JPH0684110B2

JPH0684110B2 - 染料の熱転写に用いる染料供与素子用のアミノ基で修飾されたシリコーン滑層に用いる高分子結合剤

Info

Publication number: JPH0684110B2
Application number: JP63255724A
Authority: JP
Inventors: ノエル・ロール・ヴァニアー
Original assignee: Eastman Kodak Co
Current assignee: Eastman Kodak Co
Priority date: 1987-10-13
Filing date: 1988-10-11
Publication date: 1994-10-26
Anticipated expiration: 2009-10-26
Also published as: EP0311840A3; EP0311840B1; EP0311840A2; US4753920A; JPH01135689A; DE3869045D1

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は染料の熱転写に用いる染料供与素子に関する。
より詳細にはかかる染料供与素子の裏面にあるアミノ基
で修飾されたシリコーン滑層中に特徴ある結合剤を使用
することに関する。

（先行技術）近年、カラービデオカメラで電気的につくり出される画
像からプリントを得ることを目的とする熱転写系が開発
された。その開発された方法の一つによれば、まず色フ
ィルターによって電気的な画像の色を分けてそれぞれの
色の画像を電気信号に変換し、その後これらの電気信号
からシアン、マゼンタおよびイエローの電気信号をつく
り出すように操作して電気信号を熱転写器へ送る。シア
ン、マゼンタおよびイエローの染料供与素子はプリント
を行うために染料受容素子に近接して設置されている。
線形熱転写ヘッドが染料供与シートの裏面から熱を与え
るように、これら二つの素子を熱転写ヘッドと熱盤ロー
ラーとの間に挿入する。線形熱転写ヘッドは加熱素子を
数多く有しており、シアン、マゼンタおよびイエローの
電気信号に応じて継続的に加熱される。その残りの二色
について同じ操作が繰り返される。このようにして、画
面上の元の画像に対応したカラーハードコピーが得られ
る。この工程およびこの工程を実施するための装置はブ
ラウンスタイン（Brownstein）の「熱プリント装置操縦
法およびそのための装置」と題する米国特許第4,621,27
1号（1986年11月４日付）にさらに詳しく記載されてい
る。

バニヤー（Vsnier）らの米国特許第4,738,950号にはア
ミノ基で修飾されたシリコーン滑層が開示されておりま
たかかるシリコーン滑層について特許が成立している。

（発明が解決しようとする課題）熱転写による染料プリント用の染料供与素子を使用する
際には、効果的な熱転写を行うために支持体を薄くしな
くてはならないという問題がある。しかし、支持体とし
て例えば薄いポリエステルのフィルムを使用すれば、プ
リント操作で加熱される際にフィルムが軟化して熱転写
ヘッドにくっついてしまう。このため染料熱転写供与素
子は熱転写ヘッドを一定の速度で通過できずに移動速度
にむらを生ずることになる。したがって、このようにし
てプリントされた染料は全体にわたって一様にはならず
明帯と暗帯が交互に続くひびり模様を描いてしまう。ま
た、染料供与素子が伸びたために受容素子上に色の薄い
部分が生ずるという問題もある。さらに、染料供与素子
の裏側がすりへって溶けた破片が熱転写ヘッド上に蓄積
して進行方向に平行で像全体にひろがるステーキを生ぜ
しめるという別の問題もある。また、極端な場合にはプ
リント中に染料供与素子が引き裂かれる程の摩擦が生ず
ることもある。

本発明はかかる問題点を解決して商業的に受容される系
を提供することを目的とする。

上述のバニヤーらの特許に記載されているアミノ基で修
飾されたシリコーン滑層は優れた滑性を有しているが、
染料供与体自体を巻き上げたときに問題が生ずる。即
ち、滑層にある種の結合剤を使用すると染料−結合剤層
中で染料が結晶化したり粘着しやすくなったりするので
ある。

本発明はかかる問題を解決あるいは軽減することをも目
的としている。

（課題を解決するための手段）上記の目的およびその他の目的が本発明のよって達成さ
れた。本発明は、一面が熱によって転写しない高分子結
合剤中に分散した昇華性染料からなる染料層でその裏面
が高分子結合剤に分散した潤滑物質を含有する滑層であ
る支持体を有する、染料の熱転写に用いる染料供与素子
であって：前記潤滑物質は室温で液体の直鎖または分枝状のアミノ
アルキル末端ポリ（ジ低級アルキルシロキサン）を含有
し、また前記高分子結合剤はセルロースアセトプロピオ
ネート、セルロースナイトレートまたはセルロースアセ
テートヒドロジェンフタレートを含有することを特徴と
する染料供与素子を提供する。本発明に係る結合剤を使
用することによって上記の粘着や染料の結晶化という問
題を軽減することができる。

