JPH0685751U

JPH0685751U - 切削油通路付き工具ホルダ

Info

Publication number: JPH0685751U
Application number: JP3200093U
Authority: JP
Inventors: 千尋伊藤
Original assignee: Murata Machinery Ltd
Current assignee: Murata Machinery Ltd
Priority date: 1993-05-20
Filing date: 1993-05-20
Publication date: 1994-12-13

Abstract

(57)【要約】【目的】工具の交換を行っても、作業者の手を煩わせ
ることなく、切削油を確実に工具先端に供給できるよう
にする。また、工具ホルダへの切削油の供給系をすっき
りと納められるようにする。【構成】工具ホルダ本体７内に切削油通路９を設け、
その入口９ａおよび出口９ｂを工具ホルダ本体７のタレ
ット３への設置面７ｂおよび工具取付面７ａ₃に各々設
ける。切削油通路９の出口９ｂは、工具取付面７ａ₃に
取付けられる工具５内の切削油孔１１に連通可能な位置
に配置する。これにより、工具ホルダ６に工具５を取付
けるだけで、工具５内の切削油孔１１と工具ホルダ本体
７内の切削油通路９とを連通させることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、旋盤等において、刃物台への工具の取付けに使用される切削油通路付き工具ホルダに関する。

【０００２】

【従来の技術】

旋盤等の切削機械では、切削熱により生じる工具やワークの温度上昇を抑制するため、切削油を工具に注ぐようにしている。この切削油の注ぎ手段として、主軸台等に設置したパイプ状ノズルから切削油を吐出させる方式と、工具ホルダに設けたノズルから切削油を吐出させる方式とが一般に採られている。主軸台に設置したノズルから吐出させる方式は、ワークの広い加工範囲にわたって切削油を供給することが難しく、目的位置に正確に切削油の供給を行う面からは、ワークホルダから供給する方式の方が優れている。

【０００３】図９は、切削油の吐出ノズルを設けた従来の工具ホルダの例を示す。この工具ホルダ４０では、切削油通路４１を両端面４０ａ，４０ｂ間に貫通させ、入口側開口４１ａに切削油供給パイプ４３を連結すると共に、出口側開口４１ｂにノズル４４を設けている。ノズル４４は、同図（Ｂ）に拡大断面図で示すように球形に形成してあり、工具ホルダ４０に対して角度変更可能である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、図９の工具ホルダ４０では、工具４２が長さの異なるもの、すなわち刃先位置の異なるものに交換される都度、刃先に向かって正確に切削油が吐出されるように、球形ノズル４４の方向を調整する必要がある。しかも、調整後に切削油を試しに吐出させて吐出位置を確認しなくてはならず、調整作業に手間がかかる。また、球形ノズル４４内に所定角度のパイプを挿入して吐出方向を変更させる方法も採られているが、そのパイプに切り屑がからまる等の問題が生じることがある。さらに、図９の工具ホルダ４０では、切削油供給パイプ４３が刃物台４５から露出して設けられるため、刃物台４５がタレット等のように多数の工具が取付けられるものである場合、切削油供給パイプ４３が煩雑に入り乱れることになる。

【０００５】この考案の目的は、工具交換されても、作業者の手を煩わせることなく確実に工具先端に切削油を供給することができ、かつ工具ホルダへの切削油の供給経路をすっきりと納めることのできる切削油通路付き工具ホルダを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案の切削油通路付き工具ホルダは、工具ホルダ本体内に切削油通路を形成し、工具として、工具先端方向に向かって開口する切削油孔を有するものを使用するようにしたものである。工具ホルダの切削油通路の入口および出口は、工具ホルダ本体の刃物台への設置面および工具取付面に各々設ける。また、切削油通路の出口は、前記工具取付面に取付けられる工具の切削油孔に連通可能な位置とする。

【０００７】

【作用】

この構成によると、工具ホルダに工具を取付けるだけで、工具内の切削油孔と工具ホルダ本体内の切削油通路とを連通させることができ、その工具に設けられた切削油孔から確実に工具先端に切削油を供給することができる。また、工具ホルダの切削油通路の入口は、刃物台の工具取付面に設けたため、刃物台内に形成した切削油供給経路が利用でき、工具ホルダへの切削油供給経路をすっきりと納めることができる。

【０００８】

【実施例】

この考案の第１の実施例を図１ないし図４に基づいて説明する。図４はこの実施例の工具ホルダを用いたタレット旋盤の主要部を示す平面図である。このタレット旋盤１は、ワークＷを把持して回転する主軸２の隣りに、タレット３を搭載したタレットキャリッジ４が設置されている。タレット３は正面形状が多角形のドラム状のものであり、その各周面部分からなる工具ステーション３ａに、工具ホルダ６を介して工具５が取付けられる。

【０００９】図示した工具ホルダ６は、工具５をその刃先が主軸２と平行なＹ軸方向に向くように取り付ける形式のホルダであって、図１に示すように断面概形がコ字状の工具ホルダ本体７と、この本体７に工具５を締付け固定するための一対の楔８とを有する。工具ホルダ本体７のタレット３への取付けは、ボルト１０により行われる。この工具ホルダ本体７内に切削油通路９が形成してある。切削油通路９の入口９ａはタレット３への設置面である裏面７ｂに配置され、出口９ｂは工具５の取付面である溝底面７ａ₃に設けてある。また、この出口９ｂは、工具５の後述の切削油孔１１の入口１１ａに整合するように配置される。溝底面７ａ₃には、切削油の漏れ防止用のゴムまたは樹脂シートを貼り付けておいても良い。

