JPH0693083B2 - 硬調現像用の写真要素及び方法 - Google Patents

硬調現像用の写真要素及び方法

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JPH0693083B2
JPH0693083B2 JP1263123A JP26312389A JPH0693083B2 JP H0693083 B2 JPH0693083 B2 JP H0693083B2 JP 1263123 A JP1263123 A JP 1263123A JP 26312389 A JP26312389 A JP 26312389A JP H0693083 B2 JPH0693083 B2 JP H0693083B2
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イーストマン コダック カンパニー
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般的には写真に関し、特に新規な黒白写真要
素に関する。更に詳しくは、本発明は硬調現像の可能
な、グラフィックアーツの分野で使用できるリスフィル
ム(lithographic film)のような新規なハロゲン化銀
写真要素及びこのような要素の現像のための改良方法に
関する。
〔従来の技術〕
これまで長年にわたってリスフィルムの硬調現像は“リ
ス”現像液として公知の特別な現像液を用いて実施され
てきた。従来の「リス」現像液においては、硬調はJ.A.
C.Yule,the Journal of the Franklin Institute,Vol.2
39,221-230,(1945)に記載されたような「リス効果」
(感染現像とも称する)を用いて達成される。この型の
現像は自触媒によって進行すると考えられている。「リ
ス効果」現像を達成するためには、遊離亜硫酸イオンの
低い臨界濃度を、事実上亜硫酸イオン緩衝剤として作用
するナトリウムホルムアルデヒド重亜硫酸塩付加物の使
用によって維持する。現像主薬酸化生成物の蓄積の妨害
は感染現像の阻止を引き起こす可能性があるので、低亜
硫酸イオン濃度はこのような妨害を回避するのに必要で
ある。現像液は代表的には1つの型の現像主薬、すなわ
ちハイドロキノンのようなジヒドロキシベンゼン型の現
像主薬のみを含む。
従来の「リス」現像液はそれらの有用性を制限する重大
な欠陥を有する。たとえば、現像液は、唯一の現像主薬
としてハイドロキノンを含む結果として低容量を示す。
また、アルデヒドはハイドロキノンと反応して現像活性
の望ましくない変化を引き起こす傾向がある。さらに、
低亜硫酸イオン濃度は空気酸化に対する有効な保護を提
供するのに不適当である。その結果、従来の「リス」現
像液は安定性に欠け、空気に暴露された時間に応じて一
定しない結果を生ずる傾向がある。
従来の「リス」現像液の使用に代わるものは、1981年5
月26日に発行されたNothnagle、米国特許第4,269,929
号、“High Contrast Development of Photograhic Ele
ments"に開示されており、その開示をここに参照するこ
とによって本明細書中の取り入れるものとする。この特
許に記載されるように、写真要素の硬調現像はヒドラジ
ン化合物の存在下に、ジヒドロキシベンゼン現像主薬、
3−ピラゾリドン現像主薬、亜硫酸塩保恒剤及びコント
ラスト促進量のアミノ化合物を含む、pHが10より高く12
より低い水性アルカリ現像液によって実施する。この現
像液は高容量、高安定度及び長い有効寿命を合わせ持
ち、優れたコントラスト及び写真感度特性を生ずる。
当業界において、ヒドラジン化合物は代表的には「核生
成剤(nucleator)」と称され、コントラストを高める
ように作用するアミノ化合物は「ブースター」と称す
る。
米国特許第4,269,929号は種々のアミノ化合物のコント
ラスト促進剤としての使用を記載する。特に、この特許
はヒドロキシアミンのような無機アミンと、脂肪族アミ
ン、芳香族アミン、環状アミン、混合脂肪族−芳香族ア
ミン及び複素環式アミンを含む有機アミンの使用を開示
している。第1、第2及び第3アミンならびに第4アン
モニウム化合物はこの開示の広い範囲内に含まれる。
米国特許第4,269,929号の発明は当業界においてきわめ
て重要な進歩を示すが、多くのアミノ化合物によって示
される不利な特性によってその商業的利用が妨げられて
いる。すなわち、たとえばあるアミンには毒性の問題が
あり、あるものには過剰な揮発度の問題があり、あるも
のは非常に不快な臭気を特徴とし、あるものは水と共沸
混合物を形成する傾向があり、あるものは水性アルカリ
写真現像液中で不適当な溶解度を示し、そしてあるもの
は高価であるにもかかわらず比較的高濃度で使用しなけ
ればならないために現像液の総コストのかなりの部分を
構成する。さらに、多くのアミンは米国特許第4,269,92
9号の方法及び組成物においてコントラスト促進剤とし
て商業的な使用に望ましいとはいえない活性度を示す。
ヒドラジン化合物の存在下で現像を実施するための、
「ブースター」としてアミノ化合物を含む高コントラス
ト現像組成物がまた、1987年5月26日に発行された米国
特許第4,668,605号及び1988年4月26日に発行された米
国特許第4,740,452号ならびに1987年9月17日に公開さ
れた特開昭62-211647号公報に開示されている。米国特
許第4,668,605号はジヒドロキシベンゼン、p−アミノ
フェノール、亜硫酸塩、炭素数2〜10のヒドロキシアル
キル基を含むコントラスト促進量のアルカノールアミン
及びメルカプト化合物を含む現像組成物を記載してい
る。米国特許第4,740,452号の現像組成物はコントラス
ト促進量のある種のトリアルキルアミン、モノアルキル
−ジアルカノールアミンまたはジアルキルモノアルカノ
ールアミンを含む。特開昭62-211647号公報の現像組成
物はジヒドロキシベンゼン現像主薬、亜硫酸塩及び分配
係数値によって特徴づけられるある種のアミノ化合物を
含む。しかしながら、米国特許第4,668,605号及び第4,7
40,452号ならびに特開昭62-211647号公報の現像組成物
は、多くの不利な特性を示すので当業界の要求を十分に
は満たさない。これらは、方法のコストを著しく増すよ
うな多量でコントラスト促進剤を使用する必要性と、コ
ントラストを増大するのに有効なアミノ化合物の揮発性
及び臭気発生特性から生ずる多くの困難な問題を含む。
現像組成物中にアミノ化合物を「ブースター」として混
和することに伴う欠点が先行技術において認められてお
り、これまで写真要素中にアミノ化合物を混和すること
によってこの問題を克服しようという提案がされてき
た。特に、「混和ブースター」としてのアミノ化合物の
使用は1985年7月25日に公開された特開昭60-140340号
公報及び1987年9月30日に公開された特開昭62-222241
号公報において提案されている。特開昭60-140340号公
報においては、任意のアミノ化合物が「混和ブースタ
ー」として使用できると主張されているが、特開昭62-2
22241号公報は特定の構造式で定義されたアミノ化合物
の「混和ブースター」としての使用に関する。特開昭62
-222241号公報は、現像の間における要素からのアミノ
化合物の漏れ及び「ペパーカブリ」の発生に関係する問
題を含めて、特開昭60-140340号公報の教示に従う場合
に伴う問題のいくつかを指摘している。
〔発明が解決しようとする課題〕
