JPH0685457A - セラミック多層回路基板及びその製造方法 - Google Patents

セラミック多層回路基板及びその製造方法

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JPH0685457A
JPH0685457A JP4232120A JP23212092A JPH0685457A JP H0685457 A JPH0685457 A JP H0685457A JP 4232120 A JP4232120 A JP 4232120A JP 23212092 A JP23212092 A JP 23212092A JP H0685457 A JPH0685457 A JP H0685457A
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JP
Japan
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conductor
ceramic
copper
silver
circuit board
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JP4232120A
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Inventor
Kazuo Furuhashi
和雄 古橋
Akira Imoto
晃 井本
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部配線に銀系導体、表面配線に銅系導体を
用いたセラミック多層回路基板において、銅系導体の表
面配線の接着強度が高く、また半田ヌレ性に優れ、生産
性に優れたセラミック多層回路基板及びその製造方法を
提供する。 【構成】内部配線12に銀系導体を用いたガラス−セラ
ミック多層基板1の主面に、銅系導体の表面配線2を形
成したセラミック多層回路基板10において、前記内部
配線12と前記表面配線2との接続部分に、白金系又は
パラジウム系導体からなるビアホール導体14を形成し
た。また、表面配線2を、多層基板1上に印刷した後、
中性もしくは還元性雰囲気中、銀−銅の共晶点以上の温
度、例えば900℃で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器に用いるセラ
ミック多層回路基板及びその製造方法に関するものであ
り、内部配線に銀系導体を、表面配線に銅系導体を備え
たセラミック多層回路基板及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最近、セラミック多層回路基板として、
導体に銀や銅などの導体抵抗が低く、融点の低い金属を
用いた低温で導体と同時焼成が可能な基板が開発されて
いる。
【0003】特開昭61ー108192 には、銀系導体を用いた
多層回路基板が開示されているが、銀系導体を用いた場
合、表層の銀がマイグレーションを起こしやすいため配
線の高密度化が制限されるという問題があった。また、
銅導体を用いた場合、基板焼成時に銅を酸化させないよ
うに非酸化性雰囲気で焼成する必要があり、脱バインダ
ーに多大な時間をかけなければならず実用的ではなかっ
た。
【0004】そこで、上記問題を解決するために、特開
昭62-265796 では、内部配線に銀系導体、表層導体に銅
を用いたセラミック多層回路基板が提案されている。こ
れは、焼成を酸化雰囲気で短時間で行うために内部配線
を銀系導体で形成し、表層導体は耐マイグレーション性
の高い銅導体で形成したセラミック多層回路基板であ
る。上述のセラミック多層回路基板においては、銀と銅
との接続部分は銀と銅の共晶点(780℃)以上になる
と共晶反応が起こり、導体特性が劣化するため、上記基
板に銀と銅の共晶点以上の温度で焼成する抵抗体を形成
する場合は、抵抗の端子電極を抵抗体の焼成温度以上の
温度で焼成した後に抵抗体を形成し、その後、銀と銅の
