JPH068392U - 作業車輛における旋回テーブルの旋回装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 旋回装置の旋回ベアリングの歯部面に対する
泥砂の噛み込みが少なく、かつ、安価なコストで構成し
得るようにする。 【構成】 車体上面に旋回テーブルを装架し、それの上
面に作業装置を支架する作業車輛において、旋回テーブ
ル２の上面に、支持架台３およびこれに支架する作業装
置ａを、回転軸線ｚに対し左右一側に偏芯させて装架
し、旋回装置Ｗの旋回ベアリング６を内歯歯車式として
車体１の上面に固定装架し、これに噛合わす駆動ピニオ
ン７を、支持架台３および作業装置ａの偏芯方向と反対
側において旋回ベアリング６に内接するよう旋回テーブ
ル２の下面側に配位してその旋回テーブル２に軸支し、
この駆動ピニオン７を駆動する旋回駆動機構８を、支持
架台３および作業装置ａの偏位により形成される旋回テ
ーブル２上面のスペースに配位して旋回テーブル２上面
に装架せしめる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、走行装置により走行する車体の上面に、旋回ベアリングとこれに噛 合う駆動ピニオンとこれを駆動する旋回駆動機構とよりなる旋回装置を介して、 竪の回転軸線により旋回する旋回テーブルを支架し、それの上面に、作業装置支 持用の支持架台を装架し、その支持架台に昇降する作業台等の作業装置を支架せ しめて構成される作業車輛における旋回テーブルの旋回装置についての改良に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

上述の形態の作業車輛Ａにおける旋回テーブルの旋回装置Ｗは、従前のものに あっては、高所作業車Ａにおいて具体的にいえば、図１および図２に示している 如く、走行装置１０により走行する車体１の上面に、後面視において左右の略中 心線が竪方向の回転軸線となって回転するように旋回テーブル２を旋回装置Ｗを 介して支架し、その旋回テーブル２の上面に、作業装置支持用の支持架台３を、 後面視において左右の中心が前記回転軸線上に略位置するよう配位して装設し、 これに、伸縮ブーム４の先端部に作業台５を支架した作業装置ａを、それの左右 の中心線が後面視において前述の回転軸線上に略位置するように配位して装架し 、それの伸縮ブーム４と支持架台３との間には、伸縮ブーム４を支点軸４０中心 に起伏回動させる油圧シリンダ４１を渡架し、伸縮ブーム４の内部には該伸縮ブ ーム４を伸縮作動させる油圧シリンダ４２を収蔵し、さらに、伸縮ブーム４と作 業台５との間には作業台５を水平な姿勢に保持せしめる油圧シリンダ４３を渡架 し、これら油圧シリンダ４１・４２・４３を、前述の旋回テーブル２の上面また は作業台５の上面に装架するエンジンとそれにより駆動される油圧ポンプ等の油 圧装置よりなる駆動部ｂによって作動せしめて、作業台５を昇降させるようにす る。

【０００３】 そして、旋回テーブル２を旋回させる旋回装置Ｗは、旋回テーブル２の下面側 に、外周面に歯部を設けたリング状の外歯歯車式の旋回ベアリング６を、それの 軸芯線が前記旋回軸線とラップするように配位して車体１の上面に組付け、それ の外周面の歯車面に外接して噛合う駆動ピニオン７を、該旋回テーブル２に軸支 し、それの回転軸を、旋回テーブル２の上面に装架せる油圧モーターおよび減速 機構等よりなる旋回駆動機構８に伝導せしめて、この旋回駆動機構８を前述の駆 動部ｂの油圧装置により作動させることで、外歯歯車式の旋回ベアリング６の周 囲を駆動ピニオン７が回転して転動するようにして旋回テーブル２の３６０度の 旋回作動を行なわすようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上述の形態の作業車輛における旋回テーブルの旋回装置Ｗは、旋回テーブル２ の下面側に配位して車体１上面に組付ける旋回ベアリング６を、外周面に歯車面 を設けた外歯歯車式にしていることで、駆動ピニオン７と噛合う歯車面が外部に 向け露出した状態となることにより作業中の泥砂の噛み込みが多く、そのため不 安が大きい問題がある。また、外歯歯車式の旋回ベアリング６は、旧式の形態に 属し、入手性が悪くコスト的に割高になる問題がある。また、駆動ピニオン７を 駆動させるために、旋回テーブル２の上面に設ける旋回駆動機構８は、旋回ベア リング６の外周面の歯車面に噛合わす駆動ピニオン７を駆動させることから、支 持架台３およびそれに支架せる伸縮ブーム４の側方で作業台５の下面と旋回テー ブル２の上面との間の限られたスペースに配設されることになり、このスペース に配設する駆動部ｂの組付用のスペースに制約を生ぜしめる問題がある。

