JPH0693531A - 嵩高な繊維構造物の製造方法 - Google Patents

嵩高な繊維構造物の製造方法

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JPH0693531A
JPH0693531A JP4260502A JP26050292A JPH0693531A JP H0693531 A JPH0693531 A JP H0693531A JP 4260502 A JP4260502 A JP 4260502A JP 26050292 A JP26050292 A JP 26050292A JP H0693531 A JPH0693531 A JP H0693531A
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JP
Japan
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yarn
water
fiber
polyvinyl alcohol
filament
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JP4260502A
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English (en)
Inventor
Takayuki Hirai
孝幸 平井
Yoshifumi Matsuda
良文 松田
Shigeo Horikoshi
重男 堀越
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 肌触り、着心地が良く、しかも形態安定性、
吸水・吸汗性、保温性に優れた崇高な繊維構造物の製造
方法。 【構成】 水溶性ポリビニルアルコールのフィラメント
糸又は水溶性ポリビニルアルコールの短繊維紡績糸に熱
可塑性合成繊維フィラメント糸をコイル状に巻きつけた
カバーリング糸を芯糸とし、セルロース系短繊維を外層
となして作成した多層構造糸で形成された繊維構造物を
水浴中で処理し、芯糸を形成する水溶性ポリビニルアル
コール繊維を溶解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性ポリビニルアル
コール繊維と熱可塑性合成繊維との複合糸を芯糸とし、
セルロース系繊維を外層とした多層構造糸から水溶性ポ
リビニルアルコールを溶解除去して得た嵩高な繊維構造
物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】織物、編物等の繊維構造物に嵩高性を付
与する方法は、従来から多くの方法が提案されている。
【0003】中でも特に良く知られている方法に、熱可
塑性合成繊維フィラメント糸に仮撚加工法などの方法で
巻縮を与えた巻縮加工糸を使用した嵩高織物(通称加工
糸織物)がある。
【0004】例えば、特開昭49―26573号には有
撚の熱可塑性合成繊維フィラメント糸と無撚の熱可塑性
合成繊維フィラメント糸とを引揃え、仮撚巻縮加工を施
した糸で嵩高な織物を製造する方法が開示されている。
【0005】しかしながら、これら熱可塑性合成繊維フ
ィラメント糸で構成された織物は、その風合が必ずしも
満足なものではなく、綿、麻、レーヨン等のセルロース
系繊維の有する独特の風合、肌触りの良さ、吸水性、吸
汗性等が得られない。
【0006】これら熱可塑性合成繊維フィラメント糸で
構成された嵩高繊維構造物の持つ欠点を解消する為にセ
ルロース系短繊維を使用した嵩高な繊維構造物製造方法
も開示されている。
【0007】例えば、特開昭58―136876号に
は、綿、麻等のアルカリ難溶性繊維からなる紡績糸とア
ルカリ易溶性の熱可塑性合成繊維フィラメント糸とを引
揃え、紡績糸の撚方向と逆向きに紡績糸が実質的に無撚
になるまで解撚した糸で織編物を作成後、フィラメント
糸をアルカリ溶液にて溶解除去し、嵩高な織編物を得る
方法が開示されている。
【0008】又、同様の考え方でフィラメント糸に水溶
