JPH0684289B2 - ワンペーストタイプ修復材 - Google Patents
ワンペーストタイプ修復材Info
- Publication number
- JPH0684289B2 JPH0684289B2 JP62296227A JP29622787A JPH0684289B2 JP H0684289 B2 JPH0684289 B2 JP H0684289B2 JP 62296227 A JP62296227 A JP 62296227A JP 29622787 A JP29622787 A JP 29622787A JP H0684289 B2 JPH0684289 B2 JP H0684289B2
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- JP
- Japan
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- paste
- syringe
- powder
- phosphate powder
- tetracalcium phosphate
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- Materials For Medical Uses (AREA)
- Dental Preparations (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業薄の利用分野〕 本発明は新規なワンペーストタイプ修復材に関する。詳
しくは、シリンジに充填されたワンペーストタイプの修
復材で、保存性及び取り扱い性が極めて容易であり、且
つ水との接触により良好なヒドロキシアパタイト硬化体
を生成する修復材である。
しくは、シリンジに充填されたワンペーストタイプの修
復材で、保存性及び取り扱い性が極めて容易であり、且
つ水との接触により良好なヒドロキシアパタイト硬化体
を生成する修復材である。
一般に、根管充填材、裏層材、覆罩材等の歯科用修復材
は、歯との親和性が良好で且つ生体に対して為害作用が
少ない硬化性材料が求められている。
は、歯との親和性が良好で且つ生体に対して為害作用が
少ない硬化性材料が求められている。
従来、かかる硬化性材料として、硬化後に骨や歯の主成
分であるヒドロキシアパタイト(HAP)を生成する組成
物が提案されている。例えば、リン酸四カルシウム及び
/又はα−リン酸三カルシウムと水又は有機酸水溶液の
練和液とよりなる組成物が知られている。
分であるヒドロキシアパタイト(HAP)を生成する組成
物が提案されている。例えば、リン酸四カルシウム及び
/又はα−リン酸三カルシウムと水又は有機酸水溶液の
練和液とよりなる組成物が知られている。
しかしながら、上記の組成物は、保存中における硬化を
避けるため、リン酸四カルシウム及び/又はα−リン酸
三カルシウムの粉末と練和液との二剤に分けて取扱わ
れ、使用直前にこれらをトレー上で練和して使用されて
いた。そのため、治療において好適な粘度のペーストを
調製するのに熟練を要するなどの操作上の問題を有する
他、治療箇所への充填に別途器具が必要であった。ま
た、根管充填材の用途のように極く少量しか必要としな
い場合でも多量の材料を練和しなければならず、経済的
にも問題があった。
避けるため、リン酸四カルシウム及び/又はα−リン酸
三カルシウムの粉末と練和液との二剤に分けて取扱わ
れ、使用直前にこれらをトレー上で練和して使用されて
いた。そのため、治療において好適な粘度のペーストを
調製するのに熟練を要するなどの操作上の問題を有する
他、治療箇所への充填に別途器具が必要であった。ま
た、根管充填材の用途のように極く少量しか必要としな
い場合でも多量の材料を練和しなければならず、経済的
にも問題があった。
本発明者等は、リン酸四カルシウム、又はα−リン酸三
カルシウムを用いた前期組成物の問題点を解決すべく鋭
意研究を重ねた。その結果、上記リン酸カリシウム粉末
と、水と置換可能な特定の有機化合物とを混合して、ワ
ンペースト化しかつそれをシリンジに充填することによ
り、保存中に硬化せず、根管等の狭い部分にも直接
充填することができ、微量でも必要量を任意に取り出
せる等の優れた取り扱い性を示し、しかも、根管等に充
填すると生体内の水分と反応してヒドロキシアパタイト
硬化体を生成し得ることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
カルシウムを用いた前期組成物の問題点を解決すべく鋭
意研究を重ねた。その結果、上記リン酸カリシウム粉末
と、水と置換可能な特定の有機化合物とを混合して、ワ
