JPH0689165B2 - ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその製造方法 - Google Patents
ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその製造方法Info
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- JPH0689165B2 JPH0689165B2 JP2018272A JP1827290A JPH0689165B2 JP H0689165 B2 JPH0689165 B2 JP H0689165B2 JP 2018272 A JP2018272 A JP 2018272A JP 1827290 A JP1827290 A JP 1827290A JP H0689165 B2 JPH0689165 B2 JP H0689165B2
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- Japan
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- ptfe
- stretching
- porous membrane
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- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は新規なポリテトラフルオロエチレン(以下、PT
FEという。)多孔膜およびその製造方法に関し、さらに
詳しくは半導体工業で使用される各種ガスまたは液体の
精密濾過フィルターとして、浮遊微小物質の捕獲性に優
れた新規なPTFE多孔膜およびその製造方法に関する。
FEという。)多孔膜およびその製造方法に関し、さらに
詳しくは半導体工業で使用される各種ガスまたは液体の
精密濾過フィルターとして、浮遊微小物質の捕獲性に優
れた新規なPTFE多孔膜およびその製造方法に関する。
<従来の技術と発明が解決しようとする課題> PTFE多孔体の製法の1つとして、PTFE重合体中に充填材
の類を添加して成形体とした後、充填材を溶剤、酸、ア
ルカリ、加熱などによって除去して多孔体を得る方法が
提案されている。しかし、充填材を除去する手法は、い
ずれも複雑かつ高価なプロセスであり、充填材を完全に
除去することは不可能に近く、高度な純度が要求される
半導体工業分野のフィルターとして難点が多い。
の類を添加して成形体とした後、充填材を溶剤、酸、ア
ルカリ、加熱などによって除去して多孔体を得る方法が
提案されている。しかし、充填材を除去する手法は、い
ずれも複雑かつ高価なプロセスであり、充填材を完全に
除去することは不可能に近く、高度な純度が要求される
半導体工業分野のフィルターとして難点が多い。
PTFE多孔体の第2の製法として、PTFEの焼結粉末を再度
圧縮成形して多孔体を得る方法がある。しかし、この製
法で得られる多孔体は空孔率が小さく、孔径も大きいと
いう欠点を有しており、高度な純度が要求される半導体
工業分野では次に紹介する延伸膜のサポートに使用され
る程度である。
圧縮成形して多孔体を得る方法がある。しかし、この製
法で得られる多孔体は空孔率が小さく、孔径も大きいと
いう欠点を有しており、高度な純度が要求される半導体
工業分野では次に紹介する延伸膜のサポートに使用され
る程度である。
最も典型的なPTFE多孔体は、延伸によって作製される多
孔体である。
孔体である。
その代表例は、特公昭56−17216号公報または特公昭56
−45773号公報に開示されているPTFE乳化重合物の未焼
結成形体を加熱延伸する方法である。中でも、押出物を
圧延によってフィルム状となし、1またはそれ以上の方
向に延伸して目的とする多孔体フィルムを作製する方法
が典型的な製法である。
−45773号公報に開示されているPTFE乳化重合物の未焼
結成形体を加熱延伸する方法である。中でも、押出物を
圧延によってフィルム状となし、1またはそれ以上の方
向に延伸して目的とする多孔体フィルムを作製する方法
が典型的な製法である。
しかしながら、この未焼結体を加熱延伸する方法では、
1またはそれ以上の方向の延伸倍率を大きくする程、孔
径が大きくなる特徴がある。それ故に、微小孔径のフィ
