JPH10182549A - アルケニルサリチル酸の分離精製方法 - Google Patents
アルケニルサリチル酸の分離精製方法Info
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- JPH10182549A JPH10182549A JP34326796A JP34326796A JPH10182549A JP H10182549 A JPH10182549 A JP H10182549A JP 34326796 A JP34326796 A JP 34326796A JP 34326796 A JP34326796 A JP 34326796A JP H10182549 A JPH10182549 A JP H10182549A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アルケニルサリチル酸、アルケニルレゾルシ
ノール、アルケニルフェノールを含む混合物から、着色
の少ないアルケニルサリチル酸を高純度、高収率で分離
精製する方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 アルケニルサリチル酸、アルケニルレゾ
ルシノール、アルケニルフェノールを含む混合物を溶媒
に溶解し、特定量の水分を含む該溶液を−45〜−18
0℃に冷却することにより、該混合物中に含有されるア
ルケニルサリチル酸を析出させて分離することを特徴と
する。
ノール、アルケニルフェノールを含む混合物から、着色
の少ないアルケニルサリチル酸を高純度、高収率で分離
精製する方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 アルケニルサリチル酸、アルケニルレゾ
ルシノール、アルケニルフェノールを含む混合物を溶媒
に溶解し、特定量の水分を含む該溶液を−45〜−18
0℃に冷却することにより、該混合物中に含有されるア
ルケニルサリチル酸を析出させて分離することを特徴と
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルケニルサリチ
ル酸、およびアルケニルレゾルシノール、アルケニルフ
ェノールの混合物から着色の少ないアルケニルサリチル
酸を高純度、高収率で分離精製する方法に関する。
ル酸、およびアルケニルレゾルシノール、アルケニルフ
ェノールの混合物から着色の少ないアルケニルサリチル
酸を高純度、高収率で分離精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルケニルサリチル酸には、種々の植
物、例えばイチョウ(Ginkgo biloba
L.)の果実および葉から抽出されるギンゴール酸やカ
シュー(Anacardium occidental
e,ウルシ科)の種子殻や果実などから抽出されるアナ
カルド酸などがあり、これらを含有する抽出物は植物か
ら圧搾法や溶媒抽出法などにより採取される。
物、例えばイチョウ(Ginkgo biloba
L.)の果実および葉から抽出されるギンゴール酸やカ
シュー(Anacardium occidental
e,ウルシ科)の種子殻や果実などから抽出されるアナ
カルド酸などがあり、これらを含有する抽出物は植物か
ら圧搾法や溶媒抽出法などにより採取される。
【0003】このうち、カシューの種子殻から採取され
るカシュー油(Cashew Nut Shell L
iquid;CNSL)は、熱処理を施していないもの
は、アナカルド酸を主成分として含み、その他にカルド
ール、カルダノールなどを含んでいる。その含有量はカ
シュー油の産地により若干差があるが、例えばインド産
の天然カシュー油はアナカルド酸約70%、カルドール
約25%、カルダノール及び2−メチルカルドールを数
%含有している。
るカシュー油(Cashew Nut Shell L
iquid;CNSL)は、熱処理を施していないもの
は、アナカルド酸を主成分として含み、その他にカルド
ール、カルダノールなどを含んでいる。その含有量はカ
シュー油の産地により若干差があるが、例えばインド産
の天然カシュー油はアナカルド酸約70%、カルドール
約25%、カルダノール及び2−メチルカルドールを数
%含有している。
【0004】アナカルド酸は、下記一般式〔4〕、
【0005】
【化4】
【0006】(式中、Rは炭素数15で二重結合数0〜
3の直鎖炭化水素基である。)に示すように6位に炭素
数13〜17のアルキル基またはアルケニル基を有する
サリチル酸誘導体であり、にきび治療剤、虫歯予防剤、
食品及び化粧料の酸化防止剤、口腔用抗菌剤、抗肥満症
剤、抗潰瘍剤、皮膚劣化防止剤等の主に医薬品としての
利用が期待されている。
3の直鎖炭化水素基である。)に示すように6位に炭素
数13〜17のアルキル基またはアルケニル基を有する
サリチル酸誘導体であり、にきび治療剤、虫歯予防剤、
食品及び化粧料の酸化防止剤、口腔用抗菌剤、抗肥満症
剤、抗潰瘍剤、皮膚劣化防止剤等の主に医薬品としての
利用が期待されている。
【0007】しかし、アナカルド酸とカルドール(一般
式〔5〕)、カルダノール(一般式〔6〕)は構造が極
めて類似しており、これまでカシュー油から高純度のア
ナカルド酸を工業的規模で分離精製する方法はなかっ
た。
式〔5〕)、カルダノール(一般式〔6〕)は構造が極
めて類似しており、これまでカシュー油から高純度のア
ナカルド酸を工業的規模で分離精製する方法はなかっ
た。
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1は炭素数15で二重結合数0
〜3の直鎖炭化水素基であり、R2はHあるいはCH3
である。)
〜3の直鎖炭化水素基であり、R2はHあるいはCH3
である。)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、Rは炭素数15で二重結合数0〜
3の直鎖炭化水素基である。) 例えばアナカルド酸は蒸気圧が低く、また200℃付近
で脱炭酸するなど熱的に不安定であるため、蒸留法等の
熱的な分離法を用いることはできない。これまでに報告
されているカシュー油からのアナカルド酸の代表的な分
離精製法としては、鉛等の金属とアナカルド酸金属錯体
を形成させ、分離する金属塩法(J.Am.Chem.
Soc.,70,3675,1948)、シリカゲルク
ロマトグラフィーによる分離(特開平2−104530
号公報)、炭酸ナトリウム等を用いたアルカリ抽出法
(特開平4−36238号公報)等がある。
3の直鎖炭化水素基である。) 例えばアナカルド酸は蒸気圧が低く、また200℃付近
で脱炭酸するなど熱的に不安定であるため、蒸留法等の
熱的な分離法を用いることはできない。これまでに報告
されているカシュー油からのアナカルド酸の代表的な分
離精製法としては、鉛等の金属とアナカルド酸金属錯体
を形成させ、分離する金属塩法(J.Am.Chem.
Soc.,70,3675,1948)、シリカゲルク
ロマトグラフィーによる分離(特開平2−104530
号公報)、炭酸ナトリウム等を用いたアルカリ抽出法
(特開平4−36238号公報)等がある。
【0012】しかし、金属塩法では比較的高純度のアナ
カルド酸が得られるものの、着色があり、抽出後のアナ
カルド酸中に金属が残留するため、医薬品や食料品とし
て利用する場合、この残留金属が問題となる。また、ア
ルカリ抽出法では、アナカルド酸の他にカルドールやカ
ルダノールも抽出され、アナカルド酸の純度が低く、着
色も著しい。シリカゲルクロマトグラフィーによる分離
では少量のアナカルド酸を高純度で得るためには有効な
精製法であるが、工業的に多量のアナカルド酸を分離精
製する方法としては適さない。
カルド酸が得られるものの、着色があり、抽出後のアナ
カルド酸中に金属が残留するため、医薬品や食料品とし
て利用する場合、この残留金属が問題となる。また、ア
ルカリ抽出法では、アナカルド酸の他にカルドールやカ
ルダノールも抽出され、アナカルド酸の純度が低く、着
色も著しい。シリカゲルクロマトグラフィーによる分離
では少量のアナカルド酸を高純度で得るためには有効な
精製法であるが、工業的に多量のアナカルド酸を分離精
製する方法としては適さない。
【0013】このような背景から、工業的規模でカシュ
ーの種子殻やイチョウの葉などから抽出される植物油か
らアルケニルサリチル酸を高純度、高収率で分離精製す
る方法の開発が望まれていた。
ーの種子殻やイチョウの葉などから抽出される植物油か
らアルケニルサリチル酸を高純度、高収率で分離精製す
る方法の開発が望まれていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルケニル
サリチル酸、およびアルケニルレゾルシノール、および
アルケニルフェノールの混合物から、着色の少ないアル
ケニルサリチル酸を高純度、高収率で分離精製する方法
を提供することを目的とする。
サリチル酸、およびアルケニルレゾルシノール、および
アルケニルフェノールの混合物から、着色の少ないアル
ケニルサリチル酸を高純度、高収率で分離精製する方法
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本研究者は上記課題に対
し、鋭意研究を行った結果、驚くべきことにアルケニル
サリチル酸、およびアルケニルレゾルシノール、および
アルケニルフェノールの混合物を適当な溶媒に溶解し、
冷却したとき、−45℃より高い温度では、アルケニル
サリチル酸とアルケニルレゾルシノールが結晶化するの
に対し、−45℃以下に冷却すると、アルケニルサリチ
ル酸のみが結晶化し、アルケニルサリチル酸を高純度、
高収率で分離精製することができることを見い出し、本
発明に至ったものである。
し、鋭意研究を行った結果、驚くべきことにアルケニル
サリチル酸、およびアルケニルレゾルシノール、および
アルケニルフェノールの混合物を適当な溶媒に溶解し、
冷却したとき、−45℃より高い温度では、アルケニル
サリチル酸とアルケニルレゾルシノールが結晶化するの
に対し、−45℃以下に冷却すると、アルケニルサリチ
ル酸のみが結晶化し、アルケニルサリチル酸を高純度、
高収率で分離精製することができることを見い出し、本
発明に至ったものである。
【0016】すなわち、本発明は以下の通りである。 〔1〕アルケニルサリチル酸、およびアルケニルレゾル
シノール、およびアルケニルフェノールを含む混合物を
溶媒に溶解した時の溶液中の水分量が該混合物10重量
部に対して、0.2重量部以下である溶液を、−45〜
−180℃の冷却温度にすることにより、該混合物中に
含有されるアルケニルサリチル酸を析出させて分離する
ことを特徴とするアルケニルサリチル酸の分離精製方
法。 〔2〕該アルケニルサリチル酸が、6−アルケニルサリ
チル酸である〔1〕に記載のアルケニルサリチル酸の分
離精製方法。 〔3〕該混合物が、植物から得られた混合物である
〔1〕または〔2〕に記載のアルケニルサリチル酸の分
離精製方法。 〔4〕該混合物が、該混合物10重量部に対して、5〜
5000重量部の、炭素数2〜6のニトリル、炭素数1
〜6のアルコール、炭素数3〜8の酢酸エステルから選
ばれる1種類または複数の混合液に、該混合物を溶解
し、生成する沈殿を除去した精製物であることを特徴と
する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のアルケニルサリ
チル酸の分離精製方法。 〔5〕該混合物が、該混合物10重量部に対して、0.