共晶点以下の温度で銅系の表層導体の配線を焼成してい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】上述のセラミック多
層回路基板では、表面配線である銅系導体において、内
部配線と接続する銅系導体を銀と銅の共晶点以下、例え
ば600℃の温度で焼成しなくてはならなかった。
【0006】さらに、この600℃で焼成される銅系導
体は、銅系導体ペースト中にガラス成分が多く含有され
ているため、共晶点以上の温度、例えば900℃で焼成
した銅系導体と比較して接着強度、半田ヌレ性に劣って
いた。
【0007】この600℃で焼成される銅系導体の接着
強度、半田ヌレ性を改善するために、表面配線に、90
0℃焼成の銅系導体を先に形成(第1の表面配線)して
おき、さらに、この第1の表面配線と内部配線とを接続
するため、600℃焼成の銅系導体を形成(第2表面配
線)を形成することも考えられるが、この場合には、表
面配線を形成するために、2回の異なる銅系導体の被
着、焼成が必要となる。
【0008】また、上述したように、多層基板上に非酸
化性雰囲気で焼成される厚膜抵抗体膜を形成する場合に
も、抵抗膜の焼成による抵抗値の変化、銀と銅の共晶点
を考慮すると、厚膜抵抗体膜の端子電極を第1の表面配
線で形成し、その後、厚膜抵抗体膜を形成し、さらに、
第2表面配線形成しなくてはならない。
【0009】従って、従来では、表層導体は抵抗体の端
子電極と表面配線の2回に分けて形成する必要があるた
め、工程数が増えてしまい、生産性が低かった。
【0010】また、いずれにしても、表面配線を、銀と
銅の共晶点以下の温度で焼成する表層配線と、それ以上
の表面配線とで分けて形成すると、内部配線と表面配線
との接続部分で、接続のためのみの表面配線を形成する
必要があり、デッドスペースとなり高密度化を制限す
る。
【0011】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、銅系表面配線の接着強度が
高く、また半田ヌレ性に優れた低温焼成可能なセラミッ
ク多層回路基板を提供し、さらに、生産性が向上するそ
の製造方法を提供するものである。
【0012】
【問題点を解決するための手段】第1の本発明は、内部
配線に銀系導体を用いたガラス−セラミック多層基板の
主面に、銅系導体の表面配線を形成したセラミック多層
回路基板において、前記内部配線と前記表面配線との接
続部分に、白金系又はパラジウム系導体を介在させたセ
ラミック多層回路基板であり、好ましくは、前記白金系
導体又はパラジウム系は、多層基板の最外層となるガラ
ス−セラミック層に、ビアホール導体として形成されて
いるセラミック多層回路基板である。
【0013】第2の本発明は、多層基板となる複数のガ
ラス−セラミック層にビアホール導体が充填されるスル
ーホールを形成する工程と、前記ガラス−セラミック層
上に銀系導体で内部配線パターンを被着する工程と、前
記少なくとも最外層となるガラス−セラミック層のスル
ーホールに、白金系又はパラジウム系導体を充填する工
程と、前記ガラス−セラミック層を積層し、中性もしく
は酸化性雰囲気で焼成一体化して、多層基板を形成する
工程と、前記多層基板上に、最外表面に露出する白金系
又はパラジウム系導体と接続するように銅系導体で表面
配線パターンを被着する工程と、前記表面配線パターン
を被着した多層基板を、銀と銅との共晶温度以上の温度
で、中性もしくは還元性雰囲気で焼成する工程とを含む
セラミック多層回路基板の製造方法である。
【0014】さらに、第3の発明は、多層基板のベース
となるセラミック基板上に、内部配線パターンと該内部
配線パターンを被覆するようにしてガラス−セラミック
ペーストから成る絶縁ペーストで絶縁層を繰り返し被着
するする工程と、最上層の絶縁層から露出する内部配線
パターンを白金系又はパラジウム系導体で、被覆して積
層体を形成する工程と、前記積層体を中性もしくは酸化
性雰囲気で焼成して、多層基板を形成する工程と、前記
多層基板上に、最外表面に露出する白金系又はパラジウ
ム系導体と接続するように銅系導体で表面配線パターン
を被着する工程と、前記表面配線パターンを被着した多