本発明の好ましい実施態様では、ポリシロキサンは0.00
05から0.05g/m²含有させる。これは、結合剤の重量にし
て約0.1から10％に相当する。

本発明の滑層中に用いるポリシロキサンは、室温で液体
のアミノアルキル末端を一以上有する直鎖または分枝状
のポリ（ジ低級アルキルシロキサン）であればいかなる
ものであってもよい。本発明の好ましい実施態様では、
シロキサンは末端がアミノプロピルジメチルであるポリ
メチルシロキサンである。例えば次式：（ｎは10から2000である）の構造を有するシロキサン
（19007、ペンシルベニア州ブリストール、バートランR
d、ペトラーチシステム社からPS513^Rとして市販）等が
これに含まれる。

本発明の他の実施態様では、シロキサンは分枝点がＴ字
構造であるアミノアルキル基を有するポリジメチルシロ
キサンである。例えば次式；（ｍは１から10であり、ｎは10から1000である）の構造
を有するポリジメチルシロキサン（ペトラーチシステム
社からPS054^Rとして市販）等がこれに含まれる。

上に記載したように、本発明の滑層中に用いる高分子結
合剤にはセルロースアセトプロピオネート、セルロース
ナイトレート、セルロースアセートヒドロジェンフタレ
ート等がある。本発明で用いるセルロースアセトプロピ
オネートは、アセチルを好ましくは２から３％、プロピ
オニルを好ましくは35から50％およびにヒドロキシルを
好ましくは1.5から７％含有する。セルロースナイトレ
ートは、60から80％硝酸化されているのが好ましい。セ
ルロースアセテートヒドロジェンフタレートは、アセチ
ルを好ましくは18から25％およびフタリルを好ましくは
25から40％含有する。

本発明の好ましい実施態様では結合剤はセルロースアセ
トプロピオネートである。それは、セルロースアセトプ
ロピオネートには様々な粘度を有するものがあり、しか
もコーテングの際に塩素化溶媒を用いなくてもよいから
である。

本発明の滑層に用いる高分子結合剤の使用量は臨界的な
ものではないが、0.1から2g/m²で使用するのが一般的で
ある。

本発明の染料供与素子に使用する染料は、加熱したとき
に染料受容層に転写することができるものであればいか
なるものであってもよい。特に次式；造を有する昇華性の染料を用いた場合には好結果が得ら
れる。また米国特許第4,541,830号に開示されているい
ずれの染料を用いた場合にも同様に好結果が得られる。
これらの染料を単独で用いたり併用したりして単色をつ
くり出してもよい。染料は疎水性であるのが好ましく、
被覆量を0.05から1g/m²としてもよい。

本発明の染料供与素子用の支持体は寸法安定性を有し熱
プリントヘッドの熱に耐え得るものであればいかなる物
質を使用してもよい。そのような物質の中には、ポリ
（エチレンテレフタレート）等のポリエステル、ポリア
ミド、ポリカーボネート、グラシン紙、コンデンサー
紙、セルロースエステル、フッ素高分子、ポリエーテ
ル、ポリアセタール、ポリオレフィンおよびポリアミド
が含まれる。かかる支持体の厚さは通常２から30μｍで
ある。また、支持体は所望により下塗り層でコートして
もよい。

上で述べたように、本発明の染料供与素子は染料を転写
した像を形成するのに使用される。かかる像は、上で述
べたように染料供与素子を像の形に加熱して染料像を染
料受容素子に転写することによって形成される。

本発明の好ましい実施態様では、染料供与素子はシア
ン、イエローおよびマゼンタを連続的に繰り返しコート
したポリ（エチレンテレフタレート）の支持体からな
る。上記の転写はそれぞれの色について連続的に行わ
れ、三色からなる染料転写像が形成される。また、かか
る転写を単一色で行うことによって単一色の染料転写像
を形成してもよいことは言うまでもない。

以下で本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する
が、本発明の範囲はかか実施例に限定されるものではな
い。