ルターを得ようとしても、延伸倍率を大きくとることが
できないため透過流量が小さいという欠点を有してい
る。
1またはそれ以上の方向の延伸倍率を大きくする程、孔
径が大きくなる特徴がある。それ故に、微小孔径のフィ
ルターを得ようとしても、延伸倍率を大きくとることが
できないため透過流量が小さいという欠点を有してい
る。
ところで、流体中の粒子の除去作用は単に孔径だけで決
まるものではない。流体中の粒子の除去メカニズムは次
の三つの主要メカニズムがあるとされている(ドミニク
・ハンター・フィルターズ・リミテッド(Dominck Hunt
er Filters Limited)カタログ参照): 1)直接遮断:比較的大きな粒子はマイクロ・ファイバ
ーによって遮断され、あたかもふるいにかけられたよう
に除去されるメカニズム。
まるものではない。流体中の粒子の除去メカニズムは次
の三つの主要メカニズムがあるとされている(ドミニク
・ハンター・フィルターズ・リミテッド(Dominck Hunt
er Filters Limited)カタログ参照): 1)直接遮断:比較的大きな粒子はマイクロ・ファイバ
ーによって遮断され、あたかもふるいにかけられたよう
に除去されるメカニズム。
2)慣性衝突:粒子がマイクロ・ファイバーの間の曲り
くねった通り道を通過する際、気体ほどには迅速に方向
転換できず、結局マイクロ・ファイバーに衝突し付着す
るメカニズム。
くねった通り道を通過する際、気体ほどには迅速に方向
転換できず、結局マイクロ・ファイバーに衝突し付着す
るメカニズム。
3)拡散/ブラウン運動:非常に小さい粒子は分子間力
や静電気に支配され、気体中を螺旋状に回転運動する結
果、見掛けの径が大きくなり、慣性衝突と同様に、マイ
クロ・ファイバーに付着するメカニズム。
や静電気に支配され、気体中を螺旋状に回転運動する結
果、見掛けの径が大きくなり、慣性衝突と同様に、マイ
クロ・ファイバーに付着するメカニズム。
PTFE延伸多孔膜では、微細な繊維が構成している繊維間
空間が一般的に孔径を決定するものであり、この孔径は
上記1)のメカニズムで粒子を除去する。
空間が一般的に孔径を決定するものであり、この孔径は
上記1)のメカニズムで粒子を除去する。
孔径以下の粒子を除去するためには、同一孔径にあって
は、いかに微細繊維が多く存在するかが重要な要素とな
る。
は、いかに微細繊維が多く存在するかが重要な要素とな
る。
微細繊維の状態を量的に表現する方法は、比表面積であ
る。
る。
すなわち、優れた精密濾過フィルターであるためには、
平均孔径が小さくかつ比表面積が大きいことが必要であ
り、そのようなフィルターが要望されている。
平均孔径が小さくかつ比表面積が大きいことが必要であ
り、そのようなフィルターが要望されている。
<課題を解決するための手段> 本発明は微小孔径で比表面積が大きくかつ流量も大きな
PTFE多孔膜を提供するものであり、その要旨は、ポリテ
トラフルオロエチレン半焼成体を延伸してなるポリテト
ラフルオロエチレン多孔膜であって、比表面積が15m2/g
以上であり、かつ平均孔径が0.2μm以下であることを
特徴とするポリテトラフルオロエチレン多孔膜に存す
る。
PTFE多孔膜を提供するものであり、その要旨は、ポリテ
トラフルオロエチレン半焼成体を延伸してなるポリテト
ラフルオロエチレン多孔膜であって、比表面積が15m2/g
以上であり、かつ平均孔径が0.2μm以下であることを
特徴とするポリテトラフルオロエチレン多孔膜に存す
る。
未焼成PTFEの延伸多孔体の製法は特公昭56−17216号公
報または特公昭56−45773号公報に開示されている。し
かし、これらの公報をもとに未焼成PTFEの延伸を行った
ところ伸張倍率の増加にともない比表面積は増大するが
同時に孔径増大することがわかった。
報または特公昭56−45773号公報に開示されている。し
かし、これらの公報をもとに未焼成PTFEの延伸を行った
ところ伸張倍率の増加にともない比表面積は増大するが
同時に孔径増大することがわかった。
本発明で使用する延伸前の材料は、特開昭59−152825号
公報で定義されたPTFE半焼成体であり、多孔膜の製法は
特開昭58−145735号公報の記載に準拠する。この製法を
鋭意研究した結果、従来伸張倍率が増大するにつれて孔
径も大きくなると考えられているのであるが、特定倍率
を超すと驚くべきことに伸張倍率が増大するにともない
