JPH0627097B2 - ソルビン酸湿ケ−キの保存方法 - Google Patents

ソルビン酸湿ケ−キの保存方法

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JPH0627097B2
JPH0627097B2 JP28790385A JP28790385A JPH0627097B2 JP H0627097 B2 JPH0627097 B2 JP H0627097B2 JP 28790385 A JP28790385 A JP 28790385A JP 28790385 A JP28790385 A JP 28790385A JP H0627097 B2 JPH0627097 B2 JP H0627097B2
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登 亀井
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ソルビン酸の製造工程に於て生じるソルビン
酸湿ケーキの取扱い、あるいは保存方法に関するもので
ある。
ソルビン酸は、防カビ作用を有しており、又、無害であ
ることから食品保存用の添加剤として多用せられてい
る。ソルビン酸カリウムに代表されるアルカリ塩も、同
じ効果があり、ソルビン酸が水に難溶であるのに対し、
このようなアルカリ塩は易溶であることから用途に応じ
て使い分けられている。
(従来技術) ソルビン酸は、クロトンアルデヒドとケテンの反応によ
って得られたポリエステルを分解することにより製造さ
れる。分解法としては、塩酸分解法、アルカリ分解法、
熱分解法等があるが、この中、塩酸分解法は異性体の生
成を伴うことなく、分解成績上も収率的に、かつ品質的
に最も有利であることが知られている。しかし、いずれ
の場合においても反応中に副生したタール分がポリエス
テル残渣と共に不純物として存在するため、特別の精製
工程を必要とする問題がある。又、比較的優位な塩酸分
解法に於いても、この課題が残り、ポリエステルを分解
した後、冷却・過して得られる粗ソルビン酸はタール
分を含有している。
従来、該粗ソルビン酸の精製には活性炭処理法、水又は
水+有機溶媒による再結晶法、石油に溶解して蒸溜精製
する方法がある。このような粗ソルビン酸の精製法は古
くから研究が行なわれ、現在では上記の精製法の単独、
あるいはその組合せにより高品位のソルビン酸を得るに
至っている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながらソルビン酸および得られたソルビン酸の中
和反応により製造されるソルビン酸アルカリ塩は特に大
気中に放置すると、時間の経過と共に変質して着色し、
著しく商品価値を低下する傾向がある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、上記の従来法の欠点を考慮した上で鋭意
検討を重ねた結果、各製造工程に於て生じるソルビン酸
湿ケーキが非常に変質し易いことを見い出した。即ち、
該湿ケーキは、その後、乾燥工程あるいはソルビン酸ア
ルカリ塩製造工程へと導びかれるわけであるが、該湿ケ
ーキは極く短期間(数時間)のうちにも変質してしま
う。なお、こうした湿ケーキの変質は、そのままでは外
観上、全く判別がつかず、驚くべきことに、アルカリと
反応せしめたとき、あるいはその後、pHを10以上に
調整したときにはじめてその変質を判別することができ
た。
また、ソルビン酸湿ケーキが変質すると、該湿ケーキを
用いて中和反応によりソルビン酸アルカリ塩を製造して
も、その色相が劣ることは言うまでもないが、更に、こ
のようなソルビン酸アルカリ塩は経時的な色相の劣化も
激しいということをも見い出した。
一方、こうした中和反応時の着色物を、例えば活性炭で
処理することにより除去しようとしても何ら効果がなか
った。又、変質したソルビン酸湿ケーキをそのまま乾燥
しても、外観は殆んど変わらないソルビン酸を得ること
ができるが、該ソルビン酸を大気中で放置したときには
激しい色相の劣化が見い出された。
本発明者等は、上記の種々の知見に基づきソルビン酸湿
ケーキの変質に関して種々検討を重ねた結果、このよう
な変質が酸素の存在下においてのみ起こるものであるこ
とを見い出し、本発明に至った。即ち、本発明は粗ソル
ビン酸を精製せしめるソルビン酸の製造方法において、
水および/又は溶剤の混入したソルビン酸湿ケーキを不
活性ガスでシールしておくことを特徴とするソルビン酸
湿ケーキの保存方法である。
なお、ソルビン酸湿ケーキの湿成分として、変質に最も
影響を及ぼすのは水であることが判った。水単独、ある
いは水と溶剤の混入した湿ケーキは空気中で激しく変質
する他、溶剤のみでも空気中の水分の影響であろうか、
やや緩和な変質が起きる。
本発明の方法における不活性ガスとは、窒素、二酸化炭
素、アルゴン等が挙げられるが、工業用装置としては窒
素を用いるのが一般的であろう。
これらの不活性ガスを吹き込んで湿ケーキをシールする
場合、系内の酸素濃度を必ずしも0にする必要はなく、
酸素濃度を15容量部以下、好ましくは10容量部以下
に保つことにより該湿ケーキの変質をかなり抑制でき
る。
水および/又は溶剤の混入したソルビン酸湿ケーキと
は、ソルビン酸製造工程に於いて生じるものであり、ソ
ルビン酸に付し通常50%以下の水分を含むものであ
る。又、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール等を用いて再結晶を行った場合等は、これらの溶剤
が上記水分の60%〜100%と置き替ったものであ
る。
ソルビン酸の中和反応に用いるアルカリとしては、ナト
