JPH0687045U - 車両用シート装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートバックの転倒されている位置にかかわ
らず常にシートバックの背面側に対する位置決めを行う
ことができるストッパー機能を備えた車両用シート装置
を提供する。 【構成】 車体２上にあってシートレール部材１を介し
て前後方向へ移動調整自在に配置されたシートクッショ
ン３と、シートクッション３にリクライニング調整機構
４を介して回動調整自在に配置されたシートバック５と
を備えたものであって、シートバック５にこの背面側へ
突出するアーム状のストッパー１１を設ける一方、スト
ッパー１１を受けるレール状のストッパー受け１２を、
シートバック５の回動によってストッパー１１が描く軌
跡に略対応させてシートレール部材１に沿って設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車等の車両用シート装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４及び図５は、従来のキャブオーバータイプの自動車におけるシート装置の 一例を示すものである。 図４及び図５において、このシート装置は、固定レール５１ａと可動レール５ １ｂを有したシートレール部材５１を介して車体５２上に前後方向に移動調整自 在に配されたシートクッション５３と、リクライニング調整機構５４を介してシ ートクッション５３上に前後方向へ回動調整自在に配されたシートバック５５と を備えている。

【０００３】 そして、リクライニング調整機構５４のレバー５４ａを操作し、シートバック ５５を前または後ろ方向に回動させると、図４に示す起立された位置（以下、「 起立位置」と言う）と図５に示す転倒された位置（以下、「転倒位置」と言う） との間で、シートバック５５の傾きを調整することができる。 また、シートバック５５が後ろ側に転倒されるときには、シートバック５５の 背面が車体５２にぶつからないようにするのに、シートバック５５が転倒位置に 向かって倒されるのに連動して可動レール５１ｂが固定レール５１ａに対して前 側にシートクッション５３と共に移動し、逆に転倒位置側から起立位置に起こさ れるのに連動して可動レール５１ｂ及びシートクッション５３が後ろ側へ移動さ れる構造になっている。

【０００４】 加えて、シートバック５５の背面側には、ストッパー５６が設けられており、 起立位置において乗員が着座したときにシートバック５５の背面が車体５２に直 接当って異音が発生したり、表皮材が擦り切れたりするのを防止している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上述した従来のシート装置では、シートバック５５が起立位置に配置されてい る場合はストッパー５６が車体に５２に当たって受けられているのでシートバッ ク５５の背面が車体５２に直接当たって干渉するのを防ぐことができるが、起立 位置以外に転倒されるとストッパー５６が車体５２と大きく離れた位置に移動し 、ストッパーとしての機能が果たせなくなる。このため、起立位置以外に転倒さ れると、シートバック５５の背面側が車体５２に当って干渉し異音が発生したり 、表皮材が擦り切れたりする問題点があった。また、ストッパー５６は、これが 当たるシートバック５５の背面側が車種によって異なるため、適用する車種毎に 配置位置、長さなどを変えなくてはならず、共用化ができなかった。

【０００６】 本考案は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的はシートバック の転倒されている位置にかかわらず常にシートバックの背面側に対する位置決め を行うことができるストッパー機能を備えた車両用シート装置を提供することに ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案は、車体上にあってシートレール部材を介して 前後方向へ移動調整自在に配置されたシートクッションと、前記シートクッショ ンにリクライニング調整機構を介して回動調整自在に連結されたシートバックと を備えた車両用シート装置において、前記シートバックにこの背面側へ突出する アーム状のストッパーを設ける一方、前記ストッパーを受けるレール状のストッ パー受けを、前記シートバックの回動によってストッパーが描く軌跡に略対応さ せて前記シートレール部材に沿って設けたものである。

【０００８】

【作用】

この構成によれば、シートバック側に設けたストッパーに対し、このストッパ ーを受けるレール状のストッパー受けを、シートバックの回動によってストッパ ーの描く軌跡に略対応させてシートレール部材に沿って設けているので、シート バックがどの位置に回動されていてもストッパーがストッパー受けで受けられる 。これにより、シートバックの位置にかかわらず常にシートバックの背面側に対 する位置決めを行うことが可能となる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を用いて詳細に説明する。 図１乃至図３は、本考案の一実施例に係る車両用シート装置をキャブオーバー タイプの自動車に適用して示すものである。 図１乃至図３において、このシート装置は、固定レール１ａと可動レール１ｂ を有したシートレール部材１を介して車体２上に前後方向に移動調整自在に配さ れたシートクッション３と、リクライニング調整機構４を介してシートクッショ ン３上に前後方向回動調整自在に配されたシートバック５とを備えている。