性ポリビニルアルコール繊維を用いた方法が特開昭51
―49969号に開示されている。
【0009】これらフィラメント糸を溶解する方法は、
フィラメント糸溶解除去後に残った紡績糸が実質的に極
めて低い撚数であり、撚による短繊維束の拘束を少なく
してふくらみを発現させたものである。
【0010】従って織編物を構成する紡績糸は無撚ある
いは無撚に近い甘撚なので、当然のことながら強力が非
常に弱いという欠点がある。
【0011】更には、水溶性ポリビニルアルコール繊
維、又はアルカリ液溶解性のポリエステル系繊維を芯糸
に、外層をセルロース系繊維糸とした2層構造糸を公知
の方法で作成し、該2層構造糸で織編物を形成後、芯糸
を溶解除去し、糸内部を中空とした嵩高な織編物も考え
られるが、これらは染色加工時の緊張、熱水処理等によ
り糸内部の中空形状を保持することが困難であり、結果
的に空隙率は小さくなり、染色加工前に有していた嵩高
さを損なうという欠点を有している。
【0012】又、従来より広く知られているコアスパン
ヤーン方式による2層構造糸(例えば芯にポリエステル
マルチフィラメント、外層にセルロース系短繊維を用い
たもの)使いの織編地は肌触りが良く、吸汗性に優れ、
高強力でしかも形態安定性が良好であるが、嵩高さを意
図して作られたものではないので、糸内部の空隙率が小
さく嵩高性に欠けている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、嵩高
繊維構造物における前記欠点を解消するため、肌触り、
着心地が良く、しかも形態安定性、吸水・吸汗性、保温
性に優れた高強力で嵩高な繊維構造物の製造方法を提供
することにある。
【0014】更には、染色加工時の緊張や熱水処理等に
よる糸内部空間の空隙率の減少が少ない嵩高繊維構造物
の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性ポリ
ビニルアルコールのフィラメント糸又は水溶性ポリビニ
ルアルコールの短繊維紡績糸に熱可塑性合成繊維フィラ
メント糸をコイル状に巻きつけたカバーリング糸、水
溶性ポリビニルアルコールフィラメント糸と熱可塑性合
成繊維フィラメント糸との合撚糸、又は水溶性ポリビ
ニルアルコールフィラメント糸と熱可塑性合成繊維フィ
ラメント糸との複合仮撚加工糸を芯糸とし、セルロース
系短繊維を外層となして作成した多層構造糸で形成され
た繊維構造物を水浴中で処理し、芯糸を形成する水溶性
ポリビニルアルコール繊維を溶解することを特徴とする
嵩高な繊維構造物の製造方法、である。
【0016】本発明によれば、セルロース系繊維の有し
ている肌触り・着心地の良さ,良好な吸水性という特徴
と、熱可塑性合成繊維の有している形態安定性,高強力
という特徴を併せ持った嵩高な繊維構造物を製造するこ
とが出来る。
【0017】本発明の芯糸となる複合糸は、一方が水溶
性ポリビニルアルコールのフィラメント糸又は水溶性ポ
リビニルアルコールの短繊維紡績糸からなり、他方が熱
可塑性合成繊維フィラメント糸から成る2成分複合糸で
ある。
【0018】芯糸を構成する上記熱可塑性合成繊維フィ
ラメント糸としては、ポリエステルフィラメント,ナイ
ロンフィラメント,ポリウレタン弾性糸(スパンデック
ス),ポリエステルウーリー加工糸等が挙げられるが、
これらに限定されるものではなく、熱可塑性合成繊維フ
ィラメント糸であれば良い。
【0019】芯糸の形成は、公知の中空スピンドルを有
するカバーリング機を用いて水溶性ポリビニルアルコー
ルフィラメント糸又は短繊維紡績糸を熱可塑性合成繊維
フィラメント糸で被覆する方法或いは、合糸機構と撚糸
機構を兼ね備えたリング撚糸機等の撚糸機により合撚す
る方法、更には複合仮撚加工機を用いて引揃仮撚加工,
同時仮撚加工,仮撚双糸加工方法等で複合仮撚加工糸を
作成する方法があるが、いずれの方法を用いても良い。
【0020】これらの方法により作成された芯糸と、セ
ルロース系短繊維からなる粗糸を用いて、たとえば特公
昭62―162030号等に記載の公知の紡績の精紡機
