JPH11186001A - 抵抗材料とこれを用いたセラミック積層部品 - Google Patents

抵抗材料とこれを用いたセラミック積層部品

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JPH11186001A
JPH11186001A JP9349518A JP34951897A JPH11186001A JP H11186001 A JPH11186001 A JP H11186001A JP 9349518 A JP9349518 A JP 9349518A JP 34951897 A JP34951897 A JP 34951897A JP H11186001 A JPH11186001 A JP H11186001A
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ceramic
resistance
resistance material
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paste
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JP9349518A
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Yoshio Tsukiyama
良男 築山
Kazuhiko Gomi
和彦 五味
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック材料と多層に積層して同時焼成す
る場合に、焼成温度が900 ℃以上でもセラミック材料と
の反応が起こらず、それによる抵抗値の制御不能やデラ
ミネーションといった問題を解消できる抵抗材料。 【解決手段】 同時焼成するセラミック材料と主成分が
同一のセラミック粉を5〜55重量%の量で抵抗材料中に
含有させる。抵抗材料は、好ましくは酸化ルテニウム系
であり、さらにAgおよび/またはPdを含有していてもよ
い。この抵抗材料からCR複合型セラミック積層部品を
作製した場合 (抵抗材料に加えるセラミック粉が、誘電
体セラミックの粉末になる) 、この抵抗材料から形成し
た抵抗電極をコンデンサを形成する電極としても併用で
き、部品の電極内部構造が簡単になり、高容量値が容易
に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚膜ペーストとし
てセラミック積層部品を製造するに適した抵抗材料と、
この抵抗材料を用いた抵抗機能を有するセラミック積層
部品に関する。
【0002】
【従来の技術】厚膜ペースト用の抵抗材料としては、抵
抗値の増加、抵抗値範囲の広さ及び良好な温度特性(抵
抗の温度変化が小)の点から、RuO2を主成分とする抵抗
材料が使用されることが多い。この抵抗材料は、RuO2
末とガラス粉末(ガラスフリット)を、所望の抵抗値に
応じて適当な割合で混合した混合粉末からなり、通常は
この混合粉末を有機ビヒクル (一般に有機樹脂バインダ
を有機溶媒に溶解させた溶液) に均一に分散させたペー
スト (抵抗ペースト) の形態をとる。ガラスとしては、
硼珪酸ガラス系がよく用いられ、焼成温度を下げるとと
もに、下地基板との接着強度を高め、剥離しにくくする
効果もある。
【0003】従来、このような抵抗材料は、主としてア
ルミナ等の焼成のすんだセラミック基板上に厚膜印刷法
により形成され、ハイブリッドIC基板等の抵抗成分と
して用いられてきた。アルミナ基板に厚膜印刷された抵
抗材料を含む電極配線類は、通常は800 ℃前後で焼き付
けが行われる。
【0004】一方、最近のデバイスの小型化の動きにつ
れて、CR内蔵多層セラミック基板と呼ばれる、誘電体
材料からなるコンデンサと抵抗を多層セラミック基板内
に内蔵した基板が開発された。
【0005】同様に、チップ部品においても、コンデン
サ、抵抗、インダクタの2以上の機能を1つのチップに
まとめた複合部品が開発されており、例えば、コンデン
サと抵抗を組合わせたチップ部品はCR複合部品と呼ば