【０００５】 また、旋回ベアリング６の入手性を良くして、コストを安価にするために、内 周側に歯車面を持つ内歯歯車式の旋回ベアリングを用いる試みもなされているが 、そのようにすると、駆動ピニオン７が平面視において旋回ベアリング６の歯車 面の内側に位置し、この駆動ピニオン７を駆動させる旋回駆動機構８が支持架台 ３に支架した伸縮ブーム４等の作業装置ａに干渉することになって、旋回テーブ ル２の上面に組付けセットすることができなくなる別の問題を生ぜしめるように なる。そして、このことから、前述した種々の不都合を承知の上で外歯歯車式の 旋回ベアリング６が使用されているのである。

【０００６】 本考案は、上述の形態の従前の作業車輛に生じているこれらの問題を解消せし めるためになされたものであって、旋回ベアリング６を入手性の良い内歯歯車式 のものとしながら、これに噛合わす駆動ピニオン７を駆動させる旋回駆動機構８ を、旋回テーブル２上面に支持架台３を介して装架させる作業装置ａと干渉する ことなくその旋回テーブル２の上面に組付け装架せしめ得るようにして、旋回テ ーブル２の旋回装置Ｗを、それの旋回ベアリング６の歯部面に対する泥砂の噛み 込みが少なく、かつ、安価なコストで構成し得るようにする新たな手段を提供す ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そして、本考案においては、上述の目的を達成するための手段として、走行装 置により走行する車体の上面に、旋回ベアリングとこれ噛合う駆動ピニオンとこ れを駆動する旋回駆動機構とよりなる旋回装置を介して旋回テーブルを竪方向の 回転軸線をもって旋回するよう支架し、該旋回テーブルの上面に作業装置支持用 の支持架台を支架し、これに作業装置を支架せしめる作業車輛において、旋回テ ーブルの上面に、支持架台およびこれに支架する作業装置を、後面視において、 前記回転軸線に対し左右一側に偏芯させて装架し、前記旋回装置の旋回ベアリン グを内歯歯車式として車体の上面に固定装架し、これに噛合わす駆動ピニオンを 、前記支持架台および作業装置の偏芯方向と反対側において旋回ベアリングに内 接するよう旋回テーブルの下面側に配位してその旋回テーブルに軸支し、この駆 動ピニオンを駆動する旋回駆動機構を、前記支持架台および作業装置の偏位によ り形成される旋回テーブル上面のスペースに配位して旋回テーブル上面に装架せ しめてなる作業車輛における旋回テーブルの旋回装置を提起するものである。

【０００８】

【実施例】

次に実施例を図面に従い詳述する。なお、図面符号は従前手段のものと同効の 構成部材については同一の符号を用いるものとする。

【０００９】 図３は本考案を実施せる作業車輛たる高所作業車Ａの一部破断した側面図で、 同図において、１は走行装置１０により走行する車体、２は車体１の上面に旋回 装置Ｗを介し竪方向の回転軸線をもって旋回自在に支架した旋回テーブル、３は その旋回テーブル２の上面に装設した支持架台、ａはその支持架台３に支架した 伸縮ブーム４と作業台５とよりなる作業装置、４１は伸縮ブーム４を支点軸４０ 中心に起伏回動させる油圧シリンダ、４２は伸縮ブーム４を伸縮さすようその伸 縮ブーム４内に収蔵した油圧シリンダ、４３は作業台５を水平な姿勢に保持する 油圧シリンダ、６は車体１の上面に固定装設せる前記旋回装置Ｗの旋回ベアリン グ、７はその旋回ベアリング６の歯車面に噛み合って回転するよう旋回テーブル ２に軸支した駆動ピニオン、８はその駆動ピニオン７を駆動するよう旋回テーブ ル２の上面に装架した旋回駆動機構を示し、これらの構成は基本的には従来手段 のものと変わりがない。

【００１０】 しかし、旋回テーブル２の上面に装設せる作業装置支持用の支持架台３は、図 ４に示している如く、後面視における左右の中心線ｙが、旋回装置Ｗによる旋回 テーブル２の回転軸線ｚに対して、左右方向の一側に所定の偏芯量でオフセット した状態として装設してある。そして、この支持架台３に支架する作業装置ａは 、それの伸縮ブーム４は左右の一側にオフセットした状態の支持架台３の左右の 中心部位に配位することで、旋回テーブル２の回転軸線ｚに対し左右の一側に偏 芯した状態位置を占めるようにするが、この伸縮ブーム４の先端側に支架する作 業台５にあっては、図４にあるよう左右の中心線が旋回テーブル２の回転軸線ｚ に略揃う状態位置に配設される。

【００１１】 また、旋回テーブル２を旋回させる旋回装置Ｗにあっては、それの旋回ベアリ ング６が内周側に歯車面を具備する内歯歯車式のものになっている。そして、こ の旋回ベアリング６の内歯歯車に内接して噛合う駆動ピニオン７は、図４に示し ている如く、旋回テーブル２の回転軸線ｚとなる旋回ベアリング６の軸芯線に対 して支持架台３および伸縮ブーム４を偏芯させた側と反対側に位置するように配 位して旋回テーブル２に軸支し、その状態位置において、内歯歯車式の旋回ベア リング６の歯車面に噛合わせてあって、これにより、この駆動ピニオン７を駆動 する旋回駆動機構８が、前記支持架台３および伸縮ブーム４を旋回テーブル２の 回転軸線ｚに対し左右の一側に偏芯させることで、旋回テーブル２の上面に形成 される空間を利用して、平面視において内歯歯車式の旋回ベアリング６の内周側 となる部位に支持架台３および伸縮ブーム４と干渉することなく配置されて、旋 回テーブル２の上面に装架し得るようにしてある。

