JPS632921B2 - - Google Patents
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- JPS632921B2 JPS632921B2 JP60007954A JP795485A JPS632921B2 JP S632921 B2 JPS632921 B2 JP S632921B2 JP 60007954 A JP60007954 A JP 60007954A JP 795485 A JP795485 A JP 795485A JP S632921 B2 JPS632921 B2 JP S632921B2
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Landscapes
- Dental Preparations (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
この発明は、たとえば、う蝕歯の治療に際し、
人工的に形成された窩洞内面や露出歯髄創面の覆
罩材として使用される歯科用修復材料に関するも
のである。
人工的に形成された窩洞内面や露出歯髄創面の覆
罩材として使用される歯科用修復材料に関するも
のである。
発明の背景
一般に、う蝕歯の治療はつぎのような手法で行
なわれる。すなわち、まず局所麻酔下で歯科用エ
アータービンを用いてう蝕窩の拡大および窩洞の
形成を行ない、次いでう蝕によつて軟化した象牙
質を除去し、生じた窩洞内面を清掃、拭掃さらに
乾燥し、また必要ならば患部歯髄の部分的除去を
行なつた後、窩洞内面および/または露出歯髄創
面に覆罩材を塗布し、最後にアマルガムないしコ
ンポジツトレジンなどの歯科用充填材を填め込
み、治療を完了する。ここで覆罩材は、形成され
た窩洞内面および/または露出歯髄創面に同材を
塗布することによつてこれらの部位に保護層を形
成し、生じた保護層によつて、治療時の電気的刺
激や温度差による疼痛ないし不快感などの知覚過
敏症を緩和し、上記歯科用充填材に起因する酸性
成分の浸透による疼痛あるいは二次う蝕を防止す
る目的で使用されるものである。
なわれる。すなわち、まず局所麻酔下で歯科用エ
アータービンを用いてう蝕窩の拡大および窩洞の
形成を行ない、次いでう蝕によつて軟化した象牙
質を除去し、生じた窩洞内面を清掃、拭掃さらに
乾燥し、また必要ならば患部歯髄の部分的除去を
行なつた後、窩洞内面および/または露出歯髄創
面に覆罩材を塗布し、最後にアマルガムないしコ
ンポジツトレジンなどの歯科用充填材を填め込
み、治療を完了する。ここで覆罩材は、形成され
た窩洞内面および/または露出歯髄創面に同材を
塗布することによつてこれらの部位に保護層を形
成し、生じた保護層によつて、治療時の電気的刺
激や温度差による疼痛ないし不快感などの知覚過
敏症を緩和し、上記歯科用充填材に起因する酸性
成分の浸透による疼痛あるいは二次う蝕を防止す
る目的で使用されるものである。
従来技術およびその問題点
従来よりこのような保護層形成用の覆罩材とし
て種々のものが使用されている。しかしながら、
これら従来品はいずれも、生体成分とは異質は物
質である強アルカリ性の水酸化カルシウムおよび
硬化性の合成高分子材料を主成分とするものであ
るため、生体にとつては全くの異物を治療部位に
塗布することになる。そのため治療後の時間経過
とともに生体側の異物除去作用によつて、せつか
く形成せしめた保護層が生体内に吸収され、その
跡に間隙ないし空洞が生じることもあり、その結
果これら間隙ないし空洞が口腔内細菌の感染や酸
性物質の浸透による化膿や二次う蝕を引き起すお
それもあつた。
て種々のものが使用されている。しかしながら、
これら従来品はいずれも、生体成分とは異質は物
質である強アルカリ性の水酸化カルシウムおよび
硬化性の合成高分子材料を主成分とするものであ
るため、生体にとつては全くの異物を治療部位に
塗布することになる。そのため治療後の時間経過
とともに生体側の異物除去作用によつて、せつか
く形成せしめた保護層が生体内に吸収され、その
跡に間隙ないし空洞が生じることもあり、その結
果これら間隙ないし空洞が口腔内細菌の感染や酸
性物質の浸透による化膿や二次う蝕を引き起すお
それもあつた。
このような実情から、従来より、生体内に吸収
されることなく治瘉時の状態を恒久的に保持して
生体硬組織と一体化するように保護層を形成する
ことが望まれていた。
されることなく治瘉時の状態を恒久的に保持して
生体硬組織と一体化するように保護層を形成する
ことが望まれていた。
この発明は上記要望にこたえることのできる歯
科用修復材料を提供することを目的とする。
科用修復材料を提供することを目的とする。
問題点の解決手段
この発明による歯科用修復材料は、示性式Ca10
(PO4)6(OH)2で示される合成カルシウムハイド
ロキシアパタイトすなわち水酸アパタイト(この
明細書全体を通して合成水酸アパタイトと称す
る)が生体との親和性に富む点に着目してなされ
たものであつて、合成水酸アパタイトに水酸化カ
ルシウムを混合してなる粉状基材と、蒸留水に第
2リン酸ナトリウム、フツ化ナトリウムおよびグ
リセリンを溶解せしめてなる液状助材とによつて
構成されていることを特徴とする。
(PO4)6(OH)2で示される合成カルシウムハイド