れる。さらに、誘電体セラミック層と内部電極層とを積
層してなる積層セラミックコンデンサにおいて、さらに
抵抗層を内部に配置したものは、CR複合型セラミック
積層部品と呼ばれ、これは大容量のコンデンサとしての
機能に加えて、抵抗としての機能も果たすことができ
る。
【0006】CR内蔵基板の場合、抵抗材料 (およびコ
ンデンサ材料) はセラミック材料と同時に焼成されるた
め、これらが同じ温度で焼成できるように材料を調整し
なければならない。即ち、セラミック材料は抵抗材料と
同じ低温で焼成できるものでなければならない。CR複
合型セラミック積層部品の場合も、抵抗材料は誘電体セ
ラミック材料と同じ温度で焼成されることになる。
【0007】近年、Ag、Au、Cu等の比較的低融点の金属
からなる導体材料と同時焼成が可能な低温焼成セラミッ
ク材料の開発が進んできたが、それでもなお通常は900
℃以上の焼成温度が必要である。この900 ℃以上という
焼成温度は、上記の導体材料に関しては問題がない。し
かし、RuO2にガラス成分を含む抵抗材料の場合には、こ
のような温度では抵抗材料がセラミック材料と反応す
る。その結果、例えば、抵抗材料中のガラス成分がセラ
ミック中に拡散し、抵抗値が制御できなくなるばかり
か、デラミネーション等の構造欠陥が生じる。
【0008】このセラミック材料と抵抗材料との反応を
制御するため、セラミック材料と抵抗材料との間に、セ
ラミック材料の焼成温度より高融点の材料からなるポー
ラスな隔離層を形成し、両者の反応を阻止することが、
特開平1−130502号公報に提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に提
案された抵抗層の上下に隔離層を配置した構造では、セ
ラミックグリーンシート上に抵抗ペーストを印刷する工
程に加えて、抵抗ペーストの上下面に、隔離層を形成す
るためのペーストも印刷しなければならず、工程が煩雑
になる。その上、焼成後もポーラスな隔離層がチップ部
品内部に残るため、このポーラス層に接している引出し
電極等の導電体がAgまたはAg−PdといったAg合金である
場合には、Agのマイグレーションが起こりやすくなり、
デバイスの信頼性が低下する。
【0010】また、上記構造をCR複合型積層部品に応
用した場合、誘電体セラミックの内部抵抗電極をコンデ
ンサ形成用電極の一部として用いると、上記隔離層によ
る誘電率の低下により充分高い容量値が得られないとい
った問題が生じる。すなわち高い容量値を得ようとする
と、部品のサイズが大きくなり、小型化が難しくなり、
複合部品化した意味がなくなる。
【0011】本発明は、抵抗材料をセラミック材料と同
時焼成する場合に、両層間に隔離層を配置しなくても、
焼成温度が900 ℃を超えた場合の両材料間の反応を防止
することができ、従来の同時焼成の際に問題であった抵
抗値の制御不能、デラミネーションといった問題を解消
できる抵抗材料を提供することを目的とする。別の目的
は、この抵抗材料から形成されたセラミック積層品およ
びCR複合型セラミック積層部品を提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、セラミ
ック材料と同時焼成するための抵抗材料に、同時焼成さ
れるセラミック材料と主成分が同一のセラミック粉を混
入することにより、上記目的を達成することができる。
【0013】ここに、本発明は、セラミック材料と同時
焼成により抵抗体を形成するための抵抗材料であって、
該セラミック材料と主成分が同一のセラミック粉を5〜
55重量%の量で含有することを特徴とする抵抗材料を要
旨とする。
【0014】上記の重量%は、抵抗材料の総重量に対す
る値である。即ち、抵抗材料が厚膜ペースト(抵抗ペー
スト)の場合、この重量%は有機ビヒクルも含めたペー
スト全量に対する割合を意味する。
【0015】好適態様にあっては、抵抗材料のセラミッ
ク粉以外の成分が主に酸化ルテニウム粉末からなり、抵
抗材料はさらに銀、パラジウム、およびこれらの合金よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種の金属粉末を含有
