持する工程を
含む。この工程において、ソルビン酸又はその塩を含む
スラリー又は溶液を収容する槽及び/又はこの槽に隣接
する管路の気相部分に不活性ガスを導入しつつ気相部の
酸素濃度を4容量%以下に保持してもよい。不活性ガス
には窒素などが含まれる。気相部の酸素濃度は、好まし
くは1容量%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品添加物などとし
て有用なソルビン酸又はその塩の製造法、より詳細に
は、着色度が小さく色相の経時的劣化の小さいソルビン
酸又はその塩の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソルビン酸又はその塩の製造方法として
は様々な方法が知られているが、クロトンアルデヒドと
ケテンとを重合反応させて中間体であるポリエステルを
生成させ、次いでこのポリエステルを分解してソルビン
酸を得る経路が工業的には重要である。前記ポリエステ
ルの分解法として、塩酸分解法、アルカリ分解法及び熱
分解法がある。こうして得られる粗ソルビン酸には、程
度の差はあれ、種々の着色物質、タール状物質その他の
不純物が存在するため、精製工程に付される。
【0003】ソルビン酸又はその塩の精製法としては、
活性炭処理法、水又は水と有機溶媒の混合溶液による再
結晶法、石油に溶解して蒸留精製する方法などが知られ
ている。例えば、特開昭54−163516号公報に
は、ケテンとクロトンアルデヒドより得られるポリエス
テルを尿素化合物などの存在下で塩酸により分解し、得
られた分解反応混合物を濾別、洗浄して粗ソルビン酸を
得、該粗ソルビン酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えて
ソルビン酸ナトリウム水溶液とし、活性炭処理した後、
中和し冷却してソルビン酸を晶析させる方法が開示され
ている。
【0004】特公昭44−26646号公報には、クロ
トンアルデヒドとケテンとの反応により得られるポリエ
ステルを、濃度35重量%以上の塩酸を用い且つ常温以
上使用塩酸の沸点付近までの温度条件下で分解し、得ら
れた反応混合物を冷却し、濾過して粗ソルビン酸を分離
し、さらに水で洗浄した後、水中に投じて加熱溶解し、
これに活性炭を加えて煮沸、熱時濾過し、その濾液を徐
冷して結晶ソルビン酸を得る方法が開示されている。
【0005】また、特公平6−27097号公報には、
ソルビン酸製造工程で生じる水及び/又は溶剤の混入し
たソルビン酸湿ケーキを不活性ガス下で保存して系内の
酸素濃度を好ましくは10容量部以下に保つことによ
り、ソルビン酸の変質を防止する方法が開示されてい
る。
【0006】しかしながら、このように精製して得られ
たソルビン酸やソルビン酸アルカリ塩も、乾燥前には、
水溶液である場合も含め、外観上の変質が見られないに
もかかわらず、乾燥後、新たな不純物の生成により着色
し、著しく商品価値が低下する傾向がある。なお、上記
公報のようにソルビン酸の湿ケーキを不活性ガス下で保
存したとしても、それ以前に着色原因物質が生じていれ
ば、乾燥後の保存時に経時的に着色度が増大するため、
所望の効果が得られない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ソルビン酸又はその塩の精製工程において新たな着
色原因物質が生成するのを防止し、着色度が小さくしか
も色相の経時的劣化の小さいソルビン酸又はその塩の製
造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、ソルビン酸又はそ
の塩の製造工程において、ソルビン酸又はその塩をスラ
リー又は溶液の状態で放置しておくと、その後分離して
得たソルビン酸又はその塩の色相が経時的に悪化するこ
と、及びソルビン酸又はその塩のスラリー又は溶液を酸
素濃度が一定値以下の雰囲気下で保管すると、前記ソル
ビン酸又はその塩の色相の経時的な悪化を防止できるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、ソルビン酸又はその
塩を含むスラリー又は溶液に接する気相部の酸素濃度を
4容量%以下に保った状態で、ソルビン酸又はその塩を
含むスラリー又は溶液を保持する工程を含むソルビン酸
又はその塩の製造法を提供する。
【0010】この製造法において、ソルビン酸又はその
塩を含むスラリー又は溶液を収容する槽及び/又はこの