層基板を、銀と銅との共晶温度以上の温度で、中性もし
くは還元性雰囲気で焼成する工程とを含むセラミック多
層回路基板の製造方法である。
【0015】
【作用】第1の本発明によれば、内部配線が銀系導体で
あり、表面配線の銅系導体との接続部分には、白金系又
はパラジウム系導体を介在させているため、ガラス−セ
ラミック層及び内部配線パターン、ビアホール導体から
なる多層基板を、中性もしくは酸化雰囲気中、800〜
900℃という低温で焼成でき、また、表面配線の銅導
体を銀と銅との共晶温度以上の高温で1回で形成可能で
あり工程数の削減ができる。即ち、表面配線の銅系導体
を従来、600℃で焼成していたものを、900℃で焼
成できるため、表面配線が強固に基板に接着させること
ができ、さらに半田ヌレ性が向上することになる。
【0016】さらに、従来必要であった端子電極を含む
表面配線と、内部配線との接続部分用の表面配線の2回
の表面配線の形成が不要となり、表面配線の銅系導体を
銀と銅との共晶点以上の温度で焼成できるため接着強
度、半田ヌレ性が向上する。
【0017】第2の本発明は、第1の発明を達成するた
めのガラス−セラミックからなるグリーンシート積層法
による製造方法であり、第3の発明は、ガラス−セラミ
ックからなる絶縁ペーストを用いた印刷積層法である。
【0018】何れの発明においても、最外層に露出する
ビアホール導体を白金系又はパラジウム系導体を用いて
いるため、多層基板(絶縁層、内部配線、ビアホール導
体)を従来どおり、中性もしくは酸化性雰囲気で焼成可
能であり、さらに、表面配線として銅系導体を、銀と銅
との共晶温度(約780℃)以上、例えば900℃の1
回の焼成で形成されるため、その生産性は大幅に向上す
る。
【0019】尚、従来に比較して、多層基板から露出す
るビアホール導体が白金系又はパラジウム系導体に変え
ることにより、製造工程中の工程が煩雑になるようにも
考えれるが、実際には、従来よりグリーンシートに形成
したスルーホールに充填する銀系ビアホール導体と内部
配線パターンを被着する銀系導体は、基板との熱膨張係
数の差や、スルーホールに完全に充填されるようにする
ために、異なる銀系導体ペーストを使い分けて、それぞ
れ異なる工程で充填、被着をおこなっているため、単に
最外層のビアホール導体を変えるだけでよいため、格段
の工程の煩雑にはならない。
【0020】また、白金系又はパラジウム系導体を使用
することにより、コストが高くなることが考えられる
が、白金、パラジウムの使用は、ビアホール導体であ
り、さらに好ましくは最外層のビアホール導体で充分で
あるため、その使用量は極めて少なく、また、この白金
系又はパラジウム系導体を内部配線と表面配線との間に
介在させることにより、上述のように還元性雰囲気で2
回焼成によって表面配線の形成したいたことが、1回で
済むことによるコスト低減を考慮すれば、トータルコス
トとしては低コスト化となる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて詳説する。
【0022】図1は、本発明のセラミック多層基板の断
面構造を示す図であり、セラミック多層回路基板10
は、多層基板1と、表面配線2と、必要に応じて半導体
ICやチップ抵抗器やチップコンデンサや厚膜抵抗体膜
31などの電子部品3、保護膜4とから構成されてい
る。
【0023】多層基板1は、ガラス−セラミックから成
る複数の絶縁層11・・・と、該絶縁層11間に配置さ
れた銀系導体から成る内部配線12・・・と、該絶縁層
11を貫いて異なる層間に配置された内部配線12・・
・どうしを接続する第1のビアホール導体13と内部配
線12・・・と表面配線2とを接続する第2のビアホー
ル導体14とから構成されている。
【0024】絶縁層11は、銀系導体の内部配線12・
・・と積層されて同時に焼成されるため、銀系導体の融
点(960℃)以下で焼成されなければならない。この
ため、絶縁層11はSiO2 −Al2 3 −MgO−Z
nO−B2 3 などから成るガラス成分とアルミナ粉末
などの無機物フィラーからなり、積層後に例えば900
℃の大気雰囲気で焼成される。
【0025】内部配線12は、銀を主体とする銀系導体
(Ag、Ag−Pd)ペーストを絶縁層11上に印刷手
法により被着され、複数の絶縁層11・・・を積層した
後に絶縁層11と一体的に焼成される。
【0026】第1のビアホール導体13は、内部配線1
2間を接続するビアホール導体であり、多層基板1の最
外層の表面には露出しない。この第1のビアホール導体
13は、絶縁層11に形成されたスールホールに、銀を
主体とする銀系導体(Ag、Ag−Pd)ペーストを印
刷手法により充填され、複数の絶縁層11・・・を積層
した後に絶縁層11と一体的に焼成される。
【0027】第2のビアホール導体14は、内部配線1
2と表面配線2とを接続するビアホール導体であり、多
層基板1の最外層の表面には露出する。この第2のビア
ホール導体14は、絶縁層11に形成されたスールホー
ルに、白金を主体とする白金系(Pt、Pt−Pd、P
t−Rh)導体又はパラジウム系(Pd、Pd−Pt)
導体ペーストを印刷手法により充填され、複数の絶縁層
11・・・を積層した後に絶縁層11と一体的に焼成さ
れる。
【0028】表面配線2は、大気雰囲気中で焼成され、
内部に内部配線12・・、第1のビアホール導体13、
第2のビアホール導体14が形成された多層基板1上
に、銅系導体のペーストを用いて印刷により被着され、
還元性雰囲気で焼成される。
【0029】表面配線2は、多層基板1の表面に露出す
る第2のビアホール導体14に接続するように形成さ
れ、第2のビアホール導体14を介して内部配線12・
・に電気的に接続されている。
【0030】ここで、重要なことは、表面配線2が、銅
系導体で被着され、焼成温度が銀−銅の共晶温度(約7
80℃)以上、例えば900℃以上で焼成されることで
ある。従来の構造では、表面配線を共晶温度以下で焼成
しなくてはならなかったが、本発明の構造では、銀−銅
の共晶温度以上で銅系導体の表面配線が焼成されるた
め、ガラス成分の含有量が少ない銅系導体ペーストを用
いることができ、これにより多層基板1との接着強度が
向上し、さらに半田ヌレ性も向上する。
【0031】このため、表面配線2を用いて、回路網を
形成する配線は勿論のこと、抵抗体の端子電極を形成し
ても、チップ抵抗器の電子部品3と良好な半田接続が達
成されることになる。
【0032】また、多層基板1の表面に、厚膜抵抗体膜
31を形成する場合に、まず、表面配線2を印刷・被着
する際に、同時に厚膜抵抗体膜31の端子電極の所定形
状を印刷・被着する。その後、上述のように還元性雰囲
気で、たとえば900℃で焼成した後、この1対の銅系
導体の端子電極に跨がるように厚膜抵抗体膜31を形成
する。具体的には、珪化物系導体粉末(MoSi、Ta
Si)、硼化物系導体粉末(LaB6 )、SnO2 系導
体粉末を含む抵抗ペーストを用いて印刷・被着して、還
元性雰囲気で、たとえば900℃で焼成する。尚、先に
厚膜抵抗体膜を形成した後に、端子電極を含む表面配線
2を形成してもよいし、両者の焼結挙動を一致させて、
同時焼成しても構わない。
【0033】上述のように、銀−銅の共晶点以上の温度
で焼成される表面配線2の一部として、厚膜抵抗体膜3
1の端子電極を形成することができるため、厚膜抵抗体
膜31の端子電極と内部配線12との接続部分が共有さ
れる、即ち、第2のビアホール導体14上に厚膜抵抗体
膜31の端子電極を配置することができるため、多層基
板1上の回路配線の高密度化が達成される。
【0034】以上のセラミック多層回路基板10によれ
ば、内部配線12・・・及びビアホール導体13、14
に低抵抗材料の金属が使用でき、絶縁層11・・・との
一体焼結にあたって中性もしくは酸化性雰囲気で、短時
間のうちに脱バイ工程が終了でき、また表面配線で耐マ
イグレーション性に優れた銅系導体を配置することがで
き、従来と同様の特性が維持でき、さらに、表面配線2
と内部配線12との接続部分に白金系又はパラジウム系
導体からなる第2のビアホール導体14を介在させたた
め、表面配線2の形成条件の制約が緩和され、表面配線
2の接着強度、半田ヌレ性の向上ができる。
【0035】また、厚膜抵抗体膜31や電子部品3など
の端子電極を、第2のビアホール14上に配置できるた
め、表面配線2の配置における制約が解消され、配線の
高密度化が達成される。
【0036】次に、本発明のセラミック多層基板の製造
方法をグリーンシートを用いた圧着積層方法で説明す
る。
【0037】まず、SiO2 、Al2 3 、MgO、Z
nO、B2 3 を主成分とするガラス粉末70重量%
と、無機物フィラーのAl2 3 粉末30重量%とを、
バインダー、可塑剤、溶剤とともに混練してスラリーを
作製し、ドクターブレード法により絶縁層11・・・と
なるグリーンシートを作成する。
【0038】この夫々のグリーンシートに第1及び第2
のビアホール導体13、14となるスルーホールをパン
チング加工により形成する。
【0039】次に、多層基板1の最外層となるグリーン
シートに形成したスルーホールに白金系又はパラジウム
系導体ペーストをスクリーン印刷方法により充填する。
ここで、例えば白金系導体ペーストは、粒径0.5〜5
μmの白金粉末、β−石英固溶体、バインダーとしてエ
チルセルロース、溶剤として2.2.4−トリメチル−
1.3−ペンタジオールモノイソブチレートを均質混練
して得られる。
【0040】次に、最外層以外のグリーンシートに形成
したスルーホールに銀系導体ペーストをスクリーン印刷
方法により充填する。銀系導体ペーストは、粒径0.5
〜5μmの銀粉末、β−石英固溶体、バインダーとして
エチルセルロース、溶剤として2.2.4−トリメチル
−1.3−ペンタジオールモノイソブチレートを均質混
練して得られる。
【0041】さらに、これらのグリーンシートの表面の
内部配線2となる内部配線パターンを銀系導体ペースト
を用いてスクリーン印刷により被着する。この銀系導体
ペーストは銀粉末の焼結開始温度とガラス−セラミック
の絶縁層11・・の焼結開始温度とをできるだけ合わせ
るために、ビアホール導体13用の銀系導体ペーストの
β−石英固溶体の変わりに屈伏点が700℃〜850℃
のガラスフリットが用られる。
【0042】以上のように内部配線12・・・となる配
線パターン及び第1及び第2のビアホール導体13、1
4となる導体が形成された複数のグリーンシートを積層
し、熱圧着で一体化する。
【0043】次に、積層体を大気雰囲気中900℃、3
0分ピークで焼成し、多層基板1を形成する。
【0044】次に、この多層基板1上に、銅系導体ペー
ストを用いて、スクリーン印刷方法で被着し、還元性雰
囲気である窒素雰囲気中で、銀−銅の共晶点以上の温
度、例えば900℃、10分ピークで焼成し、多層基板
1の表面に銅系導体からなる表面配線2を形成する。こ
の時、表面配線2は、内部配線12・・・との接続が、
白金系又はパラジウム系導体から成る第2のビアホール
14を介して接続される。
【0045】最後に必要に応じて、多層基板1上に樹脂
や酸化性雰囲気で焼成されるガラス成分からなる保護膜
4が形成され、電子部品3を形成又は搭載され、セラミ
ック多層回路基板10が達成される。
【0046】上述のセラミック層回路基板10の製造方
法によれば、表面配線2が銅系導体で形成され、それ
が、内部配線12・・と接続される表面配線、抵抗体の
端子電極となる表面配線が夫々900℃で焼成される1
種類の銅系導体で形成されるため、表面配線2を形成す
るにあたり、1回の焼成工程の処理で済み、セラミック
多層回路基板10の生産性が従来に比較して大幅に向上
する。
【0047】上述の製造方法は、ガラス−セラミックか
らなるグリーンシートを用いて、圧着積層方法である
が、印刷積層方法によってもセラミック多層回路基板1
0を形成できる。
【0048】先ず、SiO2 、Al2 3 、MgO、Z
nO、B2 3 を主成分とするガラス粉末70重量%
と、無機物フィラーのAl2 3 粉末30重量%とを、
バインダー、可塑剤、溶剤とともに混練してスラリーを
作製する。
【0049】次に、一方の最外層の絶縁層11となるベ
ース基板を、ドクターブレード法によりグリーンシート
を作成する。尚、このベース基板であるグリーンシート
に第2のビアホール導体13、14となるスルーホール
をパンチング加工により形成しても構わない。
【0050】次に、ベース基板となるグリーンシート上
に、内部配線12となる所定形状の第1層目の配線パタ
ーンを銀系導体ペーストを用いてスクリーン印刷方法に
より被着する。
【0051】次に、上述のスラリーを絶縁ペーストとし
て、内部配線12となる配線パターンを被覆するよう
に、ベース基板上にスクリーン印刷方法により図1中の
絶縁層11となる第1層目の印刷絶縁層を被着する。
尚、この絶縁層は、多層基板1の内部配線12間が互い
に接続される図1中の第1のビアホール導体13に相当
する部分が内部配線12の配線パターンの一部が露出す
るように被着される。
【0052】次に、第1層目の印刷絶縁層から内部配線
2の配線パターンが露出する部分にビアホール用の銀系
導体ペーストを充填し、さらにこの印刷絶縁層上に内部
配線12となる所定形状の第2層目の配線パターンをス
クリーン印刷方法により被着する。
【0053】次に、絶縁ペーストで、内部配線12とな
る第2層目の配線パターン上にスクリーン印刷方法によ
り第2層目の印刷絶縁層を被着する。
【0054】このようにして、内部配線12となる配線
パターンの被着、配線パターン上の印刷絶縁層の被着、
第1のビアホール導体13に相当する導体の充填を繰り
返して、印刷方法で積層体を形成する。
【0055】そして、最外層となる印刷絶縁層を被着し
た後、この印刷絶縁層から露出する内部配線12となる
配線パターンの露出部分に、表面配線2と接続する図1
中の第2のビアホール導体14に相当する白金系又はパ
ラジウム系導体ペーストを充填する。具体的には、上述
したように、白金系導体ペーストは、粒径0.5〜5μ
mの白金粉末、β−石英固溶体、バインダーとしてエチ
ルセルロース、溶剤として2.2.4−トリメチル−
1.3−ペンタジオールモノイソブチレートを混練して
形成されている。
【0056】これにより、未焼成状態の多層基板1であ
る積層体が達成される。
【0057】次に、積層体を、大気雰囲気中900℃、
30分ピークで焼成し、多層基板1を形成する。
【0058】この多層基板1上に、銅系導体ペーストを
用いて、スクリーン印刷方法で表面配線2となる所定形
状の配線パターンを被着し、還元性雰囲気である窒素雰
囲気中、銀−銅の共晶点以上の温度、例えば900℃で
10分ピークで焼成して、多層基板1の表面に銅性導体
からなる表面配線2を形成する。この時、表面配線2
は、内部配線12・・・との接続が、白金系又はパラジ
ウム系導体から成る第2のビアホール14を介して接続
される。
【0059】最後に必要に応じて、多層基板1上に、厚
膜抵抗体膜31を被着形成し、さらに、樹脂の塗布及び
硬化、非酸化性雰囲気で焼成されるガラス成分から成る
絶縁ペーストの印刷・焼成により保護膜4を形成し、こ
の保護膜4から露出する表面配線2に、電子部品3を搭
載する。これにより、セラミック多層回路基板10が達
成される。
【0060】尚、上述の製造方法で、ベース基板上に印
刷積層をおこなったが、焼成前に剥離されるフィルムを
ベースに用いて、全ての絶縁層11となる層を印刷によ
って形成しても構わない。
【0061】上述のように、図1に示す多層回路基板1
0は、グリーンシートを用いて圧着積層方法と、印刷工
程を繰り返す印刷積層方法の何れによって達成すること
ができ、何れの方法においても、表面配線2が銀−銅の
共晶点以上の温度でで焼成される1種類の銅導体で形成
されるため、1回の焼成工程の処理で済み、セラミック
多層回路基板10の生産性が従来に比較して大幅に向上
する。
【0062】本発明者らは、銅系導体の表面配線2の焼
成温度は、650、700、750、800、850、
900℃の違いによる基板との接着強度と半田ヌレ性の
試験を行った。その結果が表1である。
【0063】
【表1】
【0064】接着強度試験は、銅導体の表面配線2を2
mm角のパターンで形成し、初期と150℃、240時
間のエージング後の値で評価した。判定基準は、表中の
二重丸印は初期値3.0kgf以上、エージング後2.
