JPH07329711A - 車両用シートベルトのバックル配設部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートバックを車両前方に倒した際に、バッ
クルとシートバックとが干渉しない、車両用シートベル
トのバックル配設部構造を提供する。 【構成】 リクライニングデバイス３によりシートバッ
ク２が傾動可能になされたシートのシートクッション１
の側部１ａに、バックルアーム１１が、このバックルア
ームの下端部１１ａを中心に車両前後方向に回動可能に
装着され、このバックルアーム１１の自由端部にバック
ル１２が設けられ、シートバック２の前傾時に、バック
ルアーム１１を前方に回動させて、バックル１２とシー
トバック２との離間状態を維持するバックル角度規制手
段（棒状部材８、ガイド溝５ａ）をリクライニングデバ
イス３に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、車両のシートに取り
付けられるシートベルトのバックル配設部の構造に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のものとしては、例えば図
４に示すようなものがある。

【０００３】図中符号４５は、自動車のシートで、この
シート４５は、図示省略のリクライニングデバイスによ
りシートバック４４がシートクッション４１に対して角
度調整できるようになっている。

【０００４】このシートクッション４１の側部４１ａに
は、バックルアーム４２が、その下端部４２ａが取り付
けられることにより装着されている。そして、このバッ
クルアーム４２の自由端部にバックル４３が取り付けら
れている。

【０００５】なお、この種のものとして特開平４−５９
４５２号公報及び、特開平４−１７３４５１号公報に記
載されたものがある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものにあっては、シートベルト装着時におけ
るタングの取付け作業性等を確保すべく、バックルアー
ム４２は略起立状態にあるため、シートバック４４を二
点鎖線で示すように車両前方に倒した際に、バックル４
３とシートバック４４とが干渉し、繰り返し干渉するこ
とによって、シートバック４４の表皮４４ａが傷つくお
それがあった。

【０００７】そこで、この発明は、シートバックを車両
前方に倒した際に、バックルとシートバックとが干渉し
ない、車両用シートベルトのバックル配設部構造を提供
することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、このような
課題に着目してなされたもので、請求項１に記載された
発明は、リクライニングデバイスによりシートバックが
傾動可能になされたシートのシートクッションの側部
に、バックルアームが、該バックルアームの下端部を中
心に車両前後方向に回動可能に装着され、該バックルア
ームの自由端部にバックルが設けられ、前記シートバッ
クの前傾時に、前記バックルアームを前方に回動させ
て、前記バックルと前記シートバックとの離間状態を維
持するバックル角度規制手段を前記リクライニングデバ
イスに設けたことを特徴としている。

【０００９】請求項２に記載された発明は、リクライニ
ングデバイスは、前記シートクッションの側部にベース
が取り付けられ、該ベースに回動自在に取り付けられた
アームが前記シートバックの側部に取り付けられ、前記
バックル角度規制手段は、棒状部材の中間部が車両前後
方向に回動可能に前記ベースに取り付けられ、該棒状部
材の一端部が前記バックルアームに連結される一方、該
棒状部材の他端部にガイドピンを設けると共に、該ガイ
ドピンが係合されることで、前記アームの回動に伴って
前記棒状部材を回動させるガイド溝を前記アームに形成
したことを特徴としている。

【００１０】請求項３に記載された発明は、前記バック
ルアームを車両後方に回動させる戻し手段を設けたこと
を特徴としている。

【００１１】

【作 用】請求項１に記載された発明によれば、シート
バックを起立状態から前傾させると、このシートバック
の前傾動作に連動して、バックル角度規制手段により、
バックルアームが前方に回動されて、バックルとシート
バックとの離間状態が維持されることとなる。

【００１２】また、請求項２に記載された発明によれ
ば、請求項１の作用に加え、シートバックを起立状態か
ら前傾させると、リクライニングデバイスのアームが回
動することにより、ガイド溝を介して棒状部材が回動
し、この棒状部材により、バックルアームが押されて前
方に回動されてバックルとシートバックとの離間状態が
維持されることとなる。