「核生成剤」として作用するヒドラジン化合物と「ブー
スター」として作用するアミノ化合物の共作用に依存す
る写真系は非常に複雑な系である。この系は、「核生成
剤」及び「ブースター」の組成及び濃度によって、ま
た、現像液のpH及び組成ならびに現像の時間及び温度を
含む多くの他の要因によって影響される。このような系
の目的は、優れた網点品質(do quality)及び低ペパー
カブリと共に、増大した写真感度(スピード)及びコン
トラストの提供にある。また、使用するアミノ化合物は
合成が容易で、コストが低く、そしてきわめて低濃度で
有効であることが望ましい。アミノ化合物を「ブースタ
ー」として使用するという先行技術の提案はこれらの目
的の多くを満たさず、このことは系の商業的使用の重大
な妨げになっている。
先行技術の多くの不利な点を克服する、ある種のアミノ
化合物を「混和ブースター(incorporated booster)」
として使用する改良された方法及び要素を提供すること
が本発明の目的である。
「課題を解決するための手段」 本発明は「混和ブースター」として非常に有利なある種
のアミノ化合物を要素の少なくとも1層に含む新規なハ
ロゲン化銀写真要素を提供する。これらの要素は「核生
成剤」として作用するヒドラジン化合物の存在下におい
て現像し、ヒドラジン化合物は好ましくは写真要素の1
層または複数の層中にも混和する。
本発明にしたがって「混和ブースター」として使用する
アミノ化合物は、 (1)少なくとも1個の第2または第3アミノ基を含ん
でなり、 (2)少なくとも3個の反復エチレンオキシ単位からな
る基をその構造内に含み、且つ (3)少なくとも1、好ましくは少なくとも3、最も好
ましくは少なくとも4の分配係数(partition coeffici
ent)(後述)を有する アミノ化合物である。
本発明に使用するアミノ化合物の範囲に含まれるのはモ
ノアミン、ジアミン及びポリアミンである。アミンは脂
肪族アミンであることができ、または芳香族または複素
環式部分を含むことができる。アミン中に存在する脂肪
族、芳香族及び複素環式基は置換されていても未置換で
もよい。好ましくは、本発明において「混和ブースタ
ー」として使用するアミノ化合物は炭素数が少なくとも
20の化合物である。
本発明に好ましいアミノ化合物は少なくとも3の分配係
数及び式: 〔式中、nは3〜50、より好ましくは10〜50の値の整数
であり、R1,R2,R3及びR4は独立して炭素数1〜8のアル
キル基であり、R1及びR2は一緒になって複素環を完成す
るのに必要な原子を表し、そしてR3及びR4は一緒になっ
て複素環を完成するのに必要な原子を表す〕 で表される構造を有するビス−第3アミンである。
本発明のためのアミノ化合物の別の有利な基は少なくと
も3の分配係数及び式: 〔式中、nは3〜50、より好ましくは10〜50の値の整数
であり、そして各Rは独立して炭素数が少なくとも4の
直鎖または分枝鎖、置換または未置換のアルキル基であ
る〕 で表される構造を有するビス−第2アミンである。
本発明はまた、「混和ブースター」として前述のアミノ
化合物を含む写真要素を、「核生成剤」として作用する
ヒドラジン化合物の存在下において水性アルカリ写真現
像組成物によって現像する硬調現像方法をその範囲に含
む。
〔作用〕
本発明の新規な写真要素の現像はヒドラジン化合物の存
在下において実施する。本発明の利点を達成するために
は、ヒドラジン化合物は写真要素または現像液中に混和
すればよく、必須要件は露光された要素の現像の間中そ
れが存在することである。写真要素及び現像液の両者へ
のヒドラジン化合物の混和はもちろん、所望の場合に使
用できる別の手段である。
本明細書中において、用語「ヒドラジン化合物」は現像
液中への混和に適したもの及び写真要素中への混和に適
したものを含めて、ヒドラジン及びヒドラジン誘導体を
含むものとする。
「核生成剤」として作用し且つ本発明の「混和ブースタ
ー」と共同して作用して硬調を生ずることのできる任意
のヒドラジン化合物が本発明の実施に使用できる。写真
要素のコントラストまたは「ガンマ」は露光時の濃度変
化の割合を指し、特性曲線の直線部分の勾配から求めら
れる。本発明の写真要素は代表的には極めて硬調であ
り、それは10を越えるガンマを意味する。
ヒドラジン(H2N-NH2)は本発明の方法の実施において
現像液中に混和できる有効なコントラスト促進剤であ
る。ヒドラジンの使用に代わるものとしては、種々の水
溶性ヒドラジン誘導体のいずれかを現像液に添加でき
る。現像液の使用に好ましいヒドラジン誘導体としては
式: 〔式中、R1は有機基であり、そしてR2,R3及びR4は水素
原子または有機基である〕 の有機ヒドラジン化合物が挙げられる。R1,R2,R3及びR4
で表される有機基としては、アルキル基、アリール基、
アルアルキル基、アルカリール基及び脂環式基のような
ヒドロカルビル基ならびにアルコキシ基、カルボキシ
基、スルホンアミド基及びハロゲン原子のような置換基
で置換されたヒドロカルビル基が挙げられる。
現像液中に混和するのに特に好ましいヒドラジン誘導体
としては、p−(メチルスルホンアミド)フェニルヒド
ラジンのようなアルキルスルホンアミドアリールヒドラ
ジン及びp−(メチルスルホンアミドメチル)フェニル
ヒドラジンのようなアルキルスルホンアミドアルキルア
リールヒドラジンが挙げられる。
本発明の実施においては、ヒドラジン化合物を写真要素
中に混和するのが好ましい。たとえば、写真要素を形成
するのに用いられるハロゲン化銀乳剤中に混和できる。
あるいは、ヒドラジン化合物は写真要素の親水性コロイ
ド層、好ましくはヒドラジン化合物の効果が望ましい乳
剤層に隣接するように塗布された親水性コロイド層中に
存在できる。もちろん、ヒドラジン化合物は写真要素
中、乳剤層と下塗り層、中間層及び上塗り層のような親
水性コロイド層の間に分布させることもできる。
本発明の方法に使用するのに特に好ましい写真要素とし
ては式: 〔式中、R1は+0.30未満のハメット(Hammett)シグマ
値由来の電子吸引特性を有するフェニル核である〕 のヒドラジン化合物を含む要素が挙げられる。
前記式中、R1は電子供与性(陽性)または電子吸引性
(陰性)であるフェニル核の形態をとることができる
が、電子吸引性の高いフェニル核は粗悪な核生成剤を生
じる。特定のフェニル核の電子吸引特性または電子供与
特性はハメットシグマ値に関して評価できる。フェニル
核には、その置換基のハメットシグマ値(すなわち、も
しあるならばフェニル基に対する置換基のハメットシグ
マ値)の代数和であるハメットシグマ値由来の電子吸引
特性が与えられる。たとえば、フェニル核のフェニル環
に対する任意の置換基のハメットシグマ値は単に各置換
基の公知のハメットシグマ値を文献から求めてその代数
和を得ることによって代数的に求められる。電子供与性
置換基には負のシグマ値が与えられる。たとえば、1つ
の好ましい形態において、R1は未置換のフェニル基であ
ることができる。フェニル環に結合した水素は定義によ
ってそれぞれ0のハメットシグマ値を有する。別の形態
において、フェニル核はハロゲン環置換基を含むことが
できる。たとえば、o−またはp−クロロまたはフルオ
ロ置換フェニル基が特に考えられるが、クロロ及びフル
オロ基はそれぞれ緩和な電子吸引性である。
好ましいフェニル基置換基は電子吸引性でないものであ
る。たとえば、フェニル基は直鎖または分枝鎖アルキル
基(たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル、n−