001〜10重量部の酸で該混合物を洗浄した精製物で
あることを特徴とする〔1〕〜〔4〕に記載のアルケニ
ルサリチル酸の分離精製方法。 〔6〕該混合物中のアルケニルフェノールが、アルケニ
ルレゾルシノール10重量部に対して、0.1重量部以
上の含有量であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕に記
載のアルケニルサリチル酸の分離精製方法。 〔7〕該溶媒が、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素
から選ばれる1種類または複数の混合液であることを特
徴とする〔1〕〜〔6〕に記載のアルケニルサリチル酸
の分離精製方法。 〔8〕該溶媒が、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−ペ
ンタン、石油エーテルから選ばれる1種類または複数の
混合液であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕に記載の
アルケニルサリチル酸の分離精製方法。
シノール、およびアルケニルフェノールを含む混合物を
溶媒に溶解した時の溶液中の水分量が該混合物10重量
部に対して、0.2重量部以下である溶液を、−45〜
−180℃の冷却温度にすることにより、該混合物中に
含有されるアルケニルサリチル酸を析出させて分離する
ことを特徴とするアルケニルサリチル酸の分離精製方
法。 〔2〕該アルケニルサリチル酸が、6−アルケニルサリ
チル酸である〔1〕に記載のアルケニルサリチル酸の分
離精製方法。 〔3〕該混合物が、植物から得られた混合物である
〔1〕または〔2〕に記載のアルケニルサリチル酸の分
離精製方法。 〔4〕該混合物が、該混合物10重量部に対して、5〜
5000重量部の、炭素数2〜6のニトリル、炭素数1
〜6のアルコール、炭素数3〜8の酢酸エステルから選
ばれる1種類または複数の混合液に、該混合物を溶解
し、生成する沈殿を除去した精製物であることを特徴と
する〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のアルケニルサリ
チル酸の分離精製方法。 〔5〕該混合物が、該混合物10重量部に対して、0.
001〜10重量部の酸で該混合物を洗浄した精製物で
あることを特徴とする〔1〕〜〔4〕に記載のアルケニ
ルサリチル酸の分離精製方法。 〔6〕該混合物中のアルケニルフェノールが、アルケニ
ルレゾルシノール10重量部に対して、0.1重量部以
上の含有量であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕に記
載のアルケニルサリチル酸の分離精製方法。 〔7〕該溶媒が、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素
から選ばれる1種類または複数の混合液であることを特
徴とする〔1〕〜〔6〕に記載のアルケニルサリチル酸
の分離精製方法。 〔8〕該溶媒が、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−ペ
ンタン、石油エーテルから選ばれる1種類または複数の
混合液であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕に記載の
アルケニルサリチル酸の分離精製方法。
〔9〕該溶媒が、アルケニルサリチル酸10重量部に対
して、5〜2000重量部の割合であることを特徴とす
る〔1〕〜
して、5〜2000重量部の割合であることを特徴とす
る〔1〕〜
〔9〕に記載のアルケニルサリチル酸の分離
精製方法。 〔10〕該冷却温度が、−50〜−100℃であること
を特徴とする〔1〕〜
精製方法。 〔10〕該冷却温度が、−50〜−100℃であること
を特徴とする〔1〕〜
〔9〕に記載のアルケニルサリチ
ル酸の分離精製方法。 〔11〕アルケニルサリチル酸とアルケニルレゾルシノ
ールの混合物を溶媒に溶解し、アルケニルレゾルシノー
ル10重量部に対して、アルケニルフェノールを0.1
〜10000重量部添加して、−45〜−180℃に冷
却温度にすることにより、該混合物中に含有されるアル
ケニルサリチル酸を析出させて分離することを特徴とす
るアルケニルサリチル酸の分離精製方法。 〔12〕該混合物を溶媒に溶解した液が、該混合物10
重量部に対して、0.2重量部以下の水分量であること
を特徴とする〔11〕に記載のアルケニルサリチル酸の
分離精製方法。 〔13〕該溶媒が、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水
素から選ばれる1種類または複数の混合液であることを
特徴とする〔11〕または〔12〕に記載のアルケニル
サリチル酸の分離精製方法。 〔14〕該溶媒が、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−
ペンタン、石油エーテルから選ばれる1種類または複数
の混合液であることを特徴とする〔11〕〜〔13〕に
記載のアルケニルサリチル酸の分離精製方法。 〔15〕該溶媒が、アルケニルサリチル酸10重量部に
対して、5〜2000重量部の割合であることを特徴と
する〔11〕〜〔14〕に記載のアルケニルサリチル酸
の分離精製方法。 〔16〕該冷却温度が、−50〜−100℃であること
を特徴とする〔11〕〜〔15〕に記載のアルケニルサ
リチル酸の分離精製方法。 〔17〕着色成分を含有するアルケニルサリチル酸を溶
媒に溶解し、アルケニルサリチル酸10重量部に対し
て、アルケニルフェノールを0.1〜50重量部添加し
た後、−45〜−180℃の温度に冷却することによ
り、アルケニルサリチル酸を析出させることを特徴とす
るアルケニルサリチル酸の着色成分除去方法。 〔18〕該アルケニルサリチル酸を溶媒に溶解した液
が、アルケニルサリチル酸10重量部に対して、0.2
重量部以下の水分量であることを特徴とする〔17〕に
記載のアルケニルサリチル酸の着色成分除去方法。 〔19〕該溶媒が、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水
素から選ばれる1種類または複数の混合液であることを
特徴とする〔17〕または〔18〕に記載のアルケニル
サリチル酸の着色成分除去方法。 〔20〕該溶媒が、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−
ペンタン、石油エーテルから選ばれる1種類または複数
の混合液であることを特徴とする〔17〕〜〔19〕に
記載のアルケニルサリチル酸の着色成分除去方法。 〔21〕該溶媒が、アルケニルサリチル酸10重量部に
対して、5〜2000重量部の割合であることを特徴と
する〔17〕〜〔20〕に記載のアルケニルサリチル酸
の着色成分除去方法。 〔22〕該冷却温度が、−50〜−100℃であること
を特徴とする〔17〕〜〔21〕に記載のアルケニルサ
リチル酸の着色成分除去方法。
ル酸の分離精製方法。 〔11〕アルケニルサリチル酸とアルケニルレゾルシノ
ールの混合物を溶媒に溶解し、アルケニルレゾルシノー
ル10重量部に対して、アルケニルフェノールを0.1
〜10000重量部添加して、−45〜−180℃に冷
却温度にすることにより、該混合物中に含有されるアル
ケニルサリチル酸を析出させて分離することを特徴とす
るアルケニルサリチル酸の分離精製方法。 〔12〕該混合物を溶媒に溶解した液が、該混合物10
重量部に対して、0.2重量部以下の水分量であること
を特徴とする〔11〕に記載のアルケニルサリチル酸の
分離精製方法。 〔13〕該溶媒が、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水
素から選ばれる1種類または複数の混合液であることを
特徴とする〔11〕または〔12〕に記載のアルケニル
サリチル酸の分離精製方法。 〔14〕該溶媒が、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−
ペンタン、石油エーテルから選ばれる1種類または複数
の混合液であることを特徴とする〔11〕〜〔13〕に
記載のアルケニルサリチル酸の分離精製方法。 〔15〕該溶媒が、アルケニルサリチル酸10重量部に
対して、5〜2000重量部の割合であることを特徴と
する〔11〕〜〔14〕に記載のアルケニルサリチル酸
の分離精製方法。 〔16〕該冷却温度が、−50〜−100℃であること
を特徴とする〔11〕〜〔15〕に記載のアルケニルサ
リチル酸の分離精製方法。 〔17〕着色成分を含有するアルケニルサリチル酸を溶
媒に溶解し、アルケニルサリチル酸10重量部に対し
て、アルケニルフェノールを0.1〜50重量部添加し
た後、−45〜−180℃の温度に冷却することによ
り、アルケニルサリチル酸を析出させることを特徴とす
るアルケニルサリチル酸の着色成分除去方法。 〔18〕該アルケニルサリチル酸を溶媒に溶解した液
が、アルケニルサリチル酸10重量部に対して、0.2
重量部以下の水分量であることを特徴とする〔17〕に
記載のアルケニルサリチル酸の着色成分除去方法。 〔19〕該溶媒が、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水
素から選ばれる1種類または複数の混合液であることを
特徴とする〔17〕または〔18〕に記載のアルケニル
サリチル酸の着色成分除去方法。 〔20〕該溶媒が、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−
ペンタン、石油エーテルから選ばれる1種類または複数
の混合液であることを特徴とする〔17〕〜〔19〕に