する。
【0016】本発明によれば、1または2以上のセラミ
ック層と、これと同時焼成された上記の抵抗材料から形
成された1または2以上の抵抗層とを有することを特徴
とする、セラミック積層品、ならびに複数の誘電体セラ
ミック層と、このセラミック層間に配置された上記の抵
抗材料から形成された抵抗層とを備えたCR複合型のセ
ラミック積層部品であって、この抵抗層がコンデンサの
内部電極を兼ねていることを特徴とする、CR複合型セ
ラミック積層部品、もまた提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の抵抗材料は、セラミック
材料との同時焼成により抵抗を形成するための材料であ
る。即ち、セラミック材料の内部および/もしくは外部
に配置するか、ならびに/またはセラミック材料と交互
に積層して、セラミック材料と同時に焼成するための抵
抗材料である。
【0018】このような抵抗材料は、一般には印刷で適
用できるように、ペースト (即ち、抵抗ペースト) の形
態をとることが多いが、グリーンシートとすることも可
能である。抵抗ペーストは、導体ペーストと同様に、金
属質の導電粉と非導電粉 (例、ガラス粉) とからなる粉
末混合物を有機ビヒクルに分散したものからなり、導電
粉の導電性に応じて、所望の抵抗値が得られるように非
導電粉の混合割合を調整する。
【0019】抵抗材料に最も適している導電粉は、現時
点では抵抗温度変化の小さいルテニウム系、特にRuO2
粉末である。従って、本発明の抵抗材料も、このRuO2
末を導電粉として含有することが好ましい。RuO2は、当
業者にはよく知られているように、少量のBi、Pbなどの
他の1種もしくは2種以上の金属酸化物との複合酸化物
にしてもよい。抵抗材料に使用可能な他の導電粉も、ル
テニウム系粉末に加えて、またはこれに代えて使用する
ことができる。
【0020】本発明の抵抗材料の特徴は、非導電粉の一
部または全部として、同時焼成されるセラミック材料と
主成分が同じであるセラミック粉を使用する点である。
それにより、セラミック材料の焼成温度が900 ℃より高
くなっても、抵抗材料とセラミック材料との反応が避け
られ、安定した抵抗値を発現することができる。
【0021】この効果は、抵抗材料が非導電粉の一部と
してガラスフリットを含有している場合にも得られる。
即ち、この場合には、同時焼成中に抵抗材料中では溶融
したガラスフリットがセラミック粉に結合するため、ガ
ラスフリットが同時焼成される隣接のセラミック材料中
に拡散するのを防ぐことができる。これにより、焼結後
の抵抗体のガラスフリット抜けによるポアが発生しにく
くなる。
【0022】さらに、抵抗材料とセラミック材料が同じ
主成分のセラミックを含有しているため、同時焼成時の
抵抗材料とセラミック材料の収縮率がより近くなり、多
層基板や積層部品の場合に従来はよく見られたデラミネ
ーションによる構造欠陥も生じにくくなる。
【0023】なお、抵抗材料に含有させるセラミック粉
は、同時焼成するセラミック材料と同一組成物とするこ
とが最も好ましいが、主成分が同じであれば、少量配合
する成分が異なっていても、本発明の効果を得ることが
できる。また、セラミックが2種以上の混合物である場
合、抵抗材料中のセラミック粉は、同時焼成されるセラ
ミック材料とそれぞれ主成分が同じ2種以上のものを使
用すればよく、その配合割合はセラミック材料における
配合割合と違っていても構わない。
【0024】従来は、同時焼成時のセラミック材料と抵
抗材料との反応を避けるには、前記公知例のように、抵
抗ペーストの上下面に隔離層を設ける必要があった。本
発明では、この隔離層が不要となるので、簡単な工程で
抵抗体を含むセラミック積層品を製造することができ
る。
【0025】また、抵抗機能とコンデンサ機能を有する
CR複合型セラミック積層部品の場合、本発明の抵抗体
はコンデンサの内部電極としても使用することができ、
かかる積層部品の電極内部構造が簡単になり、しかも前
記公知例のような隔離層が無いため、誘電率の低下がお
こらず、高容量値が容易に得られる。すなわち小型化が
可能となる。また、コンデンサと抵抗の全てをセラミッ