槽に隣接する管路の気相部分に不活性ガスを導入しつつ
気相部の酸素濃度を4容量%以下に保持してもよい。不
活性ガスには、例えば窒素が含まれる。前記気相部の酸
素濃度は1容量%以下であるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、ソルビン酸又は
その塩を含むスラリー又は溶液としては、特に限定され
ず、何れの方法により得られたものであってもよい。例
えば、該スラリー又は溶液として、ケテンとクロトンア
ルデヒドより得られるポリエステルを分解することによ
り生成したソルビン酸の精製工程、又はこのソルビン酸
にアルカリを反応させて得られるソルビン酸アルカリ塩
の精製工程の各段階にあるスラリー又は溶液(特に水性
のスラリー又は溶液)等が挙げられる。
【0012】前記ケテンとクロトンアルデヒドとの反応
は、一般に、触媒の存在下、無溶媒又は反応に不活性な
溶媒中で行われる。前記触媒としては、例えば、マンガ
ン、コバルト、ニッケル、亜鉛、カドミウムなどの遷移
金属の単体又は化合物(酸化物;酢酸塩、イソ酪酸塩、
イソ吉草酸塩などの有機酸塩;硫酸塩、硝酸塩などの無
機酸塩;塩化物などのハロゲン化物;アセチルアセトン
錯塩などの錯塩又は錯体等);ピリジン、ピコリンなど
の含窒素塩基性化合物などが例示できる。これらの触媒
は単独で又は2以上を組み合わせて使用できる。触媒の
使用量は、触媒の種類によっても異なるが、通常、ケテ
ンに対して0.1〜10重量%程度である。ケテンとク
ロトンアルデヒドとを反応させる際の反応温度は、例え
ば20〜100℃程度である.
【0013】ケテンとクロトンアルデヒドとを反応させ
て得られるポリエステルを含む反応混合物は、通常、蒸
留に付され、未反応クロトンアルデヒドや低沸点不純物
を留去した後、分解反応に供される。ポリエステルの分
解は、酸又はアルカリによる加水分解及び熱分解の何れ
であってもよいが、収率などの点から、鉱酸、特に塩酸
を用いた加水分解が好ましい。ポリエステルを加水分解
する際の反応温度は、例えば10〜110℃程度であ
る。反応温度が低すぎる場合には反応効率が低下しやす
く、高すぎる場合にはタール状物質等の不純物の副生量
が増加しやすい。また、塩酸によりポリエステルを加水
分解する場合の塩酸濃度は、例えば15〜40重量%程
度である。塩酸の濃度が低すぎると反応速度が低下しや
すく、高すぎると取扱性や操作性の点で不利になりやす
い。塩酸の使用量は、塩化水素換算で、例えば、前記ポ
リエステル100重量部に対して、10〜160重量部
程度程度である。
【0014】ポリエステルを分解して得られる反応混合
物には、ソルビン酸又はその塩、反応に用いた触媒のほ
か、反応で副生した着色物質やタール状物質等の不純物
が含まれている。そのため、高品質のソルビン酸又はそ
の塩を得るためには精製工程を必要とする。粗ソルビン
酸の精製法としては、例えば、(i)アルカリ金属塩水
溶液として活性炭処理した後、酸性化して得られたソル
ビン酸スラリーを濾過分離する方法、(ii)熱水に溶解
して活性炭処理した後、冷却し、得られたソルビン酸ス
ラリーを濾過分離する方法、(iii)水又は水と有機溶
媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
など)との混合溶媒により晶析又はさらに再結晶する方
法、(iv)石油に溶解して蒸留する方法、及びこれらの
組み合わせなどが例示される。また、ソルビン酸の塩の
精製法としては、例えば、活性炭処理法などが挙げられ
る。
【0015】本発明の特色は、このようなソルビン酸又
はその塩の製造工程において、ソルビン酸又はその塩を
含むスラリー又は溶液を所定期間その状態のまま保持す
るに際し、該スラリー又は溶液に接する気相部の酸素濃
度を4容量%以下に保つ点にある。
【0016】本発明者らが検討した結果によれば、ソル
ビン酸又はその塩の製造過程において、ソルビン酸又は
その塩がスラリー状態又は溶液状態にあるときは、湿ケ
ーキの状態で存在する場合と比較して、より低濃度の酸
素存在下においても著しい変質を来す。これは、特に精
製完了前のソルビン酸又はその塩のスラリー又は溶液に
あっては、着色物質の前駆体となる不純物が専ら水相に
存在し、これが酸素と反応して容易に変質するためと考
えられる。そして、この変質した不純物は、ソルビン酸
又はその塩との親和性がよいためか、スラリー脱液など