記載のアルケニルサリチル酸の着色成分除去方法。 〔21〕該溶媒が、アルケニルサリチル酸10重量部に
対して、5〜2000重量部の割合であることを特徴と
する〔17〕〜〔20〕に記載のアルケニルサリチル酸
の着色成分除去方法。 〔22〕該冷却温度が、−50〜−100℃であること
を特徴とする〔17〕〜〔21〕に記載のアルケニルサ
リチル酸の着色成分除去方法。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用されるアルケニルサリチル酸、およびアルケニルレ
ゾルシノール、およびアルケニルフェノールの混合物
は、カシューナッツの殻やイチョウの葉などの植物か
ら、圧搾法や溶媒抽出法などにより採取された抽出油を
そのまま用いても良いし、抽出油をアルコールやニトリ
ル等の溶媒に溶解したときに生成する不溶沈殿を除去し
た後、溶媒を留去して得られる精製油を用いても良い
し、抽出油を塩酸や硫酸などの酸により洗浄した精製油
を用いてもよく、アルコールやニトリルで不溶沈殿を除
去し、かつ酸洗浄した精製油を用いても良い。
使用されるアルケニルサリチル酸、およびアルケニルレ
ゾルシノール、およびアルケニルフェノールの混合物
は、カシューナッツの殻やイチョウの葉などの植物か
ら、圧搾法や溶媒抽出法などにより採取された抽出油を
そのまま用いても良いし、抽出油をアルコールやニトリ
ル等の溶媒に溶解したときに生成する不溶沈殿を除去し
た後、溶媒を留去して得られる精製油を用いても良い
し、抽出油を塩酸や硫酸などの酸により洗浄した精製油
を用いてもよく、アルコールやニトリルで不溶沈殿を除
去し、かつ酸洗浄した精製油を用いても良い。
【0018】さらに、抽出油を既知の精製方法、例え
ば、鉛塩法やアルカリ抽出法等により精製したもののア
ルケニルサリチル酸の純度が低い、アルケニルフェノー
ル、アルケニルレゾルシノールを任意の割合で含有する
油を用いても良いし、アルケニルレゾルシノールやアル
ケニルフェノールは含有しないものの、着色したアルケ
ニルサリチル酸を用いても良い。
ば、鉛塩法やアルカリ抽出法等により精製したもののア
ルケニルサリチル酸の純度が低い、アルケニルフェノー
ル、アルケニルレゾルシノールを任意の割合で含有する
油を用いても良いし、アルケニルレゾルシノールやアル
ケニルフェノールは含有しないものの、着色したアルケ
ニルサリチル酸を用いても良い。
【0019】本発明の分離精製法における冷却温度は、
−45℃〜−180℃であり、好ましくは、−50℃〜
−100℃、さらに好ましくは、−50℃〜−80℃で
ある。−45℃より高い温度では、アルケニルサリチル
酸以外にアルケニルレゾルシノールが析出し、アルケニ
ルサリチル酸の純度が低下するためであり、−180℃
より低い温度では、工業的に大規模で分離精製を行う場
合に、操作が容易でなく、現実的ではない。
−45℃〜−180℃であり、好ましくは、−50℃〜
−100℃、さらに好ましくは、−50℃〜−80℃で
ある。−45℃より高い温度では、アルケニルサリチル
酸以外にアルケニルレゾルシノールが析出し、アルケニ
ルサリチル酸の純度が低下するためであり、−180℃
より低い温度では、工業的に大規模で分離精製を行う場
合に、操作が容易でなく、現実的ではない。
【0020】また、本発明において、使用される溶媒
は、アルケニルサリチル酸を溶解することができ、かつ
融点が−45℃以下の溶媒であり、その中でも、脂肪族
炭化水素及び芳香族炭化水素が好ましく、特に脂肪族飽
和炭化水素が好ましい。例えば、n−プロパン、n−ブ
タン、2−メチルプロパン、n−ペンタン、2−メチル
ブタン、ネオペンタン、1−ペンテン、2−ペンテン、
n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタ
ン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペン
テン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−2−ペ
ンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−2−
ペンテン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチル
ブタン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメ
チル−2−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、n
−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサ
ン、2−メチル−1−ヘキセン、2,2−ジメチルペン
タン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペ
ンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタ
ン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、4−メチルヘ
プタン、2−メチル−1−ヘプテン、2,2−ジメチル
ヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチ
ルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、n−ノナン、
石油エーテル、シクロペンタン、トルエン、キシレン
(m−体,p−体,o,m,p−体の混合物)等であ
り、この中でn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、石油エーテルが特に好ましい。本発明では、上記溶
媒から1つを選んで用いても良いし、2種類以上の溶媒
を混ぜ合わせて用いても良い。
は、アルケニルサリチル酸を溶解することができ、かつ
融点が−45℃以下の溶媒であり、その中でも、脂肪族
炭化水素及び芳香族炭化水素が好ましく、特に脂肪族飽
和炭化水素が好ましい。例えば、n−プロパン、n−ブ
タン、2−メチルプロパン、n−ペンタン、2−メチル
ブタン、ネオペンタン、1−ペンテン、2−ペンテン、
n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタ
ン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−2−ペン
テン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−2−ペ
ンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−2−
ペンテン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチル
ブタン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメ
チル−2−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、n
−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサ
ン、2−メチル−1−ヘキセン、2,2−ジメチルペン
タン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペ
ンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタ
ン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、4−メチルヘ
プタン、2−メチル−1−ヘプテン、2,2−ジメチル
ヘキサン、2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチ
ルヘキサン、3,4−ジメチルヘキサン、n−ノナン、
石油エーテル、シクロペンタン、トルエン、キシレン
(m−体,p−体,o,m,p−体の混合物)等であ
り、この中でn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、石油エーテルが特に好ましい。本発明では、上記溶
媒から1つを選んで用いても良いし、2種類以上の溶媒
を混ぜ合わせて用いても良い。
【0021】本発明に用いる溶媒の量は、アルケニルサ
リチル酸の含有量が再結晶温度における飽和溶解度以上
の濃度になることが好ましく、混合物10量部に対し
て、5〜2000重量部、好ましくは10〜500重量
部である。混合物10重量部に対して、溶媒量が5重量
部より少ない場合には、系の粘度が上昇し、さらには再
結晶溶液全体が固化するので、析出した結晶をろ過しに
くくなり、溶媒量2000重量部より多い場合には結晶
の析出量が著しく減少する。
リチル酸の含有量が再結晶温度における飽和溶解度以上
の濃度になることが好ましく、混合物10量部に対し
て、5〜2000重量部、好ましくは10〜500重量
部である。混合物10重量部に対して、溶媒量が5重量
部より少ない場合には、系の粘度が上昇し、さらには再
結晶溶液全体が固化するので、析出した結晶をろ過しに
くくなり、溶媒量2000重量部より多い場合には結晶
の析出量が著しく減少する。
【0022】さらに、本発明では、混合物を溶媒に溶解
した溶液中に含有される水分量は混合物10重量部に対
して、0.2重量部以下である。なぜなら、系内に混合
物10重量部に対して、0.2重量部より多い水分が存
在すると、−45℃以下に冷却しても、アルケニルレゾ