孔径が小さくなり、かつ比表面積が増大していくことを
見い出した。
公報で定義されたPTFE半焼成体であり、多孔膜の製法は
特開昭58−145735号公報の記載に準拠する。この製法を
鋭意研究した結果、従来伸張倍率が増大するにつれて孔
径も大きくなると考えられているのであるが、特定倍率
を超すと驚くべきことに伸張倍率が増大するにともない
孔径が小さくなり、かつ比表面積が増大していくことを
見い出した。
本発明のPTFE多孔体は次のようにして得られる。
PTFE乳化重合粉末をペースト押出または圧縮成形して得
られるPTFE未焼成成形品を、PTFE焼成体の融点以上、好
ましくはPTFE焼成体の融点とPTFE未焼成体の融点との間
の温度において加熱し、PTFE半焼成体を製造する。本発
明においては、PTFE半焼成体を原料とすることが必須で
ある。ここで「PTFE」とは、テトラフルオロエチレンの
ホモポリマーだけでなく、テトラフルオロエチレンと2
重量%を超えない共重合可能な他のモノマーとの共重体
を含む。X線回折により測定したPTFE半焼成体原料の結
晶化度は80〜93%、好ましくは85%〜92%である。
られるPTFE未焼成成形品を、PTFE焼成体の融点以上、好
ましくはPTFE焼成体の融点とPTFE未焼成体の融点との間
の温度において加熱し、PTFE半焼成体を製造する。本発
明においては、PTFE半焼成体を原料とすることが必須で
ある。ここで「PTFE」とは、テトラフルオロエチレンの
ホモポリマーだけでなく、テトラフルオロエチレンと2
重量%を超えない共重合可能な他のモノマーとの共重体
を含む。X線回折により測定したPTFE半焼成体原料の結
晶化度は80〜93%、好ましくは85%〜92%である。
又、PTFE半焼成体原料の焼成度は、0.10〜0.85であり、
好ましくは0.40〜0.85である。
好ましくは0.40〜0.85である。
本発明のPTFE半焼成体の焼成度は次の様にして決定され
る。
る。
まず、PTFE未焼成体から3.0±0.1mgの試料を秤量して切
取り、この試料を用いてまず結晶融解曲線を求める。同
様にPTFE半焼成体から3.0±0.1mgの試料を秤量して切取
り、この試料を用いて結晶融解曲線を求める。
取り、この試料を用いてまず結晶融解曲線を求める。同
様にPTFE半焼成体から3.0±0.1mgの試料を秤量して切取
り、この試料を用いて結晶融解曲線を求める。
結晶融解曲線は、示差走査熱量計(以下、「DSC」とい
う。例えばパーキン・エルマー(Perkin-Elmer)社製DS
C−7型)を用いて記録する。まずPTFE未焼成体の試料
を、DSCのアルミニウム製パンに仕込み、未焼成体の融
解熱および焼成体の融解熱を次の手順で測定する。
う。例えばパーキン・エルマー(Perkin-Elmer)社製DS
C−7型)を用いて記録する。まずPTFE未焼成体の試料
を、DSCのアルミニウム製パンに仕込み、未焼成体の融
解熱および焼成体の融解熱を次の手順で測定する。
(1)試料を50℃/分の加熱速度で250℃に加熱し、次
いで10℃/分の加熱速度で250℃から380℃まで加熱す
る。この加熱工程において記録された結晶融解曲線の1
例を第1図に示す。この工程において現われる吸熱カー
ブのピーク位置を「PTFE未焼成体の融点」または「PTFE
ファインパウダーの融点」と定義する。
いで10℃/分の加熱速度で250℃から380℃まで加熱す
る。この加熱工程において記録された結晶融解曲線の1
例を第1図に示す。この工程において現われる吸熱カー
ブのピーク位置を「PTFE未焼成体の融点」または「PTFE
ファインパウダーの融点」と定義する。
(2)380℃まで加熱した直後、試料を10℃/分の冷却
速度で250℃に冷却する。
速度で250℃に冷却する。
(3)試料を再び10℃/分の加熱速度で380℃に加熱す
る。
る。
加熱工程(3)において記録される結晶融解曲線の1例
を第2図に示す。加熱工程(3)において現われる吸熱
カーブのピーク位置を「PTFE焼成体の融点」と定義す
る。
を第2図に示す。加熱工程(3)において現われる吸熱
カーブのピーク位置を「PTFE焼成体の融点」と定義す
る。
続いてPTFE半焼成体について結晶融解曲線を工程(1)
に従って記録する。この場合の曲線の1例を第3図に示
す。
に従って記録する。この場合の曲線の1例を第3図に示
す。