オクチル、tert−オクチル、n−デシル、n−ドデシル
及び同様な基)で置換できる。フェニル基はアルキル部
分が前記のアルキル基から選ばれるアルコキシ基で置換
できる。フェニル基またはアシルアミノ基で置換でき
る。アシルアミノ基の例としてはアセチルアミノ、プロ
パノイルアミノ、ブタノイルアミノ、オクタノイルアミ
ノ、ベンゾイルアミノ及び同様な基が挙げられる。
1つの特に好ましい形態において、さらにアルキル、ア
ルコキシ及び/またはアシルアミノ基は混和カプラー及
び他の不変の写真乳剤添加物のバラスト部分のような常
用の写真バラストによって置換される。バラスト基は代
表的には少なくとも8個の炭素原子を含み、アルキル、
アルコキシ、フェニル、アルコキルフェニル、フェノキ
シ、アルキルフェノキシ及び同様な基のような脂肪族及
び芳香族の比較的未反応性の基から選ぶことができる。
バラスト基を含むアルキル及びアルコキシ基はもしある
ならば好ましくは炭素数が1〜20であり、バラスト基を
含むアシルアミノ基はもしあるならば好ましくは炭素数
が2〜21である。一般に、これらの基中には約30までま
たはそれ以上の炭素原子がバラストの形態で考えられ
る。メトキシフェニル、トリル(たとえば、p−トリル
及びm−トリル)及びバラスト含有ブチルアミドフェニ
ル核が特に好ましい。
特に好ましいヒドラジン化合物の例は次の通りである: 1−ホルミル−2−(4−〔2−(2,4−ジ−tert−ペ
ンチルフェノキシ)ブチルアミド〕フェニル)ヒドラジ
1−ホルミル−2−フェニルヒドラジン 1−ホルミル−2−(4−メトキシフェニル)ヒドラジ
1−ホルミル−2−(4−クロロフェニル)ヒドラジン 1−ホルミル−2−(4−フルオロフェニル)ヒドラジ
1−ホルミル−2−(2−クロロフェニル)ヒドラジン 1−ホルミル−2−(p−トリル)ヒドラジン 本発明の方法に使用するのに好ましい写真要素としては
また、ヒドラジドが吸着促進部分を含んでなる写真要素
が挙げられる。この型のヒドラジドは未置換または一置
換の二価ヒドラゾ部分及びアシル部分を含む。吸着促進
部分はハロゲン化銀粒子表面への写真添加物の吸着を促
進することが知られたものの中から選ばれる。代表的に
は、このような部分は銀と錯体を形成できるまたはハロ
ゲン化銀粒子表面に対して親和性を示すことができる硫
黄または窒素原子を含む。好ましい吸着促進部分の例と
しては、チオ尿素、複素環式チオアミド及びトリアゾー
ルが挙げられる。吸着促進部分を含むヒドラジドの例と
しては次のものが挙げられる: 1−〔4−(2−ホルミルヒドラジノ)フェニル〕−3
−メチルチオ尿素 3−〔4−(2−ホルミルヒドラジノ)フェニル〕−5
−(3−メチル−2−ベンゾオキサゾリニリデン)ロー
ダニン−6−(〔4−(2−ホルミルヒドラジノ)フェ
ニル〕ウレイレン)−2−メチルベンゾチアゾール N−(ベンゾトリアゾル−5−イル)−4−(2−ホル
ミルヒドラジノ)フェニルアセトアミド N−(ベンゾトリアゾル−5−イル)−3−(5−ホル
ミルヒドラジノ−2−メトキシフェニル)プロピオンア
ミド、及び N−2−(5,5−ジメチル−2−チオミダゾル−4−イ
ル−イデンイミノ)エチル−3−〔5−(ホルミルヒド
ラジノ)−2−メトキシフェニル〕プロピオンアミド。
本発明の実施において現像液中に混和するヒドラジン化
合物は極めて低濃度で有効である。たとえば、ヒドラジ
ンは現像液中においてリットル当りわずか0.1gの量で有
効な結果を生ずる。写真要素中に混和されるヒドラジン
化合物は代表的には銀モル当り約10-4〜約10-1モル、よ
り好ましくは銀モル当り約5×10-4〜約5×10-2モル、
最も好ましくは銀モル当り約8×10-4〜約5×10-3モル
の濃度で使用する。吸着促進部分を含むヒドラジンは銀
モル当りわずか約5×10-6モルの量で使用できる。
本発明の要素中に使用するのに特に好ましい種類のヒド
ラジン化合物は以下の構造式の1つを有するスルホンア
ミド置換ヒドラジンである: 〔式中、 Rは炭素数6〜18のアルキルまたは硫黄または酸素の環
原子を含む5または6個の環原子を有する複素環であ
り; R1は炭素数1〜12のアルキルまたはアルコキシであり; Xは炭素数1〜約5のアルキル、チオアルキルまたはア
ルコキシ;ハロゲン;または-NHCOR2、-NHSO2R2,-CONR
2R3または-SO2R2R3(R2及びR3は同一であっても異なっ
てもよく、水素または炭素数1〜約4のアルキルであ
る)であり; nは0,1または2である〕。
Rで表されるアルキル基は直鎖でも分枝鎖でもよく、置
換されていても未置換でもよい。置換基としては炭素数
1〜約4のアルコキシ、ハロゲン原子(たとえば、塩素
及びフッ素)、または-NHCOR2またはNHSO2R2(R2は前記
定義の通り)が挙げられる。好ましいアルキル基Rは炭
素数が約8〜約16であり、これはこの大きさのアルキル
基がヒドラジド核生成剤により大きな不溶性を付与する
ことによってこの核生成剤が現像の間に塗布層から現像
液中に漏れる傾向を低減させるためである。
Rによって表される複素環式基としては、炭素数1〜約
4のアルキルまたは塩素のようなハロゲン原子で置換さ
れることのできるチエニル及びフリルが挙げられる。
R1で表されるアルキルまたはアルコキシ基は直鎖であっ
ても分枝鎖であってもよく、置換されていても未置換で
もよい。これらの基上の置換基は、炭素数1〜約4のア
ルコキシ、ハロゲン原子(たとえば、塩素またはフッ
素)または-NHCOR2もしくは-NHSO2R2(R2は前記定義の
通り)であることができる。好ましいアルキルまたはア
ルコキシ基は塗布される層中から現像液によって漏れる
傾向を低減させるのに十分な不溶性をヒドラジド核生成
剤に付与するために炭素数1〜5である。
Xで表されるアルキル、チオアルキル及びアルコキシ基
は炭素数が1〜約5であり、直鎖であっても分枝鎖であ
ってもよい。Xがハロゲンである場合には、それは塩
素、フッ素、臭素またはヨウ素であることができる。1
個以上のXが存在する場合にはこのような置換基は同一
であっても異なってもよい。
前記スルホンアミド置換ヒドラジンの代表的な例として
は次のものが挙げられる: 化合物No. 前述のヒドラジド化合物は、たとえば、1−ホルミル−
2−(4−ニトロフェニル)−ヒドラジドを対応するア
ミンに還元し、次いでアルキル−またはアリール−スル
ホニルハライド化合物と反応させて所望のスルホンアミ
ドフェニルヒドラジドを形成することによって製造でき
る。
本発明に有用ないくつかの好ましいヒドラジン化合物を
特に前述したが、公知のヒドラジン化合物「核生成剤」
をすべて本発明の範囲内に含めるものとする。このよう
な核生成剤の多くは“Development Nucleation By Hydr
azine And Hydrazine Derivatives",Research Disclosu
re,Item23510、第235巻(1983年11月10日)ならびに米
国特許第4,166,742,4,168,977,4,221,857,4,224,401,4,
237,214,4,241,164,4,243,739,4,269,929,4,272,606,4,
272,614,4,311,781,4,332,878,4,358,530,4,377,634,4,
385,108,4,429,036,4,447,522,4,540,655,4,560,638,4,
569,904,4,618,572,4,619,886,4,634,661,4,650,746,4,