実施例下記の層をポリ（エチレンテレフタレート）でできた６
μｍの支持体上にコートしてシアン染料供与素子を製造
した。

１）ｎ−プロピルアセテートとｎ−ブタノールとの混合
溶媒からコートしたチタニウムアルコキシド（デュポン
Tyzor TBT^R:0.12g/ml）の下塗り層。

２）トルエン、メタノールおよびシクロペンタノンの混
合溶媒からコートした、セルロースアセトプロピオネー
ト（2.5％アセチル、45％プロピオニル）結合剤（0.44g
/m²）中の上記のシアン染料（0.28g/m²）およびデュポ
ンDLX-6000テフロン^Rマイクロパウダー（0.016g/m²）を含有する染料層。

この染料供与体の裏面には下記の層をコートした。

１）ｎ−プロピルアセテートと１−ブタノールとの混合
溶媒からコートしたチタニウムアルコキシド（デュポン
Tyzor TBT^R:0.12g/m²）の下塗り層。

２）下記の結合剤（各々0.54g/m²）中のｐ−トルエンス
ルホン酸（0.0004g/m²）で中和した次式；（Ｊは−(CH₂)₃NH₂を示す）の構造を有するシロキサン
（ペトラルチシステム社PS-513として市販：粘度2000ct
sk.〜2300mw:0.016g/m²）の滑層。

対称用結合剤（トルエンおよび３−ペンタノンの混合溶
媒からコート）Ａ）セルロースアセトブチレート（2.8％アセチル、50
％ブチリル）Ｂ）エチルセルロース（ヘルクレス社タイプ50）Ｃ）ポリ（スチレンコアクリロニトリル）（重量比30:7
0）Ｄ）ポリ（ビニルアルコールーベンザル）（モンサント
社 Butvar76^R）Ｅ）ポリ（ビニルアセテート）Ｆ）ポリ（メチルメタクリレート）本発明の結合剤（トルエンおよび３−ペンタノンの混合
溶媒からコート）１）セルロースアセトプロピオネート（2.5％アセチ
ル、45％プロピオニル、2.8％ヒドロキシル）２）セルロースアセトプロピオネート（2.5％アセチ
ル、40％プロピオニル、5.0％ヒドロキシル）３）セルロースナイトレート（セルロースと硝酸のエス
テル:77％硝酸化）４）セルロースアセテートヒドロジェンフタレート（19
-24％アセチル:30-36％フタリル）コートした染料供与体を適当な強度で直径22mmの円筒状
の埋め木（60g）に巻き上げ、相対湿度60％、温度60℃
で３日間静置した。その後、下記の評価基準をもとに染
料供与体のほどき易さと染料層中に生成する染料の結晶
の外観を記録した。

粘着性の評価基準 1.素子の先端を持つと重力でロールが自然にほどける 2.ロールはほどけるが少しクラッキングノイズを伴う 3.ロールはほどけるが著しいクラッキングノイズを伴う 4.ロールがほとんどほどけない 5.ロールがほどけない染料の結晶化の評価基準 1.全く結晶は見うけられない 2.ほとんど結晶の生成は認められない 3.中程度に結晶の生成が認められる 4.かなり結晶の生成が認められる 5.実質的に全部が結晶化している結果は第１表に示す通りである。

第１表結合剤粘着性染料の結晶化Ａ（対称）４５Ｂ（対称）４３Ｃ（対称）３５Ｄ（対称）５５Ｅ（対称）５５Ｆ（対称）３５ 1 １３ 2 ２２ 3 １２ 4 ２１（発明の効果）上記の実験結果は、本発明の高分子結合剤は、これと類
似性が高いが本発明の範囲に含まれない高分子結合剤に
比べて、巻き上げたときに表面と裏面との間の粘着およ
び／または染料の結晶化が起こりにくいことを示してい
る。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭60−230896（ＪＰ，Ａ) 特開昭60−192688（ＪＰ，Ａ) 特開昭60−137693（ＪＰ，Ａ) 特開昭62−82086（ＪＰ，Ａ) 特開昭61−290093（ＪＰ，Ａ) 特開昭58−171992（ＪＰ，Ａ) 特開昭59−148697（ＪＰ，Ａ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一面が熱によって転写しない高分子結合剤
中に分散した昇華性染料からなる染料層でその裏面が高
分子結合剤中に分散した潤滑物質を含有する滑層である
支持体を有する、染料の熱転写に用いる染料供与素子で
あって：前記潤滑物質は室温で液体の直鎖または分枝状のアミノ
アルキル末端ポリ（ジ低級アルキルシロキサン）を含有
し、また前記高分子結合剤はセルロースアセトプロピオ
ネート、セルロースナイトレートまたはセルロースアセ
テートヒドロジェンフタレートを含有することを特徴と
する染料供与素子。