ルシノールが析出し、アルケニルサリチル酸純度が低下
するためである。
した溶液中に含有される水分量は混合物10重量部に対
して、0.2重量部以下である。なぜなら、系内に混合
物10重量部に対して、0.2重量部より多い水分が存
在すると、−45℃以下に冷却しても、アルケニルレゾ
ルシノールが析出し、アルケニルサリチル酸純度が低下
するためである。
【0023】圧搾法などにより、植物から抽出された未
処理の抽出油には、元々ある程度の水分が含有されてお
り、含水量に応じて水分を除去する操作が必要である。
使用する溶媒についても、含水量に応じて脱水操作が必
要である。本発明に用いられる分離精製設備について
も、混入する水分量をコントロールする必要があり、設
備内を密閉系にするか、乾燥した、本発明に対して不活
性な気体を充填もしくは気流とすることが好ましい。不
活性気体としては、空気、二酸化炭素、窒素、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴン等が挙げられる。
処理の抽出油には、元々ある程度の水分が含有されてお
り、含水量に応じて水分を除去する操作が必要である。
使用する溶媒についても、含水量に応じて脱水操作が必
要である。本発明に用いられる分離精製設備について
も、混入する水分量をコントロールする必要があり、設
備内を密閉系にするか、乾燥した、本発明に対して不活
性な気体を充填もしくは気流とすることが好ましい。不
活性気体としては、空気、二酸化炭素、窒素、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴン等が挙げられる。
【0024】本発明の分離精製方法では、未処理の抽出
油を用いても、充分に着色の少ないアルケニルサリチル
酸が得られるが、抽出油を、炭素数2〜6のニトリル、
炭素数1〜6のアルコール、炭素数3〜8の酢酸エステ
ルに溶解したときに析出する黒色沈殿を除去することに
より、さらに着色の少ないアルケニルサリチル酸を得る
ことができる。
油を用いても、充分に着色の少ないアルケニルサリチル
酸が得られるが、抽出油を、炭素数2〜6のニトリル、
炭素数1〜6のアルコール、炭素数3〜8の酢酸エステ
ルに溶解したときに析出する黒色沈殿を除去することに
より、さらに着色の少ないアルケニルサリチル酸を得る
ことができる。
【0025】未処理の抽出油を溶解することにより、黒
色沈殿を析出させる溶媒としては、炭素数2〜6のニト
リル、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブ
チロニトリル等、炭素数1〜6のアルコール、例えば、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール
等、炭素数3〜8の酢酸エステル、例えば、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等がある
が、この中で、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブ
チロニトリル、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、酢酸メチル、酢酸エチルなどが好ましく、これらの
溶媒を単独で用いても良いし、複数を混ぜ合わせて用い
ても良い。
色沈殿を析出させる溶媒としては、炭素数2〜6のニト
リル、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブ
チロニトリル等、炭素数1〜6のアルコール、例えば、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール
等、炭素数3〜8の酢酸エステル、例えば、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等がある
が、この中で、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブ
チロニトリル、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、酢酸メチル、酢酸エチルなどが好ましく、これらの
溶媒を単独で用いても良いし、複数を混ぜ合わせて用い
ても良い。
【0026】黒色沈殿の除去処理を行う際の溶媒量は、
抽出油10重量部に対して、5〜5000重量部が好ま
しい。溶媒量が5重量部よりも少ない場合には、析出す
る沈殿量が非常に少なく、黒色沈殿除去の効果が小さ
い。溶媒を多量に用いると、黒色沈殿を効果的に除去す
ることができるものの、5000重量部より多い場合に
は、溶液量が多くなり、操作が煩雑となる。
抽出油10重量部に対して、5〜5000重量部が好ま
しい。溶媒量が5重量部よりも少ない場合には、析出す
る沈殿量が非常に少なく、黒色沈殿除去の効果が小さ
い。溶媒を多量に用いると、黒色沈殿を効果的に除去す
ることができるものの、5000重量部より多い場合に
は、溶液量が多くなり、操作が煩雑となる。
【0027】黒色沈殿除去の処理温度については、特に
制限はないが、混合物溶液の凝固点以上、150℃以下
が好ましい。処理する際の温度が150℃より高い場合
には、除去される沈殿量が減少するばかりでなく、アル
ケニルサリチル酸の分解(脱炭酸)が起こる可能があ
る。尚、この操作は、黒色沈殿を除いた混合物を含む溶
液から、溶媒を留去する際に、脱水も同時に行えるとい
う利点がある。
制限はないが、混合物溶液の凝固点以上、150℃以下
が好ましい。処理する際の温度が150℃より高い場合
には、除去される沈殿量が減少するばかりでなく、アル
ケニルサリチル酸の分解(脱炭酸)が起こる可能があ
る。尚、この操作は、黒色沈殿を除いた混合物を含む溶
液から、溶媒を留去する際に、脱水も同時に行えるとい
う利点がある。
【0028】さらに、本発明の分離精製法では、未処理
の抽出油を塩酸や硫酸などの酸で処理した油を使用する
ことができる。未処理の抽出油には、鉄をはじめとして
種々の金属が含有されている。これらの金属はアルケニ
ルサリチル酸と錯体を形成し、数ppmでも発色するの
で、アルケニルサリチル酸の着色の原因となるばかり
か、金属イオンはアルケニルサリチル酸の熱安定性を大
きく低下させるので問題である。
の抽出油を塩酸や硫酸などの酸で処理した油を使用する
ことができる。未処理の抽出油には、鉄をはじめとして
種々の金属が含有されている。これらの金属はアルケニ
ルサリチル酸と錯体を形成し、数ppmでも発色するの
で、アルケニルサリチル酸の着色の原因となるばかり
か、金属イオンはアルケニルサリチル酸の熱安定性を大
きく低下させるので問題である。
【0029】抽出油を酸で処理することにより、これら
の金属イオンを除去することができるので、1)抽出油
中でのアルケニルサリチル酸の熱安定性が向上する、
2)精製されたアルケニルサリチル酸に金属イオンが混
入することがないので、低着色のアルケニルサリチル酸
が得られる、などの利点がある。酸処理する方法は、種
々の方法が考えられるが、例えば、抽出油をそのままも
しくは適当な溶媒に溶解して、水に溶解した酸で処理し
て、水層側に金属イオンを抽出する方法が一般的であ
る。
の金属イオンを除去することができるので、1)抽出油
中でのアルケニルサリチル酸の熱安定性が向上する、
2)精製されたアルケニルサリチル酸に金属イオンが混
入することがないので、低着色のアルケニルサリチル酸
が得られる、などの利点がある。酸処理する方法は、種
々の方法が考えられるが、例えば、抽出油をそのままも
しくは適当な溶媒に溶解して、水に溶解した酸で処理し
て、水層側に金属イオンを抽出する方法が一般的であ
る。
【0030】使用される酸は特に限定しないが、塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、蟻酸、シュウ酸などがあ
り、これらの酸を単独で用いても良いし、複数を混ぜ合
わせて用いても良い。使用される酸の量は、抽出油10
重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましい。
酸の量が0.001重量部以下では、酸処理の効果が著
しく低下し、10重量部以上では、アルケニルサリチル
酸の変性が起こり好ましくない。
硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、蟻酸、シュウ酸などがあ
り、これらの酸を単独で用いても良いし、複数を混ぜ合
わせて用いても良い。使用される酸の量は、抽出油10
重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましい。
酸の量が0.001重量部以下では、酸処理の効果が著
しく低下し、10重量部以上では、アルケニルサリチル
酸の変性が起こり好ましくない。
【0031】また、本発明の分離精製法に用いられる混
合物中には、アルケニルフェノールが、アルケニルレゾ
ルシノール10重量部に対して、0.1重量部以上含有
されていることが好ましい。アルケニルレゾルシノール
はアルケニルサリチル酸に比べて融点がわずかに高く、
例えば炭素数15のアルキル側鎖を有するアナカルド酸
と炭素数15のアルキル側鎖を有するカルドールでは、
アナカルド酸の融点は89〜90℃に対して、カルドー
ルでは95〜96℃である。さらに、本発明に使用され
る溶媒、特に脂肪族炭化水素に対するアルケニルサリチ
ル酸とアルケニルレゾルシノールの溶解度を比較する
と、アルケニルサリチル酸に比べアルケニルレゾルシノ
ールの方が低い。このため深冷下においては、アルケニ
ルサリチル酸よりもむしろアルケニルレゾルシノールの
方が析出しやすい。