により得られる結晶を水でリンスしても容易に取り除く
ことができず、ソルビン酸又はその塩の結晶に付着して
乾燥工程まで同伴し、熱に曝されることで着色物質にな
ると考えられる。そのため、例えば、上記変質した不純
物を含むソルビン酸をアルカリで中和してソルビン酸ア
ルカリ塩を製造する場合には、中和反応後のソルビン酸
アルカリ塩水溶液の色相が低下すると共に、該水溶液を
濃縮乾燥して得られるソルビン酸アルカリ塩の色価も大
幅に低下し、さらに該ソルビン酸アルカリ塩を大気中で
保存すると色価は経時的により一層悪化することにな
る。
【0017】しかるに本発明によれば、ソルビン酸又は
その塩がスラリー又は溶液状態にあるときの気相部の酸
素濃度を極く低濃度に抑えるので、上記のような水相に
存在する不純物の変質が著しく抑制され、該不純物が水
リンスなどで容易に除去されてソルビン酸等の結晶に同
伴しなくなるためか、精製したソルビン酸又はその塩を
大気中乾燥状態で長期間保存しても、色相の低下が極め
て小さい。例えば、本発明の方法で保管したソルビン酸
スラリーを濾過してソルビン酸湿ケーキを得、この湿ケ
ーキを中和してソルビン酸アルカリ塩を製造すると、得
られるソルビン酸アルカリ塩水溶液の色相、該ソルビン
酸アルカリ塩水溶液を濃縮乾燥して得られるソルビン酸
アルカリ塩の色相、及び該ソルビン酸アルカリ塩を大気
中で長期間保存したときの色相の何れについても、前記
ソルビン酸スラリーを調製後直ちに濾過してソルビン酸
湿ケーキとし、これを中和した場合と比較して、遜色の
ない結果が得られる。
【0018】従って、本発明によれば、ソルビン酸又は
その塩のスラリー又は溶液を調製した後、直ちに次工
程、例えば、濾過工程、活性炭処理工程、酸性化処理工
程などに移行する必要はなく、所望の時に必要量次工程
に移行して処理できるので、生産計画が立てやすく、ソ
ルビン酸又はその塩の生産効率を向上できる。
【0019】前記ソルビン酸又はその塩を含むスラリー
又は溶液に接する気相部の酸素濃度を4容量%以下に保
つ方法としては、該スラリー又は溶液を収容する槽やこ
の槽に隣接する管路の気相部の空気を不活性ガスで単に
置換するだけでもよいが、特にスラリーの場合には送液
を容易にするため攪拌による均一化が行われるのが一般
的であり、大気との接触面が常に更新し、液中に気相部
が巻き込まれやすいので、貯槽や管路の気相部に不活性
ガスを連続的又は間欠的に導入しつつ、酸素濃度を所定
置以下に保持するのが効果的である。
【0020】ソルビン酸又はその塩のスラリー又は溶液
の気相部の酸素濃度は、好ましくは1容量%以下であ
り、さらに好ましくは0.5容量%以下、特に好ましく
は0%、すなわち、完全に不活性ガスでシールされた状
態である。一般に、温度が高いほど変質の度合いは増大
するが、スラリー等が不活性ガスで完全にシールされて
いれば、液温が50℃程度まで上昇しても、得られるソ
ルビン酸又はその塩の色価にはほとんど影響はない。
【0021】使用できる不活性ガスとしては、窒素、二
酸化炭素、アルゴン等が挙げられる。工業的見地から
は、窒素の使用が好ましい。
【0022】なお、上記のように、本発明の方法で保管
したソルビン酸スラリーからは、脱液することで、より
高品質のソルビン酸の湿ケーキが得られるが、該湿ケー
キを水リンスすることにより、変質することなく水溶性
を保持している不純物を容易に取り除くことができる。
また、この脱液及び水リンスの際にも、不活性ガスによ
り系内の酸素濃度を低下させるのが望ましく、該酸素濃
度は0%に近いほどよい。ソルビン酸の湿ケーキを、乾
燥するか、又は必要に応じて晶析、再結晶することによ
り、ソルビン酸を得ることができる。
【0023】また、上記ソルビン酸湿ケーキ等を中和し
てソルビン酸アルカリ塩を製造する場合、用いるアルカ
リとしては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアル
カリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等が挙げられる
が、経時変化の少ないソルビン酸アルカリ塩を得るとい
う観点からカリウムの水酸化物あるいは塩を用いるのが
好ましい。中和反応終了後のソルビン酸アルカリ塩の水
溶液は慣用乃至公知の方法で濃縮、乾燥し、必要に応じ
て造粒される。こうして得られたソルビン酸及びその塩
は、魚肉練り製品、バター、チーズ、味噌、ジャムなど