ク焼結体の内部に配置できるので、優れた信頼性を示
し、しかも積層部品の上下左右の区別なく実装できると
いう利点もある。本発明では、導電粉とセラミック粉と
の混合比により抵抗材料の比抵抗を変えることができ、
所望の比抵抗に調整することも容易である。
【0026】抵抗層とセラミック層の焼結時の接着強度
を一層高めたい場合、または焼成温度が高い場合には、
セラミック粉の混合割合を増加させることが有利である
が、それにより抵抗層が要求抵抗値より高抵抗となる場
合には、導電粉として、RuO2の粉末に加えて、これより
低抵抗の金属の粉末を抵抗材料にさらに混合すること
で、抵抗材料を低抵抗化することができる。導電粉がRu
O2である場合、焼成雰囲気は一般に空気のような酸化性
雰囲気であるので、混合するより低抵抗の金属粉として
は、酸化性雰囲気中で焼成可能な、Ag、Pd、Ag−Pd合金
などが好ましく、これらの1種もしくは2種以上を使用
できる。
【0027】本発明の抵抗材料中のセラミックス粉の割
合は5重量%以上、55重量%以下とする。5重量%未満
ではデラミネーション等の構造欠陥が生じ易く、焼成中
の反応防止効果も不十分となる。55重量%を超えると、
抵抗のバラツキが大きくなる上、ペーストの調製も困難
となる。上述したように、このセラミック粉の割合で、
比抵抗が変動し、また焼成温度や接着強度にも影響があ
る。従って、この範囲内で、所望の比抵抗や他の特性が
得られるようにセラミック粉の割合を決定すればよい。
一般的に言って、好ましいセラミック粉の割合は10〜50
重量%であり、より好ましくは15〜40重量%である。
【0028】本発明の抵抗材料は、例えば、厚膜ペース
トまたはグリーンシートの状態で使用することができ、
好ましくは厚膜ペースト(即ち、抵抗ペースト)の状態
で使用される。その場合、本発明の抵抗材料は、前述し
たセラミック粉と導電粉 (例、RuO2粉と場合によりさら
に低抵抗の金属粉) の他に、通常は有機ビヒクル (有機
バインダおよび必要によりチキソ剤等の他の添加剤を有
機溶媒に溶解させたもの)を含有し、さらに場合により
ガラスフリットなどの他の非導電粉を含有していてもよ
い。導電粉の割合は一般には15〜85重量%、特に20〜70
重量%の範囲内が好ましい。有機ビヒクルは、通常は40
重量%以下である。
【0029】本発明の抵抗材料は、一般的には、1また
は2以上のセラミック層と、これと同時焼成された1ま
たは2以上の抵抗層とを有するセラミック積層品の製造
に使用することができる。かかる積層品の例としては、
CR内蔵多層セラミック基板があり、この基板の抵抗層
の形成に本発明の抵抗材料を用いることができる。この
場合、抵抗材料に含有させるセラミック粉は、基板の絶
縁層として用いるセラミック材料と主成分が同一のもの
を用いる。例えば、低温焼成多層セラミック基板の場
合、この絶縁層のセラミック材料が結晶化ガラスである
場合には同じ結晶化ガラスの粉末をセラミック粉として
用いる。また、セラミック材料がガラスセラミック材料
である場合にも、同じガラスセラミック材料からなるセ
ラミック粉を用いる。
【0030】このような基板は、厚膜印刷法でもグリー
ンシート積層法でも製造できる。本発明の抵抗材料をグ
リーンシート化することが困難である場合には、絶縁層
用のセラミックグリーンシートに抵抗材料の厚膜ペース
トを印刷し、これを積層して焼成する方法も可能であ
る。
【0031】本発明の抵抗材料は、特に前述したCR複
合型セラミック積層部品の製造に適しており、この積層
部品において内部電極と抵抗体の両機能を果たすことが
できる。この場合、抵抗材料と交互に積層され同時焼成
されるセラミック材料は、積層セラミックコンデンサに
使用されているような誘電体材料から選べばよく、例え
ば、BaTiO3系、TiO2系材料などでよい。従って、抵抗材
料に含有させるセラミック粉も、この誘電体セラミック
材料の粉末となる。製造方法は一般に上記と同様でよい
が、構造はもちろん多層基板とは異なる。
【0032】
【実施例】(実施例1)まず、誘電体材料であるBa-Bi-
Pb-Nd-Ti系酸化物にB-Si-Ge系酸化物助剤を添加した誘