合物中には、アルケニルフェノールが、アルケニルレゾ
ルシノール10重量部に対して、0.1重量部以上含有
されていることが好ましい。アルケニルレゾルシノール
はアルケニルサリチル酸に比べて融点がわずかに高く、
例えば炭素数15のアルキル側鎖を有するアナカルド酸
と炭素数15のアルキル側鎖を有するカルドールでは、
アナカルド酸の融点は89〜90℃に対して、カルドー
ルでは95〜96℃である。さらに、本発明に使用され
る溶媒、特に脂肪族炭化水素に対するアルケニルサリチ
ル酸とアルケニルレゾルシノールの溶解度を比較する
と、アルケニルサリチル酸に比べアルケニルレゾルシノ
ールの方が低い。このため深冷下においては、アルケニ
ルサリチル酸よりもむしろアルケニルレゾルシノールの
方が析出しやすい。
【0032】しかしながら、系内にアルケニルフェノー
ルが共存することにより、冷却時、特に−45℃以下で
のアルケニルレゾルシノールの再結晶溶液中への溶解度
が増大し、アルケニルレゾルシノールの析出が抑制さ
れ、アルケニルサリチル酸のみが結晶化する。それ故
に、アルケニルフェノールの含有量が、アルケニルレゾ
ルシノール10重量部に対して、0.1重量部より低い
場合には、−45℃以下に冷却しても、アルケニルレゾ
ルシノールが析出し、アルケニルサリチル酸純度が低下
する。
ルが共存することにより、冷却時、特に−45℃以下で
のアルケニルレゾルシノールの再結晶溶液中への溶解度
が増大し、アルケニルレゾルシノールの析出が抑制さ
れ、アルケニルサリチル酸のみが結晶化する。それ故
に、アルケニルフェノールの含有量が、アルケニルレゾ
ルシノール10重量部に対して、0.1重量部より低い
場合には、−45℃以下に冷却しても、アルケニルレゾ
ルシノールが析出し、アルケニルサリチル酸純度が低下
する。
【0033】本発明の分離精製法は、混合物から着色の
少ないアルケニルサリチル酸を高純度、高収率で得るこ
とが可能である。しかし、精製したアルケニルサリチル
酸が着色している場合や用途によりさらに着色の少ない
アルケニルサリチル酸が必要な場合は、再結晶を繰り返
すことにより脱色することが可能である。さらに、再結
晶を行う際に、アルケニルサリチル酸10重量部に対し
て、アルケニルフェノールを0.1〜50重量部添加す
ることにより、より効率的に脱色することができる。ア
ルケニルフェノール量がアルケニルサリチル酸10重量
部に対して、0.1重量部より少ない場合には、アルケ
ニルフェノール添加による脱色の効果は小さく、50重
量部より多い場合には、アルケニルサリチル酸の収率低
下が顕著となり好ましくない。例えば、カシュー油中に
含有されるアルケニルフェノール、カルダノールは、熱
処理していない天然カシュー油を180〜200℃の温
度で熱処理して、アルケニルサリチル酸を脱炭酸させた
テクニカルCNSLを、180℃、0.1mmHgで蒸
留することにより、高純度のものを得ることができる。
少ないアルケニルサリチル酸を高純度、高収率で得るこ
とが可能である。しかし、精製したアルケニルサリチル
酸が着色している場合や用途によりさらに着色の少ない
アルケニルサリチル酸が必要な場合は、再結晶を繰り返
すことにより脱色することが可能である。さらに、再結
晶を行う際に、アルケニルサリチル酸10重量部に対し
て、アルケニルフェノールを0.1〜50重量部添加す
ることにより、より効率的に脱色することができる。ア
ルケニルフェノール量がアルケニルサリチル酸10重量
部に対して、0.1重量部より少ない場合には、アルケ
ニルフェノール添加による脱色の効果は小さく、50重
量部より多い場合には、アルケニルサリチル酸の収率低
下が顕著となり好ましくない。例えば、カシュー油中に
含有されるアルケニルフェノール、カルダノールは、熱
処理していない天然カシュー油を180〜200℃の温
度で熱処理して、アルケニルサリチル酸を脱炭酸させた
テクニカルCNSLを、180℃、0.1mmHgで蒸
留することにより、高純度のものを得ることができる。
【0034】この他、活性炭等の吸着剤を用いることに
より脱色することも可能である。ここでいうアルケニル
サリチル酸の着色とは、着色原因成分について個々の同
定は行っていないが、金属、キノン、芳香環に結合した
側鎖二重結合の酸化重合成分などが原因で起こっている
と考えられる。本発明では、アルケニルサリチル酸を高
純度で分離精製することが可能である。しかしながら、
許容量以上の水分が混入したり、結晶の洗浄が不十分で
あると、アルケニルサリチル酸結晶中にアルケニルレゾ
ルシノールが混入する場合がある。この場合、再結晶を
繰り返してもアルケニルレゾルシノールの除去は困難で
あり、アルケニルレゾルシノールの濃縮やアルケニルサ
リチル酸の収率低下の原因となる。
より脱色することも可能である。ここでいうアルケニル
サリチル酸の着色とは、着色原因成分について個々の同
定は行っていないが、金属、キノン、芳香環に結合した
側鎖二重結合の酸化重合成分などが原因で起こっている
と考えられる。本発明では、アルケニルサリチル酸を高
純度で分離精製することが可能である。しかしながら、
許容量以上の水分が混入したり、結晶の洗浄が不十分で
あると、アルケニルサリチル酸結晶中にアルケニルレゾ
ルシノールが混入する場合がある。この場合、再結晶を
繰り返してもアルケニルレゾルシノールの除去は困難で
あり、アルケニルレゾルシノールの濃縮やアルケニルサ
リチル酸の収率低下の原因となる。
【0035】そこで、アルケニルサリチル酸とアルケニ
ルレゾルシノールの混合物に、アルケニルレゾルシノー
ル10重量部に対して、アルケニルフェノールを0.1
〜10000重量部を添加して、本発明と同様の操作で
精製すると、アルケニルレゾルシノールを効率的に除去
することができる。アルケニルフェノール量がアルケニ
ルレゾルシノール10重量部に対して、0.1重量部よ
り少ない場合には、アルケニルフェノール添加によるア
ルケニルレゾルシノール除去の効果は小さく、1000
0重量部より多い場合には、アルケニルサリチル酸の収
率低下が顕著となり好ましくない。
ルレゾルシノールの混合物に、アルケニルレゾルシノー
ル10重量部に対して、アルケニルフェノールを0.1
〜10000重量部を添加して、本発明と同様の操作で
精製すると、アルケニルレゾルシノールを効率的に除去
することができる。アルケニルフェノール量がアルケニ
ルレゾルシノール10重量部に対して、0.1重量部よ
り少ない場合には、アルケニルフェノール添加によるア
ルケニルレゾルシノール除去の効果は小さく、1000
0重量部より多い場合には、アルケニルサリチル酸の収
率低下が顕著となり好ましくない。
【0036】本発明の分離精製方法において、晶析法や
結晶濾過法は、特に限定はなく、通常の方法により、実
施することができるが、分離精製設備内の水分量をコン
トロールできることが好ましい。本発明の分離精製法に
おいて、晶析法については、バッチ式で行っても良い
し、連続式で行っても良い。また、晶析中、溶液を静置
して結晶を析出させても良いし、溶液を攪拌しながら析
出させても良い。
結晶濾過法は、特に限定はなく、通常の方法により、実
施することができるが、分離精製設備内の水分量をコン
トロールできることが好ましい。本発明の分離精製法に
おいて、晶析法については、バッチ式で行っても良い
し、連続式で行っても良い。また、晶析中、溶液を静置
して結晶を析出させても良いし、溶液を攪拌しながら析
出させても良い。
【0037】結晶の濾過法については、減圧濾過でも良
いし、加圧濾過でも良い。また、遠心分離により、結晶
を分別しても良い。
いし、加圧濾過でも良い。また、遠心分離により、結晶
を分別しても良い。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、実施例を用いて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。本実施例では、アルケニルサリチ
ル酸、アルケニルレゾルシノール、アルケニルフェノー
ルの混合物は、インド産のカシューナッツの殻から圧搾
法により抽出された天然カシュー油を用いた。
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。本実施例では、アルケニルサリチ
ル酸、アルケニルレゾルシノール、アルケニルフェノー
ルの混合物は、インド産のカシューナッツの殻から圧搾
法により抽出された天然カシュー油を用いた。
【0039】
【参考例】インド産の天然カシュー油(含水量:2.5
8重量%)10.0gをn−ヘキサン100.0gに溶
解し、アナカルド酸の含有率を液体クロマトグラフィー
(検出波長:λ=280nm)から決定した。さらに、
天然カシュー油100mgをエタノール10mlに溶解
して、セル長1cmの石英セルを用いてUVスペクトル
測定を行い、λ=420,490nmでの吸光度を測定
した。
8重量%)10.0gをn−ヘキサン100.0gに溶
解し、アナカルド酸の含有率を液体クロマトグラフィー
(検出波長:λ=280nm)から決定した。さらに、
天然カシュー油100mgをエタノール10mlに溶解
して、セル長1cmの石英セルを用いてUVスペクトル
測定を行い、λ=420,490nmでの吸光度を測定
した。
【0040】カシュー油の組成および吸光度を表1に示
す。
す。
【0041】
【実施例1】参考例1のカシュー油を真空乾燥機にて脱
水したもの(含水量:0.005重量%)10.0gを
n−ペンタン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
65℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−ペンタン50.