の食品等の保存料として使用できる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、気相部の酸素濃度を一
定値以下に設定するため、ソルビン酸又はその塩の精製
工程において新たな着色原因物質が生成するのを防止で
き、色相に優れしかも色相の経時的劣化の小さい高品質
のソルビン酸又はその塩を簡易に得ることができる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0026】参考例1 ケテンとクロトンアルデヒドとの反応により生成したポ
リエステルの塩酸分解によって得られた粗ソルビン酸1
00g(水20重量%、タール分4重量%、ソルビン酸
76重量%)を、5重量%苛性ソーダ水溶液に溶解し、
ここへ活性炭0.5gを加え、30分間攪拌処理した。
処理液を濾過し、濾液へ35重量%塩酸を過剰に加え
て、ソルビン酸を析出させ、濾過分別した。得られたソ
ルビン酸湿ケーキを、水−エタノールを用いて溶剤再結
晶を行い、ソルビン酸スラリーを得、間を置かず直ちに
濾過分別し、精ソルビン酸湿ケーキ90g(水分10重
量%、エタノール10重量%、ソルビン酸80重量%)
を得た。該精ソルビン酸湿ケーキ50gに水33gを加
え、49重量%KOH水溶液で中和反応を行った。こう
して得られたソルビン酸カリウム水溶液の色価を波長4
30nmにおける光の透過率として分光光度計で測定し
たところ、98.0%であった。該水溶液を減圧乾燥
(30mmHg、55℃)してソルビン酸カリウム88
gを得た。該ソルビン酸カリウムの色価として、2gを
水に溶解して10mlとし、該水溶液の波長430nm
における光の透過率を分光光度計で測定したところ、9
8.0%であった。また、該ソルビン酸カリウムをエア
ーシールして6ヶ月放置したときの色価は94.5%で
あった。
【0027】実施例1 水−エタノールを用いた溶剤再結晶により得られたソル
ビン酸スラリーを、ほぼ酸素濃度0%の純窒素シール下
で5時間攪拌放置した後、濾過分別して精ソルビン酸湿
ケーキを得た点以外は、参考例1と同様の操作を行っ
た。その結果、中和反応後のソルビン酸カリウム水溶液
の色価は98.0%、該水溶液を乾燥して得られたソル
ビン酸カリウムの色価は97.8%となり、ソルビン酸
スラリーを放置することなく直ちに濾過分別した場合
(参考例1)と比較して、ほぼ遜色の無い品質が得られ
た。また、該ソルビン酸カリウムをエアーシールして6
ヶ月放置したときの色価は94.5%であった。
【0028】比較例1 水−エタノールを用いた溶剤再結晶により得られたソル
ビン酸スラリーを、気相部の酸素濃度が5容量%となる
ように窒素を導入してシールし、5時間攪拌放置した
後、濾過分別して精ソルビン酸湿ケーキを得た点以外
は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、中和反
応後のソルビン酸カリウム水溶液の色価は97.2%
に、該水溶液を乾燥して得られたソルビン酸カリウムの
色価は96.2%にそれぞれ低下した。また、該ソルビ
ン酸カリウムをエアーシールして6ヶ月放置したときの
色価は91.2%であった。
【0029】比較例2 攪拌放置時間を1時間とした点以外は比較例1と同様の
操作を行ったところ、中和反応後のソルビン酸カリウム
水溶液の色価は97.4%、該水溶液を乾燥して得られ
たソルビン酸カリウムの色価は96.5%であった。ま
た、該ソルビン酸カリウムをエアーシールして6ヶ月放
置したときの色価は91.8%であった。
【0030】参考例2 ケテンとクロトンアルデヒドとの反応により生成したポ
リエステルの塩酸分解によって得られた粗ソルビン酸1
00g(水20重量%、タール分4重量%、ソルビン酸
76重量%)を、沸点範囲200〜250℃の潤滑油
(市販品)320gに、120℃で溶解させた。溶解液
を圧力30mmHgの条件で缶温が170℃となるまで
加熱蒸発させた。蒸気を充填式のミストセパレーターで
精製した後、水を循環させた接触コンデンサーによって
冷却凝縮させ、水、潤滑油及びソルビン酸の混合スラリ
ーとして捕集した。そして、間を置かず直ちにこの混合
スラリーを濾過し、102gの精ソルビン酸湿ケーキ
(水分20重量%、エタノール10重量%、ソルビン酸
70重量%)を得た。この精ソルビン酸湿ケーキ50g
に水33gを加え、49重量%KOH水溶液で中和反応
を行った。中和反応液を静置して、潤滑油分を分液除去
