JPH06688B2 - 根管充填用硬化型糊材 - Google Patents
根管充填用硬化型糊材Info
- Publication number
- JPH06688B2 JPH06688B2 JP60087107A JP8710785A JPH06688B2 JP H06688 B2 JPH06688 B2 JP H06688B2 JP 60087107 A JP60087107 A JP 60087107A JP 8710785 A JP8710785 A JP 8710785A JP H06688 B2 JPH06688 B2 JP H06688B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- root canal
- canal filling
- root
- hydroxyapatite
- formulation
- Prior art date
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- Dental Preparations (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、歯科治療に用いる根管充填用硬化型糊材に関
するものである。
するものである。
歯科治療における根管充填用操作は抜髄、あるいは感染
根管治療後、空虚となった根管系に対し、根管充填材を
適用することによって根端部創傷の保護、治癒を図るこ
とを目的としている。したがって歯牙の補綴処置に至る
前段階としてのかかる処置は、一般歯科臨床上もっとも
頻度の高い処置法であるといえる。
根管治療後、空虚となった根管系に対し、根管充填材を
適用することによって根端部創傷の保護、治癒を図るこ
とを目的としている。したがって歯牙の補綴処置に至る
前段階としてのかかる処置は、一般歯科臨床上もっとも
頻度の高い処置法であるといえる。
ところで、このような処置には従来から種々の根管充填
材が使用されてきたが、これらは主として治療的な材品
である糊材系のもの(例えば水酸化カルシウム系糊
材)、また物理的な封鎖を主体とした固形状のもの(例
えばガッタパーチャーポイント)に分けることができ
る。
材が使用されてきたが、これらは主として治療的な材品
である糊材系のもの(例えば水酸化カルシウム系糊
材)、また物理的な封鎖を主体とした固形状のもの(例
えばガッタパーチャーポイント)に分けることができ
る。
しかしながら固形状の根管充填材においても根端部の確
実な封鎖を得るためには、他にシーラーと呼ばれる一種
の封鎖材を用いた併用根管充填を行う必要がある。さら
にシーラーの中でも練和後、ある一定時間経って硬化す
るタイプのものは硬化固形状(セメントタイプ)の根管
充填材と呼ぶものがある。
実な封鎖を得るためには、他にシーラーと呼ばれる一種
の封鎖材を用いた併用根管充填を行う必要がある。さら
にシーラーの中でも練和後、ある一定時間経って硬化す
るタイプのものは硬化固形状(セメントタイプ)の根管
充填材と呼ぶものがある。
このうち、従来から知られているセメントタイプの根管
充填材としては酸化亜鉛を主成分とし、これにユージノ
ールを混和して用いる酸化亜鉛ユージノールセメントが
多く用いられてきた。ところが酸化亜鉛ユージノールセ
メントは根端部の周期組織に対し、ある程度の組織刺激
性を有するとされ、いわゆる生物学的根管充填材として
は、満足できるものとは言えなかった。
充填材としては酸化亜鉛を主成分とし、これにユージノ
ールを混和して用いる酸化亜鉛ユージノールセメントが
多く用いられてきた。ところが酸化亜鉛ユージノールセ
メントは根端部の周期組織に対し、ある程度の組織刺激
性を有するとされ、いわゆる生物学的根管充填材として
は、満足できるものとは言えなかった。
叙上のような事情に鑑みて、近年、歯牙や骨など生体硬
組織の無機構成成分として知られているハイドロキシア
パタイトはそのすぐれた生体親和性から、歯科インプラ
ント、人工骨などに応用されているが、本発明者らはこ
のようなハイドロキシアパタイトの生体、特に歯髄及び
根端部周囲組織に及ぼす影響について種々研究を重ねた
結果、ハイドロキシアパタイトを主成分とした根管充填
材が臨床上適用価値の高いものであることを見出し、か
つ酸化マグネシウムを有効成分とし、これらにX線造影
材を配合して成る第1材と、グアヤコールおよびユーカ
リプトールを主成分とする第2材から成る2材型根管充
填材を提供せんとするものである。
組織の無機構成成分として知られているハイドロキシア
パタイトはそのすぐれた生体親和性から、歯科インプラ
ント、人工骨などに応用されているが、本発明者らはこ
のようなハイドロキシアパタイトの生体、特に歯髄及び
根端部周囲組織に及ぼす影響について種々研究を重ねた