リウム、カリウム等の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等が
挙げられるが、経時変化の少ないソルビン酸アルカリ塩
を得るという観点からカリウムの水酸化物あるいは塩は
好ましい。
(発明の効果) ソルビン酸製造工程で生じる湿ケーキの保存方法として
非常に簡単な処理手段を採用することにより、ソルビン
酸、あるいは得られたソルビン酸の中和反応により製造
されるソルビン酸アルカリ塩の着色経時変化を著しく防
止することができた。
実施例1 塩酸分解法によって得られた粗ソルビン酸100g(水
分20%、タール分4%、ソルビン酸76%)を、5%
カセイソーダ水溶液で溶解し、ここへ活性炭(白サギ
A、武田薬品工業(株)製)0.5gを加え、30分間撹拌
処理した。処理液を過し、液へ35%塩酸を過剰に
加え、ソルビン酸を析出させた後、過分別した。該ソ
ルビン酸ケーキを、水〜エタノールを用いて溶剤再結を
行ない、精ソルビン酸湿ケーキ90g(水分10%、エ
タノール10%、ソルビン酸80%)を得た。該ケーキ
を完全に窒素でシールを行なった状態で、30℃恒温室
で1昼夜放置した。
一昼夜放置する前の精ソルビン酸湿ケーキを乾燥したも
の1gを、10mlのメタノールで溶解した溶液の色価
は、波長350μmにおける光の透過率を分光々度計を
用いて測定したところ95.0%であり、一昼夜放置した
後の精ソルビン酸湿ケーキを乾燥したものについて同様
に測定したところ、95.0%であった。
精ソルビン酸湿ケーキを乾燥したもの1gを8.8mlの1
N−NaOH水溶液で溶解した溶液の色価を波長400μm
の光の透過率で測定したところ、一昼夜放置前のケーキ
は96.0%、一昼夜放置後も96.0%であった。
また、一昼夜放置した精ソルビン酸湿ケーキ50gへ水
33gを加え、49%KOH水溶液で中和反応を行なっ
た。こうして得られたソルビン酸カリウム水溶液を減圧
乾燥(30mmHg、55℃)したところ、ソルビン酸カリ
ウム53gを得た。
該ソルビン酸カリウムの色価として、2gを水に溶解し
て10mlとし、該水溶液の透過率を430μmの波長に
おいて分光々度計で測定したところ、97.0%であっ
た。また、該ソルビン酸カリウムをエアーシールして6
ケ月放置したときの色価は94.0%であった。
比較例1 実施例1の手順において、精ソルビン酸ケーキを大気中
に一昼夜放置したところ、メタノールに溶解した溶液の
色価は94.0%に、そして1N−NaOH水溶液に溶解した
溶液の色価は、92.0%にそれぞれ低下した。
一昼夜大気に放置したソルビン酸ケーキを用いて実施例
1と同様の手順でソルビン酸カリウムを得た。該ソルビ
ン酸カリウムの色価は96.0%であった。しかし、該ソ
ルビン酸カリウムをエアーシールして6ケ月放置したと
きの色価は85.0%であった。
実施例2 塩酸分解法によって得られた粗ソルビン酸100g(水
分20%、タール分4%、ソルビン酸76%)を、沸点
範囲200〜250℃を持つ潤滑油(市販品)320g
と共に、120℃で溶解した。溶解液を圧力30mmHgの
条件で缶温が170℃となるまで加熱蒸発させた。
蒸気は充填式のミストセパレーターで精製した後、水を
循環してある接触コンデンサーによって冷却凝縮させ、
水・潤滑油・ソルビン酸の混合スラリーとして捕集し
た。該スラリーを過したところ、102gの精ソルビ
ン酸湿ケーキ(水分20%、潤滑油分10%、ソルビン
酸70%)を得た。該ケーキを完全に窒素でシールを行
ない、30℃の恒温室へ1昼夜放置した。
実施例1と同様に色価を測定したところ、メタノールに
溶解した溶液の色価は、放置前と放置後共に96.0%で
あった。また1N−NaOH水溶液に溶解したときの色価は
放置前・放置後共に95.0%であった。
また、一昼夜放置したソルビン酸ケーキ50gへ水33
gを加え、49%KOH水溶液を用いて中和反応を行な
った。こうして得られたソルビン酸カリウム水溶液中の
潤滑油分を静置し、分液除去した後、活性炭(白サギ
A)1gを加え、30分撹拌処理した。次いで過し、
得られた水溶液を減圧乾燥(30mmHg、55℃)したと
ころ、ソルビン酸カリウム46gを得た。
該ソルビン酸カリウムの色価として2gを水に溶解して
10mlとし、該水溶液の透過率を430μmの波長にお
いて分光々度計で測定したところ、98.0%であった。
また、該ソルビン酸カリウムをエアーシールして6ケ月
放置したときの色価は95.0%であった。
比較例2 実施例2の手順において、精ソルビン酸湿ケーキを大気
中に約10時間放置すると、メタノールに溶解した溶液
の色価は94.5%に、そして1N−NaOH水溶液に溶解し
た溶液の色価は90.0%にそれぞれ低下した。
約10時間大気に放置した精ソルビン酸湿ケーキを用い
て実施例1と同様の手順でソルビン酸カリウムを得た。
該ソルビン酸カリウムの色価は、94.0%であった。さ
らに、該ソルビン酸カリウムをエアーシールして6ケ月
放置したときの色価は80.5%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水および/又は溶剤の混入したソルビン酸
    湿ケーキを不活性ガスでシールしておくことを特徴とす
    るソルビン酸湿ケーキの保存方法。
JP28790385A 1985-12-23 1985-12-23 ソルビン酸湿ケ−キの保存方法 Expired - Lifetime JPH0627097B2 (ja)

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JP4733584B2 (ja) * 2006-07-27 2011-07-27 本田技研工業株式会社 トレイ開放防止装置

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