681,836,4,686,167,4,699,873,4,722,884,4,725,532,4,
737,442及び4,740,452号を含む多数の特許に記載されて
いる。
ヒドラジド化合物は表面潜像を形成できる輻射線感光性
ハロゲン化銀粒子及び結合剤からなるネガティブ作用写
真乳剤と組み合わせて使用する。ハロゲン化銀乳剤とし
ては、リトグラフ写真要素を形成するのに常用される高
塩化物乳剤、ならびに当業界において比較的高い写真感
度を達成できると認められる臭化銀及び臭ヨウ化銀乳剤
が挙げられる。一般に、ハロゲン化銀乳剤のヨウ化物含
量は総ハロゲン化銀に基づき、約10モル%未満である。
本発明の乳剤に使用するのに適したハロゲン化銀粒子
は、内部潜像形成型ではなく表面潜像を形成できる。表
面潜像ハロゲン化銀粒子はネガティブ作用ハロゲン化銀
乳剤の大部分に使用されるのに対し、内部潜像形成性ハ
ロゲン化銀粒子は内部現像液で現像する場合にネガティ
ブ画像を形成できるが、通常は表面現像液と共に使用し
て直接ポジティブ画像を形成する。表面潜像と内部潜像
ハロゲン化銀粒子の区別は一般に当業界においてよく認
められる。
ハロゲン化銀粒子は、乳剤をリス用に使用する場合に
は、約0.7ミクロン以下、好ましくは約0.4ミクロンまた
はそれ以下の平均粒度を有する。平均粒度は当業界には
よく理解され、Mess and James,The Theory of the Pho
tographic Process,3rd Ed.,MacMillan 1966,Chapter
1,pp.36-43に説明されている。写真乳剤は写真要素中に
常用の任意の銀塗布量の乳剤量を生成するように塗布で
きる。常用の銀塗布量は平方メーター当り約0.5〜約10
グラムの範囲にある。
一般に当業界で認められるように、比較的高いコントラ
ストは相対的に単分散した乳剤を用いて達成できる。単
分散乳剤はハロゲン化銀粒子の多くが比較的狭い大きさ
の度数分布内にあることを特徴とする。量に関しては、
単分散乳剤はハロゲン化銀粒子の90重量または数パーセ
ントが平均粒度のプラスまたはマイナス40パーセント内
にあるものとして定義されている。
ハロゲン化銀乳剤はハロゲン化銀粒子の他に結合剤を含
む。結合剤の割合は広範囲に変化できるが、代表的には
ハロゲン化銀モル当り約25〜250グラムの範囲である。
過剰な結合剤は最大濃度を低下させ、その結果としてコ
ントラストも低下させる作用を有する可能性がある。10
またはそれ以上のコントラスト値の場合には、結合剤は
ハロゲン化銀モル当り250グラムの濃度で存在するのが
好ましい。
乳剤の結合剤は親水性コロイドからなることができる。
適当な親水性材料としては天然に存在する物質、たとえ
ば、タンパク質、タンパク質誘導体、セルロース誘導
体、たとえば、セルロースエステル、ゼラチン、たとえ
ばアルカリ処理ゼラチン(豚革ゼラチン)、ゼラチン誘
導体、たとえば、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチ
ンなど、多糖類、たとえば、デキストラン、アラビアゴ
ム、ゼイン、カゼイン、ペクチン、コラーゲン誘導体、
コロジオン、寒天、クズウコン澱粉、アルブミンなどが
挙げられる。
親水性コロイドの他に、乳剤結合剤は場合によってはポ
リマーラテックスのような水不溶性またはわずかに溶解
性の合成ポリマー材料からなることができる。これらの
材料は追加のしゃく解剤及びキャリヤーとして作用で
き、また写真要素に増大した寸法安定性を有利に付与で
きる。合成ポリマー材料は親水性コロイド中の重量比が
2:1以下で存在できる。一般に合成ポリマー材料は結合
剤の約20〜80重量パーセントを構成するのが好ましい。
適当な合成ポリマー材料はポリ(ビニルラクタム)、ア
クリルアミドポリマー、ポリビニルアルコール及びその
誘導体、ポリビニルアセタール、アクリル酸及びメタク
リル酸アルキル及びスルホアルキルのポリマー、加水分
解ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、
アクリル酸ポリマー、無水マレイン酸コポリマー、ポリ
アルキレンオキシド、メタクリルアミドコポリマー、ポ
リビニルオキサゾリジノン、マレイン酸コポリマー、ビ
ニルアミンコポリマー、メタクリル酸コポリマー、アク
リロイルオキシアルキルスルホン酸コポリマー、スルホ
アルキルアクリルアミドコポリマー、ポリアルキレンイ
ミンコポリマー、ポリアミン、N,N−ジアルキルアミノ
アルキルアクリレート、ビニルイミダゾールコポリマ
ー、ビニルスルフィドコポリマー、ハロゲン化スチレン
ポリマー、アミンアクリルアミドポリマー、ポリペプチ
ドなどから選ぶことができる。
用語「結合剤」はハロゲン化銀乳剤の連続層の記載にお
いて使用するが、キャリヤー及びベヒクルのような当業
者が常用する他の用語を代わりに使用できる。乳剤に関
連して記載される結合剤はまた、本発明の写真要素の下
塗り層、中間層及び上塗り層を形成するのに有用であ
る。代表的には、結合剤はProdudt Licensing Index,92
巻(1971年12月)、Item 9232,ParagraphVIIに記載され
たような1種またはそれ以上の硬膜剤で硬化させる。こ
の開示を参照することによってここに取り入れるものと
する。
写真要素は、要素自体にまたは要素が処理される現像液
中にカブリ防止剤及び安定剤を混和することによってカ
ブリに対して保護できる。この目的で有用な常用のカブ
リ防止剤及び安定剤の例としては、Product Licensing
Index,92巻(1971年12月)、Item 9232,Paragraph Vに
開示されたものがあり、この刊行物を参照することによ
ってここに取り入れるものとする。
写真要素中または要素を処理する現像液中にベンゾトリ
アゾールカブリ防止剤を使用することによってカブリの
減少とコントラストの増加が得られることが観察され
た。ベンゾトリアゾールは写真要素の乳剤層または他の
任意の親水性コロイド層中に銀mol当り約10-4〜10-1
好ましくは10-3〜3×10-2molの濃度で位置することが
できる。現像液にベンゾトリアゾールカブリ防止剤を加
える場合には、現像液リットル当り10-6〜約10-1、好ま
しくは3×10-5〜3×10-2の濃度で使用する。
有用なベンゾトリアゾールは常用のベンゾトリアゾール
カブリ防止剤から選ばれる。これらとしてはベンゾトリ
アゾール(すなわち、未置換ベンゾトリアゾール化合
物)、ハロ置換ベンゾトリアゾール(たとえば、5−ク
ロロベンゾトリアゾール、4−ブロモベンゾトリアゾー
ル及び4−クロロベンゾトリアゾール)及びアルキル部
分の炭素数が1〜約12のアルキル置換ベンゾトリアゾー
ル(たとえば、5−メチルベンゾトリアゾール)が挙げ
られる。
前述の写真乳剤及び他の親水性コロイド層の成分の他
に、コントラストが比較的高い画像を得ることと両立で
きる常用の要素添加物が存在できることが理解される。
たとえば、添加物は写真感度を安定化させるために前記
写真要素及び乳剤中に存在できる。この型の好ましい添
加物としては米国特許第4,634,661号に記載した型のカ
ルボキシアルキル置換3H−チアゾリン−2−チオン化合
物が挙げられる。また、写真要素は現像主薬(処理工程
に関連して以下に記載)、現像改質剤、可塑剤及び滑
剤、塗布助剤、帯電防止剤、艶消剤、蛍光増白剤及び着
色剤を含むことができ、これらの常用の材料はProduct
Licensing Index,92巻(1971年12月)、Item 9232,Para