PTFE未焼成体、焼成体、半焼成体の融解熱は吸熱カーブ
とベースラインとの間の面積に比例し、パーキン・エル
マー社製DSC−7型では解析温度を設定すれば自動的に
計算される。
とベースラインとの間の面積に比例し、パーキン・エル
マー社製DSC−7型では解析温度を設定すれば自動的に
計算される。
そこで焼成度は次の式によって計算される。
焼成度=(ΔH1−ΔH3)/(ΔH1−ΔH2) ここで、ΔH1はPTFE未焼成体の融解熱、ΔH2はPTFE焼成
体の融解熱、ΔH3はPTFE半焼成体の融解熱である。
体の融解熱、ΔH3はPTFE半焼成体の融解熱である。
次にこのPTFE半焼成体を延伸する。
本発明において、所期の比表面積と平均孔径を達成する
には、PTFE半焼成体を二軸方向に少なくとも40倍以上の
伸張面積倍率で延伸することが必要である。
には、PTFE半焼成体を二軸方向に少なくとも40倍以上の
伸張面積倍率で延伸することが必要である。
40倍以下の伸張面積倍率で延伸して得られたPTFE多孔体
は、目的とする多孔体に比して平均孔径が大きすぎる
か、比表面積が小さすぎ、十分な浮遊微小物質の捕獲性
能を有しない。又、40倍以上の伸張面積倍率で延伸する
場合、一軸方向に延伸するには強度的に無理がある。
は、目的とする多孔体に比して平均孔径が大きすぎる
か、比表面積が小さすぎ、十分な浮遊微小物質の捕獲性
能を有しない。又、40倍以上の伸張面積倍率で延伸する
場合、一軸方向に延伸するには強度的に無理がある。
一般に、延伸はPTFE焼成体の融点以下の温度で行われ
る。
る。
以上のようにして、本発明のPTFE多孔膜が得られるが、
得られた多孔膜は、アニール処理することが好ましい。
このアニールにより、室温付近ではほとんど収縮が起こ
らない状態にすることができる。
得られた多孔膜は、アニール処理することが好ましい。
このアニールにより、室温付近ではほとんど収縮が起こ
らない状態にすることができる。
従来のPTFE未焼成体を延伸して得られる多孔体は、PTFE
乳化重合粉末の融点以上でアニールしないと、剥離や糸
引きが起こるが、本発明の多孔体は乳化重合粉末の融点
以上でアニールする必要はなく、延伸温度以上PTFE焼成
体の融点以下の温度のアニールで剥離や糸引きが起こら
ない。
乳化重合粉末の融点以上でアニールしないと、剥離や糸
引きが起こるが、本発明の多孔体は乳化重合粉末の融点
以上でアニールする必要はなく、延伸温度以上PTFE焼成
体の融点以下の温度のアニールで剥離や糸引きが起こら
ない。
本発明のPTFE多孔膜は、比表面積が15m2/g以上かつ平均
孔径が0.2μm以下であり、好ましくは比表面積が16m2/
g以上かつ平均孔径が0.18μm以下である。好ましく
は、比表面積は40m2/g以下、平均孔径は0.05μm以下で
ある。
孔径が0.2μm以下であり、好ましくは比表面積が16m2/
g以上かつ平均孔径が0.18μm以下である。好ましく
は、比表面積は40m2/g以下、平均孔径は0.05μm以下で
ある。
本発明のPTFE多孔膜は、従来のPTFE多孔膜と同様の用途
に用いられるが、特に半導体工業用フィルターやクリー
ンルーム用ウェアなどに有用である。
に用いられるが、特に半導体工業用フィルターやクリー
ンルーム用ウェアなどに有用である。
以下に実施例を示すが、実施例における各種物性は下記
の方法で測定したものである。
の方法で測定したものである。
比表面積の測定 比表面積は下記装置で測定した。
「モノソーブ表面積測定器」MS−15型 [発売元:湯浅アイオニクス株式会社、製造元:カンタ
クローム(QUANTACHROME)(米国)] キャリアガス:ヘリウム70%と窒素30%の混合ガスを使
用 平均孔径 コールター・ポロメータ(Coulter Porometer)[コー
ルター・エレクトロニクス(Coulter Electronics)社
(米国)製]で測定されるミーンフローポアサイズ(MF
P)を平均孔径とした。
クローム(QUANTACHROME)(米国)] キャリアガス:ヘリウム70%と窒素30%の混合ガスを使
用 平均孔径 コールター・ポロメータ(Coulter Porometer)[コー
ルター・エレクトロニクス(Coulter Electronics)社
(米国)製]で測定されるミーンフローポアサイズ(MF
P)を平均孔径とした。
膜厚 株式会社ミツトヨ製1D−110MH型膜厚計を使用し、測定