ンペースト化しかつそれをシリンジに充填することによ
り、保存中に硬化せず、根管等の狭い部分にも直接
充填することができ、微量でも必要量を任意に取り出
せる等の優れた取り扱い性を示し、しかも、根管等に充
填すると生体内の水分と反応してヒドロキシアパタイト
硬化体を生成し得ることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
本発明は、α−リン酸三カルシウム粉末、リン酸四カル
シウム粉末、又はリン酸四カルシウムと他のリン酸カル
シウム粉末との混合物(以下、これらを総称してPC粉末
ともいう)と植物油、多価アルコール、ポリアルキレン
グリコール、シリコンオイル及び流動パラフィンよりな
る群から選ばれた少なくとも一種の、実質的に水を含有
しない練和液とよりなるペーストをシリンジに充填して
なるワンペーストタイプ修復材である。
シウム粉末、又はリン酸四カルシウムと他のリン酸カル
シウム粉末との混合物(以下、これらを総称してPC粉末
ともいう)と植物油、多価アルコール、ポリアルキレン
グリコール、シリコンオイル及び流動パラフィンよりな
る群から選ばれた少なくとも一種の、実質的に水を含有
しない練和液とよりなるペーストをシリンジに充填して
なるワンペーストタイプ修復材である。
本発明において、ペーストの一成分であるPC粉末は、α
−リン酸三カルシウム粉末、リン酸四カルシウム、又は
リン酸四カルシウム粉末と他のリン酸カルシウム粉末と
の混合物である。上記リン酸四カルシウムはいかなる方
法で製造したものであっても良い。例えば、原料はCa源
としてCaCO3,CaO,Ca(OH)2,P源としてP2O5,H3PO4,NH4H
2PO4,(NH4)2HPO4,CaとPの両方を含有するCaHPO4・2H
2O,CaHPO4,Ca(H2PO4)2,Ca2P2O7等を使用することがで
きる。また、原料によって種々の製造方法があり、原料
に応じて適宜採用すればよい。そのうち、CaHPO4・2H2O
を焼成して得たγ−Ca2P2O7をCaCO3と混和焼成する乾式
製造方がすぐれており好ましい。
−リン酸三カルシウム粉末、リン酸四カルシウム、又は
リン酸四カルシウム粉末と他のリン酸カルシウム粉末と
の混合物である。上記リン酸四カルシウムはいかなる方
法で製造したものであっても良い。例えば、原料はCa源
としてCaCO3,CaO,Ca(OH)2,P源としてP2O5,H3PO4,NH4H
2PO4,(NH4)2HPO4,CaとPの両方を含有するCaHPO4・2H
2O,CaHPO4,Ca(H2PO4)2,Ca2P2O7等を使用することがで
きる。また、原料によって種々の製造方法があり、原料
に応じて適宜採用すればよい。そのうち、CaHPO4・2H2O
を焼成して得たγ−Ca2P2O7をCaCO3と混和焼成する乾式
製造方がすぐれており好ましい。
この反応は、 2CaHPO4・2H2O→γ−Ca2P2O7+5H2O Ca2P2O7+2CaCO3→Ca2P2O9+2CO2 の反応式で示され、1200℃以上で焼成後炉外で急冷する
か、窒素雰囲気中で1200℃以上で焼成すれば、ヒドロキ
シアパタイトに転移することなく純粋なリン酸四カルシ
ウムが得られる。
か、窒素雰囲気中で1200℃以上で焼成すれば、ヒドロキ
シアパタイトに転移することなく純粋なリン酸四カルシ
ウムが得られる。
また、α−リン酸三カルシウムの製造法も前記した原料
を用いる公知の方法が特に制限なく採用される。
を用いる公知の方法が特に制限なく採用される。
更に、前記したリン酸四カルシウムと混合される他のリ
ン酸カルシウムは、ヒドロキシアパタイトを効率よく生
成させるためにCa/Pモル比が1.67未満のものが好適に使
用される。例えばCaHPO4,CaHPO4・2H2O,Ca8H2(PO4)6・5H
2O,Ca3(PO4)2,Ca2P2O7等が挙げられるが、そのうち、C
aHPO4及びCaHPO4・2H2Oが得られる硬化体の力学的性質
を向上させる上で特に好適である。
ン酸カルシウムは、ヒドロキシアパタイトを効率よく生
成させるためにCa/Pモル比が1.67未満のものが好適に使
用される。例えばCaHPO4,CaHPO4・2H2O,Ca8H2(PO4)6・5H
2O,Ca3(PO4)2,Ca2P2O7等が挙げられるが、そのうち、C
aHPO4及びCaHPO4・2H2Oが得られる硬化体の力学的性質
を向上させる上で特に好適である。
上記のリン酸カルシウム粉末とリン酸四カルシウムとの
混合物において、その混合比はCa/Pモル比が1.3〜1.9の
割合となるように調節することが、ヒドロキシアパタイ
トを効率よく生成させるために好ましい。