0kgf以上であり、丸印は初期値2.5kgf以上、
エージング後1.5kgf以上であり、ばつ印は、初期
値2.5kgf未満、エージング後1.5kgf未満で
ある。
【0065】また、半田濡れ性試験の判定基準は、表中
丸印は、99%以上の半田ヌレを示し、ばつ印は、99
%未満の半田ヌレを示す。
【0066】その結果、銀−銅の共晶点(約780℃)
以上の800℃以上で焼成した銅系導体の表面配線2
は、接着強度が初期値3.0kgf以上、エージング後
2.0kgf以上と極めて良好であり、また半田ヌレ性
も99%以上が達成される。
【0067】尚、上述の実施例では、多層基板1から露
出し、表面配線2と接続する第2のビアホール導体14
のみを白金系又はパラジウム系導体で形成したが、内部
配線12間を接続するため第1のビアホール導体13を
も白金系又はパラジウム系導体で形成しても構わない。
【0068】
【発明の効果】以上のように、第1の本発明では、内部
配線に銀系導体を用いて、内部配線と表面配線とを接続
するビアホール導体に白金系又はパラジウム系導体を用
いて、この白金系又はパラジウム系導体を介して、内部
配線と表面配線とを接続したため、表面配線を形成する
にあたり、銀と同との共晶温度以下で焼成する必要な
く、それ以上の温度で焼成できる銅系導体を表面配線に
用いることができる。
【0069】これにより、従来のように、共晶温度以下
で焼成する内部配線と表面配線とを接続するための低温
焼成の銅系導体を用いる必要がなたく、表面配線の強固
な基板接着性と、良好な半田濡ヌレ性のセラミック多層
回路基板が達成できる。
【0070】また、表面配線の一部として端子電極を形
成するにあたり、内部配線との接続部分を考慮せずに、
多層基板上に自由に配置できるため、表面の高密度配線
が可能なセラミック多層回路基板が達成できる。
【0071】第2、第3の本発明によれば、圧着積層方
法もしくは印刷積層方法で形成して、中性もしくは酸化
性雰囲気で焼成した多層基板上に、銅系導体の表面配線
を1回の中性もしくは還元性雰囲気の焼成処理により形
成できるため、その生産性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミック多層回路基板の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・多層基板 11・・・絶縁層 12・・・内部配線 13・・・第1のビアホール導体 14・・・第2のビアホール導体 2・・・・表面配線 3・・・・電子部品

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部配線に銀系導体を用いたガラス−セ
    ラミック多層基板の主面に、銅系表面配線を形成したセ
    ラミック多層回路基板において、 前記内部配線と前記表面配線との接続部分に、白金系又
    はパラジウム系導体を介在させたことを特徴とするセラ
    ミック多層回路基板。
  2. 【請求項2】 前記白金系導体は、多層基板の最外層と
    なるガラス−セラミック層に、ビアホール導体として形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の特徴とし
    たセラミック多層回路基板。
  3. 【請求項3】 多層基板となる複数のガラス−セラミッ
    ク層にビアホール導体が充填されるスルーホールを形成
    する工程と前記ガラス−セラミック層上に銀系導体で内
    部配線パターンを被着する工程と、 前記少なくとも最外層となるガラス−セラミック層のス
    ルーホールに、白金系又はパラジウム系導体を充填する
    工程と、 前記ガラス−セラミック層を積層し、中性もしくは酸化
    性雰囲気で焼成一体化して、多層基板を形成する工程
    と、 前記多層基板上に、最外表面に露出する白金系又はパラ
    ジウム系導体と接続するように銅系導体で表面配線パタ
    ーンを被着する工程と、 前記表面配線パターンを被着した多層基板を、銀と銅と
    の共晶温度以上の温度で、中性もしくは還元性雰囲気で
    焼成する工程と、 を含むことを特徴とするセラミック多層回路基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記内部配線パターンを被着する工程で、
    最外層となるガラス−セラミック層以外のスルーホール
    に、銀系導体を充填することを特徴とする請求項3記載
    のセラミック多層回路基板の製造方法。
  5. 【請求項5】多層基板のベースとなるセラミック基板上
    に、内部配線パターンと該内部配線パターンを被覆する
    ようにしてガラス−セラミックペーストから成る絶縁ペ
    ーストで絶縁層を繰り返し被着するする工程と、 最上層の絶縁層から露出する内部配線パターンを白金系
    又はパラジウム系導体で、被覆して積層体を形成する工
    程と、 前記積層体を中性もしくは酸化性雰囲気で焼成して、多
    層基板を形成する工程と、 前記多層基板上に、最外表面に露出する白金系又はパラ
    ジウム系導体と接続するように銅系導体で表面配線パタ
    ーンを被着する工程と、 前記表面配線パターンを被着した多層基板を、銀と銅と
    の共晶温度以上の温度で、中性もしくは還元性雰囲気で
    焼成する工程と、 を含むことを特徴とするセラミック多層回路基板の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112008000704T5 (de) 2007-03-22 2010-04-29 Murata Mfg. Co., Ltd., Nagaokakyo-shi Kontaktlochbildungsverfahren, das ein elektrophotographisches Druckverfahren verwendet
CN107535048A (zh) * 2015-04-27 2018-01-02 京瓷株式会社 电路基板以及具备该电路基板的电子装置

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