した。
した。
空孔率 エタノール置換法により、空孔に純水を充填した膜の重
量(W)と膜の絶乾重量(Wo)およびその体積(V)を
測定し、次式を使って算出した。
量(W)と膜の絶乾重量(Wo)およびその体積(V)を
測定し、次式を使って算出した。
(W−Wo)×100/V(%) ガス流量 多孔膜を直径25mmの円形に切出し、透過有効面積2.15cm
2のフィルターホルダーにセットし、これを0.639barの
窒素ガスで加圧し、透過するガス量をマスフローメータ
ーで測定した。
2のフィルターホルダーにセットし、これを0.639barの
窒素ガスで加圧し、透過するガス量をマスフローメータ
ーで測定した。
この実測値から透過有効面積1cm2当たり透過膜厚1mm当
たり1時間当たり透過量(l・mm/cm2・時間)を計算し
た。
たり1時間当たり透過量(l・mm/cm2・時間)を計算し
た。
<実施例> 実施例中、「部」とあるのは、特記しない限り「重量
部」である。
部」である。
実施例1 PTFEファインパウダー(ダイキン工業株式会社製「ポリ
フロン・ファインパウダーF−104」)100部に押出助剤
として炭化水素油(エッソ石油「アイソパーM」)24部
を加え、シリンダー内径130mm、押出金型ダイス内径12m
mの押出機により丸棒のペースト押出しを行い、これを7
0℃に加熱したカレンダーロールにより28mm/分の速度で
カレンダー掛けしてフィルムとした。このフィルムを50
℃のトリクロロエチレンに浸漬して押出助剤を抽出除去
した後、風乾し、平均厚さ100μm、平均幅200mmのPTFE
未焼成フィルムを作製した。
フロン・ファインパウダーF−104」)100部に押出助剤
として炭化水素油(エッソ石油「アイソパーM」)24部
を加え、シリンダー内径130mm、押出金型ダイス内径12m
mの押出機により丸棒のペースト押出しを行い、これを7
0℃に加熱したカレンダーロールにより28mm/分の速度で
カレンダー掛けしてフィルムとした。このフィルムを50
℃のトリクロロエチレンに浸漬して押出助剤を抽出除去
した後、風乾し、平均厚さ100μm、平均幅200mmのPTFE
未焼成フィルムを作製した。
次に、この未焼成フィルムを338℃のオーブン中で320秒
間加熱処理して焼成度0.74の連続したフィルムを得た。
間加熱処理して焼成度0.74の連続したフィルムを得た。
この半焼成フィルムを第4図に示す装置により延伸し
た。すなわち、フィルム巻出ロール1から半焼成フィル
ムをロール3,4を介して、ロール6,7に送り、ここでカレ
ンダーと同方向(MD方向と呼ぶ)へ6倍に延伸した。巾
方向の収縮があり正味の面積はほぼ4倍に拡大された。
延伸されたフィルムは、ロール8,9、ヒートセットロー
ル10、冷却ロール11およびロール12を介して巻取ロール
2に巻取った。
た。すなわち、フィルム巻出ロール1から半焼成フィル
ムをロール3,4を介して、ロール6,7に送り、ここでカレ
ンダーと同方向(MD方向と呼ぶ)へ6倍に延伸した。巾
方向の収縮があり正味の面積はほぼ4倍に拡大された。
延伸されたフィルムは、ロール8,9、ヒートセットロー
ル10、冷却ロール11およびロール12を介して巻取ロール
2に巻取った。
この時の延伸条件は次の通りであった。
ロール6:ロール表面温度300℃、 周速度1m/分。
ロール7:ロール表面温度300℃、 周速度6m/分。
ロール6とロール7の接点間距離:50mm ロール10:ロール表面温度300℃、 周速度はロール7に同調。
次に前記延伸フィルムを約9cm角に裁断し、同時及び逐
次に二軸方向に延伸できる装置(株式会社岩本製作所
製)で四方をクリップではさみ、雰囲気温度320℃で15
分間加熱した後、最初の延伸に対して垂直な方向(TD方
向と呼ぶ)にのみ500%/secの延伸速度で最初の半焼成
フィルムからの伸張面積倍率を逐次変化させ表−1に示
す(1)〜(7)までの倍率のものを得た。尚、二軸目
延伸後の延伸フィルム収縮を防ぐために5分間保持し冷
却して取り出した。収縮は程んど起らなかった。膜特性
を見ると、(1)〜(3)までは、逐次平均孔径が大き
くなっていくが、(4)〜(7)では面積の拡大に反し
て平均孔径が順次小さくなっている。しかもBET法によ
って測定される比表面積が順次増大していく。
次に二軸方向に延伸できる装置(株式会社岩本製作所
製)で四方をクリップではさみ、雰囲気温度320℃で15