【００１２】 この場合、支持架台３およびこれに支架する作業装置たる伸縮ブーム４の偏芯 量は、上述した如く、内歯歯車式の旋回ベアリング６の歯車面に内接する駆動ピ ニオン７を駆動するようこの駆動ピニオン７の上方に配位して旋回テーブル２の 上面に装設する旋回駆動機構８が、支持架台３および作業装置たる伸縮ブーム４ に干渉することなく、それらの外側に位置させていけるように、この旋回駆動機 構８の大きさ形状に対応させて設定するが、支持架台３については、図５に示し ている如く、旋回駆動機構８と対応する部位に、これを逃す切欠部３０を形設し ておいても、強度的に不安がない場合には、このように切欠部３０を形設して旋 回駆動機構８を図４の如く支持架台３の内外に渡るように配設して、支持架台３ の偏芯量を小さくするか、または偏芯させない状態としてよい。

【００１３】 なお、図示する実施例装置において、６０は旋回ベアリング６と嵌合する軸受 を支持せしめて旋回テーブル２の下面側に固定装着する軸受支持部材である。ま た、図４において、鎖線により省略して示しているｂは、エンジンおよびそのエ ンジンにより駆動される油圧ポンプ等の油圧装置によって構成される駆動部であ る。この駆動部ｂは旋回テーブル２の上面に限らず作業台５の上面に装架する場 合がある。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案による作業車輛における旋回テーブルの旋回装置 は、旋回テーブル２の上面に、支持架台３およびこれに支架する作業装置ａを、 後面視において、前記回転軸線ｚに対し左右一側に偏芯させて装架し、前記旋回 装置Ｗの旋回ベアリング６を内歯歯車式として車体１の上面に固定装架し、これ に噛合わす駆動ピニオン７を、前記支持架台３および作業装置ａの偏芯方向と反 対側において旋回ベアリング６に内接するよう旋回テーブル２の下面側に配位し てその旋回テーブル２に軸支し、この駆動ピニオン７を駆動する旋回駆動機構８ を、前記支持架台３および作業装置ａの偏位により形成される旋回テーブル２上 面のスペースに配位して旋回テーブル２上面に装架せしめて構成しているのだか ら、旋回ベアリング６を入手性の良い内歯歯車式のものとしながら、これに噛合 わす駆動ピニオン７を駆動させる旋回駆動装置８を、旋回テーブル２上面に支持 架台３を介して装架させる作業装置ａと干渉することなくその旋回テーブル２の 上面に組付け装架せしめ得るようにして、旋回テーブル２の旋回装置Ｗを、それ の旋回ベアリング６の歯部面に対する泥砂の噛み込みが少なく、かつ、安価なコ ストで構成し得るようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従前の作業車輛の一部破断した側面図である。

【図２】同上作業車輛の一部破断した正面図である。

【図３】本考案を実施せる作業車輛の一部破断した側面
図である。

【図４】同上の一部破断した正面図である。

【図５】同上の要部の斜視図である。

【符号の説明】

Ａ…作業車輛、ａ…作業装置、ｂ…駆動部、Ｗ…旋回装
置、ｙ…中心線、ｚ…回転軸線、１…車体、１０…走行
装置、２…旋回テーブル、３…支持架台、３０…切欠
部、４…伸縮ブーム、４０…支点軸、４１・４２・４３
…油圧シリンダ、５…作業台、６…旋回ベアリング、６
０…軸受支持部材、７…駆動ピニオン、８…旋回駆動機
構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行装置１０により走行する車体１の上
   面に、旋回ベアリング６とこれ噛合う駆動ピニオン７と
   これを駆動する旋回駆動機構８とよりなる旋回装置Ｗを
   介して旋回テーブル２を竪方向の回転軸線ｚをもって旋
   回するよう支架し、該旋回テーブル２の上面に作業装置
   支持用の支持架台３を支架し、これに作業装置ａを支架
   せしめる作業車輛Ａにおいて、旋回テーブル２の上面
   に、支持架台３およびこれに支架する作業装置ａを、後
   面視において、前記回転軸線ｚに対し左右一側に偏芯さ
   せて装架し、前記旋回装置Ｗの旋回ベアリング６を内歯
   歯車式として車体１の上面に固定装架し、これに噛合わ
   す駆動ピニオン７を、前記支持架台３および作業装置ａ
   の偏芯方向と反対側において旋回ベアリング６に内接す
   るよう旋回テーブル２の下面側に配位してその旋回テー
   ブル２に軸支し、この駆動ピニオン７を駆動する旋回駆
   動機構８を、前記支持架台３および作業装置ａの偏位に
   より形成される旋回テーブル２上面のスペースに配位し
   て旋回テーブル２上面に装架せしめてなる作業車輛にお
   ける旋回テーブルの旋回装置。