JP4733584B2 - トレイ開放防止装置 - Google Patents
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Description
従来、このような規制に対応するため、特許文献1に記載されているように、グローブボックスのリッドに外力を受けたときに、リッドを閉じた状態にロックするロック機構が知れられている。
このロック機構では、リッドが外力を受けた際に変形して開放状態とならないように、ロック装置をアルミダイキャスト製の剛性の高い材料を用いて構成していた。
さらに、係止機構の係止受部が、支軸の周りに設けられたボス部に形成されたリブであるので、スライド機構の近傍において、係止突起の係止が行われることとなり、スライド機構および係止機構の省スペース化を図ることができる。また、両機構が近設されることによって、スライド動作と係止動作との連動性が高まり、リッドの開放防止の信頼性が高まる。
図1は本発明の一実施の形態に係るトレイ開放防止装置が適用された車両の助手席側インストルメントパネルの概略模式図である。なお、本実施形態では、図1に示すように、左側ハンドルを備えた車両に適用した例を示すが、これに限定される意味ではなく、右側ハンドル車に対しても適用することができる。また、以下では、「左右」,「上下」は、トレイ4を車両に取り付けた状態を基準としている。そして、トレイ4の構成の説明において、車両の前方方向または前側を「奥方向」または「奥側」,車両の後方方向または後側を「手前方向」または「手前側」と称する。
前記インストルメントパネル3は、ほぼ上半分が表部樹脂板3aで覆われ、その下部のほぼ下半部が全閉状態のリッド11で占められている。前記インストルメントパネル3は、リッド11で覆われている部分に、このリッド11によって開口部が開閉可能なトレイ4(図2参照)を有している。リッド11はその左端近くの下部に、リッド11を全閉状態にロックする、図示しないロック機構を解除するための操作ノブ12を有している。
図2および図3に示すように、トレイ4は、主にリッド11(図1参照)と、トレイ本体下部25およびトレイ本体上部26から構成されたトレイ本体13と、トレイ本体上部26に固定される連結部14とから構成されている。
トレイ本体13は、図5に示すように、収納室Rを挟んで対向する一対の側壁17を有し、図3に示すように、個別に樹脂成形されたトレイ本体下部25およびトレイ本体上部26を、タッピングスクリュウ32Aによりねじ固定し、トレイ部13aとその上に配置されたリッド収納部13bとの2つの空間を有する2段構造としたものである。そして、後記する支軸15を回動中心として、リッド11が回動可能に設けられており、リッド11を上方に回動させることにより、リッド11がリッド収納部13bに収納され、トレイ部13aの開口部22が開放状態とされる。
トレイ本体上部26のリッド収納部13bを構成している上面部26bの手前側には、リッド11を収納可能な隙間を確保しつつ、庇構造を構成する樹脂製の連結部14がタッピングスクリュウ32Bによりねじ固定される構成となっている。さらにその上からインストルメントパネル3の表部樹脂板3aが取り付けられる。
また、トレイ本体下部25は、左右の側壁17(図5参照)の外側にトレイ本体下部25と一体に成形された前記支軸15を有している。
なお、本実施形態では、トレイ本体13は、個別に樹脂成形されたトレイ本体下部25とトレイ本体上部26とをねじ固定により一体化した構成としたが、それに限定されるものではない。トレイ本体13全体を、一体ものの樹脂成形体で構成してもよい。
リッド11は、図3および図4に示すようにリッド11の表側(手前側)を構成するリッド表部11aと、裏側(奥側)を構成するリッド裏部11bとの2重構造の蓋体であり、リッド表部11aとリッド裏部11bとを接着してリッド11の強度を高めている。
そのために、図4に示すようにリッド裏部11bの手前側には、手前方向に突出して形成された、リッド裏部11bの四周を囲む枠リブ23Aと、左右方向に延び多段に配置された水平リブ23Bとを有している。枠リブ23Aおよび水平リブ23Bは前記リッド表部11aの裏面(奥側)に当接する部分であり、リッド表部11aと接着剤により接着されている。なお、接着によらず、溶着等によってリッド表部11aとリッド裏部11bとを組み付けてもよい。
リッド裏部11bは、図6に示すように、その左右端近傍で支軸15に延びるアーム部16と接続している。つまり、リッド11の裏面に間隔をおいて、アーム部16が設けられている。アーム部16を支軸15で受ける詳細構造は後記する。
次に、図5から図10を参照しながら、支軸15、アーム部16等の詳細な構成を説明しスライド機構および係止機構について説明する。図5はリッドとトレイ本体下部の組み付けを手前側から示した斜視図、図6はリッドとトレイ本体下部の組み付けを奥側から示した斜視図である。図7は図2におけるB−B矢視断面図であり、左側のアーム部を左方向から見た図である。図8は図2におけるC−C矢視断面図であり、トレイ本体の左側の側壁を左方向から見た図である。図9は図6の要部拡大図、図10は図8におけるD−D矢視拡大断面図である。
また、係止機構は、リッド11のアーム部16に設けられた係止突起37と、トレイ本体下部25の支軸15の周りに設けられ、支軸15が前記切欠溝16dにスライド進入した状態で係止突起37が係止される係止受部としての案内ボス(ボス部)33を含んで構成される。以下では各部を対応させて説明する。
また、アーム部16は、リッド11が開放状態から全閉状態に回動するのを容易にするためのねじりコイルスプリング31を有しており、支軸孔16b近くの斜め上方奥側に、ねじりコイルスプリング31の一端が係止されるスプリング座としてのスプリング係止孔16cを有している。