ロキシアパタイトすなわち水酸アパタイト(この
明細書全体を通して合成水酸アパタイトと称す
る)が生体との親和性に富む点に着目してなされ
たものであつて、合成水酸アパタイトに水酸化カ
ルシウムを混合してなる粉状基材と、蒸留水に第
2リン酸ナトリウム、フツ化ナトリウムおよびグ
リセリンを溶解せしめてなる液状助材とによつて
構成されていることを特徴とする。
この明細書において割合を表わす%および部は
すべて重量基準で計算したものである。
すべて重量基準で計算したものである。
この発明の好適な実施態様においては、粉状基
材は合成水酸アパタイト85〜98%と水酸化カルシ
ウム2〜15%とよりなり、液状助材は第2リン酸
ナトリウム0.1〜5%とフツ化ナトリウム0.01〜
2%とグリセリン5〜20%を含む。ただし上記割
合および含量はいずれも限定的なものではない。
材は合成水酸アパタイト85〜98%と水酸化カルシ
ウム2〜15%とよりなり、液状助材は第2リン酸
ナトリウム0.1〜5%とフツ化ナトリウム0.01〜
2%とグリセリン5〜20%を含む。ただし上記割
合および含量はいずれも限定的なものではない。
この発明による修復材料は、使用前に、粉状基
材に液状助材を添加してこれらを混練することに
より適当なコンシステンシーにペースト化せら
れ、得られたペーストがう歯治療において覆罩材
として使用される。ここで、液状助材中のグリセ
リンはコンシステンシーを調整する作用を果た
す。
材に液状助材を添加してこれらを混練することに
より適当なコンシステンシーにペースト化せら
れ、得られたペーストがう歯治療において覆罩材
として使用される。ここで、液状助材中のグリセ
リンはコンシステンシーを調整する作用を果た
す。
作 用
この発明による修復材料から得られた覆罩材を
窩洞内面および/または露出歯髄創面に塗布する
と、覆罩材に含まれる水酸化カルシウムと第2リ
ン酸ナトリウムおよび生体体液中のリン酸イオン
とが反応し、生体硬組織の組成と同一組成を有す
る微結晶質の水酸アパタイトが晶出する。ここで
覆罩材に含まれるフツ化ナトリウムが上記反応を
促進させる作用を果たす。
窩洞内面および/または露出歯髄創面に塗布する
と、覆罩材に含まれる水酸化カルシウムと第2リ
ン酸ナトリウムおよび生体体液中のリン酸イオン
とが反応し、生体硬組織の組成と同一組成を有す
る微結晶質の水酸アパタイトが晶出する。ここで
覆罩材に含まれるフツ化ナトリウムが上記反応を
促進させる作用を果たす。
上記反応により生成した微結晶質の水酸アパタ
イトは、窩洞内の象牙質表面に保護層を形成す
る。そして生じた保護層は数週間後には上記象牙
質と融合一体化し、さらに覆罩材に当初から含ま
れている合成水酸アパタイトとも融合一体化し
て、完全な硬化象牙質になる。こうして生じた硬
質象牙質は、再石灰化を積極的に誘導し、生体内
部に吸収されることはない。また露出歯髄創面に
おいても微結晶質の水酸アパタイトから速やかに
二次象牙質が形成される。
イトは、窩洞内の象牙質表面に保護層を形成す
る。そして生じた保護層は数週間後には上記象牙
質と融合一体化し、さらに覆罩材に当初から含ま
れている合成水酸アパタイトとも融合一体化し
て、完全な硬化象牙質になる。こうして生じた硬
質象牙質は、再石灰化を積極的に誘導し、生体内
部に吸収されることはない。また露出歯髄創面に
おいても微結晶質の水酸アパタイトから速やかに
二次象牙質が形成される。
したがつて治療後の時間経過とともに保護層が
生体内に吸収されて、その跡に間隙ないし空洞が
生じることは全くなく、口腔内細菌の感染や歯科
用充填材に起因する酸性物質の浸透による化膿や
二次う蝕が未然に防止される。
生体内に吸収されて、その跡に間隙ないし空洞が
生じることは全くなく、口腔内細菌の感染や歯科
用充填材に起因する酸性物質の浸透による化膿や
二次う蝕が未然に防止される。
発明の効果
この発明による歯科用修復材料は、以上のとお
り構成されているので、同材料から得られた覆罩
材を用いることにより、生体内に吸収されること
なく、治瘉時の状態を恒久的に保持して生体硬組
織と融合一体化するような保護層を形成すること
ができ、したがつて口腔内細菌の感染や歯科用充
填材に起因する酸性物質の浸透による化膿や二次
う蝕を未然に防止することができる。
り構成されているので、同材料から得られた覆罩
材を用いることにより、生体内に吸収されること
なく、治瘉時の状態を恒久的に保持して生体硬組
織と融合一体化するような保護層を形成すること
ができ、したがつて口腔内細菌の感染や歯科用充
填材に起因する酸性物質の浸透による化膿や二次
う蝕を未然に防止することができる。
実施例
つぎに上記効果を実証するためにこの発明の実
施例および使用例を示す。
施例および使用例を示す。
合成水酸アパタイト95%に水酸化カルシウム5
%を添加して両者をよく混合し、粉状基材を調製
した。また蒸留水に第2リン酸ナトリウム1.8%、
フツ化ナトリウム0.05%およびグリセリン15%を
溶解せしめて液状助材を調整した。
%を添加して両者をよく混合し、粉状基材を調製
した。また蒸留水に第2リン酸ナトリウム1.8%、
フツ化ナトリウム0.05%およびグリセリン15%を
溶解せしめて液状助材を調整した。
ついで得られた粉状基材100部に液状助材85部
を添加してこれらを混練し、得られたペーストを
