JP2807819B2 - 根管充填用硬化型糊材 - Google Patents

根管充填用硬化型糊材

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、生体親和性に優れた根管充填用硬化型糊材
に関する。
なお、本明細書において、“%”とあるのは、全て
“重量%”を意味するものとする。
従来技術とその問題点 歯科治療における根管充填は、根管治療の終末処理と
して行なわれる。根管充填方法は、以下の2つの方法に
大別される。
第一の方法は、ガッターパーチャポイント、金属ポイ
ント、レジンポイントなどの固体材料を使用して、空虚
となった根管を機械的に填塞することにより、根管内へ
の外部からの異物の侵入を防止するものである。この物
理的乃至機械的作用を主体とする治療方法では、治療部
分と充填材料との形状とが一致しないため、根管の根端
部への確実な填塞が困難である。従って、下記の糊材と
併用される場合が多い。
第二の方法は、硬化性糊材(酸化亜鉛−チョウジ油
系、レジン系など)または非硬化性糊材(ホルマリン
系、ヨードホルム系、水酸化カルシウム系など)を使用
する方法である。これらの糊材は、主に生物学的乃至治
療的作用を発揮するものであるが、下記に示すごとく、
いずれも生体親和性に優れた根管充填材とは言い難い。
硬化性糊材は、主として根端組織の治癒および根管の
閉塞を目的とするものであり、特に酸化亜鉛−チョウジ
油系糊材は、鎮痛効果、覆髄材あるいは合着、仮着材へ
の応用などの点で、従来から広く使用されている。しか
しながら、この糊材は、根端部周辺組織に対して刺激性
があり、満足すべきものとは言い難い。
非硬化性糊材は、主として根端組織に対する治癒促進
或いは骨性瘢痕治癒を目的とするものである。しかしな
がら、ホルマリン系およびヨードホルム系糊材は、制腐
作用が強いため、生体親和性に欠けるという難点があ
る。また、水酸化カルシウム系糊材は、骨性瘢痕治癒作
用が強いので、従来から炎症巣の治療に使用されてきた
が、非硬化性であるため、長期間の使用には適しておら
ず、根端組織への刺激が強いという問題点もある。
問題点を解決するための手段 本発明者は、上記の如き従来技術の問題点に鑑みて鋭
意研究を進める間に、生体親和性に優れていることか
ら、歯牙、骨などの生体組織代替材料(インプラント材
料)の無機構成成分として使用されているリン酸カルシ
ウム系材料に着目した。そして、リン酸カルシウム系材
料が歯髄および根端部周辺組織に及ぼす影響について更
に研究を重ねた結果、リン酸四カルシウムを主成分とす
る特定組成の材料が、生体親和性に優れた根管充填材と
なり得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の根管充填用硬化型糊材を
提供するものである: 2材型の根管充填用硬化型糊材において、 (a)リン酸四カルシウム粉末50〜70%、 仮焼酸化マグネシウム0.1〜25% および 植物性樹脂 20〜40% からなる粉材と (b)高級脂肪酸からなる液材 とからなり、粉/液比(g/ml)が2以上であることを特
徴とする根管充填用硬化型糊材。
高級脂肪酸が、リノール酸、リノレン酸およびオレイ
ン酸の少なくとも一種である上記項に記載の根管充填
用硬化型糊材。
植物性樹脂が、ロジンおよびグアヤック樹脂の少なく
とも一種である上記項に記載の根管充填用硬化型糊
材。
粉材が、粉材重量の30%までのX線造影材をさらに含
む上記項に記載の根管充填用硬化型糊材。
X線造影材が、オキシ炭酸ビスマスまたは硫酸バリウ
ムである上記項に記載の根管充填用硬化型糊材。
本発明においては、多数存在するリン酸カルシウム系
材料中でも、特にリン酸四カルシウムを使用する。この
リン酸四カルシウムは、生体親和性と生体活性とを併せ
て有するので、例えば生体親和性のみしか有しない水酸
アパタイトに比して、生体内でアパタイトとしてより安