電体セラミック材料の85μmのグリーンシートを所定の
サイズに切断した。
【0033】別に、市販のRuO2を主成分とする抵抗ペー
スト (RuO2粉末とガラスフリットを含有) に、上記のBa
-Bi-Pb-Nd-Ti系酸化物からなる誘電体セラミック粉と場
合によりAg60/Pd40の混合導電粉とを加え、3本ロール
で混練し、脱泡して、誘電体セラミック粉を含有する抵
抗ペーストを作製した。得られた抵抗ペースト中のセラ
ミック粉とAg60/Pd40混合粉の配合量を表1に示す。な
お、ここでベースとして用いた、市販のRuO2を主成分と
する抵抗ペーストから形成した抵抗体の比抵抗は5×10
-3Ωcmであった。
【0034】この抵抗ペーストを、上記のグリーンシー
トの一部にスクリーン印刷法により厚膜印刷した。抵抗
ペーストを印刷しなかったグリーンシート6層と抵抗ペ
ーストを厚膜印刷したグリーンシート5層とを交互に積
層し、熱プレスにより圧着させて、11層の誘電体セラミ
ック層からなる積層体を得た。この積層体は内部に5層
の抵抗層を有している。
【0035】この積層体を、所定のチップサイズに切断
し、抵抗ペーストが露出している端子部に、Ag/Pd(90/1
0)合金からなる導体ペーストを外部電極として塗布し、
940℃で一体焼成して、内部に5層の抵抗層を有するチ
ップ抵抗を作製した。このチップ抵抗の断面の模式図を
図1に示す。各抵抗層の厚さは4〜8μm、その長さは
1.8 mm、幅は0.6 mmであった。このチップ抵抗の抵抗値
を測定し、断面をSEMにより観察した。結果を表1に
併せて示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から、セラミック粉を5〜55重量%含
有させた抵抗材料を用いることにより、デラミネーショ
ンの発生が見られず、抵抗のバラツキも小さいことがわ
かる。また、セラミック粉の添加割合とAg/Pd混合粉の
添加割合を変えることにより、抵抗値の調整が可能であ
ることもわかる。
【0038】(実施例2)実施例1において、抵抗ペー
ストを印刷しなかった6層の誘電体セラミックのグリー
ンシートに、グランド電極を形成するように、Ag/Pd(90
/10)系導体ペーストをスクリーン印刷法により厚膜印刷
した。この6層の誘電体セラミック・グリーンシート
を、前記の抵抗ペーストを厚膜印刷した誘電体セラミッ
ク・グリーンシート5層と交互に積層し、その後は実施
例1とほぼ同様にして、図2に模式的に示す外観構造を
持つ3端子構造のCR複合型セラミック積層部品を作製
した。
【0039】この積層部品の内部電極パターンを図3
に、等価回路図を図4に示す。図3に示すように、この
3端子のCR複合型セラミック積層部品では、抵抗体
が、抵抗を有するライン電極として機能すると同時に、
グランド電極とコンデンサを形成する抵抗電極としても
機能する。即ち、優れた信号ラインのノイズ除去効果を
発現する。
【0040】このCR複合型セラミック積層部品の抵抗
体の抵抗値を変えたい場合には、抵抗材料の組成を変え
るか、抵抗電極の厚さや幅、数を変えればよい。もちろ
ん、RuO2を主成分とする抵抗材料として、比抵抗の異な
るものを用いてもよい。また、容量値を変えるには、ラ
インを形成する抵抗電極とグランド電極の幅、数、ある
いは間隔を変えればよい。
【0041】ここには、図4に示す等価回路のCR複合
部品を示したが、これに限られるものではなく、CとR
の等価回路は、例えば図5に示したようにCとRが直列
に接続された構造であってもよい。この場合は、図3に
おいてグランド電極に抵抗体を用い、ライン電極に導電
体を用いればよい。
【0042】いずれの場合も、セラミック粉を含有させ
た抵抗材料を用いているので、900℃以上の温度で焼成
しても抵抗値がバラツクことがなく、デラミネーション
等の構造欠陥が生じることもない。
【0043】また、本実施例は抵抗材料を内部電極とし
て用いたが、最外層に厚膜印刷した抵抗金属材料がある
グリーンチップを一体焼成することも可能で、同様の効
果が得られる。また、グリーンチップの状態で端子電
極、側面電極などの外部電極は塗布せずに、焼成後に塗