graphs IV,VI,IX,XII,XIII,XIV,XXIIに説明されてお
り、これを参照することによってここに取り入れるもの
とする。
写真要素の層中に混和されるヒドラジド化合物、増感色
素及び他の添加物は、添加物の溶解度に応じて水溶液ま
たは有機溶媒溶液から塗布する前に溶解して添加でき
る。添加物の溶解に超音波を使用できる。半透過性及び
イオン交換膜を水溶性イオンのような添加物(たとえ
ば、化学増感剤)の添加に使用できる。有効な疎水性添
加物、特にハロゲン化銀粒子表面に吸着させる必要のな
いもの、たとえば、カプラー、レドックスダイレリーサ
ーなどは米国特許第2,322,027号及び第2,801,171号に示
されるように直接または高沸点(カプラー)溶媒中に機
械的に分散させてもよいし、あるいは疎水性添加物はRe
search Disclosure,159巻(1977年7月)、Item15930に
示されるようにラテックス中に添加し、分散させてもよ
い。
写真要素の形成において層は浸漬塗布、ローラー塗布、
反転ロール塗布、ドクターブレード塗布、グラビア塗
布、吹付塗布、押出塗布、ビース塗布、ストレッチ−フ
ロー塗布及び流し塗を含む種々の方法で写真支持体上に
塗布できる。圧力差を用いる高速塗りは米国特許第2,68
1,294号に示される。
写真要素の層は種々の支持体上に塗布できる。代表的な
写真支持体としては、支持体表面の粘着、帯電防止、寸
法、摩耗、硬度、摩擦、ハレーション防止特性及び/ま
たは他の特性を増強するための1層または複数の下塗り
層を具備するポリマーフィルム、木繊維、たとえば紙、
金属シートまたは箔、ガラス及びセラミック支持要素が
挙げられる。
有用なポリマーフィルム支持体の代表的なものは硝酸セ
ルロース及びセルロースエステル、たとえばセルロース
トリアセテート及びジアセテート、ポリスチレン、ポリ
アミン、塩化ビニルのホモポリマー及びコポリマー、ポ
リ(ビニルアセタール)、ポリカーボネート、ポリエチ
レン及びポリプロピレンのようなオレフィンのホモポリ
マー及びコポリマー、ならびに二塩基性芳香族カルボン
酸と二価アルコールとのポリエステル、たとえば、ポリ
(エチレンテレフタレート)のフィルムである。
有用な紙支持体の代表的なものは、一部分アセチル化さ
れたまたはバライタ及び/またはポリオレフィン、特に
炭素数2〜10のα−オレフィンのポリマー、たとえばポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンと
のコポリマーなどを塗布したものである。
米国特許第4,478,128号に示されるようなポリオレフィ
ン、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン及びポリア
ロマー、たとえばエチレンとプロピレンとのコポリマー
を、米国特許第3,411,908号及び第3,630,740号に示され
るような紙上及び米国特許第3,630,742号に示されるよ
うなポリスチレン及びポリエステルフィルム支持体上に
樹脂塗膜として使用するのが好ましく、または米国特許
第3,973,963号に示されるように単一の柔軟な反射支持
体として使用できる。
好ましいセルロースエステル支持体は米国特許第2,492,
977号、第2,492,978号及び第2,739,069号に示されるよ
うな三酢酸セルロース支持体、ならびに米国特許第2,73
9,070号に示されるような混合セルロースエステル支持
体、たとえばセルロースアセテートプロピオネート及び
セルロースアセテートブチレートである。
好ましいポリエステルフィルム支持体は米国特許第2,62
7,088号、第2,720,503号、第2,779,684号及び第2,901,4
66号に示される線状ポリエステルからなる。
写真要素は、電磁スペクトルの紫外と可視(たとえば、
化学線)及び赤外域ならびに電子ビーム及びβ線、γ
線、X線、α粒子、中性子線ならびにレーザーによって
形成されるような非干渉性の(ランダム相)形態または
干渉性の(インフェイズ)形態の微粒子状及び波状輻射
エネルギーの他の形態を含む種々の形態のエネルギーに
よって画像を形成するように露光できる。露光はモノク
ロ、整色または全整色であることができる。高照度露光
または低照度露光、連続または間欠露光、分単位からミ
リ秒〜マイクロ秒の単位の比較的短い時間までの露光時
間及び過度露光を含む周囲温度、高温もしくは低温及び
/または周囲圧力、高圧もしくは低圧における画像形成
性露光を、T.H.James,The Theory of the Photographic
Process,4th Ed.,MacMillan,1977,Chapters 4,6,17,18
及び23に示されるような常用のセンシトメトリー法によ
って測定される有用なレスポンス範囲内で使用できる。
写真要素中に含まれる感光性ハロゲン化銀は露光後に、
媒体または要素に含まれる現像主薬の存在下においてハ
ロゲン化銀と水性アルカリ媒体とを組み合わせることに
よって処理して可視画像を形成できる。前記写真要素
は、リソグラフィー写真要素と共に常用される特殊な現
像液とは異なり、常用の現像液中で処理してコントラス
トが極めて高い画像を得ることができる。写真要素に現
像主薬が混和されている場合には、写真要素は現像主薬
を含まない以外は現像液と組成が同一であることができ
る活性化剤の存在下で処理できる。コントラストが極め
て高い画像はpH11〜12.3で得られるが、前記写真記録材
料の場合には好ましくはこれより低いpH、たとえば、11
以下、最も好ましくは約9〜約10.8を使用するのが好ま
しい。
現像液は代表的には水溶液であるがジエチレングリコー
ルのような有機溶媒を含ませて有機成分の溶媒作用を促
進することもできる。現像液は、ポリヒドロキシベンゼ
ン、アミノフェノール、p−フェニレンジアミン、アス
コルビン酸、ピラゾリドン、ピラゾロン、ピリミジン、
亜二チオン酸塩、ヒドロキシルアミンまたは他の常用の
現像主薬のような常用の現像主薬の1つまたは組み合わ
せを含む。ハイドロキノン及び3−ピラゾリドン現像主
薬を組み合わせて使用するのが好ましい。現像主薬のpH
はアルカリ金属水酸化物及び炭酸塩、ホウ砂ならびに他
の塩基性塩によって調整できる。現像の間におけるゼラ
チンの膨潤を低減するために、硫酸ナトリウムのような
化合物を現像液に混和できる。また、粒状度を低下させ
るためにチオシアン酸ナトリウムのような化合物が存在
できる。エチレンジアミン四酢酸またはそのナトリウム
塩のようなキレート化剤及び金属イオン封鎖剤が存在で
きる。一般に、任意の常用の現像液組成物が本発明の実
施に使用できる。写真現像液の特定の例は、Handbook o
f Chemistry and Physics, 36版、“Photographic and
Formulae",3001頁以降及びProcessing Chemicals and F
ormulas,6版、Eastman Kodak Company(1963)に開示さ
れており、その開示を参照することによって本明細書中
に取り入れするものとする。写真要素はもちろん、米国
特許第3,573,914号及び英国特許第376,600号に示される
ようにリソグラフ写真要素用の従来の現像液で処理する
こともできる。Produt Licensing Index 及びReseach DisclosureはKenn
eth Mason Publications,Ltd.,The Old Harbourmaste
r′s,8 North Street Emsworth, Hampshire P010 7DD,E