ねじりコイルスプリング31は、ほぼ一周するループ状とされており、その他端が、左右の側壁17の支軸15の斜め上方奥側に設けられたた円柱状のスプリング係止部17aに嵌め込まれている。なお、スプリング係止部17aは、側壁17に一体に形成されている。
支軸15は、側壁17との根元部に、支軸リブ15bをほぼ放射状に有し、支軸15を側壁17側で片持ち梁状に支持する場合の曲げ強度を補強している。
図5および図6に示すように支軸15の周囲には、支軸15に同心の円筒状の案内ボス33が側壁17に一体成形で設けられている。
また、案内ボス33の根元外側には短尺の補強円筒部33aが同心に設けられて側壁17から立ち上がり、案内ボス33の外周面と補強円筒部33aの内周面を放射状の補強リブ33bで接続している。これら案内ボス33、補強円筒部33a、補強リブ33bは、側壁17に一体に形成されている。本実施形態では、案内ボス33において外力を受ける側に、補強リブ33bよりも長尺に形成されて側壁17からの立ち上がりが大きくされた回動防止リブ(特許請求の範囲に記載のリブ)33cが設けられている。この回動防止リブ33cは、支軸15が切欠溝16dにスライド進入した状態で、前記した係止突起37の上方に位置するように位置関係を設定して配置されており、係止突起37の上方に位置してアーム部16が上方へ回動するのを規制するようになっている。つまり、支軸15が切欠溝16dにスライド進入した状態で係止突起37が回動防止リブ33cに係止される状態となり、リッド11が開放不能状態に保持されることとなる。
この状態でアーム部16は、その支軸孔16bの内周面と円筒部19aの外周面との間で摺動し、また、その左右外面と鍔部19cの内面および案内ボス33の端面との間で摺動して、上下に回動可能となっている。
次に、リッド11の表面に奥方向の衝撃(外力)が加わったときの、支軸15およびリッド11の挙動を説明する。
図11(a)に示すように、リッド11の表面に奥方向の衝撃が加わると、スライド機構によって、リッド11の移動が補助され、リッド11が奥側へスムーズに移動される。つまり、図11(b)に示すように、支軸15が、支持部の支軸孔16bの孔縁に設けられた切欠溝16dにスライド進入し、これによってリッド11の奥側への移動が許容される。ここで、支軸孔16bおよび切欠溝16dは、全体がだるま形状となっているので、リッド11の表面に外力が作用しないときには、図12(a)に示すように、支軸孔16bの切欠溝16dに支軸15が進入することがなく、トレイ本体下部25(図9参照)に対するリッド11の良好な回動が可能となる。一方、前記のようにリッド11の表面に外力が作用したときには、図12(b)に示すように、その作用したときの押圧力によって切欠溝16dに支軸15が押し込まれるようにして入り込み、切欠溝16dを支軸15がスライド進入する。これによって、奥側へリッド11がスムーズに移動される。
また、前記実施形態では、トレイ本体下部25の側壁17に支軸15および案内ボス33を設け、リッド11のアーム部16に支軸孔16bおよび切欠溝16dを設けたが、これに限られることはなく、例えば、これとは逆の配置で、トレイ本体下部25の側壁17に支軸孔16bおよび切欠溝16dを設け、さらに、リッド11のアーム部16に支軸15および案内ボス33を設けてもよい。
さらに、係止突起37の形状は、任意に設定することができ、また、相手側となる案内ボス33は、円環状とされたものに限定されず、単なる板状として構成してもよい。また、支軸リブ15bや補強リブ33bの数や形状は、適宜選択して採用することができる。
4 トレイ
11 リッド
11a リッド表部
11b リッド裏部
13 トレイ本体
15 支軸
15b 支軸リブ
16 アーム部
16b 支軸孔
16d 切欠溝
17 側壁
22 開口部
25 トレイ本体下部
26 トレイ本体上部
33 案内ボス(ボス部)
33b 補強リブ
37 係止突起
Claims (3)
- トレイ本体に対してリッドを上または下へ回動させて、前記トレイ本体の開口部を開閉する構造のトレイにおける、前記リッドの外力による開放を防止するトレイ開放防止装置であって、
前記リッドの全閉状態において、前記リッドの表面に外力が作用したときに、前記リッドが内方へ移動するのを補助するスライド機構と、内方へ移動した状態の前記リッドを開放不能に係止する係止機構とを備え、
前記スライド機構は、
前記トレイ本体または前記リッドの一方に設けられ、前記リッドの回動軸となる支軸と、他方に設けられ、前記支軸が挿通されて支持される支軸孔を備えた支持部と、前記支軸孔の孔縁に設けられ、前記リッドに外力が作用したときに、前記支軸孔に対する前記支軸の軸ずれを許容して当該支軸がスライド進入される切欠溝と、を含んで構成され、
前記係止機構は、
前記トレイ本体または前記リッドの一方に設けられた係止突起と、他方に設けられ、前記支軸が前記切欠溝にスライド進入した状態で前記係止突起が係止される係止受部とを含んで構成され、
前記係止受部は、前記支軸の周りに設けられたボス部に形成されたリブであることを特徴とするトレイ開放防止装置。 - 前記トレイ本体は、収納室を挟んで対向する一対の側壁を有し、前記リッドは、一対の前記側壁に支持される一対のアーム部を有しており、
前記スライド機構および前記係止機構は、前記側壁と前記アーム部との対応部位に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトレイ開放防止装置。 - 前記スライド機構の前記支軸孔および前記切欠溝は、全体がだるま形状を呈することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトレイ開放防止装置。
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