分間加熱した後、最初の延伸に対して垂直な方向(TD方
向と呼ぶ)にのみ500%/secの延伸速度で最初の半焼成
フィルムからの伸張面積倍率を逐次変化させ表−1に示
す(1)〜(7)までの倍率のものを得た。尚、二軸目
延伸後の延伸フィルム収縮を防ぐために5分間保持し冷
却して取り出した。収縮は程んど起らなかった。膜特性
を見ると、(1)〜(3)までは、逐次平均孔径が大き
くなっていくが、(4)〜(7)では面積の拡大に反し
て平均孔径が順次小さくなっている。しかもBET法によ
って測定される比表面積が順次増大していく。
比較例として、特公昭56−17216号公報に開示された方
法に従い、前記未焼成フィルムを前記二軸延伸装置で同
様にはさみ同様の温度でまず圧延の方向に、そして圧延
と垂直の方向にそれぞれ500%/secの速度で延伸を行
い、番号(8)および(9)の延伸フィルムを得た。こ
の膜特性の特徴は、拡大倍率に応じて比表面積が大きく
なり平均孔径も大きくなることである。
法に従い、前記未焼成フィルムを前記二軸延伸装置で同
様にはさみ同様の温度でまず圧延の方向に、そして圧延
と垂直の方向にそれぞれ500%/secの速度で延伸を行
い、番号(8)および(9)の延伸フィルムを得た。こ
の膜特性の特徴は、拡大倍率に応じて比表面積が大きく
なり平均孔径も大きくなることである。
実施例2 実施例1の熱処理時間を150秒にして焼成度0.50の半焼
成フィルムを得、実施例1と同様にMD方向4.5倍(ロー
ル7の周速度4.5m/分)に延伸した。
成フィルムを得、実施例1と同様にMD方向4.5倍(ロー
ル7の周速度4.5m/分)に延伸した。
次に実施例1と同様の二軸延伸装置を用い、平均孔径0.
14μmの膜を得るために、TD方向に上記半焼成フィルム
の伸張面積倍率を130倍になるまで延伸を行った。
14μmの膜を得るために、TD方向に上記半焼成フィルム
の伸張面積倍率を130倍になるまで延伸を行った。
膜特性は、膜厚9μm、比表面積22.9m2/g、ガス透過流
量2.4・mm/cm2・h0.639barであった。
量2.4・mm/cm2・h0.639barであった。
表−2に、市販の平均孔径0.14μmのPTFE延伸多孔膜の
膜特性と比較して結果を示す。市販品に比較し、実施例
1の実施番号(7)および実施例2のフィルムはいずれ
も同一平均孔径にかかわらず比表面積の大きいことがわ
かる。
膜特性と比較して結果を示す。市販品に比較し、実施例
1の実施番号(7)および実施例2のフィルムはいずれ
も同一平均孔径にかかわらず比表面積の大きいことがわ
かる。
第1〜3図は、それぞれ未焼成体、焼成体および半焼成
体の結晶融解曲線を示す図、 第4図は、本発明のPTFE多孔体フィルムの製造に用いる
延伸ロールの一例の模式図である。 6,7……延伸ロール。
体の結晶融解曲線を示す図、 第4図は、本発明のPTFE多孔体フィルムの製造に用いる
延伸ロールの一例の模式図である。 6,7……延伸ロール。
Claims (3)
- 【請求項1】ポリテトラフルオロエチレン半焼成体を延
伸してなるポリテトラフルオロエチレン多孔膜であっ
て、比表面積が15m2/g以上であり、かつ平均孔径が0.2
μm以下であることを特徴とするポリテトラフルオロエ
チレン多孔膜。 - 【請求項2】延伸温度以上、ポリテトラフルオロエチレ
ン焼成体の融点以下の温度でアニールされた請求項1記
載のポリテトラフルオロエチレン多孔膜。 - 【請求項3】ポリテトラフルオロエチレン半焼成体を二
軸方向に少なくとも40倍以上の伸張面積倍率で延伸する
ことを特徴とするポリエトラフルオロエチレン多孔膜の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018272A JPH0689165B2 (ja) | 1990-01-29 | 1990-01-29 | ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018272A JPH0689165B2 (ja) | 1990-01-29 | 1990-01-29 | ポリテトラフルオロエチレン多孔膜およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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