NGLANDによって刊行されている。
本発明の新規な写真要素はジヒドロキシベンゼン現像主
薬を含む現像組成物中で処理するのが好ましい。それら
は主な現像主薬として作用するジヒドロキシベンゼンの
他に補助超加成性現像主薬を含む現像組成物中で処理す
るのがより好ましい。補助超加成性現像主薬は3−ピラ
ゾリドンであるのが特に好ましい。
本発明の方法に使用するジヒドロキシベンゼン現像主薬
は公知であり、写真処理において広く用いられている。
この主の好ましい現像主薬はハイドロキノンである。他
の有用なジヒドロキシベンゼン現像主薬としては: クロロハイドロキノン、 ブロモハイドロキノン、 イソプロピルハイドロキノン、 トルハイドロキノン、 メチルハイドロキノン、 2,3−ジクロロハイドロキノン、 2,5−ジメチルハイドロキノン、 2,3−ジブロモハイドロキノン、 1,4−ジヒドロキシ−2−アセトフェノン−2,5−ジメチ
ルハイドロキノン、 2,5−ジエチルハイドロキノン、 2,5−ジ−p−フェネチルハイドロキノン、 2,5−ジベンゾイルアミノハイドロキノン、 2,5−ジアセトアミノハイドロキノン、 などが挙げられる。
水性アルカリ現像液に使用する補助超加成性現像主薬も
また公知で、写真処理において広く用いられている。Ma
son,“Photographic Processing Chemistry",Focal Pre
ss,London(1975)に説明されるように、「超加成性」
は、2つの現像主薬の混合物の合わせた活性が各主薬を
同一現像液中で単独で使用したときの2つの活性の和よ
りも大きい相乗効果を指す(特に、Masonの29ページの
“Superadditivity"のパラグラフを参照)。
本発明に好ましい補助超加成性現像主薬は3−ピラゾリ
ドン現像主薬である。この種の特に好ましい現像主薬は
式: 〔式中、R1はアリール(置換アリールを含む)であり、
R2,R3及びR4は水素またはアルキル(置換アルキルを含
む)である〕 で表されるものである。R1の定義内に含まれるのはフェ
ニルならびにメチル、クロロ、アミノ、メチルアミノ、
アセチルアミノ、メトキシ及びメチルスルホンアミドエ
チルのような基で置換されたフェニルである。R2,R3
びR4の定義内に含まれるのは未置換アルキルならびにヒ
ドロキシ、カルボキシまたはスルホのような基で置換さ
れたアルキルである。この種の最も普通に使用される現
像主薬は1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニ
ル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル
−4−メチル−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン及
び1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラ
ゾリドンである。他の有用な3−ピラゾリドン現像主薬
としては: 1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、 1−フェニル−4,4−ジエチル−3−ピラゾリドン、 1−p−アミノフェニル−4−メチル−4−プロピル−
3−ピラゾリドン、 1−p−クロロフェニル−4−メチル−4−エチル−3
−ピラゾリドン、 1−p−アセトアミドフェニル−4,4−ジエチル−3−
ピラゾリドン、 1−p−β−ヒドロキシエチルフェニル−4,4−ジメチ
ル−3−ピラゾリドン、 1−p−ヒドロキシフェニル−4,4−ジメチル−3−ピ
ラゾリドン、 1−p−メトキシフェニル−4,4−ジエチル−3−ピラ
ゾリドン、 1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、 1−p−トリル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン などが挙げられる。
本発明方法に使用するのにそれほど好ましくないが有用
な補助超加成性現像主薬はアミノフェノール類である。
有用なアミノフェノール類としては: p−アミノフェノール o−アミノフェノール p−メチルアミノフェノールスルフェート 2,4−ジアミノフェノールヒドロクロリド N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン p−ベンジルアミノフェノールヒドロクロリド 2,4−ジアミノ−6−メチルフェノール 2,4−ジアミノレゾルシノール N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノール などが挙げられる。
所望ならば、2つまたはそれ以上の補助超加成性現像主
薬を現像液中に混和できる。たとえば、現像液はハイド
ロキノン、1−フェニル−3−ピラゾリドン及びp−メ
チルアミノフェノールスルフェートを含むことができ
る。所望ならば、2つまたはそれ以上のジヒドロキシベ
ンゼン現像主薬ももちろん使用できる。
ホウ酸塩、炭酸塩及びリン酸塩のような適当な緩衝剤を
現像液中に含ませて適当な緩衝能力を提供できる。
本発明に使用する水性アルカリ写真現像組成物は好まし
くは、空気酸化に対して現像主薬を保護することによっ
て良好な安定性特性を促進するのに十分な量で亜硫酸塩
保恒剤を含む。有用な亜硫酸塩保恒剤としては亜硫酸
塩、重亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩及びカルボニル重亜硫酸
塩添加物が挙げられる。亜硫酸塩保恒剤の代表例として
は: 亜硫酸ナトリウム、 亜硫酸カリウム、 亜硫酸リチウム、 亜硫酸アンモニウム、 重亜硫酸ナトリウム、 ピロ亜硫酸カリウム、 ナトリウムホルムアルデヒド重亜硫酸塩、 などが挙げられる。
ヒドロキシルアミン及びアスコルビン酸のような他の酸
化防止剤を亜硫酸塩の代わりにまたはそれと組み合わせ
て使用できる。
水性アルカリ現像液はそこに含まれる種々の成分の濃度
に関して広範囲に変化させることができる。代表的に
は、ジヒドロキシベンゼン現像主薬は、リットル当り約
0.045〜約0.65モル、より好ましくはリットル当り約0.0
9〜約0.36モルの量で使用し;補助超加成性現像主薬は
リットル当り約0.0005〜約0.01モル、より好ましくはリ
ットル当り約0.001〜約0.005モルの量で使用し;亜硫酸
塩保恒剤はリットル当り約0.04〜約0.80モル、より好ま
しくはリットル当り約0.12〜約0.60モルの量で使用す
る。
前述のように、アミノ化合物は本発明に従って「混和ブ
ースター」として写真要素中に混和する。この目的で有
効であることが判明しているアミノ化合物は: (1)少なくとも1個の第2または第3アミノ基を含ん
でなり; (2)少なくとも3個の反復エチレンオキシ単位からな
る基をその構造内に含み; (3)少なくとも1の分配係数を有するアミノ化合物で
ある。
好ましくは、少なくとも3個の反復エチレンオキシ単位
からなる基は第3アミノ窒素原子に直接結合し、最も好
ましくは、少なくとも3個の反復エチレンオキシ単位か
らなる基はビス−第3アミノ化合物の第3アミノ窒素原
子を結合する結合基である。好ましいアミノ化合物は少
なくとも3の分配係数を有し、最も好ましいのは少なく
とも4の分配係数を有する。
「混和ブースター」として使用するアミノ化合物は代表
的には銀モル当り約1〜約25ミリモル、より好ましくは
銀モル当り約5〜約15ミリモルの量で使用する。
本発明に従って「混和ブースター」として使用するのに