を用いたコアスパンヤーン方式により多層構造糸を作
る。
【0021】芯糸の撚数及び加撚方向は芯糸の製造方法
により適宜選択し得るが、芯糸の加撚方向と多層構造糸
にする際の加撚方向が同じ場合は、芯糸の撚数は極力少
なくする方が望ましい。
【0022】芯糸の撚数が多いと多層構造糸にする際に
更に芯糸に撚りがかかり、かなり強撚となる為、後工程
の製織等が難しくなる。
【0023】芯糸と多層構造糸の加撚方向が逆向きの場
合(例えば芯糸がS方向加撚で多層構造糸がZ方向加
撚)はこの限りではない。
【0024】本発明でいうところのセルロース系短繊維
とは綿,麻等の天然セルロース繊維及びビスコースレー
ヨン,ポリノジック等の再生繊維を総称したものであ
る。
【0025】上記方法で得られた多層構造糸を用い、所
望の繊維構造物を作成する。
【0026】繊維構造物とは、織物,編物,糸状,不織
布等が代表的であるが、これらに限定されるものではな
い。
【0027】次に、繊維構造物の芯糸を形成する水溶性
ポリビニルアルコール繊維を所定温度以上の水浴中で溶
解する。
【0028】未溶解の水溶性ポリビニルアルコール繊維
が残っていると、染色仕上加工において、染斑や薬剤の
浸透不良,付着斑等の問題が発生するので、出来るだけ
全て溶解した方がよい。
【0029】溶解温度は、使用する水溶性ポリビニルア
ルコール繊維の性質により適宜選択する必要があるが、
通常は60℃以上で処理時間30〜60分間の範囲で実
施する。
【0030】水溶性ポリビニルアルコール繊維溶解後に
構成繊維及び最終製品の必要に応じた染色仕上加工を行
なう。
【0031】以下、実施例により説明する。
【0032】
【実施例1】ニチビ(株)製の水溶性ビニロンフィラメ
ント糸(56d/18F,通称ソルブロン)にポリエス
テルウーリーフィラメント糸(75d/36F)を被覆
用の糸として、カバーリングツイスターにより、被覆用
の糸をコイル状に巻きつけたカバーリング糸を作成し
た。
【0033】該カバーリング糸を被覆する為に、コット
ンコーマスライバー(米綿主体,20番手用)から作っ
た綿100%粗糸を通常の方法により作成した。
【0034】上記カバーリング糸と綿100%粗糸を用
いて、内層にフィラメントを使用する場合に一般的に用
いられる精紡工程での2層構造糸の製造方法(コアスパ
ンヤーン方式)に従って、内層がカバーリング糸で外層
が綿100%の図1に示すような多層構造糸〔綿:ポリ
エステルウーリーフィラメント:水溶性ビニロンフィラ
メント=67:19:14(重量比)〕を得た。
【0035】次に該多層構造糸を用いて、通常の方法に
従い経糸密度120本/インチ,緯糸密度55本/イン
チの平組織の織物を作成した。
【0036】該織物を下記条件にて水溶性ポリビニルア
ルコール(ソルブロン)を溶解除去した。
【0037】(1)水浴:界面活性剤マーポンFL―1
0(松本油脂製)2g/lの水溶液を用いた。 (2)処理条件:98℃にて60分間処理した。
【0038】上記水溶性ポリビニルアルコール繊維を溶
解除去した織物(図1の符号1の部分が中空となる。)
を、テンターにて皺伸しした後、サチュレーターと反応
スチーマーからなる連続漂白機を用いて糊抜・精練・漂
白を行った。
【0039】該織物を反応性染料を用い連続染色機にて
染色後、連続樹脂加工機でグリオキザール系樹脂剤を主
体にした仕上加工を行った。
【0040】
【比較例1】ニチビ(株)製の水溶性ビニロンフィラメ
ント糸(56d/18F,通称ソルブロン)とコットン
コーマスライバー(米綿主体,20番手用)から作った
綿100%粗糸を用いて、芯糸が水溶性ビニロンフィラ
メント糸で、外層が綿の2層構造糸〔綿:水溶性ビニロ
ンフィラメント=83:17(重量比)〕を得た。
【0041】以下実施例1と同じ打込み密度の平織物を
作成後、実施例1と同じ条件で、ソルブロン溶解,糊抜
・精練・漂白,染色,樹脂加工を行った。
【0042】
【比較例2】ポリエステルウーリーフィラメント糸(7
5d/36F)とコットンコーマスライバー(米綿主