定化する。また、α−リン酸三カルシウムは、リン酸四
カルシウムに匹敵する生体親和性と生体活性とを有する
ものの、単位分子当りのカルシウム量がリン酸四カルシ
ウムよりも少ない。従って、酸との中和反応後に、生体
親和性の観点から最も望ましい状態であるpH7.0に近付
き難い。更に硬化体自身の崩壊率がリン酸四カルシウム
のそれの約2倍にも達するという難点があり、使用出来
ない。
粉材(a)中の主成分として本発明で使用するリン酸
四カルシウムは、その製造方法などの点で特に限定され
ないが、水酸アパタイトなどの含有量が出来るだけ低い
ことが望ましい。この様な高純度のリン酸四カルシウム
は、例えば、第二リン酸カルシウムまたは第二リン酸カ
ルシウム2水和物と炭酸カルシウムとをモル比1:1で混
合し、これを大気中1600〜1650℃で2時間程度炉内加熱
して、熔融または半熔融状態とした後、炉内で400℃以
下となるまで自然放冷し、さらに炉外で放冷することに
より、得られる。加熱温度が1600℃未満の場合には、水
酸アパタイトの生成量が増大する傾向がある。粉材
(a)中のリン酸四カルシウムの割合は、50〜75%の範
囲とする。リン酸四カルシウムの割合が、50%未満の場
合には、充填材としての生体親和性が不十分となり、一
方、75%を上回る場合には、硬化時間が短縮されて、治
療作業が困難となる。
粉材(a)の一部を構成する仮焼酸化マグネシウム
は、本発明糊材の硬化速度を低下させ、硬化時間を調整
するために、配合される。仮焼酸化マグネシウムに類似
の性質を有する水酸化カルシウムは、糊材の硬化時間を
著しく短縮させるので、使用し得ない。粉材(a)中の
仮焼酸化マグネシウムの割合は、0.1〜25%の範囲とす
る。仮焼酸化マグネシウムの割合が、0.1%未満の場合
には、硬化の調整が行われず、一方、25%を上回る場合
には、硬化が過度に抑制されて、硬化速度が著しく低下
する。
粉材(a)の他の成分である植物性樹脂は、その撥水
性により、体内酸の根端部への侵入を防止し、体内酸と
根端部との間で生ずる虞のある炎症を防ぐ働きをする。
この様な植物性樹脂としては、ロジンまたはグアヤック
樹脂を使用する。粉材(a)中の植物性樹脂の割合は、
20〜40%の範囲とする。粉材(a)中の植物性樹脂の割
合が、20%未満の場合には、体内酸の根端部への侵入を
充分に防止し得ないため、体内酸とリン酸四カルシウム
との反応により、糊材の硬化時間が短縮されるのに対
し、40%を上回る場合には、硬化時間が著しく長くな
る。
本発明においては、上記粉材(a)と高級脂肪酸から
なる液材(b)とを併用する。この様な高級脂肪酸とし
ては、生体に対する医害作用がなく、室温で液状であり
且つ水に不溶性のリノール酸、リノレン酸およびオレイ
ン酸の少なくとも一種を使用する。これらの間には、性
能上の相違は認められないが、粉材(a)との練り混ぜ
の易さの点からは、オレイン酸がより好ましい。これら
の高級脂肪酸は、その優れた撥水性の故に、粉材(a)
中の植物性樹脂と同様に、体内酸による根端部での炎症
を防止する機能ならびに充填材の硬化時間を調整する機
能を有する。粉材(a)と液材(b)の使用割合は、液
材(b)1ml当たり粉材(a)通常2〜4g以上、好まし
くは2.5〜3g程度である。
なお、本発明においては、粉材(a)が、粉材重量の
30%までのX線造影材をさらに含んでいても良い。この
場合には、根管充填状態のX線による確認が容易とな
り、根管治療を確実に行なうことが可能となる。X線造
影材としては、本発明による根管充填用硬化型糊材に性
能に影響しないものであれば、特に限定されないが、オ
キシ炭酸ビスマスまたは硫酸バリウムが特に好適であ
る。粉材(a)中の配合量は10〜30%とすることが、よ
り好ましい。10%未満の場合には、造影性が不十分とな
ることがあり、30%を上回る場合には、造影性は改善さ
れるものの、その他の性質が低下する。