布し、焼付けを行ってもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、抵抗ペーストに、チッ
プ部品を構成するセラミック材料と主成分が同一のセラ
ミック粉を混合するという簡単な手段で、セラミックの
焼成温度が900 ℃より高くても、抵抗材料がチップを構
成するセラミック材料と反応せず、安定した抵抗値を有
するとともに、デラミネーションが起こらず、従って信
頼性の高いチップ部品が得られる。
【0045】従来は、上記の反応を防止するには、隔離
層を別に設ける必要があり、工程が煩雑になると同時
に、チップ部品の小型化が阻害されるが、本発明ではこ
のような問題点がない。
【0046】また、例えば抵抗機能とコンデンサ機能を
有するCR複合型のセラミック積層部品の場合、本発明
の抵抗材料から形成した抵抗電極を、コンデンサを形成
する電極としても併用することができ、チップ部品の電
極内部構造が簡単になり、高容量値が容易に得られる。
【0047】さらに本発明では、抵抗ペーストにセラミ
ックスを混合することにより、抵抗材料の比抵抗を変え
ることができる。また、AgまたはPdの少なくとも1種を
さらに混合すれば、混合量の割合に応じて抵抗値を低下
させることができ、状況に応じた抵抗値の制御が容易で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】チップ抵抗の断面図である。
【図2】3端子チップCR複合部品の模式的な外観斜視
図である。
【図3】3端子チップCR複合部品の内部電極パターン
の説明図である。
【図4】3端子チップCR複合部品の等価回路を示す。
【図5】3端子チップCR複合部品の別の等価回路を示
す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック材料と同時焼成により抵抗体
    を形成するための抵抗材料であって、該セラミック材料
    と主成分が同一のセラミック粉を5〜55重量%の量で含
    有することを特徴とする抵抗材料。
  2. 【請求項2】 セラミック粉以外の成分が主に酸化ルテ
    ニウム粉末からなる、請求項1記載の抵抗材料。
  3. 【請求項3】 銀、パラジウム、およびこれらの合金よ
    りなる群から選ばれた少なくとも1種の金属粉末をさら
    に含有する、請求項2記載の抵抗材料。
  4. 【請求項4】 1または2以上のセラミック層と、これ
    と同時焼成された請求項1〜3のいずれかに記載の抵抗
    材料から形成された1または2以上の抵抗層とを有する
    ことを特徴とする、セラミック積層品。
  5. 【請求項5】 複数の誘電体セラミック層と、このセラ
    ミック層間に配置された請求項1〜3のいずれかに記載
    の抵抗材料から形成された抵抗層とを備えたCR複合型
    のセラミック積層部品であって、この抵抗層がコンデン
    サの内部電極を兼ねていることを特徴とする、CR複合
    型セラミック積層部品。
JP9349518A 1997-12-18 1997-12-18 抵抗材料とこれを用いたセラミック積層部品 Withdrawn JPH11186001A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021518993A (ja) * 2018-06-22 2021-08-05 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフトTdk Electronics Ag セラミック多層部品及びセラミック多層部品の製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021518993A (ja) * 2018-06-22 2021-08-05 ティーディーケイ・エレクトロニクス・アクチェンゲゼルシャフトTdk Electronics Ag セラミック多層部品及びセラミック多層部品の製造方法

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