体,20番手用)から作った綿100%粗糸を用いて、
コアスパンヤーン方式により芯糸がポリエステルウーリ
ーフィラメント糸で、外層が綿の2層構造糸〔綿:ポリ
エステルウーリーフィラメント=78:22(重量
比)〕を得た。
【0043】以下実施例1と同じ打込み密度の平織物を
作成後、実施例1と同じ条件で、糊抜・精練・漂白,染
色,樹脂加工を行った。
【0044】
【比較例3】実施例1で用いたのと同じコットンコーマ
スライバーから得られた綿紡績糸(20番手)を使い、
実施例1と同じ打込み密度の平織物を作成後、実施例1
と同じ条件で、糊抜・精練・漂白,染色,樹脂加工を行
った。
【0045】実施例1及び比較例1〜3の嵩高性を示す
指標である織物の厚みは第1表のようになった。(測定
方法:JIS L 1096)
【0046】
【表1】
【0047】第1表から明らかなように、本発明による
織物の厚みがソルブロン溶解後及び染色加工後のいずれ
の比較例よりも大きな値となり、嵩高性の大きいことを
示している。
【0048】従って、本発明による織物は、染色加工時
の緊張や熱水処理等による嵩高性の減少が少ないことが
わかる。
【0049】
【実施例2】ニチビ(株)製の水溶性ビニロンフィラメ
ント糸(56d/18F,通称ソルブロン)とナイロン
フィラメント糸(75d/36F)を、合糸機構と撚糸
機構を兼ね備えたリング撚糸機で合撚した。
【0050】この時の撚数は100T/m,加撚はZ方
向とした。
【0051】該合撚糸を被覆する為に、コットンコーマ
スライバー(米綿主体,20番手用)から作った綿10
0%粗糸を常法により作成し、実施例1と同じコアスパ
ンヤーン方式により、撚数20T/インチでZ方向に加
撚し、合撚糸を芯糸とする多層構造糸〔綿:ナイロンフ
ィラメント:水溶性ビニロンフィラメント=67:1
9:14(重量比)〕を得た。
【0052】次に該多層構造糸を用いて、常法に従い経
糸密度100本/インチ,緯糸密度55本/インチの1
\2綾組織の織物を作成後、実施例1と同様にしてソル
ブロン溶解後、染色加工を行うことにより嵩高性に優れ
た織物が得られた。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば肌
触り,着心地が良く、しかも形態安定性,吸水・吸汗
性,保温性に優れた嵩高な繊維構造物が得られる。
【0054】又、本発明による嵩高繊維構造物は、染色
加工時の緊張や熱水処理等によって嵩高性が損なわれる
ことがなく、良好な嵩高保持性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多層構造糸の内部(側面)の1例
を示す概念図である。
【符号の説明】
1 水溶性ポリビニルアルコールフィラメント糸 2 ポリエステルウーリーフィラメント糸 3 綿
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 11/05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ポリビニルアルコールのフィラ
    メント糸又は水溶性ポリビニルアルコールの短繊維紡績
    糸に熱可塑性合成繊維フィラメント糸をコイル状に巻き
    つけたカバーリング糸、水溶性ポリビニルアルコール
    フィラメントと熱可塑性合成繊維フィラメント糸との合
    撚糸、又は水溶性ポリビニルアルコールフィラメント
    と熱可塑性合成繊維フィラメント糸との複合仮撚加工糸
    を芯糸とし、セルロース系短繊維を外層となして作成し
    た多層構造糸で形成された繊維構造物を水浴中で処理
    し、芯糸を形成する水溶性ポリビニルアルコール繊維を
    溶解することを特徴とする嵩高な繊維構造物の製造方
    法。
JP4260502A 1992-09-04 1992-09-04 嵩高な繊維構造物の製造方法 Pending JPH0693531A (ja)

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