適したアミノ化合物の代表例としては以下のものが挙げ
られる: 前記式中、“Me"はメチルを表し、“Et"はエチルを表
し、“Pr"はプロピルを表し、“i−Pt"はイソプロピル
を表し、“Bu"はブチルを表す。
構造中にエチレンオキシ基を含む第2または第3アミノ
化合物の合成はいくつかの公知の反応によって実施でき
る。
以下はRがイソプロピル基であり且つnが概ね6の値の
整数である化合物Iの合成の例である: 以下はRはイソプロピル基である化合物IVの合成例であ
る: 以下はRがイソプロピル基である化合物VIIの合成例で
ある: 以下はPhがフェニルであり、Rがエチルであり、nが概
ね33の値の整数である化合物XIIの合成例である: 化合物XIIIの合成を実施するためにはポリエチレングリ
コール600(300グラム、0.50モル)及びジメチルアミノ
ピリジン(6.1グラム、0.05モル)を無水テトラヒドロ
フラン400ミリリットル中に溶解し、溶液を約−10℃に
冷却した。無水テトラヒドロフラン400ミリリットル中
p−トルエンスルホニルクロリド(238グラム、1.25モ
ル)の溶液を30分にわたって激しく攪拌し且つ反応温度
を−7〜−3℃に保持しながら加えた。反応混合物を−
5℃において2時間、0℃において16時間攪拌し、次い
で2リットルの氷水に加え、ジクロロメタン500ミリリ
ットルで3回抽出した。合した有機抽出物を10%塩酸及
び水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、そし
て回転エバポレーターで溶媒を除去した。生成物(425
グラム、収率86%)は核磁気共鳴分析によって確認され
た以下の構造を有する、ポリ(エチレングリコール)ジ
−p−トルエンスルホネートエステルとして同定される
金色の粘稠な油であった: 〔式中、n=〜13である〕。
ポリ(エチレングリコール)ジ−p−トルエンスルホネ
ートエステル(197.4グラム、0.20モル)及びジプロピ
ルアミン(60.7グラム、0.60モル)を乾燥アセトニトリ
ル400ミリリットル中に溶解し、次いで無水炭酸ナトリ
ウム(63.6グラム、0.60モル)を加え、そして反応混合
物を還流させ且つ激しく攪拌しながら4日間加熱した。
反応混合物を冷却し、濾過し、溶媒を回転エバポレータ
ー上で蒸発させた。残留物をジクロロメタン1.5リット
ル中に溶解させ、水洗し、10%塩酸500ミリリットルで
3回抽出した。合した抽出物を50%水酸化ナトリウムで
中和し、ジクロロメタン500ミリリットルで3回抽出し
た。合した抽出物に25%水酸化ナトリウム200ミリリッ
トルを加え、混合物を還流させ且つ攪拌しながら1時間
加熱した。混合物を冷却し、有機層を分離し、水洗し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、回転エバポ
レーターで溶媒を除去した。生成物(87.2グラム、収率
52%)は核磁気共鳴によって確認された以下の構造を有
する琥珀色の油であった: Pr2N(CH2CH2O)nCH2CH2NPr2 〔式中、n=〜14〕。
化合物XXIを合成するために、ポリ(エチレングリコー
ル)ジ−p−トルエンスルホネートエステル40.7グラム
(0.04モル)、n−ペンチルアミン18.3mL(0.16モル)
及び無水Na2CO321.2グラム(0.20モル)を乾燥アセトニ
トリル(100mL)中に懸濁させ、攪拌し且つ還流させな
がら24時間加熱した。反応混合物を冷却し、固体を濾別
し、溶媒を除去した。残留油を塩化メチレン(1L)中に
溶解させ、NaOH(25%,250mL)を用いて攪拌し且つ還流
させながら2時間加熱した。反応混合物を冷却し、有機
層を分離し、10%NaOH(500mL)、水(2×500mL)及び
ブライン(500mL)で洗浄した。溶液を無水MgSO4で乾燥
させ、濾過し、溶媒を除去した。残留油をシリカゲル上
でクロマトグラフ処理した。90%塩化メチレン、10%メ
タノール及び1%トリエチルアミンで溶離し且つ溶媒を
除去する(60℃/1mmHgにおいて3時間)ことによって生
成物15.6グラム(収率48%)を黄色の油として得た。化
合物XXIの構造は核磁気共鳴分析によって確認した。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。
例1〜18 単分散0.24μmAgBrI(ヨウ化物2.5モル%)イリジウム
添加乳剤を3.47g/m2Ag、2.24gゼラチン/m2及び0.96ラ
テックス/m2(ラテックスはアクリル酸メチル、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び2−
アセトアセトキシエチルメチルアクリレートのコポリマ
ーである)で用いて、以下の例において使用する各塗膜
をポリエステル支持体上に調製した。ハロゲン化銀乳剤
を、アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′
−ジ−(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニンヒ
ドロキシド、トリエチレン塩216mg/Agモルによって分光
増感した。乳剤溶融液に核生成剤をメタノール溶液とし
て0.0247g/m2の量で加えた。乳剤層にポリメチルメタク
リレートビーズを含むゼラチンを上塗りした。使用した
核生成剤の構造は以下の通りである: 「混和ブースター」は乳剤溶融液にメタノール溶液とし
て例中に示した量で加えた。
塗膜は3000゜Kタングステン光源に1秒間暴露し、35℃に
おいて2分間現像液中で処理した。
現像液を調製するために以下の成分から濃縮物を調製し
た: ピロ亜硫酸ナトリウム 145g 45%水酸化カリウム 178g ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩(40%溶
液) 15g 臭化ナトリウム 12g ハイドロキノン 65g 1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3
−ピラゾリドン 2.9g ベンゾトリアゾール 0.4g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.05g 50%水酸化ナトリウム 46g ホウ酸 6.9g ジエチレングリコール 120g 47%炭酸カリウム 120g 水を加えて 1リットル 濃縮物を水4部に対して濃縮物1部の割合で希釈してpH
10.4の使用強度(working strength)現像液を生成し
た。
以下の例において記録するセンシトメトリーパラメータ
ーは次の通りである: CR=相対写真感度(相対logE写真感度×100) EC=有効コントラスト(濃度値0.1〜2.50の平均勾配) PDP=実際濃度点(Dnet=0.6以上の0.4logEにおける濃
度) DQ=網点の質(1(極めて不良)〜5(極めて良好)の
尺度の主観的等級。等級3を満足な品質と判断する)。
センシトメトリーパラメーターは以下の表Iにおいて、
同一条件下で処理された非ブースター対照に対するブー
スター化合物の混和によって生じる変化によって表す。
従って、ブースターによって生じる写真感度、コントラ
スト及びPDPの増加はこの表に直接記録する。表中の非
ブースター対照に関するデルタCR、デルタEC及びデルタ
PDPはゼロと定義する。
本明細書中で使用する用語「分配係数」は以下の等式に
よって定義される、系n−オクタノール/水に関するブ