【００１０】工具５は内部に切削油孔１１を形成したものである。工具５は、工具ホルダ本体７の溝部７ａ内に配置し、楔８をボルト１２で溝底側に押し付けることにより締付け固定される。工具５内の切削油孔１１の入口１１ａは、工具ホルダ本体７の前記溝底面７ａ₃に押し付けられる側面５ａに配置してある。切削油孔１１の出口１１ｂは刃先側の端面５ｂに設けてある。

【００１１】一方、タレット３内には、工具ホルダ本体７内の切削油通路９に切削油を供給するための切削油供給経路１３ａ，１３ｂが図３に示すように形成されている。すなわち、中空のタレット軸１４内に挿通した固定側切削油パイプ１５の先端が、タレット３の中心の固定側分配器１６の切削油供給経路１３ａに接続されている。タレット３の前面には固定側分配器１６を取り囲む円筒状の回転側分配器１７が設けられ、この分配器１７からタレット３の各工具ステーション３ａに切削油供給経路１３ｂが形成されている。この構成により、タレット３の割出回転で、固定側の切削油供給経路１３ａが、回転側の各切削油供給経路１３ｂに切換え接続される。

【００１２】この構成によると、タレット３内の切削油供給経路１３ａ，１３ｂを経て切削油供給源から送られて来る切削油は、工具ホルダ本体７内の切削油通路９を経て工具５内の切削油孔１１に供給され、その出口１１ｂから工具５の刃先側に向けて噴出する。このように、工具５から切削油を吐出させるようにし、工具ホルダ６の切削油通路９と工具５内の切削油孔１１とを連通させるようにしため、工具交換を行っても、作業者の手を煩わせることなく確実に工具先端に切削油を供給することができる。また、工具ホルダ６の切削油通路９の入口９ａは、タレット３の工具取付面に設けたため、タレット３内に形成した切削油供給経路１３ａ，１３ｂが利用でき、そのためタレット３の外部に配管系統が露出することなく、工具ホルダ６への切削油供給系をすっきりと納めることができる。

【００１３】なお、図５に示すように、工具ホルダ本体７内の切削油通路９の出口９ｂは、工具５の取付面となる溝部７ａの側壁面７ａ₂に配置しても良い。この場合、工具５の切削油孔１１の入口１１ａは、前記出口９ｂに連通するように設ける。また、一つの工具ホルダ７における溝底面７ａと側壁面７ａ₂の両方に出口９ｂを設けても良い。その場合、工具５として２面のいずれに入口１１ａがあるものでも使用できる。また、前記各実施例において、工具ホルダ７の出口９ｂは溝長手方向に延びる長孔としても良く、これにより工具７を長手方向に取付位置変更しても切削油孔１１への切削油供給が可能となる。このように出口９ｂを２面に設け、あるいは出口９ｂを長孔としても、出口９ｂの不要部分は工具５で蓋されるため、切削油の漏れは防止できる。また、前記のように弾性シートを介在させることで、漏れ防止を確実にすることもできる。

【００１４】また、図６ないし図８に示す実施例のように、工具５をその刃先がＸ軸方向に向くように取り付ける工具ホルダ２６の場合にも、前記実施例と同様にしてタレット３内の切削油供給経路１３ｂを工具５内の切削油孔１１に連通させることができる。同図において、２７は工具ホルダ本体、２８は工具固定用の楔、２９は切削油通路、２９ａ，２９ｂはその入り口および出口、３０は工具ホルダ本体２７の取付用ボルトを各々示す。

【００１５】

【考案の効果】

この考案の切削油通路付き工具ホルダは、工具ホルダ本体内に切削油通路を形成してその入口および出口を工具ホルダ本体の刃物台への設置面および工具取付面に各々設け、工具には切削油孔を有するものを使用するようにしたため、工具交換を行っても、作業者の手を煩わせることなく確実に工具先端に切削油を供給することができる。しかも、工具ホルダへの切削油の供給経路をタレット等の刃物台内にすっきりと納めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）はこの考案の第１の実施例を示す一部破
断平面図、（Ｂ）はその斜視図、（Ｃ）はその分解斜視
図である。

【図２】同実施例の縦断面図である。

【図３】同実施例におけるタレットの断面図である。

【図４】同実施例の工具ホルダを使用したタレット旋盤
の要部を示す平面図である。

【図５】この考案の第２の実施例を示す分解斜視図であ
る。

【図６】この考案の第３の実施例を示す一部破断平面図
である。

【図７】同実施例の斜視図である。

【図８】同実施例の工具ホルダを使用したタレット旋盤
の要部を示す平面図である。

【図９】（Ａ）は従来例の斜視図、（Ｂ）はその部分拡
大断面図である。

【符号の説明】

３…タレット、５…工具、７，２７…工具ホルダ本体、
７ａ₁，７ａ₂，２７ａ₁，２７ａ₂…側壁面、７
ａ₃，２７ａ₃…底面、９…切削油通路、９ａ…入口、
９ｂ…出口、１１…切削油孔

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】工具ホルダ本体内に切削油通路を設け、
この切削油通路の入口および出口は、工具ホルダ本体の
刃物台への設置面および工具取付面に各々設け、前記出
口は、前記工具取付面に取付けられる工具内の切削油孔
に連通可能な位置に配置した切削油通路付き工具ホル
ダ。