覆罩材として下記の使用例で用いた。
を添加してこれらを混練し、得られたペーストを
覆罩材として下記の使用例で用いた。
使用例 1
生後12カ月の成犬の55歯を被験歯として用い、
被験歯に局所麻酔を施した後、常法に従つて第1
級または第5級の窩洞を形成した。
被験歯に局所麻酔を施した後、常法に従つて第1
級または第5級の窩洞を形成した。
ついで窩洞内面に実施例で調製した覆罩材を塗
布し、直ちに窩洞にアマルガムを充填した。処置
後4週間経過後、被験歯を固定して、その軟X線
写真を撮り、これを標本として光学顕微鏡で観察
すると、窩洞内面の象牙質の細管内に水酸アパタ
イトの微結晶が析出して再石灰化してなる保護層
が認められた。また処置後60日経過した被験歯に
ついて、上記と同様の操作によつて標本を観察し
たところ、塗布した覆罩材全体が窩洞の象牙質と
融合一体化して完全な硬化象牙質になつているこ
とが認められた。
布し、直ちに窩洞にアマルガムを充填した。処置
後4週間経過後、被験歯を固定して、その軟X線
写真を撮り、これを標本として光学顕微鏡で観察
すると、窩洞内面の象牙質の細管内に水酸アパタ
イトの微結晶が析出して再石灰化してなる保護層
が認められた。また処置後60日経過した被験歯に
ついて、上記と同様の操作によつて標本を観察し
たところ、塗布した覆罩材全体が窩洞の象牙質と
融合一体化して完全な硬化象牙質になつているこ
とが認められた。
使用例 2
使用例1と同様の操作により窩洞を形成し、冠
部歯髄切断法を施し、窩洞内面に実施例で調製し
た覆罩材を塗布し、直ちに窩洞にアマルガムを充
填した。処置後60日経過後、使用例1と同様の操
作によつて標本を観察したところ、歯髄創面に幅
の広い二次象牙質が生成していることが認められ
た。
部歯髄切断法を施し、窩洞内面に実施例で調製し
た覆罩材を塗布し、直ちに窩洞にアマルガムを充
填した。処置後60日経過後、使用例1と同様の操
作によつて標本を観察したところ、歯髄創面に幅
の広い二次象牙質が生成していることが認められ
た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 合成水酸アパタイトに水酸化カルシウムを混
合してなる粉状基材と、蒸溜水に第2リン酸ナト
リウム、フツ化ナトリウムおよびグリセリンを溶
解せしめてなる液状助材とによつて構成されてい
ることを特徴とする歯科用修復材料。 2 粉状基材が合成水酸アパタイト85〜98%と水
酸化カルシウム2〜15%とよりなり、液状助材が
第2リン酸ナトリウム0.1〜5%とフツ化ナトリ
ウム0.01〜2%とグリセリン5〜20%を含む特許
請求の範囲第1項記載の材料。 3 粉状基材と液状助材の混練によりペースト化
せられて使用に供される特許請求の範囲第1また
は2項記載の材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60007954A JPS61167607A (ja) | 1985-01-18 | 1985-01-18 | 歯科用修復材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60007954A JPS61167607A (ja) | 1985-01-18 | 1985-01-18 | 歯科用修復材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61167607A JPS61167607A (ja) | 1986-07-29 |
JPS632921B2 true JPS632921B2 (ja) | 1988-01-21 |
Family
ID=11679883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60007954A Granted JPS61167607A (ja) | 1985-01-18 | 1985-01-18 | 歯科用修復材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61167607A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2724307B2 (ja) * | 1987-06-30 | 1998-03-09 | 株式会社 サンギ | 歯科用微小充填剤 |
JPH0729897B2 (ja) * | 1987-10-23 | 1995-04-05 | 株式会社サンギ | 歯科用微小充填剤 |
JPH0684289B2 (ja) * | 1987-11-26 | 1994-10-26 | 株式会社トクヤマ | ワンペーストタイプ修復材 |
WO2010113800A1 (ja) | 2009-03-30 | 2010-10-07 | クラレメディカル株式会社 | 象牙質石灰化剤及びその製造方法 |
-
1985
- 1985-01-18 JP JP60007954A patent/JPS61167607A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61167607A (ja) | 1986-07-29 |
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