した後、活性炭(白鷺A)1gを加え、30分攪拌処理
した。この処理液を濾過し、濾液の色価を波長430n
mにおける光の透過率として分光光度計で測定したとこ
ろ、98.0%であった。該水溶液を減圧乾燥(30m
mHg、55℃)し、ソルビン酸カリウム46gを得
た。該ソルビン酸カリウムの色価として、2gを水に溶
解して10mlとし、該水溶液の波長430nmにおけ
る光の透過率を分光光度計で測定したところ、98.0
%であった。また、該ソルビン酸カリウムをエアーシー
ルして6ヶ月放置したときの色価は94.5%であっ
た。
【0031】実施例2 水、潤滑油及びソルビン酸の混合スラリーを窒素シール
下(気相部の酸素濃度ほぼ0%)で5時間攪拌放置した
後、濾過分別して精ソルビン酸湿ケーキを得た点以外
は、参考例2と同様の操作を行った。その結果、中和反
応及び活性炭処理後のソルビン酸カリウム水溶液の色価
は98.0%、該水溶液を乾燥して得られたソルビン酸
カリウムの色価は97.7%となり、前記混合スラリー
を放置することなく直ちに濾過分別した場合(参考例
2)と比較して、ほぼ遜色の無い品質が得られた。ま
た、該ソルビン酸カリウムをエアーシールして6ヶ月放
置したときの色価は94.2%であった。
【0032】実施例3 混合スラリーを50℃に加温して攪拌放置した点以外は
実施例2と同様の操作を行ったところ、中和反応及び活
性炭処理後のソルビン酸カリウム水溶液の色価は97.
8%、該水溶液を乾燥して得られたソルビン酸カリウム
の色価は97.4%となり、前記混合スラリーを放置す
ることなく直ちに濾過分別した場合(参考例2)と比較
して、ほぼ遜色の無い品質が得られた。また、該ソルビ
ン酸カリウムをエアーシールして6ヶ月放置したときの
色価は94.0%であった。
【0033】比較例3 水、潤滑油及びソルビン酸の混合スラリーを気相部の酸
素濃度が5%となるように窒素を導入してシールし、5
時間攪拌放置した点以外は実施例2と同様の操作を行っ
たところ、中和反応及び活性炭処理後のソルビン酸カリ
ウム水溶液の色価は97.1%に、該水溶液を乾燥して
得られたソルビン酸カリウムの色価は94.8%にそれ
ぞれ低下した。また、該ソルビン酸カリウムをエアーシ
ールして6ヶ月放置したときの色価は90.9%であっ
た。
【0034】比較例4 攪拌放置する時間を1時間とした点以外は比較例3と同
様の操作を行ったところ、中和反応及び活性炭処理後の
ソルビン酸カリウム水溶液の色価は97.4%、該水溶
液を乾燥して得られたソルビン酸カリウムの色価は9
5.3%であった。また、該ソルビン酸カリウムをエア
ーシールして6ヶ月放置したときの色価は91.5%で
あった。
【0035】比較例5 窒素ガスによるシールを行わず、スラリー上の気相部が
空気のままで、混合スラリーを5時間攪拌放置した点以
外は実施例2と同様の操作を行ったところ、中和反応及
び活性炭処理後のソルビン酸カリウム水溶液の色価は9
6.2%に、該水溶液を乾燥して得られたソルビン酸カ
リウムの色価は88.3%にそれぞれ低下した。また、
該ソルビン酸カリウムをエアーシールして6ヶ月放置し
たときの色価は81.3%であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソルビン酸又はその塩を含むスラリー又
    は溶液に接する気相部の酸素濃度を4容量%以下に保っ
    た状態で、ソルビン酸又はその塩を含むスラリー又は溶
    液を保持する工程を含むことを特徴とするソルビン酸又
    はその塩の製造法。
  2. 【請求項2】 ソルビン酸又はその塩を含むスラリー又
    は溶液を収容する槽及び/又はこの槽に隣接する管路の
    気相部分に不活性ガスを導入しつつ気相部の酸素濃度を
    4容量%以下に保持する請求項1記載のソルビン酸又は
    その塩の製造法。
  3. 【請求項3】 不活性ガスが窒素である請求項2記載の
    ソルビン酸又はその塩の製造法。
  4. 【請求項4】 気相部の酸素濃度を1容量%以下に保つ
    請求項1〜3の何れかの項に記載のソルビン酸又はその
    塩の製造法。
JP11137750A 1999-05-18 1999-05-18 ソルビン酸又はその塩の製造法 Pending JP2000327627A (ja)

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