【００１３】さらに、請求項３に記載された発明によれ
ば、請求項１の作用に加え、シートバックを起立させる
のに伴って、バックルアームが車両後方に回動し、バッ
クルが元の設定位置に戻される。

【００１４】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１５】図１乃至図３は、この発明の一実施例を示
すものである。

【００１６】まず、構成を説明すると、図中符号１はシ
ートクッション、符号２はシートバックであり、それぞ
れの側部１ａ，２ａに、リクライニングデバイス３のベ
ース４及び、アーム５が取り付けられている。このアー
ム５は、センタピン６を軸にして回転できるようになっ
ており、これにより、シートバック２が車両前後方向に
回動可能となる。

【００１７】ベース４には、センタピン７が側方に向け
て植設され、棒状部材８が、センタピン７を軸にして車
両前後方向に回転できるように取り付けられている。こ
の棒状部材８とベース４との間にはディスタントディス
ク９が取り付けられ、棒状部材８とアーム５とが干渉し
ないようになっている（図３参照）。なお、このディス
タントディスク９は、棒状部材８に一体にして設けても
よい。

【００１８】この棒状部材８の一端部８ｂは、バックル
アーム１１に当接し、他端部８ａには、車幅方向に延び
るガイドピン８ｃが設けられており、このガイドピン８
ｃは、アーム５に形成されたガイド溝５ａに挿入されて
いる。このガイド溝５ａは、前記アーム５の回動に伴っ
て棒状部材８を図１中時計回りに回動させるような形状
に設定されている。

【００１９】また、引張コイルバネ１０の一方のフック
がベース４に掛けられ、他方のフックが棒状部材８の他
端部８ａ側に掛けられ、この引張コイルバネ１０により
棒状部材８が図１中時計回りに付勢されていることで、
前記バックルアーム１１に棒状部材８の一端部８ｂが圧
接することになる。

【００２０】これら棒状部材８やガイド溝５ａ等によ
り、バックル角度規制手段が構成されている。

【００２１】一方、バックルアーム１１は、シートクッ
ション１の側部１ａに設けられているブラケット１４
に、センタピン１３を中心に車両前後方向に回動可能に
装着されている。このバックルアーム１１の下端部１１
ａとブラケット１４との間には、図２に示すように、
「戻し手段」としての捻りコイルバネ１５が装着され、
この捻りコイルバネ１５の両端部は、それぞれバックル
アーム１１の下端部１１ａとブラケット１４とに取り付
けられている。この捻りコイルバネ１５により、バック
ルアーム１１が後方、つまり図１中時計回りに付勢され
ている。このことにより、前記引張コイルバネ１０によ
る付勢同様、棒状部材８の一端部８ｂにバックルアーム
１１が圧接することになる。そして、両圧接力により
「ガタ」が生じないことになる。

【００２２】また、バックルアーム１１の自由端部に
は、バックル１２が取り付けられている。そして、シー
トバック２が起立している状態において、人がシートク
ッション１に座った際に、シートベルト（図示せず）が
装着しやすい位置でバックルアーム１１が停止状態とな
り、外力が作用した時に、その位置から前方にバックル
アーム１１が回動するようになっている。

【００２３】次に、このような構成からなる、車両用シ
ートベルトのバックル配設部構造の作用について説明す
る。

【００２４】シートバック２をリクライニングデバイス
３を中心に車両前方（図１中矢印Ａ方向）に回転させる
と、アーム５が矢印Ｂ方向に回動する。すると、アーム
５のガイド溝５ａによって、棒状部材８のガイドピン８
ｃが下方に押圧され、棒状部材８が矢印Ｃ方向に回転す
る。そして、棒状部材８の一端部８ｂによってバックル
アーム１１の根元部が押圧されて、矢印Ｄ方向にバック
ルアーム１１が回動する。