ースター化合物のlogP値を指す: 〔式中、X=ブースター化合物の濃度〕。分配係数は水
相と有機相の間で分配する化合物の能力の尺度であり、
A.Leo,P.Y.C.Jow,C.Silipo and C.Hansch,Journal of M
edicinal Chemistry,18巻、9号、865〜868頁(1975)
論文に記載されたようにして計算する。logPの計算はMe
dChem sofware,version 3.52,Pomona College,Claremon
t,Californiaを用いて実施できる。logPの値が高いほど
化合物は疎水性である。
表Iに記録されたデータは、本発明の混和ブースターの
使用によって写真感度、コントラスト及び実際濃度点が
かなり増加することを証明する。同様なlogP及び同様な
エチレンオキシ鎖長のジアミン化合物とモノアミン化合
物との比較により、第2のアミンの機能によって有意に
増大したブースター活性が生じることが示される。デー
タはまた、logP値を増大させるにつれて増大したブース
ター活性の利点を示す。さらに、同様な分子構造及び同
様なlogPのアミンに関してエチレンオキシ鎖長を増大さ
せるにつれてブースター活性は増大する。エチレンオキ
シ鎖長の増大により、現像液中へのシーズニングを減少
させるために分子の嵩を増加する有効な手段が提供され
るが、同時に処理の間の乳剤内の水性環境中の「分散
性」の実際の程度は維持される。
例19〜32 現像液を調製するに当たり水2部に対して濃縮物1部の
割合で濃縮物を希釈してpH10.5の使用強度現像液を生成
し且つ現像時間を35℃において1分間とする以外は例1
〜18と同様にして実施した。得られた結果は表IIに記録
する。
表IIのデータを表Iのデータと比較することにより、写
真感度、コントラスト、実際濃度点及び網点はすべて現
像液の濃度及び現像時間によって有意に影響されること
が明白である。本発明の「混和ブースター」は濃縮され
た現像液及び短い現像時間によって優れた結果を提供す
ることが示される。
例33 本例は、使用する核生成剤がヒドラジン化合物(塗布量
0.0121g/m2): とヒドラジン化合物(塗布量0.00237g/m2): との混合物である以外は例1〜32と同様な写真要素を用
いて実施した。
フィルムAと称するフィルムは混和ブースター化合物を
用いずに調製し、フィルムBと称するフィルムは化合物
XIIIを0.0861g/m2を含んでいた。現像液Aと称する現像
液は以下の成分から調製した: ニトリロトリメチレンホスホン酸の五ナトリウム塩(40
%溶液) 6.6cc ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩(40%溶
液) 3.2g 臭化ナトリウム 3g リン酸(75%溶液) 47.4g 水酸化カリウム(45%溶液) 132g ピロ亜リン酸ナトリウム 52.5g 水酸化ナトリウム(50%溶液) 68g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 12mg 5−メチルベンゾトリアゾール 0.25g ハイドロキノン 35g 1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3
−ピラゾリドン 0.3g 3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール 19.7g 水を加えて 1リットル 現像液Bと称する第2の現像液は3−ジエチルアミノ−
1,2−プロパンジオールを省いた点で現像液Aと異なる
ものであった。
フィルムAをpH11.6の現像液A中で30℃において80秒間
現像した。フィルムBはpH11.6,11.5及び11.4の現像液
B中で30℃において80秒間現像した。現像液のpHは濃水
酸化カリウム及び濃塩酸を用いて目的とする値に調整し
た。得られた結果を以下の表IIIに要約する。
表IIIに記録した結果は、フィルムB中に本発明の混和
ブースター(化合物XIII)を使用することによって現像
液A中において、極めて有効なブースター化合物、すな
わち、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオールを
使用する場合よりも高いブースター活性が提供される。
これは、コントラスト促進剤としてアミノ化合物を含ま
ない現像液中で処理された時に混和ブースターフィルム
によって得られるより高い写真感度、コントラスト及び
肩濃度によって立証される。pH11.6の現像液A中で処理
されたフィルムAとpH11.4及び11.5の現像液B中で処理
されたフィルムBの結果と比較することによって明白な
ように、このことは低下したpHにおいても当てはまっ
た。これらの結果から、本明細書中に記載した混和ブー
スターによって優れた性能が達成され得ることが確認さ
れる。
例34〜39 現像液を調製するに当たり水2部に対して濃縮物1部の
割合で濃縮物を希釈してpH10.5の使用強度現像液を生成
し且つ現像時間が35℃において72秒間である以外は例1
〜18と同様にして以下の例を実施した。これらの例にお
いて、使用された処理はローラー輸送機を用いる緩和な
攪拌による機械処理であった。得られた結果は表IVに記
録する。
表IVのデータを考慮すれば、ビス−第2ジアミンXIX,X
X,XXI及びXXIIは本発明に有効な混和ブースターである
がビス−第3ジアミンXIII及びXVIIIよりも多少有効で
ないことが明白である。
〔発明の効果〕
本発明の「混和ブースター」の使用によって先行技術に
比べて多くの重要な利点が提供される。すなわち、たと
えば、これらは、処理されるフィルムの単位面積当り使
用されるブースターのモル量に基づき、現像液中に含ま
れるブースターに典型的に必要な量の10分の1未満の量
で有用である。この結果は主要な経済上の利点をもたら
す。さらにアミノ化合物の臭気または濃縮の問題がな
い。シーズニングによる現像液からのアミノ化合物の減
少がないのでプロセスの一貫性が達成される。ブースタ
ーが写真要素中に含まれるため、従来の迅速アクセス現
像液で処理を行える。特に重要なのは、本明細書中に記
載したアミノ化合物が構造が簡単で、合成が容易で、コ
ストが低く、そして非常に有効であることである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒドラジン化合物の存在下に水性アルカリ
    現像液で現像した場合に硬調画像を形成するハロゲン化
    銀写真要素であって、(1)少なくとも1個の第2また
    は第3アミノ基を含んでなり、(2)少なくとも3個の
    反復エチレンオキシ単位を含む基をその構造内に含み、
    且つ(3)少なくとも1の分配係数を有するアミノ化合
    物を含んでなる少なくとも1層を含むことを特徴とする
    ハロゲン化銀写真要素。
  2. 【請求項2】ヒドラジン化合物の存在下に水性アルカリ
    写真現像液によって写真要素を現像することを含んでな
    る硬調写真画像を形成する方法であって、該要素が
    (1)少なくとも1個の第2または第3アミノ基を含ん
    でなり、(2)少なくとも3個の反復エチレンオキシ単
    位を含む基をその構造内に含み、且つ(3)少なくとも
    1の分配係数を有するアミノ化合物を含んでなる少なく
    とも1層を含むことを特徴とする硬調写真画像の形成方
    法。
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