0gで洗浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶
は、室温(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であっ
た。
水したもの(含水量:0.005重量%)10.0gを
n−ペンタン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
65℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−ペンタン50.
0gで洗浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶
は、室温(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であっ
た。
【0042】さらに、得られた結晶100mgをエタノ
ール10mlに溶解して、セル長1cmの石英セルを用
いてUVスペクトル測定を行い、λ=420,490n
mでの吸光度を測定した。また、同様のサンプルを用い
て、液体クロマトグラフィー(検出波長:λ=280n
m)を測定し、結晶組成を決定した。アナカルド酸の純
度および着色の程度は、それぞれ液体クロマトグラフィ
ーから決定される結晶組成およびUVスペクトルの吸光
度(吸光度が大きいほど着色が大きい)から判定した。
(以下、実施例および比較例において、得られたアナカ
ルド酸のUVスペクトル測定は、同様のサンプル調製法
により、λ=420,490nmでの吸光度を測定し、
結晶組成は液体クロマトグラフィーから決定した。) この実施例から得られた結晶の組成、吸光度およびアナ
カルド酸の収率を表1に示す。
ール10mlに溶解して、セル長1cmの石英セルを用
いてUVスペクトル測定を行い、λ=420,490n
mでの吸光度を測定した。また、同様のサンプルを用い
て、液体クロマトグラフィー(検出波長:λ=280n
m)を測定し、結晶組成を決定した。アナカルド酸の純
度および着色の程度は、それぞれ液体クロマトグラフィ
ーから決定される結晶組成およびUVスペクトルの吸光
度(吸光度が大きいほど着色が大きい)から判定した。
(以下、実施例および比較例において、得られたアナカ
ルド酸のUVスペクトル測定は、同様のサンプル調製法
により、λ=420,490nmでの吸光度を測定し、
結晶組成は液体クロマトグラフィーから決定した。) この実施例から得られた結晶の組成、吸光度およびアナ
カルド酸の収率を表1に示す。
【0043】
【実施例2】実施例1と同様のカシュー油10.0gを
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
65℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−ヘキサン50.
0gで洗浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶
は、室温(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であっ
た。
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
65℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−ヘキサン50.
0gで洗浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶
は、室温(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であっ
た。
【0044】この実施例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
【0045】
【実施例3】実施例1と同様のカシュー油10.0gを
n−ヘプタン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
65℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−ヘプタン50.
0gで洗浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶
は、室温(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であっ
た。
n−ヘプタン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
65℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−ヘプタン50.
0gで洗浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶
は、室温(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であっ
た。
【0046】この実施例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
【0047】
【実施例4】参考例1と同様のカシュー油を25℃でア
セトニトリルに10重量%の濃度で溶解し、析出した黒
色沈殿を除去し、アセトニトリルを留去した、カシュー
油(含水量:0.008重量%)10.0gをn−ヘキ
サン100.0gに溶解したものを、300mlセパラ
ブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾
燥した窒素気流下(100ml/min)、−65℃で
放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ
過し、−65℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗
浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶は、室温
(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であった。
セトニトリルに10重量%の濃度で溶解し、析出した黒
色沈殿を除去し、アセトニトリルを留去した、カシュー
油(含水量:0.008重量%)10.0gをn−ヘキ
サン100.0gに溶解したものを、300mlセパラ
ブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾
燥した窒素気流下(100ml/min)、−65℃で
放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ
過し、−65℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗
浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶は、室温
(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であった。
【0048】この実施例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
【0049】
【実施例5】参考例1と同様のカシュー油を25℃で酢
酸エチルに10重量%の濃度で溶解し、析出した黒色沈
殿を除去し、酢酸エチルを留去した、カシュー油(含水
量:0.006重量%)10.0gをn−ヘキサン10
0.0gに溶解したものを、300mlセパラブルフラ
スコに仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥した窒
素気流下(100ml/min)、−65℃で放置し
た。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、
−65℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄し
た。得られた金属様光沢を有する白色結晶は、室温(約
30℃)では、微淡黄色粘性液体であった。
酸エチルに10重量%の濃度で溶解し、析出した黒色沈
殿を除去し、酢酸エチルを留去した、カシュー油(含水
量:0.006重量%)10.0gをn−ヘキサン10
0.0gに溶解したものを、300mlセパラブルフラ
スコに仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥した窒
素気流下(100ml/min)、−65℃で放置し
た。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、
−65℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄し
た。得られた金属様光沢を有する白色結晶は、室温(約
30℃)では、微淡黄色粘性液体であった。
【0050】この実施例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
【0051】
【実施例6】参考例1と同様のカシュー油20gをn−
ヘキサンに10重量%の濃度で溶解し、1重量%硫酸水
溶液200gを加え、25℃で10分間攪拌後、n−ヘ
キサン層を分取した。n−ヘキサン層を蒸留水100m
lで3回洗浄し、溶媒留去、乾燥した。
ヘキサンに10重量%の濃度で溶解し、1重量%硫酸水
溶液200gを加え、25℃で10分間攪拌後、n−ヘ
キサン層を分取した。n−ヘキサン層を蒸留水100m
lで3回洗浄し、溶媒留去、乾燥した。
【0052】酸処理したカシュー油(含水量:0.00
8重量%)10.0gをn−ヘキサン100.0gに溶
解したものを、300mlセパラブルフラスコに仕込
み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流下
(100ml/min)、−65℃で放置した。6時間
後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−65℃に
冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄した。得られた
金属様光沢を有する白色結晶は、室温(約30℃)で
は、微淡黄色粘性液体であった。
8重量%)10.0gをn−ヘキサン100.0gに溶
解したものを、300mlセパラブルフラスコに仕込
み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流下
(100ml/min)、−65℃で放置した。6時間
後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−65℃に
冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄した。得られた
金属様光沢を有する白色結晶は、室温(約30℃)で
は、微淡黄色粘性液体であった。
【0053】この実施例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
【0054】
【実施例7】炭酸ナトリウムを用いたアルカリ抽出法に
より得られた、カルドールおよびカルダノールをアナカ
ルド酸に対して、それぞれ15.2重量%、2.1重量
%含有するアナカルド酸10.0gをn−ヘキサン10
0.0gに溶解したものを、300mlセパラブルフラ