混合物において、その混合比はCa/Pモル比が1.3〜1.9の
割合となるように調節することが、ヒドロキシアパタイ
トを効率よく生成させるために好ましい。
本発明において、PC粉末の粒子径は特に制限されない
が、練和液との混練性、ヒドロキシアパタイトの生成速
度、得られる硬化体の表面状態等を勘案すると0.01〜50
0μm、好ましくは0.1〜100μmの平均粒子径を有する
ものが好適である。
が、練和液との混練性、ヒドロキシアパタイトの生成速
度、得られる硬化体の表面状態等を勘案すると0.01〜50
0μm、好ましくは0.1〜100μmの平均粒子径を有する
ものが好適である。
本発明において、練和液をオリーブ油、ラッカセイ油、
ローズ油、ヒマシ油、アーモンド油等の植物油、グリセ
リン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の
多価アルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポ
リプロピレングリコール(PPG)等のポリアルキレング
リコール、シリコンオイル及び流動パラフィンよりなる
群から選ばれた少なくとも1種よりなり、実質的に水を
含有しないものが使用される。
ローズ油、ヒマシ油、アーモンド油等の植物油、グリセ
リン、エチレングリコール、プロピレングリコール等の
多価アルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポ
リプロピレングリコール(PPG)等のポリアルキレング
リコール、シリコンオイル及び流動パラフィンよりなる
群から選ばれた少なくとも1種よりなり、実質的に水を
含有しないものが使用される。
これらのうち、特に水に対しての親和性の高い多価アル
コール及びポリアルキレングリコールが、水との置換が
容易であり、水との接触により良好な硬化性を発揮する
ペーストを得ることができ、且つ、生体への為外性が少
ないため好ましい。
コール及びポリアルキレングリコールが、水との置換が
容易であり、水との接触により良好な硬化性を発揮する
ペーストを得ることができ、且つ、生体への為外性が少
ないため好ましい。
本発明において、PC粉末と練和液との粉液比は、用途に
応じて好適な粘度となるように適宜決定すればよい。一
般には、得られるペーストの粘度が1〜1000ポイズ、好
ましくは10〜500ポイズの範囲内となるよう粉液比を調
整すればよい。例えば、根管充填に使用する場合、ペー
ストの粘度が20〜200ポイズとなるように粉液比を調整
することが好ましい。
応じて好適な粘度となるように適宜決定すればよい。一
般には、得られるペーストの粘度が1〜1000ポイズ、好
ましくは10〜500ポイズの範囲内となるよう粉液比を調
整すればよい。例えば、根管充填に使用する場合、ペー
ストの粘度が20〜200ポイズとなるように粉液比を調整
することが好ましい。
また、PC粉末と練和液との混合方法は特に限定されるも
のではなく、公知の混合材を用いた混合方法が制限なく
採用される。例えば、擂潰機、ボールミル、ニーダー、
ミキサー等の混合材を用いる方法が一般的である。
のではなく、公知の混合材を用いた混合方法が制限なく
採用される。例えば、擂潰機、ボールミル、ニーダー、
ミキサー等の混合材を用いる方法が一般的である。
また、本発明のペーストは必要に応じて、硬化性に著し
い悪影響を与えない範囲で他の成分を添加することがで
きる。例えばX線造影性を持たせるために、硫酸バリウ
ム、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ジルコニ
ア、ヨードホルム等をペースト100重量部に対して5〜5
0重量部添加するが好適である。又、硬化時間及びペー
スト粘度を調節するために、ヒドロキシアパタイト、シ
リカ、CaF2,TiO2,水酸化カルシウム、アルミナ、リン
酸ナトリウム、リン酸アンモニウム等を添加することが
できる。
い悪影響を与えない範囲で他の成分を添加することがで
きる。例えばX線造影性を持たせるために、硫酸バリウ
ム、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ジルコニ
ア、ヨードホルム等をペースト100重量部に対して5〜5
0重量部添加するが好適である。又、硬化時間及びペー
スト粘度を調節するために、ヒドロキシアパタイト、シ
リカ、CaF2,TiO2,水酸化カルシウム、アルミナ、リン
酸ナトリウム、リン酸アンモニウム等を添加することが
できる。
また、本発明で使用するシリンジは特に限定されるもの
ではなく、公知のシリンジが制限なく使用できる。代表
的なものとして、第1図に示す注射器タイプ、第2図に
示すような歯科用コンポジットレジンのシリンジ充填に
用いるディスポーザブルチップのようなタイプがある。
いずれの場合も先端の形状は使用目的に応じて太くした
り、細くしたりし、又操作し易いよう曲げることもでき
る。又、先端は保存中、空気中の水分と反応しないよう
キャップ4をすることが望ましい。上記の注射器タイプ
のものは、ペースト3の押し出し構造として、ピストン
部1を直線的に押す構造、ネジタイプで回転しながら押
し出す構造等が代表的である。いずれの場合もゴムパッ
キン等を使用することによりシリンダー部2とピストン
部1の密閉性を良くし水分が入らないようにすることが
望ましい。ディスポーザブルチップの場合、ピストン部
1は、ゴムのような弾性体で構成し、鍔状のストッパー
を会してシリンダー部2と接続し、密閉性を計るのが望
ましい。
ではなく、公知のシリンジが制限なく使用できる。代表
的なものとして、第1図に示す注射器タイプ、第2図に
示すような歯科用コンポジットレジンのシリンジ充填に
用いるディスポーザブルチップのようなタイプがある。
いずれの場合も先端の形状は使用目的に応じて太くした
り、細くしたりし、又操作し易いよう曲げることもでき
る。又、先端は保存中、空気中の水分と反応しないよう
キャップ4をすることが望ましい。上記の注射器タイプ
のものは、ペースト3の押し出し構造として、ピストン
部1を直線的に押す構造、ネジタイプで回転しながら押
し出す構造等が代表的である。いずれの場合もゴムパッ
キン等を使用することによりシリンダー部2とピストン
部1の密閉性を良くし水分が入らないようにすることが
望ましい。ディスポーザブルチップの場合、ピストン部
1は、ゴムのような弾性体で構成し、鍔状のストッパー
を会してシリンダー部2と接続し、密閉性を計るのが望
ましい。
上記2タイプのうち、注射器タイプは何回かに分けて使
用するのに対して、ディスポーザブルチップタイプは1
回分を充填しておくのに好適である。
用するのに対して、ディスポーザブルチップタイプは1
回分を充填しておくのに好適である。
第3図はディスポーザブルチップタイプのシリンジ5の
使用態様を示すものである。即ち、シリンジ5をセット
する取り付け穴を先端に有し、該シリンジのピストン部
1に挿入可能な先端形状を有するピストンを遊嵌したシ
リンダーよりなる押出装置6に、シリンジ5をセットし
た状態である。
使用態様を示すものである。即ち、シリンジ5をセット
する取り付け穴を先端に有し、該シリンジのピストン部
1に挿入可能な先端形状を有するピストンを遊嵌したシ
リンダーよりなる押出装置6に、シリンジ5をセットし
た状態である。
本発明の修復材は、保存中に硬化しないワンペーストタ
イプでしかもシリンジに充填しているため、従来の2剤
型の修復材のように、使用直前に2剤を混練する繁雑な
操作を必要としないばかりでなく、予め粘度調製された
ペーストを、例えば歯の根管等にシリンジの操作で直接
充填することができる。そして、充填されたペーストは
生体内の水分によってヒドロキシアパタイト硬化体が生
成される。
イプでしかもシリンジに充填しているため、従来の2剤
型の修復材のように、使用直前に2剤を混練する繁雑な
操作を必要としないばかりでなく、予め粘度調製された
ペーストを、例えば歯の根管等にシリンジの操作で直接
充填することができる。そして、充填されたペーストは
生体内の水分によってヒドロキシアパタイト硬化体が生
成される。
このように、本発明のワンペーストタイプ修復材は従来
のものに比べ、使用における作業性を著しく向上させる
ことが可能である。
のものに比べ、使用における作業性を著しく向上させる
ことが可能である。
本発明のワンペーストタイプ修復材は、歯の根管充填材
裏層材、覆罩材、歯周ポケット充填材、抜歯下充填材等
の歯科用修復材としてのみでなく、骨セメント、骨充填
材などの整形外科用修復材等の用途にも広く使用するこ
とができる。
裏層材、覆罩材、歯周ポケット充填材、抜歯下充填材等
の歯科用修復材としてのみでなく、骨セメント、骨充填
材などの整形外科用修復材等の用途にも広く使用するこ
とができる。
以下、本発明を更に具体的に説明するため、実施例を示
すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 CaHPO4・2H2Oを500℃で2時間焼成してγ−Ca2P2O7を得
た。この粉末とCaCO3粉末を1:2(モル比)で混合し、空
気中1400℃で2時間焼成したのち炉外で放冷した。生成
した粉末はリン酸四カルシウムであることをX線回折図
から確認した。この試料とCaHPO4粉末をCa/Pモル比が1.
67となるように混合粉砕した後、200メッシュのふるい
を通路した粉末とグリセリンを2:1(重量比)の割合で
混合練和しペースト状とした。このペーストの粘度は14
0ポイズであった。このペーストをポリエチレン製の注
射器型シリンジ(内容積2ml)とディスポーザブルチッ
プ(内容積0.5ml)に夫々充填し、先端にキャップをし
てワンペーストタイプ修復材とした。次いで、これを30
℃に保った恒温器中に3ヶ月間保存した。その結果、粘
度は、どちらのペーストも140ポイズであった。又、保
存したワンペーストタイプ修復材を夫々抜去人歯の根管
のシリンジを操作して充填し、37℃水中に24時間浸漬し
たところ、良好なヒドロキシアパタイト硬化体が得られ
た。
た。この粉末とCaCO3粉末を1:2(モル比)で混合し、空
気中1400℃で2時間焼成したのち炉外で放冷した。生成
した粉末はリン酸四カルシウムであることをX線回折図
から確認した。この試料とCaHPO4粉末をCa/Pモル比が1.
67となるように混合粉砕した後、200メッシュのふるい
を通路した粉末とグリセリンを2:1(重量比)の割合で
混合練和しペースト状とした。このペーストの粘度は14
0ポイズであった。このペーストをポリエチレン製の注
射器型シリンジ(内容積2ml)とディスポーザブルチッ
プ(内容積0.5ml)に夫々充填し、先端にキャップをし
てワンペーストタイプ修復材とした。次いで、これを30
℃に保った恒温器中に3ヶ月間保存した。その結果、粘
度は、どちらのペーストも140ポイズであった。又、保
存したワンペーストタイプ修復材を夫々抜去人歯の根管
のシリンジを操作して充填し、37℃水中に24時間浸漬し
たところ、良好なヒドロキシアパタイト硬化体が得られ
た。
更に、注射器型シリンジを用いた修復材よりペーストを
直径6mm、高さ12mmの円筒型の金型に流し込み、両面を
水浸透性のフィルム(細孔径0.45μm)でおおい、37℃
の水中に浸漬した。48時間後に取り出した硬化体は、X
線回折図からヒドロキシアパタイトであることを確認し
た。又この硬化体の圧縮強度は65kg/cm2であった。
直径6mm、高さ12mmの円筒型の金型に流し込み、両面を
水浸透性のフィルム(細孔径0.45μm)でおおい、37℃
の水中に浸漬した。48時間後に取り出した硬化体は、X
線回折図からヒドロキシアパタイトであることを確認し
た。又この硬化体の圧縮強度は65kg/cm2であった。
実施例2 実施例1と同じ方法で製造したリン酸四カルシウムを、
CaHPO4と所定のCa/Pモル比となるように粉砕混合した後
200メッシュのふるいを通過したものを以下に示す練和
液と均一に混合練和しペースト状とした。
CaHPO4と所定のCa/Pモル比となるように粉砕混合した後
200メッシュのふるいを通過したものを以下に示す練和
液と均一に混合練和しペースト状とした。
1.エチレングリコール 2.ポリエチレングルコール400 3.ポリプロピレングリコール1000 4.ラッカセイ油 5.シリコンオイル(東芝シンコーン社製TSF-451-50) 6.流動パラフィン(村松石油研究所製モレスコホワイト
P-55) これらのペーストを注射器型のシリンジに入れてキャッ
プをした後、30℃の恒温器中心に3ヶ月間保存し、初期
と3ヶ月後のペースト粘度を測定し、保存安定性を調べ
た。初期の粘度と比較して、3ヶ月後の粘度が±2%以
内の変動であれば、実用上全っく問題がなく保存性は良
好である。また、実施例1と同様にして得た硬化体につ
いて、生成物及び圧縮強度を調べた。
P-55) これらのペーストを注射器型のシリンジに入れてキャッ
プをした後、30℃の恒温器中心に3ヶ月間保存し、初期
と3ヶ月後のペースト粘度を測定し、保存安定性を調べ
た。初期の粘度と比較して、3ヶ月後の粘度が±2%以
内の変動であれば、実用上全っく問題がなく保存性は良
好である。また、実施例1と同様にして得た硬化体につ
いて、生成物及び圧縮強度を調べた。
又、実施例1と同様に抜去人歯の根管にシリンジを操作
して充填し、良好な硬化体が得られるかどうかを調べ