結果、ハイドロキシアパタイトを主成分とした根管充填
材が臨床上適用価値の高いものであることを見出し、か
つ酸化マグネシウムを有効成分とし、これらにX線造影
材を配合して成る第1材と、グアヤコールおよびユーカ
リプトールを主成分とする第2材から成る2材型根管充
填材を提供せんとするものである。
本発明の根管充填用硬化型糊材における第1材の構成と
しては、第1材全重量に対し、ハイドロキシアパタイト
を40〜60重量%配合し、酸化マグネシウムを同じく
第1材全重量に対して15〜25重量配合したものである。
しては、第1材全重量に対し、ハイドロキシアパタイト
を40〜60重量%配合し、酸化マグネシウムを同じく
第1材全重量に対して15〜25重量配合したものである。
一方、第2材を構成するグアヤコールは35〜60重量%配
合する。なお、このグアヤコールの代りにユージノール
あるいは丁字油などの精油を用いてもよい。また、X線
造影材としては、次炭酸ビスマス、硫酸バリウムなどが
適量配合される。
合する。なお、このグアヤコールの代りにユージノール
あるいは丁字油などの精油を用いてもよい。また、X線
造影材としては、次炭酸ビスマス、硫酸バリウムなどが
適量配合される。
このような本発明に係る根管充填用硬化型糊材は、上記
の如き第1材及び第2材を混練して用いられるが、第1
材、第2材の混合比率は所要の仕上がり状態を定めて任
意に選ぶことができるものの、試用結果によれば、4:
1(重量比)の割合での練和状態が最適であった。な
お、練和後、本材は口腔内で約40分で硬化が完了する
ものの、第2材の処方を変更することによって適宜硬化
時間を調製することができる。
の如き第1材及び第2材を混練して用いられるが、第1
材、第2材の混合比率は所要の仕上がり状態を定めて任
意に選ぶことができるものの、試用結果によれば、4:
1(重量比)の割合での練和状態が最適であった。な
お、練和後、本材は口腔内で約40分で硬化が完了する
ものの、第2材の処方を変更することによって適宜硬化
時間を調製することができる。
(評価) 本発明による糊材を成犬15頭の下顎前臼歯150根管に対
して適用し、3ケ月後に屠殺し、病理組織学的に検索し
たところ第1表のような結果を得た。
して適用し、3ケ月後に屠殺し、病理組織学的に検索し
たところ第1表のような結果を得た。
この第1表から明らかな如く、これらの組織による糊材
はいずれも根端部の生物学的治癒を助長し、根管充填材
としてすぐれた効果を有するものであった。
はいずれも根端部の生物学的治癒を助長し、根管充填材
としてすぐれた効果を有するものであった。
次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 第1材処方(粉末状) ハイドロキシアパタイト 52.5% 酸化マグネシウム 22.5% 次炭酸ビスマス 25 % 第2材処方(液状) グアヤコール 38.5% ポリソルベート20 57.5% ユーカリプトール 4.0% 以上の処方により根管充填用糊材を得る。
実施例2 第1材処方(粉末状) ハイドロキシアパタイト 60 % 酸化マグネシウム 22.0% 次炭酸ビスマス 20 % 第2材処方(液状) グアヤコール 33.5% ユーカリプトール 10 % ポリソルベート20 56.5% 以上の処方により根管充填用糊材を得る。
実施例3 第1材処方(粉末状) ハイドロキシアパタイト 55.0% 酸化マグネシウム 20 % 硫化バリウム 37.5% 第2材処方(液状) グアヤコール 37.5% ユーカリプトール 5 % ポリソルベート20 57.5% 以上の処方により根管充填用糊材を得る。
実施例4 第1材処方(粉末状) ハイドロキシアパタイト 60.0% 酸化マグネシウム 20 % 銀 粉 20 % 第2材処方(液状) グアヤコール 38% ユーカリプトール 4% ポリソルベート20 58% 以上の処方により根管充填用糊材を得る。
以上のように本発明に係る根管充填材は主成分がハイド
ロキシアパタイトであることから、すぐれた生体組織と
の親和性を有し、それ故、組織刺激性が少なく、しかも
根管に充填された場合、根端部周囲組織の治癒を助長
し、最終的に根端部の閉鎖機転を期待できる。また、歯
槽骨の吸収を伴うような症例では根端孔外に溢れ出した
充填材は当該部分の治癒とともに新生骨に包含され、骨
欠損部の補綴材としての役割をも果すなどの優れた効果
を発揮する。
ロキシアパタイトであることから、すぐれた生体組織と
の親和性を有し、それ故、組織刺激性が少なく、しかも
根管に充填された場合、根端部周囲組織の治癒を助長
し、最終的に根端部の閉鎖機転を期待できる。また、歯
槽骨の吸収を伴うような症例では根端孔外に溢れ出した
充填材は当該部分の治癒とともに新生骨に包含され、骨