【００２５】このように、シートバック２を車両前方に
回転させることに伴って、バックルアーム１１も車両前
方に回動するため、バックル１２とシートバック２との
離間状態が維持されて両者が干渉せず、シートバック２
の表皮２ｂの破れを防止することができる。

【００２６】一方、車両前方に回転させたシートバック
２を元の位置に起立させると、ガイド溝５ａの位置が移
動することによって棒状部材８が矢印Ｃと逆方向に回転
する。そして、バックルアーム１１への押圧が解除され
て、捻りコイルバネ１５によってバックルアーム１１が
矢印Ｄと逆方向に回動する。従って、引張コイルバネ１
０よりも、捻りコイルバネ１５の方が付勢力は強いこと
になる。

【００２７】このようにして、シートバック２を起立さ
せるのに伴って、バックル１２が元の設定位置に戻され
るため、シートベルトの装着を容易に行なうことができ
る。

【００２８】

【発明の効果】以上説明してきたように、このような発
明によれば、請求項１に記載された発明によれば、シー
トバックを起立状態から前傾させると、このシートバッ
クの前傾動作に連動して、バックル角度規制手段によ
り、バックルアームが前方に回動されて、バックルとシ
ートバックとの離間状態が維持されることとなる。これ
によって、両者が干渉することによる、シートバックの
表皮の破れを防止することができる。

【００２９】また、請求項２に記載された発明によれ
ば、請求項１の効果に加え、シートバックを起立状態か
ら前傾させると、リクライニングデバイスのアームが回
動することにより、ガイド溝等を介して棒状部材が回動
し、この棒状部材により、バックルアームが押されて前
方に回動されてバックルとシートバックとの離間状態が
維持されることとなる。

【００３０】さらに、請求項３に記載された発明によれ
ば、請求項１の効果に加え、シートバックを起立させる
のに伴って、バックルアームが車両後方に回動し、バッ
クルが元の設定位置に戻されるため、シートベルトの装
着を容易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す、車両用シートベル
トのバックル配設部構造の側面図である。

【図２】同一実施例を示す、車両用シートベルトのバッ
クル配設部構造の分解斜視図である。

【図３】図１における矢印Ｅからの部分投影図である。

【図４】従来例を示す、車両用シートベルトのバックル
配設部構造の側面図である。

【符号の説明】

１ シートクッション １ａ シートクッションの側部 ２ シートバック ３ リクライニングデバイス ５ａ ガイド溝（バックル角度規制手段） ８ 棒状部材（バックル角度規制手段） ８ａ ガイドピン １１ バックルアーム １１ａ 下端部 １２ バックル １５ 捻りコイルバネ（戻し手段）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リクライニングデバイスによりシートバ
   ックが傾動可能になされたシートのシートクッションの
   側部に、バックルアームが、該バックルアームの下端部
   を中心に車両前後方向に回動可能に装着され、該バック
   ルアームの自由端部にバックルが設けられ、前記シート
   バックの前傾時に、前記バックルアームを前方に回動さ
   せて、前記バックルと前記シートバックとの離間状態を
   維持するバックル角度規制手段を前記リクライニングデ
   バイスに設けたことを特徴とする車両用シートベルトの
   バックル配設部構造。
2. 【請求項２】 リクライニングデバイスは、前記シート
   クッションの側部にベースが取り付けられ、該ベースに
   回動自在に取り付けられたアームが前記シートバックの
   側部に取り付けられ、 前記バックル角度規制手段は、棒状部材の中間部が車両
   前後方向に回動可能に前記ベースに取り付けられ、該棒
   状部材の一端部が前記バックルアームに連結される一
   方、該棒状部材の他端部にガイドピンを設けると共に、
   該ガイドピンが係合されることで、前記アームの回動に
   伴って前記棒状部材を回動させるガイド溝を前記アーム
   に形成したことを特徴とする請求項１記載の両用シート
   ベルトのバックル配設部構造。
3. 【請求項３】 前記バックルアームを車両後方に回動さ
   せる戻し手段を設けたことを特徴とする請求項１記載の
   車両用シートベルトのバックル配設部構造。