た。良好な硬化体が得られたものを○、えられなかった
ものを×とした。これらの結果を表−1に示す。
して充填し、良好な硬化体が得られるかどうかを調べ
た。良好な硬化体が得られたものを○、えられなかった
ものを×とした。これらの結果を表−1に示す。
実施例3 リン酸四カルシウム粉末単独、α−リン酸三カルシウム
粉末単独、又はリン酸四カルシウム粉末と他のリン酸カ
ルシウム粉末とをCa/Pモル比が1.67となるように混合し
た混合物にグリセリンを重量比2:1で混合し、ペースト
状とした。これらのペーストを実施例2と同様にしてシ
リンジに充填し、実施例1と同様な方法で保存安定性、
圧縮強度および抜去人歯充填の硬化体を調べた。結果を
表−2に示す。
粉末単独、又はリン酸四カルシウム粉末と他のリン酸カ
ルシウム粉末とをCa/Pモル比が1.67となるように混合し
た混合物にグリセリンを重量比2:1で混合し、ペースト
状とした。これらのペーストを実施例2と同様にしてシ
リンジに充填し、実施例1と同様な方法で保存安定性、
圧縮強度および抜去人歯充填の硬化体を調べた。結果を
表−2に示す。
第1図及び第2図は本発明のワンペースト型修復材に用
いるシリンジの代表的な態様を示す断面図、第3図は第
2図のシリンジの使用態様を示す斜視図である。 1……ピストン部、2……シリンダー部、3……ペース
ト、4……キャップ、5……シリンジ、6……押出装
置。
いるシリンジの代表的な態様を示す断面図、第3図は第
2図のシリンジの使用態様を示す斜視図である。 1……ピストン部、2……シリンダー部、3……ペース
ト、4……キャップ、5……シリンジ、6……押出装
置。
Claims (1)
- 【請求項1】α−リン酸三カルシウム粉末、リン酸四カ
ルシウム粉末、又はリン酸四カルシウム粉末と他のリン
酸カルシウム粉末との混合物と植物油、多価アルコー
ル、ポリアルキレングリコール、シリコンオイル及び流
動パラフィンよりなる群から選ばれた少なくとも一種
の、実質的に水を含有しない練和液とをシリンジに充填
してなるワンペーストタイプ修復材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62296227A JPH0684289B2 (ja) | 1987-11-26 | 1987-11-26 | ワンペーストタイプ修復材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62296227A JPH0684289B2 (ja) | 1987-11-26 | 1987-11-26 | ワンペーストタイプ修復材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01139516A JPH01139516A (ja) | 1989-06-01 |
JPH0684289B2 true JPH0684289B2 (ja) | 1994-10-26 |
Family
ID=17830825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62296227A Expired - Lifetime JPH0684289B2 (ja) | 1987-11-26 | 1987-11-26 | ワンペーストタイプ修復材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0684289B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014196335A (ja) * | 2007-06-06 | 2014-10-16 | インノテーレ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 水硬性セメントをベースとするインプラント材料ならびにその使用 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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