【００１０】 そして、リクライニング調整機構４のレバー４ａを操作し、シートバック５を 前または後ろ方向に回動させると、図１及び図３に示す起立された位置（以下、 「起立位置」と言う）と図２に示す転倒された位置（以下、「転倒位置」と言う ）との間で、シートバック５の傾きを調整することができる。 また、シートバック５が後ろ側に転倒されるときには、シートバック５の背面 が車体２にぶつからないようにするため、シートバック５が転倒位置に向かって 倒されるのに連動して可動レール１ｂが固定レール１ａに対して前側にシートク ッション３と共に移動し、逆に転倒位置側から起立位置に起こされるのに連動し て可動レール１ｂ及びシートクッション３が後ろ側へ移動される構造になってい る。

【００１１】 加えて、シートバック５と車体２との間には、乗員が着座したときにシートバ ック５の背面が車体２に直接当って異音が発生したり、表皮材が擦り切れたりす るのを防止するための位置規制機構１０を設けている。この位置規制機構１０は 、ストッパー１１とストッパー受け１２とで構成されている。

【００１２】 このうち、ストッパー１１はパイプ鋼材をプレスしてアーム状に形成してなり 、シートバック５の側面より、このシートバック５の背後に向かって突出した状 態にして設けられている。そして、ストッパー１１の一端側はシートバック５内 のフレーム６に固定され、自由端となる他端側にはクッション用のゴム１３が固 定して取り付けられている。

【００１３】 これに対して、ストッパー受け１２は鋼板をプレス成形してなり、両端に脚部 １２ａ，１２ｂを設け、レール状の本体部１２ｃをシートレール部材１に沿った 状態にして両脚部１２ａ，１２ｂを車体２に固定して取り付けている。また、本 体部１２ｃの受け面（上面）Ａは、シートバック５が起立位置と転倒位置との間 を回動するときにストッパー１１の先端におけるゴム１３が描く軌跡に略対応し た形状で作られている。すなわち、ストッパー１１は、シートバック５が起立位 置と転倒位置との間で回動するときに、この回動に伴ってゴム１３を介してスト ッパー受け１２に当り動きが規制される。

【００１４】 したがって、この実施例の構造による車両用シート装置では、シートバック５ のが起立位置と転倒位置との間で回動するときに、この回動に伴ってストッパー １１がゴム１３を介してストッパー受け１２の受け面Ａ上を滑りながら移動され 、常にストッパー１１がストッパー受け１２で受けられるようになっているので 、シートバック５の位置にかかわらず常にシートバック５の背面側に対する位置 決めを行うことが可能であり、シートバック５の背面側が車体２に当って干渉し 異音が発生したり、表皮材が擦り切れたりするのを確実に防ぐ。また、従来のス トッパー構造に対し、シートバック５の背面側における車体状況に左右されない 。

【００１５】 なお、上記実施例では、ストッパー１１をアーム状の部材で形成したものを開 示したが、ストッパー受け１２で受けられる構造であればこれ以外の形状であっ ても差し支えないものである。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案に係る車両用シート装置にあっては、シートバッ クがどの位置に回動されていてもストッパーがストッパー受けで受けられ、シー トバックの位置にかかわらず常にシートバックの背面側に対する位置決めを行う ことができる。これにより、シートバックの背面側が車体に当接されて干渉し異 音が発生したり、表皮材が擦り切れたりするのを確実に防ぐことができる等の効 果が期待できる。また、車種が異なる場合においても共用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例として示す自動車内部の要部
構成配置図である。

【図２】シートバックを起立位置に配置した状態で示す
本実施例装置の側面図である。

【図３】シートバックを転倒位置に配置した状態で示す
本実施例装置の側面図である。

【図４】シートバックを起立位置に配置した状態で示す
従来装置の側面図である。

【図５】シートバックを転倒位置に配置した状態で示す
従来装置の側面図である。

【符号の説明】

１ シートレール部材 ２ 車体 ３ シートクッション ４ リクライニング調整機構 ５ シートバック １０ 位置規制機構 １１ ストッパー １２ ストッパー受け Ａ 受け面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体上にあってシートレール部材を介し
   て前後方向へ移動調整自在に配置されたシートクッショ
   ンと、前記シートクッションにリクライニング調整機構
   を介して回動調整自在に連結されたシートバックとを備
   えた車両用シート装置において、 前記シートバックにこの背面側へ突出するアーム状のス
   トッパーを設ける一方、前記ストッパーを受けるレール
   状のストッパー受けを、前記シートバックの回動によっ
   てストッパーが描く軌跡に略対応させて前記シートレー
   ル部材に沿って設けたことを特徴とする車両用シート装
   置。