発明の効果 本発明の根管充填用硬化型糊材によれば、下記の如き
顕著な効果が達成される。
(イ)生体親和性と生体活性を併せ持つリン酸四カルシ
ウムを主成分とするので、患部に長期間適用しても、何
ら障害を生じない。
(ロ)根端組織への刺激も極めて少ない。
(ハ)歯科医の治療方法などに応じて、粉材(a)と液
材(b)との割合を変えることにより、硬化時間を適当
に調整することができる。
(ニ)粉材と液材とからなる2材型の糊材であるので、
従来から行なわれている固体根管充填材料と併用する場
合にも、優れた硬化を奏することが出来る。
(ヘ)特別の器具を必要とせず、且つ作業性に優れてい
る。
実 施 例 以下に実施例および比較例を示し、本発明の特徴とす
るところをより一層明確にする。
実施例1〜11 第1表に示す割合の各材料を使用して、粉材(a)お
よび液材(b)を調製した後、ISO規格6876−1986に従
って、根管充填用硬化型糊材としての物性を測定した。
その結果を下記の比較例の結果とともに第3表に示
す。
なお、第1表における各記号は、以下の材料および事
項を表わす。
I…リン酸四カルシウム II…仮焼酸化マグネシウム III…ロジン IV…グアヤック樹脂 V…オキシ炭酸ビスマス VI…硫酸バリウム VII…リノール酸 VIII…リノレン酸 IX…オレイン酸 X…液材(b)1ml当たりの粉材(a)のg数 比較例1〜5 第2表に示す粉材と液材とからなる市販または公知の
根管充填用硬化型糊材の物性を測定した。その詳細は、
以下の通りである。
比較例1…“アパタイト ルートシーラー タイプI
I"、三金工業株式会社製 比較例2…“ネオダイン”、ネオ製薬工業株式会社製 比較例3…同上 比較例4…同上 比較例5…特開昭62−255403号公報に記載されたもの。
なお、第2表において、P/Lとあるのは、液材1ml当た
りの粉材のg数を表わす。
実験例1 上記の実施例および比較例に示した根管充填用硬化型
糊材を成犬15頭の下顎前臼歯150根管に対して適用し、
3ケ月後に病理組織的に検索した。
第4表にその結果を示す。
なお、第4表において、“新生硬組織により閉鎖”と
あるのは、新生される硬組織により、根管が閉鎖された
ことを意味する。このことは、リン酸四カルシウムが生
体親和性と生体活性とを有しており、そのために、根端
部周辺組織に炎症をほとんど生じさせず、既存組織の自
然治癒作用を妨げないことを示すものである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2材型の根管充填用硬化型糊材において、 (a)リン酸四カルシウム粉末50〜75%、 仮焼酸化マグネシウム0.1〜25% および 植物性樹脂 20〜40% からなる粉材と (b)高級脂肪酸からなる液材 とからなり、粉/液比(g/ml)が2以上であることを特
    徴とする根管充填用硬化型糊材。
  2. 【請求項2】高級脂肪酸が、リノール酸、リノレン酸お
    よびオレイン酸の少なくとも一種である請求項に記載
    の根管充填用硬化型糊材。
  3. 【請求項3】植物性樹脂が、ロジンおよびグアヤック樹
    脂の少なくとも一種である請求項に記載の根管充填用
    硬化型糊材。
  4. 【請求項4】粉材(a)が、粉材重量の30%までのX線
    造影材をさらに含む請求項に記載の根管充填用硬化型
    糊材。
  5. 【請求項5】X線造影材が、オキシ炭酸ビスマスまたは
    硫酸バリウムである請求項に記載の根管充填用硬化型
    糊材。
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JP4614376B1 (ja) * 2010-07-26 2011-01-19 日本歯科薬品株式会社 歯科用根管充填用シーラー組成物
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