スコに仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥した窒
素気流下(100ml/min)、−65℃で放置し
た。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、
−65℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄し
た。得られた金属様光沢を有する白色結晶は、室温(約
30℃)では、微淡黄色粘性液体であった。
より得られた、カルドールおよびカルダノールをアナカ
ルド酸に対して、それぞれ15.2重量%、2.1重量
%含有するアナカルド酸10.0gをn−ヘキサン10
0.0gに溶解したものを、300mlセパラブルフラ
スコに仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥した窒
素気流下(100ml/min)、−65℃で放置し
た。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、
−65℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄し
た。得られた金属様光沢を有する白色結晶は、室温(約
30℃)では、微淡黄色粘性液体であった。
【0055】この実施例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
【0056】
【実施例8】鉛塩法により得られた、カルドールをアナ
カルド酸に対して、1.2重量%、含有するアナカルド
酸10.0gをn−ヘキサン100.0gに溶解したも
のを、300mlセパラブルフラスコに仕込み、蒸留カ
ルダノール0.1g(カルドール10重量部に対して、
8.3重量部)を添加し、密閉して、塩化カルシウムで
乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−55℃
で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引
ろ過し、−55℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで
洗浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶は、室
温(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であった。
カルド酸に対して、1.2重量%、含有するアナカルド
酸10.0gをn−ヘキサン100.0gに溶解したも
のを、300mlセパラブルフラスコに仕込み、蒸留カ
ルダノール0.1g(カルドール10重量部に対して、
8.3重量部)を添加し、密閉して、塩化カルシウムで
乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−55℃
で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引
ろ過し、−55℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで
洗浄した。得られた金属様光沢を有する白色結晶は、室
温(約30℃)では、微淡黄色粘性液体であった。
【0057】この実施例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
【0058】
【実施例9】アナカルド酸100mgをエタノール10
mlに溶解した時、λ=420,490nmでの吸光度
がそれぞれ0.018,0.015の、褐色に着色した
アナカルド酸10.0g(液体クロマトグラフィーでの
アナカルド酸純度:99.5%)をn−ヘキサン10
0.0gに溶解したものを、300mlセパラブルフラ
スコに仕込み、蒸留カルダノール0.5g(アナカルド
酸10重量部に対して、0.5重量部)を添加し、密閉
して、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流下(100m
l/min)、−55℃で放置した。6時間後、析出し
た結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−55℃に冷やしたn
−ヘキサン50.0gで洗浄した。得られた金属様光沢
を有する白色結晶は、室温(約30℃)では、微淡黄色
粘性液体であった。
mlに溶解した時、λ=420,490nmでの吸光度
がそれぞれ0.018,0.015の、褐色に着色した
アナカルド酸10.0g(液体クロマトグラフィーでの
アナカルド酸純度:99.5%)をn−ヘキサン10
0.0gに溶解したものを、300mlセパラブルフラ
スコに仕込み、蒸留カルダノール0.5g(アナカルド
酸10重量部に対して、0.5重量部)を添加し、密閉
して、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流下(100m
l/min)、−55℃で放置した。6時間後、析出し
た結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−55℃に冷やしたn
−ヘキサン50.0gで洗浄した。得られた金属様光沢
を有する白色結晶は、室温(約30℃)では、微淡黄色
粘性液体であった。
【0059】この実施例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表1に示す。
【0060】
【比較例1】実施例1で用いたカシュー油10.0gを
n−ヘキサン100.0gに溶解したものに、水酸化鉛
12.6gを懸濁させ、室温で攪拌した。4時間後、沈
殿を吸引ろ過し、n−ヘキサン100.0gで洗浄し
た。さらに、沈殿をn−ヘキサンに懸濁させ、冷希硝酸
を加え、激しく攪拌した。1時間後、n−ヘキサン層を
分取し、中性になるまで食塩水および蒸留水で洗浄し
た。n−ヘキサンを留去して、赤橙色粘性液体を得た。
尚、得られた赤橙色粘性液体中には鉛が2ppm含有さ
れていた。
n−ヘキサン100.0gに溶解したものに、水酸化鉛
12.6gを懸濁させ、室温で攪拌した。4時間後、沈
殿を吸引ろ過し、n−ヘキサン100.0gで洗浄し
た。さらに、沈殿をn−ヘキサンに懸濁させ、冷希硝酸
を加え、激しく攪拌した。1時間後、n−ヘキサン層を
分取し、中性になるまで食塩水および蒸留水で洗浄し
た。n−ヘキサンを留去して、赤橙色粘性液体を得た。
尚、得られた赤橙色粘性液体中には鉛が2ppm含有さ
れていた。
【0061】この比較例から得られた粘性液体の組成、
吸光度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
吸光度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
【0062】
【比較例2】実施例1で用いたカシュー油10.0gを
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、蒸留水5
0mlで洗浄した。n−ヘキサン層を10%炭酸ナトリ
ウム水溶液10mlで4回抽出した。得られた炭酸ナト
リウム水溶液層を希塩酸で中和し、分離してきた油状成
分をn−ヘキサン100.0gで抽出した。n−ヘキサ
ン層を蒸留水で洗浄後、溶媒を留去して、褐色粘性液体
を得た。
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、蒸留水5
0mlで洗浄した。n−ヘキサン層を10%炭酸ナトリ
ウム水溶液10mlで4回抽出した。得られた炭酸ナト
リウム水溶液層を希塩酸で中和し、分離してきた油状成
分をn−ヘキサン100.0gで抽出した。n−ヘキサ
ン層を蒸留水で洗浄後、溶媒を留去して、褐色粘性液体
を得た。
【0063】この比較例から得られた粘性液体の組成、
吸光度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
吸光度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
【0064】
【比較例3】実施例1で用いたカシュー油10.0gを
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
40℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−40℃に冷やしたn−ヘキサン50.
0gで洗浄した。得られた淡赤橙色結晶は、室温(約3
0℃)では、橙色粘性液体であった。
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
40℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−40℃に冷やしたn−ヘキサン50.
0gで洗浄した。得られた淡赤橙色結晶は、室温(約3
0℃)では、橙色粘性液体であった。
【0065】この比較例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
【0066】
【比較例4】実施例4で用いた、アセトニトリルにより
黒色沈殿を除去したカシュー油10.0gをn−ヘキサ
ン100.0gに溶解したものを、300mlセパラブ
ルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥
した窒素気流下(100ml/min)、−40℃で放
置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過
し、−40℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄
した。得られた淡赤橙色結晶は、室温(約30℃)で
は、橙色粘性液体であった。
黒色沈殿を除去したカシュー油10.0gをn−ヘキサ
ン100.0gに溶解したものを、300mlセパラブ
ルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥
した窒素気流下(100ml/min)、−40℃で放
置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過
し、−40℃に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄
した。得られた淡赤橙色結晶は、室温(約30℃)で
は、橙色粘性液体であった。
【0067】この比較例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
【0068】
【比較例5】実施例1で用いたカシュー油10.0gを
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
30℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−30℃に冷やしたn−ヘキサン50.
0gで洗浄した。得られた淡赤橙色結晶は、室温(約3
0℃)では、橙色粘性液体であった。
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、300m
lセパラブルフラスコに仕込み、密閉して、塩化カルシ
ウムで乾燥した窒素気流下(100ml/min)、−
30℃で放置した。6時間後、析出した結晶を冷却しつ
つ吸引ろ過し、−30℃に冷やしたn−ヘキサン50.
0gで洗浄した。得られた淡赤橙色結晶は、室温(約3
0℃)では、橙色粘性液体であった。
【0069】この比較例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
【0070】
【比較例6】脱水処理を行わない、参考例1のカシュー
油10.0gをn−ペンタン100.0gに溶解したも
のを、300mlセパラブルフラスコに仕込み、密閉し
て、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流下(100ml
/min)、−65℃で放置した。6時間後、析出した
結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−
ペンタン50.0gで洗浄した。得られた淡赤橙色結晶
は、室温(約30℃)では、褐色粘性液体であった。
油10.0gをn−ペンタン100.0gに溶解したも
のを、300mlセパラブルフラスコに仕込み、密閉し
て、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流下(100ml
/min)、−65℃で放置した。6時間後、析出した
結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−
ペンタン50.0gで洗浄した。得られた淡赤橙色結晶
は、室温(約30℃)では、褐色粘性液体であった。
【0071】この比較例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
【0072】
【比較例7】実施例1と同様のカシュー油10.0gを
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、300m
lビーカーに仕込み、ビーカーの上部を開放して、−6
5℃で放置した。6時間後(含水量はカシュー油10重
量部に対して、0.23重量部であった)、析出した結
晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−ヘ
キサン50.0gで洗浄した。得られた薄赤橙色結晶
は、室温(約30℃)では、褐色粘性液体であった。
n−ヘキサン100.0gに溶解したものを、300m
lビーカーに仕込み、ビーカーの上部を開放して、−6
5℃で放置した。6時間後(含水量はカシュー油10重
量部に対して、0.23重量部であった)、析出した結
晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−65℃に冷やしたn−ヘ
キサン50.0gで洗浄した。得られた薄赤橙色結晶
は、室温(約30℃)では、褐色粘性液体であった。
【0073】この比較例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
【0074】
【比較例8】実施例8で用いた鉛塩法により得られた、
カルドールをアナカルド酸に対して、1.2重量%含有
するアナカルド酸10.0gをn−ヘキサン100.0
gに溶解したものを、300mlセパラブルフラスコに
仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流
下(100ml/min)、−55℃で放置した。6時
間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−55℃
に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄した。得られ
た薄赤橙色結晶は、室温(約30℃)では、赤橙色粘性
液体であった。
カルドールをアナカルド酸に対して、1.2重量%含有
するアナカルド酸10.0gをn−ヘキサン100.0
gに溶解したものを、300mlセパラブルフラスコに
仕込み、密閉して、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流
下(100ml/min)、−55℃で放置した。6時
間後、析出した結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−55℃
に冷やしたn−ヘキサン50.0gで洗浄した。得られ
た薄赤橙色結晶は、室温(約30℃)では、赤橙色粘性
液体であった。
【0075】この比較例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
【0076】
【比較例9】実施例9で用いた、着色したアナカルド酸
10.0gをn−ヘキサン100.0gに溶解したもの
を、300mlセパラブルフラスコに仕込み、密閉し
て、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流下(100ml
/min)、−55℃で放置した。6時間後、析出した
結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−55℃に冷やしたn−
ヘキサン50.0gで洗浄した。得られた金属様光沢を
有する淡黄色結晶は、室温(約30℃)では、薄褐色粘
性液体であった。
10.0gをn−ヘキサン100.0gに溶解したもの
を、300mlセパラブルフラスコに仕込み、密閉し
て、塩化カルシウムで乾燥した窒素気流下(100ml
/min)、−55℃で放置した。6時間後、析出した
結晶を冷却しつつ吸引ろ過し、−55℃に冷やしたn−
ヘキサン50.0gで洗浄した。得られた金属様光沢を
有する淡黄色結晶は、室温(約30℃)では、薄褐色粘
性液体であった。
【0077】この比較例から得られた結晶の組成、吸光
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
度およびアナカルド酸の収率を表2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【発明の効果】本発明の再結晶によるアルケニルサリチ
ル酸の分離精製方法は、操作が容易で、工業的規模でカ
シューの種子殻やイチョウの葉などから抽出される油か
ら、着色の少ないアルケニルサリチル酸を高収率、高純
度で分離精製することができる。
ル酸の分離精製方法は、操作が容易で、工業的規模でカ
シューの種子殻やイチョウの葉などから抽出される油か
ら、着色の少ないアルケニルサリチル酸を高収率、高純
度で分離精製することができる。
【0081】また、低温での精製であるので熱的に不安
定なアルケニルサリチル酸の精製に適している。
定なアルケニルサリチル酸の精製に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 9/02 625 B01D 9/02 625C C07C 51/43 C07C 51/43
Claims (22)
- 【請求項1】 下記一般式〔1〕で表されるアルケニル
サリチル酸、および下記一般式〔2〕で表されるアルケ
ニルレゾルシノール、および下記一般式〔3〕で表され
るアルケニルフェノールを含む混合物を溶媒に溶解した
時の溶液中の水分量が該混合物10重量部に対して、
0.2重量部以下である溶液を、−45〜−180℃に
冷却することにより、該混合物中に含有されるアルケニ
ルサリチル酸を析出させて分離することを特徴とするア
ルケニルサリチル酸の分離精製方法。 【化1】 (式中、Rは炭素数13〜17で二重結合数0〜3の直
鎖炭化水素基である。) 【化2】 (式中、R1は炭素数13〜17で二重結合数0〜3の
直鎖炭化水素基であり、R2はHあるいはCH3であ
る。) 【化3】 (式中、Rは炭素数13〜17で二重結合数0〜3の直
鎖炭化水素基である。) - 【請求項2】 該アルケニルサリチル酸が、6−アルケ
ニルサリチル酸である請求項1に記載のアルケニルサリ
チル酸の分離精製方法。 - 【請求項3】 該混合物が、植物から得られた混合物で
ある請求項1または2に記載のアルケニルサリチル酸の
分離精製方法。 - 【請求項4】 該混合物が、該混合物10重量部に対し
て、5〜5000重量部の、炭素数2〜6のニトリル、
炭素数1〜6のアルコール、炭素数3〜8の酢酸エステ
ルから選ばれる1種類または複数の混合液に、該混合物
を溶解し、生成する沈殿を除去した精製物であることを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルケニル
サリチル酸の分離精製方法。 - 【請求項5】 該混合物が、該混合物10重量部に対し
て、0.001〜10重量部の酸で該混合物を洗浄した
精製物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
に記載のアルケニルサリチル酸の分離精製方法。 - 【請求項6】 該混合物中のアルケニルフェノールが、
アルケニルレゾルシノール10重量部に対して、0.1
重量部以上の含有量であることを特徴とする請求項1〜
5のいずれかに記載のアルケニルサリチル酸の分離精製
方法。 - 【請求項7】 該溶媒が、脂肪族炭化水素および芳香族
炭化水素から選ばれる1種類または複数の混合液である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のアル
ケニルサリチル酸の分離精製方法。 - 【請求項8】 該溶媒が、n−ヘプタン、n−ヘキサ
ン、n−ペンタン、石油エーテルから選ばれる1種類ま
たは複数の混合液であることを特徴とする請求項1〜7
のいずれかに記載のアルケニルサリチル酸の分離精製方
法。 - 【請求項9】 該溶媒が、アルケニルサリチル酸10重
量部に対して、5〜2000重量部の割合であることを
特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のアルケニル
サリチル酸の分離精製方法。 - 【請求項10】 該冷却温度が、−50〜−100℃で
あることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の
アルケニルサリチル酸の分離精製方法。 - 【請求項11】 アルケニルサリチル酸とアルケニルレ
ゾルシノールの混合物を溶媒に溶解し、アルケニルレゾ
ルシノール10重量部に対して、アルケニルフェノール
を0.1〜10000重量部添加して、−45〜−18
0℃に冷却することにより、該混合物中に含有されるア
ルケニルサリチル酸を析出させて分離することを特徴と
するアルケニルサリチル酸の分離精製方法。 - 【請求項12】 該混合物を溶媒に溶解した液が、該混
合物10重量部に対して、0.2重量部以下の水分量で
あることを特徴とする請求項11に記載のアルケニルサ
リチル酸の分離精製方法。 - 【請求項13】 該溶媒が、脂肪族炭化水素および芳香
族炭化水素から選ばれる1種類または複数の混合液であ
ることを特徴とする請求項11または12に記載のアル
ケニルサリチル酸の分離精製方法。 - 【請求項14】 該溶媒が、n−ヘプタン、n−ヘキサ
ン、n−ペンタン、石油エーテルから選ばれる1種類ま
たは複数の混合液であることを特徴とする請求項11〜
13のいずれかに記載のアルケニルサリチル酸の分離精
製方法。 - 【請求項15】 該溶媒が、アルケニルサリチル酸10
重量部に対して、5〜2000重量部の割合であること
を特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載のアル
ケニルサリチル酸の分離精製方法。 - 【請求項16】 該冷却温度が、−50〜−100℃で
あることを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記
載のアルケニルサリチル酸の分離精製方法。 - 【請求項17】 着色成分を含有するアルケニルサリチ
ル酸を溶媒に溶解し、アルケニルサリチル酸10重量部
に対して、アルケニルフェノールを0.1〜50重量部
添加した後、−45〜−180℃の温度に冷却すること
により、アルケニルサリチル酸を析出させることを特徴
とするアルケニルサリチル酸の着色成分除去方法。 - 【請求項18】 該アルケニルサリチル酸を溶媒に溶解
した液が、該アルケニルサリチル酸10重量部に対し
て、0.2重量部以下の水分量であることを特徴とする
請求項17に記載のアルケニルサリチル酸の着色成分除
去方法。 - 【請求項19】 該溶媒が、脂肪族炭化水素および芳香
族炭化水素から選ばれる1種類または複数の混合液であ
ることを特徴とする請求項17または18に記載のアル
ケニルサリチル酸の着色成分除去方法。 - 【請求項20】 該溶媒が、n−ヘプタン、n−ヘキサ
ン、n−ペンタン、石油エーテルから選ばれる1種類ま
たは複数の混合液であることを特徴とする請求項17〜
19のいずれかに記載のアルケニルサリチル酸の着色成
分除去方法。 - 【請求項21】 該溶媒が、アルケニルサリチル酸10
重量部に対して、5〜2000重量部の割合であること
を特徴とする請求項17〜20のいずれかに記載のアル
ケニルサリチル酸の着色成分除去方法。 - 【請求項22】 該冷却温度が、−50〜−100℃で
あることを特徴とする請求項17〜21のいずれかに記
載のアルケニルサリチル酸の着色成分除去方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP34326796A JPH10182549A (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | アルケニルサリチル酸の分離精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34326796A JPH10182549A (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | アルケニルサリチル酸の分離精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10182549A true JPH10182549A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18360209
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34326796A Withdrawn JPH10182549A (ja) | 1996-12-24 | 1996-12-24 | アルケニルサリチル酸の分離精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10182549A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011138608A2 (en) | 2010-05-05 | 2011-11-10 | Bangor University | Fractionation of cashew nut shell liquid |
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-
1996
- 1996-12-24 JP JP34326796A patent/JPH10182549A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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