欠損部の補綴材としての役割をも果すなどの優れた効果
を発揮する。
さらに本発明充填材は粉末体から成る第1材と、液体で
ある第2材とから成り、使用時にこれら第1材、第2材
を4:1の割合で練和して用いるが、練和後、口腔内に
て約40分で効果が完了することからガッタパーチャーポ
イントとの併用根管充填に用いるシーラーとしても極め
て有用である。また次炭酸ビスマス、硫酸バリウムなど
を含有せしめてあることによって適度のX線造影性を有
し、根管充填の状態を容易に確認することもできるな
ど、すぐれた根管充填効果をもたらすことができる。
ある第2材とから成り、使用時にこれら第1材、第2材
を4:1の割合で練和して用いるが、練和後、口腔内に
て約40分で効果が完了することからガッタパーチャーポ
イントとの併用根管充填に用いるシーラーとしても極め
て有用である。また次炭酸ビスマス、硫酸バリウムなど
を含有せしめてあることによって適度のX線造影性を有
し、根管充填の状態を容易に確認することもできるな
ど、すぐれた根管充填効果をもたらすことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】ハイドロキシアパタイト、酸化マグネシウ
ム及びX線造影材を配合して成る第1材と、グアヤコー
ルおよびユーカリプトールを主成分とする第2材とから
成る2材型の根管充填用硬化型糊材。 - 【請求項2】上記X線造影材が硫酸バリウム、次炭酸ビ
スマス、銀粉などであることを特徴とする特許請求の範
囲第1項記載の根管充填用硬化型糊材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60087107A JPH06688B2 (ja) | 1985-04-22 | 1985-04-22 | 根管充填用硬化型糊材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60087107A JPH06688B2 (ja) | 1985-04-22 | 1985-04-22 | 根管充填用硬化型糊材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61246108A JPS61246108A (ja) | 1986-11-01 |
JPH06688B2 true JPH06688B2 (ja) | 1994-01-05 |
Family
ID=13905719
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60087107A Expired - Lifetime JPH06688B2 (ja) | 1985-04-22 | 1985-04-22 | 根管充填用硬化型糊材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06688B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014196335A (ja) * | 2007-06-06 | 2014-10-16 | インノテーレ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 水硬性セメントをベースとするインプラント材料ならびにその使用 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0684289B2 (ja) * | 1987-11-26 | 1994-10-26 | 株式会社トクヤマ | ワンペーストタイプ修復材 |
JPH02200605A (ja) * | 1989-01-27 | 1990-08-08 | Ube Ind Ltd | 硬化性糊剤根管充填材 |
JP3501290B2 (ja) | 1998-08-30 | 2004-03-02 | 和則 草野 | 歯科用糊剤、糊剤注入器及び糊剤充填検出装置 |
-
1985
- 1985-04-22 JP JP60087107A patent/JPH06688B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014196335A (ja) * | 2007-06-06 | 2014-10-16 | インノテーレ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 水硬性セメントをベースとするインプラント材料ならびにその使用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61246108A (ja) | 1986-11-01 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |