JP4614376B1 - 歯科用根管充填用シーラー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱い性、生体親和性、ペースト稠度の再現性、硬化時間、根尖部封鎖性、及び保存安定性に優れた、根管充填用シーラー組成物を提供することにある。
【解決手段】(1)高級脂肪酸及びロジンを配合したペーストA剤と、酸化マグネシウム、植物油を配合したペーストB剤とを練和して得られる、ユージノールを含まない、2ペーストタイプの根管充填用シーラー組成物、(2)ペーストB剤中に、酸化亜鉛をさらに含有する(1)に記載の根管充填用シーラー組成物、及び(3)ペーストA剤又はペーストB剤中に、X線造影剤又は不透過剤をさらに含有する(1)及び(2)に記載の根管充填用シーラー組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、歯科保存治療のうち、歯内療法において、根管充填を行う際に使用するガッタパーチャポイントと根管壁との隙間を封鎖するために使用する根管充填用シーラー組成物に関する。
グロスマン著「エンドドンティックス」によると、歯内療法には、a)覆髄、b)断髄、c)徐活断髄法、d)抜髄法、e)感染根管治療があり、このうち、根管充填材、根管充填用シーラーを用いて根管治療を行うのは、d)とe)である。抜髄とは、歯髄腔から、正常または病的な生活歯髄を全部除去する処置をいう。感染根管治療とは、無髄歯(失活歯とも言う、根尖など歯周組織に病巣を有する歯牙を含む)に対して行われる処置をいう。
抜髄は、歯髄炎、う蝕や外傷などによる露髄、便宜抜髄に適応される。感染根管治療の適応歯としては、多くはa)〜d)の治療が既に為されていて、充填材等が充填されている場合であるが、根管内に失活歯髄が残存している症例をも含む。
抜髄、感染根管治療とも、術式に大差はなく、まず、歯髄腔の天蓋を除去し、髄腔の歯髄または充填物を切除または除去した後、根管内を探り、ファイルで根管歯髄組織または充填物を除去する。抜髄の場合は、根尖方向の歯髄は生活しているため、神経刺激性を有する薬剤の貼付、処置は避けるべきである。感染根管治療では、根尖狭窄部まで、根管形成するのが通例であり、根管内には生活歯髄が残存していることは殆どなく、根尖を封鎖、密閉性を高めることが重要になる。すなわち、根管内の成分が根尖に漏出しないようにすること、また、根尖周囲の組織液、浸出液などが根管内に侵入しないようにすることが必要となる。
根管拡大後、根管を十分に洗浄、乾燥し、即日充填するか、必要に応じ、貼薬、仮封し、数回にわたり症状改善を確認後に、根管充填を行う。
このような基礎的知見、共通認識を基に、d)、e)の治療の最終段階として、根管内の空隙を生体に安全な材料で封鎖し、高い密閉性を実現することで、根尖孔等、歯周組織からの細菌による二次感染を防止する目的で根管充填が広く行なわれている。そのため、生体為害性のない材料からなる根管充填材を使用し、根管治療時はできるだけ緊密に根管を充塞できることが重要となる。
この根管充填には、これまで、例えば、歯内療法ハンドブック,p149〜174,(医歯薬出版株式会社発行)、グロスマン著
「エンドドンティックス 10th ed., p249〜293,(医歯薬出版株式会社発行)に示されているように多種の材料、薬剤が用いられてきた。さまざまな臨床結果をもとにして、現在用いられているものを大別すると、固形のガッタパーチャポイントと、練和によりペースト状となる根管充填用シーラーに分けることができる。
抜髄後の根管内にガッタパ−チャと酸化亜鉛とを主成分とするガッタパーチャポイントと呼ばれる細い針状の根管充填材を充填し、練和によりペースト状となるシーラーを併用して封鎖する方法である。このガッタパーチャポイントを用いた根管の充填方法は、最終拡大号数と同号数のメインポイントを根管内に挿入し、スプレッダーで側方圧を加え、開いた隙間に複数本のアクセサリーポイントを挿入してスプレッダー操作を繰り返すことにより、ガッタパーチャポイントを順次根管内に充填する側方加圧充填法と呼ばれる方法が一般的に行われている。このとき、ガッタパーチャポイントを根管内に緻密に充填することが必要であるが、ガッタパーチャポイントは根管壁に対する密着性が不充分であるので、清掃及び消毒を完了した根管壁に、レンツロを用いて根管充填用シーラーを送り込んだ後に、ガッタパーチャポイントにも、根管充填用シーラーをつけてから根管内に充填して根管壁とガッタパーチャポイントとの隙間を埋めて封鎖性を高めることが行われている。
この根管充填用シーラーとして現在広く使用されているものは、酸化亜鉛とユージノールとを主成分とした材料である。
しかし、酸化亜鉛・ユージノール系の根管充填用シーラー組成物は、永年の臨床実績があり、現在でも幅広く臨床使用されているが、ユージノールはin vitro の細胞毒性試験では陽性を示すことから、生体に対する為害作用が懸念されるという問題があった。感染根管治療の場合には、根管形成が根尖狭窄部まで行われることから、ユージノールが根尖孔に漏出する可能性があり、不都合な症状を生じるおそれがある。
根管充填用シーラーとしては、他に酸化マグネシウムを用いたファイナペックAPC(商品名:京セラ(株))という粉剤と液剤からなる製品が知られている。これは液剤のグアヤコールとの酸塩基反応により硬化するものであるが、グアヤコールがユージノールと同じフェノール化合物であることから、ユージノール系根管充填用シーラーの1種として類別される。
ユージノールを含まない特許文献1記載の根管充填シーラーが、粉剤と液剤からなる製品(商品名:キャナルスN、昭和薬品化工(株))として市販され、今日も汎用されている。しかし粉液タイプであるため、使用できるまでの準備が面倒であり、練和にも約1分間の時間を要していた。当該製品の添付文書には液1滴(0.03ml)に対し粉0.1gを採取して練和することが記載されている。しかし、計量天秤を用いない限り、診療室において厳密に計量を実践できるものではなく、結果として、練和物のペースト稠度(粘性)には再現性がなく、結果として練和ペーストがガッタパーチャポイントやレンツロ(充填器具)に均一に絡みつかず、流れ落ちたり、また逆にペーストが固すぎることもあり、操作性に問題をきたすことがあった。
キャナルスNの添付文書によれば、その組成は散(粉)剤100g中、酸化亜鉛40g、ロジン30g、造影剤30gが含まれ、一方、液剤100ml中、脂肪酸50ml、プロピレングリコール50mlが含まれている。硬化反応の機序は酸化亜鉛と、ロジンおよび脂肪酸との酸塩基反応によるものである。プロピレングリコールを溶媒として用いることで、この硬化反応は特異的に活性化されるようである。実際、特許文献1には、プロピレングリコールのような多価アルコール又はポリアルキレングリコールの配合が不可欠である旨の記載がある。
本発明者らは、この粉・液製剤の組成をペースト・ペースト製剤にすべく鋭意検討したが、ペースト剤中に配合されたプロピレングリコールは、プラスチックシリンジ容器から蒸発し、ペースト剤が乾燥し固化するという問題があった。一方、高沸点のポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコール(PPG)を配合すると蒸発は回避できるが、硬化反応が進まず軟らかい硬化物しか得られなかったり、脂肪酸やロジンとの相溶性が悪くなり、硬化物表面にグリコール成分の液が分離して滲出するという問題があった。結局、特許文献1の組成技術をペースト・ペースト製剤の根管充填用シーラーにすることは不可能であった。
特許文献2には、植物油と、カルシウムまたはマグネシウムの酸化物と、X線造影剤あるいは不透過剤を含有するワンペーストタイプの歯科用根管充填材組成物が開示されている。これは、根管内に充填後、暫くは(数日〜数週間)硬化することがなく、乳歯の根管治療に適用できるワンペーストタイプの根管充填材である。
特許文献3には、ポリ(カルボン酸)、脂肪族酸及び粘稠調整剤からなる第1ペーストと、酸化亜鉛、放射線不透過性材料及び粘稠調整剤からなる第2ペーストを混合して調整された、2ペーストタイプの歯内療法用シーラーペーストにおいて、酸化亜鉛がポリカルボン酸および脂肪族酸と反応することが記載されている。
非特許文献1は、ユージノール系の2ペーストタイプの根管充填用シーラー(商品名:ニシカキャナルシーラー、日本歯科薬品(株))の有用性について記載されている。根管充填シーラーを臨床で使用する上で重要なペースト稠度と根管壁へのぬれ性、さらに使用感との関連性について詳述している。
特開昭60−181004号公報 特開2002−173409号公報 特表2002−517425号公報
歯界展望、第114巻、第2号、349−353頁、2009年
本発明が解決しようとする課題は、取り扱い性、生体親和性、ペースト稠度の再現性、硬化時間、根尖部封鎖性、及び保存安定性に優れた、根管充填用シーラー組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題解決につき鋭意研究の結果、高級脂肪酸及びロジンを配合したペーストA剤と、酸化マグネシウム、植物油を配合したペーストB剤とを練和して得られる、ユージノールを含まない、2ペーストタイプの根管充填用シーラー組成物が、これらの課題解決に優れた結果を与えることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)高級脂肪酸及びロジンを含有するペーストA剤と、酸化マグネシウム、及び植物油を含有するペーストB剤とを混合、練和して得られる、ユージノールを含まない根管充填用シーラー組成物。
(2)ペーストB剤中に、酸化亜鉛をさらに含有する、(1)に記載の根管充填用シーラー組成物。
(3)ペーストA剤100質量%中に、高級脂肪酸20〜50質量%及びロジン40〜80質量%を含有する(1)又は(2)に記載の根管充填用シーラー組成物。
(4)ペーストB剤100質量%中に、酸化マグネシウム5〜30質量%及び植物油10〜40質量%含有する(1)〜(3)のいずれか1項に記載の根管充填用シーラー組成物。
(5)ペーストA剤又はペーストB剤中に、X線造影剤又は不透過剤をさらに含有する、(1)〜(4)に記載の根管充填用シーラー組成物。
(6)高級脂肪酸及びロジンを含有するペーストA剤と、酸化マグネシウム及び植物油を含有するペーストB剤とを含む、ユージノールを含まない根管充填用シーラー組成物調整用のキット。
(7)ペーストB剤中に、酸化亜鉛をさらに含有する、(6)に記載の根管充填用シーラー組成物調整用のキット。
本発明の根管充填用シーラー組成物において、ペーストA剤中の高級脂肪酸は、ペーストB剤中の酸化マグネシウムと接触することでケン化反応が進行し、その結果、練和ペーストのシーラーが硬化する。同じくペーストA剤中のロジンも酸化マグネシウムと接触するとケン化反応が進行するため、硬化反応を確実に生じ、適切な硬化が実現する。酸化マグネシウムは、脂肪酸やロジンとのケン化(硬化)反応が緩徐であるため、練和操作や根管充填操作に際し、時間的余裕があり、また、植物油と反応しないため、製品の保存安定性が確保される。
また、本願発明においては、ユージノールなどフェノール化合物の代替として高級脂肪酸及びロジンを用いることで、細胞毒性の少ない、即ち生体への為害作用の少ない非ユージノール系根管充填用シーラーを提供することができた。
加えて、臨床面で重要である取り扱い性に関して、
1)準備が簡便で、練和時間も短縮することができた。すなわち、2種のペースト、ペーストA剤およびペーストB剤を市販のデュアル型シリンジ容器に充填することで、1回の押し出しで2ペーストの等量が練和紙に採取でき、練和のための準備が簡便となった。また、ペーストの練和時間は迅速で、わずか10秒程度しか必要とせず、「押し出して軽く練るだけ」という簡単操作の根管充填シーラーが完成した。
2)練和物は根管充填用シーラーに適した優れた特性を有し、誰でもが容易にその練和物を得ることができるようになった。すなわち、ペースト製剤とすることで、製品製造時に機械練和及び真空脱泡ができるため、滑らかな性状の練和物(ペースト)が容易に得られる。また練和物(ペースト)がガッタパーチャポイントやレンツロ(充填器具)に均一に絡みつくなど、充填操作に最適なペーストちょう度を設定することができる。ペースト製剤とすることで、練和物(ペースト)稠度の再現性にも優れるので、「誰が練っても、いつも同じペースト稠度で仕上がる」ため、経験の有無、長短にかかわらず、一定の性状の練和物を簡便に仕上げることができることから、根管充填用シーラーとして望まれる性状、及び効果が得られることで、安心して歯科治療を行うことが可能となった。
3)練和物(ペースト)は、直接根管内に注入できる稠度であり、シリンジ容器先端にミキシングチップを装着することで、根管内に直接充填することも可能となり、治療面でさらに使用が容易なものとなった。
ペーストA剤中の高級脂肪酸は、ペーストB剤中の酸化マグネシウムと接触するとケン化反応が進行し、その結果、練和ペーストのシーラーが硬化する。高級脂肪酸としては、炭素数15以上であり、かつ室温付近にて液体であるものが好ましい。炭素数7〜15などの低分子脂肪酸は、ペースト稠度や硬化特性などのシーラーの性能としては問題ないものの、脂肪酸自体の独特で嫌な鼻を突く刺激臭があるために好ましくない。炭素数15以上であり、かつ室温付近にて液体である高級脂肪酸が好ましく、そのうち飽和の脂肪酸であれば、炭素鎖が分岐しているようなイソステアリン酸が最も好ましく、不飽和の脂肪酸であれば、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸などが最も好ましく使用できる。ペーストA剤中の高級脂肪酸の配合量は、20〜50質量%であり、好ましくは30〜40質量%である。20質量%以下では硬化時間が遅れ、根尖孔外の浸出液や血液により根管内壁が汚染され、根尖部の封鎖性が低下する恐れがあり、さらには液成分が減少することでペーストA剤自体の粘稠性が高くなり、使用時のペーストちょう度が高くなりすぎて使用が困難になる。一方、50質量%以上では硬化時間が短すぎて、根管充填操作中にペーストが固くなり、根管内へのペーストの移送が困難になったり、操作余裕時間がなくなったり、さらには液成分の増加により使用時のペースト稠度が緩くなりすぎて根管内へのペーストの移送が困難になるという問題点が発生する。
ペーストA剤中のロジンはマツ属諸種植物の分泌物から精油を除いて得た固形樹脂のことであり、特に限定されず、通常歯科用分野で使用されるものが使用できる。ロジン中の構成成分は90%の樹脂酸と10%の中性物質からなる。樹脂酸の主成分(約90%)は加熱により異性化したアビエチン酸であり、他成分としてピマール酸、イソピマール酸を含み、精油はほとんど含まない。尚、フランス産のものはピマール酸含量が高い。これらロジンの不飽和結合部分を水素添加したロジンも挙げられる。
ロジンも酸化マグネシウムと接触するとケン化反応が進行するため、練和ペースト(即ち、シーラー)の硬化反応を促進する成分となる。ペーストA剤中のロジンの配合量は、40〜80質量%であり、好ましくは50〜70質量%である。
40質量%以下では硬化時間が遅れ、根尖孔外の浸出液や血液により汚染され、根尖部の封鎖性が低下する危険性を誘発することがある。一方、80質量%以上では使用時のペースト稠度が高くなりすぎ、根管内へのペーストの移送が困難になるという問題点がある。
ペーストB剤中の酸化マグネシウムは、高級脂肪酸及びロジンと接触すると鋭敏にケン化反応が進行し、シーラーが硬化するため、硬化時間は酸化マグネシウムの配合量により制御される。具体的には酸化マグネシウムの配合量が、少ないと硬化反応が遅く、場合によっては完全に硬化しなくなる。また過剰であると、硬化反応が速くなり、根管内への充填が困難となる。最適な硬化時間(10分〜30分)を制御するのに必要な酸化マグネシウムの配合量は、ペーストB剤中、5〜30質量%であり、とくに10〜20質量%であることが好ましい。
ペーストB剤中の植物油としては、ペーストを作る際の基材となる天然物由来成分であれば何でもよく、オリブ油、落花生油、ナタネ油、大豆油、ベニバナ油、綿実油、コーン油、月見草油等の植物油が挙げられ、さらにリノール酸、オレイン酸、リノレン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸とグリセリンのエステル化合物もこの範疇に含まれる。
根管充填用シーラーとしての理想的なペーストちょう度は、練和物ペーストのちょう度が高すぎず、根管内で流れない稠度である。植物油の含有量が少ないと、使用時のペースト稠度が高くなりすぎて根管内へのペーストの移送が困難になったり、場合によってはペーストB剤の調製自体が困難になる。また過剰であると使用時のペースト稠度が緩くなりすぎ、操作性に問題を生ずる。理想的なペースト稠度を満足するための植物油の含有量は、ペーストB剤中、10〜40質量%、とくに15〜30質量%であることが好ましい。
植物油を媒体とし、酸化亜鉛と酸化マグネシウムを併用した場合、酸化亜鉛と、ロジンおよび脂肪酸の酸塩基反応はきわめて遅く、実際には酸化マグネシウムが優先的に硬化反応に寄与していると考えられる。酸化マグネシウムの配合量が少ないと、硬化が満足に進行しない(比較例7)。
本発明の根管充填材組成物は、ペーストB剤中に、X線造影剤もしくは不透過剤を配合することにより、根管内に適性に充填されたかどうかのレントゲンによる判定、および経過観察することができる。X線造影剤もしくは不透過剤としては、ヨードホルム、硫酸バリウム、次炭酸ビスマス、ジルコニア、酸化亜鉛などの1種、もしくは2種以上を用いることができる。
X線造影剤もしくは不透過剤の含有量については特段の制限はないが、あまり少なすぎると、根管充填後にレントゲンにて充填状況を診査する際に必要なX線造影性が得られない。根管充填シーラーに求められるX線造影性は、JIS−T6522〔歯科用根管充てん(填)シーラ〕によって“アルミニウム厚さ板3mm以上”と要求されており、用いるX線造影剤もしくは不透過剤の種類によって異なるが、たとえば硫酸バリウムであればペーストB剤中に25質量%以上の配合量が必要となる。
また、ペーストA剤およびB剤の粘度を調整する目的で、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンの超微粒子や、流動パラフィン、ワセリン、ロウ、樹脂、シロップ等の軟膏基剤、あるいはセルロース類、エステルガム、ガッタパーチャ等の増粘材を添加してもよい。植物油およびX線造影剤は、基本的にペーストB剤中に配合されるが、粘度を調整する目的でペーストA剤に配合することもできる。
本発明の根管充填シーラーは、根管内に充填後、酸化マグネシウムが高級脂肪酸及びロジンとケン化反応し、5分〜2時間(好ましくは10分〜30分)で硬化する。本発明では、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、および水酸化マグネシウムを配合することはできず、酸化マグネシウムのみに限定される。即ち、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、および水酸化マグネシウムを用いると、脂肪酸やロジンとのケン化(硬化)反応が迅速に起こるため、ペースト練和時に硬化が始まり、練和操作や充填操作ができなくなり実用に耐えなくなる。さらに植物油とのケン化反応が進行するため、ペーストB剤が保管中にシリンジ内で固化(硬化)するなど、操作性と安定性に問題を生じる。
以下、本発明の根管充填用シーラー組成物の等量で混合して使用した場合の性能を確認した実施例について説明する。
本発明の根管充填用シーラーとしての特性は、JIS−T6522〔歯科用根管充てん(填)シーラ〕に準じて試験を行なったときのペースト稠度が20〜35mmであり、X線造影性が厚さ3mm以上のアルミニウム板相当(JIS−T6522)であり、臨床術式を加味した臨床的硬化時間が8〜12分であり、JIS-T6610〔歯科用酸化亜鉛ユージノールセメント及び酸化亜鉛非ユージノールセメント〕に準じて試験を行なったときの硬化時間が10〜30分であること、また根尖部封鎖性試験の基準値として、色素浸透距離が0〜1mmであることが望まれる。
表1にペーストA剤の組成A1〜A7及び比較組成A1〜A5を、表2にペーストB剤の組成B1〜B7及び比較組成B1〜B4の組成を示す。ペーストA剤及びペーストB剤の各原料をそれぞれ磁性乳鉢にて混合、練和してペーストを作製し、下記の試験項目により評価した。
〔ペースト稠度(JIS−T6522)〕
ペーストA剤とペーストB剤を等容量採取して練和し、3分後にその0.05mL相当の量をガラス板に挟む。23℃、相対湿度50%の環境下で、120g(ガラス板込み)の加重を7分間かけ、試料の広がり径を計測し、ペースト稠度が20〜35mmを合格(○判定)とし、逸脱した稠度を不合格(×判定)とした。なお、JIS−T6522による稠度の試験結果は、粘稠性の高いペーストに対しては小さな実測値を、粘稠性の低いペーストに対しては大きな実測値で観測される。
〔臨床的硬化時間〕
ペーストA剤とペーストB剤を等容量採取して練和し、練和物を塗布したガッタパーチャポイント(マスターポイント#35)をパスツールピペットの先端部に充填する。練和から2分後から37℃、相対湿度95%以上の環境におき、12分経過時点で引き抜き荷重30gをガッタパーチャポイントにかけ、抜けないことを確認した。ガッタパーチャポイントが抜けないことを合格(○判定)とし、抜けてしまったものを不合格(×判定)とした。
〔硬化時間(JIS−T6610)〕
ペーストA剤とペーストB剤を等容量採取して練和し、練和物をφ10mm、高さ2mmの金型に満たす。練和から2分後から37℃、相対湿度95%以上の環境におき、φ2mm、100gのビカー針を用いて、所定時間ごとに針の貫通の有無を調べた。硬化時間が10〜30分を合格(○判定)とし、逸脱した硬化時間を不合格(×判定)とした。
〔X線造影性(JIS−T6522)〕
ペーストA剤とペーストB剤を等容量採取して練和し、練和物をφ10mm、高さ1mmの金型に満たす。この試験片と、長さ50mm、幅20mmで厚さが0.5mm間隔の階段状(0.5〜9.0mm)のアルミニウムステップウェッジを並べてX線装置内に置く。管電圧65kVでX線を照射し、試験片の画像を撮影する。得られた試験片画像の光学濃度(明るさ)をアルミニウムステップウェッジの光学濃度と比較して、試験片の光学濃度をアルミニウムの厚さで表し、X線造影性がアルミニウム厚さ板3mm以上を合格(○判定)とし、3mm以下を不合格(×判定)とした。
表3に各試験の結果を示す。
ペーストA剤の組成A1〜A7と、ペーストB剤の組成B1〜B7と組み合わせて使用した実施例1〜7は、ペースト稠度、臨床的硬化時間、硬化時間、X線造影性について、根管充填用シーラーとしての特性値のすべてを満足できるものであった。
これに対し、ペーストA剤の比較組成A1’〜A5’をペーストB剤の組成B1と組み合わせて使用した場合(比較例1〜5)、いずれも根管充填用シーラーとしての特性値を満足しなかった。
すなわち、比較組成A1’は高級脂肪酸の量が少なくかつロジンの量が多いため、比較例1では、硬化時間は満足されるものの、ペースト稠度が高すぎ粘稠すぎて使用できるものとはなり得なかった。
比較組成A2’は高級脂肪酸の量が多いため、比較例2では、硬化時間が短すぎ、ペースト稠度が緩すぎるため、これもまた使用できるものとはなり得なかった。
比較組成A3’、A4’は高級脂肪酸の量が少ないために、比較例3及び4では、硬化時間が長くなり、ペースト稠度は適切な範囲であるものの根管内での硬化が期待されない。
比較組成A5’はロジンの量が少ないため、比較例5では、硬化時間が長くかつペースト稠度が緩すぎるため、やはり不適切なものとなった。
また、ペーストB剤の比較組成B1’〜B4’をペーストA剤の組成A1と組み合わせて使用した場合(比較例6〜9)もまた、いずれも根管充填用シーラーとしての特性値を満足しなかった。
すなわち、比較組成B1’は植物油の量が少ないため、ペースト化することができず、粉状になり、B剤の調製自体が不可能であった。
比較組成B2’は酸化マグネシウムの量が少ないために、比較例7では、硬化が遅すぎて満足に進行せず、72時間以上硬化は確認できなかった。
比較組成B3’は酸化マグネシウムが多いために、比較例8では、硬化が非常に早く進行し、実際にはとても使用できるものではない。加えてX線造影剤の量が不足していたせいか、X線造影性も乏しいものになっている。
比較組成B4’は植物油が多いため、比較例9のペースト稠度は緩く硬化も非常に遅いものとなり、これも実際に使用することは不可能である。
このように各比較例で挙げた組成の根管充填用シーラー組成物は、それぞれ本発明の実施例の場合のように、根管充填用シーラーとしての特性値のすべてを満足できるものにはなり得ない。
〔根尖封鎖性試験〕
ヒト上顎前歯抜去歯20本を使用し、形成根管側壁に残存する有機質や感染象牙質の除去を目的として、リーマーやファイルなどの根管壁切削器具を用いて根管を機械的に拡大した。細い♯15リーマーを用いて根尖孔の穿通を確認後、細いファイルから順次太い号数のものに変え、♯70まで拡大するステップバック法により根管拡大を行った。#70ガタパーチャポイントを根管内に試適し、根管長に合わせる。本発明の実施例1の組成とキャナルスNの2種類のシーラーをレンツロ(ペースト充填器)にて根管壁に塗布し、#70メインポイントにシーラーを塗布して根管内に挿入し、スプレッダーで側方圧を加え、開いた隙間にアクセサリーポイントを挿入した。スプレッダー操作とアクセサリーポイント挿入を繰り返し、側方加圧根管充填を行った。最後にプラガーを熱し、余ったポイントを切断除去し垂直圧を加え、根管充填を終えた。充填の長さは根尖部より10mm以上とした。根管上部は水硬性仮封材(商品名:キャビットG、エスぺ社)にて仮封、精製水中に1週間保存した。その後、根尖部約3mmを除く歯冠側にネイルバーニッシュを塗布してコーティングし、メチレンブルー溶液中に3日間浸漬した。続いてネイルバーニッシュを剥離して水洗し、10%硝酸で3日間脱灰して歯根の無機質成分とシーラーを完全溶解する。その後、5%硫酸ナトリウムで中和、エチルアルコールで脱水後、サリチル酸メチルにて透徹(歯根の有機質成分であるコラーゲンを固定化)し透明標本を作製した。得られた透明標本を実態顕微鏡で観測し、ポイント(作業長)先端からの色素浸透距離の最大到達距離を求めて評価した。
結果を表4に示した。本発明の実施例1の組成とキャナルスNともに封鎖性は良好であり、色素浸透距離は統計学的に有意差を認めなかった。
Figure 0004614376
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Claims (7)

  1. 高級脂肪酸及びロジンを含有するペーストA剤と、酸化マグネシウム及び植物油を含有するペーストB剤とを混合、練和して得られる、ユージノールを含まない根管充填用シーラー組成物。
  2. ペーストB剤中に、酸化亜鉛をさらに含有する、請求項1に記載の根管充填用シーラー組成物。
  3. ペーストA剤100質量%中に、高級脂肪酸20〜50質量%及びロジン40〜80質量%を含有する請求項1又は2に記載の根管充填用シーラー組成物。
  4. ペーストB剤100質量%中に、酸化マグネシウム5〜30質量%及び植物油10〜40質量%を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の根管充填用シーラー組成物。
  5. ペーストA剤又はペーストB剤中に、X線造影剤又は不透過剤をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の根管充填用シーラー組成物。
  6. 高級脂肪酸及びロジンを含有するペーストA剤と、酸化マグネシウム及び植物油を含有するペーストB剤とを含む、ユージノールを含まない根管充填用シーラー組成物調整用のキット。
  7. ペーストB剤中に、酸化亜鉛をさらに含有する、請求項6に記載の根管充填用シーラー組成物調整用のキット。
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